特許第5797233号(P5797233)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特許5797233配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム
<>
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000002
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000003
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000004
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000005
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000006
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000007
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000008
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000009
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000010
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000011
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000012
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000013
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000014
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000015
  • 特許5797233-配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797233
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20151001BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20151001BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
   G06F17/30 340A
   G06F13/00 540P
   G06F17/30 310Z
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-129069(P2013-129069)
(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2015-5069(P2015-5069A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2013年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100125612
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】三瀬 宏明
【審査官】 山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−227921(JP,A)
【文献】 特開2007−265125(JP,A)
【文献】 特開2009−272722(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/025797(WO,A1)
【文献】 特開2009−277097(JP,A)
【文献】 特開2012−22658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/02
G06F 13/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを表示する表示装置から発信した音声を収音した端末装置から、当該音声を識別する音声情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された音声情報に基づいて、前記コンテンツに関連する関連コンテンツであって前記端末装置が前記表示装置に近づくことで前記コンテンツを視聴する視聴者と判定された視聴者の数に応じた関連コンテンツを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された関連コンテンツを前記端末装置に配信する配信手段と
を備えることを特徴とする配信装置。
【請求項2】
前記受信手段によって音声情報が受信された場合に、前記音声情報に基づいて前記端末装置を利用する利用者を、前記コンテンツを視聴する視聴者として判定する判定手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、
前記判定手段によって判定された視聴者の数が多いほど出稿料金の高い関連コンテンツを優先して抽出する
ことを特徴とする請求項2に記載の配信装置。
【請求項4】
コンテンツを表示する表示装置から出力された音声を収音する収音手段と、
前記収音手段によって収音された音声を識別する音声情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された音声情報を配信装置に送信する送信手段と、
前記音声情報を受信した配信装置から配信される前記コンテンツに関連する関連コンテンツであって前記表示装置に近づくことで前記コンテンツを視聴する視聴者と判定された視聴者の数に応じた関連コンテンツを表示する表示手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項5】
前記収音手段によって音声が収音された場合に、収音された音声を他の端末装置に伝播する伝播手段
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
表示装置と配信装置とを含む配信システムであって、
前記表示装置が、
前記表示装置に対応付けられた音声を出力する出力手段を備え、
前記配信装置が、
コンテンツを表示する表示装置から発信した音声を収音した端末装置から、当該音声を識別する音声情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された音声情報に基づいて、前記コンテンツに関連する関連コンテンツであって前記端末装置が前記表示装置に近づくことで前記コンテンツを視聴する視聴者と判定された視聴者の数に応じた関連コンテンツを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された関連コンテンツを前記端末装置に配信する配信手段と
を備えることを特徴とする配信システム。
【請求項7】
前記表示装置が、
騒音を収音する収音手段と、
前記収音手段によって収音された騒音が大きいほど音声の出力を大きくする調整手段
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の配信システム。
【請求項8】
前記調整手段が、
表示するコンテンツの出稿料金が高いほど音声の出力を大きくする
ことを特徴とする請求項7に記載の配信システム。
【請求項9】
表示装置と配信装置とを含む配信システムが実行する配信方法であって、
前記表示装置が、
前記表示装置に対応付けられた音声を出力する出力工程を含み、
前記配信装置が、
コンテンツを表示する表示装置から発信した音声を収音した端末装置から、当該音声を識別する音声情報を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された音声情報に基づいて、前記コンテンツに関連する関連コンテンツであって前記端末装置が前記表示装置に近づくことで前記コンテンツを視聴する視聴者と判定された視聴者の数に応じた関連コンテンツを抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された関連コンテンツを前記端末装置に配信する配信工程と
を含むことを特徴とする配信方法。
【請求項10】
コンテンツを表示する表示装置から出力された音声を収音する収音手順と、
前記収音手順によって収音された音声を識別する音声情報を生成する生成手順と、
前記生成手順によって生成された音声情報を配信装置に送信する送信手順と、
前記送信手順によって音声情報が送信された配信装置から配信された前記コンテンツに関連する関連コンテンツであって端末装置が前記表示装置に近づくことで前記コンテンツを視聴する視聴者と判定された視聴者の数に応じた関連コンテンツを表示する表示手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークを介して配信されるデジタルコンテンツを表示するデジタルサイネージと呼ばれる電子広告媒体が知られている。かかるデジタルサイネージによる販売促進は、マーケティング調査などによって有効な施策であることが知られており、例えば、駅構内や電車内などにデジタルサイネージが設置されている。
【0003】
このようなデジタルサイネージに関する技術として、ユーザによって視認されている表示装置を特定する技術が知られている。具体的には、この技術では、コンテンツ配信サーバが、ユーザが撮影した画像を含む要求メッセージを受信し、受信した画像に最も類似する画像を検出することで、表示装置の前面にユーザが存在していることを特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−76336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、広告の効果を高めることができるとは限らなかった。具体的には、上記の技術では、ユーザが、画像を含む要求メッセージをコンテンツ配信サーバへ送信するので、ユーザによる操作がない場合には、ユーザによって視認されている表示装置を特定することができない。このため、表示装置を視認するユーザに応じて広告コンテンツを配信することができない場合がある。このようなことから、上記の従来技術では、広告の効果を高めることができるとは限らなかった。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告の効果を高めることができる配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る配信装置は、コンテンツを表示する表示装置から発信した音声を収音した端末装置から、当該音声を識別する音声情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された音声情報に基づいて、前記コンテンツに関連する関連コンテンツを抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された関連コンテンツを前記端末装置に配信する配信手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、広告の効果を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る配信システムによる配信処理の一例を示す説明図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る配信システムの構成例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る配信装置の構成例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る関連コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る配信システムによる配信処理を示すシーケンスである。
図8図8は、第2の実施形態に係る配信装置の構成例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る視聴者情報記憶部の一例を示す図である。
図10図10は、変形例に係る配信システムによる配信処理の一例を示す説明図である。
図11図11は、変形例に係る関連コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図12図12は、第3の実施形態に係る配信システムによる配信処理の一例を示す説明図である。
図13図13は、第3の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図14図14は、第4の実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図15図15は、配信装置、端末装置、表示装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、端末装置、配信システム、配信方法及び送信プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
(第1の実施形態)
〔1−1.配信処理〕
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る配信処理の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る配信システムによる配信処理の一例を示す説明図である。図1の例では、配信装置100によって端末装置20にコンテンツを配信する配信処理が行われる。
【0012】
表示装置10は、例えば、デジタルサイネージ等の情報処理装置であって、広告コンテンツC11を表示部12(液晶ディスプレイ等)に表示する。また、表示装置10は、表示装置10に割り当てられた固有の音声であるX音16をスピーカ19から出力する。
【0013】
端末装置20は、表示装置10から所定の範囲内に所在する場合に、表示装置10から出力されたX音16を収音し、収音した音声がX音16であることを識別する音声情報を生成する。そして、端末装置20は、生成した音声情報を配信装置100に送信する。
【0014】
配信装置100は、表示装置10が表示する広告コンテンツC11に関連するコンテンツである関連コンテンツR11を記憶する。なお、関連コンテンツR11は、配信を依頼する広告主から入稿される。また、配信装置100は、関連コンテンツR11と音声データX音16とを対応付けて記憶しているものとする。
【0015】
この場合、配信装置100は、端末装置20から音声情報を受信した場合に、音声情報によって示されるX音16に対応する関連コンテンツR11を抽出し、抽出した関連コンテンツR11を端末装置20に配信する。そして、端末装置20は、配信装置100から配信された関連コンテンツR11を表示する。
【0016】
このように、第1の実施形態に係る配信装置100は、受信した音声情報に基づいて関連コンテンツを抽出し、抽出した関連コンテンツを端末装置20に配信するので、端末装置20の近隣に所在する表示装置10に気づいていない利用者に対して表示装置10の所在を通知することができる。このため、配信装置100は、表示装置10に表示されている広告コンテンツの広告効果を高めることができる。
【0017】
〔1−2.配信システムの構成〕
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係る配信システムについて説明する。図2は、第1の実施形態に係る配信システムの構成例を示す図である。図2に示すように、配信システム1には、表示装置10と、端末装置20と、配信装置100とが含まれる。表示装置10、端末装置20、配信装置100は、それぞれネットワークNと無線により通信可能に接続される。なお、図2では、配信システム1に、1台の表示装置10と、1台の端末装置20と、1台の配信装置100とが含まれる例を示したが、配信システム1には、複数台の表示装置10や、複数台の端末装置20や、複数台の配信装置100が含まれてもよい。
【0018】
表示装置10は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイやプロジェクタ及びスピーカを有し、各種の情報を出力するデジタルサイネージ等の情報処理装置である。例えば、表示装置10は、ネットワークNと無線で接続され、広告コンテンツをディスプレイに表示するとともに、スピーカから音声を出力する。
【0019】
端末装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置である。例えば、端末装置20は、収音した音声を識別する音声情報を送信するアプリケーションである送信アプリを起動することで、表示装置10から出力された音声を収音し、収音した音声に基づいて音声情報を生成し、生成した音声情報を配信装置100に送信する。また、端末装置20は、配信装置100から配信される関連コンテンツを表示部(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。
【0020】
配信装置100は、コンテンツを端末装置20に配信するサーバ装置である。上記の通り、配信装置100は、端末装置20から音声情報を受信した場合に、受信した音声情報に基づいて関連コンテンツを抽出し、抽出した関連コンテンツを端末装置20に配信する。
【0021】
〔1−3.表示装置の構成〕
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る表示装置10の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係る表示装置10の構成例を示す図である。図3に示すように、表示装置10は、通信部11と、表示部12、音声出力部13と、広告コンテンツ記憶部14と、制御部15とを有する。なお、表示装置10は、表示装置10を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、タッチパネル等)等を有してもよい。
【0022】
(通信部11について)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部11は、ネットワークNと無線又は有線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置20や配信装置100との間で情報の送受信を行う。
【0023】
(表示部12について)
表示部12は、各種の情報を表示するための表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ等によって実現される。例えば、表示部12は、後述の広告コンテンツ記憶部14に記憶される広告コンテンツを表示する。
【0024】
(音声出力部13について)
音声出力部13は、各種音声を出力するための出力デバイスである。例えば、音声出力部13は、スピーカ等によって実現される。具体的には、音声出力部13は、後述の音声再生部51によって再生された音声を出力する。
【0025】
(広告コンテンツ記憶部14について)
広告コンテン記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、広告コンテンツ記憶部14は、表示部12に表示される静止画像の広告コンテンツを記憶する。なお、広告コンテンツは、静止画像に限らず、動画像、テキストデータ、画像及びテキストデータを組み合わせたファイルであってもかまわない。
【0026】
(制御部15について)
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、表示装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部15は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0027】
かかる制御部15は、図3に示すように、表示制御部50と、音声再生部51とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部15の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部15が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0028】
(表示制御部50について)
表示制御部50は、各種のコンテンツを表示部12に表示させる。例えば、表示制御部50は、広告コンテンツ記憶部14に記憶されている広告コンテンツを表示部12に表示させる。
【0029】
(音声再生部51について)
音声再生部51は、表示装置10を識別可能な音声を再生する。例えば、音声再生部51は、表示部12が広告コンテンツを表示するたびに、表示装置10ごとに割り当てられた固有の音声を再生する。なお、音声再生部51が再生する音声は、可聴音であってもよいし、非可聴音であってもよいし、連続音など音のパターンであってもよい。
【0030】
〔1−4.端末装置の構成〕
次に、図4を用いて、第1の実施形態に係る端末装置20の構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る端末装置20の構成例を示す図である。図4に示すように、端末装置20は、表示部21と、入力部22と、通信部23と、収音部24と、制御部25とを有する。
【0031】
(表示部21、入力部22について)
表示部21は、各種情報を表示するための表示デバイスである。例えば、表示部21は、液晶ディスプレイ等によって実現される。入力部22は、ユーザから各種操作を受け付ける入力デバイスである。なお、第1の実施形態に係る端末装置20にはタッチパネルが採用されているので、表示部21と入力部22とは一体化される。
【0032】
(通信部23について)
通信部23は、ネットワークNに接続され、ネットワークNを介して、配信装置100との間で情報の送受信を行う。かかる通信部23は、ネットワークNとの接続を無線又は有線で行う。
【0033】
(収音部24について)
収音部24は、各種の音声を収音するための収音デバイスである。例えば、収音部24は、マイク等によって実現される。具体的には、収音部24は、表示装置10から所定の範囲内に端末装置20が所在する場合に、表示装置10から出力された音声を収音する。
【0034】
(制御部25について)
制御部25は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部25は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0035】
かかる制御部25は、図4に示すように、送信アプリ制御部60を有する。送信アプリ制御部60は、収音した音声から音声情報を生成し、生成した音声情報を配信装置100に送信する送信アプリケーションを実行制御する。
【0036】
なお、制御部25は、図4に示した送信アプリ制御部60に限られず、端末装置20にインストールされているアプリケーション毎に、かかるアプリケーションを実行制御するアプリ制御部を有する。例えば、制御部25は、天気予報サイトにアクセスするアプリケーションを実行制御するアプリ制御部や、オークションサイトにアクセスするアプリケーションを実行制御するアプリ制御部などを有してもよい。
【0037】
また、送信アプリケーションは、予め端末装置20にインストールされていてもよいし、ユーザ操作に従ってサーバ装置(例えば、各種アプリケーションを提供するサーバ装置)からダウンロードされることで端末装置20にインストールされてもよい。かかる送信アプリ制御部60は、図4に示すように、生成部61と、送信部62とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、送信アプリ制御部60の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0038】
(生成部61について)
生成部61は、収音部24によって音声が収音された場合に、収音された音声に基づいて音声情報を生成する。なお、生成部61によって生成される音声情報には、収音した音声を出力した表示装置を識別可能な情報が含まれる。そして、生成部61は、生成した音声情報を送信部62に出力する。
【0039】
(送信部62について)
送信部62は、生成部61によって生成された音声情報を配信装置100に送信する。
【0040】
〔1−5.配信装置の構成〕
次に、図5を用いて、第1の実施形態に係る配信装置100の構成について説明する。図5は、第1の実施形態に係る配信装置100の構成例を示す図である。図5に示すように、配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、配信装置100は、配信装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0041】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと無線又は有線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置20との間で情報の送受信を行う。
【0042】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部120は、関連コンテンツ記憶部121を有する。
【0043】
(関連コンテンツ記憶部121について)
関連コンテンツ記憶部121は、表示装置10に表示される広告コンテンツに関連する関連コンテンツに関する各種情報を記憶する。ここで、図6に、第1の実施形態に係る関連コンテンツ記憶部121の一例を示す。図6に示すように、関連コンテンツ記憶部121は、「サイネージID」、「音声データ」、「関連コンテンツ」といった項目を有する。
【0044】
「サイネージID」は、表示装置10を識別するための識別情報を示す。「音声データ」は、表示装置10から出力される音声を示す。「関連コンテンツ」は、表示装置10に表示される広告コンテンツに関連する関連コンテンツを示す。なお、図6では、「関連コンテンツ」に静止画像が格納される例を示したが、静止画像のファイルが格納されている場所を示すURLなどが記憶されてもよい。
【0045】
すなわち、図6では、サイネージIDが「DS11」である表示装置10から出力される音声がX音であって、表示装置10に表示される広告コンテンツの関連コンテンツR11が「サイネージが近くにあるよみてね!」という文言と画像とが組み合わされたコンテンツである例を示している。
【0046】
(制御部130について)
制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0047】
かかる制御部130は、図5に示すように、受信部131と、抽出部132と、配信部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0048】
(受信部131について)
受信部131は、端末装置20から音声情報を受信する。具体的には、受信部131は、表示装置10から出力された音声を収音した端末装置20から、収音した音声を識別する音声情報を受信する。
【0049】
(抽出部132について)
抽出部132は、受信部131によって音声情報が受信された場合に、音声情報に基づいて、関連コンテンツ記憶部121から関連コンテンツを抽出する。具体的には、第1の実施形態に係る抽出部132は、音声情報が受信された場合に、音声情報が示す音声に対応する関連コンテンツを抽出する。そして、抽出部132は、抽出した関連コンテンツを配信部133に出力する。
【0050】
抽出部132による抽出処理の一例について、図6に示した関連コンテンツ記憶部121を用いながら説明する。例えば、受信部131によって、端末装置20からX音を識別する音声情報が受信されたものとする。この場合、抽出部132は、関連コンテンツ記憶部121に記憶された関連コンテンツの中から、X音に対応する関連コンテンツR11を抽出する。そして、抽出部132は、抽出した関連コンテンツR11を配信部133に出力する。
【0051】
(配信部133について)
配信部133は、関連コンテンツを端末装置20に配信する。具体的には、配信部133は、受信部131によって受信された音声情報の送信元である端末装置20に対して、抽出部132によって抽出された関連コンテンツを配信する。
【0052】
〔1−6.配信処理手順〕
次に、図7を用いて、第1の実施形態に係る配信装置100による処理の手順について説明する。図7は、第1の実施形態に係る配信装置100による配信処理手順を示すシーケンスである。
【0053】
図7に示すように、表示装置10は、表示装置10を識別可能な音声を出力する(ステップS101)。端末装置20は、表示装置10から所定の範囲内に所在する場合に、表示装置10から出力された音声を収音する(ステップS102)。そして、端末装置20は、収音した音声を識別する音声情報を生成する(ステップS103)。その後、端末装置20は、生成した音声情報を配信装置100に送信する(ステップS104)。
【0054】
配信装置100は、端末装置20から音声情報を受信する(ステップS105)。そして、配信装置100は、受信した音声情報が示す音声に対応する関連コンテンツを抽出する(ステップS106)。その後、配信装置100は、ステップS106において抽出した関連コンテンツを音声情報の送信元である端末装置20に配信する(ステップS107)。
【0055】
これにより、端末装置20は、ステップS107において配信された関連コンテンツを表示部21に表示する(ステップS108)。
【0056】
〔1−7.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る配信装置100は、受信部131と、抽出部132と、配信部133とを有する。受信部131は、広告コンテンツ(コンテンツの一例に相当)を表示する表示装置から音声を収音した端末装置20から、かかる音声を識別する音声情報を受信する。抽出部132は、受信部131によって受信された音声情報に基づいて、広告コンテンツに関連する関連コンテンツを抽出する。配信部133は、抽出部132によって抽出された関連コンテンツを端末装置20に配信する。
【0057】
これにより、第1の実施形態に係る配信装置100は、端末装置20の近隣に所在する表示装置10に気づいていない利用者に対して表示装置10の所在を通知することができるので、表示装置10に表示されている広告コンテンツの広告効果を高めることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態で説明した配信装置100は、音声情報に基づいて関連コンテンツを抽出し、抽出した関連コンテンツを端末装置20に配信する。第2の実施形態では、配信装置200が、音声情報に基づいて表示装置10を視聴する視聴者を判定する処理について説明する。なお、配信システムの構成は、図1に示した例と同様であるので、以下では説明を省略する。
【0059】
〔2−1.配信装置の構成〕
まず、図8を用いて、第2の実施形態に係る配信装置200の構成について説明する。図8は、第2の実施形態に係る配信装置200の構成例を示す図である。図8に示すように、配信装置200は、配信装置100と比較して、視聴者情報記憶部222と、判定部234とをさらに有する。
【0060】
(視聴者情報記憶部222について)
視聴者情報記憶部222は、視聴者に関する各種情報を記憶する。例えば、視聴者情報記憶部222は、表示装置ごとに、視聴者の数を記憶する。ここで、図9に、実施形態に係る視聴者情報記憶部222の一例を示す。図9に示すように、視聴者情報記憶部222は、「サイネージID」、「視聴者数」といった項目を有する。
【0061】
「サイネージID」は、表示装置10を識別するための識別情報を示す。「視聴者数」は、後述の判定部234によって表示装置10の視聴者であると判定された利用者の数を示す。なお、図9では、1時間毎に、視聴者の数を累計した値が記憶される例を示したが、分毎に記憶されてもよいし、日付毎または月毎に記憶されてもよい。
【0062】
すなわち、図9では、10:00〜11:00の1時間にサイネージIDが「DS11」である表示装置10を視聴した端末装置20の利用者の数が5人である例を示している。
【0063】
(判定部234について)
判定部234は、表示装置20を視聴する視聴者を判定する。具体的には、判定部234は、音声情報に基づいて、音声情報の送信元である端末装置20の利用者が表示装置20の視聴者であるか否かを判定する。例えば、判定部234は、端末装置20から送信される音声情報を受信した場合に、音声情報の送信元である端末装置20の利用者を視聴者と判定する。
【0064】
また、判定部234は、例えば、端末装置20から送信される音声情報を所定の期間継続して受信した場合に、音声情報の送信元である端末装置20の利用者を視聴者と判定してもよい。
【0065】
他の例では、判定部234は、端末装置20から送信される音声情報を所定の期間継続して受信し、音声情報の送信元である端末装置20が表示装置10に近づいた場合に、かかる端末装置20の利用者を視聴者と判定してもよい。ここで、音声情報には、端末装置20が収音した音声の音量が示されているものとする。この場合、判定部234は、受信した音声情報に示される音量が時間の経過とともに大きくなっている場合に、音声情報の送信元である端末装置20の利用者を視聴者であると判定する。収音した音声の音量が時間の経過とともに大きくなるのは、端末装置20の利用者が表示装置20に表示されている広告コンテンツを見るために表示装置20に近づいたと考えられるからである。一方、収音した音声の音量が時間の経過とともに小さくなる場合は、端末装置20の利用者が表示装置20に表示されている広告コンテンツを見ることなく離れていったと考えられるからである。
【0066】
そして、判定部234は、端末装置20の利用者を視聴者であると判定するたびに、視聴者情報記憶部222に記憶されている視聴者の数を更新する。
【0067】
なお、判定部234による視聴者の判定は、端末装置20に関連コンテンツを配信する前に行ってもよいし、端末装置20に関連コンテンツを配信した後に行ってもよい。
【0068】
このように、配信装置200は、表示装置10の視聴者を判定することができるので、表示装置10に表示される広告コンテンツの広告効果を測定することができる。
【0069】
また、配信装置200は、音声情報に基づいて視聴者を判定するので、GPS等の位置情報と比較して利用者の位置を高精度に特定することができ、広告コンテンツの広告効果を高精度で測定することが可能となる。
【0070】
〔2−2.変形例〕
上述した実施形態に係る配信装置200は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の配信装置200の他の実施形態について説明する。
【0071】
〔2−2−1.関連コンテンツの配信〕
上記実施形態では、視聴者を判定する例を挙げて説明したが、上述してきた配信装置200は、視聴者の数に基づいて関連コンテンツを配信することもできる。このとき、配信装置200は、関連コンテンツが配信される度に広告主から支払われる料金である出稿料金が決められている場合には、視聴者の数が多いほど出稿料金が高い関連コンテンツを優先して抽出し、抽出した関連コンテンツを端末装置20に配信してもよい。
【0072】
この点について図10及び図11を用いて説明する。図10は、変形例に係る配信システムによる配信処理の一例を示す説明図である。図10の例では、サイネージIDが「DS11」である表示装置DS11及びサイネージIDが「DS12」である表示装置DS12が地下街に設置されているものとする。また、表示装置DS11及び表示装置DS12は、地下街のフロアマップを示すコンテンツM11を表示部12に表示する。なお、表示装置DS11は、X音16を出力する。表示装置DS12は、Y音17を出力する。図10では、表示装置DS11には、X音16を収音した端末装置20〜20を有する5人の視聴者がおり、表示装置DS12には、Y音17を収音した端末装置20を有する1人の視聴者がいる例を示している。
【0073】
図11は、変形例に係る関連コンテンツ記憶部の一例を示す図である。図11が示すように、関連コンテンツ記憶部121は、出稿料金が設定された関連コンテンツを複数個記憶する。図11の例では、サイネージIDが「DS11」である表示装置10には、出稿料金が100であるA店の割引情報を示す関連コンテンツR31及び出稿料金が50であるB店の割引情報を示す関連コンテンツR32が対応付けられて記憶されている例を示している。また、サイネージIDが「DS12」である表示装置10には、出稿料金が100である関連コンテンツR31及び出稿料金が50である関連コンテンツR32が対応付けられて記憶されている例を示している。なお、各表示装置は、図11の例に限らず、異なる関連コンテンツを記憶してもよい。
【0074】
ここで、図10が示すように、表示装置DS11は、相対的に視聴者が多い。また、表示装置DS12は、相対的に視聴者が少ない。この場合、配信装置200は、出稿料金が相対的に高い関連コンテンツR31を、視聴者が相対的に多い表示装置DS11から出力されたX音16を収音した端末装置20〜20に配信する。また、配信装置200は、出稿料金が相対的に低い関連コンテンツR32を、視聴者が相対的に少ない表示装置DS12から出力されたY音17を収音した端末装置20に配信する。
【0075】
このように、配信装置200は、関連コンテンツの出稿料金が高いほど視聴者の数が多い表示装置10から出力された音声を収音した端末装置20に配信するので、出稿料金が高い関連コンテンツほど多くの利用者に宣伝することができる。
【0076】
〔2−2−2.広告コンテンツの表示〕
上記変形例では、配信装置200が視聴者の数に基づいて関連コンテンツを配信する例を挙げて説明したが、表示装置10が配信装置200によって判定された視聴者の数に基づいて広告コンテンツを表示することもできる。例えば、表示装置10は、広告コンテンツ毎に、広告コンテンツが表示部12に表示される度に広告主から支払われる出稿料金を広告コンテンツ記憶部14に記憶する。そして、表示装置10は、配信装置200によって判定された視聴者の数が多いほど出稿料金が高い広告コンテンツを表示部12に表示する。
【0077】
これにより、表示装置10は、視聴者の数が多いほど出稿料金が高い広告コンテンツを表示するので、出稿料金が高い広告コンテンツほど多くの利用者に宣伝することができる。
【0078】
〔2−3.効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る配信装置200は、判定部234をさらに有する。判定部234は、受信部131によって音声情報が受信された場合に、かかる音声情報に基づいて端末装置20を利用する利用者を、広告コンテンツを視聴する視聴者として判定する。
【0079】
これにより、第2の実施形態に係る配信装置200は、表示装置10の視聴者を判定することができるので、表示装置10に表示される広告コンテンツの広告効果を測定することができる。
【0080】
また、配信装置200は、音声情報に基づいて視聴者を判定するので、GPS等の位置情報と比較して利用者の位置を高精度に特定することができ、広告コンテンツの広告効果を高精度で測定することが可能となる。
【0081】
また、第2の実施形態に係る配信装置200において、抽出部132は、判定部234によって判定された視聴者の数が多いほど出稿料金が高い関連コンテンツを優先して抽出する。
【0082】
これにより、第2の実施形態に係る配信装置200は、関連コンテンツの出稿料金が高いほど視聴者の数が多い表示装置10の近隣に所在する端末装置20に配信することができるので、出稿料金が高い関連コンテンツほど多くの利用者に宣伝することができる。
【0083】
また、第2の実施形態に係る表示装置10において、表示装置10は、配信装置200によって判定された視聴者の数が多いほど出稿料金が高い広告コンテンツを表示部12に表示する。
【0084】
これにより、第2の実施形態に係る表示装置10は、広告コンテンツの出稿料金が高いほど視聴者の数が多い表示装置10に表示されるので、出稿料金が高い広告コンテンツほど多くの利用者に宣伝することができる。
【0085】
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態で説明した端末装置20は、表示装置10から音声を収音し、音声情報を送信する。第3の実施形態では、端末装置30が、収音した音声を他の端末装置30に伝播する処理について説明する。なお、端末装置30及び30は、それぞれ同様の機能を有するので、以下では、端末装置30及び30を区別する必要がない場合には、これらを総称して「端末装置30」と表記する場合がある。また、配信システムの構成は、図1に示した例と同様であるので、以下では説明を省略する。
【0086】
〔3−1.伝播処理〕
まず、図12を用いて、第3の実施形態に係る伝播処理の一例について説明する。図12は、第3の実施形態に係る端末装置30による伝播処理の一例を示す説明図である。図12の例では、端末装置30によって他の端末装置30に端末装置30が収音した音声を伝播する伝播処理が行われる。
【0087】
表示装置10は、広告コンテンツC11を表示部12に表示するとともに、表示装置10に割り当てられた固有の音声であるX音16をスピーカ19から出力する。
【0088】
端末装置30は、表示装置10から所定の範囲内に所在する場合に、表示装置10から出力されたX音16を収音し、収音した音声であるX音16を出力する。
【0089】
端末装置30は、端末装置30から所定の範囲内に所在する場合に、端末装置30から出力されたX音16を収音する。そして、端末装置30は、収音したX音16を識別する音声情報を生成し、生成した音声情報を配信装置100に送信する。
【0090】
配信装置100は、端末装置30及び端末装置30から音声情報を受信し、X音16に対応する関連コンテンツを端末装置30及び端末装置30に配信する。
【0091】
このように、第3の実施形態に係る端末装置30は、表示装置10から音声を収音し、収音した音声を出力するので、表示装置10から所定の範囲内に所在しない端末装置30も音声を収音することができる。この結果、配信装置100は、表示装置10から所定の範囲内に所在する端末装置30に限らず、端末装置30から所定の範囲内に所在する端末装置30に対しても関連コンテンツを配信することができるので、表示装置10に表示されている広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0092】
〔3−2.端末装置の構成〕
まず、図13を用いて、第3の実施形態に係る端末装置30の構成について説明する。図13は、第3の実施形態に係る端末装置30の構成例を示す図である。図13に示すように、端末装置30は、端末装置20と比較して、音声出力部26と、伝播部63とをさらに有する。
【0093】
(音声出力部26について)
音声出力部26は、各種音声を出力するための出力デバイスである。例えば、音声出力部26は、スピーカ等によって実現される。具体的には、音声出力部26は、伝播部63によって再生された音声を出力する。
【0094】
(伝播部63について)
伝播部63は、収音部24によって収音された音声を他の端末装置30に伝播する処理を行う。具体的には、伝播部63は、収音部24によって収音された音声を音声出力部26から出力することで他の端末装置30に伝播する。
【0095】
〔3−3.効果〕
上述してきたように、第3の実施形態に係る端末装置30は、収音部24と、生成部61と、送信部62と、音声出力部26と、伝播部63とを有する。収音部24は、広告コンテンツを表示する表示装置10から出力された音声を収音する。生成部61は、収音部24によって収音された音声を識別する音声情報を生成する。送信部62は、生成部61によって生成された音声情報を配信装置100に送信する。音声出力部26は、送信部62によって音声情報が送信された配信装置100から配信された関連コンテンツを出力する。伝播部63は、収音部24によって音声が収音された場合に、収音された音声を他の端末装置30に伝播する。
【0096】
これにより、第3の実施形態に係る端末装置30は、表示装置10から音声を収音し、収音した音声を出力するので、表示装置10から所定の範囲内に所在しない端末装置30も音声を収音することができる。この結果、配信装置100は、表示装置10から所定の範囲内に所在する端末装置30に限らず、端末装置30から所定の範囲内に所在する端末装置30に対しても関連コンテンツを配信することができるので、表示装置10に表示されている広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0097】
(第4の実施形態)
上記第1の実施形態で説明した表示装置10は、表示装置10を識別可能な音声を出力する。第4の実施形態では、表示装置40が、騒音に基づいて音声の出力を調整する処理について説明する。なお、配信システムの構成は、図1に示した例と同様であるので、以下では説明を省略する。
【0098】
〔4−1.表示装置の構成〕
まず、図14を用いて、第4の実施形態に係る表示装置40の構成について説明する。図14は、第4の実施形態に係る表示装置40の構成例を示す図である。図14に示すように、表示装置40は、表示装置10と比較して、収音部18と、調整部52とをさらに有する。
【0099】
(収音部18について)
収音部18は、各種の音声を収音するための収音デバイスである。例えば、収音部18は、マイク等によって実現される。具体的には、収音部18は、表示装置40が出力する音声の伝達を阻害する騒音を収音する。
【0100】
(調整部52について)
調整部52は、収音部18によって収音された騒音に基づいて、音声再生部51によって再生された音声の出力を調整する。具体的には、調整部52は、収音部18によって収音された騒音が大きいほど音声出力部13から出力する音声を大きくする。
【0101】
このように、第4の実施形態に係る表示装置40は、収音された騒音に基づいて音声の出力を調整するので、表示装置40の周辺で騒音が発生している場合でも、表示装置40から出力される音声を端末装置20に収音させることができる。この結果、配信装置100は、騒音の影響を受けずに、関連コンテンツを端末装置20に配信することができるので、表示装置40に表示されている広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0102】
〔4−2.変形例〕
上述した実施形態に係る表示装置40は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の表示装置40の他の実施形態について説明する。
【0103】
〔4−2−1.出稿料金に基づいて音声を調整〕
上記実施形態では、収音された騒音に基づいて音声の出力を調整する例を挙げて説明したが、上述してきた表示装置40は、広告コンテンツの出稿料金に基づいて音声を調整してもよい。例えば、表示装置40は、広告コンテンツ記憶部14に記憶されている各種の広告コンテンツに出稿料金が決められている場合に、表示部12に表示する広告コンテンツの出稿料金が高いほど出力する音声を大きくする。
【0104】
このように、表示装置40は、広告コンテンツの出稿料金が高いほど出力する音声を大きくするので、より多くの端末装置20に音声を収音させることができる。この結果、配信装置100は、より多くの端末装置20に関連コンテンツを配信することができるので、表示装置40に表示されている広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0105】
〔4−3.効果〕
上述してきたように、第4の実施形態に係る表示装置40は、収音部18と、調整部52とを有する。収音部18は、騒音を収音する。調整部52は、収音部18によって収音された騒音が大きいほど音声の出力を大きくする。
【0106】
これにより、第4の実施形態に係る表示装置40は、表示装置40の周辺で騒音が発生している場合でも、表示装置40から出力される音声を端末装置20に収音させることができる。この結果、配信装置100は、騒音の影響を受けずに、関連コンテンツを端末装置20に配信することができるので、表示装置40に表示されている広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0107】
また、第4の実施形態に係る表示装置40において、調整部52は、表示部12に表示する広告コンテンツの出稿料金が高いほど音声の出力を大きくする。
【0108】
これにより、第4の実施形態に係る表示装置40は、広告コンテンツの出稿料金が高いほど多くの端末装置20に音声を収音させることができる。この結果、配信装置100は、広告コンテンツの出稿料金が高いほど多くの端末装置20に関連コンテンツを配信することができるので、表示装置40に表示されている広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0109】
〔5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0110】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0111】
例えば、図5に示した関連コンテンツ記憶部121は、配信装置100が保持せずに、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、配信装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、関連コンテンツを取得する。
【0112】
また、例えば、上述してきた配信装置100は、表示装置10に広告コンテンツを配信する装置と一体となって構成されてもよい。また、配信装置100は、関連コンテンツの配信処理は行わず、抽出部132による抽出処理のみを行う抽出装置であってもよい。この場合、抽出装置は、少なくとも配信部133を有しない。そして、配信部133を有する配信装置が、広告抽出装置によって抽出された関連コンテンツを端末装置20等に配信する。
【0113】
なお、上記第1の実施形態における配信装置100、第2の実施形態における配信装置200、第3の実施形態における端末装置30、第4の実施形態における表示装置40は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ70によって実現される。図15は、配信装置100、配信装置200、端末装置30及び表示装置40の機能を実現するコンピュータ70の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ70は、CPU71、RAM72、ROM(Read Only Memory)73、HDD(Hard Disk Drive)74、通信インターフェイス(I/F)75、入出力インターフェイス(I/F)76、およびメディアインターフェイス(I/F)77を備える。
【0114】
CPU71は、ROM73またはHDD74に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM73は、コンピュータ70の起動時にCPU71によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ70のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0115】
HDD74は、CPU71によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス75は、通信回線Nを介して他の機器からデータを受信してCPU71へ送り、CPU71が生成したデータを、通信回線Nを介して他の機器へ送信する。
【0116】
CPU71は、入出力インターフェイス76を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU71は、入出力インターフェイス76を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU71は、生成したデータを、入出力インターフェイス76を介して出力装置へ出力する。
【0117】
メディアインターフェイス77は、記録媒体78に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM72を介してCPU71に提供する。CPU71は、当該プログラムを、メディアインターフェイス77を介して記録媒体78からRAM72上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体78は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0118】
コンピュータ70が第1の実施形態における配信装置100として機能する場合、コンピュータ70のCPU71は、RAM72上にロードされたプログラムを実行することにより、受信部131、抽出部132及び配信部133の各機能を実現する。また、HDD74には、関連コンテンツ記憶部121内のデータが格納される。
【0119】
コンピュータ70が第2の実施形態における配信装置200として機能する場合、コンピュータ70のCPU71は、RAM72上にロードされたプログラムを実行することにより、受信部131、抽出部132、配信部133及び判定部234の各機能を実現する。また、HDD74には、関連コンテンツ記憶部121および視聴者情報記憶部222内のデータが格納される。
【0120】
コンピュータ70が第3の実施形態における端末装置30として機能する場合、コンピュータ70のCPU71は、RAM72上にロードされたプログラムを実行することにより、生成部61、送信部62及び伝播部63の各機能を実現する。
【0121】
コンピュータ70が第4の実施形態における表示装置40として機能する場合、コンピュータ70のCPU71は、RAM72上にロードされたプログラムを実行することにより、音声再生部51及び調整部52の各機能を実現する。また、HDD74には、広告コンテンツ記憶部14内のデータが格納される。
【0122】
コンピュータ70のCPU71は、これらのプログラムを、記録媒体78から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信回線Nを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0123】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0124】
また、上述した配信装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0125】
また、特許請求の範囲に記載した「手段」は、「部(section、module、unit)」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、抽出手段は、抽出部や抽出回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0126】
1 配信システム
10 表示装置
20 端末装置
100 配信装置
121 関連コンテンツ記憶部
131 受信部
132 抽出部
133 配信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15