(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上流側に設けたビルドダウン式流量モニタ部BDMと、その下流側に設けた流量制御部FCSとから構成したビルドダウン式流量モニタ付流量制御装置であって、前記ビルドダウン式流量モニタ部BDMを入口側開閉切換弁PV1と、温度センサThと、ビルドダウン容量BCの下流側に設けた出口側開閉切換弁PV2と、入口側開閉切替弁PV1と出口側開閉切換弁PV2と間に設けたビルドダウン容量BCと、その下流側に設けた圧力センサP3と、前記温度センサTh及び圧力センサP3の検出値が入力されるモニタ流量演算制御部CPbとから形成し、当該モニタ流量演算制御部CPbにより、入口側開閉切換弁PV1の出口側と流量制御部FCSのコントロール弁CVとの間のガス通路内容積をビルドダウン容積Vとして大流量のモニタ流量Q1を演算すると共に、出口側開閉切換弁PV2の出口側と流量制御部FCSのコントロール弁CVとの間のガス通路内容積をビルドダウン容積Vとして小流量のモニタ流量Q2を演算する構成としたことを特徴とする流量制御装置。
信号伝送回路CTによりビルドダウン式流量モニタ部BDM と流量制御部FCSとを連結し、ビルドダウン式流量モニタ部BDMのモニタ流量Qを圧力式流量制御部FCSへ伝送すると共に、流量制御部FCSに、前記ビルドダウン式流量モニタ部BDMからのモニタ流量Qにより流量制御部FCSの設定流量Qsを調整する流量設定値調整機構QSRを設ける構成した請求項4に記載の流量制御装置。
流量設定値調整機構QSRを、モニタ流量Qと設定流量Qsとの比較器を備え、モニタ流量Qと設定流量Qsとの差異が設定値を超えると、設定流量Qsをモニタ流量Qに自動修正する構成の流量設定値調整機構とした請求項6に記載の流量制御装置。
ビルドダウン容積Vを0.5〜20ccとすると共に、設定上限圧力値を400〜100kPa abs及び設定下限圧力値を350kPa abs〜50kPa absに、また、所定時間tを0.5〜5秒以内とするようにした請求項6に記載の流量制御装置。
ビルドダウン容量BCをチャンバとすると共に、当該チャンバを内筒と外筒を同心状に配設固定した構造とし、当該チャンバを形成する内・外筒間の間隙をガス流通路とする構成とした請求項6に記載の流量制御装置。
ビルドダウン容量BCを、並列状に配置した複数本のチャンバとすると共に、当該チャンバを内筒と外筒を同心状に配設固定した構造とし、各チャンバの内・外筒間の間隙をガス流通路として各チャンバの前記ガス流通路を直列状に接続する構成とした請求項6に記載の流量制御装置。
【背景技術】
【0002】
従前から、半導体製造装置用ガス供給装置に於いては、熱式流量制御装置MFCや圧力式流量制御装置FCSが広く利用されている。特に、後者の圧力式流量制御装置FCSは、
図20に示すように、コントロール弁CVや温度検出器T、圧力検出器P、オリフィスOR、温度補正・流量演算回路CDaと比較回路CDbと入出力回路CDcと出力回路CDd等から成る演算制御部CD等から構成されており、一次側供給圧が大きく変動しても安定した流量制御が行えるという優れた流量特性を具備している。
【0003】
即ち、
図20の圧力式流量制御装置FCSでは、圧力検出器P及び温度検出器Tからの検出値が温度補正・流量演算回路CDaへ入力され、ここで検出圧力の温度補正と流量演算が行われ、流量演算値Qtが比較回路CDbへ入力される。また、設定流量に対応する入力信号Q
Sが端子Inから入力され、入出力回路CDcを介して比較回路CDbへ入力され、ここで前記温度補正・流量演算回路CDaからの流量演算値Qtと比較される。比較の結果、設定流量入力信号Qsが流量演算値Qtより大きい場合には、コントロール弁CVの駆動部へ制御信号Pdが出力される。これによりコントロール弁CVが閉鎖方向へ駆動され、設定流量入力信号Qsと演算流量値Qtとの差(Qs−Qt)が零となるまで閉弁方向へ駆動される。
【0004】
当該圧力式流量制御装置FCSでは、オリフィスORの下流側圧力P
2と上流側圧力P
1との間にP
1/P
2≧約2の所謂臨界膨張条件が保持されていると、オリフィスORを流通するガス流量QがQ=KP
1(但しKは定数)となり、また、臨界膨張条件が満たされていないと、オリフィスORを流通するガス流量QがQ=KP
2m(P
1−P
2)
n(但しK、m、nは定数)となる。従って、圧力P
1を制御することにより流量Qを高精度で制御することができ、しかも、コントロール弁CVの上流側ガスGoの圧力が大きく変化しても、制御流量値が殆ど変化しないという優れた特性を発揮することができる。
尚、圧力式流量制御装置FCSそのものは公知であるため、ここではその詳細な説明を省略する(特開2003−195948号等)。
【0005】
しかし、この種の圧力式流量制御装置FCSでは、微小な穴径のオリフィスORを使用しているため、オリフィスORの穴径の経年変化が不可避である。そして、穴径が変化すると、圧力式流量制御装置FCSの設定流量(即ち制御流量値)と、現実にオリフィスORを流通するガスGoの実流量値との間に差異を生ずることになる。また、この差異を検出するためには、流量制御中に流量モニタを頻繁に行う必要があり、半導体製造装置の稼動性や製造した半導体の品質等に大きな影響を与えるという問題がある。
【0006】
そのため、圧力式流量制御装置の分野に於いては、従来から、オリフィスORの穴径の変化を可能な限り早期に検出して、圧力式流量制御装置FCSによる制御流量値と、現実にオリフィスを流通するガスGoの実流量値との間の差異の発生を防止するための対策が採られており、この種のオリフィス穴径変化等の検出には、所謂ビルドアップ方式(ROR:RATE OF RISE)やビルドダウン方式(ROD:RATE OF DECAY)を用いたガスの流量モニタが多く用いられている。
【0007】
一方、前記ビルドアップ方式やビルドダウン方式によるガスの流量モニタでは、流量制御しつつ供給している実ガスを一時的に停止してモニタ用のガス流量測定を行なう必要があるため、半導体製造装置の稼動率が下がったり、製造した半導体の品質等にばらつきが生じる等の問題がある。
【0008】
そのため、近年、この種の流量制御装置に於いては、実ガスの供給を一時的に停止することなしに、供給ガスの流量制御が適正に行われているか否かをリアルタイムで簡単且つ正確にモニタできるようにした流量モニタ付流量制御装置の開発が進められている。
【0009】
図21は、従前の流量モニタの一例を示すものであり、当該流量モニタ付流量制御装置20は、熱式質量流量センサ25と圧力式流量制御装置とを組合せしたものであり、流路23と、入口側圧力を検出するのに第1圧力センサ27aと、開閉制御弁24と、熱式質量流量センサ25と、第2圧力センサ27bと、絞り部(音速ノズル)26と、演算制御部28aと、入出力回路28b等から構成されている。
【0010】
即ち、熱式質量流量センサ25は、整流体25aと、流路23から所定の割合F/Aの流量を分岐する分岐流路25bと、分岐流路25bに設けたセンサ本体25cを備え、総流量Fを示す流量信号Sfを演算制御部28aへ出力する。また、絞り部26は、その上流側と下流側の圧力差が所定値以上(即ち、臨界条件下)のときに、上流側圧力に比例した流量の流体を流す音速ノズルであり、SPa、SPbは圧力信号、Pa、Pbは圧力、Fは総流量、Sfは流量信号、Cpは弁開度制御信号である。
【0011】
演算制御部28aは、圧力センサ27a、27bからの圧力信号Spa、Spbおよび流量センサ25からの流量信号Sfをフィードバックして弁開度制御信号Cpを出力することで、開閉弁24をフィードバック制御する。
即ち、演算制御部28aへは入出力回路28bから流量設定信号Fsが入力され、質量流量制御装置20に流れる流体の流量Fが流量設定信号Fsとなるように調整される。より具体的には、演算制御部28aが第2圧力センサ27bの出力(圧力信号Spb)を用いて開閉制御弁24の開閉をフィードバック制御することにより、音速ノズル26を流れる流体の流量Fを制御すると共に、このときの熱式流量センサ25の出力(流量信号Sf)を用いて、実際に流れている流量Fの測定を行い、質量流量制御装置20の動作を確認する。
【0012】
上述のように、
図21の流量モニタ付流量制御装置20は、第2圧力センサ27bの圧力信号Spbを用いて開閉制御弁24の開度を調整する圧力式流量制御と、実流量の監視を行う熱式流量センサ25を用いた流量測定との両方を演算制御部
28aに組み込んでいるため、設定流量Fsに対応する制御流量のガスが実際に流れているか否か、即ち制御流量と実流量と間に差があるか否かを簡単且つ確実にリアルタイムでモニタすることができ、高い実用的効用を奏するものである。
【0013】
しかし、上記
図21の流量モニタ付流量制御装置20にも解決すべき問題が多く残されている。先ず、第1の問題は、モニタ流量値(実流量値)と制御流量値との間に差異が生じた場合に、差異の発生を警報等により感知することは可能であるものの、自動的に制御流量値の修正、即ち設定流量値Fsの調整ができないため、何等かの原因例えば運転要員の不在等で制御流量値の修正が遅れた場合には、設定流量値と異なった流量のガス(実流量ガス)の供給が継続されることになり、半導体製造上さまざまな不都合が生ずることになる。
【0014】
第2の問題は、流量制御を行うための第2圧力センサ27bを用いた圧力式流量測定と、流量監視を行うための熱式流量センサ25を用いた流量測定という二種の異なる測定方式を組み込みしているため、流量モニタ付流量制御装置20の構造が複雑となり、装置の小型化及び製造コストの引下げが図れない点である。
【0015】
第3の問題は、演算制御部28aが、第2圧力センサ27bの出力Spbと熱式流量センサ25の流量出力Sfの両信号を用いて開閉制御弁24を開閉制御すると共に、第1圧力センサ27aの出力Spaを用いて熱式流量センサ25の流量出力Sfを補正する構成としており、第1圧力センサ27a及び第2圧力センサ27bの二つの圧力信号と熱式流量センサ25からの流量信号との三つの信号を用いて、開閉制御弁24の開閉制御を行うようにしている。そのため、演算制御部28aの構成が複雑になるだけでなく、圧力式流量制御装置FCSとしての安定した流量制御特性や優れた高応答性が逆に低減されてしまうと云う問題がある。
【0016】
一方、上述の如き各問題を解決するため、本願発明者等は、圧力式流量制御装置FCSとその上流側に設けたビルドダウン式の流量測定部とを一体に組合せし、流量制御装置の上流側圧力(入力側圧力)に許容される圧力変動範囲内で前記ビルドダウン式の流量測定部を作動させ、少なくとも1秒以内に1回(望ましくは、一秒間に複数回)ビルドダウン式流量測定部から流量モニタ信号を発信することにより、圧力式流量制御装置による流量制御と同時並行的にビルドダウン式流量測定部による実質的にリアルモニタに近い流量モニタが行えると共に、モニタ流量値と制御流量値の差異が所定流量値を越えた場合には自動的に圧力式流量制御装置側の流量設定値を調整して、圧力式流量制御装置による流量制御値をビルドダウン式流量測定部による流量値に修正する様にした流量モニタ付圧力式流量制御装置を開発している。
【0017】
即ち、この新たに開発されたビルドダウン式流量モニタ付圧力式流量制御装置は、入力側の圧力変動により流量制御特性が殆ど影響を受ないと云う圧力式流量制御装置の流量特性をフルに活用して、ビルドダウン式流量モニタ部による流量モニタを略リアルタイム(少なくとも1秒間に1回以上のモニタ)に近い状況下で行え、しかも、演算制御部の簡素化、機器本体部の大幅な小型化、ガス置換性の向上等を可能にしたものである。
【0018】
先ず、本願発明の基礎を成す前記
図21に記載のビルドダウン式流量モニタ付圧力式流量制御装置を、
図5乃至
図19に基づいて説明する。
図5は、ビルドダウン式流量モニタ付圧力式流量制御装置の流量モニタ特性を測定するための試験装置の概要構成図であり、本願発明者等は当該試験装置を用いて、圧力式流量制御装置FCSと一次側開閉切換弁(上流側弁)AV間の圧力降下の傾きから流量算出を行う、ビルドダウン流量測定に関する基礎的試験を行った。
【0019】
尚、
図5に於いて、N
2はガス供給源、RGは圧力調整器、ECVは電磁駆動部、AVは一次側開閉切換弁(上流側弁)、FCSは圧力式流量制御装置、VPは真空ポンプ、BCはビルドダウン容量、Tは温度センサ、Pは圧力式流量制御装置FCS内のコントロール弁の1次側に設けた圧力センサ、P
0は圧力センサ出力、Eは電源部、E
1は圧力式流量制御装置用電源、E
2は演算制御部用電源、E
3は一次側開閉切換弁(上流側弁)用電源、Sは信号発生器、CPは演算制御部、CPaは圧力式流量演算制御部、CPbはビルドダウンモニタ流量演算制御部、PCは演算表示部、NRはデータロガである。
【0020】
前記ビルドダウン容量BCは、一次側開閉切換弁(上流側弁)AVの出口側と圧力式流量制御装置FCSのコントロール弁(図示省略)の入口側との間の管路空間容積に相当するものであり、配管路の長さや内径等の調整、或いは当該配管路に介設したビルドダウン用チャンバ(図示省略)の内容積の調整により、当該ビルドダウン容量BCの内容積Vは1.78ccと9.91cc、4.6〜11.6cc及び1.58〜15.31ccの各容積に切換え調整できるようになっている。
また、ビルドダウン用チャンバを用いた場合には、一次側開閉切換弁(上流側弁)AVの出口とコントロール弁CVの入口間の流路内径を1.8mmとし、且つビルドダウン容量BCの内容積Vを1.58〜15.31ccに選定している。
【0021】
前記演算制御部CP内のビルドダウンモニタ流量演算制御CPbでは、後述するようにビルドダウン容量BCに於ける圧力降下率を用いてモニタ流量の演算が行われ、更に、圧力式流量演算制御部CPaでは、従前の圧力式流量制御装置FCSの制御演算部と同様に、オリフィス(図示省略)を流通する流量の演算及びコントロール弁(図示省略)の開閉制御等が行われる。
【0022】
尚、圧力式流量制御装置FCS、一次側開閉切換弁(上流側弁)AV、圧力調整器RG及びその他の機器類は全て公知のものであるため、ここではその説明を省略する。また、前記一次側開閉切換弁(上流側弁)AVは、開閉を短時間内で行う必要があるため、ピエゾ駆動式メタルダイヤフラム弁を使用しているが、直動型電磁弁やパイロット電磁弁を設けたエアー作動弁であっても良い。
【0023】
ビルドダウン式流量測定部が圧力式流量制御装置FCSの上流側に配置できるのは、前述の通りオリフィスを用いた圧力式流量制御装置FCSがガス供給圧変動の影響を受け難いからである。また、ビルドダウン方式により高精度な流量測定が可能なことは公知のことである。
【0024】
即ち、ビルドダウン方式に於いては、内容積V(l)のビルドダウン容量BC内を流通する流量Qは、下記の(1)式により算出することができる。
【数1】
ただし、ここでVはビルドダウン容量BCの内容積(l)、ΔP/Δtはビルドダウン容量Vに於ける圧力降下率、Tはガス温度(℃)である。
【0025】
先ず、
図5の試験装置を用いて、圧力式流量制御装置FCSの上流側圧力を400kPa abs、降下圧力(圧力差ΔP)を50kPa abs以上、ビルドダウン容量BCの内容積Vを4.6〜11.6ccとし、ビルドダウン方式による流量測定を行った。
【0026】
図6は、この時の圧力降下状態を示すものであり、流量そのものは比較的精度よく測定できるものの、圧力回復時間(a)が必要なために測定流量の出力が不連続となり、且つ1サイクルに要する時間が数秒以上となることが判った。
【0027】
即ち、一次側開閉切換弁(上流側弁)AVを開とし、圧力が規定値以上の圧力になるまでの時間を圧力回復時間(a)とし、また、一次側開閉切換弁(上流側弁)AVを閉として圧力が規定値以下にまで下降する時間を流量出力可能時間(b)とすると、上記(a)と(b)の割合によって、流量出力ができる時間の割合が決まることになる。また、この流量出力可能時間(b)は、FCSの制御流量、ビルドダウン容量の内容積V、圧力下降範囲ΔPによって決まるため、FCSの制御流量、ビルドダウン容量の内容積V及び圧力下降範囲ΔPをより厳密に検討して、夫々を適宜な値にしなければ、ビルドダウン方式による流量測定をリアルタイム流量モニタに近づけることができないことが判明した。
【0028】
勿論、リアルタイム流量モニタであるためには、理想的には連続的な流量出力が必須となるが、現実の半導体製造装置等の運転に於いては、1秒間に少なくとも1回以上の流量出力を得ることが出来れば、ほぼリアルタイムに近い流量モニタが可能となる。
そこで、本願発明者等は、ビルドダウン式による流量測定に於いて、1秒間に少なくとも1回以上の流量出力を得てリアルタイムに近い流量モニタを可能とするために、前記圧力差ΔP及びビルドダウン容量の内容積Vをより小さくしてガス再充填に必要な時間(圧力回復時間(a))を短くすることを着想し、また、当該着想に基づいて、ビルドダウン容量BCの内容積V及び流量測定時の圧力差ΔPの減少によってリアルタイム性の確保が可能か否かを検討すると共に、流量モニタ精度やその再現性等について各種の試験を行った。
【0029】
最初に、
図5の試験装置の圧力式流量制御装置FCSとして、定格流量がF20、F200及びF600(SCCM)の三種類のFCSを準備し,また、ビルドダウン容量BCの内容積Vを約1.78ccと、約9.91ccの二種類に設定した。尚、9.91ccのビルドダウン容量BCは、配管長さ及び配管内径を調整することにより容量の調整を行った。更に、流量出力の検出可能時間(b)は0.5sec(0.25ms×2000点)を目標とし、且つ試験環境温度は23℃±1℃とした。
【0030】
次に、FCS上流側圧力を370kPa absとし、圧力差ΔP=20kPa abs、流量N
2=100SCCMに設定(FCS側で設定)し、ビルドダウン流量測定の際の圧力回復特性(圧力回復時間(a))を測定した。
【0031】
図7は、圧力回復特性の測定結果を示すものであり、
図8はその拡大図、
図9はその時の圧力降下特性を示すものである。
図7及び
図8からも明らかなように、ビルドダウン容量BCの内容積Vを1.78cc及び圧力下降範囲ΔPを20kPa absと小さくすることにより、N
2流量100SCCMに於いても再充填時間(圧力回復時間(a))を大幅に短くすることができ、
図9に示すように、少なくとも1秒以内の間隔で測定流量を出力できることが、確認できた。
【0032】
また、一次側開閉切換弁(上流側弁)AVの開閉速度が、圧力回復時間(a)を流量出力可能時間(b)に対して小さくする点で大きな影響を持つことが判明した。そのため、一次側開閉切換弁(上流側弁)AVとしては、ピエゾ駆動式メタルダイヤフラム弁や電磁直付型弁が望ましいことが判明した。
更に、圧力下降範囲ΔP及びビルドダウン容量BCの内容積Vの減少による圧力回復時間(a)の短縮化は、圧力降下時間(流量出力可能時間(b))の短縮化を招くことになるため、測定流量とビルドダウン容量BCの内容積Vと圧力降下時間(b)の関係が、特に重要となることが判明した。
【0033】
【表1】
表1は、ビルドダウン容量BCの内容積Vを1.78ccとした場合の測定流量(SCCM)と圧力降下時間(sec)との関係を示すものであり、ビルドダウン容量BCの内容積Vが1.78ccの場合には、50SCCM以下の流量でないと1秒間以内に1回以上の流量出力を行うことが困難となり、リアルタイムに相当する流量モニタを行うことが困難となることが判る。
【0034】
また、流量出力可能時間(b)に於ける圧力降下特性は、直線性を有することが測定誤差の点から必要であり、流量算出が可能な範囲は、圧力降下率が一定(即ち、直線性を有する部分)の範囲に限定されることが判った。
【0035】
図10乃至
図12は、測定流量が100,50及び10SCCMの場合の圧力降下特性の形態を調査した結果を示すものであり、何れの場合に於いても、ビルドダウン直後には圧力降下特性が直線性を喪失したものとなる。尚、この場合のビルドダウン容量BCは1.78ccであり、流体はN
2ガスである。
【0036】
上記
図10至図12に示されているビルドダウン直後に於ける直線性からのずれは、圧力変化に伴うガスの断熱膨張によるガス内部温度変化に起因して生ずるものと想定される。そして、測定流量が小さいほど、この直線性からのずれは大きくなる傾向にあり、これにより流量算出の可能な時間幅が狭められることが判る。
【0037】
次に、圧力降下特性曲線の直線性からのずれによる流量測定誤差を、流量測定可能時間(b)が1秒以内の場合について、0.25秒毎に5点測定することにより計測した。
即ち、ビルドダウン容量BCの内容積Vを1.78cc及び9.91ccとし、圧力下降範囲ΔPを20kPa abs、一次側開閉切換弁(上流側弁)AVの閉からの流量安定までの時間を1秒として、0.25sec毎に流量を算出し、制御流量に対する算出流量の誤差を検討した。
【0038】
図13及び
図14は、その結果を示すものであり、何れの場合も一次側開閉切換弁(上流側弁)AVの閉鎖より0.25sec以上経過することにより、誤差が大幅に減少することが判った。即ち、圧力降下特性曲線が直線に近づくに従って、誤差が減少することが確認された。
【0039】
尚、表2は、ビルドダウン容量BCの内容積Vと、測定流量と、圧力降下時間(b)の関係を示すものであり、ビルドダウン容量BCの内容積V=1.78ccの場合には、流量20〜50SCCMの時に、約1秒以内の間隔で流量出力が行えることになる。
また、ビルドダウン容量BCの内容積V=9.91ccの場合には、流量100〜200SCCMの時に約1秒以内の間隔で流量出力が可能であることが判る。
【表2】
【0040】
図15は、上記各試験の結果に基づいて
本発明者等が先に開発をした流量モニタ付圧力式流量制御装置の基本構成を示す系統図であり、当該流量モニタ付圧力式流量制御装置は、ビルドダウン部BDMと圧力式流量制御部FCSと両者間を連結する信号伝送回路
(ディジタル通信回路)CTとから構成されている。
尚、
図15に於いて、PV
1は入口側切換弁、PV
2は出口側切換弁、BCはビルドダウン容量、P
3は圧力センサ、CPbはモニタ流量演算制御部、VB
1はモニタ入口側ブロック、VB
2はモニタ出口側ブロックである。
また、
図15に於いて、CVはコントロール弁、CPaは流量演算制御部、OR
1は小径オリフィス、OR
2は大径オリフィス、P
1は第1圧力センサ、P
2は第2圧力センサ、VB
3は流量制御部入口側ブロック、VB
4は流量制御部出口側ブロック、VB
5は連結用ブロック、SKは連結部のガスケットである。
【0041】
前記圧力式流量制御部FCSには、設定流量調整機構QRSが設けられており、予め設定された流量値Qsが信号伝送回路CTを介して入力されたビルドダウン流量Qと比較器(図示省略)により比較され、両者の差異が規定以上の流量値になると、自動的に設定流量値QsがQs’に修正され、圧力式流量制御部FCSの流量制御値がビルドダウン流量Qに合致するように調整される。即ち、実流量がビルドダウン流量Qに合致するように調整される。
尚、
図15においては、温度検出センサT, フィルタF等は省略されており、また、圧力式流量制御部FCSは如何なる形式のもの、例えばオリフィスが1基のものであっても良いことは勿論である。また、圧力式流量制御部FCSやビルドダウン式流量モニタ部BDMの基本構成そのものは公知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0042】
具体的には、ガス入口1からビルドダウン式流量モニタ部BDMへ流入した圧力500〜320kPa absのガスは、入口側ピエゾ切換弁PV
1、チャンバ式のビルドダウン容量BC、 出口側ピエゾ切換弁PV
2の順に流通し、モニタ流量演算制御部CPbでモニタ流量Qが演算され、これが圧力式流量制御部FCSの設定流量調整機構QSRへ入力される。
また、ビルドダウン式流量モニタ部BDMから流出したガスは、コントロール弁CV、小径オリフィスOR
1及び又は大径オリフィスOR
2を通り、ガス出口2から流出する。その間に、前記流量演算制御部CPaがオリフィス流通ガス流量を演算すると共に、コントロール弁CVの開閉制御やオリフィス切換弁ORVの開閉制御をする。
更に、前記流量演算制御部CPaの設定流量調整機構QSRでは、ビルドダウン式流量モニタ部BDMからのモニタ流量Qとオリフィス流通流量(即ち、流量演算制御部CPaでの制御流量)とが比較され、両者の差異が予め定めた設定値を超えると、圧力式流量制御部FCSの制御流量を前記モニタ流量Qに合致させるよう設定流量Qsの方を調整し、これをQs’に自動修正する。
【0043】
即ち、本発明の要部を形成するビルドダウン式流量モニタ制御部CPbは、入口側(上流側)ピエゾ切換弁PV
1の開閉制御や、圧力センサP
3、温度検出センサT(
図15では省略)及び両切換弁PV
1、PV
2間のビルドアップ容量BCの容積V等から、ビルドダウン流量Qを演算し、これを流量演算制御部CPaへ出力する。
【0044】
上述の如く、本発明に係る流量モニタ付圧力式流量制御装置では、ビルドダウン式流量モニタ部BDMで圧力降下率ΔP/Δtの測定やモニタ流量Qの演算が行なわれ、モニタ流量演算制御部CPbへ外部入出力回路PIOを介して指令信号及び又は設定信号を入力することにより、モニタ流量が少なくとも1秒間に1回の割合でモニタ表示されると共に、上記圧力式流量制御部FCSの制御流量値の修正、補正が自動的に行われる。
【0045】
また、モニタ流量出力Q(モニタ流量演算制御部CPbからの流量出力)と圧力式流量制御部FCSの流量出力(圧力式流量演算制御部CPaからの流量出力)との間に設定値以上の差異が生じた場合に、流量異常の警報を発信、或いは必要な場合には、所謂圧力式流量制御装置FCSの流量自己診断を実施して流量異常の原因やその発生場所を特定することも可能であり、更に、設定値以上の流量差異が生じた場合には、圧力式流量制御部FCS自体の零点調整等を自動的に実施すること等も可能である。
【0046】
尚、
図15の装置に於いては、入口側切換弁等をピエゾ駆動式弁としているが、これらを直動型の電磁駆動弁としてもよい。また、ビルドダウン容量BCの内容積Vは1.78〜9.91ccの範囲に選定している。更に、圧力降下範囲ΔPは20kPa abs(350〜320kPa abs)に選定されており、少なくとも1秒間に1回以上のモニタ流量を出力する構成としている。加えて、前記温度検出センサT(図示省略)は外面貼付型の測温抵抗式温度センサとしているが、モニタブロックVB
1又はVB
2の内部へ挿入するサーモスタット型温度計を用いることも可能である。
【0047】
また、
図15の装置では、ビルドダウン容量BCとして後述するように圧力センサ付チャンバを用いているが、当該ビルドダウン容量BCをガス流路の内容積でもって形成し、ガス流路の内径及び流路長さを適宜に選定することにより、所望の内容積Vのビルドダウン容量BCを得る構成としても良い。
【0048】
図16は、
図15のビルドダウン式流量モニタ付圧力式流量制御装置の従断面概要図である。当該実施例では、ビルドダウン容量BCとして圧力センサ付チャンバCHを用い、ビルドダウン式流量モニタ部BDMの各ガス通路L
1、L
3、L
5の内径を1.8mmの細径としている。また、オリフィスOR
1、OR
2の下流側に第2圧力センサP
2を別途に設けている。更に、チャンバCHに圧力センサP
3を設けている。
【0049】
即ち、
図16に於いては、入口側切換弁PV
1と出口側切換弁PV
2の間に小型の圧力チャンバCHを設け、この圧力チャンバCHの内容積を調整することにより、前記ビルドダウン容量BCの内容積Vを調整する構成としている。また、両切換弁PVV
1、PV
2の開閉速度を上げるために、ピエゾ駆動メタルダイヤフラム型ノーマルクローズ弁を利用している。尚、ピエゾ駆動メタルダイヤフラム型ノーマルクローズ弁そのものは公知であるため、説明は省略する。
【0050】
前記圧力チャンバCHは外筒CHaと内筒CHbとの2重筒に形成されており、且つ内外筒CHa、CHb間のギャップGが本実施形態に於いては1.8mmに選定されている。そして、圧力チャンバCHの内容積は1.3〜12cc程度に選定されており、これに圧力センサP
3を付設した構成としている。
尚、
図16の装置に於いては、圧力チャンバCHの容積を自由に選定できると共に、ガス流通路L
1、L
2、L
4等を全て同一の細径(例えば1.8mmΦ)に揃えることができ、ビルドダウン容量BCの内容積 を正確且つ容易に所定の容積値に設定することができる。
【0051】
具体的には、供試用のチャンバCHとして、前記ギャップGを1.8mm及び3.6mmとした表3の如きサイズの5種のチャンバを作成し、これ等を
図5の試験装置に適用してガス流量(SCCM)と圧力降下の傾き(kPa/sec)と圧力降下時間(sec)等との関係等を調査した。
尚、
図5の試験装置を用いた調査に於いて、流量センサTはチャンバCHの外表面に貼付け固定した。また、チャンバCH以外のガス流路L
3、L
5の容積は0.226ccである。
【0052】
【表3】
【0053】
図17は、
図6に於ける圧力降下時間(b)を1秒以内とした場合のガス流量(SCCM)と圧力降下の傾き(kPa/sec)の関係を、各チャンバA〜Eについて測定した結果を示すものであり、試験装置に組付けした状態に於ける現実の各ビルドアップ容量は2.31cc〜15.45ccであった。
【0054】
図17からも明らかなように、圧力降下範囲ΔPを20kPa/secとした時には、チャンバAの場合には25.2sccm、チャンバBで106.6sccm、チャンバEで169.0sccmの各流量測定の可能なことが判る。
【0055】
上記
図15及び
図16の流量モニタ付圧力式流量制御装置においては、上流側に設けたビルドダウン式流量モニタ部BDMと、その下流側に設けた圧力式流量制御部FCSと、ビルドダウン式流量モニタ部BDM と圧力式流量制御部FCSとを連結してビルドダウン式流量モニタ部BDMのモニタ流量Qを圧力式流量制御部FCSへ伝送する信号伝送回路CTと、圧力式流量制御部FCSに設けられ、前記ビルドダウン式流量モニタ部BDMからのモニタ流量Qにより圧力式流量制御部FCSの設定流量Qsを調整する流量設定値調整機構QSRとから構成し、ビルドダウン式流量モニタ部BDMのモニタ流量により圧力式流量制御部FCSの設定流量値を自動的に調整するようにしている。
その結果、モニタ流量値(オリフィスを流通する実流量値)と、圧力式流量制御部FCSの設定流量値(制御流量値)とが大きく異なった状態が長期に亘って継続されるようなことが皆無となり、半導体製品の品質向上等の点で多くの効用が得られる。
【0056】
また、圧力式流量制御部FCSの上流側にビルドダウン式流量モニタ部BDMを設け、圧力式流量制御装部の入力側圧力変動に対する高応答性を活用して、圧力式流量制御部FCSの入力側圧力変動が許容される範囲内のガス圧力差に対応する圧力降下ΔPを、前記ビルドダウン容量BC内に1秒間に1回以上の割合で起生させ、当該圧力降下率ΔP/Δtとビルドダウン容量BCの内容積Vとガス温度Kとから、1秒間に少なくとも1回以上のモニタ流量を演算して出力できるように、上記圧力降下値(圧力差ΔP)、圧力降下時間(Δt)及びビルドダウン容量BCの内容量Vを設定する構成としている。
【0057】
その結果、前記圧力降下値(圧力差)ΔPを略20〜30kPa absに、圧力降下時間Δtを0.5〜0.8secに、及びビルドダウン容量BCの内容積Vを1.8〜18ccに設定することにより、少なくとも1秒間当りに1回以上の割合でモニタ流量を高精度で演算し、出力することが可能となり、ビルドダウン方式の利用にも拘わらず略リアルタイムに近い高精度な流量モニタが可能となる。
【0058】
また、従前の熱式流量センサを組合せる方式に比較して、流量モニタ付圧力式流量制御装置の大幅な構造の簡素化、小型化と製造費の引下げが可能となり、流量モニタ付流量制御装置の付加価値が著しく向上する。
【0059】
しかし、本願発明者等が先に開発した
図15及び
図16の流量モニタ付圧力式流量制御にも、いまだ多くの問題点が残されている。
特に、制御流量が大幅に変化した場合に、圧力降下値(圧力差)ΔPを略20〜30kPa absとすると共に圧力降下時間Δtを0.5〜0.8secとし、少なくとも1秒間当りに1回以上の割合でモニタ流量を高精度で演算して出力するためには、ビルドダウン容量BCの内容積Vを迅速且つ正確に適宜の値に調整する必要がある。その結果、ビルドダウン容量の調整機構が著しく複雑化し、流量モニタ付圧力式流量制御の大型化や製造コストの高騰を来たすと云う問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0061】
本願発明は、a従前のビルドダウンやビルドアップ式の流量測定方法を用いた流量モニタ付流量制御装置の場合には、流量モニタに際して実ガスの供給を一時的に停止しなければならず、半導体製造装置の稼動率の低下や製造した半導体の品質変動等を生ずること、b従前の
図21のような熱式流量計と圧力式流量制御装置を組み合せ構造の流量モニタ付流量制御装置では、実流量の異常が判明しても自動的に制御流量の設定値の修正が行えず、流量修正の遅れによってさまざまな不都合が生じるうえ、流量制御装置自体の構造の簡素化及び装置の小型化が困難となり、加えて圧力式流量制御装置の優れた応答特性や安定した流量制御特性が減殺されること、及び、c制御流量が大幅に変化するような場合には、ビルドダウン容量を適宜の値に調整する必要があり、複雑なビルドダウン容量調整機構を必要とするうえ、容量調整に手数か掛かること等の問題を解決せんとするものであり、圧力式流量制御装置FCSとその上流側に設けたビルドダウン式の流量測定部とを一体に組合せし、流量制御装置の上流側圧力(入力側圧力)に許容される圧力変動範囲内で前記ビルドダウン式の流量測定部を作動させ、ビルドダウン容量をバルブ操作によって簡単に大流量用容量と小流量用容量に切換することにより、大流量域と小流量域の流量モニタを簡単且つ高精度で行え、更に、モニタ流量値と制御流量値の差異が所定流量値を越えた場合には、自動的に圧力式流量制御装置側の流量設定値を調整して、圧力式流量制御装置による流量制御値をビルドダウン式流量測定部による流量値に修正する様にした流量レンジ切換型流量モニタ付流量制御装置を提供するものである。
【0062】
即ち、入力側の圧力変動により流量制御特性が殆ど影響を受ないと云う圧力式流量制御装置の流量特性をフルに活用して、ビルドダウン式流量モニタ部による流量モニタを略リアルタイム(少なくとも1回/1秒)に近い状況下で行うことができ、しかも、演算制御部の簡素化、制御流量域の拡大、機器本体部の大幅な小型化、及び、ガス置換性の向上等を可能にした流量レンジ切換型ビルドダウン式流量計及び流量レンジ切換型流量モニタ付流量制御装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0063】
本願発明は、上記各試験の結果を基礎にして創作されたものであり、請求項1の発明は、流路上に配置された入口側開閉切替弁PV
1と、入口側開閉切替弁PV
1の下流に配置された出口側開閉切替弁PV
2と、出口側開閉切替弁PV
2の下流に配置されたコントロール弁CVとからなり、各弁同士は内容積をもつ流路で連結し、コントロール弁CVより上流に圧力センサP
3を配置したビルドダウン式流量計において、入口側開閉切替弁PV
1の出口側からコントロール弁CVの入口側までの流路内容積をビルドダウン容積V
1として流量演算する様にした大流量用測定部と、出口側切替弁PV
2の出口側からコントロール弁CVの入口側までの流路内容積をビルドダウン容積V
2として流量を演算する様にした小流量用測定部を備えることを、発明の基本構成とする
ものである。
【0064】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、コントロール弁CVを、流量制御部FCSの内部のコントロール弁CVとしたものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、開閉切換弁で区切られた内容積を持つ流路を複数配置することとしたものである。
【0065】
請求項4の発明は、上流側に設けたビルドダウン式流量モニタ部BDMと、その下流側に設けた流量制御部FCSとから構成したビルドダウン式流量モニタ付流量制御装置であって、前記ビルドダウン式流量モニタ部BDMを入口側開閉切換弁PV
1と、その下流側に設けたビルドダウン容量BCと、ビルドダウン容量BCの下流側のガス通路に設けた温度センサThと、ビルドダウン容量BCの下流側に設けた出口側開閉切換弁PV
2と、その下流側に設けた圧力センサP
3と、前記温度センサTh及び圧力センサP
3の検出値が入力されるモニタ流量演算制御部CPbとから形成し、当該モニタ流量演算制御部CPbにより、入口側開閉切換弁PV
1の出口側と流量制御部FCSのコントロール弁CVとの間のガス通路内容積をビルドダウン容積Vとして大流量のモニタ流量Q
1を演算すると共に、出口側開閉切換弁PV
2の出口側と流量制御部FCSのコントロール弁CVとの間のガス通路内容積をビルドダウン容積Vとして小流量のモニタ流量Q
2を演算する構成としたことを発明の基本構成とするものである。
【0066】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、信号伝送回路CTによりビルドダウン式流量モニタ部BDM と流量制御部FCSとを連結し、ビルドダウン式流量モニタ部BDMのモニタ流量Qを流量制御部FCSへ伝送すると共に、流量制御部FCSに、前記ビルドダウン式流量モニタ部BDMからのモニタ流量Qにより流量制御部FCSの設定流量Qsを調整する流量設定値調整機構QSRを設ける構成したものである。
【0067】
請求項6の発明は、上流側に設けたビルドダウン式流量モニタ部BDMと、その下流側に設けた流量制御部FCSと、ビルドダウン式流量モニタ部BDM と流量制御部FCSとを連結し、ビルドダウン式流量モニタ部BDMのモニタ流量Qを流量制御部FCSへ伝送する信号伝送回路CTと、流量制御部FCSに設けられ、前記ビルドダウン式流量モニタ部BDMからのモニタ流量Qにより流量制御部FCSの設定流量Qsを調整する流量設定値調整機構QSRとから構成したビルドダウン式流量モニタ付流量制御装置であって、ビルドダウン式流量モニタ部BDMを、ガス供給源からのガスの流通を開閉する入口側開閉切換弁PV
1と、入口側開閉切換弁PV
1の出口側に接続した所定の内容量を有するビルドダウン容量BCと、ビルドダウン容量BCの出口側に接続した出口側開閉切換弁PV
2と、出口側開閉切換弁PV
2の下流側通路を流通するガスの圧力を検出する圧力センサP
3と、出口側開閉切換弁PV
2の下流側通路を流通するガスの温度を検出する温度センサと、大流量の際には、前記出口側開閉切換弁PV
2を開放状態に保持すると共に、前記入口側開閉切換弁PV
1の出口側と前記流量制御部FCSのコントロール弁CVとの間のガス通路内容積をビルドダウン容積Vとし、前記入口側開閉切換弁PV
1を開閉作動させると共に入口側開閉切換弁PV
1の開放により前記ビルドダウン容積V内のガス圧力を設定上限圧力値にしたあと入口側開閉切換弁PV
1を閉鎖し、所定時間t秒後にガス圧力を設定下限圧力値まで下降させることによりビルドダウン式により大モニタ流量Q
1を演算及び出力し、また、小流量の際には、前記入口側開閉切換弁PV
1を開放状態に保持すると共に、前記出口側開閉切換弁PV
2の出口側と前記流量制御部FCSのコントロール弁CVとの間のガス通路内容積をビルドダウン容積Vとし、前記出口側開閉切換弁PV
2を開閉作動させると共に出口側開閉切換弁PV
2の開放によりビルドダウン容量V内のガス圧力を設定上限圧力値にしたあと出口側開閉切換弁PV
2を閉鎖し、所定時間t秒後にガス圧力を設定下限圧力値まで下降させることによりビルドダウン式により小モニタ流量Q
2を演算及び出力するモニタ流量演算制御部CPbとを備え、前記モニタ流量Qを
【数2】
(但し、Tはガス温度(℃)、Vはビルドダウン容積(l)、ΔPは圧力降下範囲(設定上限圧力値−設定下限圧力値)(Torr)、Δtは入口側開閉切換弁AVの閉鎖から開放までの時間(sec)である。)により演算することを、発明の基本構成とするものである。
【0068】
請求項7の発明は、請求項6の発明に於いて、流量設定値調整機構GSRを、モニタ流量Qと設定流量Qsとの比較器を備え、モニタ流量Qと設定流量Qsとの差異が設定値を超えると、設定流量Qsをモニタ流量Qに自動修正する構成の流量設定値調整機構としたものである。
【0069】
請求項8の発明は、請求項6の発明に於いて、流量制御部FCSを、コントロール弁CVと、オリフィスOR又は臨界ノズルと、
当該オリフィスOR又は臨界ノズルの上流側の圧力計P1と、流量演算制御装置CPaとから成る耐圧力変動性を備えた圧力式流量制御装置FCSとしたものである。
また、請求項9の発明は、請求項6の発明に於いて、流量制御部FCSを、コントロール弁CVと、当該オリフィスOR又は臨界ノズルの上流側の圧力計P1と、前記オリフィスOR又は臨界ノズルの下流側の圧力計P2と、流量演算制御装置CPaとから成る耐圧力変動性を備えた圧力式流量制御装置FCSとしたものである。
【0070】
請求項10の発明は、請求項6の発明に於いて、ビルドダウン容積Vを0.5〜20ccとすると共に、設定上限圧力値を400〜100kPa abs及び設定下限圧力値を350kPa abs〜50kPa absに、また、所定時間tを0.5〜5秒以内とするようにしたものである。
【0071】
請求項11の発明は、請求項6の発明に於いて、入口側開閉切換弁PV
1の出口側と流量制御部FCSのコントロール弁CV間のガス通路の内容積Vを13〜15ccとし、大流量のモニタ流量域を40〜600SCCMとすると共に、小流量のモニタ流量域を1〜50SCCMとするようにしたものである。
【0072】
請求項12の発明は、請求項6の発明に於て、入口側開閉切換弁PV
1をピエゾ駆動式メタルダイヤフラム弁又は電磁直動型電動弁とすると
共に、入口側開閉切換弁PV
1の開による設定下限圧力値から設定上限圧力値へのガス圧力の回復時間を、入口側開閉切換弁PV
1の閉による設定上限圧力値から設定下限圧力値までのガス圧力下降時間より
も短くするようにしたものである。
【0073】
請求項13の発明は、請求項6の発明に於いて、流量制御部FCSの流量演算制御装置CPaとビルドダウン式流量モニタ部BDW演算制御装置CPbとを一体に形成する構成としたものである。
【0074】
請求項14の発明は、請求項6の発明に於いて、ビルドダウン容量BCをチャンバとすると共に、当該チャンバを内筒と外筒を同心状に配設固定した構造とし、チャンバを形成する内・外筒間の間隙をガス流通路とする構成としたものである。
【0075】
請求項15の発明は、請求項6の発明に於いて、ビルドダウン容量BCを、並列状に配置した複数本のチャンバとすると共に、当該チャンバを内筒と外筒を同心状に配設固定した構造とし、各チャンバの内・外筒間の間隙をガス流通路として各チャンバの前記ガス流通路を直列状に接続する構成としたものである。
【発明の効果】
【0076】
本願ビルドダウン式流量計の発明に於いては、入口側開閉切替弁PV
1の出口側からコントロール弁CVの入口側までの流路内容積をビルドダウン容積V
1として流量演算する様にした大流量用測定部と、出口側切替弁PV
2の出口側からコントロール弁CVの入口側までの流路内容積をビルドダウン容積V
2として流量を演算する様にした小流量用測定部を備えた構成としているため、一基の流量計で以って、広い流量幅のガス流量のビルドダウン式流量計測が可能となる。
【0077】
本願流量レンジ切換型流量モニタ付流量制御装置の発明に於いては、流量レンジ切換型流量モニタ付流量制御装置を、上流側に設けたビルドダウン式流量モニタ部BDMと、その下流側に設けた流量制御部FCSと、ビルドダウン式流量モニタ部BDM と流量制御部FCSとを連結し、ビルドダウン式流量モニタ部BDMのモニタ流量Qを流量制御部FCSへ伝送する信号伝送回路CTと、流量制御部FCSに設けられ、前記ビルドダウン式流量モニタ部BDMからのモニタ流量Qにより流量制御部FCSの設定流量Qsを調整する流量設定値調整機構QSRとから構成し、ビルドダウン式流量モニタ部BDMのモニタ流量により流量制御部FCSの設定流量値を自動的に調整するようにしている。
【0078】
その結果、モニタ流量値(オリフィスを流通する実流量値)と、流量制御部FCSの設定流量値(制御流量値)とが大きく異なった状態が長期に亘って継続されるようなことが皆無となり、半導体製品の品質向上等の点で多くの効用が得られる。
【0079】
また、流量制御部FCSの上流側にビルドダウン式流量モニタ部BDMを設け、流量制御装部の入力側圧力変動に対する高応答性を活用して、流量制御部FCSの入力側圧力変動が許容される範囲内のガス圧力差に対応する圧力降下ΔPを、前記ビルドダウン容量BC内に1秒間に1回以上の割合で起生させ、当該圧力降下率ΔP/Δtとビルドダウン容量BCの内容積Vとガス温度Kとから、1秒間に少なくとも1回以上のモニタ流量を演算して出力できるように、上記圧力降下値(圧力差ΔP)、圧力降下時間(Δt)及びビルドダウン容量BCの内容量Vを設定する構成としている。
【0080】
その結果、前記圧力降下値(圧力差)ΔP、圧力降下時間Δt及びビルドダウン容量Vを適宜に設定することにより、少なくとも1秒間当りに1回以上の割合でモニタ流量を高精度で演算し、出力することが可能となり、ビルドダウン方式の利用にも拘わらず略リアルタイムに近い高精度な流量モニタが可能となる。
【0081】
更に、ビルドダウン式流量モニタ部BDMを、ガス供給源からのガスの流通を開閉する入口側開閉切換弁PV
1と、入口側開閉切換弁PV
1の出口側に接続した所定の内容積Vを有するビルドダウン容量BCと、ビルドダウン容量BCの出口側に接続した出口側開閉切換弁PV
2と、出口側開閉切換弁PV
2の下流側通路を流通するガスの圧力を検出する圧力センサP
3と、出口側開閉切換弁PV
2の下流側通路を流通するガスの温度を検出する温度センサと、大流量の際には、前記出口側開閉切換弁PV
2を開放状態に保持すると共に、前記入口側開閉切換弁PV
1の出口側と前記流量制御部FCSのコントロール弁CV間のガス通路内容積をビルドダウン容量とし、前記入口側開閉切換弁PV
1を開閉作動させると共に入口側開閉切換弁PV
1の開放によりビルドダウン容量内のガス圧力を設定上限圧力値にしたあと入口側開閉切換弁PV
1を閉鎖し、所定時間t秒後にガス圧力を設定下限圧力値まで下降させることによりビルドダウン式により大流量域のモニタ流量Q
1を演算及び出力し、また、小流量の際には、前記入口側開閉切換弁PV
1を開放状態に保持すると共に、前記出口側開閉切換弁PV
2の出口側と前記流量制御部FCSのコントロール弁CV間のガス通路の内容積をビルドダウン容量とし、前記出口側開閉切換弁PV
2を開閉作動させると共に出口側開閉切換弁PV
2の開放によりビルドダウン容量内のガス圧力を設定上限圧力値にしたあと出口側開閉切換弁PV
2を閉鎖し、所定時間t秒後にガス圧力を設定下限圧力値まで下降させることによりビルドダウン式により小流量域のモニタ流量Q
2を演算及び出力するモニタ流量演算制御部CPbと、から構成するようにしている。
【0082】
その結果、入口側開閉切換弁PV
1と流量制御部FCSのコントロール弁CV間のガス通路内容積及び出口側開閉切換弁PV
2とコントロール弁CV間のガス通路内容積を適宜に選定して、入口側開閉切換弁PV
1と出口側開閉切換弁PV
2とを適宜に開閉操作することにより、大流量域と小流量域の両方に亘って略リアルタイムに近い高精度な流量モニタを行うことができる。
【0083】
そのうえ、従前の熱式流量センサを組合せる方式に比較して、流量モニタ付流量制御装置の大幅な構造の簡素化、小型化と製造費の引下げが可能となり、流量モニタ付流量制御装置の付加価値が著しく向上する。