特許第5797377号(P5797377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5797377正確な車高のための位置決めの形態および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797377
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】正確な車高のための位置決めの形態および方法
(51)【国際特許分類】
   B60G 3/28 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   B60G3/28
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2009-550898(P2009-550898)
(86)(22)【出願日】2008年2月19日
(65)【公表番号】特表2010-519127(P2010-519127A)
(43)【公表日】2010年6月3日
(86)【国際出願番号】US2008002161
(87)【国際公開番号】WO2008103340
(87)【国際公開日】20080828
【審査請求日】2011年1月20日
【審判番号】不服2014-920(P2014-920/J1)
【審判請求日】2014年1月17日
(31)【優先権主張番号】60/890,637
(32)【優先日】2007年2月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509123677
【氏名又は名称】テンネコ・オートモティブ・オペレーティング・カンパニー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ヘーレン、ヨーン
(72)【発明者】
【氏名】ザネン、ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】マエス、マールテン
【合議体】
【審判長】 冨岡 和人
【審判官】 出口 昌哉
【審判官】 平田 信勝
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−16510(JP,U)
【文献】 特開2004−322874(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3069189(JP,U)
【文献】 特開平8−105449(JP,A)
【文献】 特開2001−208397(JP,A)
【文献】 実開昭54−13117(JP,U)
【文献】 実公昭52−13691(JP,Y2)
【文献】 特開2006−258155(JP,A)
【文献】 特開2004−314742(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2004−0104999(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−1999−0024062(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2003−0006707(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のコーナー組立体であって、前記コーナー組立体は、
サスペンションモジュールと、
前記サスペンションモジュールに取り付けられるホイール組立体と、
前記サスペンションモジュールの測定された高さを調整することによって前記コーナー組立体の指定された高さを設定するU字型のシムと、を具備し、
前記U字型のシムは、前記ホイール組立体が係合する構成部分である前記サスペンションモジュールの増加する直径部分を覆って固定されるように、前記サスペンションモジュールの増加する直径部分と、前記ホイール組立体との間に配置され、前記U字型のシムは前記ホイール組立体に直接接しており、
前記U字型のシムは、前記U字型のシムが前記サスペンションモジュールと前記ホイール組立体との間に配置されたときに、前記コーナー組立体が指定された高さを達成し車両の設計高さが調整される特定の高さを有している、
コーナー組立体。
【請求項2】
前記U字型のシムは、必要な補償の量を特定している特定のカラーコードを具備する請求項1に係るコーナー組立体。
【請求項3】
サスペンションモジュール、および、ホイール組立体を含んでいる車両のコーナー組立体の指定された高さを設定する方法であって、
前記サスペンションモジュールの高さを測定することと、
前記指定された高さを達成するように必要とされる高さ調整の量を決定することと、
前記指定された高さを達成するように前記サスペンションモジュールの前記測定された高さを調整するために異なる高さを有している複数のU字型のシムから必要なU字型のシムを提供することと、を具備し、
前記U字型のシムは、前記ホイール組立体が係合する構成部分である前記サスペンションモジュールの増加する直径部分を覆って固定されるように、前記サスペンションモジュールの増加する直径部分と、前記ホイール組立体との間に配置され、前記U字型のシムは前記ホイール組立体に直接接している、方法。
【請求項4】
前記測定された高さを調整するために前記U字型のシムを提供する工程は、調整の量を
示しているカラーコードを前記サスペンションモジュールに提供することを具備する請求項3の方法。
【請求項5】
前記測定された高さを調整する工程は、前記コーナー組立体の組立の間、前記調整の量を補償することを具備する請求項4の方法。
【請求項6】
前記サスペンションモジュールは、
上部マウント組立体と、
前記上部マウント組立体に取り付けられるダンパーとを具備し、
前記ホイール組立体は、前記ダンパーに取り付けられ、
前記U字型のシムは、前記ダンパーと、前記ホイール組立体との間に配置される、請求項1に係るコーナー組立体。
【請求項7】
前記U字型のシムは、必要な補償の量を特定している特定のカラーコードを具備する請求項6に係るコーナー組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についてのクロスリファレンス
本出願は、2007年2月20日に出願の米国仮出願番号第60/890,637号の利益を主張するものである。上記の出願の開示は、本願明細書に引用したものとする。
【0002】
分野
本開示は、車両に対して指定された車高(vehicle height)を設定することに関する。さらに詳しくは、本開示は、正確な車高の公差(tolerances)を達成する車両懸垂装置(vehicle suspension systems)に利用される位置決め形態(positioning feature)、および、位置決め方法に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションの記載は、単に本開示に関連した背景情報を提供するだけであり、従来の技術を構成するものではない。
【0004】
車高に対して設計位置で車両の懸垂装置を正確に設定することは、車両の乗客の快適さ、ビークルハンドリングパフォーマンス、および、視覚上の外観を改良する。車高に対する設計位置は、マクファーソンサスペンションモジュール(McPherson suspension module)の設計長さまたは車両に取り付けられる疑似マクファーソンサスペンションモジュール(pseudo McPherson suspension module)に直接関連する。典型的な車高の公差は、約±7mm乃至約±10mmで変化することができる。もし車両製造業者がこれらの公差を減らすことを望むならば、かなりの追加の労力が必要とされ、そして、特別な製造技術は重要な追加費用をもたらして開発される必要がある。
【0005】
車両製造業者は、車両の設計高さ、すなわち、車高、および、それでマクファーソンサスペンションモジュールがいくつであるべきかを決める。一般的に、車両製造業者は、設計高さが規定される車両の比重量(specific weight)を決定する。比重量は、ドライバ、乗客、ドライバと乗客の手荷物の比重量を含むことができる。車両のこの比重量で、公称車高(nominal vehicle height)、および、許容される公差は、規定される。
【0006】
典型的なマクファーソンサスペンションモジュールは、車体にモジュールを接続する上部マウント(top mount)、ホイールの回転を可能にするベアリング、車両の重量を支えるスプリング、車両制動(vehicle damping)を提供する支柱(strut)またはダンパー、スプリングを支持する上側(upper)および下側(lower)のスプリングシート、および、支柱またはダンパーにアンチロールリンクを接続するためのアンチロールブラケットを具備する。
【0007】
達成されるマクファーソンサスペンションモジュール公差は、上部マウント、ベアリング、スプリング、上側シート位置、支柱の下側シート位置、および、ナックルへの支柱またはダンパーの位置決め公差(高さにおいて)の公差の組合せである。ナックルへの支柱またはダンパーの正しい位置決めを確保する典型的な設計方法は、ナックルに挿入される支柱またはベアリングの縮小された直径を含み、支柱またはダンパー管の局所エリアは、ナックルに対して停止の働きをするために増加され、フック形状のブラケットは、ナックルを介して延びているボルトに対して停止の働きをする支柱またはダンパー管に溶接されることができ、または、T字状のブラケットは、垂直の、および、角度の位置の両方に停止の働きをする支柱またはダンパー管に溶接されることができる。これらの方法の一つの利用は、また、これらのコンポーネントの公差を車高の累積的な公差に加える。
【0008】
組立てられたマクファーソンサスペンションモジュールの高さ公差を最小にするために、あなたは、上で議論される各々のコンポーネントに対する公差を個々に縮小することができる。これは、一般的に、単に全体的な公差バンドの最小の減少をもたらし、そして、かなりより高い製造コストへと案内することができるだけである。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、組立てられたマクファーソンサスペンションモジュールの公称長(nominal length)の偏差を測定するための、製造、および、測定方式を提供する。組立てられたマクファーソンサスペンションモジュールの公称長の偏差を測定した後に、ナックルに対するマクファーソンサスペンションモジュールの組立体の間、使用されるマクファーソンサスペンションモジュールに対するナックルを位置付けする調整シム(adjustment shim)は、車高公差が最小にされるように、選ばれることができる。
【0010】
適用可能性の更なる範囲は、ここで提供される明細書から明瞭になる。明細書、および、具体例が説明の目的のみに意図され、および、本開示の範囲を制限することを意図されないことは、理解されるべきである。
【0011】
ここで記載されている図面は、単に図解の目的であって、そして、いかなる形であれ本開示の範囲を制限することを意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】車両へと組立てられる本開示に係るマクファーソンサスペンションモジュールの側面図である。
図2】外側管に取り付けられる位置決め治具(positioning fixture)を有する図1に示される支柱またはダンパーの側面図である。
図3】外側管に取り付けられる本開示の別の実施形態に係る位置決め治具を有する以外、図2と類似の支柱またはダンパーの側面図である。
図4】外側管に取り付けられる本開示の別の実施形態に係る位置決め治具を有する以外、図2と類似の支柱またはダンパーの側面図である。
図5A図6において示される治具またはシムのためのさまざまな設計を示す図である。
図5B図6において示される治具またはシムのためのさまざまな設計を示す図である。
図5C図6において示される治具またはシムのためのさまざまな設計を示す図である。
図6図5Aにおいて示されるシムの治具の平面図である。
図7】本開示に係る測定方式、および、調整方法を示しているグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次の記載は、単に、性質において例示的であって、および、本開示、適用または使用を制限することを意図されるものではない。
【0014】
ここで図1を参照し、本開示に係る製造、および、方法を取り込む車両のコーナー組立体(corner assembly)10は、示される。コーナー組立体10は、マクファーソンサスペンションモジュール12、本体プレート14、並びに、ナックル16およびホイール18を含んでいるホイール組立体を備えている。
【0015】
マクファーソンサスペンションモジュール12は、上部マウント組立体(top mount assembly)30を含んでいる上側マウント組立体(upper mount assembly);ベアリング32;スプリング34;支柱またはダンパー36;上側スプリングマウント38;下側スプリングマウント40;ほこりシールド(dirt shield)42;圧縮バンパー(compression bumper)44;アンチロールバーブラケット(anti-roll bar bracket)46;ABSブラケット48、および、ブレーキホースブラケット50を具備する。
【0016】
上部マウント組立体30は、複数のねじ付き溶接スタッド、および、それらに対応されたナットまたはリテーナを用いて本体プレート14に固定される。上部マウント組立体30は、金属上部マウント、および、金属上部マウントに一般的に接着されるエラストマーブッシングを含む。ベアリング32は、ホイール18の回転を可能にするように、上部マウント組立体30と、上側スプリングマウント38との間に配置される。スプリング34は、上側スプリングマウント38と、車両の本体またはばね上重量(sprung weight)を支持するために支柱またはダンパー36に取り付けられる下側スプリングマウント40との間に延びる。支柱またはダンパー36は、下側スプリングマウント40、スプリング34、上側スプリングマウント38、ベアリング32、および、上部マウント組立体30の中心を通って延びる。支柱またはダンパー36は、下で議論されるようにナックル16に固定され、ホイール18の延びた位置を制限するために、反跳プレート(rebound plate)64、および、ナット66を使用して、上部マウント組立体に固定される。支柱またはダンパー36は、本体の運動または車両のばね上重量の制動を、それが車両のサスペンションまたはばね下重量(unsprung weight)に対して動かすように、提供する。支柱またはダンパー36は、反跳プレート64およびナット66を受けるピストンロッド68、ピストン組立体(図示せず)、および、ピストン組立体がスライドする外側管70を含む。制動力(Damping forces)は、周知のようにピストン組立体の1つの側から、ピストン組立体の反対側へと流れる流体を制御することによって生成される。支柱またはダンパー36は、公知技術のダンパーのモノチューブ設計(mono-tube design)、二重のチューブ設計(dual-tube design)または他のいかなる設計でもあり得る。ほこりシールド42は、上側スプリングマウント38と、下側スプリングマウント40との間で、ピストンロッド68を水、砂、小さい石、および、他の汚染物質から保護するためにスプリング34の中央に位置される。圧縮バンパー44は、ホイール18の圧縮される位置を制限するために、ほこりシールド42内で、および、ピストンロッド68の周囲に配置される。
【0017】
上記のように、下側スプリングマウント40は、支柱またはダンパー36の外側管70に溶接されるか、または、別の方法で固定されることによって、支柱またはダンパーの36に取り付けられる。支柱またはダンパー36の外側管70に溶接されるか、または、別の方法で固定される他のコンポーネントは、支柱またはダンパー36にアンチロールバーリンクを接続するために使用されるアンチロールバーブラケット46を含む。ABSブラケット48は、支柱またはダンパー36にABSケーブルを固定するために使用され、ブレーキホースブラケット50は、支柱またはダンパー36に車両のブレーキホースを接続される。
【0018】
ここで図2を参照し、支柱またはダンパー36の外側管70、および、ナックル16に対するその組立体は、より詳細に示される。外側管70は、局所的に直径が増加する範囲72を含む刻み目をつけられたチューブ(notched tube)である。環状シート74は、好ましくは金属のものであり、溶接されるか、または、別の方法で、局所的に直径が増加する範囲72に当接する外側管70に取り付けられる。好ましくはプラスチックである治具またはシム76は、下で詳述されるように、マクファーソンサスペンションモジュール12の累積公差、および、それで指定の設計高さでの本体またはばね上重量のより正確な位置のために、シート74と、補償するナックル16との間に配置される。
【0019】
図3は、外側管70に代わることができる外側管70’を使用して位置付けされるシート74を示す。外側管70’は、大径セクション80’と、ナックル16にフィットするようにサイズ化された減少された直径セクション82とを含む。セクション80と、セクション82との間の遷移領域に当接しているシート74で外側管70’にシート74を溶接するか、または、他の方法で取り付けることによって、シート74は、外側管70’に取り付けられる。
【0020】
図4は、外側管70にまた代えることができる外側管70’’を使用して位置付けられるシート74を示す。外側管70’’は、シート74が溶接されるかまたは他の方法で適当な位置に取り付けられる真っ直ぐなチューブである。
【0021】
治具またはシム76は、異なる形状を有することができ、および、異なる材料で作成することができる。好適な材料は、プラスチック材料(例えばポリプロピレン(PP:Polypropelene)またはポリアミド(PA:Polyamide))である。治具またはシム76の形状は、それが製造工程終了でシート74に容易に取り付けられるが、製造工程終了でシート74から分離することはできなくて、移送またはハンドリングの間、シート74から分離することができないように、されなければならない。シートに取り付けられるときに治具またはシム76は、74が自動的に、正しい位置(間違った位置で取り付ける可能性がない)でなければならなくて、そして、上記したように、輸送の間、固定されたままでなければならない。
【0022】
ここで図5A〜5C、および、図6を参照し、異なる治具またはシム76のための設計は、示される。図5Aは、シート74が位置付けされる一般に矩形のスロット90を規定する治具またはシム76を示す。図5Bは、スロット90’の外形に適合させている外形を有する環状のシート74’が中に位置づけされる輪郭を示されたスロット90’を含む治具またはシム76を示す。図5Cは、治具またはシム76’’を示し、それは、外側管70に位置づけられる環状の輪郭を示された領域94と嵌合する輪郭を示された内径92を含む。図6は、治具またはシム76の平面図を示す。治具またはシム76は、通常、シート74が外側管70に組立てられるときに、治具またはシム76がシート74を覆って組立てができるように、U字型を有する。治具またはシム76’および76’’は、また、治具またはシム76と類似で、一般にU型である。
【0023】
ここで図7を参照し、車高の公差のビルドアップを補償する方法は、示される。まず最初に、シート74または74’または輪郭を示された領域94は、上部マウント組立体30と、支柱またはダンパー36との間のマクファーソンサスペンションモジュール12の高さを測定するために、基準面としての機能を果たす。測定された長さの偏差に従って、特定の高さh(図2に示される)を有する治具またはシム76、76’または76’’は、指定の長さのディメンションから測定された偏差に対して補償するために、シート74または74’上へと留められるか(clipped)、または、組立てられる。補償なしで達成される公差、および、所望の公差バンドに従って、異なる高さhを有している複数の治具またはシム76、76’、または、76’’は、提供されることができる。
【0024】
図7に図示したように、±7mmの公差バンドは、何らかの補償計測なしで達成される。所望の公差バンドは、±3.5mmであるように仮定される。もし我々が測定誤差がなく、および、治具またはシム76、76’または76’’およびその組立体の高さh上の公差がないことを仮定したならば、それで7mmに等しい高さhを有する1つの治具は、±3.5mmの要求された公差バンドを達成するのに十分である。第一に、平均長さは、0から−3.5mmへとシフトされる。このイールドは、−10.5mm〜+3.5mmの公差バンドを生ずる。もし、初期偏差が-3.5mmと、+3.5mmとの間に測定されたならば、長さがすでに必要公差バンドの中であるという理由から、何も加えられない。もし、マクファーソンサスペンションモジュール12の製造工程の間、マクファーソンサスペンションモジュール12のモジュール長さの偏差が−10.5mmと、−3.5mmとの間で測定されたならば、7mmの治具、または、シム76、76’または76’’が加えられる。これは、必要公差バンド内の-3.5mmと、+3.5mmとの間の偏差をもたらす。
【0025】
これは、本開示が作用する方法を示す。いくつかの実用的な考察があり、それは、主に治具またはシム76、76’または76’’の数およびサイズを増加させる勘定をとられなければならない。たとえば、±1mm内の測定誤差は、±3.5mmから±2.5mmまでの可能な公差バンドを減少する。類似の考察は、治具またはシム76、76’または76’’の高さhの公差に与えられるべきである。
【0026】
前記実施例は、治具またはシム76、76または76’’を使用して示されるが、治具またはシム76、76または76’’を用いずに所望の位置決め精度を達成することはまた、可能である。これは、マクファーソンサスペンションモジュールを製造する間、必要とされる修正を特定することによって達成されることができ、および、必要とされる修正を示す特定のカラーコードのようなインジケータを利用することができ、および、マクファーソンサスペンションモジュールにこのインジケータを取り付けることができる。ナックルに対するマクファーソンサスペンションモジュールの取付けの間、オペレータは、それで、ナックルにマクファーソンサスペンションモジュールを正しく位置付けすることを決める修正と同一の厚さを有する位置決め具(positioning tool)を使用することができる。ナックル締付けボルト(clamping bolt)の引き締めの後、位置決め具は、取りはずされることができて、および、再利用されることができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
サスペンションモジュールと、
前記サスペンションモジュールに取り付けられるホイール組立体と、
前記サスペンションモジュールの測定された長さを調整することによって前記コーナー組立体の指定された高さを設定する手段とを具備するコーナー組立体。
[2]
前記設定する手段は、前記サスペンションモジュールと、前記ホイール組立体との間に配置されたシムを具備する[1]に係るコーナー組立体。
[3]
前記シムは、前記サスペンションモジュールの増加する直径部分に係合する[2]に係るコーナー組立体。
[4]
前記シムは、前記サスペンションモジュールに取り付けられるシートに係合する[2]に係るコーナー組立体。
[5]
前記シートは、前記サスペンションモジュールの増加する直径部分に係合する[4]に係るコーナー組立体。
[6]
前記設定する手段は、必要な補償の量を特定している特定のカラーコードを具備する[1]に係るコーナー組立体。
[7]
サスペンションモジュール、および、ホイール組立体を含んでいるコーナー組立体の指定された長さを設定する方法であって、
前記サスペンションモジュールの長さを測定することと、
前記指定された長さを達成するように必要とされる長さ調整の量を決定することと、
前記測定された長さから前記指定された長さまで前記サスペンションモジュールの前記測定された長さを調整することとを具備する方法。
[8]
前記測定された長さを調整する工程は、シムを前記サスペンションモジュールに提供することを具備する[7]の方法。
[9]
前記測定された長さを調整する工程は、調整の量を示しているカラーコードを前記サスペンションモジュールに提供することを具備する[7]の方法。
[10]
前記測定された長さを調整する工程は、前記コーナー組立体の組立の間、前記調整の量を補償することを具備する[9]の方法。
[11]
測定点として、シートまたは前記サスペンションモジュールを提供することを更に具備し、
前記サスペンションモジュールの長さを測定する工程は、前記シートから前記サスペンションモジュール上の基準点までの距離を測定することを具備している、[7]の方法。
[12]
上部マウント組立体と、
前記上部マウント組立体に取り付けられるダンパーと、
前記ダンパーに取り付けられるホイール組立体と、
前記ダンパーと、前記ホイール組立体との間のディメンションを調整することによって前記コーナー組立体の指定された高さを設定する手段とを具備するコーナー組立体。
[13]
前記設定する手段は、前記ダンパーと、前記ホイール組立体との間に配置されたシムを具備する[12]に係るコーナー組立体。
[14]
前記シムは、前記ダンパーの増加する直径部分に係合する[13]に係るコーナー組立体。
[15]
前記シムは、前記ダンパーに取り付けられるシートに係合する[13]に係るコーナー組立体。
[16]
前記シートは、前記ダンパーの増加する直径部分に係合する[15]に係るコーナー組立体。
[17]
前記設定する手段は、必要な補償の量を特定している特定のカラーコードを具備する[12]に係るコーナー組立体。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7