特許第5797269号(P5797269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797269
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】耐火織物および衣類
(51)【国際特許分類】
   D03D 15/12 20060101AFI20151001BHJP
   D03D 15/00 20060101ALI20151001BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20151001BHJP
   A41D 31/00 20060101ALI20151001BHJP
   A41D 1/02 20060101ALI20151001BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   D03D15/12 Z
   D03D15/00 102Z
   D03D15/00 D
   D03D1/00 Z
   A41D31/00 C
   A41D31/00 J
   A41D31/00 501H
   A41D31/00 502B
   A41D31/00 503C
   A41D31/00 503F
   A41D31/00 503J
   A41D1/02 A
   A41D13/00 102
【請求項の数】29
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-521996(P2013-521996)
(86)(22)【出願日】2011年7月29日
(65)【公表番号】特表2013-533394(P2013-533394A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】US2011045860
(87)【国際公開番号】WO2012016124
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】61/368,678
(32)【優先日】2010年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512279350
【氏名又は名称】ドライファイア, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ハインズ、 ロバート ウィンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー、 ジェイムズ ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】コーン、 レスリー ジーン
【審査官】 松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−086531(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0068664(US,A1)
【文献】 特表2007−529649(JP,A)
【文献】 特開2006−176895(JP,A)
【文献】 特表2002−525449(JP,A)
【文献】 特開平3−76844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 1/00−27/18
A41D 1/02
A41D 13/00
A41D 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. 横糸の総重量に基づき85重量%〜90重量%の疎水性繊維であって、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ(トリメチレンテレフタラート)、ポリラクチド、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリベンゾイミダゾール、フッ素重合体、これらの共重合体、及びこれらの組合せから選ばれる少なくとも1つの疎水性繊維;および
横糸の総重量に基づき10重量%〜15重量%の親水性繊維であって、セルロース、綿、ビスコース、亜麻、レーヨン、耐火レーヨン、リヨセル、及びこれらの組合せから選ばれる少なくとも1つの親水性繊維を含む、複数の横糸;ならびに、
b. 縦糸の総重量に基づき少なくとも75重量%のセルロース誘導体であって、綿、ビスコース、亜麻、レーヨン、耐火レーヨン、リヨセル、及びその組合せから選ばれる少なくとも1つのセルロース誘導体を含む、複数の縦糸
を含む織物であって、
前記縦糸が22未満のLOIを有し;及び
前記織物が、米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たす、織物。
【請求項2】
前記織物が、米国材料試験協会の標準試験法 ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、着用者に対する少なくとも12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備える、請求項1に記載の織物。
【請求項3】
前記織物が、AATCC 79織物の吸収性に従って試験された場合、水平ウィッキング試験方法によって10秒未満の水平ウィッキングを示す、請求項1に記載の織物。
【請求項4】
前記織物が、AATCC MM TS-06に従って試験された場合、垂直ウィッキング試験方法によって、5分間で5.0 cm超の垂直ウィッキングを示す、請求項1に記載の織物。
【請求項5】
前記織物が、AATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)に従って試験された場合、前記織物が20重量%の水分から1重量%の水分まで乾燥する際、1分間あたり水分重量0.18%超の水分放出速度を有する、請求項1に記載の織物。
【請求項6】
前記織物が、AATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)に従って試験された場合、濡れた(パッドを当てた)状態から1重量%未満の水分まで、1分間あたり水分重量0.25%超の水分放出速度を有する、請求項1に記載の織物。
【請求項7】
前記織物が、ASTM D 4966 - 織物の耐摩耗性(マーチンデール摩耗試験法オプション3)を用いて、600番のサンドペーパーを用いた10,000サイクル後、2%未満の重量減少を有する、請求項1に記載の織物。
【請求項8】
前記織物が、AATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/ASTM MM TS-05)に従って試験された場合、70°F(+/- 2°F)および55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、完全に濡れた(パッドを当てた)状態から1重量%未満の水分まで、185分間未満で乾燥することができる、請求項1に記載の織物。
【請求項9】
前記織物が、AATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/ASTM MM TS-05)に従って試験された場合、70°Fおよび55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、20重量%の水分から1重量%の水分まで105分間未満の乾燥時間を有する、請求項1に記載の織物。
【請求項10】
前記織物が、少なくとも12.0オンス/平方ヤードの坪量を有する、請求項1に記載の織物。
【請求項11】
前記縦糸が藍染めされている、請求項1に記載の織物。
【請求項12】
前記縦糸がよく目立つ色の染料で染色されている、請求項1に記載の織物。
【請求項13】
前記疎水性繊維が、モダクリル、ナイロン、またはこれらの組合せである、請求項1に記載の織物。
【請求項14】
前記親水性繊維が綿である、請求項に記載の織物。
【請求項15】
前記セルロース誘導体が綿である、請求項に記載の織物。
【請求項16】
前記の複数の縦糸が、縦糸の総重量に基づき100重量%の前記セルロース誘導体を含む、請求項1に記載の織物。
【請求項17】
前記の複数の縦糸が、縦糸の総重量に基づき100重量%の綿を含む、請求項1に記載の織物。
【請求項18】
前記横糸が、
横糸の総重量に基づき75重量%のモダクリル繊維;
横糸の総重量に基づき10重量%のナイロン繊維;および
横糸の総重量に基づき15重量%の綿繊維から形成され、
前記縦糸が、
縦糸の総重量に基づき100重量%の綿繊維から形成される、
請求項1に記載の織物。
【請求項19】
前記横糸が、織物の総重量に基づき30重量%〜70重量%のレベルで存在する、請求項1に記載の織物。
【請求項20】
前記横糸中の前記疎水性繊維および前記親水性繊維が実質的に密接混合されている、請求項1に記載の織物。
【請求項21】
前記縦糸中の前記繊維が実質的に密接混合されている、請求項に記載の織物。
【請求項22】
前記織物が、技術的表面と技術的裏面とを有する綾織物である、請求項1に記載の織物。
【請求項23】
更に少なくとも1つの防汚剤または撥水剤を含む、請求項1に記載の織物。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項記載の前記織物を含む衣類であって、過半量の表面積を有する前記横糸を含む前記織物の面が、着用者の皮膚側の面に位置する、衣類。
【請求項25】
着用者の皮膚から離れた面に位置する前記織物の面が、防汚剤または撥水剤で処理されている、請求項24に記載の衣類。
【請求項26】
前記衣類がパンツである、請求項24に記載の衣類。
【請求項27】
前記衣類がジャケットである、請求項24に記載の衣類。
【請求項28】
前記衣類がシャツである、請求項24に記載の衣類。
【請求項29】
染色されている、請求項1〜10、13〜23のいずれか1項記載の織物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年7月29日に出願された米国出願第61/368,678号に基づく優先権を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、一般的には、耐火織物および衣類に関する。より詳細には、本発明は、元来の耐火性、アーク防護、改善された湿度管理(水分放出速度、ウィッキング、および乾燥時間)、ならびに耐摩耗性を示す織物、特にデニムに関する。
【背景技術】
【0003】
デニムは、横糸を1本以上の縦糸の上に渡し、その後、2本以上の縦糸の下に渡すなどによって作られる斜めの平行な畝模様を有し、列の間に段状部分(step)や段(offset)を有して特徴的な斜め模様を作り出している、通常は綿の、目の粗い綾織物である。この構造のため、綾織りは通常ドレープ性が高く、ジーンズ、オーバーオール、作業服、ジャケット、および他の様々な衣類に使用される。その人気と耐久性のため、デニムはまた、服飾品、室内装飾品、カーテン、およびリネン(linen)への利用も見られる。
【0004】
綾織物は、両面が同じである平織りとは異なり、技術的に表面と裏面を有する。綾織りの表面は通常、技術的表面と呼ばれ、裏面は技術的裏面と呼ばれる。綾織物の技術的表面は、最も顕著な畝を有する面である。それは通常、より耐久性があり、より人目を引き、ほとんどの場合織物のファッション面として用いられる。この面は通常、製織中に見えている面である。技術的表面に縦糸の浮きがある場合(縦糸が2本以上の横糸の上に渡る場合)、技術的裏面には横糸の浮きがある(横糸が2本以上の縦糸の上に渡る)。綾織りの畝が一方の面で右上がりである場合、他方の面ではそれは左上がりである。
【0005】
多くの色が利用できるが、より伝統的なデニム生地は、藍染めされた縦糸と白または無染色の横糸との製織から、その特徴的な青色を示す。
【0006】
伝統的には、デニム生地は綿100%であった。しかし、現在では綿との混紡を含むデニム生地がある。ファッション衣料のために、いくつかの繊維メーカーは、ベースの綿繊維を伸縮性繊維、絹、および/または金属糸とともに織っている。一方では、作業衣のために、繊維メーカーは、耐火性(FR)および耐摩耗性の形での防護の提供に焦点を合わせる必要がある。その耐久性および快適さのために、デニム生地はしばしば、パンツ(pants)、オーバーオール、ジャンプスーツ、およびジャケットを含む作業服に使用される。従来のFRデニム製品は、耐火処理剤/添加剤によってそれらの防火を実現している。「処理」または「局所的処理」という用語は、特別な化学薬品の混合物を綿または綿/ナイロン混紡などの非FR織物に添加して、最終的な織物耐火性をもたらす製造ステップを指す。元来のFR繊維によって作られた織物が衣類の耐用期間を通してそれらのFR防護を保持するのに対して、化学処理されたFR織物は、どのように何回それらの織物を洗濯したかによって、耐炎特性が低下するかまたは完全に除去され得る。同様に、作業環境における特定の化学薬品への曝露もまた、織物のFR特性を低下させるか、または除去し得る。時として、処理剤/添加剤は、湿度管理特性(水分放出速度、水平および垂直ウィッキング、ならびに乾燥時間など)を含む快適性に悪影響を及ぼす。遅い乾燥時間はまた、洗濯に関して不便さと追加コストをもたらす。それらの乾燥重量に対して大きな割合を占める水または汗を吸収するデニム生地は、皮膚に対して不快な、水分で飽和して重い生地になり、発疹、皮膚炎、および全般的な不快感をもたらし、悪臭発生を引き起こす環境を助長し得る。加えて、耐火性、湿度管理、および耐摩耗性を実現するための繊維の選択はしばしば、特にそれが伝統的なデニムの見た目と感触を有するように織物を染色する能力に悪影響を及ぼす。
【0007】
従って、永続的な元来の耐火性、アーク防護、改善された湿度管理(水分放出速度、ウィッキング、および乾燥時間)、ならびに耐摩耗性をもたらし、望ましい外見を有するように染色されうる織物または衣類を提供することが望ましい。本発明の織物および衣類は、これらの、ならびに他の重要な目的を対象とする。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、一般的に、望ましくない局所的処理剤および/または添加剤の添加を伴わずに、元来の耐火性、改善された湿度管理(水分放出速度、ウィッキング、および乾燥時間)、ならびに耐摩耗性を示す、任意選択で染色された織物ならびに衣類に関する。耐火性は、元来備わった耐炎性の繊維の本質的な要素であり、その織物の永続的な特性である。通常の条件下でどのように衣類が使用され、または洗濯されるかに関わらず、耐火性は、繊維から洗い落としたり、磨滅させることはできない。元来備わった耐火性を有し、優れた湿度管理特性を有する混合繊維を含む複数の横糸、および任意選択で染色された、セルロース誘導体を含む複数の縦糸を含む、織物の特定の実施形態が開示される。その織物は、水で飽和されていない場合には着心地がよく、耐火性および耐摩耗性を示すため、デニムの作業服に特に有用である。
【0009】
1つの実施形態では、本発明は、
a. 横糸の総重量に基づき約85重量%〜約90重量%の疎水性繊維;および
横糸の総重量に基づき約10重量%〜約15重量%の親水性繊維
を含む、複数の横糸;ならびに、
b. 縦糸の総重量に基づき少なくとも約75重量%のセルロース誘導体からなり;
その縦糸が約22未満のLOIを有し;
その縦糸が任意選択で染色される;
複数の縦糸を含む織物であって、
その織物が、任意選択で米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たす、織物を対象とする。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸
を含み、
その織物は、AATCC 79織物の吸収性に従って試験された場合、水平ウィッキング試験方法によって、約10秒未満の水平ウィッキングを示し;
その織物は、米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0011】
更に別の実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸
を含み、
その織物は、AATCC MM TS-06に従って試験された場合、垂直ウィッキング試験方法によって、5分間で約5.0 cm超、好ましくは約5.5 cm超の垂直ウィッキングを示し;
その織物は、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0012】
他の実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸
を含み、
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)に従って試験された場合、その織物が20重量%の水分から1重量%の水分まで乾燥する際、1分間あたり水分重量約0.18%超の水分放出速度を有し;
その織物は、米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0013】
更に他の実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸
を含み、
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、濡れた(飽和した)(AATCC吸い取り紙を当てた)状態から1重量%未満の水分まで、1分間あたり水分重量約0.25%超の水分放出速度を有し;
その織物は、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0014】
更なる実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸
を含み、
その織物は、ASTM D 4966 - 織物の耐摩耗性(マーチンデール摩耗試験法オプション3)を用いて、600番のサンドペーパーを用いた10,000サイクル後、約1.7%未満の重量減少を有し;
その織物は、米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0015】
更に他の実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸
を含み、
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、70°Fおよび55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、完全に濡れた(パッドを当てた)状態から1重量%未満の水分まで、約185分間未満で乾燥することができ;
その織物は、米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸
を含み、
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、70F°および55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、20重量%の水分から1重量%の水分まで、約105分間未満の乾燥時間を有し;
その織物は、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0017】
更に別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される織物を含む衣類を対象とし、過半量の表面積を有する横糸を含むその織物の面は、着用者の皮膚側の面に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の更なる理解を提供するために掲載され、本明細書に組み入れられ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を説明し、その記述とともに本発明の本質を説明するための助けとなる。
【0019】
図1図1は、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル、Bulwark FRデニムサンプル、Carhartt FRデニムサンプル、Wrangler FRデニムサンプル、およびDickies FRデニムサンプルに関して、1分間あたりの%水分放出速度を示す、20%〜1%(快適範囲)での水分放出速度(WRR)の棒グラフである。
【0020】
図2図2は、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル、Bulwark FRデニムサンプル、Carhartt FRデニムサンプル、Wrangler FRデニムサンプル、およびDickies FRデニムサンプルに関して、乾燥時間を分で示す、20%〜1%(快適範囲)での乾燥時間の棒グラフである。
【0021】
図3図3は、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル、Bulwark FRデニムサンプル、Carhartt FRデニムサンプル、Wrangler FRデニムサンプル、およびDickies FRデニムサンプルに関して、1分間あたりの%水分放出速度を示す、パッドを当てて完全に濡れた状態(完全湿潤状態)から1%までの水分放出速度の棒グラフである。
【0022】
図4図4は、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル、Bulwark FRデニムサンプル、Carhartt FRデニムサンプル、Wrangler FRデニムサンプル、およびDickies FRデニムサンプルに関して、乾燥時間を分で示す、パッドを当てて完全に濡れた状態(完全湿潤状態)から1%までの水分放出速度の棒グラフである。
【0023】
図5図5は、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル、Bulwark FRデニムサンプル、Carhartt FRデニムサンプル、Wrangler FRデニムサンプル、およびDickies FRデニムサンプルに関して、水の高さをセンチメートルで示す、5分後の垂直ウィッキングの棒グラフである。
【0024】
図6図6は、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル、Bulwark FRデニムサンプル、Carhartt FRデニムサンプル、Wrangler FRデニムサンプル、およびDickies FRデニムサンプルに関して、10,000サイクルの摩耗試験後の重量減少%で示す、耐摩耗性の棒グラフである。
【0025】
図7図7は、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル、Bulwark FRデニムサンプル、Carhartt FRデニムサンプル、Wrangler FRデニムサンプル、およびDickies FRデニムサンプルに関して、秒で示す水平ウィッキングの棒グラフである。
【0026】
図8図8は、10,000サイクルの摩耗試験後の、本発明のDRIFIRE FRデニムサンプル(8A)、Bulwark FRデニムサンプル(8B)、Carhartt FRデニムサンプル(8C)、Wrangler FRデニムサンプル(8D)、およびDickies FRデニムサンプル(8E)の一連の写真である。
【0027】
図9図9は、織物の技術的表面の平面図である。
【0028】
図10図10は、織物で作られたシャツの、織物の技術的表面および技術的裏面を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
発明の詳細な説明
上記および本開示を通して用いられる場合、下記の用語は、他に指定のない限り、下記の意味を有することが理解されるべきである。
【0030】
本明細書において用いられる場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他を指定しない限り、複数形の言及を含む。
【0031】
本明細書において用いられる場合、「約」という用語は、量、時間などの測定可能な値を指す際、このような変動が織物および衣類の改善を実現するために適切であり、他に特に指定がない限り、特定の値から±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%、更に好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味する。本明細書において用いられる場合、「約」という用語は、範囲を指す際、このような変動が織物および衣類の改善を実現するために適切であり、他に特に指定がない限り、範囲の差の中で特定の値から±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%、更に好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味する。
【0032】
本明細書において用いられる場合、「モダクリル繊維」という用語は、主にアクリロニトリルの残基を含むポリマーから作られるアクリル合成繊維を指す。モダクリル繊維は、広範なアクリロニトリルの共重合体から紡がれる。モダクリル繊維は、ビニルモノマー、特に、限定されるものではないが塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニルモノマーを含む、他のモノマーの残基を含みうる。この幅広い種類の中で生成され得るモダクリル繊維の種類は、それらの組成に応じて、幅広い特性のバリエーションを可能にする。一般的に入手可能なモダクリルのいくつかの例は、Kaneka社のPROTEX(商標)、KANEKALON(商標)、およびKANECARON(商標)、PYROTEX(商標)、ならびにFormosa Plasticsである。
【0033】
本明細書において用いられる場合、「アラミド繊維」という用語は、繊維形成物質が、少なくとも85%のアミド結合(-CO-NH-)が2つの芳香環に直接結合している長鎖合成ポリアミドである人造繊維を指す。
【0034】
本明細書において用いられる場合、「帯電防止繊維」という用語は、織物もしくは他の素材に組み込まれた際、静電気を除去するか、または減少させる繊維を指す。適切な繊維は、US-A-3,803,453、US-A-4,035,441、US-A-4,107,129などに記載されるような、金属繊維(鋼鉄、銅もしくは他の金属)、金属めっきしたポリマー繊維、ならびにカーボンブラックを表面および/または繊維の内部に組み込んだポリマー繊維を含むが、それらに限定されない。帯電防止カーボンファイバーは、好ましい帯電防止繊維である。このような導電繊維の一例は、E.I. du Pont de Nemours and Companyで生産されているNEGASTAT(登録商標)であり、それは、ナイロンまたはポリエステルのいずれかの非導電性ポリマー被覆によって包まれた導電性カーボンのカーボンコアを有するカーボンファイバーである。別の例は、Shakespeare Conductive Fibers LLC社製のRESISTAT(登録商標)であり、それは、カーボン微粒子をナイロン繊維の表面にエンボス加工した繊維である。このような繊維の両方の糸は、少なくとも40デニールで入手可能である。例として、鋼線は、わずか0.035mmの直径で、Bekaert S.A.社からBEKINOXおよびBEKITEXの名称で入手可能である。別の帯電防止繊維は、Noble Fiber Technologies社製の製品X-staticであり、それは、金属(銀)層で被覆されたナイロン繊維である。X-static繊維は、紡糸過程で、モダクリルなどの他の繊維と混合されうる。
【0035】
本明細書において用いられる場合、「坪量」という用語は、単位面積当たりの織物の重量の測定単位を指す。標準的な単位には、平方ヤード当たりのオンスおよび平方メートル当たりのグラムが含まれる。
【0036】
本明細書において用いられる場合、「衣類」という用語は、シャツ、パンツ、下着、上着、履物、帽子、水着、ベルト、手袋、ヘッドバンド、およびリストバンド、特に防護服または防具として使用されるものを含むがそれらに限定されない、人が身につける任意の衣料品または装身具を指す。
【0037】
本明細書において用いられる場合、「リネン(linen)」という用語は、(親水性繊維を指すのではない場合)シーツ、毛布、室内装飾品カバー、車内装飾品カバー、およびマットレスカバーを含むがそれらに限定されない、作業者または作業者によって使用される座席設備を覆うために用いられる任意の品目を指す。
【0038】
本明細書において用いられる場合、「密接混合(intimate blend)」という用語は、織り糸に関して用いられる場合、織り糸中のステープルファイバー成分の統計的に無作為な混合を指す。
【0039】
本明細書において用いられる場合、「綾織り」という用語は、織物に関して用いられる場合、図9に示されるように、横糸を1本以上の縦糸の上に渡し、その後、2本以上の縦糸の下に渡すなどによって作られる斜めの平行な畝の織目を持ち、列の間に段状部分や段を有する織物を指す。綾織物98では、それぞれの横糸92は、右または左への交絡の進行において縦糸90と交差して浮き上がり(すなわち、反対方向から2本以上の織り糸と交差して)、明確な斜線(畝)を形成する。綾織物は、両面が同じである平織りとは異なり、技術的に表面と裏面を有する。図10において、織物98で作られたシャツ100に示されるように、綾織りの表面は「技術的表面」94であり、裏は「技術的裏面」96と呼ばれる。綾織物の技術的表面は、最も顕著な畝を有する面である。それは通常、より耐久性があり、より人目を引き、ほとんどの場合織物のファッション面として用いられる。技術的表面94は通常、製織の間に見えている面である。技術的裏面96は反対の面である。
【0040】
本明細書において用いられる場合、「LOI」という用語は、織り糸または繊維に関して、素材の燃焼を持続するために必要とされるO2/N2混合物の最低酸素濃度を指す。LOIはASTM 試験D 2862-77によって決定される。一般的な繊維のLOIは下記の通りである。
【表1】
【0041】
本発明は、一般的には、望ましくない局所的処理剤および/または添加剤を加えることなく、耐火性、アーク防護、湿度管理(水分放出速度、ウィッキング、および乾燥時間)、ならびに耐摩耗性を示す、任意選択で染色された織物ならびに衣類に関する。織物の特定の実施形態は、元来備わった耐炎性を有し、優れた湿度管理特性を有する混合繊維を含む複数の横糸、および任意選択で染色された、セルロース誘導体を含む複数の縦糸を含むことが開示される。その織物は、着心地がよく、耐火性および耐摩耗性を示すため、デニムの作業服に特に有用である。
【0042】
従って、1つの実施形態では、本発明は、
a. 横糸の総重量に基づき約85重量%〜約90重量%の疎水性繊維;および
横糸の総重量に基づき約10重量%〜約15重量%の親水性繊維
を含む、複数の横糸;ならびに、
b. 縦糸の総重量に基づき少なくとも75重量%のセルロース誘導体からなり、
その縦糸が約22未満のLOIを有し;
その縦糸が任意選択で染色される、複数の縦糸
を含む織物であって、
その織物は、任意選択で米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たす、織物を対象とする。
【0043】
特定の実施形態では、織物は、AATCC 79織物の吸収性に従って試験された場合、水平ウィッキング試験方法によって、約10秒未満の水平ウィッキングを示す。特定の実施形態では、織物は、AATCC 79織物の吸収性に従って試験された場合、水平ウィッキング試験方法によって、約5秒未満の水平ウィッキングを示す。特定の実施形態では、織物は、AATCC 79織物の吸収性に従って試験された場合、水平ウィッキング試験方法によって、約2秒未満の水平ウィッキングを示す。
【0044】
特定の実施形態では、織物は、AATCC MM TS-06に従って試験された場合、垂直ウィッキング試験方法によって、5分間で約5.0 cm超、好ましくは約5.5 cm超の垂直ウィッキングを示す。
【0045】
特定の実施形態では、織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、織物が20重量%の水分から1重量%の水分(快適範囲)まで乾燥する際、1分間あたり水分重量約0.18%超の水分放出速度を有する。20重量%〜1重量%の水分の織物の乾燥範囲は、「快適範囲」と呼ばれ、それは、雨または洗濯を含む他の飽和源とは対照的に、着用者の汗によって織物に取り込まれる湿気または水分に関して重要である。
【0046】
特定の実施形態では、織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、完全に濡れた(パッドを当てた)状態から1重量%未満の水分まで、1分間あたり約0.25%超の水分重量の水分放出速度を有する。
【0047】
特定の実施形態では、織物は、ASTM D 4966 - 織物の耐摩耗性(マーチンデール摩耗試験法オプション3)を用いて、600番のサンドペーパーを用いた10,000サイクル後、約1.7%未満の重量減少を有する。他の実施形態では、織物は、ASTM D 4966 - 織物の耐摩耗性(マーチンデール摩耗試験法オプション3)を用いて、600番のサンドペーパーを用いた10,000サイクル後、約4.0%未満、好ましくは約2.0%未満、より好ましくは約1.7%未満の重量減少を有する。
【0048】
特定の実施形態では、織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、70°F(+/- 2°F)および55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、完全に濡れた(パッドを当てた)状態から1重量%未満の水分まで、約185分間未満で乾燥することができる。
【0049】
特定の実施形態では、織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、70°F(+/- 2°F)および55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、20重量%の水分含有から1重量%の水分(快適範囲)まで、約105分間未満の乾燥時間を有する。
【0050】
横糸および縦糸は、単糸(single-ply)または複数本撚り(multi-ply)でありうる。
【0051】
特定の実施形態では、ジーンズ、軽量作業パンツ、および作業シャツ用の織物に好ましい横糸番手および縦糸番手がある。すなわち、
【表2】
【0052】
特定の実施形態では、ジーンズ、軽量作業パンツ、および作業シャツ用の織物のための坪量がある。すなわち、
【表3】
【0053】
本発明の織物は、様々な糸を織ることによって作られる。糸自体は、オープンエンド紡績、村田ジェット紡績(およびボルテックス紡績)、リング紡績、SIRO紡績などを含むがそれらに限定されない従来の紡績技術によって作られうる。
【0054】
様々な実施形態において、縦糸は任意選択で染色され、横糸は染色されない。特定の好ましい実施形態では、縦糸は、(伝統的な青色のための)藍染め、(黒色および他の所望の色のための)硫化染め、またはよく目立つ色の染料のいずれかによって染色される。伝統的でない色(すなわち、伝統的なブルーデニム以外の色)では、縦糸と横糸の両方が製織前に染色されてもよく、且つ/または、織物が所望の色に染色されてもよい。特定の実施形態では、綾織物においては染色された縦糸は織物の技術的表面に見えるため、必要な場合、よく目立つ色の染料で染色された縦糸を有することが望ましい。
【0055】
織物の特定の実施形態では、前記の複数の縦糸は、縦糸の総重量に基づき約100重量%のセルロース誘導体を含む。
【0056】
織物の特定の実施形態では、前記の複数の縦糸は、縦糸の総重量に基づき約100重量%の綿を含む。
【0057】
特定の好ましい実施形態では、
横糸は、
横糸の総重量に基づき約75重量%のモダクリル繊維;
横糸の総重量に基づき約10重量%のナイロン繊維;および
横糸の総重量に基づき約15重量%の綿繊維から形成され、
縦糸は、
縦糸の総重量に基づき約100重量%の綿繊維から形成される。
【0058】
特定の実施形態では、織物を構成する横糸のレベルは、織物の総重量に基づき約30重量%〜約70重量%、好ましくは約40重量%〜約60重量%、より好ましくは約40重量%〜約50%、更により好ましくは42重量%〜約45重量%である。
【0059】
特定の実施形態では、技術的表面の表面積は、約75%の縦糸および約25%の横糸から約50%の縦糸および約50%の横糸を含む。特定の実施形態では、技術的裏面の表面積は、約25%の縦糸および約75%の横糸から約50%の縦糸および約50%の横糸を含む。
【0060】
特定の実施形態では、織物は、複数の横糸および複数の縦糸を含み;
その織物は、AATCC 79織物の吸収性に従って試験された場合、水平ウィッキング試験方法によって、約10秒未満(好ましくは約5秒未満、より好ましくは約2秒未満)の水平ウィッキングを示し;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0061】
更に別の実施形態では、本発明は、織物および織物から作られる衣類を対象とし、その織物は、
a. 複数の横糸;および
b. 複数の縦糸を含み;
その織物は、AATCC MM TS-06に従って試験された場合、垂直ウィッキング試験方法によって、5分間で約5.0 cm超、好ましくは約5.5 cm超の垂直ウィッキングを示し;
その織物は、米国材料試験協会の標準性能仕様書ASTM F1506に記載の耐炎性に関する必要条件を満たし;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0062】
特定の実施形態では、織物は、複数の横糸および複数の縦糸を含み;
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、その織物が20重量%の水分から1重量%の水分まで乾燥する際、1分間あたり水分重量約0.18%超(好ましくは1分間あたり水分重量約0.20%超)の水分放出速度を有し;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0063】
特定の実施形態では、織物は、複数の横糸および複数の縦糸を含み;
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、濡れた(パッドを当てた)状態から1重量%未満の水分まで、1分間あたり水分重量約0.25%超(好ましくは1分間あたり水分重量約0.27%超)の水分放出速度を有し;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0064】
特定の実施形態では、織物は、複数の横糸および複数の縦糸を含み;
その織物は、ASTM D 4966 - 織物の耐摩耗性(マーチンデール摩耗試験法オプション3)を用いて、600番のサンドペーパーを用いた10,000サイクル後、約4.0%未満(好ましくは約2.0%未満、より好ましくは約1.7%未満)の重量減少を有し;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0065】
特定の実施形態では、織物は、複数の横糸および複数の縦糸を含み;
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、70°Fおよび55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、完全に濡れた(パッドを当てた)状態から1重量%未満の水分まで、約185分間未満(好ましくは約180分間未満、より好ましくは約170分間未満、更に好ましくは約160分間未満、更に好ましくは約150分間未満)で乾燥することができ;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0066】
特定の実施形態では、織物は、複数の横糸および複数の縦糸を含み;
その織物は、暫定的なAATCC重量測定乾燥試験法(AATCC/MM TS-05)の修正版に従って試験された場合、70F°および55%の相対湿度(+/- 5%の相対湿度)の制御環境において、20重量%の水分から1重量%の水分(快適範囲)まで、約105分間未満(好ましくは約100分間未満、より好ましくは約90分間未満)の乾燥時間を有し;
その織物は、任意選択で、米国材料試験協会の標準試験ASTM F1959/F 1959M-06ae1に従って試験された場合、少なくとも約12.0 cal/cm2のアーク等級防護を備え;
その縦糸は約22未満のLOIを有し;
その縦糸は任意選択で染色されている。
【0067】
適切な疎水性繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ(トリメチレンテレフタラート)、ポリラクチド、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、フッ素重合体、およびその共重合体、ならびにその組合せを含む群より選択される少なくとも1つのポリマーを含みうる。好ましくは、疎水性繊維は、ポリアクリロニトリルもしくはその共重合体、ナイロン、またはその組合せを含む。より好ましくは、疎水性繊維は、モダクリルおよびナイロンの組合せである。
【0068】
本発明の織物素材に用いるためのモダクリル繊維またはモダクリル糸の選択は、それらの非融解性、非滴下性および自己消火特性と結びついたそれらの優れた難燃性能に基づく。多くの作業環境において非常に重要な特性がある。十分な高温が火事または爆発への曝露に達する場合、本発明の織物から作られる衣類は、防護的な炭化層を形成することによって、単に炭化するだけであろう。これは、炎の伝播を防ぎ、それによって着用者を重度の火傷から防護する。本発明において使用するための好ましいモダクリル繊維は、塩化ビニリデンと組み合わされたアクリロニトリルの共重合体、難燃性の改善のために更に酸化アンチモンを有する共重合体である。このような有用なモダクリル繊維は、US-A-3,193,602に開示される、2重量%の三酸化アンチモンを有する繊維、US-A-3,748,302に開示される、少なくとも2重量%および好ましくは8重量%以下の量で存在する様々な酸化アンチモンから作られる繊維、ならびにUS-A-5,208,105およびUS-A-5,506,042に開示される、8〜40重量%のアンチモン化合物を有する繊維を含むが、それらに限定されない。好ましいモダクリル繊維は、Kaneka America Corporation, New York, New YorkからPROTEX Cの商標で市販されている。5重量%未満の範囲でより少ない酸化アンチモンを有する繊維もまた使用され得るが、好ましいPROTEX C繊維は、5〜15%のアンチモンを含み、1.7 dtex/フィラメント(1.5デニール/フィラメント)の繊度および5.1 cm(2 in)のカット長を有する、ポリアクリロニトリルと塩化ビニリデンの共重合体から作られる繊維である。
【0069】
モダクリルは、他の繊維と比較して高い、いわゆるLOI値を有する。モダクリルは好ましくは約28〜41のLOI値を有する。
【0070】
加えて、着心地における非常に重要な特徴は、いわゆる「湿度管理」要因である。これはしばしば、水蒸気輸送指数(moisture vapor transport index)MVTとして表され、それは、織物が汗を皮膚または下層の衣類から引き離し、それを周囲の空気中に蒸散させる効率を反映する。本発明の織物に使用されるモダクリルのMVTは、約2500 g/平方メートル/24時間 ASTM E 96である。
【0071】
本発明の織物に使用されるモダクリル繊維は、好ましくは最大約2.8グラム/デニールの強度、約35%〜約40%の破断点伸度、および約371°F〜約410°Fの溶融温度を有する。本発明の織物に使用されるモダクリル繊維はまた、約0.4〜4.0%の水分率(制御された大気条件下で繊維が保持する水分の重量)を有する。
【0072】
モダクリル繊維およびモダクリル糸は、熱性能のよい他の素材と比較して手頃な価格である。それらは業界において容易に入手可能であり;それらは良好な編み性能、織物加工および染色の容易さを有する。
【0073】
モダクリルの重要な特性は、炎に長時間曝された際、単に燃えて滴り落ちるのではなく、それらが炭化することである。織物の炭化部分は、着用者を火の影響から防護する。
【0074】
適切な親水性繊維は、セルロース、セルロース誘導体(綿、ビスコース、亜麻、レーヨン、耐火レーヨン、リヨセル、またはその組合せなど)、ウール、およびその共重合体、ならびにその組合せからなる群より選択される、少なくとも1つのポリマーを含む。好ましくは、親水性繊維は、綿もしくは耐火レーヨン、またはその組合せを含む。特定の実施形態では、親水性繊維は、綿、ビスコース、亜麻、レーヨン、またはその組合せを含むがそれらに限定されない、セルロース誘導体である。特定の実施形態では、親水性繊維は、綿、特に一過性の耐火処理によっては処理されていない綿である。
【0075】
特定の実施形態では、縦糸または横糸のいずれかは、任意選択で、アラミド重合体、メラミン重合体、およびその組合せからなる群より選択される、少なくとも1つの構造繊維を含みうる。一般的な実施形態では、構造繊維は、織物の総重量に基づき約5〜30重量%で存在する。特定の実施形態では、構造成分は、織物の総重量に基づき約20〜30重量%で存在する。他の実施形態では、構造成分は、m-アラミド重合体またはp-アラミド重合体などのアラミド重合体である。
【0076】
特定の実施形態では、縦糸または横糸のいずれかは、任意選択で、少なくとも1つの帯電防止繊維を含みうる。一般的な実施形態では、帯電防止繊維は、織物の総重量に基づき約0.1〜2.5重量%で存在する。
【0077】
織物は他の成分および処理剤を含みうる。例えば、織物は、抗菌成分および/または消臭成分、例えば、トリクロサン、銀などを含みうる。織物はまた、縦糸の全般的な吸収性を低下させ、それによって更に湿度管理を改善するために、織物の外側が防汚剤または撥水剤で処理されうる。適切な防汚剤(stain release agents)および撥水剤は、従来のフッ素重合体およびシリコーン重合体(NextecのEPICおよびXeromaxからのDWRなど)を含む。
【0078】
別の態様では、横糸を形成している繊維は、実質的に密接混合されている。別の態様では、縦糸を形成している繊維は、実質的に密接混合されている。
【0079】
特定の実施形態では、織物は、技術的表面と技術的裏面を有する綾織物であり;
その技術的表面は、過半量の縦糸を含み;
その技術的裏面は、過半量の横糸を含む。
【0080】
他の態様では、本発明は、本明細書に記載される織物を含む製品を対象とする。好ましい実施形態では、衣類は、本明細書に記載される織物を含み;その横糸を含む織物の面は、着用者の皮膚側の面に位置し、湿度管理(例えば、汗のウィッキング)を提供する。衣類は、任意の着用される通常の品目でありうる。織物が、耐火性、湿度管理、および耐摩耗性を示すため、それらは、作業服、特にパンツ、コート/ジャケット、またはシャツなどのデニム作業服に特に有用である。
【0081】
特定の実施形態では、衣類は、本明細書に記載される前記の織物を含み;
過半量の表面積を有する横糸を含むその織物の面は、着用者の皮膚側の面に位置する。
【0082】
特定の実施形態では、衣類は、本明細書に記載される前記の織物を含み;
着用者の皮膚から離れた面に位置するその織物の面は、防汚剤および撥水剤で処理される。
【0083】
本発明は、下記の実施例において更に定義され、そこですべての部分およびパーセントは、特に指定のない限り、重量単位である。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、単に説明の目的で示されることが理解されるべきである。上述の議論およびこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、また、その趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更および改良を行い、それを様々な使用法および状況に適合させることができる。
【実施例】
【0084】
[実施例1]
本発明の織物から作られたデニムパンツおよびBulwarkから市販されている耐火性(FR)綿100%デニムパンツについて、タンブラー乾燥機での乾燥時間を比較した。
【0085】
タンブラー乾燥機での乾燥時間試験は下記のように行われた。
【0086】
洗濯1回分のFRデニムパンツ(1回分あたり6枚のDrifireまたはBulwarkのパンツ)を、トップローディング型のアメリカ製洗濯機(Sears Kenmore 70 Series Heavy Duty Plus)で、44 gのAATCC洗剤を用いてWarm/Cold設定で洗濯した。洗濯前に両方の1回分について乾燥重量を記録した。洗濯後に湿重量を記録した。その後、1回分を中温-165°Fでタンブラー乾燥機により乾燥させた。使用した乾燥機は、乾燥重量35ポンドの容量を有するContinental Industrial Dryer CG30-40乾燥機であった。乾燥機を25分間運転した後、乾燥機を停止させ、1回分の重量を毎分記録した。1回分の重量が最初の乾燥重量に達した時、乾燥したとみなした。乾燥時間を記録した。結果は、下記の表1に示される。
【表4】
【0087】
要約すると、本発明のサンプル1のタンブラー乾燥機での乾燥時間は、従来の比較サンプル2より17.07%の改善があった。
【0088】
[実施例2]
水分放出速度(WRR)、乾燥時間、水平ウィッキング、垂直ウィッキング(湿度管理)および耐摩耗性について、4つの市販のFRデニム(Bulwark、Carhartt、Wrangler、およびDickies)の性能を、本発明の織物(Drifire FRデニムT-3907)の性能と比較した。結果は、表2および表3ならびに図1〜8に示される。
【表5】
【表6】
【0089】
垂直ウィッキング:垂直ウィッキング長は5分間での垂直方向の水の移動距離である。
【0090】
マーチンデール摩耗試験:
1. 修正された、試験方法ASTM D 4966 (織物の耐摩耗性)(マーチンデール摩耗試験法オプション3);
2. 使用された研磨材は、600番のサンドペーパーであり(この試験の修正は、摩耗を速めて粗い表面を模擬するためにこの等級のサンドペーパーを使用したことであった);
3. すべては10,000回の摩耗サイクルを受けた。
比較FRデニムは、受け取ったそのままの状態で試験され、Drifireの完成した織物は、試験サンプルと事前に洗濯されているFRデニムとを同等にするために、試験前に1回洗濯された。
【0091】
結果の要約:
1. 水平ウィッキング(AATCC 79織物の吸収性):Drifire FRデニムはより吸収性があり、図7に示されるように、比較FRデニムより良好なウィッキングを示す。
2. 垂直ウィッキング(AATCC MM TS-06垂直ウィッキング‐修正されたヘインズ法):Drifire FRデニムは、図5に示されるように、比較FRデニムより良好な垂直ウィッキングを示す。
3. 水分放出速度(修正されたAATCC MM TS-05重量測定乾燥試験):DRIFIRE FRデニムは、図1および3に示されるように、比較FRデニムと比較して「水分放出速度」(16%〜57%)においてより良い性能を示す(完全湿潤状態〜1%では16%〜26%、快適範囲(20%〜1%)では29%〜57%)。
4. 乾燥時間(修正されたMM TS-05重量測定乾燥試験):Drifire FRデニムは、図2および4に示されるように、比較FRデニムより21〜37%早く乾燥する。
5. 耐摩耗性(修正されたASTM D 4966):Drifire FRデニムは、比較FRデニムより良好な耐摩耗性を有する。Wrangler FRデニムの耐摩耗性は、図6および8(8Aから8E)に示されるように、Drifire FRデニムに近いか、またはわずかに低い。
【0092】
結論:本発明のデニムは、水分放出速度(WRR)、乾燥時間、水平ウィッキング、垂直ウィッキング(湿度管理)に関してより良い織物性能を提供し、Bulwark、Carhartt、Wrangler、およびDickiesのFRデニムより良好な耐摩耗性を示す。
【0093】
[実施例3]
織物の耐炎性(垂直方向)(ASTM D6413):この試験方法は、残炎時間、残じん時間、および炭化の長さについての測定値を得て、標準的な発火源に対する織物の反応を測定する。この試験方法によって測定されるような垂直方向の耐炎性は、ただ特定の火炎曝露および適用時間のみに関連する。この試験方法は、試料を静止した、通気のない、垂直な位置に保持し、曝露によって生じるものを除いて動きを伴わない。試験方法D6413は、Federal Test Standard No. 191A method 5903.1から採用されており、それは長年にわたって承認試験に使用されている。
【0094】
試験される織物から切り出したサンプルを、火炎チャンバー内部から垂直に吊るした枠に取り付ける。制御された炎にサンプルを一定期間曝露する。残炎時間、すなわちバーナーの撤去後に素材が燃え続ける時間の長さ、および残じん時間、すなわち炎を消した後に素材が赤熱する時間の長さを、ともに記録する。最後に、重りを用いて試料を引き裂き、炭化の長さ、すなわち炎に曝露された織物の端から炎によって影響を受けた領域の端までの距離を測定する。
【0095】
5枚の織物試料(DRIFIREデニム:横糸:75%モダクリル/10%ナイロン/15%綿;縦糸:100%綿;織物全体:57%綿/38%モダクリル/5%ナイロン)を、受け取ったそのままの状態で、耐炎性を測定するASTM D6413に従って試験した。試験結果は、表4に示される。
【表7】
【0096】
25回洗濯後(AATCC 135(3.IV.Aiii))(結果は表5に示される):
【表8】
【0097】
本発明の織物は、受け取ったそのままの状態および家庭洗濯後にASTM F1506 7.6項の燃焼性の必要条件に合格した。
【0098】
[実施例4]
ブルーデニムFR織物(DRIFIREデニム:横糸:75%モダクリル/10%ナイロン/15%綿;縦糸:100%綿;織物全体:57%綿/38%モダクリル/5%ナイロン;14.5 oz/sq yd)の藍染めデニム生地)を、工業洗濯後の寸法の変化、染色堅牢度、および伸長強度について試験した。
【0099】
提示された織物を100回の工業洗濯(漂白剤を含まない、140℃の水、アルカリ、酸(acid sour)およびタンブラー乾燥機での乾燥サイクルに供した。1回目、25回目、50回目、75回目および100回目の洗濯サイクルの後、織物を、破断強度についてのASTM D 5034伸長強度(グラブ法)および機器による色測定についてのAATCC法に従って評価した。そのデニム生地を、同じ間隔で、AATCC TM 96に従って寸法の変化(縮みまたは伸び)について評価した。結果は、表6に示される。
【表9】
【0100】
デニム生地を、記載されたような工業的方法で容量35ポンドのMilnor washerで洗濯した。1回目、25回目、50回目、75回目、および100回目のサイクル後に織物が試験のために引っ張られる場合、デニムFR生地は、同様のデニム生地のバラストを加えることによって維持される20ポンドの投入量で洗濯された。
【0101】
寸法の変化は、織物の縦または横の増加(伸び)または減少(縮み)であり、パーセントとして報告される。寸法の変化は、繊維含有量、織物の構造、および手入れ方法によって影響を受け得る。構造化されていない織物の評価においては、一定間隔での洗濯後に、縦および横方向の3つのベンチマークが測定され、測定での増加率または減少率の平均値が報告される。
【0102】
伸長強度は、1群の織り糸が破断するために必要とされる力の量であり、力あたりのポンドすなわちlb/fとして報告される。各試験のために織物の縦および横方向から5つの試料が用いられた。最終結果として平均値が報告される。
【0103】
一定の洗濯間隔後の織物の色の数値表現は、45/0配置のHunter ColorFlex分光比色計によって測定された。使用された光源/観測器はD65/10であった。色値を決定するためにCIE L*a*b*が用いられる。L*は、最大値100(白)および最小値0(黒)を有する。正のa*は赤を表し、負のa*は緑色を表す。正のb*は黄色を表し、負のb*は青を表す。a*およびb*の値は限度値を持たない。デルタEは全体的な色差を表すが、どのパラメーターが許容範囲を外れているかを示さない。デルタE測定結果と同等のAATCCグレースケール等級が括弧()内に示される。グレースケール数値等級は5〜1の範囲であり、それは、5=色変化なし、4=わずかな色変化、3=顕著な色変化、2=重度の色変化、1=非常に重度の色変化である。
【0104】
寸法安定性
試験結果によると、デニムFR生地を工業洗濯に供し、1回目の洗濯サイクル後に評価した際、縮みは、平均すると縦1.4%および横0.5%であった。25回の洗濯過程後には、縮みは、平均すると縦4.7%および横3.1%であった。
【0105】
デニムは、50回目および75回目のサイクル後に測定した際、縦方向での安定性を示し、それぞれ平均4.7%および4.8%の縮みを有した。しかし、横方向では、50回および75回の洗濯サイクル後、デニムは、それぞれ平均2.6%および2.7%と、25回の洗濯後よりわずかに少ない縮みを示した。
【0106】
100回の工業洗濯後、デニム生地は、平均すると縦5.8%および横3.0%であり、両方向でのわずかな縮みの増加を示した。
【0107】
伸長強度
最初は、デニムは、平均して縦179.7 lb/fおよび横172.0 lb/fの伸長強度を示した。1回目の洗濯乾燥サイクル後、伸長強度はほぼ同じであり、平均すると縦179.0 lb/fおよび横170.0 lb/fであった。
【0108】
伸長強度は、縦では洗濯過程の繰り返しに伴って低下し続けたが、横では上下に変動した。100回の洗濯過程後、伸長強度は、平均すると縦では156.5 lb/fであり、原布からわずか13%の全体強度の低下であった。同じ評価間隔で、この織物の横方向は、平均156.4 lb/fの伸長強度を示し、9.0%の強度の低下を示した。
【0109】
色測定
機器による測定値は、デニムFR生地が1回目の洗濯過程後に顕著な色変化を呈することを示す。予想された通り、デニムは洗濯の繰り返しによって色を失い続け、機器による評価は、100回の洗濯過程後に非常に重度の色変化を示した。
【0110】
本明細書において分子量のような物理的特性、または化学式のような化学的特性に対して、範囲が用いられる場合、特定の実施形態の中の範囲のすべての組合せ、および部分的組合せが包含されることを意図する。
【0111】
本明細書に引用され、または記載されたそれぞれの特許、特許出願、および公表文献の開示は、その全体が参照より本明細書に組み入れられる。
【0112】
当業者は、多くの変更および修正が、本発明の好ましい実施形態に対して行われ得ること、ならびにこのような変更および修正が、本発明の趣旨から逸脱することなく行われ得ることを理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲内に該当するすべてのこのような同等の変形形態に及ぶことを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10