特許第5797270号(P5797270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5797270イメージセンサユニット及びこれを用いた画像読取装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797270
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】イメージセンサユニット及びこれを用いた画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/028 20060101AFI20151001BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20151001BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   H04N1/028 Z
   G06T1/00 420F
   H04N1/04 101
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-528064(P2013-528064)
(86)(22)【出願日】2012年8月9日
(86)【国際出願番号】JP2012070315
(87)【国際公開番号】WO2013022060
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2013年12月27日
(31)【優先権主張番号】特願2011-174385(P2011-174385)
(32)【優先日】2011年8月9日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-108400(P2012-108400)
(32)【優先日】2012年5月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000104629
【氏名又は名称】キヤノン・コンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】堀口 智之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英将
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀尚
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−116590(JP,A)
【文献】 特開2010−98659(JP,A)
【文献】 特開2005−236940(JP,A)
【文献】 特開2002−185708(JP,A)
【文献】 特開2003−60854(JP,A)
【文献】 特開2002−262026(JP,A)
【文献】 特開2005−86391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 − 1/207
G03B 27/52 − 27/56
G06T 1/00
H04N 1/024 − 1/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照明体に光を照射すると共に、前記被照明体からの反射光及び/又は前記被照明体を透過した透過光を読取るイメージセンサユニットであって、
反射光用光源からの光を入射面から入射させて出射面から前記被照明体に対して照射する反射光用導光体と、
透過光用光源からの光を出射面から前記被照明体に対して照射する透過光用導光体と、
前記被照明体からの反射光及び/又は前記被照明体を透過した透過光を結像する結像素子と、
前記結像素子からの光を受光する受光素子と、
前記反射光用導光体及び前記結像素子を収容可能なレームと、
を有し、
前記結像素子の光軸に沿った方向を上下方向とし、前記被照明体側を上方、反対側を下方とすると、
前記反射光用光源は、前記反射光用導光体の入射面から隙間を介して下方に配置され、
前記反射光用導光体は、前記反射光用導光体の出射面のうち前記結像素子の光軸から離れた側に、前記フレームと当接する第一係止部を有し、
前記フレームは、前記第一係止部に上下方向の上方から当接し、前記反射光用導光体の出射面の一部を覆う遮光部を有し、
前記反射光用導光体は、前記光軸に近い側に、前記反射光用導光体の出射面と対向し、前記反射光用導光体の入射面よりも上方で前記フレームと当接する第二係止部を有し、
前記フレームは、前記第二係止部に上下方向の下方から当接する段部を有し、
前記反射光用導光体は、前記遮光部と前記段部とで挟持されることで位置決めされる
ことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項2】
記フレームの上部が下方に向かって拡開して開口され、前記反射光用導光体を前記フレームに対して下方から挿入可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサユニット。
【請求項3】
前記フレームは、記遮光部を備えるアッパフレームと記段部を備えるロアフレームとに2分割構成される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のイメージセンサユニット。
【請求項4】
前記反射光用導光体及び前記遮光部は前記結像素子の光軸の両側に配置され、これらの遮光部の相互間に所定幅のスリット状の開口部が形成される
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項5】
前記遮光部の下部には傾斜部が形成される
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のイメージセンサユニットを有し、
前記被照明体と前記イメージセンサユニットとを相対的に移動させながら、前記イメージセンサユニットによって前記被照明体の画像を読み取る
ことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、イメージスキャナーあるいはファクシミリ等の画像読取装置に使用されるイメージセンサユニット及びイメージセンサユニットを用いた画像読取装置に関する。特に、紙幣、有価証券等の記録媒体の真贋判定を行う画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像読取装置をはじめとして、特に紙幣等の真贋判定を行う画像読取装置において、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−116590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術においては、反射読み取り時に原稿がない状態(例えば紙幣を連続して読み取る際の紙幣間の隙間、傷や破れ等の破損部分)では、反射光用光源から照射した光が、原稿とは反対側に配置された透過光用導光体に入って再反射した後、再度照射することで迷光が生じる場合がある。また、透かし部分の読み取り時に透かし部分を透過した光が生じた際も同様であった。かかる迷光(後述する照り返し光)はイメージセンサユニットの出力においてノイズ成分となり、原稿がある場合の出力(信号成分)と迷光によるノイズ成分との差分が小さくなり、コントラストが不鮮明になり読取画像の精度が低下する等の問題を招来する。
【0005】
本発明はかかる実情に鑑み、迷光の影響を低減することで読取画像の精度を向上できるイメージセンサユニット及び画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のイメージセンサユニットは、被照明体に光を照射すると共に、前記被照明体からの反射光及び/又は前記被照明体を透過した透過光を読取るイメージセンサユニットであって、反射光用光源からの光を入射面から入射させて出射面から前記被照明体に対して照射する反射光用導光体と、透過光用光源からの光を出射面から前記被照明体に対して照射する透過光用導光体と、前記被照明体からの反射光及び/又は前記被照明体を透過した透過光を結像する結像素子と、前記結像素子からの光を受光する受光素子と、前記反射光用導光体及び前記結像素子を収容可能なレームと、を有し、前記結像素子の光軸に沿った方向を上下方向とし、前記被照明体側を上方、反対側を下方とすると、前記反射光用光源は、前記反射光用導光体の入射面から隙間を介して下方に配置され、前記反射光用導光体は、前記反射光用導光体の出射面のうち前記結像素子の光軸から離れた側に、前記フレームと当接する第一係止部を有し、前記フレームは、前記第一係止部に上下方向の上方から当接し、前記反射光用導光体の出射面の一部を覆う遮光部を有し、前記反射光用導光体は、前記光軸に近い側に、前記反射光用導光体の出射面と対向し、前記反射光用導光体の入射面よりも上方で前記フレームと当接する第二係止部を有し、前記フレームは、前記第二係止部に上下方向の下方から当接する段部を有し、前記反射光用導光体は、前記遮光部と前記段部とで挟持されることで位置決めされることを特徴とする。
本発明の画像読取装置は、上述したイメージセンサユニットを有し、前記被照明体と前記イメージセンサユニットとを相対的に移動させながら、前記イメージセンサユニットによって前記被照明体の画像を読み取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、収容部の一部を反射光用導光体の遮光部とすることにより、反射光用導光体からの光の照射範囲を狭めることで、透過光用導光体への光の入射を低減できる。これにより、迷光(照り返し光)を低減できるため、部品点数を増加させることなく、読取対象物である被照明体と背景とのコントラストを鮮明にし、高い読み取り精度を確保することができる。
また、フレームを2分割構成とすることにより、下方からの反射光用導光体の挿入が可能となるため、組み付け性を向上できる。
また、遮光部を反射光用導光体の位置決め用基準面とすることにより、部品点数を増やすことなく、組み付け時の位置決め性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明に係るイメージセンサユニットを備えた画像読取装置の要部構成を示す断面図である。
図2A図2Aは、本発明に係る下側イメージセンサユニット部の外観を示す上面図である。
図2B図2Bは、本発明に係る下側イメージセンサユニット部の外観を示す正面図である。
図2C図2Cは、本発明に係る下側イメージセンサユニット部の外観を示す下面図である。
図3A図3Aは、本発明に係る反射光用導光体の構成を示す斜視図であり、反射光出射面の側から見た図である。
図3B図3Bは、本発明に係る反射光用導光体の構成を示す斜視図であり、入射面の側から見た図である。
図4図4は、本発明に係る下側イメージセンサユニット部の構成例を示す分解斜視図である。
図5図5は、第一の実施形態に係るイメージセンサユニットにおける要部構成例を示す部分断面図である。
図6図6は、第二の実施形態に係るイメージセンサユニットにおける要部構成例を示す部分断面図である。
図7A図7Aは、第一の実施形態に係る反射光用照明部による光の状態をシミュレーションによって示した図である。
図7B図7Bは、第二の実施形態に係る反射光用照明部による光の状態をシミュレーションによって示した図である。
図7C図7Cは、比較例に係る反射光用照明部による光の状態をシミュレーションによって示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用できるイメージセンサユニット及び画像読取装置の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るイメージセンサユニット10を備えた画像読取装置100の要部構成を示す断面図である。ここで先ず、これらの全体構成について概略を説明する。本実施形態において被照明体として典型的には紙幣Sとする。なお、紙幣Sに限らず、その他の対象物に対して本発明は適用可能である。
画像読取装置100の所定部には紙幣Sの搬送方向Fに対して、対をなして紙幣Sを挟みながら搬送するための搬送ローラ101A,101Bと搬送ローラ102A,102Bとが所定間隔おいて配置される。これらの搬送ローラ101A,101B及び102A,102Bは、駆動機構により回転駆動されるようになっており、紙幣Sは所定の搬送速度で、イメージセンサユニット10に対して搬送方向Fに相対的に移動される。
【0010】
イメージセンサユニット10は、搬送ローラ101A,101Bと搬送ローラ102A,102Bとの間に、紙幣Sが通過可能な搬送路Pを構成するように間隙(本実施形態においては、搬送路Pの幅=2.0mm)を備えて配置されており、搬送される紙幣Sの画像を読み取る。イメージセンサユニット10は、紙幣Sの搬送路Pを挟んで、下側にイメージセンサユニット部10A(以下、下側イメージセンサユニット部10Aという)、上側にイメージセンサユニット部10B(以下、上側イメージセンサユニット部10Bという)が配置されている。本実施形態では、下側イメージセンサユニット部10A及び上側イメージセンサユニット部10Bは、図1に示す中心線Ocに対して対称な同一構成である。下側イメージセンサユニット部10A及び上側イメージセンサユニット部10Bは、それぞれ紙幣Sに反射式読み取り用の光を照射する反射光用照明部11Aを含む画像を読み取る画像読取部11と、紙幣Sに透過式読み取り用の光を照射する透過光用照明部12とを備えている。画像読取部11(反射光用照明部11A)及び透過光用照明部12により紙幣Sに対して反射光による読み取りと透過光による読み取りを実施することができる。下側イメージセンサユニット部10Aの画像読取部11に対して上側イメージセンサユニット部10Bの透過光用照明部12が対応配置される。また下側イメージセンサユニット部10Aの透過光用照明部12に対して上側イメージセンサユニット部10Bの画像読取部11が対応配置される。したがって、本実施形態では、下側イメージセンサユニット部10A及び上側イメージセンサユニット部10Bにより、紙幣Sの表裏両面を一回の搬送で読み取ることを可能とする。
なお、イメージセンサユニット10は、画像読取部11(反射光用照明部11A)と紙幣Sを挟んで反対側に透過光用照明部12とを備えた構成とし、紙幣Sの搬送方向Fに対して、所定間隔おいて配置するものであってもよい。
【0011】
ここで、下側イメージセンサユニット部10A及び上側イメージセンサユニット部10Bのうち、下側イメージセンサユニット部10Aを取り上げて説明する。図2Aは下側イメージセンサユニット部10Aの外観を示す上面図である。図2Bは下側イメージセンサユニット部10Aの外観を示す正面図である。図2Cは下側イメージセンサユニット部10Aの外観を示す下面図である。下側イメージセンサユニット部10Aは概して長方体に形成され、その長手方向が主走査方向となり、これに直交する副走査方向は紙幣Sの搬送方向Fとなる。
【0012】
13は筐体となる部材であるフレームであり、アッパフレーム13A及びロアフレーム13Bに2分割構成される。
14はロアフレーム13Bの底部に配置された基板であり、主走査方向に複数配列された発光素子からなる反射光用光源15が実装される。反射光用光源15は、例えば赤色、緑色、青色、赤外線及び紫外線(以下、RGB、IR、UVと略称する)の発光波長を持つLEDからなる発光素子を含んで構成される。
16は反射光用光源15から照射された光を紙幣Sの一方の面(下面)の読取位置(読取ライン)Oへと導く、主走査方向に長尺に形成された反射光用導光体である。反射光用導光体16はアクリル系の樹脂やポリカーボネート等の透明素材を用いて形成される。反射光用導光体16は、その下端面を反射光用光源15からの光が入射する入射面16a、その上端面を内部を伝搬した光が出射する反射光出射面16bとして形成される。反射光出射面16bは、例えば拡散作用を持つように紙幣S側へ向けて凹状に形成される。反射光用導光体16の入射面16a及び反射光出射面16b以外のその他の部位は実質的に反射面として形成される。反射光用導光体16には、このほか、第一係止面16cと第二係止面16dとが形成される。図3A及び図3Bに示すように、第一係止面16cは上側を向く面であり、例えば反射光用導光体16の上端に形成される。第二係止面16dは下側を向く面であり、例えば反射光出射面16bの下方に、第一係止面16cと対向するように形成される。
17はフレーム13の下端面から略上下方向に形成された開口を有する収容部であり、反射光用光源15の上方に反射光用導光体16が収容可能に構成される。反射光用導光体16は、第一係止面16c及び第二係止面16dを後述する基準面26及び段部28にそれぞれ当接することにより、反射光出射面16bが紙幣Sに指向する状態で収容部17内に取り付けられる。
【0013】
18は結像素子としてのロッドレンズアレイであり、例えば複数の正立等倍結像型のロッドレンズが主走査方向に直線状に配列された構造である。19は光を電気信号に変換する光電変換素子を備えた受光素子である。20は受光素子19が実装されたセンサ基板である。センサ基板20は受光素子19を主走査方向に複数配列して実装すると共に、ロッドレンズアレイ18の光軸Zと実質的に一致するように配置することで、受光素子19上に紙幣Sからの反射光(透過光の場合も含む)を収束結像させるものである。センサ基板20には反射光用導光体16が挿入される通過孔20aが形成されている。また、センサ基板20はアッパフレーム13Aの底部にかしめ等により固定される。アッパフレーム13Aの上部は、透明なカバー21によって覆われる。カバー21は、透明なガラス等を用いて形成されたカバー本体21aと、カバー本体21aを保持する外枠21bとを有している。外枠21bは、光が透過しないように黒色等で着色されている。なお、上述した結像素子は、ロッドレンズアレイ18に限られず、例えばマイクロレンズアレイであってもよい。
【0014】
図4に示されるように、反射光用導光体16、ロッドレンズアレイ18、センサ基板20等の部材は夫々位置決めされた状態でフレーム13の内部に嵌め込まれる。本実施形態においては、反射光用照明部11Aは、一対の反射光用光源15と反射光用導光体16とが、ロッドレンズアレイ18の光軸Zを挟んで相互に配置されることで構成される。画像読取部11は反射光用照明部11Aを含んで構成される。
【0015】
上述する構成による画像読取部11の基本動作について説明する。画像読取部11は搬送ローラ101A,101B及び102A,102Bにより所定の搬送速度で搬送方向Fに搬送される紙幣Sに対し、反射光用光源15のRGB、IR、UV発光素子を順次、点灯駆動することにより反射光用光源15を発光させる。反射光用光源15から照射された光は入射面16aから反射光用導光体16内に入射する。入射した光は反射光用導光体16内で反射し、すなわちその反射面により全反射しながら反射光用導光体16内を伝搬し、紙幣Sの読取位置Oを指向して図1において代表的に示される矢印Lのように反射光出射面16bから出射される。出射された光はロッドレンズアレイ18を挟んだ2方向から紙幣Sの一方の面(下面)に対して、主走査方向に亘ってライン状に均一に照射される。
照射された光は紙幣Sによって反射されることで、ロッドレンズアレイ18を介して受光素子19上に収束結像される。この収束結像された反射光は、受光素子19により電気信号に変換された後、図示しない信号処理部において処理される。
【0016】
このようにしてRGB、IR、UV全ての反射光を1走査ライン分読み取ることで、紙幣Sの主走査方向における1走査ラインの読取動作を完了する。1走査ラインの読取動作終了後、紙幣Sの副走査方向への移動に伴い、上述と同様に次の1走査ライン分の読取動作が行われる。このように紙幣Sを搬送方向Fに搬送しながら1走査ライン分ずつ読取動作を繰り返すことで、紙幣Sの全面が順次走査されて反射光による画像情報の読み取りが実施される。
なお、上側イメージセンサユニット部10Bの画像読取部11についても他方の面(上面)に対して同様に実施される。
【0017】
22はアッパフレーム13Aに形成された開口を有する収容部である。23は主走査方向に長尺に形成された透過光用導光体である。透過光用導光体23は、反射光用導光体16と副走査方向に隣接して、収容部22内部に嵌め込まれる。透過光用導光体23は、アクリル系の樹脂やポリカーボネート等の透明素材を用いて、主走査方向に細長状に形成される。
透過光用導光体23は、その長手方向における一方の端面を透過光用光源24からの光が入射する入射面23a、その上端面を内部を伝搬した光が出射する透過光出射面23b、透過光出射面23bと対向する面を拡散面23cとして形成される(図4参照)。透過光出射面23bは、例えば集光作用を持つように紙幣S側へ向けて凸状に形成される。透過光用導光体23は、透過光出射面23bが紙幣Sに指向する状態でアッパフレーム13Aに取り付けられる。また、拡散面23cには、例えばシルク印刷などによる光反射性の塗料からなる光拡散パターンが形成されている。入射面23a、透過光出射面23b及び拡散面23c以外のその他の部位は実質的に反射面として形成される。
24は、例えば赤色、緑色、青色、赤外線及び紫外線(以下、RGB、IR、UVと略称する)の発光波長を持つLEDからなる発光素子を含んで構成される透過光用光源である。透過光用光源24は、透過光用導光体23の長手方向における一方の端面の近傍に配置される。
本実施形態において透過光用光源24と透過光用導光体23とで透過光用照明部12が構成される。
【0018】
ここで、下側イメージセンサユニット部10Aに設けられた透過光用照明部12の場合、紙幣Sを透過した光は、上側イメージセンサユニット部10Bのロッドレンズアレイ18を介して受光素子19により受光される。なお、これらのロッドレンズアレイ18及び受光素子19は、下側イメージセンサユニット部10Aのロッドレンズアレイ18及び受光素子19と同等のものである。
また、上側イメージセンサユニット部10Bに設けられた透過光用照明部12の場合、紙幣Sを透過した光は、下側イメージセンサユニット部10Aのロッドレンズアレイ18を介して受光素子19により受光される。
【0019】
上述する構成による透過光用照明部12の動作について説明する。透過光用照明部12は、搬送ローラ101A,101B及び102A,102Bにより所定の搬送速度で搬送方向Fに搬送される紙幣Sに対し、透過光用光源24のRGB、IR、UV発光素子を順次、点灯駆動することにより、透過光用光源24を発光させる。透過光用光源24から照射された光は入射面23aから透過光用導光体23内に入射する。入射した光は透過光用導光体23内で反射・拡散し、すなわち拡散面23cに形成された光拡散パターンによって反射・拡散されると共に、反射面により全反射しながら透過光用導光体23内を伝搬し、紙幣Sの読取位置Oを指向して図1において代表的に示される矢印Lのように透過光出射面23bから出射される。出射された光は紙幣Sの一方の面(下面)に対して、主走査方向に亘ってライン状に均一に照射される。
なお、照射された光は紙幣Sを透過することで、上側イメージセンサユニット部10Bのロッドレンズアレイ18を介して受光素子19上に収束結像される。この収束結像された透過光は、受光素子19により電気信号に変換された後、図示しない信号処理部において処理される。
【0020】
このようにしてRGB、IR、UV全ての透過光を1走査ライン分読み取ることで、紙幣Sの主走査方向における1走査ラインの読取動作を完了する。1走査ラインの読取動作終了後、紙幣Sの副走査方向への移動に伴い、上述と同様に次の1走査ライン分の読取動作が行われる。このように紙幣Sを搬送方向Fに搬送しながら1走査ライン分ずつ読取動作を繰り返すことで、紙幣Sの全面が順次走査されて透過光による画像情報の読み取りが実施される。
なお、上側イメージセンサユニット部10Bの透過光用照明部12についても他方の面(上面)に対して同様に実施される。
【0021】
(第一の実施形態)
図5は、第一の実施形態に係るイメージセンサユニット10における要部構成例を示す部分断面図である。
図5に示すようにアッパフレーム13Aの上部には、収容部17の一部に、夫々反射光用導光体16の反射光出射面16bからロッドレンズアレイ18の光軸Z側へ突出する遮光部25を有する。図5に示すように遮光部25は反射光用導光体16の反射光出射面16bの一部を覆うように庇状に光軸Z側へ突出する。すなわち、上下方向(Z方向)で見たとき、遮光部25と反射光出射面16bとが一部で重なり合っている。遮光部25の突出量もしくは長さは、反射光用導光体16から紙幣Sに向けて適正に照射された光(図1に示す矢印L)が、上側イメージセンサユニット部10Bの透過光用導光体23に直接入射するのを減少させるべく照射範囲を狭めるように設定される。
【0022】
フレーム13には反射光用導光体16を収容する収容部17が形成される。アッパフレーム13Aの上部は、収容部17の一部を構成するように下方に向かうにしたがって副走査方向に拡開して開口する。したがって反射光用導光体16は収容部17に対して下方から挿入可能となる。遮光部25には基準面26(位置決め用基準面)が形成されており、反射光用導光体16を下方から挿入する際に、反射光用導光体16の第一係止面16cが当接することで反射光用導光体16を位置決めできる。
【0023】
この構成により、反射光用導光体16及び遮光部25はロッドレンズアレイ18の光軸Zの両側に一対で配置され、これらの遮光部25の相互間に所定幅(開口幅W,W)のスリット状の開口部が形成される。この開口幅Wは遮光部25の光軸Z側への突出量の大小に応じて広狭変化し、遮光部25の遮光効率との関係で最適な値が選ばれる(本実施形態では、W=5.5mm、W=5.5mmである)。
【0024】
フレーム13は、アッパフレーム13A及びロアフレーム13Bが相互に合せ面27で重なり合い、一体化される。組立に際して、アッパフレーム13Aに対して反射光用導光体16を収容部17に下方から挿入することで、夫々反射光用導光体16の上端に設けられた第一係止面16cが基準面26に当接する。このとき各部材が相互に位置決めされる。その後、アッパフレーム13Aとロアフレーム13Bとを上下方向に結合することにより、ロアフレーム13Bに形成された段部28が第二係止面16dに当接することで、反射光用導光体16が収容部17内に取り付けられる。このように、基準面26を遮光部25に設けることにより、この部位で遮光効果と位置決め作用の双方を有効に発揮させることができる。
【0025】
このとき、反射光用導光体16の第一係止面16cは、アッパフレーム13Aに形成される下側を向く面(基準面26)に対向する。一方、反射光用導光体16の第二係止面16dは、ロアフレーム13Bに形成される段部28の上側を向く面に対向する。このように、反射光用導光体16は、アッパフレーム13Aとロアフレーム13Bとによって反射光出射面16bを挟んで、反射光用導光体16の両側から挟持されることで、収容部17内に位置決めされて保持される。
この構造により、第一係止面16c及び第二係止面16dとの間が固定端となる。したがって、例えば環境温度の変化による熱膨張、及び/又は、収縮による反射光用導光体16の変形の寸法変動は、第一係止面16c及び第二係止面16dとの間を起点として生じることになる。すなわち、反射光用導光体16の伸縮による影響を入射面16a側へ逃がすことで、固定端に近い反射光出射面16bへの伸縮による影響を低減できる。
【0026】
ところで、例えば反射読み取り時に紙幣Sがない状態(例えば紙幣を連続して読み取る際の紙幣間の隙間、傷や破れ等の破損部分)を想定する。この場合、下側イメージセンサユニット部10Aの反射光用照明部11Aからの光が、上側イメージセンサユニット部10Bの透過光用照明部12の透過光用導光体23に直接入射し、その後、ロッドレンズアレイ18に再度照射されることで迷光が生じる場合がある。かかる迷光等を含む所謂、照り返し光は下側イメージセンサユニット部10Aの出力においてノイズ成分となり、紙幣Sがある場合の出力(信号成分)と照り返し光によるノイズ成分との差分が小さくなり、そのままではコントラストが不鮮明になり読取画像の精度が低下する等の問題が生じ得る。
また、環境温度の変化による反射光用導光体16の変形により光の照射範囲が変動することで、照り返し光の発生が不安定となる問題が生じ得る。
【0027】
本実施形態において下側イメージセンサユニット部10A及び上側イメージセンサユニット部10Bは画像読取部11(反射光用照明部11A)と透過光用照明部12を有し、透過型及び反射型を併用した構成となっている。
ここで、下側イメージセンサユニット部10Aでは、反射光用導光体16から上側イメージセンサユニット部10Bの透過光用導光体23へ照射される光の一部を遮光部25により遮光することで、反射光用照明部11Aの光の照射範囲を狭めることができる。このため、搬送路Pにおける読取位置Oに紙幣Sがない状態、及び/又は、透かし部分に対する画像読取部11による読み取り状態等において、透過光用導光体23への光の入射を低減できる。これにより、照り返し光の影響を有効に低減でき、読取画像の精度を向上できる。
同様に、上側イメージセンサユニット部10Bでは、反射光用導光体16から下側イメージセンサユニット部10Aの透過光用導光体23へ照射される光の一部を遮光部25により遮光することで、反射光用照明部11Aの光の照射範囲を狭めることができる。このため、搬送路Pにおける読取位置Oに紙幣Sがない状態、及び/又は、透かし部分に対する画像読取部11による読み取り状態等において、透過光用導光体23への光の入射を低減できる。
【0028】
また、遮光部25はフレーム13(アッパフレーム13A)と一体成形されるため、別途遮光部材を設ける必要がない。これにより遮光部材の製造及び組付けコストが発生せず、加えて装置構造が簡素化される。また、モールドによる成形で遮光部25の相互間のスリットの高い寸法精度を確保することができる上、フレーム13を2分割構成とすることで装置の組立時に反射光用導光体16の下方からの挿入が可能となるため、組付け性を向上できる。また、遮光部25を反射光用導光体16の位置決め用基準面とすることにより、位置決め性等を向上できる。
【0029】
また、第一係止面16c及び第二係止面16dとの間を固定端とすることで、環境温度の変化等による反射光用導光体16の伸縮による影響を入射面16a側へ逃がすことができる。したがって、反射光出射面16bにおいて変形の影響を低減できるため、反射光出射面16bの変動を低減できる。このため、環境温度の変化が生じても光の照射範囲を安定できることから、遮光部25による遮光効果を有効に発揮させることができ、照り返し光の低減を効果的に行うことができる。
【0030】
(第二の実施形態)
図6は、第二の実施形態に係るイメージセンサユニット10における要部構成例を示す部分断面図である。なお、上述した第一の実施形態と同一機能を有する部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図6に示すようにアッパフレーム13Aの上部には、収容部17の一部に、夫々反射光用導光体16の反射光出射面16bからロッドレンズアレイ18の光軸Z側へ突出する遮光部25を有する。
【0031】
本実施形態では、図6に示すように左右の遮光部25(左側を遮光部25Aとし、右側を遮光部25Bとする)で、突出量及び形状が異なっている。遮光部25Aは、左側の反射光用導光体16の反射光出射面16bの一部を覆うまで庇状に光軸Z側へ突出する。一方、遮光部25Bは、反射光用導光体16の反射光出射面16bまで到達せず、第一係止面16cを覆うように庇状に光軸Z側へ突出する。また、遮光部25Aの下部には、傾斜部19(本実施形態では、傾斜角度α=略60°)が形成されている。傾斜部19は、反射光出射面16bから照射された光の照度を低下させることなく、照射範囲を狭めることができる。なお、遮光部25B側では、遮光部25Bの先端とカバー21の外枠21b(カバー本体21aを支持する支持部21c)とを繋ぐ直線(図6に示す仮想線V)が、遮光部25Aの傾斜部19の傾斜角度と同一の傾斜角度で形成されている。したがって、遮光部25B側では、遮光部25Bとカバー21の外枠21bとによって、反射光出射面16bから照射された光の照度を低下させることなく、照射範囲を狭めることができる。
なお、遮光部25Bも、遮光部25Aと同様に傾斜部19を形成してもよい。すなわち、遮光部25Bは、光軸Zに対して遮光部25Aと対称になるような傾斜部19を形成してよい。また、遮光部25A、25Bには、第一の実施形態と同様、反射光用導光体16の第一係止面16cが当接する基準面26が形成されている。
【0032】
次に、本発明を適用できる第一の実施形態及び第二の実施形態の効果の検証結果について図7A図7Cを参照して説明する。なお、上述した各実施形態と同一機能を有する部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図7A図7Cは、それぞれ第一の実施形態、第二の実施形態及び比較例に対応する反射光用照明部11Aの要部構成を示す断面図である。図7A図7Cには、片側(左側)の反射光用照明部11Aによる光の状態をシミュレーションによって示している。各図の反射光用導光体16から延出する実線は、反射光用光源15から照射された光が反射光用導光体16内に入射され反射光出射面16bから出射された光を追跡したものであり、実際は光束である。
図7Aは、第一の実施形態の遮光部25を備えた反射光用照明部11Aである。図7Bは、第二の実施形態の遮光部25のうち傾斜部29が形成された遮光部25Aを備えた反射光用照明部11Aである。図7Cは、遮光部25がなく基準面26のみを備えた反射光用照明部11Aである。
図7Cに示す比較例では、遮光部25がないため反射光出射面16bからの光の照射範囲を狭めることができず、読取位置Oから副走査方向に離れた位置にまで光が照射される。一方、図7A及び図7Bに示す第一の実施形態及び第二の実施形態では、遮光部25、25Aによって反射光出射面16bからの光の照射範囲を狭め、読取位置O近辺に導光できる。
【0033】
また、以下の表1は、第一の実施形態、第二の実施形態及び比較例において、読取位置Oにおける片側(左側)の反射光用照明部11Aによる照度値を示すものである。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示すように、比較例と第二の実施形態との照度値は同程度であり、それらと比較して、第一の実施形態の照度値は低下している。これは、照射効率と照射範囲の広狭変化(照射範囲の広狭による透過光用導光体23へ入射する光の増減に伴い、照り返し光も増減する)とがトレードオフの関係であることを示している。これにより、傾斜部29の傾斜角度は、読取位置O(O)における照射効率と、照射範囲の広狭変化による照り返し光との関係において適宜設定できる。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
上述する実施形態において反射光用導光体16及び遮光部25をロッドレンズアレイ18の光軸Zの両側に一対配置する例を説明したが、いずれか一方にのみ設ける場合も可能である。
透過光用照明部12における透過光用導光体23はロッドレンズアレイ18の光軸Z上にある例を説明したが、読取位置O(O)に透過読み取り用の光を照射できれば、ロッドレンズアレイ18の光軸Zに対して斜めに設ける場合も可能である。
また、透過光用光源24は透過光用導光体23の長手方向の一方の端面に限らず、両端に配置される場合も可能である。
反射光用照明部11Aとして、一対の反射光用光源15と反射光用導光体16とが、ロッドレンズアレイ18の光軸Zを挟んで相互に配置される構成について説明したが、一組であっても構わない。
なお、画像読取装置100としてシートフィード型の画像読取装置について説明したが、フラットベッド型の画像読取装置についても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のイメージセンサユニットは、複写機、イメージスキャナーあるいはファクシミリ等の画像読取装置として有効に利用される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C