特許第5797198号(P5797198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5797198断熱材マットを備えたセグメント化された喫煙製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797198
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】断熱材マットを備えたセグメント化された喫煙製品
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20151001BHJP
   A24D 1/04 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A24D1/04
【請求項の数】23
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-526815(P2012-526815)
(86)(22)【出願日】2010年8月10日
(65)【公表番号】特表2013-502232(P2013-502232A)
(43)【公表日】2013年1月24日
(86)【国際出願番号】US2010044989
(87)【国際公開番号】WO2011028372
(87)【国際公開日】20110310
【審査請求日】2013年7月17日
(31)【優先権主張番号】12/546,107
(32)【優先日】2009年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505191869
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セバステイアン,アンドリーズ・ドン
(72)【発明者】
【氏名】コナー,ビリー・タイローン
(72)【発明者】
【氏名】バネルジー,チヤンドラ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】アルダーマン,ステイーブン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ブラクストン,ポール・イー
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,キヤロリン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス,アルバロ・パーラ
(72)【発明者】
【氏名】インジエブレスセン,ブラツドリー・ジエイ
(72)【発明者】
【氏名】マレー,クリステン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ネスター,テイモシー・ビー
(72)【発明者】
【氏名】クロツクス,イボン・ルエリン
【審査官】 長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−502194(JP,A)
【文献】 米国特許第05546965(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0233294(US,A1)
【文献】 特許第2919835(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙巻きたばこであって、
点火端部および口端部と、
点火端部に配設された喫煙可能なセグメントであって、ある長さを有し、包装材料によって取り囲まれた喫煙可能な材料を含む、喫煙可能なセグメントと、
口端部に配設された口端ピースセグメントと、
喫煙可能なセグメントと口端ピースセグメントの間に配設されたエアロゾル発生システムとを備え、該エアロゾル発生システムが
(i)喫煙可能なセグメントに隣接する熱発生セグメントを含み前記熱発生セグメントが、ある長さを有し、喫煙可能な材料の燃焼によって活性化されるように構成された熱源と、
チューブまたはマット形状に織り込まれた、編み込まれた、またはそれらの組合せの非ガラスビスコースレーヨン材料の内側層、および外側層を含む難燃性材料の複数層の熱材とを含み、前記エアロゾル発生システムがさらに、
(ii)エアロゾル形成材料を組み込むエアロゾル発生セグメントを含み前記エアロゾル発生セグメントが、ある長さを有し、熱発生セグメントと口端部の間に配設されるが、熱発生セグメントおよび口端部の各々から物理的に離され、前記紙巻きたばこがさらに、
(i)エアロゾル発生セグメントの周りにその長さの少なくとも一部分だけ、(ii)熱発生セグメントの周りにそのセグメントの長さだけ、および(iii)喫煙可能なセグメントの周りにその長さの少なくとも一部分だけ上包みをもたらすように配向された一片の外側包装材料を備え、これらのセグメントが、紙巻きたばこロッドをもたらすように上包みによって一緒に連結され、
口端ピースセグメントが、チッピング材料を用いて紙巻きたばこロッドに連結される、紙巻きたばこ。
【請求項2】
難燃性材料が、ステンレス鋼繊維、アルミニウム繊維、セラミック繊維、綿、炭素繊維、硫酸カルシウム繊維、またはそれらの任意の組合せから選択された材料をさらに含む、請求項に記載の紙巻きたばこ。
【請求項3】
熱発生セグメントおよびエアロゾル発生セグメントが、互いに熱交換関係にあり、複数層の断熱材が、熱源の少なくとも一部分の周りに断熱層をもたらす、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項4】
複数層の断熱材が、非ガラス材料の織物外側層をさらに含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項5】
複数層の断熱材が、少なくとも95%炭素を含有する炭素繊維をさらに含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項6】
熱発生セグメントとエアロゾル発生セグメントの間に緩衝体をさらに含み、緩衝体が、
開いた空気空間、
織り込まれた、編み込まれた、またはそれらの組合せの非ガラス材料、
発泡金属材料
発泡セラミック材料、
発泡セラミック金属複合物、および
それらの任意の組合せからなる群から選択された構造を含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項7】
複数層の断熱材が、シリカを組み込むレーヨン繊維をさらに含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項8】
複数層の断熱材が、セルロース繊維をさらに含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項9】
複数層の断熱材が、織り編みされたハイブリッド材料を含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項10】
複数層の断熱材が、金属化繊維、金属繊維、またはそれらの組合せの選択された1つをさらに含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項11】
熱源が、炭素をみ、複数層の断熱材の内側層と外側層との間に断熱中間層をさらに含む、請求項1に記載の紙巻きたばこ。
【請求項12】
紙巻きたばこであって、
点火端部および口端部と、
口端部に配設された口端ピースセグメントと、
点火端部の近くに配設されたエアロゾル発生システムとを備え、該エアロゾル発生システムが
(i)熱発生セグメントを備え、該熱発生セグメントが、ある長さを有し、喫煙可能な材料の燃焼によって活性化されるように構成された熱源と、
チューブまたはマット形状に織り込まれた、編み込まれた、またはそれらの組合せの非ガラスビスコースレーヨン材料の内側層、および外側層を含む難燃性材料の複数層の断熱材とを含み、前記エアロゾル発生システムがさらに、
(ii)エアロゾル形成材料を組み込むエアロゾル発生セグメントを含み、前記エアロゾル発生セグメントが、ある長さを有し、熱発生セグメントと口端部の間に配設されるが、熱発生セグメントおよび口端部の各々から物理的に離され、前記紙巻きたばこがさらに、
(i)口端ピースセグメントの周りにそのセグメントの長さだけ、(ii)エアロゾル発生セグメントの周りにそのセグメントの長さだけ、および(iii)熱発生セグメントの周りにその長さの少なくとも一部分だけ上包みをもたらすように配向された単一片の外側包装材料を備える、紙巻きたばこ。
【請求項13】
熱発生セグメントの長さが、約30mm未満であり、熱源が、炭素質の燃料要素を含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項14】
エアロゾル発生セグメントが、グリセリン、プロピレングリコール、またはそれらの組合せを含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項15】
熱発生セグメントおよびエアロゾル発生セグメントが、互いに熱交換関係にある、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項16】
複数層の断熱材が、少なくとも95%炭素を含有する炭素繊維をさらに含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項17】
熱発生セグメントとエアロゾル発生セグメントとの間に緩衝体をさらに含み、緩衝体が、
開いた空気空間、
織り込まれた、編み込まれた、またはそれらの組合せの非ガラス材料、
発泡金属材料、
発泡セラミック材料、
発泡セラミック金属複合物、および
それらの任意の組合せからなる群から選択された構造を含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項18】
複数層の断熱材が、シリカで処理されたレーヨン繊維をさらに含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項19】
複数層の断熱材が、セルロース繊維をさらに含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項20】
複数層の断熱材が、織り編みされたハイブリッド材料を含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項21】
複数層の断熱材が、金属化繊維、金属繊維、またはそれらの組合せの選択された1つをさらに含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項22】
熱源が、炭素をみ、複数層の断熱材の内側層と外側層との間に断熱中間層をさらに含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【請求項23】
エアロゾル発生セグメントが、タバコを含む、請求項12に記載の紙巻きたばこ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコから作製されたもしくはタバコ由来の製品、または別の形でタバコを組み込み、ヒトが消費することが意図された製品に関する。本出願は、一般に、喫煙製品(たとえば紙巻きたばこ)に関し、特にセグメント化されたタイプの喫煙製品の構成要素および構造に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きたばこなどのよく使用されている喫煙製品は、ほぼ円筒状のロッド形状の構造を有し、包装紙によって囲まれた、細断化された(たとえばカットフィラー形態の)タバコなどの喫煙可能な材料の充填、ロールまたは円柱を含み、それによっていわゆる「喫煙可能なロッド」、「タバコロッド」、または「紙巻きたばこロッド」を形成する。通常、紙巻きたばこは、タバコロッドと端と端を接した関係で位置合わせされた円筒状のフィルタ要素を有する。好ましくは、フィルタ要素は、「プラグラップ」として知られている紙材料によって取り囲まれた、可塑化された酢酸セルロースのトウを含む。好ましくは、フィルタ要素は、「チッピング紙」として知られている、取り囲む包装材料を用いてタバコロッドの一方の端部に取り付けられる。また、吸い込まれた主流煙の周囲空気による希釈をもたらすために、チッピング材料およびプラグラップに穿孔することも望ましくなってきている。紙巻きたばこおよびそのさまざまな構成要素の説明は、Davisら(共編)(1999年)の「Tobacco Production、Chemistry and Technology」および参照によって本明細書に組み込まれたBorschkeらの米国特許第7,503,330号明細書に記載されている。紙巻きたばこは、喫煙者により、その一方の端部に点火し、タバコロッドを燃焼させることによって使用される。喫煙者は、次いで、紙巻きたばこの反対側の端部(たとえばフィルタ端部)を吸い込むことによって主流煙を自らの口に受け入れる。
【0003】
炭素質の燃料要素を使用する特定のタイプの紙巻きたばこは、R.J.Reynolds Tabacco Companyによって「Premier」および「Eclipse」の商標名で市販されている。たとえば、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tabacco、R.J Reynolds Tobacco Company Monograph(1988年)およびInhalation Toxicology、12:5、1〜58頁(2000年)で説明されたこれらのタイプの紙巻きたばこを参照されたい。より最近では、紙巻きたばこは、「Steam Hot One」の商標名で日本たばこ産業株式会社によって日本で販売されている。紙巻きたばこのセグメント化されたタイプの炭素質の燃料要素は、金属および金属酸化物の超微粒子を組み込むことができることもまた提案されている。たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれた、Banerjeeらの米国特許出願公開第2005/0274390号明細書を参照されたい。
【0004】
タバコまたは加工されたタバコを、化学的熱源または電気的熱源から生成された熱にかけることによって香味付けられた蒸気を発生させる喫煙製品のタイプなどの喫煙製品の他のタイプもまた、Banerjeeらの米国特許第5,285,798号明細書およびBanerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書、ならびにRobinsonらの米国特許出願公開第2008/0092912号明細書で説明されており、これらの特許文献は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。電気エネルギーを使用して熱を生成する喫煙製品の1つのタイプが、「Accord」の商標名でPhilip Morris Inc.によって市販されている。
【0005】
タバコカットフィラー以外の熱源を使用してタバコ香味の蒸気またはタバコ香味の可視的なエアロゾルを生成する喫煙製品は、幅広い商業的成功を得ていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,503,330号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0274390号明細書
【特許文献3】米国特許第5,285,798号明細書
【特許文献4】米国特許第7,290,549号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0092912号明細書
【特許文献6】米国特許第5,551,451号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2009/0090373号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2008/0233294号明細書
【特許文献9】米国特許第4,922,901号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2009/0044818号明細書
【特許文献11】米国特許第6,874,508号明細書
【特許文献12】米国特許第7,479,098号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2006/0272663号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2009/0194118号明細書
【特許文献15】米国特許第5,246,017号明細書
【特許文献16】米国特許第3,319,629号明細書
【特許文献17】米国特許第3,413,982号明細書
【特許文献18】米国特許第3,904,577号明細書
【特許文献19】米国特許第4,281,671号明細書
【特許文献20】米国特許第4,876,078号明細書
【特許文献21】米国特許第4,947,874号明細書
【特許文献22】米国特許第5,230,960号明細書
【特許文献23】米国特許第5,268,158号明細書
【特許文献24】米国特許第5,338,605号明細書
【特許文献25】米国特許第5,446,005号明細書
【特許文献26】米国特許第5,482,773号明細書
【特許文献27】米国特許第5,536,486号明細書
【特許文献28】米国特許第5,622,190号明細書
【特許文献29】米国特許第7,223,376号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2006/0201524号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2006/0231113号明細書
【特許文献32】米国特許第3,550,598号明細書
【特許文献33】米国特許第6,117,455号明細書
【特許文献34】米国特許第7,381,175号明細書
【特許文献35】米国特許第7,478,637号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2006/0144412号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2006/0174901号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2007/0012327号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2007/0095357号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2008/0142028号明細書
【特許文献41】米国特許第3,339,558号明細書
【特許文献42】米国特許第3,390,686号明細書
【特許文献43】米国特許第3,685,521号明細書
【特許文献44】米国特許第3,916,914号明細書
【特許文献45】米国特許第4,889,144号明細書
【特許文献46】米国特許第6,631,722号明細書
【特許文献47】米国特許出願公開第2004/0261807号明細書
【特許文献48】国際公開第03/009711号
【特許文献49】米国特許第5,223,185号明細書
【特許文献50】米国特許第5,387,093号明細書
【特許文献51】米国特許第5,882,680号明細書
【特許文献52】米国特許第6,719,933号明細書
【特許文献53】米国特許第6,949,256号明細書
【特許文献54】米国特許出願公開第2004/0224020号明細書
【特許文献55】米国特許出願公開第2005/0196437号明細書
【特許文献56】米国特許出願公開第2005/0249676号明細書
【特許文献57】米国特許第5,724,997号明細書
【特許文献58】米国特許第5,052,413号明細書
【特許文献59】米国特許第5,088,507号明細書
【特許文献60】米国特許第5,105,838号明細書
【特許文献61】米国特許第5,469,871号明細書
【特許文献62】米国特許出願公開第2005/0066986号明細書
【特許文献63】米国特許第3,308,600号明細書
【特許文献64】米国特許第4,280,187号明細書
【特許文献65】米国特許第4,281,670号明細書
【特許文献66】米国特許第6,229,115号明細書
【特許文献67】米国特許第7,296,578号明細書
【特許文献68】米国特許出願公開第2007/0215167号明細書
【特許文献69】米国特許第4,714,082号明細書
【特許文献70】米国特許第4,756,318号明細書
【特許文献71】米国特許第4,881,556号明細書
【特許文献72】米国特許第4,989,619号明細書
【特許文献73】米国特許第5,020,548号明細書
【特許文献74】米国特許第5,027,837号明細書
【特許文献75】米国特許第5,067,499号明細書
【特許文献76】米国特許第5,076,297号明細書
【特許文献77】米国特許第5,099,861号明細書
【特許文献78】米国特許第5,105,831号明細書
【特許文献79】米国特許第5,129,409号明細書
【特許文献80】米国特許第5,148,821号明細書
【特許文献81】米国特許第5,156,170号明細書
【特許文献82】米国特許第5,178,167号明細書
【特許文献83】米国特許第5,211,684号明細書
【特許文献84】米国特許第5,247,947号明細書
【特許文献85】米国特許第5,345,955号明細書
【特許文献86】米国特許第5,560,376号明細書
【特許文献87】米国特許第5,706,834号明細書
【特許文献88】米国特許第5,727,571号明細書
【特許文献89】米国特許第4,807,809号明細書
【特許文献90】米国特許第4,893,637号明細書
【特許文献91】米国特許第4,938,238号明細書
【特許文献92】米国特許第5,027,836号明細書
【特許文献93】米国特許第5,065,776号明細書
【特許文献94】米国特許第5,119,837号明細書
【特許文献95】米国特許第5,303,720号明細書
【特許文献96】米国特許第5,396,911号明細書
【特許文献97】米国特許第5,546,965号明細書
【特許文献98】米国特許第5,902,431号明細書
【特許文献99】米国特許第5,944,025号明細書
【特許文献100】米国特許第5,791,384号明細書
【特許文献101】米国特許第5,720,320号明細書
【特許文献102】米国特許第5,025,814号明細書
【特許文献103】米国特許出願公開第2004/0173229号明細書
【特許文献104】米国特許第5,183,062号明細書
【特許文献105】米国特許第5,203,355号明細書
【特許文献106】米国特許第5,588,446号明細書
【特許文献107】米国特許出願公開第2007/0023056号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Davisら(共編)(1999年)の「Tobacco Production、Chemistry and Technology」
【非特許文献2】Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tabacco、R.J Reynolds Tobacco Company Monograph(1988年)
【非特許文献3】Inhalation Toxicology、12:5、1〜58頁(2000年)
【非特許文献4】「Polyacrylonitrile(PAN) Carbon Fibers Industrial Capability Assessment:OUSD(AT&L) Industrial Policy」(2005年10月)
【非特許文献5】Kondoの、Microcapsule Processing and Technology、ISBN 0824768574(1979年)
【非特許文献6】IwamotoらのAAPS Pharm.Sci.Tech. 2002年 3(3):article 25
【非特許文献7】Sabit Adanurによる「Handbook of Weaving」、CRC Press 2001年 ISBN 158716137
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
不完全燃焼および熱分解の生成物を大量に送出することなく、喫煙者に従来の紙巻きたばこの喫煙の数多くの利益および利点を提供する能力を実証する喫煙製品を提供することが極めて望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、喫煙製品に関し、特に紙巻きたばこなどのロッド形状の喫煙製品に関する。喫煙製品は、点火端部(すなわち上流側端部)および口端部(すなわち下流側端部)を含む。喫煙製品はまた、(i)熱発生セグメントと、(ii)熱発生セグメントの下流側に位置するエアロゾル発生領域またはセグメントとを含むエアロゾル発生システムも含む。喫煙製品は、織り込まれても織り込まれなくてもよいガラス繊維材料または非ガラス繊維材料、金属、セラミック、およびセラミック金属複合物(たとえばサーメット)から選択された発泡モノリシック材料、または熱発生セグメントとエアロゾル発生セグメントの間の緩衝領域内にも組み込まれ得る他の材料の1つまたは複数を含むことができる熱発生セグメントに関連付けられたさまざまな断熱構造を含む、さまざまな方法で構成され得る。
【0010】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明においてより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】代表的な喫煙製品の長手方向断面図である。
図2】代表的な喫煙製品の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
さまざまな喫煙製品、そのさまざまな構成要素の配置、これらの喫煙製品が上包み構成要素を組み込む方法に関連する本発明の態様および実施形態が、図1および2を参照して説明される。図を通じて、同じ構成要素には同じ番号表示が与えられる。さまざまな図に関して、さまざまな喫煙製品および喫煙製品構成要素のさまざまな包装材料および上包みの厚さは、誇張されている。最も好ましくは、包装材料および上包み構成要素は、喫煙製品および喫煙製品構成要素にきつく巻き付けられてタイトフィットをもたらし、審美的に見栄えの良い外観を与える。
【0013】
図1を参照すると、紙巻きたばこの形態の代表的な喫煙製品10が、示されている。喫煙製品10は、ロッド様形状を有し、点火端部14および口端部18を含む。
【0014】
点火端部14には、長手方向に延びる略円筒状の喫煙可能な点火端部セグメント22が、喫煙可能な材料26を組み込んで配置される。代表的な喫煙可能な材料26は、植物由来の材料(たとえば、カットフィラー形態のタバコ材料)になり得る。例示的な円筒状の喫煙可能な点火端部セグメント22は、包装紙材料30内に包まれまたは配設され、包装紙材料30によって取り囲まれた喫煙可能な材料26(たとえば、タバコカットフィラー)の充填またはロールを含む。したがって、その円筒状の喫煙可能な点火端部セグメント22の長手方向に延びる外面は、包装材料30によって与えられる。好ましくは、セグメント22の両端は、喫煙可能な材料26を露出させるように開口している。喫煙可能な点火端部セグメント22は、喫煙可能な材料26および包装材料30が各々、その全長さに沿って延びるように構成され得る。
【0015】
喫煙可能な点火端部セグメント22から下流側に位置するのは、長手方向に延びる、略円筒状の熱発生セグメント35である。熱発生セグメント35は、包装材料45によって同軸に囲まれ得る断熱材42によって取り囲まれた熱源40を含む。熱源40は、好ましくは喫煙可能な材料26の燃焼によって活性化されるように構成される。喫煙材料の発火および燃焼は、ユーザに所望の体験(少なくとも香味および喫煙製品10を点火するのにかかる時間に関して)を提供する。喫煙可能な材料が消費されるときに発生する熱は、最も好ましくは、熱源40を発火させる、または別の形で活性化させるのに十分なものである。
【0016】
熱源40は、略円筒状の形状を有し、可燃性の炭素質材料を組み込むことができる可燃性の燃料要素を含むことができる。炭素質の材料は、全体的に高い炭素含量を有する。好ましい炭素質の材料は、主に炭素から構成され、通常、乾燥重量ベースで、約60パーセントを上回る、一般的には約70パーセントを上回る、しばしば約80パーセントを上回る、および多くは約90パーセントを上回る炭素含量を有する。燃料要素は、可燃性の炭素質の材料以外の成分(たとえば粉末タバコまたはタバコ抽出物などのタバコ成分;香味剤、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび炭酸ナトリウムなどの塩;熱安定性グラファイト繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末状炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア塩などのアンモニア源;および/またはグアーガム、アルギン酸アンモニウムおよびアルギン酸ナトリウムなどの結合剤)を組み込むことができる。代表的な燃料要素は、約12mmの長さおよび約4.2mmの全体外径を有する。代表的な燃料要素は、粉砕または粉末化された炭素質材料を用いて押出成形または合成することができ、乾燥重量ベースで、約0.5g/cmを上回る、しばしば約0.7g/cmを上回る、および多くは約1g/cmを上回る密度を有する。たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれた、Riggsらの米国特許第5,551,451号明細書およびBorschkeらの米国特許出願公開第2009/0090373号明細書に記載されたタイプの燃料要素、配合、および設計を参照されたい。
【0017】
燃料要素40の別の実施形態は、参照によって本明細書に組み込まれたLobovskyの米国特許出願公開第2008/0233294号明細書に開示されたタイプの発泡プロセスで形成された発泡炭素モノリスを含むことができる。この実施形態は、熱源を発火させるのにかかる時間の短縮に関して利点をもたらすことができる。別の実施形態では、燃料要素40は、断熱材42の層と共に同時に押出成形されてもよく、それによって製造時間およびコストを低減する。燃料要素のさらに他の実施形態は、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書で説明されたタイプの炭素繊維、またはTakeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号明細書に開示されたものなどの他の熱源の実施形態を含むことができ、これら特許文献の各々は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0018】
断熱材42の代表的な層は、ガラスフィラメントまたは繊維を含むことができる。断熱材42は、熱源40を喫煙製品10内の所定位置に堅固に維持するのを助けるジャケットとして作用することができる。断熱材42は、不織ガラスフィラメントの内側層またはマット47、再構成タバコ紙の中間層48、および不織ガラスフィラメントの外側層49を含む複合層の構成要素として設けられ得る。これらは、同軸に配向されてもよく、または各々が熱源を上包みするおよび/または取り囲んでもよい。
【0019】
1つの実施形態では、断熱材の内側層47は、織り込まれた、編み込まれた、または織り編み両方の(たとえば、いわゆる三次元の織り/編みのハイブリッドマットなどの)さまざまな非ガラスのフィラメントまたは繊維を含むことができる。織り込まれる場合、内側層47は、織物のマットまたはチューブとして形成され得る。織物または編物のマットまたはチューブは、あらゆる熱関連変化が断熱材層に起こり得るときなど、断熱材層上に均一性に関する空気流の優れた制御をもたらすことができる。当業者は、織物、編物、またはハイブリッドの材料が、比較的一様でないおよび/または低減した空気流を与え得る不規則に閉鎖および開いた空間をより有し易い不織材料と比較して、フィラメント間または繊維間により規則的な一貫した空気空間/空隙を与え得ることを理解するであろう。
【0020】
好ましくは、熱発生セグメント35の両端部は、開口しており、熱源40および断熱材42を隣接するセグメントにさらしている。熱源40およびその周りの断熱材42は、両方の材料の長さが、同一の広がりを有する(すなわち、断熱材42の端部は、熱源40のそれぞれの端部と特に熱発生セグメントの下流側端部において同一平面である)ように構成され得る。任意選択で、必ずしも好ましくはないが、断熱材42は、熱源40のいずれかまたは両方の端部をわずかに超えて(たとえば、約0.5mmから約2mm超えて)延びることができる。さらに、喫煙可能な点火端部セグメント22が喫煙製品10の使用中に燃焼されるときに生成される煙は、口端部18上での喫煙者による吸い込み中、熱発生セグメント35を容易に通り抜けることができる。
【0021】
熱発生セグメント35は、好ましくは、喫煙可能な点火端部セグメント22の下流側端部に隣接して配置され、それにより、これらのセグメントは、端と端を接した関係で軸方向に位置合わせされ、好ましくは互いに当接されるが、それらの間に(開いた空気空間以外の)障壁は有さない。熱発生セグメント35および喫煙可能な点火端部セグメント22の近接近は、(たとえば喫煙可能な点火端部セグメント22内の燃焼する喫煙可能な材料の働きが、熱発生セグメント35の熱源を発火させるように作用するように)適切な熱交換関係をもたらす。喫煙可能な点火端部および熱発生セグメント22、35の外側断面形状および寸法は、喫煙製品の長手方向軸に対して横断方向に見て、本質的に互いに同一になり得る(たとえば、いずれも円筒形状を有するように見え、各々が本質的に同一の直径を有する)。
【0022】
燃焼させる前の熱発生セグメント35の断面形状および寸法は、さまざまになり得る。好ましくは、熱源40の断面積は、そのセグメント35の総断面積の約10パーセントから約35パーセント、しばしば約15パーセントから約25パーセントを構成し、一方で(断熱材42および関連する外側包装材料を含む)外側または取り囲む領域の断面積は、そのセグメント35の総断面積の約65パーセントから約90パーセント、しばしば約75パーセントから約85パーセントを構成する。たとえば、約24mmから約26mmの円周を有する円筒状の喫煙製品に関しては、代表的な熱源40は、約2.5mmから約5mm、しばしば約3mmから約4.5mmの外径を備えた略円形の断面形状を有する。
【0023】
熱発生セグメント35から下流側に位置するのは、長手方向に延びる円筒状のエアロゾル発生セグメント51である。エアロゾル発生セグメント51は、基質材料55を含み、基質材料55は、さらに、エアロゾル形成剤または材料(図示せず)のための担体として作用する。たとえば、エアロゾル発生セグメント51は、プロセス助剤、香味剤、およびグリセリンを含む再構成タバコ材料を保有することができる。
【0024】
エアロゾル発生セグメント51の前述の成分は、包装材料58内に配設され、これによって取り囲まれ得る。包装材料58は、喫煙製品10の点火端部14から(たとえば熱発生セグメント35から)エアロゾル発生セグメント51の成分への熱の伝達を容易にするように適合され得る。すなわち、エアロゾル発生セグメント51および熱発生セグメント35は、互いに熱交換関係で構成され得る。熱交換関係は、熱源40からの十分な熱がエアロゾル形成領域に供給されて、エアロゾルの形成のためにエアロゾル形成材料を揮発させるようなものである。一部の実施形態では、熱交換関係は、これらのセグメントを互いに近接近させて配置することによって達成される。熱交換関係はまた、伝熱材料を熱源40の付近からエアロゾル発生セグメント51によって占有された領域の内部またはその周りに延ばすことによっても達成され得る。
【0025】
基質材料55用の代表的な包装材料58は、伝熱特性を保有することができ、金属もしくは金属ホイル(たとえばアルミニウム)チューブ、または紙を含む外面と、金属ホイルを含む内面とを有する積層材料の形態を有することができる。たとえば、金属ホイルは、エアロゾル発生セグメント51に含まれたエアロゾル形成成分の揮発を実現するために、熱を熱発生セグメント35からエアロゾル発生セグメント51に導くことができる。
【0026】
基質材料55は、香味があり、香りの良いタバコのブレンドからカットフィラー形態で提供され得る。これらのタバコは、さらに、エアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤で処理され得る。基質材料は、加工されたタバコ(たとえば、キャストシートまたは製紙タイプのプロセスを用いて製造された再構成されたタバコ)からカットフィラー形態で提供され得る。タバコは、さらに、エアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤、ならびに熱発生セグメントによる発火および/または焼き付きを防止するのを助けるように構成された燃焼遅延剤(たとえばリン酸2アンモニウムまたは別の塩)によって処理され、またはこれを組み込むように加工され得る。エアロゾル発生セグメント51の包装材料58の内側金属表面は、エアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤のための担体として作用することができる。たとえば、エアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、エチルセルロース、でんぷんなどのポリマー薄膜形成剤を用いて紙およびアルミニウムホイルの積層体の内側金属表面上に形成された薄膜内に組み込まれ得る。加えて、エアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤は、エアロゾル発生セグメント内のタバコフィラー全域にわたって分散され得る複数の金属片によって担持され得る。たとえば、エアロゾル形成材料は、伝熱材料(たとえば薄いアルミニウムホイル)の約10本から約20本のストリップの表面上に担持されることが可能であり、各々のストリップは、約1mmから約2mmの幅、および約10mmから約20mmの長さである。さらに、エアロゾル発生セグメントの成分は、吸収炭素、アルミナ、などの粒子を組み込む紙などの、ギャザー付けされまたは細断された紙タイプの材料によって担持されたエアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤を含むことができる。
【0027】
他の実施形態では、基質55は、プラグセクションとして形成されたタバコ紙または非タバコのギャザー付けされた紙を含むことができる。プラグセクションには、(たとえばマイクロカプセル化された、液体、粉末化された)さまざまな形態のエアロゾル形成材料、香味剤、タバコ抽出物などが充填されてもよい。燃焼遅延剤(たとえばリン酸2アンモニウムまたは別の塩)が、熱発生セグメントによる発火および/または部分焼け(scorching)を防止するのを助けるために基質の少なくとも遠位/点火端部部分に施され得る。紙基質を用いることは、部分焼けの可能性を小さくすることができ、またタバコキャストシート材料を使用することと比較して異なった所望の香味を提供することもできる。
【0028】
さらに他の実施形態では、基質55は、非可燃性の材料を含むことができ、この材料は、熱発生セグメントからの熱によって基質内に起こり得る部分焼けまたは燃焼に関連付けられる奇妙な味または他の望ましくない影響のリスクをさらに低減することができる。非可燃性の材料は、ガス透過性になるように形成された織物または不織物のアセンブリ内に金属、無機、セラミック、またはポリマー繊維を含むことができる。基質55の織物または不織物のアセンブリには、(たとえばマイクロカプセル化された、液体、粉末化された)さまざまな形態のエアロゾル形成材料、香味剤、タバコ抽出物などが充填され得る。
【0029】
これらまたは他の実施形態では、基質55は、(図2に示されるように)開いた内部セクション66を含むことができる。この開いた領域は、喫煙製品の使用中、エアロゾルの凝縮および熱によって放出された蒸発可能な材料の改良された輸送/エアロゾル化を可能にすることができる。内部開口部66の表面は、香味剤、タバコ抽出物もしくは他の材料によってコーティングされ、または別の形で処理されてもよく、所望の香味および/または感覚刺激特性をそこを通り抜けて進むエアロゾルに与える。
【0030】
好ましい喫煙製品では、エアロゾル発生セグメント51の両端部は、その基質材料55を露出させるように開口している。喫煙製品の使用中、喫煙可能な点火端部セグメント22を燃焼させることによって生成されたエアロゾルの成分は、口端部18上での吸い込み中、エアロゾル発生セグメント51を容易に通り抜けることができる。
【0031】
熱発生セグメント35およびエアロゾル発生グメント51は一緒になって、エアロゾル発生システム60を形成する。エアロゾル発生セグメント51は、これらのセグメント51、35が、端と端を接した関係で軸方向に位置合わせされるように熱発生セグメント35の下流側端部に隣接して配置される。これらのセグメントは、互いに当接することができ、または緩衝領域53を含むことができるわずかに離間された関係で配置され得る。これらのセグメントの外側断面形状および寸法は、喫煙製品10の長手方向軸に対して横断方向に見て、本質的に互いに対して同一になり得る。これらの構成要素の物理的配置は、好ましくは、熱源が喫煙製品10の使用中に活性化される(たとえば燃焼される)時間にわたって、熱が、(たとえば伝導熱および対流熱の伝達を含む手段によって)熱源40から隣接する基質材料55に伝達されるようなものである。
【0032】
緩衝領域53は、エアロゾル発生セグメント51の一部分の潜在的な部分焼けまたは他の熱的劣化を低減することができる。緩衝領域53は、主に、空の空気空間を含んでよく、または(図2を参照して理解され得るように)これが、たとえば金属、有機、無機、セラミック、もしくはポリマー材料またはそれらの任意の組合せなどの非可燃性の材料で部分的にまたはほぼ完全に充填されてもよい。これらの材料は、織り込まれても織り込まれなくてもよい繊維状形態で含まれるが、この形態は、最も好ましくはガス透過性である。繊維状材料に加えて、またはその代わりに、緩衝領域53は、発泡金属、セラミック、またはサーメット(セラミック−金属複合物)モノリスを含むことができる。緩衝領域53において使用するのに適した発泡材料を創出するための製造手順は、参照によって本明細書に組み込まれたLobovskyの米国特許出願公開第2008/0233294号明細書で説明される。緩衝材料53は、繊維状または発泡モノリス材料内に香味または臭気の材料を組み込むことができる。緩衝領域は、約1mmから約10mmまたはそれ以上の厚さでもよいが、しばしば、約2mmから約5mmの厚さになる。
【0033】
エアロゾル発生システム60および喫煙可能な点火端部セグメント22の構成要素は、好ましくは互いに取り付けられ、上包み材料64を用いて所定位置に固定される。たとえば、上包み材料64は、熱発生セグメント35、エアロゾル発生セグメント51の外側の長手方向に延びる表面の少なくとも一部分、および熱発生セグメントに隣接する点火端部セグメント22の少なくとも一部分の各々を取り囲む包装紙材料または積層された紙タイプの材料を含むことができる。上包み材料64の内面は、適切な接着剤によってそれが取り囲む構成要素の外面に固定され得る。好ましくは、上包み材料64は、喫煙可能な点火端部セグメント22の長さのかなりの部分にわたって延びる。喫煙可能な点火端部セグメント22を超えて延びる上包み材料64の一部分は、所望に応じて、スリットまたはフルートを含むことができ、喫煙製品の最端の点火端部上で上包みを折り畳むのを助ける。上包み材料64ならびに他の適切な包装材料は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたShaferらの米国特許第6,874,508号明細書に記載されたやり方で適切な領域内で処理され得る。上包み材料は、(上包み材料内でマイクロカプセル化され配設され得る)熱変色または感温性インクを含むこともでき、このインクは、喫煙製品の使用の進捗に関連付けられた熱に基づいて現れ、見えなくなり、または色を変化させることができる。熱変色インクの1つの例は、Sun Chemical Co.による「Thermasure」として販売されている。
【0034】
喫煙製品10は、好ましくは、その口端部18に配置された、たとえばフィルタ要素65などの適切なマウスピースを含む。フィルタ要素65は、好ましくは、エアロゾル発生セグメント51の一方の端部に隣接する紙巻きたばこロッドの一方の端部に配置され、それにより、フィルタ要素65およびエアロゾル発生セグメント51は、端と端を接した関係で軸方向に位置合わせされ、その間に障壁を有さずに互いに当接するようになる。好ましくは、これらのセグメント51、65の全体断面形状および寸法は、喫煙製品の長手方向軸に対して横断方向に見て、本質的に互いに同一である。フィルタ要素65は、その長手方向に延びる表面に沿って、取り囲むプラグラップ材料72で上包みされたフィルタ材料70を含むことができる。1つの例では、フィルタ材料70は、可塑化された酢酸セルローストウを含み、一方で一部の例では、フィルタ材料は、個々の充填として配設されたまたは「ダルメシアン(Dalmatian)タイプ」のフィルタ内の酢酸塩のトウにわたって分散された、約20mgから約80mgの量の活性炭をさらに含むことができる。フィルタ要素65の両端部は、好ましくは、エアロゾルがそこを通り抜けることを可能にするように開口している。エアロゾル発生システム60は、好ましくは、チッピング材料78を用いてフィルタ要素65に取り付けられる。フィルタ要素65はまた、Thomasらの米国特許第7,479,098号明細書ならびにDubeらの米国特許出願公開第2006/0272663号明細書およびAdemeらの米国特許出願公開第2009/0194118号明細書に記載されたタイプの圧壊可能な香味カプセル76を含むこともでき、これらの特許文献は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。
【0035】
特定の実施形態では、フィルタは、炭素繊維を含むことができる。適切な炭素繊維は、繊維前駆体の制御された熱分解によって得られた繊維として説明され得る。炭素は、通常、繊維形態に成形することが困難であるため、市販の炭素繊維は、前駆体材料をフィラメントになるように押出成形し、その後、たいてい高温で炭化させることによって作製されることが多い。炭素繊維用の一般的な前駆体は、レーヨン、アクリル繊維(ポリアクリロニトリルまたはPANなど)、および(等方性ピッチおよび異方性中間相ピッチならびにメルトブローンピッチ繊維を含むことができる)ピッチを含む。セルロースなどの他の前駆体もまた、炭素繊維に変換されてもよい。(American Kynol、Inc.、Pleasantville、NYから入手可能である)KYNOL(TM)ノボロイド繊維は、炭化および活性化の両方を組み合わせた1回のプロセスによって活性炭素に変質される高性能フェノール繊維である。レーヨンまたはアクリルから炭素繊維を形成することは、安定化、炭化、および黒鉛化から概ね構成され、その各々は、酸素、窒素、および水素などの非炭素種を十分取り除くように順に高くなる温度で行われる。ピッチを用いた繊維の調製もまた、通常は安定化および炭化を含むが、ピッチは、通常、炭素繊維の形成プロセスの一部として紡がれ、一方でレーヨンまたはアクリルから事前形成された繊維は、直接的に使用され得る。活性化は、時に、さらなる製造ステップを追加することもできる。炭素繊維の供給元は、Toray Industries、Toho Tenax、Mitsubishi、Sumitomo Corporation、Hexcel Corp.、Cytec Industries、Zoltek Companies、およびSGL Groupを含む。他のフィルタ材料は、参照によって本明細書に組み込まれたSaintsingらの米国特許第5,246,017号明細書に開示されたものを含むことができる。
【0036】
炭素繊維は、しばしば、3つの別個の方法で分類される。最初に、これらは、弾性率および強度に基づいて分類され得る。例としては、超高弾性率(UHM)繊維(弾性率>450Gpa)、高弾性率(HM)繊維(350Gpaから450Gpaの間の弾性率)、中弾性率(IM)繊維(200Gpaから350Gpaの間の弾性率)、低弾性率、高張力(HT)繊維(弾性率<100Gpaかつ引張強度>3.0Gpa)、および超高張力(SHT)繊維(引張強度>4.5Gpa)を含む。第2に、炭素繊維は、繊維を調製するのに使用される前駆体材料(たとえば、PAN、レーヨン、ピッチ、中間相ピッチ、等方ピッチ、またはガス相成長させた繊維)に基づいて分類され得る。第3に、炭素繊維は、最終の熱処理温度に基づいて分類され得る。例としては、タイプIの高熱処理(HTT)繊維(2,000℃を上回る最終の熱処理温度)、タイプIIの中熱処理(IHT)繊維(約1,500℃の最終の熱処理温度)およびタイプIIIの低熱処理(LHT)繊維(1,000℃を超えない最終の熱処理温度)を含む。炭素繊維の上記の分類のいずれも、本発明のさまざまな実施形態において使用され得る。
【0037】
開始材料、炭素含有繊維を調製する方法、および炭素含有繊維のタイプの例は、Chamberlainの米国特許第3,319,629号明細書、Sublettらの米国特許第3,413,982号明細書、Buissonの米国特許第3,904,577号明細書、Bynreらの米国特許第4,281,671号明細書、Arakawaらの米国特許第4,876,078号明細書、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、lizukaの米国特許第5,230,960号明細書、Paul Jr.の米国特許第5,268,158号明細書、Nolandらの米国特許第5,338,605号明細書、Endoの米国特許第5,446,005号明細書、Bairの米国特許第5,482,773号明細書、Nagataらの米国特許第5,536,486号明細書、Arterberyらの米国特許第5,622,190号明細書、およびPanterらの米国特許第7,223,376号明細書、ならびにZhangらの米国特許出願公開第2006/0201524号明細書、およびNewberyらの米国特許出願公開第2006/0231113号明細書に開示されており、これらの特許文献すべては、参照によって本明細書に組み込まれている。PANベースの炭素繊維(その製造を含む)についての開示は、参照によって本明細書に組み込まれた、「Polyacrylonitrile(PAN) Carbon Fibers Industrial Capability Assessment:OUSD(AT&L) Industrial Policy」(2005年10月)という題名の会議への報告書において提供されており、これは、http://www.acq.osd.mil/ip/docs/pan_carbon_fiber_report_to_congress_10−2005.pdfにおいてオンラインで入手可能である。
【0038】
喫煙製品10は、フィルタ要素のチッピング材料78およびプラグラップ材料72を貫いて各々延びる一続きの穿孔部81などの空気希釈手段を含むことができる。
【0039】
燃焼させる前の喫煙製品10の全体寸法は、さまざまになり得る。通常、喫煙製品10は、約20mmから約27mmの円周を有する円筒形状のロッドであり、約70mmから約130mmの全体長さ、しばしば約83mmから約100mmの全体長さを有する。喫煙可能な点火端部セグメント22は、通常、約3mmから約15mmの長さを有するが、約30mmまでになり得る。エアロゾル発生システム60は、約20mmから約65mmまでのさまざまになり得る全体長さを有する。エアロゾル発生システム60の熱発生セグメント35は、約5mmから約30mmの長さを有することができ、エアロゾル発生システム60のエアロゾル発生セグメント51は、約10mmから約60mmの全体長さを有することができる。
【0040】
喫煙可能な点火端部セグメント22を製造するために使用される喫煙可能な材料26の量は、さまざまになり得る。通常、タバコカットフィラーから主に製造された喫煙可能な点火端部セグメント22は、乾燥重量ベースで、少なくとも約20mg、一般的には少なくとも約50mg、しばしば少なくとも約75mg、および多くは少なくとも100mgのタバコ材料を含む。喫煙可能な点火端部セグメント22内の喫煙可能な材料26の充填密度は、好ましくは、燃料要素の密度を下回る(たとえば約100mg/cmから約400mg/cm)。好ましくは、喫煙可能な点火端部セグメント22は、本質的には喫煙可能な材料26を含み、炭素質の燃料要素成分を含まない。
【0041】
エアロゾル形成剤およびエアロゾル発生セグメント51に使用される基質材料55を組み合わせた量は、さまざまになり得る。材料は、好ましくは、エアロゾル発生セグメント51の適切なセクション(たとえば、その包装材料58内の領域)を、約100mg/cmから約400mg/cmの充填密度で充填するように使用され得る。
【0042】
使用中、喫煙者は、マッチまたはシガレットライターを用いて、従来の喫煙製品が点火される方法に類似したやり方で喫煙製品10の点火端部14に点火する。したがって、喫煙可能な点火端部セグメント22の喫煙可能な材料26は、燃焼し始める。喫煙製品10の口端部18が、喫煙者の唇内に置かれる。燃焼する喫煙可能な材料26によって発生した熱的分解生成物(たとえばタバコ煙の成分)が、喫煙製品10を通り、フィルタ要素65を通って、喫煙者の口内に吸い込まれる。すなわち、喫煙されるとき、喫煙製品は、タバコカットフィラーを燃焼させる従来の紙巻きたばこの主流タバコ煙に似た可視の主流エアロゾルを生ずる。
【0043】
喫煙可能な点火端部セグメント22の燃焼は、熱発生セグメント35の燃料要素40を、好ましくは発火させるまたは別の形で活性化させる(たとえば燃焼し始める)ように加熱する。エアロゾル発生システム60内の熱源40は、燃焼して熱を与え、エアロゾル発生セグメント51内でこれら2つのセグメント間の熱交換関係の結果としてエアロゾル形成材料を揮発させる。好ましくは、エアロゾル発生セグメント51の成分は、熱的分解(たとえば、部分焼け(charring)または燃焼)を大きく受けることはない。揮発した成分は、エアロゾル発生領域51を通って引き入れられた空気中に同伴される。そのように形成されたエアロゾルは、フィルタ要素65を通って喫煙者の口内に吸い込まれる。
【0044】
特定の使用期間中、エアロゾル発生セグメント51内で形成されたエアロゾルは、喫煙可能な点火端部セグメント22内の喫煙可能な材料26の熱的劣化の結果として形成されたエアロゾル(すなわち煙)と相まって、フィルタ要素65を通って喫煙者の口内に、喫煙可能な点火端部セグメント22内の喫煙可能な材料26の熱劣化の結果として形成されたエアロゾル(すなわち煙)と共に吸い込まれる。したがって、喫煙製品10によって生成された主流エアロゾルは、タバコカットフィラーの熱分解によって、ならびに揮発されたエアロゾル形成材料によって生成されたタバコ煙を含む。最初のパフ(すなわち点火中および点火後すぐ)に関しては、主流エアロゾルのほとんどは、喫煙可能な点火端部セグメント22の熱的分解から生じる。それ以後のパフ(すなわち喫煙可能な点火端部セグメント22が消費され、エアロゾル発生システム60の熱源40が発火した後)に関しては、与えられる主流エアロゾルのほとんどは、エアロゾル発生システム60によって生成される。喫煙可能な材料26が消費されたとき、熱源40は消失し、喫煙製品の使用が止められる(すなわち喫煙体験は終了する)。
【0045】
図2を参照すると、紙巻きたばこの形態の代表的な喫煙製品10が、示されている。喫煙製品10は、点火端部14に位置する熱発生セグメント35と、他方の端部(口端部18)に位置するフィルタセグメント65と、これら2つのセグメントの間の点火端部近くに位置する(タバコを組み込むことができる)エアロゾル発生セグメント51とを含む。図2の熱発生セグメント35は、図1に示されたものに類似する断熱材によって取り囲まれた略円筒状の炭素質の熱源を組み込むことができる。図2の喫煙製品10のさまざまなセグメントの組成物および寸法は、図1を参照して先に記載されたものに対して概ね類似するようなものであるが、遠位/点火端部における喫煙可能な材料の充填はなく、それにより、燃料要素は、発火および燃焼させた喫煙可能な材料によってではなく直接的に発火する。
【0046】
フィルタ要素65は、好ましくは、チッピング材料78を使用してそのように形成された紙巻きたばこロッドに、図1を参照して先に記載されたほぼそのやり方で取り付けられる。喫煙製品は、任意選択で、当技術部分野で知られているように、口端部領域18の近傍に適切な穿孔部81を設けることによって空気希釈され得る。フィルタは含んでもよい。
【0047】
香味は、好ましくは香味を望ましくない形で変える熱劣化を最小限に抑えながら、エアロゾル発生セグメント51の基質材料55(図1は、例示のために、その中に存在するマイクロカプセルを有すると考えるべきである)、包装材料、フィルタ要素65、または香味剤を保持し放出することができる任意の他の構成要素上またはその中のカプセルまたはマイクロカプセル材料によって提供され、または増進されてもよい。マイクロカプセルは、チッピング材料78および/または他の構成要素に組み込まれてもよく、たとえば喫煙者の唇の水分および/または温かさと接触した際、熱発生セグメント35からの熱と接触した際、または喫煙製品10の物理的操作(たとえば転がして圧迫する)によって香味剤を放出するように構成され得る。合成カプセルおよび生物学的に誘導された「カプセル」(たとえば、送達手段としての酵母真菌)、および本発明の実施形態の範囲内で使用され得る方法の例は、参照によって本明細書に各々が組み込まれた、KondoのMicrocapsule Processing and Technology、ISBN 0824768574(1979年);IwamotoらのAAPS Pharm.Sci.Tech.2002年 3(3):article 25、McGlumphyの米国特許第3,550,598号明細書、Takadaらの米国特許第6,117,455号明細書、Dawsonらの米国特許第7,381,175号明細書、およびKarlesらの米国特許第7,478,637号明細書;Mishraらの米国特許出願公開第2006/0144412号明細書、Karlesらの米国特許出願公開第2006/0174901号明細書、Karlesらの米国特許出願公開第2007/0012327号明細書、およびBessoらの米国特許出願公開第2007/0095357号明細書、およびFaggの米国特許出願公開第2008/0142028号明細書を参照されたい。代表的なタイプのカプセルおよびその成分もまた、Waterburyの米国特許第3,339,558号明細書、Irby Jrらの米国特許第3,390,686号明細書、Dockの米国特許第3,685,521号明細書、Brooksらの米国特許第3,916,914号明細書、Tatenoらの米国特許第4,889,144号明細書、およびMacAdamらの米国特許第6,631,722号明細書;Dubeらの米国特許出願公開第2004/0261807号明細書、およびKimのPCT出願の国際公開第03/009711号に記載されており、これらの特許文献は、参照によって本明細書に組み込まれている。また、参照によって本明細書にすべて組み込まれた、Takeiらの米国特許第5,223,185号明細書、Takeiの米国特許第5,387,093号明細書、Suzukiらの米国特許第5,882,680号明細書、Nakamuraらの米国特許第6,719,933号明細書、およびFonkweらの米国特許第6,949,256号明細書、ならびにSchoenhardの米国特許出願公開第2004/0224020号明細書、Bednarzらの米国特許出願公開第2005/0196437号明細書、Scottらの米国特許出願公開第2005/0249676号明細書、およびAdemeらの米国特許出願公開第2009/0194118号明細書に記載されたタイプのカプセルおよびその成分も参照されたい。フィルタに関連付けられた他の香味成分が、使用されてもよい。たとえば、Faggらの米国特許第5,724,997号明細書を参照されたい。
【0048】
図2を参照して説明された紙巻きたばこは、R.J.Reynolds Tabacco Companyによって商標名「Eclipse」で市販されている紙巻きたばこなどとほとんど同じやり方で使用され得る。日本たばこ産業株式会社によって販売されている「Steam Hot One」紙巻きたばこも参照されたい。
【0049】
前述のさまざまな構成要素は、従来のまたは適切に改変されたタイプの紙巻きたばこおよび紙巻きたばこ構成要素の製造の技術および装置を用いて製造され得る。たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれた、Bakerらの米国特許第5,052,413号明細書、Bakerらの米国特許第5,088,507号明細書、Whiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Barnesらの米国特許第5,469,871号明細書、およびRiggsらの米国特許第5,551,451号明細書、ならびにNestorらの米国特許出願公開第2005/0066986号明細書に記載されたタイプの構成要素の構造、構成要素材料、組立て方法、および組立て技術を参照されたい。装置の例は、Hamburg、GermanyのHauni Maschinenbau AGから商標名MulfiまたはMerlinで入手可能なもの、Heinrich Burghart GmbHからのLKF−01 Laboratory Multi Filter Maker、Hauni Maschinenbau AGからのLab MAX、MAX、MAX SまたはMAX80のバンディングデバイスとして入手可能なチッピングデバイスを含む。たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれた、Erdmannらの米国特許第3,308,600号明細書、Reulandらの米国特許第4,280,187号明細書、Heitmannらの米国特許第4,281,670号明細書、Vosらの米国特許第6,229,115号明細書、およびRead,Jr.の米国特許第7,296,578号明細書に記載されたタイプの装置および組合せ技術も参照されたい。
【0050】
喫煙可能な点火端部セグメントの喫煙可能な材料は、最も好ましくは、何らかの形態のタバコを組み込む。好ましい喫煙可能な材料は、これらの材料の乾燥重量ベースで、何らかの形態のタバコから主に構成される。すなわちこれらの材料の乾燥重量の大部分およびこれらの材料を組み込む混合物の重量の大部分(材料のブレンド、またはそれに施与されたまたは別の形でその中に組み込まれた添加物を組み込む材料を含む)は、何らかの形態のタバコによって与えられる。これらの材料はまた、基本的にすべてタバコ材料から作製され得、非タバコフィラー、代用品、または増量剤はいかなるものも組み込むことはできない。喫煙可能な材料は、ケーシングおよび/または最上層の成分などの、紙巻きたばこの製造に従来式に使用されるタイプのタバコ添加物で処理され得る。これらのタバコ構成要素は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載された例および参照文献を参照して理解され得る。
【0051】
熱発生セグメントの燃料要素は、さまざまでもよい。適する燃料要素およびその代表的な構成要素、設計、および構造ならびにこれらの燃料要素およびその構成要素を製造するためのやり方および方法は、Banerjeeらの米国特許第4,714,082号明細書、Clearmanらの米国特許第4,756,318号明細書、Clearmanらの米国特許第4,881,556号明細書、Clearmanらの米国特許第4,989,619号明細書、Farrierらの米国特許第5,020,548号明細書、Clearmanらの米国特許第5,027,837号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,067,499号明細書、Farrierらの米国特許第5,076,297号明細書、Clearmanらの米国特許第5,099,861号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書、Whiteらの米国特許第5,129,409号明細書、Bestらの米国特許第5,148,821号明細書、Clearmanらの米国特許第5,156,170号明細書、Riggsらの米国特許第5,178,167号明細書、Shannonらの米国特許第5,211,684号明細書、Clearmanらの米国特許第5,247,947号明細書、Clearmanらの米国特許第5,345,955号明細書、Barnesらの米国特許第5,469,871号明細書、Riggsの米国特許第5,551,451号明細書、Meiringらの米国特許第5,560,376号明細書、Meiringらの米国特許第5,706,834号明細書、およびMeiringらの米国特許第5,727,571号明細書、ならびにBanerjeeらの米国特許出願公開第2005/0274390号明細書に記載されており、これらの特許文献は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0052】
燃料要素は、しばしば炭素質材料を含み、グラファイトまたはアルミナなどの含有物、ならびに高い炭素含量の炭素質材料を含むことができる。炭素質の燃料要素は、R.J.Reynolds Tabacco Companyによって商標名「Premier」および「Eclipse」で市販されている紙巻きたばこ内に組み込まれているタイプを含む。日本たばこ産業株式会社によって販売されている「Steam Hot One」紙巻きたばこも参照されたい。燃料要素の一部の他の実施形態は、Riggsらの米国特許第5,178,167号明細書およびRiggsらの米国特許第5,551,451号明細書に記載されており、そのいずれもが、参照によってその全体が本明細書に組み込まれているが、特定の実施形態は、そこに記載されたナトリウム、グラファイト、および/または炭酸カルシウムを有さないことがある。一部の燃料要素の実施形態は、参照によって本明細書に組み込まれたLobovskyの米国特許出願公開第2008/0233294号明細書に開示されたタイプの発泡プロセスにおいて形成された発泡炭素モノリスを含むことができる。1つの例は、(他の発泡モノリス、および本明細書のどこで説明されてもすべて本発明の範囲内に入る発泡材料の製造にも使用され得る)Optifoam(TM)システムを使用してSulzer AGから入手可能な発泡炭素モノリスである。この実施形態は、熱源を発火させるのにかかる時間を低減することに関して利点を与えることができるが、それというのも発泡炭素モノリスは、前の発泡組成物中に存在する望ましくないガス放出生成物または熱分解生成物の有機物および他の潜在的供給源によって占有されない小さい開いた空間を含むためである。それよりも、好ましい発泡プロセスは、発泡剤として(標準的な膨張剤または発泡剤の代わりに)二酸化炭素または窒素ガスを使用して、形成された発泡モノリス内に大量の残留物を残さない。そのようなモノリスは、点火がより容易になり得るだけでなく、さらにより多くの燃焼および熱発生を持続させることができる。別の実施形態では、燃料要素40は、断熱材42の層と共に同時に押出成形され、それによって製造時間および費用を低減する。
【0053】
燃料要素は、断熱材または他の適切な材料によって取り囲まれまたは別の形で被覆され得る。断熱材は、燃料要素を喫煙製品内の所定位置に支持、維持、および保持するように構成され、使用され得る。断熱材は、追加的に、吸い込まれた空気およびエアロゾルが、そこを容易に通り抜けることができるように適合され得る。断熱材材料、断熱材アセンブリの構成要素、熱発生セグメント内の代表的な断熱材アセンブリの構造、断熱材アセンブリ用包装材料、およびこれらの構成要素およびアセンブリを製造するためのやり方および方法の例は、Pryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Hancockらの米国特許第4,893,637号明細書、Barnesらの米国特許第4,938,238号明細書、Shannonらの米国特許第5,027,836号明細書、Lawsonらの米国特許第5,065,776号明細書、Whiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,119,837号明細書、Clearmanらの米国特許第5,247,947号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,303,720号明細書、Clearmanらの米国特許第5,345,955号明細書、Casey,IIIらの米国特許第5,396,911号明細書、Whiteの米国特許第5,546,965号明細書、Meiringらの米国特許第5,727,571号明細書、Wilkinsonらの米国特許第5,902,431号明細書、およびCookらの米国特許第5,944,025号明細書に記載されており、これらの特許文献は、参照によって本明細書に組み込まれている。また、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988年)も参照されたい。断熱材アセンブリは、R.J.Reynolds Tobacco Companyによって「Premier」および「Eclipse」の商標名で市販されている巻きたばこのタイプ内に組み込まれている。日本たばこ産業株式会社によって販売されている「Steam Hot One」紙巻きたばこも参照されたい。
【0054】
断熱材42のアセンブリは、不織ガラスフィラメントマットの少なくとも1つの層を用いて製造されてもよい。たとえば、製造は、次のステップの1つまたは複数を含むことができる:不織ガラスフィラメントマットの少なくとも1つの層のウエブを、連続的に押出成形された燃料要素の周りに巻き付けることができ、マットの面を、燃料要素をマットに結合させることを容易にするために、水で(たとえば噴霧することによって)湿潤することができ、その結果生じたアセンブリを、(たとえば、任意選択で香味剤または燃焼改質剤をその各々が含み得る、2つの連続中央線ストリップ接着剤およびシーム線接着剤を用いて)連続紙ウエブで取り囲むことができ、そしてその結果生じた連続ロッドを、所望の長さのセグメントに切断することができる。所望であれば、香味剤、燃焼改質剤などは、ガラスフィラメントマットに施与される水内に組み込まれ得る。たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれた、Lawsonらの米国特許第5,065,776号明細書、Meiringらの米国特許第5,727,571号明細書、およびWilkinsonらの米国特許第5,902,431号明細書に記載された技術のタイプが、任意選択で、適する燃料要素アセンブリを提供するために使用され得る。
【0055】
断熱材アセンブリは、不織マット内に組み込まれ得る硫酸カルシウム繊維、耐熱セラミックフィラメント、耐高温炭素フィラメント(たとえば、グラファイトタイプの材料)などの材料を組み込むことができる。本発明の喫煙物品で使用するための断熱材アセンブリはまた、ガラスフィラメントマット内に分散された、またはガラスフィラメントマットの少なくとも1つの層を備えた再構成タバコシートの少なくとも1つの層として構成されたタバコ粒子またはタバコ片などのタバコを組み込むこともできる。
【0056】
代表的な断熱材層は、織り込まれた、編み込まれた、または織り編み両方の(たとえば、いわゆる三次元の織り/編みのハイブリッドマットなどの)さまざまな非ガラスのフィラメントまたは繊維を含むことができる。この織り込まれた層は、織物のマットまたはチューブとして形成されてもよい。織布は、織り方または構造に関して、縦糸および横糸が互いに交差するやり方にしたがって分類される。3つの基本的な織り方(他のものはそのバリエーションである)は、平織り、あや織り、および繻子織であり、その各々は、単独で、互いに組み合わせて、または繊維製品技術で知られているように編物構造と組み合わせて使用されてもよい。たとえば、いずれも参照によって本明細書に組み込まれた、例示的な三次元ハイブリッドを説明する、いずれもEvanの米国特許第5,791,384号明細書および米国特許第5,720,320号明細書を参照されたい。
【0057】
非ガラス材料は、炭素繊維および炭化繊維を含む本質的に難燃性の材料の酸素除去ポリマーを含むことができる。たとえば、レーヨンの形態の再生セルロースが使用されてもよい。別の例として、シリカを組み込む再生セルロース生成物である(Visil(R)として市場で入手可能である)ビスコースが、使用されてもよい。好ましい炭素繊維は、少なくとも95%またはそれ以上の炭素を含む。同様に、綿などの天然のセルロース繊維が、使用されてもよく、好ましくは、シリカ、炭素、または金属粒子を注入され、またはこれで別の形で処理されて難燃性特性を高め、特に、香味に関して負の効果を与えるあらゆる望ましくないオフガス成分のオフガスを最小限に抑える(特にあらゆる毒性のオフガス生成物の可能性を最小限に抑える)。当技術分野で知られているように、綿は、たとえばホウ酸またはさまざまな有機リン酸エステルの化合物で処理されて、ディッピング、噴霧または当技術分野で知られている他の技術によって所望の難燃性特性をもたらすことができる。これらの繊維はまた、有機または金属のナノ粒子で処理されて(たとえばディッピング、噴霧、または蒸着によってコーティング、注入、またはその両方を行って)、望ましくないオフガスまたは溶融タイプの挙動を有することなく難燃性の所望の特性を与えることができる。
【0058】
織物の断熱材マットまたは内側層47内のこれらおよび他の非ガラス構成要素は、ガラス繊維に好ましくなり得るが、それというのもガラス繊維は、部分的に燃焼または溶融して、熱源40からの酸素をブロックし、それによって所望の燃焼/熱発生反応を阻害する膨張層を形成することがあるためである。織物マットまたは層47を形成するチューブに使用され得る繊維の他の例は、金属繊維、アルミニウムもしくは他の金属もしくは金属化合物で処理されている金属化セルロースまたは金属化合成ポリマーなどの金属化繊維/布、またはそれらの任意の組合せを含む。織り込まれたおよび/または編み込まれた構造は、優れた空気流および燃焼を促進するより均一なマットの組成をもたらす。
【0059】
断熱材に使用される繊維は、繊維化学組成物の固有の特性により、または製造/紡績プロセス中またはその後に添加物を含めることによって難燃性にされて製造されている(紡績されている)ために、本質的に難燃性になり得る。繊維化学組成物は、有機ポリマー、ガラス、金属、またはセラミックを含むことができる。これらの繊維は、最も好ましくは、燃焼プロセス中に望ましくない(たとえば不快な味、臭い、毒性の)化合物を放出せず、煙の化学的性質に負の影響を大きく与えない。ビスコースレーヨンなどの有機ポリマーは、繊維作製プロセス中、シリカなどの適切な添加物によって難燃性にされ得る。市場で入手可能なレーヨン製品の例としては、たとえば、フィンランドのKuituからのVisil(R)および日本のダイワボウレーヨン株式会社からのCorona(R)を含む。他の添加物無しの難燃性有機繊維は、ベラルーシのSohimからの部分的または完全に炭化されたレーヨンベースの炭素繊維およびさまざまな製造者から入手可能な完全炭化されたポリアクリロニトリルベースの炭化繊維を含む。ガラス繊維および非ガラス繊維は、約20%から約99%までさまざまである酸化ケイ素含量を含むことができる。金属繊維は、ステンレス鋼、アルミニウム、および/またはさまざまな金属の合金などのさまざまな金属の1つまたは複数を含むことができる。適するセラミック繊維は、アルミナ、ベリリア、マグネシア、トリア、ジルコニア、炭化ケイ素、および/または石英を含むことができる。本質的に難燃性の繊維はまた、綿などの通常の繊維が、ガラス、金属(たとえば金属および/または金属化材料)またはセラミックなどの難燃性繊維の周りに巻き付けられる、または別の形で巻かれるまたはこれと共に織り込まれるコアスピニングプロセスによって製造されてもよい。
【0060】
上記で説明されたものなどの難燃性繊維は、単一の繊維タイプまたは繊維の混合物タイプを用いることにより、本発明の範囲内の使用に合わせたあらゆる方法で断熱布を製造するために使用され得る。そのような布は、不織物、織物、編物、または三次元布などの織り編みされた布におけるようなこれらの組合せになることができる。不織布は、水刺し、ニードルパンチ、ウエットレイド、エアレイド、エアーブローン、および他の知られている製造技術によって作製され得る。織布は、たとえば、平織り、バスケット織り、あや織り、繻子織りなどの多くの構造の任意のものを含むことができる。さまざまな織り方のタイプのより詳細な説明は、Sabit Adanurによる「Handbook of Weaving」、CRC Press 2001年 ISBN 158716137で見出すことができ、この文献は、参照によって本明細書に組み込まれている。編布は、縦編みまたは横編みタイプの布を含むことができる。編み込みおよび織り込みの組合せが使用されて、三次元の断熱布を構築することができる。
【0061】
本質的に難燃性の繊維を用いて上記で説明されたプロセスによって断熱布を製造することに加えて、断熱材特性を有する布は、綿およびレーヨンなどの通常の布を化学的に仕上げることによって製造され得る。そのような仕上げ/難燃性を施すプロセス中、布は、ディップコーティング、噴霧コーティング、ロールコーティング、または別のコーティングプロセスなどの技術で布をコーティングすることによって難燃性を付与する化学剤で処理され得る。使用される化学剤は、たとえば燃焼時に窒素酸化物を生成することによって煙の化学的性質に負の影響を与えてはならない。好ましい化学剤は、有機リン化合物、ホウ酸、ホウ砂、アルミナ水和物、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリトリトール、およびポリオールであり、但し、窒素リン酸塩、モノおよびリン酸2アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素、酸化アンチモンなどの他の物が使用され得るが、好ましい薬剤ではない。これらの難燃性材料はまた、互いに組み合わせて使用されてもよい。
【0062】
上記のプロセスの任意の1つによって作製された断熱布は、紙巻きたばこなどの喫煙製品の所望の使用時間の間の点火を持続させるのに十分な酸素拡散能力を有する。それにしたがって、断熱布は、好ましくは、その構造により多孔質のものになる。編物、織物、または織物と編物を組み合わせた構造では、所望の多孔度が、組立機械を、熱源への酸素の拡散を可能にするために繊維間に(望ましく寸法設定された)十分な隙間を残すように構成することによって調節され得る。燃焼の均一な持続を促進するのに十分な多孔質になり得ない不織布では、たとえば高温または低温ピン穿孔、炎穿孔、エンボス加工、レーザ切断、ドリル穿孔、ブレード切断、化学的穿孔、パンチング、および他の方法を含む当技術分野で知られている方法によって断熱材に穿孔することにより、さらなる多孔度が達成され得る。緩衝体および断熱材の各々は、織り込まれた、編み込まれた、またはそれらの組合せである非ガラス材料、発泡金属材料、発泡セラミック材料、発泡セラミック金属複合物、およびそれらの任意の組合せを含むことができ、断熱材の材料は、緩衝体のものと同じでも異なってもよい。
【0063】
これらのさまざまな例示的な繊維は、単独で、または互いの任意の組合せで使用されてもよい。たとえば繊維の2つのまたはそれ以上の種類が、一緒に織り込まれ、および/または編み込まれて(たとえば層47用の)マットまたはチューブを形成することができる。別の例として、繊維の2つまたはそれ以上が、ヤーンとして、または同じ繊維もしくは異なる繊維で織り込まれた他のマルチフィラメントの糸構成として組み合わされて断熱材層を形成することができる。この構成は、熱源への空気流のより良好な調節をもたらすことができる。たとえば、織り込まれた繊維の構造的完全性は、不織り繊維よりも目が詰まりにくくなり得、全域にわたって一貫した多孔度および浸透性を維持することをより良好に可能にする。これらの特徴は、望まれないオフガス生成物を最小限に抑えるために所望の温度でより効率的に燃焼することを促進することができる。こうした非ガラス繊維を備えた織物、編物、またはハイブリッド構造はまた、材料および製造におけるコスト削減を呈することもできる。
【0064】
あるいは、紙タイプ材料(たとえば、ある程度の熱抵抗特性を与えるのに十分な量の塩化カリウムなどの適切な塩で処理された紙タイプ材料)が、燃料要素を喫煙製品内の所定位置に固定して適切に保持するために、燃料要素の周りでギャザー付けされ、または波形にされギャザー付けされ得る。さらに、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたNestorらの米国特許出願公開第2005/0066986号明細書に記載されたものなどの、適切な塩で処理され得るタバコカットフィラー(たとえば細断された葉身、タバコ茎の片、細断された再構成タバコの紙タイプシート、細断された再構成タバコキャストシート、または前述のブレンド)が、燃料要素を紙巻きたばこ内の所定位置に固定して適切に保持するために、燃料要素の周囲領域を囲むことができる。タバコ材料の代表的なタイプは、タバコの混合物のタイプから、または主に1タイプのタバコ(たとえばバレータバコから主に構成されたキャストシートタイプもしくは紙タイプの再構成タバコ、または東洋タバコから主に構成されたキャストシートタイプもしくは紙タイプの再構成タバコ)から製造され得る。あるいは、断熱材セグメントの実施形態は、タバコ含有物を含まなくてもよい。すなわち、一部の実施形態では、断熱材セグメントにはタバコが存在しなくてもよい。香味剤(たとえば揮発性の香味剤)が、断熱材アセンブリ内に組み込まれていることが可能であり、したがって、(i)香味を、喫煙可能な材料の燃焼によって生成された吸い込まれたエアロゾル内に、そのエアロゾルが断熱材アセンブリを通過するときに同伴することができ、(ii)熱発生セグメントの燃料要素を燃焼させることによって生成されたエアロゾルの香味を増進させることができる。
【0065】
断熱材材料42の別の実施形態は、参照によって本明細書に組み込まれたLobovskyの米国特許出願公開第2008/0233294号明細書に開示されたタイプの発泡プロセスにおいて形成された金属、セラミック、またはサーメットを含む多孔質セラミックモノリスを含むことができる。燃料要素40は、効果的な断熱材として働くモノリス内に挿入されてもよい。
【0066】
エアロゾル形成材料は、さまざまになり得、さまざまなエアロゾル形成材料の混合物が、使用されることが可能であり、同様に(感覚および/または感覚刺激の特性または喫煙製品の主流エアロゾルの性質を変化させるさまざまな材料を含む)香味剤、包装材料、口端部ピース、フィルタ要素、プラグラップ、およびチッピング材料のさまざまな組合せおよび種類もまた使用されることが可能である。これらの構成要素の代表的なタイプは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0067】
基質材料は、何らかの形態のタバコを組み込むことができ、通常は、主にタバコから構成され、事実上すべてタバコ材料によって提供され得る。基質材料の形態は、さまざまになり得る。一部の実施形態では、基質材料は、本質的には従来のフィラー形態で(たとえばカットフィラーとして)使用される。基質材料は、別の形で所望の形状に形成され得る。基質材料は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたPryorらの米国特許第4,807,809号明細書に全体が記載されたタイプの技術を用いて、ギャザー付けされたウエブまたはシートの形態で使用され得る。基質材料は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたRakerらの米国特許第5,025,814号明細書に全体的に記載されたタイプの技術を用いて、複数の長手方向に延びるストランドになるように細断されたウエブまたはシートの形態で使用され得る。基質材料は、緩く巻かれたシートの形態を有することができ、それにより、らせんタイプの空気通路が、長手方向にエアロゾル発生セグメントを通って延びるようになる。基質材料を含むタバコの代表的なタイプは、タバコの混合物のタイプ、または主に1タイプのタバコ(たとえばバレータバコから主に構成されたキャストシートタイプもしくは紙タイプの再構成タバコ、または東洋タバコから主に構成されたキャストシートタイプもしくは紙タイプの再構成タバコ)から製造され得る。
【0068】
基質材料はまた、ケーシングおよび/または最上層の成分などの、紙巻きたばこの製造に従来式に使用されるタイプのタバコ添加物で処理され得る。たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたCrooksらの米国特許文献の第2004/0173229号明細書に記載された構成要素のタイプを参照されたい。
【0069】
エアロゾル形成材料が基質材料(たとえばタバコ材料)に接触する方法は、さまざまになり得る。エアロゾル形成材料は、形成されたタバコ材料に施与されることが可能であり、またはこれらの材料の製造中、加工されたタバコ材料に組み込まれていることが可能である。エアロゾル形成材料は、水性液体中、または他の適切な溶媒または液体担体中に溶解または分散され、基質材料上に噴霧され得る。たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたNestorらの米国特許出願公開第2005/0066986明細書を参照されたい。基質材料の乾燥重量に対して使用されるエアロゾル形成材料の量は、さまざまになり得る。極めて高レベルのエアロゾル形成材料を含む材料は、従来タイプの自動化された紙巻きたばこ製造装置を用いて紙巻きたばこロッドになるように加工することは、困難になり得る。
【0070】
キャストシートタイプの材料は、相対的に高レベルのエアロゾル形成材料を組み込むことができる。紙製造タイプのプロセスを用いて製造された再構成タバコは、中程度のレベルのエアロゾル形成材料を組み込むことができる。タバコストリップおよびタバコカットフィラーは、エアロゾル形成材料のより少ない量を組み込むことができる。ギャザー付き、積層式、積層金属/金属化、ストリップ、アルミナビーズなどのビーズ、連続気泡、発泡モノリス、空気透過性マトリクス、および他の材料を含むさまざまな紙基質および非紙基質が、本発明の範囲内で使用され得る。たとえば、いずれも参照によって本明細書に組み込まれた、いずれもClearmanの、米国特許第5,183,062号明細書、米国特許第5,203,355号明細書、および米国特許第5,588,446号明細書を参照されたい。
【0071】
相対的に高レベルのエアロゾル形成材料を組み込む材料の他のタイプが、エアロゾル発生セグメント内に組み込まれ得る。形成され、カプセル化され、またはマイクロカプセル化された材料が使用され得る。そのようなタイプの材料は、一部の実施形態では、主にエアロゾル形成材料を含み、これらの材料は、タバコのいくらかの量および形態を組み込むことができる。そのようなタイプの材料の例は、約65から約70重量部分のグリセリン、約25から約30重量部分の結合剤(たとえば、かんきつペクチン、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、またはグアーガム)、および約5重量部分の香味剤(たとえば、バニリン、コーヒ、紅茶、ココア、および/または果実香味の濃縮物)の水性溶液をキャスティングし、乾燥させ、次いで、タバコ葉身を削ることによってもたらされた最終分割粉末の約2から約10重量部分で表面コーティングすることによって製造された薄膜である。グリセリン以外に(またはこれに加えて)、他のエアロゾル形成材料は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、くえん酸トリエチル、アルコール、およびこれらの任意の混合物を含むことができる。これらのエアロゾル形成材料は、本明細書において香味剤を参照して説明されたやり方でマイクロカプセル化されてもよく、これは、喫煙製品の使用中、材料の望ましい一貫した放出をもたらすのを助けることができる。
【0072】
エアロゾル発生セグメント内で使用されるエアロゾル形成材料の量は、好ましくは、紙巻きたばこが、許容可能な感覚および感覚刺激の特性、ならびに所望のパフォーマンス特性を示すようなものである。たとえば、グリセリンなどの十分なエアロゾル形成材料は、多くの点でタバコ煙の外観に似ている可視の主流エアロゾルの発生をもたらすために使用され得る。これらの成分が、許容できない奇妙な味、膜状の口感触、またはタバコカットフィラーを燃焼させることによって主流煙を発生させる従来タイプの紙巻きたばこのものとは大幅に異なる全体的な感覚体験を多く取り込まないことが望ましい。成分の選択、使用されるこれらの成分の量、使用されるタバコ材料のタイプは、紙巻きたばこによって生成される主流エアロゾルの化学組成物の総量を調節するために変更され得る。
【0073】
例示的な他の紙巻きたばこ構成要素(たとえば、接着剤)、構成要素設計、ならびに代表的な紙巻きたばこの設計形状およびフォーマットは、R.J.Reynolds Tabacco Companyによって「Premier」および「Eclipse」の商標名で市販されている紙巻きたばこのタイプの範囲内に組み込まれており、これらはまた、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたCantrellらの米国特許出願公開第2007/0023056号明細書に記載されている。日本たばこ産業株式会社によって販売されている「Steam Hot One」の紙巻きたばこも参照されたい。
【0074】
本発明の紙巻きたばこは、空気希釈式紙巻きたばこの空気希釈量が、約10パーセントから約80パーセントになり得るように空気希釈または通気され得る。本明細書では、「空気希釈」という用語は、空気希釈手段を通って吸い込まれた空気の量と、紙巻きたばこを通って吸い込まれ、紙巻きたばこの口端部分を出る空気およびエアロゾルの総量との体積比(パーセンテージで表される)である。より高い空気希釈レベルは、エアロゾル形成材料の主流エアロゾルへの移行効率を低減するように作用し得る。
【0075】
一部の実施形態では、紙巻きたばこは、吸い込みに対して望ましい抵抗性を示す。たとえば、例示的な紙巻きたばこは、空気流17.5cc/秒において約50mmから約200mmの間の水頭圧降下の圧力降下を示す。好ましい紙巻きたばこは、空気流17.5cc/秒において、約60mmから約180mmの間、一部の実施形態では、約70mmから約150mmの間の水頭圧降下の圧力降下値を示す。紙巻きたばこの圧力降下値は、Filtrona Instruments and Automation Ltdから入手可能なFiltrona Cigarette Test Station(CTS Series)を用いて測定される。
【0076】
本発明の紙巻きたばこの好ましい実施形態は、喫煙されたとき、許容可能な数のパフを生ずる。そのような紙巻きたばこは、標準化された喫煙条件下で機械喫煙されたとき、1紙巻きたばこあたり、通常、約6回を上回るパフ、一般的には約8回を上回るパフを提供する。そのような紙巻きたばこは、標準化された喫煙条件下で喫煙されたとき、1紙巻きたばこあたり、通常、約15回を下回る、一般的には約12回を下回るパフを提供する。標準化された喫煙条件は、58秒のくすぶり(smolder)で隔てられた2秒間の35mlのパフからなる。
【0077】
本発明の紙巻きたばこによって生成されたエアロゾルは、蒸気、ガス、浮遊粒子などの空気含有成分などを含むものである。エアロゾル成分は、何らかの形態でタバコを燃焼させること(任意選択では、熱を発生させるように燃焼された他の成分)から、タバコを加熱し、タバコを焼き付けることによって引き起こされるタバコの熱的分解(または別の形で、タバコに何らかの形態のくすぶりを生じさせること)によって、また、エアロゾル形成材料を蒸発させることによって発生させることができる。したがって、エアロゾルは、揮発させた成分、燃焼生成物(たとえば二酸化炭素および水)、不完全燃焼生成物、および熱分解の生成物を含むことができる。
【0078】
エアロゾル成分はまた、燃焼されるタバコ材料および燃焼される他の成分との熱交換関係で位置する物質に対して、何らかの形態のタバコ(任意選択で熱を発生させるように燃焼される他の成分)を燃焼させることによる熱を作用させることによって発生させてもよい。エアロゾル成分はまた、エアロゾル発生セグメント上の熱発生セグメントの作用の結果として、エアロゾル発生システムによって発生させてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生セグメントの成分は、これらの成分が、正常な使用状態の間(たとえば燃焼、くすぶりまたは熱分解の結果として)大きな熱的分解を受けない傾向を有するように、全体的組成を有し、喫煙製品内に配置される。
【0079】
本発明の喫煙製品は、当技術分野で知られており、特に、参照によってその全体が本明細書に組み込まれたCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書で説明されたやり方の任意のもので、配布、販売、および使用に合わせてパッケージ化され得る。
【0080】
さまざまな実施形態を例示する図における図面は、必ずしも縮尺通りではない。一部の図は、強調のために拡大された特定の詳細を有することができ、部分のさまざまな数または比率はどのようなものでも、1つまたは複数の特許請求項によってそのように指定されない限り、限定するものと読み取られてはならない。当業者は、本明細書で明示的に例示されない実施形態が、本発明の範囲内で実施されてもよく、これは、さまざまな実施形態に関して本明細書で説明された特徴が、ここで提示される特許請求の範囲内に留まりながら、互いにおよび/または現在知られているまたは将来的に開発される技術と組み合わせられてもよいことを含んでいることを理解するであろう。したがって、前述の詳細な説明が、限定ではなく例示的であるとみなされることが意図される。また、以下の特許請求の範囲が、すべての等価物を含んで、本発明の趣旨および範囲を定義することが意図されることを理解されたい。
図1
図2