(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第一
参考例)
以下、図面を参照し、本発明の第一
参考例に係るプローブについて説明する。
プローブは、例えばガスタービンを構成する燃焼器のケーシングの内部の燃焼ガス(流体)の状態を測定するためのものである。
図1に示すように、本
参考例に係るプローブ1は、壁部W(ケーシング)に壁厚方向に形成された孔部Hに対して、壁部Wの外側(一方側)から内側(他方側)に向かって挿入されるものである。そして、先端に設けられた測定部11により、機器内部の流体の状態を測定している。
ここで、便宜上、壁部Wの内側となる紙面下方をX方向とし、壁部Wの外側となる紙面上方をY方向と称する。
【0018】
プローブ1は、先端に測定部11が設けられたプローブ本体10と、壁部Wに形成された孔部Hに対しての外側から内側に向かって挿通されるガイド部20とを備えている。
【0019】
プローブ本体10は、線状部材であって、ガイド部20の内部を壁厚方向(X−Y方向)に相対移動可能とされている。このプローブ本体10のX方向の端部には、測定部11が接続されている。この測定部11は、流体の圧力や温度等の流体の状態を感知することができる。
【0020】
また、プローブ本体10のY側には、表示部12が設けられている。この表示部12には、測定部11で測定した測定結果が表示される。さらに、プローブ本体10のY側には、プローブ本体10を所望の位置に移動させる移動機構13が設けられている。
【0021】
さらに、プローブ本体10のX側の端部には、径方向外側に向かって突出する第一突出部14が設けられている。また、プローブ本体10のY側には、径方向外側に向かって突出する第二突出部15が設けられている。
【0022】
ガイド部20は、径方向に同心状に配された管状部材である複数のガイド管21,31,41から構成されている。本実施形態では、プローブ本体10の外周側に配された第一ガイド管21(小径のガイド管)と、第一ガイド管21の外周側に配された第二ガイド管31(大径のガイド管)と、第二ガイド管31の外周側に配された第三ガイド管41(第二ガイド管31よりも大径のガイド管)とで構成されている。
【0023】
また
図2に示すように、第一ガイド管21の外径P1は、第二ガイド管31の外径P2よりも小さく形成されている。また、第二ガイド管31の外径P2は、第三ガイド管41の外径P3よりも小さく形成されている。さらに、第三ガイド管41の外径P3は、孔部Hの径Qと略同一に形成されている。これにより、第三ガイド管41の外周面が孔部Hの内周面に嵌合されることで、第三ガイド管41は壁部Wに取り付け可能とされている。
【0024】
第一ガイド管21は、その内周面がプローブ本体10の外周面に沿って形成されている。第二ガイド管31は第一ガイド管21と同様に、その内周面が第一ガイド管21の外周面に沿って形成されている。第三ガイド管41も第一ガイド管21と同様に、その内周面が第二ガイド管31の外周面に沿って形成されている。
【0025】
図1及び
図3に示すように、第一ガイド管21は、第二ガイド管31の内部を壁厚方向に沿って移動可能とされ、移動する際にはその外周面が第二ガイド管31の内周面に接触する。また、第二ガイド管31は、第三ガイド管41の内部を壁厚方向に沿って移動可能とされ、移動する際にはその外周面が第三ガイド管41の内周面に接触する。さらに、
第三ガイド管41は、孔部Hの内部を壁厚方向に沿って移動可能とされ、移動する際にはその外周面が孔部Hの内周面に接触する。
【0026】
第三ガイド管41の長さS3は、壁厚Rよりも長い。また、第二ガイド管31の長さS2は、第三ガイド管41の長さS3よりも長い。また、第一ガイド管21の長さS1は、第二ガイド管31の長さS2よりも長い。さらに、プローブ本体10における第一突出部14から第二突出部15までの長さTは、第一ガイド管21の長さS1よりも長い。
【0027】
これにより、プローブ1が孔部Hに挿入された状態で、第三ガイド管41のX側の端部(端面)43Cは、壁部Wの内面W2よりも突出可能とされている。また、第二ガイド管31のX側の端部(端面)33Cは、第三ガイド管41のX側の端部43Cよりも突出可能とされている。また、第一ガイド管21のX側の端部(端面)23Cは、第二ガイド管31のX側の端部33Cよりも突出可能とされている。さらに、プローブ本体10のX側の端部(端面)10Aは、第一ガイド管21のX側の端部23Cよりも突出可能とされている。
【0028】
第三ガイド管41は、孔部Hの内部を壁厚方向に移動する第三移動部42(移動部)と、第三移動部42からX方向に突出した延長部46と、延長部46に対して着脱自在な分離部45とを有している。
なお、分離部45は、例えばボルト(不図示)等により、延長部46に対して着脱可能とされている。
【0029】
分離部45は、第三移動部42の径方向外側の端部から径方向外側に向かって形成された壁部43A(移動規制部)と、壁部43Aの径方向外側の端部からX方向に向かって折曲された壁部43Bと、壁部43Bの端部から径方向内側に向かって折曲された端部45Aとを有している。
【0030】
延長部46は、分離部45の端部45Aの延長状にある端部46Aと、端部46AからY方向に向かって折曲された壁部43Dと、壁部43DのY側の端部から径方向内側に向かって折曲され第三移動部42と連結される壁部43Eとを有している。
ここで、分離部45の端部45Aと延長部46の端部46Aとは、連続して端部43Cを構成している。
【0031】
壁部43Aは、換言すると、第三移動部42のX側(他方側)の端部に設けられ、第三移動部42から径方向外側に向かって突出するように形成されている。この壁部43Aは、第三ガイド管41の端部43Cが壁部Wの内面W2よりもY側に向かって移動することを規制している。
【0032】
つまり、
図2に示すように、プローブ1が孔部Hに挿入された状態において、第三ガイド管41の壁部43Aは壁部Wの内面W2に係合可能とされている。これにより、壁部43Aが壁部Wの内面W2に係合した状態から、第三ガイド管41はY方向に向かって移動することが規制されている。
【0033】
また、第二ガイド管31は、孔部Hの内部を壁厚方向に移動する第二移動部32(移動部)と、第二移動部32の径方向外側の端部から径方向外側に向かって形成された壁部33A(移動規制部)と、壁部33Aの径方向外側の端部からX方向に向かって折曲された壁部33Bとを有している。
【0034】
さらに、第二ガイド管31は、壁部33Bの端部から径方向内側に向かって折曲された端部33Cと、端部33Cの端部からY方向に向かって折曲された壁部33Dと、壁部33DのY側の端部から径方向内側に向かって折曲され第二移動部32と連結される壁部33Eとを有している。
【0035】
壁部33Aは、換言すると、第二移動部32のX側(他方側)の端部に設けられ、第二移動部32から径方向外側に向かって突出するように形成されている。この壁部33Aは、第二ガイド管31の端部33Cが壁部Wの内面W2よりもY側に向かって移動することを規制している。
【0036】
つまり、
図2に示すように、プローブ1が孔部Hに挿入された状態において、第二ガイド管31の壁部33Aは第三ガイド管41に設けられた壁部43Eに係合可能とされている。これにより、第三ガイド管41の壁部43Aが壁部Wの内面W2に係合し、且つ第二ガイド管31の壁部33Aが第三ガイド管41の壁部43Eに係合した状態から第二ガイド管31はY方向に向かって移動することが規制されている。
【0037】
さらに、第一ガイド管21は第二ガイド管31と同様に、孔部Hの内部を壁厚方向に移動する第一移動部22(移動部)と、第一移動部22の径方向外側の端部から径方向外側に向かって形成された壁部23A(移動規制部)と、壁部23Aの径方向外側の端部からX方向に向かって折曲された壁部23Bとを有している。
【0038】
さらに、第一ガイド管21は、壁部23Bの端部から径方向内側に向かって折曲された端部23Cと、端部23Cの端部からY方向に向かって折曲された壁部23Dと、壁部23DのY側の端部から径方向内側に向かって折曲され第一移動部22と連結される壁部23Eとを有している。
【0039】
壁部23Aは、換言すると、第一移動部22のX側(他方側)の端部に設けられ、第一移動部22から径方向外側に向かって突出するように形成されている。この壁部23Aは、第一ガイド管21の端部23Cが壁部Wの内面W2よりもY側に向かって移動することを規制している。
【0040】
つまり、
図2に示すように、プローブ1が孔部Hに挿入された状態において、第一ガイド管21の壁部23Aは第二ガイド管31に設けられた壁部33Eに係合可能とされている。これにより、第三ガイド管41の壁部43Aが壁部Wの内面W2に係合し、第二ガイド管31の壁部33Aが第三ガイド管41の壁部43Eに係合し、且つ第一ガイド管21の壁部23Aが第二ガイド管31の壁部33Eに係合した状態から、第一ガイド管21はY方向に向かって移動することが規制されている。
【0041】
さらに、プローブ本体10に設けられた第一突出部14は、第一ガイド管21に設けられた壁部23Eに係合可能とされている。
【0042】
つまり、
図2に示すように、第三ガイド管41の壁部43Aが壁部Wの内面W2に係合し、第二ガイド管31の壁部33Aが第三ガイド管の壁部43Eに係合し、第一ガイド管21の壁部23Aが第二ガイド管31の壁部33Eに係合し、且つプローブ本体10の第一突出部14が第一ガイド管21の壁部23Eに係合した状態において、プローブ本体10は、第一ガイド管21、第二ガイド管31及び第三ガイド管41とともに、当該状態からY方向に向かって移動することが規制されている。
【0043】
また
図1に示すように、第一ガイド管21のY方向端部には、径方向外側に向かって突出する第一係合部24が設けられている。また、第二ガイド管31のY方向端部には、径方向外側に向かって突出する第二係合部34が設けられている。また、第三ガイド管41のY方向端部には、径方向外側に向かって突出する第三係合部44が設けられている。
【0044】
次に、上記のように構成されプローブ1を用いて、壁部Wの内側の流体の状態を測定する測定する手順について説明する。
【0045】
図1に示すように、まず下準備として、壁部Wを貫通する孔部Hを形成する。この孔部Hの径は、プローブ1の第三ガイド管41の径と略同一とされている。
【0046】
ここで、プローブ1のプローブ本体10の第一突出部14を、第一ガイド管21の壁部23Eに係合させる。また、第一ガイド管21の壁部23Aを、第二ガイド管31の壁部33Eに係合させる。また、第二ガイド管31の壁部33Aを、第三ガイド管41の壁部43Eに係合させる。なお、第三ガイド管41に設けられた分離部45は、延長部46から取り外されている。
【0047】
上記の状態のプローブ1を、壁部Wに形成された孔部Hに挿入して、第三ガイド管41の分離部45を延長部46に取り付ける。このように、プローブ1、第一ガイド管21、第二ガイド管31及び第三ガイド管41が、孔部Hに挿入されるとともに最もY方向に配された当該状態を、第一状態と称する。
【0048】
図4に示すように、プローブ本体10に設けられた移動機構13を駆動すると、プローブ本体10が、第一ガイド管21の内部をX方向に移動する。そして、プローブ本体10に設けられた第二突出部15が、第一ガイド管21に設けられた第一係合部24に係合すると、プローブ本体10の第一ガイド管21に対する相対移動が停止する。なお、当該状態を第二状態と称する。
【0049】
次に、
図5に示すように、第一ガイド管21がプローブ本体10とともに、第二ガイド管31の内部をX方向に移動する。そして、第一ガイド管21に設けられた第一係合部24が、第二ガイド管31に設けられた第二係合部34に係合すると、第一ガイド管21及びプローブ本体10の第二ガイド管31に対する相対移動が停止する。なお、当該状態を第三状態と称する。
【0050】
次に、
図6に示すように、第二ガイド管31が第一ガイド管21及びプローブ本体10とともに、第三ガイド管41の内部をX方向に移動する。そして、第二ガイド管31に設けられた第二係合部34が、第三ガイド管41に設けられた第三係合部44に係合すると、第二ガイド管31、第一ガイド管21及びプローブ本体10の移動が停止する。なお、当該状態を第四状態と称する。
【0051】
次に、
図3に示すように、第三ガイド管41が第二ガイド管31、第一ガイド管21及びプローブ本体10とともに、孔部Hの内部をX方向に移動する。そして、第三ガイド管41に設けられた第三係合部44が、壁部Wの外面W1に係合すると、第三ガイド管41、第二ガイド管31、第一ガイド管21及びプローブ本体10の移動が停止する。なお、当該状態を第五状態と称する。
【0052】
ここで、第一状態から第五状態までの所望の状態において、測定部11で流体の状態を測定すると、プローブ本体10に設けられた表示部12に測定結果が表示される。
【0053】
このように構成されたプローブ1では、
図1に示す第一状態において、プローブ本体10の第一突出部14は、第一ガイド管21の壁部23Eに係合している。また、第一ガイド管21の壁部23Aは、第二ガイド管31の壁部33Eに係合している。また、第二ガイド管31の壁部33Aは、第三ガイド管41の壁部43Eに係合している。さらに、第三ガイド管41の壁部43Aは、壁部Wの内面W2に係合している。こにより、プローブ本体10、第一ガイド管21、第二ガイド管31及び第三ガイド管41は、当該第一状態からY方向に向かって移動することが規制されている。よって、例えば第三ガイド管41が第一状態よりもY方向に移動して、第二ガイド管31の外周面と孔部Hの内周面との間に間隙が形成されることはない。また、第一ガイド管21、第二ガイド管31及び第三ガイド管41が第一状態よりもY方向に移動して、プローブ本体10の外周面と孔部Hの内周面との間に間隙が形成されることもない。したがって、壁部WのX側に流体がある場合に、間隙が原因でこの流体の流れを乱すことがないため、流体の状態を正確に測定することができる。
【0054】
また、
図5に示す第三状態では、X側に突出したプローブ本体10は、第一ガイド管21に支持されている。さらに第三状態よりもプローブ本体10がX側に突出した
図6に示す第四状態では、X側に突出したプローブ本体10は、第二ガイド管31及び第三ガイド管41に支持されている。さらに第四状態よりもプローブ本体10がX側に突出した
図3に示す第五状態では、X側に突出したプローブ本体10は、第一ガイド管21、第二ガイド管31及び第三ガイド管41に支持されている。よって、プローブ本体10の壁部Wの内面W2からの突出する長さに応じて、プローブ本体10は複数のガイド管21,31,41で確実に支持されるため、流体の状態を安定して測定することができる。
【0055】
また、第一状態から第五状態に至るまでの所望の位置に測定部11を配することで、当該所望の位置における流体の状態を測定することができる。よって、壁部Wの内面W2からの距離に応じた流体の状態を、段階的に測定することができる。
【0056】
また、上記に記載のとおり、流体の流れを乱さない他、流体を巻き込むこともなく、不純ガスによる腐食防止や、不純物の堆積を防止することもできる。
【0057】
(第一
参考例の変形例1)
第一
参考例の変形例1として、
図7に示すように、第一
参考例の孔部Hよりも大きな径で形成された貫通孔H1に、アタッチメント2と一体とされたプローブ1を設けてもよい。
【0058】
壁部Wは、壁部本体W3と、アタッチメント2とを有している。
アタッチメント2は、プローブ1の外周に配された環状部材であって、第一環状部2Aと、第一環状部2AよりもX側に設けられ第一環状部2Aの径よりも大きい外径で形成された第二環状部2Bとを有している。例えば、このアタッチメント2の外周面が貫通孔H1の内周面に嵌合することで、アタッチメント2は壁部W3に固定されている。
【0059】
第一環状部2Aと第二環状部2Bとの内周を連通するようにして、孔部H2(壁部Wに形成された孔部に相当)が形成されている。この孔部H2に、プローブ1が挿通されている。プローブ1は、アタッチメント2に対してX−Y方向に摺動可能に一体とされている。
【0060】
このように構成されたプローブ1及びアタッチメント2によれば、予めプローブ1はアタッチメント2と一体されて、このアタッチメント2を介して壁部W3に取り付けられる。よって、壁部W3に形成された貫通孔H1にアタッチメント2を嵌合することで、容易にプローブ1を壁部W3に取り付けることができる。
【0061】
また、アタッチメント2が径方向に弾性変形可能な部材で形成されることにより、壁部W3に形成された貫通孔H1の内径とアタッチメント2の外径とが略同一でない場合でも、アタッチメント2が径方向に弾性変形することにより、アタッチメント2を介してプローブ1を壁部W3に確実に取り付けることができる。
【0062】
(第一実施形態
(第一参考例の変形例2
))
第一
参考例の変形例2
であって、本発明の第一実施形態として、
図8に示すように、壁部Wに形成された孔部H3のX側の縁部に、径方向に外側に向かって凹む凹部Jが周方向にわたって設けられていてもよい。
【0063】
凹部Jは、孔部H3の内周面から径方向外側に向かって折曲された壁部J1と、壁部J1の径方向外側の端部からX方向に向かって折曲された壁部J2とを有している。
第三ガイド管41の壁部43Aが、凹部Jの壁部J1に係合可能とされている。
【0064】
このように構成されたプローブ1では、第一状態において、第三ガイド管41の壁部43Aが、凹部Jの壁部J1に係合している。また、プローブ本体10のX側の端部10A、第一ガイド管21のX側の端部23C、第二ガイド管31のX側の端部33C及び第三ガイド管41のX側の端部43Cは、壁部Wの内面W2と同一面上ある。よって、ガイド部20のX側の端部及びプローブ本体10のX側の端部が壁部Wの内面から突出することがないため、第一状態において壁部Wの内面W2近傍の流体の流れを乱すことがない。したがって、壁部Wの内面W2近傍の流体の状態を正確に測定することができる。
【0065】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係るプローブ201について、
図9を用いて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0066】
プローブ本体10に設けられた第二突出部15と第一ガイド管21に設けられた第一係合部24との間には、第一付勢部19が設けられている。第一付勢部19は、第一突出部14をY方向に向かって付勢するとともに、第一係合部24をX方向に向かって付勢している。
【0067】
また、第一ガイド管21に設けられた第一係合部24と第二ガイド管31に設けられた第二係合部34との間には、第二付勢部29が設けられている。第二付勢部29は、第一係合部24をY方向に向かって付勢するとともに、第二係合部34をX方向に向かって付勢している。
【0068】
また、第二ガイド管31に設けられた第二係合部34と第三ガイド管41に設けられた第三係合部44との間には、第三付勢部39が設けられている。第三付勢部39は、第二係合部34をY方向に向かって付勢するとともに、第三係合部44をX方向に向かって付勢している。
【0069】
さらに、第三ガイド管41に設けられた第三係合部44と壁部Wの外面W1との間には、第四付勢部49が設けられている。第四付勢部49は、第三係合部44をY方向に向かって付勢するとともに、壁部Wの外面W1をX方向に向かって付勢している。
【0070】
第一付勢部19のバネ定数は、第二付勢部29のバネ定数よりも小さい。また、第二付勢部29のバネ定数は、第三付勢部39のバネ定数よりも小さい。また、第三付勢部39のバネ定数は、第四付勢部49のバネ定数よりも小さい。
【0071】
次に、このように構成されたプローブ201の動作について説明する。
移動機構13によりプローブ201をX方向に移動させると、付勢部19,29,39,49のうちバネ定数の一番小さい第一付勢部19が収縮する。よって、プローブ本体10の第二突出部15が第一ガイド管21の第一係合部24に向かって、つまりX方向に向かって移動する。そして、第二突出部15が第一係合部24に近接するまで第一付勢部19が収縮すると、次にバネ定数の小さい第二付勢部29が収縮する。
【0072】
第一ガイド管21の第一係合部24が第二ガイド管31の第二係合部34に向かって、つまりX方向に向かって移動する。そして、第一係合部24が第二係合部34に近接するまで第二付勢部29が収縮すると、次にバネ定数の小さい第三付勢部39が収縮する。
【0073】
第二ガイド管31の第二係合部34が第三ガイド管41の第三係合部44に向かって、つまりX方向に向かって移動する。そして、第二係合部34が第三係合部44に近接するまで第三付勢部39が収縮すると、次にバネ定数の小さい第四付勢部49が収縮する。
【0074】
第三ガイド管41の第三係合部44が壁部Wの外面W1に向かって、つまりX方向に向かって移動する。そして、第三係合部44が壁部Wの外面W1に近接するまで第四付勢部49が収縮して、プローブ201が最大限X方向に移動した状態となる。
【0075】
この状態から移動機構13によりプローブ201をY方向に移動させると、バネ定数の大きい順、すなわち第四付勢部49、第三付勢部39、第二付勢部29、第一付勢部19の順で、これら付勢部49,39,29,19が元の状態に戻るように伸張する。
【0076】
このように構成されたプローブ201では、プローブ201をX側に向かって移動させる際には、第一ガイド管21、第二ガイド管31、第三ガイド管41の順、つまり内周側に配されたガイド管21,31,41から順に移動する。一方、プローブ201を壁Y側に向かって移動させる際には、第三ガイド管41、第二ガイド管31、第一ガイド管21の順、つまり外周側に配されたガイド管41,31,21から順に移動する。よって、壁部WのX側に向かって突出したプローブ本体10が、その外周に配されたガイド管21で支持される。また、壁部WのX側に向かって突出したガイド管21(31)が、その外周に配されたガイド管31(41)で支持される。したがって、壁部WのX側に突出したプローブ本体10が、その外周側に配されたガイド管21,31,41により支持されるため、流体の状態を安定して測定することができる。
【0077】
(第
二参考例)
以下、本発明の第
二参考例に係るプローブ301について、
図10及び
図11を用いて説明する。
この
参考例において、前述した実施形態
及び参考例で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
上述した第一
参考例に係るプローブ1は、第一ガイド管21、第二ガイド管31及び第三ガイド管41の3個のガイド管で構成されているのに対して、本
参考例にかかるプローブ301は1個のガイド管321で構成されている。
【0079】
ガイド管321は、孔部H4の内周に沿って配され、X−Y方向に向かって移動可能とされている。このガイド管321の内部には、プローブ本体10がX−Y方向に向かって移動可能として配されている。
【0080】
このように構成されたプローブ301では、プローブ本体10及びガイド管321をX−Y方向に移動させることで、簡易な構成でありながら、ガイド管321と壁部Wに形成された孔部H4との間に間隙を形成することなく、流体の状態を測定することができる。
【0081】
なお、上述した実施
形態及び参考例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0082】
例えば
、第一参考例において、プローブ本体10と第一ガイド管21との間、第一ガイド管21と第二ガイド管31との間、第二ガイド管31と第三ガイド管41との間に、環状のOリング(不図示)を介装してもよい。この場合には、Oリングにより、壁部Wの内側から外側へ流が流出することを防止することができ、さらに壁部Wの外側から内側に向かって粉塵等が浸入することを防止することができる。
【0083】
また、本発明に係るプローブは、ガスタービンの他、風洞装置等にも用いることができる。
さらに、プローブ本体に液体やガスを注入することにより、プローブ本体が挿入される機器内部に液体やガスを注入することができるため、脱硝装置にも適用することができる。この場合には、機器内部になる流体の流れを乱すことなく、液体やガスを注入することができる。