(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上部導電膜は透明基板の一方の面に形成されており、前記上部導電膜は所定の形状の複数の領域に分割されているものであって、前記領域は直交する軸に沿って配列されているものであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
前記上部導電膜は透明基板の両面に形成されており、前記上部導電膜は所定の形状の複数の領域に分割されているものであって、前記領域は直交する軸に沿って配列されており、
一方の軸に沿って配列されている前記領域は、前記透明基板の一方の面に形成され、他方の軸に沿って配列されている前記領域は、前記透明基板の他方の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
上部導電膜と、下部導電膜と、前記上部導電膜に接続された静電容量方式検出部と、前記上部導電膜に接続された第1の抵抗膜方式検出部と、前記下部導電膜に接続された第2の抵抗膜方式検出部と、を有するタッチパネルの位置検出方法において、
前記上部導電膜には前記静電容量方式検出部を介して所定の電位を印加した状態で、前記静電容量方式検出部に流れる電流を検出することにより、静電容量結合による座標位置の位置検出を行なう静電容量方式検出工程と、
前記下部導電膜において一方の方向に電位勾配を発生させた状態で、前記上部導電膜に接続されている前記第1の抵抗膜方式検出部において電位を検出し、前記上部導電膜において他方の方向に電位勾配を発生させた状態で、前記下部導電膜に接続されている前記第2の抵抗膜方式検出部において電位を検出することにより、前記上部導電膜と前記下部導電膜とが接触している座標位置の位置検出を行なう抵抗膜方式検出工程と、
を有し、前記静電容量方式検出工程において接触が確認されない場合には、前記抵抗膜方式検出工程に移行するものであることを特徴とするタッチパネルの位置検出方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
静電容量方式のタッチパネルは、静電容量結合による検出方式であるため、押下することなく触れるだけで位置検出を行なうことができるといった特徴を有しているが、絶縁体による接触では位置検出をすることができない。また、抵抗膜方式のタッチパネルでは、タッチパネルに接触するものの材質等は問わないといった特徴を有しているが、位置検出は上部抵抗膜となる透明導電膜と下部抵抗膜となる透明導電膜とが接触することにより行なわれるため、タッチパネルを所定の力で押下する必要がある。
【0009】
このため、特許文献4及び5に記載されているように、静電容量方式のタッチパネルと、抵抗膜方式のタッチパネルとを積層したものであり、静電容量方式のタッチパネルと抵抗膜方式のタッチパネルとの双方の特徴を有している。
【0010】
しかしながら、このような構造のタッチパネルは、2種類のタッチパネルを積層した構造のものであるため厚さは厚くなるといった問題点や、高コストなものとなるといった問題点を有していた。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、静電容量方式のタッチパネルの特徴と抵抗膜方式のタッチパネルの特徴を有するタッチパネル、即ち、触れるだけで位置検出を行なうことができ、接触するものの材質等を問わないタッチパネルにおいて、厚さが薄いものを低コストで提供することを目的とするものであり、また、このようなタッチパネルを用いて低コストで位置検出をすることのできる位置検出方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上部導電膜と、下部導電膜と、前記上部導電膜に接続された静電容量方式検出部と、前記上部導電膜に接続された第1の抵抗膜方式検出部と、前記下部導電膜に接続された第2の抵抗膜方式検出部と、を有し、前記上部導電膜に
は前記静電容量方式検出部を介して所定の電位を印加し、
前記下部導電膜には接地電位を印加した状態で、
前記静電容量方式検出部に流れる電流を検出することにより、静電容量結合による座標位置の位置検出が行なわれ、
前記下部導電
膜において
一方の方向に電位勾配を発生させた状態で、
前記上部導電膜に接続されている前記第1の抵抗膜方式検出部において電位を検出し、前記上部導電膜において他方の方向に電位勾配を発生させた状態で、前記下部導電膜に接続されている前記第2の抵抗膜方式検出部において電位を検出することにより、前記上部導電膜と前記下部導電膜とが接触し
ている座標位置の位置検出が行なわれることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上部導電膜と、下部導電膜と、前記上部導電膜に接続された静電容量方式検出部と、前記上部導電膜に接続された抵抗膜方式検出部と、を有し、前記上部導電膜に
は前記静電容量方式検出部を介して所定の電位を印加し、
前記下部導電膜には接地電位を印加した状態で、
前記静電容量方式検出部に流れる電流を検出することにより、静電容量結合による座標位置の位置検出が行なわれ、前記下部導電膜の所定の方向に電位勾配を発生させた状態で、前記上部導電膜により前記上部導電膜と前記下部導電膜とが接触した位置の電位を検出することにより座標位置の位置検出が行なわれることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記上部導電膜は透明基板の一方の面に形成されており、前記上部導電膜は所定の形状の複数の領域に分割されているものであって、前記領域は直交する軸に沿って配列されているものであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記上部導電膜は透明基板の両面に形成されており、前記上部導電膜は所定の形状の複数の領域に分割されているものであって、前記領域は直交する軸に沿って配列されており
、一方の軸に沿って配列されている前記領域は、前記透明基板の一方の面に形成され
、他方の軸に沿って配列されている前記領域は、前記透明基板の他方の面に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記静電容量結合による座標位置の位置検出と、
前記電位を検出することによ
る座標位置の位置検出とは異なる時間に行なわれるものであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記静電容量方式検出部は複数の電流計を含むものであって、前記複数の電流計により検出される電流値に基づき前記静電容量結合による座標位置の位置検出が行なわれるものであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前
記静電容量結合による座標位置の位置検出が行なわれる際には、前記下部導電膜は接地電位となっていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上部導電膜と、下部導電膜と、前記上部導電膜に接続された静電容量方式検出部と、前記上部導電膜に接続された第1の抵抗膜方式検出部と、前記下部導電膜に接続された第2の抵抗膜方式検出部と、を有するタッチパネルの位置検出方法において、前記上部導電膜に
は前記静電容量方式検出部を介して所定の電位を印加した状態で、
前記静電容量方式検出部に流れる電流を検出することにより、静電容量結合による座標位置の位置検出を行なう静電容量方式検出工程と、
前記下部導電
膜において
一方の方向に電位勾配を発生させた状態で、
前記上部導電膜に接続されている前記第1の抵抗膜方式検出部において電位を検出し、前記上部導電膜において他方の方向に電位勾配を発生させた状態で、前記下部導電膜に接続されている前記第2の抵抗膜方式検出部において電位を検出することにより、前記上部導電膜と前記下部導電膜とが接触し
ている座標位置の位置検出を行なう抵抗膜方式検出工程と、を有
し、前記静電容量方式検出工程において接触が確認されない場合には、前記抵抗膜方式検出工程に移行するものであることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上部導電膜と、下部導電膜と、前記上部導電膜に接続された静電容量方式検出部と、前記上部導電膜に接続された抵抗膜方式検出部と、を有するタッチパネルの位置検出方法において、前記上部導電膜に
は前記静電容量方式検出部を介して所定の電位を印加した状態で、
前記静電容量方式検出部に流れる電流を検出することにより、静電容量結合による座標位置の位置検出を行なう静電容量方式検出工程と、前記下部導電膜の所定の方向に電位勾配を発生させた状態で、前記上部導電膜により前記上部導電膜と前記下部導電膜とが接触した位置の電位を検出することにより座標位置の位置検出を行なう抵抗膜方式検出工程と、を有
し、前記静電容量方式検出工程において接触が確認されない場合には、前記抵抗膜方式検出工程に移行するものであることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記静電容量方式検出工程と前記抵抗膜方式検出工程は、連続して繰り返し行なわれるものであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記静電容量方式検出工程において接触が確認されない場合には、前記前記抵抗膜方式検出工程に移行するものであることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前
記抵抗膜方式検出工程において接触が確認されない場合には、前記静電容量方式検出工程に移行するものであることを特徴とする。
また、本発明は、前記静電容量方式検出工程は、前記下部導電膜には接地電位を印加した状態で行うことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のタッチパネルの位置検出方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、触れるだけで位置検出を行なうことができ、接触するものの材質等が問わないタッチパネルを薄く低コストで提供することができる。また、このようなタッチパネルにおいて低コストで位置検出することのできる位置検出方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるタッチパネルについて説明する。
図1に示されるように、本実施の形態におけるタッチパネルは、4線式のタッチパネルであって、透明フィルム等により形成される上部電極基板の表面に形成された上部透明導電膜10とガラス等により形成された下部電極基板の表面に形成された下部透明導電膜20とを有するものであり、上部透明導電膜10と下部透明導電膜20とが対向するように配置されている。尚、
図1等では説明の便宜上、上部透明導電膜10及び下部透明導電膜20のみを記載している。
【0028】
上部透明導電膜10には、例えば、X軸方向に電位勾配を発生させるためのスイッチ31及び32と、下部透明導電膜20と接触した際の電位を検出するための電位検出部41と、上部透明導電膜10に所定の電位を印加するための電源42、スイッチ33及び電流検出部43が接続されている。尚、スイッチ31は、電源電位(Vcc)に接続されており、スイッチ32は接地電位に接続されている。また、電位検出部41は第1の抵抗膜方式検出部となるものであり、電流検出部43は静電容量方式検出部となるものである。
【0029】
また、下部透明導電膜20には、例えば、Y軸方向に電位勾配を発生させるためのスイッチ51及び52と、上部透明導電膜10と接触した際の電位を検出するための電位検出部61が接続されている。尚、スイッチ51は、電源電位(Vcc)に接続されており、スイッチ52は接地電位に接続されている。また、電位検出部61は第2の抵抗膜方式検出部となるものである。
【0030】
本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗膜方式により接触位置の位置検出を行なう場合には、
図2に示すように、スイッチ51及び52を閉じ下部透明導電膜20のY軸方向に電位勾配を発生させる。この際、上部透明導電膜10に接続されているスイッチ31及び32は開いている。この状態でタッチパネルに指等が接触した場合には、タッチパネルの接触位置においては、下部透明導電膜20と上部透明導電膜10とが接触し、上部透明導電膜10は下部透明導電膜20の接触位置における電位となり、上部透明導電膜10に接続されている電位検出部41により電位が検出され、この電位に基づき不図示の制御部等においてタッチパネルの接触位置におけるY座標を算出することができる。
【0031】
次に、
図3に示すように、スイッチ31及び32を閉じ上部透明導電膜10のX軸方向に電位勾配を発生させる。この際、下部透明導電膜20に接続されているスイッチ51及び52は開いている。この状態でタッチパネルに指等が接触した場合には、タッチパネルの接触位置においては、下部透明導電膜20と上部透明導電膜10とが接触し、下部透明導電膜20は上部透明導電膜10の接触位置における電位となり、下部透明導電膜20に接続されている電位検出部61により電位が検出され、この電位に基づき不図示の制御部等においてタッチパネルの接触位置におけるX座標を算出することができる。
【0032】
以上により、抵抗膜方式によりタッチパネルの接触位置の位置検出を行なうことができる。
【0033】
また、本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、静電容量方式の位置検出を行なう場合には、
図4に示すように、上部透明導電膜10に接続されているスイッチ31及び32を開き、スイッチ33を閉じ、上部透明導電膜10の電位を電源42から供給される電位とする。この状態で、タッチパネルに指等が接触した場合、接触により静電容量が変化するため、電源42から上部透明導電膜10に流れ込む電流量が変化し、この電流量は電流検出部43により検出される。このような電流検出部43は図示しないが複数設けられており(例えば、4隅等に設けられており)、各々の電流検出部43により検出される電流値に基づき不図示の制御部等において、指等がタッチパネルに接触した接触位置を検出することができる。尚、
図4に示す状態においては、スイッチ51は開いており、スイッチ52は閉じていることが好ましい。スイッチ52を閉じることにより、下部透明導電膜20の全面を接地電位にすることができ、背面からのノイズ等による影響を防ぐことができるからである。
【0034】
本実施の形態では、例えば、
図2から
図4に示す工程を順次繰り返して行なうことにより、本実施の形態におけるタッチパネルの接触位置の位置検出を行なうことができる。
【0035】
本実施の形態におけるタッチパネルでは、抵抗膜方式による接触位置の位置検出を行なう場合には、上部透明導電膜10及び下部透明導電膜20が用いられ、静電容量方式による接触位置の位置検出を行なう場合には、上部透明導電膜10のみが用いられる。即ち、本実施の形態におけるタッチパネルにおいては、抵抗膜方式においても、静電容量方式においても、上部透明導電膜10は共通して用いられる。よって、本実施の形態におけるタッチパネルは、2種類のタッチパネルを積層して形成したものと比べて、厚さを薄くすることができ、低コストで製造することができる。即ち、触れるだけで位置検出を行なうことができ、接触するものの材質等が問われないタッチパネルを薄く、低コストで製造することができる。また、2種類のタッチパネルを積層して形成したものと比べて、透明導電膜の層数を減らすことができるため、視認性等を向上させることができる。
【0036】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態におけるタッチパネルについて説明する。
図5に示されるように、本実施の形態におけるタッチパネルは、5線式のタッチパネルであって、透明フィルム等により形成される上部電極基板の表面に形成された上部透明導電膜110とガラス等により形成された下部電極基板の表面に形成された下部透明導電膜120とを有するものであり、上部透明導電膜110と下部透明導電膜120とが対向するように配置されている。
【0037】
上部透明導電膜110には、下部透明導電膜120と接触した際の電位を検出するための電位検出部131と、上部透明導電膜110に所定の電位を印加するための電源132、スイッチ133及び電流検出部134が接続されている。尚、電位検出部131は抵抗膜方式検出部となるものであり、電流検出部134は静電容量方式検出部となるものである。
【0038】
また、下部透明導電膜120には、X軸方向及びY軸方向に電位勾配を発生させるためのスイッチ151及び152が設けられている。尚、スイッチ151は、電源電位(Vcc)に接続されており、スイッチ152は接地電位に接続されている。
【0039】
本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、抵抗膜方式により接触位置の位置検出を行なう場合には、
図6に示すように、スイッチ151及び152において所定の接点同士を接続することにより、下部透明導電膜120のY軸方向に電位勾配を発生させる。この状態でタッチパネルに指等が接触した場合には、タッチパネルの接触位置において、下部透明導電膜120と上部透明導電膜110とが接触し、上部透明導電膜110は下部透明導電膜120の接触位置における電位となり、上部透明導電膜110に接続されている電位検出部131により電位が検出され、この電位に基づき不図示の制御部等においてタッチパネルの接触位置におけるY座標が算出される。
【0040】
次に、
図7に示すように、スイッチ151及び152において他の所定の接点同士を接続することにより、下部透明導電膜120のX軸方向に電位勾配を発生させる。この状態でタッチパネルに指等が接触した場合には、タッチパネルの接触位置において、下部透明導電膜120と上部透明導電膜110とが接触し、上部透明導電膜110は下部透明導電膜120の接触位置における電位となり、上部透明導電膜110に接続されている電位検出部131により電位が検出され、この電位に基づき不図示の制御部等においてタッチパネルの接触位置におけるX座標が算出される。
【0041】
以上により、抵抗膜方式によりタッチパネルの接触位置の位置検出を行なうことができる。
【0042】
また、本実施の形態におけるタッチパネルにおいて、静電容量方式の位置検出を行なう場合には、
図8に示すように、上部透明導電膜110に接続されているスイッチ133を閉じ、上部透明導電膜110の電位を電源132から供給される電位とする。この状態で、タッチパネルに指等が接触した場合、接触により静電容量が変化し、電源132から上部透明導電膜110に流れ込む電流量が変化し、この電流量は電流検出部134により検出される。このような電流検出部134は図示しないが複数設けられており(例えば、4隅等に設けられており)、各々の電流検出部134により検出される電流値に基づき不図示の制御部等において、指等がタッチパネルに接触した接触位置を算出することができる。尚、
図8に示す状態においては、スイッチ151は開いており、スイッチ152は閉じられ接点同士が接続されていることが好ましい。スイッチ152を閉じることにより、下部透明導電膜120の全面を接地電位にすることができ、背面からのノイズ等による影響を防ぐことができるからである。
【0043】
本実施の形態では、例えば、
図6から
図8に示す工程を順次繰り返して行なうことにより、本実施の形態におけるタッチパネルの接触位置の位置検出を行なうことができる。
【0044】
本実施の形態におけるタッチパネルでは、抵抗膜方式による接触位置の位置検出を行なう場合には、上部透明導電膜110及び下部透明導電膜120が用いられ、静電容量方式による接触位置の位置検出を行なう場合には、上部透明導電膜110のみが用いられる。即ち、本実施の形態におけるタッチパネルにおいては、抵抗膜方式においても、静電容量方式においても、上部透明導電膜110は共通して用いられる。よって、本実施の形態におけるタッチパネルは、2種類のタッチパネルを積層して形成したものと比べて、厚さを薄くすることができ、低コストで製造することができる。即ち、触れるだけで位置検出を行なうことができ、接触するものの材質等が問われないタッチパネルを薄い厚さで、低コストで製造することができる。また、2種類のタッチパネルを積層して形成したものと比べて、透明導電膜の層数を減らすことができるため、視認性等を向上させることができる。
【0045】
尚、本実施の形態では、5線式のタッチパネルについて説明したが、7線式のタッチパネルにおいても同様に適用することができる。また、本実施の形態において、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0046】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるタッチパネルの上部透明導電膜をメッシュ状に分割した構造のものである。具体的には、
図9及び
図10に示されるように、上部電極基板となる透明基板230の表面に形成されている上部透明導電膜210をX軸及びY軸に対し45°となる直線に略平行に分割したものである。上部透明導電膜を分割した各々の領域は、Y軸方向に沿った領域211同士が接続部212により相互に電気的に接続されており、引出し線213と接続されている。また、X軸方向に沿った領域221同士が接続部222により相互に電気的に接続されており、引出し線223と接続されている。また、図に示されるように、下部透明導電膜20は、下部電極基板となるガラス等の透明基板240上に形成されている。尚、
図9は本実施の形態における上部透明導電膜210を有するタッチパネルの上面図であり、
図10は、
図9における一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図である。
【0047】
また、本実施の形態では、
図11及び
図12に示されるように、上部電極基板となる透明基板250の両面に上部透明導電膜が分割された領域を各々形成したものであってもよい。具体的には、透明基板250において下部透明導電膜20と対向する一方の面には、上部透明導電膜を分割したY軸方向に沿った領域261が形成されており、Y軸方向に沿った領域261同士が接続部262により相互に電気的に接続されており、引出し線263と接続されている。また、透明基板250における他方の面には、上部透明導電膜を分割したX軸方向に沿った領域271が形成されており、X軸方向に沿った領域271同士が接続部272により相互に電気的に接続されており、引出し線273と接続されている。尚、
図11は本実施の形態における上部透明導電膜を有するタッチパネルの上面図であり、
図12は、
図11における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図である。
【0048】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態から第3の実施の形態におけるタッチパネルの制御回路及び位置検出方法である。
【0049】
(制御回路1)
図13は、第1の実施の形態におけるタッチパネルを制御するための制御回路のブロック図である。この制御回路は、制御部310、電圧印加部320及び330、静電容量方式検出部340、抵抗膜方式検出部350、選択部360を有している。上部透明導電膜10は、選択部360と接続されており、選択部360は静電容量方式検出部340及び抵抗膜方式検出部350と接続されており、制御部310により制御により、静電容量方式検出部340または抵抗膜方式検出部350のいずれか一方が上部透明導電膜10と接続される。また、下部透明導電膜20は、抵抗膜方式検出部350と接続されている。
【0050】
静電容量方式検出部340は、上部透明導電膜10を用いて静電容量方式により位置検出を行なうためのものであり、例えば、電源42、スイッチ33及び電流検出部43を含むものである。また、抵抗膜方式検出部350は、上部透明導電膜10及び下部透明導電膜20を用いて抵抗膜方式による位置検出を行なうためのものであり、例えば、電位検出部41及び61を有するものである。電圧印加部320は、抵抗膜方式による位置検出を行う際に、上部透明導電膜10に電位分布を生じさせるためのものであり、電源及びスイッチ31及び32等を有している。また、電圧印加部330は、抵抗膜方式による位置検出を行う際に、下部透明導電膜20に電位分布を生じさせるためのものであり、電源及びスイッチ51及び52等を有している。
【0051】
制御部310は、タッチパネルの制御、即ち、電圧印加部320による上部透明導電膜10への電圧印加、電圧印加部330による下部透明導電膜20への電圧印加等の制御及び静電容量方式検出部340、抵抗膜方式検出部350からの情報に基づきタッチパネルにおける接触位置の位置検出を行なう処理等を行なうものであり、ホストI/Fを介し不図示のホストコンピュータ等に接続されている。
【0052】
(制御回路2)
図14は、第2の実施の形態におけるタッチパネルを制御するための制御回路のブロック図である。上部透明導電膜110は、選択部360と接続されており、選択部360は静電容量方式検出部440及び抵抗膜方式検出部450と接続されており、制御部310により制御により、静電容量方式検出部440または抵抗膜方式検出部450のいずれか一方が上部透明導電膜110と接続される。
【0053】
静電容量方式検出部440は、上部透明導電膜110を用いて静電容量方式により位置検出を行なうためのものであり、例えば、電源132、スイッチ133及び電流検出部134を含むものである。また、抵抗膜方式検出部450は、上部透明導電膜110及び下部透明導電膜120を用いて抵抗膜方式による位置検出を行なうためのものであり、例えば、電位検出部131を含むものである。電圧印加部430は、抵抗膜方式による位置検出を行う際に用いられるものであり、下部透明導電膜120において所定の電位分布、即ち、X軸方向における電位分布及びY軸方向における電位分布を生じさせるためのものであり、電源及びスイッチ151及び152等を有している。
【0054】
制御部310は、タッチパネルの制御、即ち、電圧印加部430による下部透明導電膜120への電圧印加等の制御及び静電容量方式検出部440、抵抗膜方式検出部450からの情報に基づきタッチパネルにおける接触位置の位置検出を行なう処理等を行なうものであり、ホストI/Fを介し不図示のホストコンピュータ等に接続されている。
【0055】
(位置検出方法1)
次に、
図15に基づき、第1の実施の形態におけるタッチパネルによる接触位置の位置検出方法について説明する。
【0056】
最初に、ステップ102(S102)において、静電方式による検出モードを選択する。具体的には、
図4に示されるように、上部透明導電膜10に接続されているスイッチ31及び32を開き、スイッチ33を閉じ、上部透明導電膜10の電位を電源42から供給される電位とする。この際、スイッチ51は開き、スイッチ52は閉じていることが好ましい。
【0057】
次に、ステップ104(S104)において、静電方式による接触位置の位置検出を行なう。具体的には、
図13に示す場合では、選択部360において上部透明導電膜10と静電容量方式検出部340とを接続し、上部透明導電膜10において静電方式による位置検出が可能な状態にする。
【0058】
次に、ステップ106(S106)において、静電方式により接触があるか否かが判断される。具体的には、電流検出部43において検出される電流量に基づき、静電方式による接触があるか否かが判断される。静電方式による接触があったものと判断された場合には、ステップ108に移行する。一方、静電方式による接触がなかったものと判断された場合には、ステップ110に移行する。
【0059】
次に、ステップ108(S108)では、電流検出部43において検出される電流量に基づき、静電方式により接触位置の座標位置が算出され、ホストコンピュータ等に送信される。
【0060】
次に、ステップ110(S110)において、抵抗膜方式による検出モードを選択する。具体的には、例えば、
図2に示されるように、スイッチ51及び52を閉じ下部透明導電膜20のY軸方向に電位勾配を発生させる。この際、上部透明導電膜10に接続されているスイッチ31及び32は開いている。
【0061】
次に、ステップ112(S112)において、抵抗膜方式による接触位置の位置検出を行なう。具体的には、
図13に示す場合では、選択部360において上部透明導電膜10と抵抗膜方式検出部350とを接続し、上部透明導電膜10及び下部透明導電膜20により抵抗膜方式による位置検出が可能な状態にする。
【0062】
次に、ステップ114(S114)において、抵抗膜方式により接触があるか否かが判断される。具体的には、電位検出部41において検出される電位に基づき、抵抗膜方式による接触があるか否かが判断される。抵抗膜方式による接触があったものと判断された場合には、ステップ116に移行する。一方、抵抗膜方式による接触がなかったものと判断された場合には、ステップ102に移行する。
【0063】
次に、ステップ116(S116)では、電位検出部41により検出される電位及び
図3に示す状態において電位検出部61により検出される電位に基づき、抵抗膜方式により接触位置の座標位置が算出され、ホストコンピュータ等に送信される。
【0064】
尚、ステップ110は、
図2に示される場合の他、
図3に示されるように、スイッチ31及び32を閉じ上部透明導電膜10のX軸方向に電位勾配を発生させてもよい。この際、下部透明導電膜20に接続されているスイッチ51及び52は開いている。
【0065】
以上により、第1の実施の形態のタッチパネルを用いて本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出を行なうことができる。このタッチパネルの位置検出方法によれば、如何なる接触物においても位置検出を行なうことができ、また、触れるだけでも位置検出を行なうことができるタッチパネルにおいて、簡単な工程により位置検出を行なうことができるため、タッチパネルの低コスト化に寄与する。
【0066】
(位置検出方法2)
次に、
図15に基づき、第2の実施の形態におけるタッチパネルによる接触位置の位置検出方法について説明する。
【0067】
最初に、ステップ102(S102)において、静電方式による検出モードを選択する。具体的には、
図8に示されるように、上部透明導電膜110に接続されているスイッチ133を閉じ、上部透明導電膜110の電位を電源132から供給される電位とする。
【0068】
次に、ステップ104(S104)において、静電方式による接触位置の位置検出を行なう。具体的には、
図14に示す場合では、選択部360において上部透明導電膜110と静電容量方式検出部440とが接続し、上部透明導電膜110において静電方式による位置検出が可能な状態にする。
【0069】
次に、ステップ106(S106)において、静電方式により接触があるか否かが判断される。具体的には、電流検出部134において検出される電流量に基づき、静電方式による接触があるか否かが判断される。静電方式による接触があったものと判断された場合には、ステップ108に移行する。一方、静電方式による接触がなかったものと判断された場合には、ステップ110に移行する。
【0070】
次に、ステップ108(S108)では、電流検出部134において検出される電流量に基づき、静電方式により接触位置の座標位置が算出され、ホストコンピュータ等に送信される。
【0071】
次に、ステップ110(S110)において、抵抗膜方式による検出モードを選択する。具体的には、例えば、
図6に示されるように、スイッチ151及び152において所定の接点同士を接続することにより、下部透明導電膜120のY軸方向に電位勾配を発生させる。
【0072】
次に、ステップ112(S112)において、抵抗膜方式による接触位置の位置検出を行なう。具体的には、
図14に示す場合では、選択部360において上部透明導電膜110と抵抗膜方式検出部450とを接続し、上部透明導電膜110及び下部透明導電膜120により抵抗膜方式による位置検出が可能な状態にする。
【0073】
次に、ステップ114(S114)において、抵抗膜方式により接触があるか否かが判断される。具体的には、電位検出部131において検出される電位に基づき、抵抗膜方式による接触があるか否かが判断される。抵抗膜方式による接触があったものと判断された場合には、ステップ116に移行する。一方、抵抗膜方式による接触がなかったものと判断された場合には、ステップ102に移行する。
【0074】
次に、ステップ116(S116)では、
図6に示す状態及び
図7に示す状態において、電位検出部131により検出される電位に基づき、抵抗膜方式により接触位置の座標位置が算出され、ホストコンピュータ等に送信される。
【0075】
尚、ステップ110は、
図6に示される場合の他、
図7に示されるように、スイッチ151及び152において他の所定の接点同士を接続することにより、下部透明導電膜120のX軸方向に電位勾配を発生させてもよい。
【0076】
以上により、第2の実施の形態のタッチパネルを用いて本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出を行なうことができる。このタッチパネルの位置検出方法によれば、如何なる接触物においても位置検出を行なうことができ、また、触れるだけでも位置検出を行なうことができるタッチパネルにおいて、簡単に位置検出を行なうことができるため、タッチパネルを低コストで使用することができる。。
【0077】
尚、第3の実施の形態におけるタッチパネルについても上記と同様のタッチパネルの位置検出方法により座標位置の位置検出を行なうことができる。
【0078】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。