(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作部材は、前記撮影レンズのレンズ鏡胴本体の外周部に配設され、前記撮影レンズの光軸に対して回転自在なリング部材であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
撮影レンズを介して撮像した被写体像を表示する表示部と、前記表示部上に設けられ、タッチ位置に応じた座標信号を出力するタッチパネルと、を備えた撮像装置が実行する撮像方法であって、
前記タッチパネルから出力される前記座標信号に基づいて、前記タッチ位置の画像の特徴を判定する情報取得ステップと、
前記タッチパネルの複数点がタッチされた際に、前記情報取得ステップで判定された特徴に基づいて、前記複数点の前記タッチ位置の情報を比較し、効果のあるパラメータ候補を示す補助表示を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記表示部に表示された前記補助表示が選択された際に、該選択された前記補助表示に対応するパラメータの値を、操作部材の操作によって変更されたパラメータの値に切り換えるパラメータ制御ステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明を一眼カメラに応用した例を第1実施例として、そのブロック図を
図1に示す。
【0015】
10はカメラ本体(ボディ)であり、20は撮像レンズ(例えば、交換レンズ)で、カメラ本体(ボディ)10から撮像レンズ20内のレンズ側に対して操作信号等を通信する通信部5と、レンズ側である撮像レンズ20内に設けられたカメラ本体(ボディ)10との通信部22を介して通信を行い、制御部21と駆動部24a、bによって、撮像レンズ20のズーム制御用の各レンズ群位置やピント制御用のレンズ群位置を制御し、様々な構図、被写体に対応して撮影を可能としている。
【0016】
撮像レンズ20内のレンズを構成する各レンズ群の位置は、25a、bで判定され、これらのレンズは、駆動部24a、24bを介し、レンズ内制御部21によって決定された位置に駆動制御される。また、撮像レンズ20は操作部材(以下で具体的には、操作環、リング部材、とも言う)23の操作によってピントのみならず、ズーム位置や絞りも変える事が可能である。絞りは、ピントやズームと同様に、駆動部での制御結果を位置判定部によって判定されるが図示は省略する。
【0017】
これらの結果も、通信部22を介して、本体側制御部1が判定可能である。この撮像装置(カメラ)は図示した構成以外の交換レンズを装着可能であってもよく、ズームレンズの倍率や焦点距離、明るさFNoなどが異なる交換レンズや、ズームレンズでない、いわゆる単焦点レンズの場合を想定してもよい。もちろん、レンズ交換式カメラ以外のレンズ一体型カメラにもこの発明は適用が可能である。このようにズームや絞り、ピントといった部位の制御を、状況に応じて、また、撮影者の操作に従って切り換えることなども撮影パラメータの変更に含まれる。なお、撮影パラメータは、こうした項目の他、項目ごとにズーム時の焦点距離や、絞りなら絞り値、ピントならピント位置など数値、あるいは量として表せるものからなる。
【0018】
なお、撮像レンズ20の操作部材23としては、撮像レンズ20のレンズ鏡胴本体に対して回転自在に配設されるリング部材23を用いる。リング部材23はメカニカルに回動するものでも、タッチセンサなどで検出されるものでも、プッシュスイッチのようなものでもよい。メカニカルに回動するものは、回動操作によってフォトインタラプタなどがパルス信号を出す構成にしておけば、電気的にその回動操作の判定が可能である。回動の方向や、回動のスピードなども検出できるので、数値や量を変更する場合、右周りではプラス方向、左回りではマイナス方向にと切り換えることが出来、速く回せば速く数値を切り換え(粗調)、遅く回せばゆっくりと数値を切り換えること(微調)が可能となる。
【0019】
具体的構成については
図9に示す。10は撮影装置のカメラ本体(ボディ)10であり、上面にはレリーズスイッチ6aや電源スイッチ6bが設けられており、撮像レンズ20用のレンズ鏡筒30の外周部には、操作部材23(リング部材23)が配設されている。さらに、指標表示枠及び距離表示環等が配設されている場合もある。操作部材23は、レンズ鏡筒30の外周部において、光軸O周りに回動可能に配設された略円筒状の部材である。リング部材23は、少なくとも一部がレンズ鏡筒30の外周面上に露出しており、撮像装置に使用者の手指が係るように配設されている。操作部材23の操作は、撮影機器ピント合わせレンズのピント制御用に用いたり、ズームレンズのズーム切り換え用に用いられたりする。この距離表示環は、ズーム表示環でもよい。
【0020】
また、本発明のように、パラメータ切り換えに応用する場合、この距離表示環は、撮影パラメータの表示にも置きかえてもよい。また、これらの操作部材23の操作による操作切り換えは、カメラ本体(ボディ)10のモード設定によって切り換えても良い。さらに、操作部材23は、レンズ鏡筒30の外周部において、光軸O方向に進退移動可能としてもよく、この進退移動によって操作切り換えをしてもよい。もちろん、操作部材23を複数有する構成にしてもよい。
【0021】
一方、カメラ本体(ボディ)10側にも、スイッチ等、ユーザーが様々な操作を行える操作部6がある。これを利用して、撮影操作が可能であるし、露出補正やシャッタースピードや感度設定、ピント位置の変更など撮影パラメータ変更も可能である。ここでの撮影パラメータも、これらの項目の他、露出補正値、シャッタースピード値、感度を示す値、ピントの位置やピント合わせの距離などの数値、量などからなる。
【0022】
また、後述のタッチパネル8bもこのような操作を補助して利用できる。カメラ本体(ボディ)10はさらに撮像レンズ20から入った被写体の像(被写体画像という)を電気信号に変える撮像部2と、そこからの画像信号を用いて、被写体の顔部を検出する顔検出部3、コントラストや位相差信号からピントのずれを検出したり、露出量など調整量を切り換えたりする撮影制御を行う。これらの調整量はパラメータ制御部1bによって、切り換え制御が可能である。ユーザーが表示部8を見ながら撮影できるように、信号処理部1は撮像結果を液晶やELパネルなどからなる表示部8に表示できるように処理したりする。
【0023】
表示された被写体像を表示部上でタッチすれば、その位置に応じた画像の情報が取得可能である。これは相当する部分の画像の特徴を解析したり、距離情報を検出したりするものである。また制御部1は、ユーザーの撮影指示操作を操作判定部6やタッチパネル8bで判定して、撮影画像をファイル作成部1cで圧縮して記録部4に記録する。この時、撮影日時情報を合わせて記録して整理できるように時計9がある。また、操作部であるリング部材23でパラメータ変更やパラメータ値調節によって画像がどのように変わるかが表示部8にて確認できることは言うまでもない。操作時には、表示部8に後述するような補助表示が出るが、これは表示制御部1dが被写体像の上に合成表示する。
【0024】
このような構成のカメラで、撮影者の思った通りの被写体を、思い通りの効果で撮影するために、本発明では、
図2に示したような操作方法を取る。撮影者11は、撮像装置10の撮像レンズ20を左手で支えて、被写体11を狙って構えている。
【0025】
カメラ本体(ボディ)10が取得して背面の表示部に表示している被写体11のどの部分の画像を変更するかを、
図2のように人差し指などのタッチで選ぶ。この時、例えば、撮影されている人物の顔の明るさや背景のボケが確認できるので、それらを変更したい時には、変更したい場所をタッチすれば良い。それによって、撮影者が不満に思う部分の表現を切り換えての撮影が可能となる。例えば、顔の明るさを思い通りにしたり、背景のボケ具合を思い通りにしたりした画像を撮影することが出来る。
【0026】
図3に、カメラ本体(ボディ)10の背面に設けられた表示部(例えば液晶パネル)8が見えるように図示し、そこに表示された画像の一部をユーザーがタッチしている様子を示す。表示部8に表示された被写体像をタッチすると、その上に設けられたタッチパネル8bが座標信号を出力し、撮像部で得た被写体画像が表示部のどの部分に表示されているかが分かっていることから、カメラの制御部(
図1の1)は、ユーザーが画像のどの部分をタッチしたかを判定でき、情報取得部(
図1の1e)によって、タッチ部位の画像の特徴を判定することが出来る。
【0027】
例えば、
図3(a)のように人物部の顔部分をタッチすれば、タッチされた部分の画像パターンの特徴より、それが顔であることが分かる。その判定結果を図のように「顔指定」と文字で表示してもよい。
【0028】
また、顔以外で遠距離の部分を
図3(b)のようにタッチすれば、「風景指定」と表示部に表示することが出来る。
【0029】
また、カメラの制御部1は、タッチした被写体が何であるかが分かるので、タッチ部位の画像を変更できる撮影パラメータ候補(例えば、明るさの調節やボケ量の調節)は表示制御部1dを介して
図3(c)のように、表示部8上に表示する。ここでは、
図3(a)と(b)で顔と風景をタッチしたので、変更できる撮影パラメータ項目は、「明るさ」、「ボケ」となる。これについては後述する。
【0030】
この後、そのどちらを修正したいかをユーザーがタッチで選択すれば、その項目を変更可能となる。この時、選択されたパラメータ項目に対応する数値の変更は、
図3(d)のように、撮像レンズ20に設けられたリング部材23で行うことが出来る。ここでは、ユーザーが左手でレンズ部のリング部材23を回動させて調整する様子を示した。右手は省略しているが、シャッターチャンスを逃さないよう、レリーズボタン6aに人差し指がかかっている状況を想定している。
【0031】
ユーザーは、表示部8上に表示された撮影画面を見ながら、パラメータの数値変更効果を確認しながら撮影に専念することが出来る。ここでは、背景のボケ具合を確認するために、リング部を操作しながら、一例として絞りの数値を変更している。絞りを変更すると、被写界深度が変化し、絞ると広くなって背景のボケが小さく、開くと浅くなって背景のボケが強調されるので、適切なボケ具合を目視しながらリング部材23の操作を行えば、思い通りの効果の写真撮影が可能となる。
【0032】
このように、左手で撮影レンズのリング部材23を操作しながら、右手でレリーズボタン6a(
図1の操作部6の一部)の操作に集中できるので、即写性に富み、操作性のよい撮像装置を提供することが出来る。
【0033】
このように、タッチした部位に表示された画像部分の判定を行い、その結果、選択されたパラメータ候補に従って、パラメータ数値を撮像レンズ20のリング部材23の操作で可能としたカメラのメインフローの一例を
図4に示す。これは例えば電源スイッチなどによってなされる電源の操作をステップS101で判定、これがオンされていれば、撮影モードか再生モードかの判定をS102、S111にて行う。
【0034】
電源スイッチがオフされれば、この電源スイッチを検出する回路のみを作動させ、その他の電子回路をオフして省エネモード(スタンバイモード)になる。タッチパネルやスイッチの切り換えで撮影モードに設定されていれば、S103でスルー画表示を行う。
【0035】
これは、撮像部で得られた被写体像信号をリアルタイムに表示部に表示するもので、ユーザーはこれを見ながら撮影タイミングや構図ならびに撮影パラメータ変更の効果を確認することができる。
【0036】
S104は後述するタッチパネル操作判定のサブルーチン(
図5参照)であり、S105は、パラメータ数値変更のサブルーチン(
図8参照)である。これらのサブルーチンによって、
図3で説明したような撮影前のパラメータ切り換え(項目と数値)制御が可能となる。表示部で効果を確認しながらレリーズスイッチ6bを操作すれば、S106をYに分岐、S107で、このように切り換えられた結果に従った撮影が可能となる。撮影が行われない場合は、スルー画表示などから繰り返すので、任意のタイミングにてパラメータ変更や撮影が可能となる。
【0037】
また、再生モードへの切り換えが行われると、ステップS102をS111に分岐し、撮影された画像の再生が行われる(S112)。別の画像を鑑賞したい場合は、ユーザーがやはりタッチパネルやスイッチを操作すると、それをS113で判定し、画像の切り換えをS115で行う。
【0038】
また、撮影モードでも再生モードでもない場合は、外部に撮影画像を送信するような画像通信モードになる。
【0039】
図5に、
図4のフローチャートのS104に示した、タッチパネル操作のフローを詳しく説明するためのフロー例を示す。これは
図3の(a)(b)で示したタッチ操作を判定するためのもので、タッチが行われるたびに、S201でこれを判定、押し間違い時、やりなおしが出来るようにして、同じ場所をタッチされた場合には、この画像部分は候補から外せるようにしているので、S202でそれを判定した場合は、S204で、対応情報ならびにその旨の表示を消すようにした。
【0040】
また、フローチャートのステップS203では、タッチされた画像部分に映っている被写体像を判定し、情報取得する。これについては、
図7で説明するが、
図3の(a)(b)で被写体を「顔」などと表示する際のステップである。このような表示が出ると、ユーザーはカメラが正しく判定したことを確認できるので、安心して操作することが出来る。
【0041】
また、一度、どこかの点が先にタッチされたのを判定して、すでにステップS203で1ポイントの情報取得をしてある場合(S204でクリアされていない場合)、ステップS205で繰り返しタッチを検出して複数点タッチによっても判定を変えることもできるようにしている。
【0042】
複数点タッチの場合は、S212にて、得られている情報を比較し、比較によってパラメータ候補が変更される場合がある。
【0043】
その時のパラメータの絞り込み候補をS214で表示する。これは、
図3の(c)の表示を行うための制御である。また、複数点タッチでない場合は、ステップS215で、S203において得られていた情報の項目を表示する。
【0044】
ここでは、1点タッチと2点タッチによって表示するパラメータ候補が異なることがあるので、混乱を避け、かつ、説明を明確化するため、1点タッチで得られるパラメータ候補を「情報」と記載し、2点タッチで得られるパラメータ候補を「絞り込み候補」と示した。これについても
図7、
図8で説明する。
【0045】
この発明では、撮像レンズ20のリング部材23の操作によって、パラメータの数値調整が出来ることに特徴があるので、先に、このリング部材23によってパラメータ数値が調整される時の制御を示す。
【0046】
図6は、
図4のステップS105で実行されるパラメータ数値変更のフローチャート例である。
図3(c)のように、パラメータ候補が選択可能なアイコンや文字で表示された状態で、タッチパネル等でそれらが選択されると、ステップS231、S233、S235、S237でYに分岐する。
【0047】
この選択項目にしたがって、リング部材23の操作によって、ピント位置(S232)や、露出補正量(S234)や、絞り値(S236)や、彩度(S238)などが切り換え可能となる。これらの「項目」ごとに、調整される数値が異なる。
【0048】
例えば、ピント位置が調整される時は、撮影レンズのピント調節位置が変化し、露出補正量が調整される時は、シャッタースピードの速さや絞り値が予め決められたプログラムによって変更される。感度を変更してもよい。
【0049】
なお、顔が2つ選択された場合の処理として、ここでは撮影用のパラメータ変更以外の例を示した。
【0050】
両方の顔の表情を示す画像が笑顔の特徴となるパターンになった場合、撮影される「笑顔レリーズ」が選択できるようにした。この「笑顔レリーズ」のアイコンや表示を選択すると、S239をS240に分岐して、笑顔レリーズモードとなる。笑顔を平常の顔から変化するにつれ変化する数値で表わせば、リング操作部23によるリング操作時に、レリーズ判定される顔の笑顔度を変更してレリーズの切れやすさを変更することが出来る。
【0051】
リング部材23を右に回すか左に回すかによって、調整の数値を大きくしたり小さくしたりする。ピントであれば、遠距離や近距離に切り換えて行くことが出来る。露出補正もプラス側に大きくしたり、マイナス側に大きくしたりすることが出来る。
【0052】
この時ユーザーが操作する撮像レンズ20はカメラ本体(ボディ)10の背面にはないので、ユーザーの表示部観察の邪魔にならず、これによって数値変化による画面の変化をユーザーはよく観察することが出来る。
【0053】
図7に、
図5のフローチャートのステップS203で行う、タッチ位置の情報取得のサブルーチンについて説明する。ステップS251にて、タッチ部に相当する表示部分に表示されている画像の特徴を判定する。これは、画像の持つ陰影のパターン、色、明るさ、コントラストなどである。陰影のパターンが人間の顔のパーツに類似する場合、S252でYに分岐して「顔」表示を行う。これによって、
図3(a)のような表示が可能となる。また、この顔の部分(顔の輪郭内で判定)の色や明るさ、コントラストの情報を取得する。
【0054】
さらに、S251で得られたタッチ部の画像情報が、赤や青や黄色、緑、紫などである場合、「特定色」としてYに分岐、S255にてどの色成分が多いかの記録を行う。灰色や黒や白などは明るさで変化するので、特に記録しなくてもよい。従って、3原色のどの成分が強いかの情報となる。
【0055】
S261では、明るさの情報、例えば輝度情報を記録する。
【0056】
次に、タッチ時に、タッチポイントの距離を検出するようにしても良い。専用の測距センサを利用してもよいが、S261で示したように、撮影レンズのピント合わせ位置(ピント合わせ用レンズの位置)をシフトさせながら、コントラストを判定することによって、どのピント位置にて最高のコントラストが得られるかを判定して距離の遠近を判定してもよい。
【0057】
現在のピント位置を基準に、撮像レンズ20の一部であるピント合わせ用レンズを動かし、高いコントラストが得られるのが近距離の被写体(位置に)ピントが合う方向か、遠距離のものにピントが合う方向かを判定、また、そのピント位置の差異を検出すれば(レンズ位置判定部25a、bなどによる)、相対的なピント位置の差異が分かる。ピント位置ごとに、対応距離のデータがあれば、距離を判定することも出来る。また、顔を指定された場合は、遠距離になる程、顔の画像は小さくなることから、顔画像の大きさなどで距離を概算してもよい。
【0058】
ただ、風景などは、そのような判定は困難である。従って、ここでは、ピント合わせレンズの撮像部2に対するピント合わせ制御位置が遠距離相当でコントラストが高くなった場合、S263をYに分岐してS264で風景判定を行った。タッチされた時間、
図3(b)のように「風景」と表示する。以上のようにして得られた距離、またはピント位置情報をS265で記録する。
【0059】
以上のようなフローチャートで表わされる制御によって、カメラの制御部(
図1の1)は、ユーザーが気にしている被写体位置がどこであり、それが人物であるか、色はどうか、そこが明るいか暗いか、遠いか近いかなどを検出することが出来る。
【0060】
また、複数点の比較によって、効果のあるパラメータ調整のみに絞り込むことが可能となる。
図8にそうした働きの部分のフローチャートを示す。これは
図5のS212のサブルーチンに相当する。例えば、ユーザーは、複数点タッチで、一方の被写体をぼかし、一方の被写体をくっきり撮影したい時があるが、そのような場合は、2点タッチすることで、両者のバランスを取ることが出来る。そのような場合に、このフローが有効になる。つまり、各ポイントの情報は、すでに
図7のフローによって取得されているので、S271で、これらを項目ごとに判定し、その結果、明るさの差異が大きい場合は、ユーザーは、明るさに不満があると考えることが出来るので、これらのバランスを取るような露出補正などを行いたいと考えることが出来る。この場合、項目としては明るさ切り換えとして、
図3(c)のようにユーザーに分かりやすく表示するが、
図6に示したように、実際は露出補正を行う。明るさに差異があるかどうかは、例えば、撮像部のダイナミックレンジやラチチュードで決まる値としてもよい。明るさが例えば8倍以上になると、分岐するようにしてもよい。
【0061】
また、距離の異なる2点をタッチした場合は、
図7のS256で検出した結果から、これらのポイントの持つ情報は距離差が大きいと分かるので、S274でS276に分岐する。距離差が大きくない場合は、ボケ量を撮像装置の一般的な撮影パラメータである絞りで変えることが出来ないので、この表示は出ない。このように、ユーザーが操作できない項目(パラメータ)は、カメラが表示しないので、ユーザーは無駄な操作をしないで済むし、カメラを使っているうちに、ユーザーが出来る制御や出来ない制御を学習することも出来る。この距離差については、撮像レンズ20の絞り値や焦点距離、被写体までの距離で異ならせてもよく、被写界深度から決定してもよい。
【0062】
2つのタッチポイントに相当する位置の被写体の色が異なる場合も、ユーザーは、これらのバランスを取りたいと考えていると考え、S276でS277に分岐して、色の調整を出来るようにした。2点タッチでない場合は、特徴的な色である場合に、色調性を変更パラメータとして表示する。
【0063】
三原色となるR、G、Bの成分のうち、最大の成分をImax、最小の成分をIminとすると、彩度は、(Imax−Imin)/Imaxで求められるので、タッチ部のR、G、Bの信号量を判定して計算し、彩度を判定することが出来る。1点タッチなら、調整によってその場所の彩度が大きくなる方向、小さくなる方向に最大成分を増幅させ、最小成分を減らすようにする。また、2点タッチの時には、リング部材23の操作によって、それぞれのポイントの最大成分がどれであるかを判定し、それらのバランスを変化させるような操作ができるようにする。
【0064】
また、両方のタッチポイントが顔である場合、二人の表情を気にしていると考えて、S278でS279に分岐して、笑顔レリーズを候補として表示する。この表示が出た時に、ユーザーがこれをタッチして選択すると、相当する顔画像のモニタを開始し、共に笑顔になった瞬間、撮影制御を行う。
【0065】
以上説明したように、本発明によれば、撮影者が、画面内のどこに注意を向けているかを直感的に指定できるタッチパネルを利用して、タッチして指定した部分に何が写っているかを判定し、その被写体に相応しいパラメータ候補(例えば、明るさの調整)に絞って、ユーザーは調節することが出来る。
【0066】
つまり、撮影パラメータは数多く(例えば、絞り、シャッタースピード、感度、ピント合わせ位置、色調整など)あるが、そのうちの最も適切なパラメータを即座に選び出すことが可能となり、素早い撮影が可能となる。例えば、人物と風景は、一方をぼかすようなことが出来るが、同じ距離にいる人物の一方のみを、絞り制御のみでぼかすことは困難である。
【0067】
知識のないユーザーは、こうしたシーンでも、効果のない操作をする可能性があった。
【0068】
どのような調節をすれば良いかが分からないユーザーにはガイドとしてパラメータ候補が表示され、迷うことなく操作に移ることが出来、シャッターチャンスを逃すことがなくなる。
【0069】
また、タッチ部分を隠すことがないので、ユーザーは、十分、撮影効果を確認しながらパラメータを変えながら画像の調整をすることが可能となる。これによって思い通りの効果の画像を得ることが出来る。
【0070】
さらに、本発明の各実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも勿論構わない。
【0071】
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0072】
なお、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。また、これらの動作フローを構成する各ステップは、発明の本質に影響しない部分については、適宜省略も可能であることは言うまでもない。