(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の吸収式冷温水機は、木質ペレットを燃焼して発生した灰がドラム缶に溜まっていくこととなる。このため、灰が溜まったドラム缶は定期的に交換される必要がある。この交換が遅れてドラム缶から灰が溢れ出すようになってしまうと、灰はスクリューコンベア内に溜まることとなり、スクリューコンベアの破損や、スクリューコンベアを駆動するモータの故障の原因となってしまう。
【0006】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その発明の目的とするところは、スクリューコンベアやモータ等の部品故障の可能性を低減させることが可能な吸収式冷温水機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吸収式冷温水機は、蒸発器、吸収器、再生器及び凝縮器による循環サイクルによって空調機にて使用される冷水を得るものであって、再生器に供給され、冷媒を吸収した吸収液を加熱する燃焼装置と、燃焼装置において燃料として使用される木質ペレットを燃焼装置に対して供給する木質ペレット供給装置と、燃焼装置にて木質ペレットを燃焼させて発生した灰を当該燃焼装置外部の灰貯蔵部まで導く灰排出装置と、灰貯蔵部内の灰レベルを検出するレベルセンサと、レベルセンサにより検出された灰レベルが所定の第1レベル以上となった場合に第1警報を行い、レベルセンサにより検出された灰レベルが第1レベルよりも高い第2レベル以上となった場合に第2警報を行うと共に燃焼運転を停止させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この吸収式冷温水機によれば、灰貯蔵部内の灰レベルを検出し、検出された灰レベルが所定の第1レベル以上となった場合に第1警報を行うため、利用者は灰貯蔵部内の灰が一定レベルに達したことを知ることができ、灰貯蔵部の交換を促すことができる。また、検出された灰レベルが第2レベル以上となった場合に第2警報を行うと共に燃焼運転を停止させるため、例えば灰貯蔵部内の灰が溢れそうになっている状態を警報することができ、灰貯蔵部の交換を促すことができると共に、灰詰まりを防止すべく、運転を停止させることができる。従って、スクリューコンベアやモータ等の部品故障の可能性を低減させることができる。
【0009】
また、この吸収式冷温水機において、灰排出装置は、所定時間毎に灰を灰貯蔵部まで導く灰出し運転を実行し、レベルセンサは、灰レベルが第1レベル未満である場合にオフ信号を出力し、灰レベルが第1レベル以上となった場合にオン信号を出力し、灰レベルが第2レベル以上となった場合にオフ信号を出力し、制御手段は、レベルセンサからオン信号が出力された後に灰排出装置により少なくとも1回灰出し運転が実行され、レベルセンサからオフ信号が出力された場合に、第2警報を行うと共に燃焼運転を停止させること
を特徴とする。
【0010】
この吸収式冷温水機によれば、レベルセンサからオン信号が出力された後に、少なくとも1回灰出し運転が実行され、レベルセンサからオフ信号が出力された場合に、第2警報を行うと共に燃焼運転を停止させる。このため、例えば、交換警報が出力される状態で灰の山が崩れた場合、レベルセンサからの信号はオンからオフに移行し、灰の山が崩れて灰レベルが第1レベル未満になったにも拘わらず、灰レベルが第2レベル以上になったと誤って判断してしまう可能性があるが、この場合には少なくとも1回灰出し運転が実行されていないことが多く、灰の山が崩れたことによる誤判定を防止することができる。従って、より適切に警報を行い、運転停止を行うことができる。
【0011】
また、この吸収式冷温水機において、レベルセンサは、レーザ光を出射し、出射したレーザ光が物体に当たって反射した反射光を受信することにより、灰レベルを検出するレーザセンサであることが好ましい。
【0012】
この吸収式冷温水機によれば、レーザセンサを用いるため、灰貯蔵部に灰が導かれ、灰により灰貯蔵部内が灰煙で充満するような場合であっても誤った灰レベルを検出し難くすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スクリューコンベアやモータ等の部品故障の可能性を低減させることが可能な吸収式冷温水機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る吸収式冷温水機の一例を示す構成図である。なお、本実施形態では、いわゆる二重効用吸収冷温水機を一例として説明するが、これに限られるものではなく、単効用や三重効用の吸収冷温水機に適用してもよい。
【0016】
図1に示すように、吸収冷温水機1は、高温再生器10、分離器12、低温再生器14、凝縮器16、蒸発器18、吸収器20、溶液循環ポンプ22、高温及び低温溶液熱交換器24,26を備え、これらを配管接続することにより吸収冷凍サイクルを構成したものである。
【0017】
高温再生器10は、例えば冷媒となる水(以下、冷媒が蒸気化したものを冷媒蒸気と称し、冷媒が液化したものを液冷媒と称する)と、吸収液となる臭化リチウム(LiBr)とが混合された希溶液(吸収液の濃度が薄い溶液)を加熱するものである。この高温再生器10には燃焼装置10aが設けられており、燃焼装置10aにより希溶液を加熱する構成となっている。また、高温再生器10は、希溶液を加熱して希溶液から蒸気を放出させることにより、冷媒蒸気と中間濃溶液(吸収液の濃度が中程度の溶液)とを生成する。高温再生器10は、これら冷媒蒸気と中間濃溶液とを分離器12に供給する。
【0018】
なお、燃焼装置10aは、高温再生器10内の希溶液を加熱できれば、高温再生器10内に設けられていてもよく、高温再生器10に隣接配置されていてもよい。さらに、燃焼装置10aは、燃焼により得られた熱を高温再生器10に導き、導かれた熱により希溶液を加熱する構成となっていてもよい。
【0019】
分離器12は、冷媒蒸気と中間濃溶液とを分離するものである。また、分離器12は、分離した中間濃溶液を高温溶液熱交換器24に供給し、分離した冷媒蒸気を低温再生器14に供給する。
【0020】
高温溶液熱交換器24は、分離器12から供給された中間濃溶液と、吸収器20から溶液循環ポンプ22により送られてきた希溶液とを熱交換するものである。また、高温溶液熱交換器24は、熱交換により温度が低下した中間濃溶液を低温再生器14に供給する。
【0021】
低温再生器14は、熱交換により温度が低下した中間濃溶液と、分離器12から供給された冷媒蒸気と熱交換するものである。この低温再生器14において、中間濃溶液は再加熱されることとなり、再び蒸気を放出して濃度の高い濃溶液となる。また、低温再生器14は、濃溶液を低温溶液熱交換器26に供給し、冷媒蒸気を凝縮器16に供給する。
【0022】
凝縮器16は、低温再生器14から供給された冷媒蒸気を液化させるものである。この凝縮器16内には、冷水伝熱管16aが挿通されている。冷水伝熱管16aには冷却水が供給されており、蒸発した冷媒蒸気は冷水伝熱管16a内の冷却水によって液化する。さらに、凝縮器16は液冷媒貯蔵室16bを有しており、液化した冷媒は液冷媒貯蔵室16bにて貯蔵される。また、液冷媒貯蔵室16bは、貯蔵した液冷媒を蒸発器18に供給する。
【0023】
蒸発器18は、液冷媒を蒸発させるものである。この蒸発器18内には、液冷媒分配器18aと冷水伝熱管18bが設けられている。液冷媒分配器18aは、
液冷媒貯蔵室16bから供給される液冷媒を導入し、液冷媒を冷水伝熱管18bに向けて散布するものである。
【0024】
冷水伝熱管18bは、室内機と接続されており、室内機による冷却に利用されて暖められた水が流れている。また、蒸発器18内は、略真空状態となっている。このため、冷媒である水の蒸発温度は約5℃となる。よって、冷水伝熱管18b上に落ちた液冷媒は冷水伝熱管18bの温度によって蒸発することとなる。また、冷水伝熱管18b内の水は、液冷媒の蒸発によって温度が奪われる。これにより、冷水伝熱管18b内の水は冷水として室内機に供給され、
室内機は冷水を利用して冷風を室内に供給することとなる。
【0025】
また、蒸発器18は、仕切りを介して吸収器20と隣接して設けられており、蒸発した冷媒は、仕切りを越えて吸収器20に供給される。
【0026】
低温溶液熱交換器26は、低温再生器14において暖められた濃溶液と、吸収器20から溶液循環ポンプ22により送られてきた希溶液とを熱交換するものである。また、低温溶液熱交換器26は、熱交換により温度が低下した濃溶液を吸収器20に供給する。
【0027】
吸収器20は、蒸発器18において蒸発した冷媒蒸気を吸収するものである。この吸収器22内には低温溶液熱交換器26から濃溶液が供給され、蒸発した冷媒蒸気は濃溶液によって吸収され、希溶液が生成される。また、吸収器20には、冷水伝熱管20aが挿通されている。冷水伝熱管20aには冷却水が流れており、濃溶液の冷媒の吸収により吸収熱は、冷水伝熱管20aの冷却水により除去される。なお、この冷水伝熱管20aは、冷水伝熱管16aと接続されている。
【0028】
また、吸収器20は、冷媒の吸収により濃度が低下した希溶液を溶液循環ポンプ22によって高温再生器10に供給する。なお、希溶液は、上記したように、高温及び低温溶液熱交換器24,26により熱交換されて温度が低下した状態で高温再生器10に供給される。
【0029】
また、吸収式冷温水機1は、温度センサ28と、制御装置(制御手段)30とを備えている。温度センサ28は、冷水伝熱管18bの出口側(すなわち空調機に供給される側)の冷水温度を検出するものである。また、温度センサ28は、検出した冷水温度を制御装置30に送信する構成となっている。
【0030】
制御装置30は、吸収式冷温水機1の全体を制御するものである。この制御装置30は、冷水伝熱管18bの出口側の冷水温度に基づいて、燃焼装置10aを制御する。具体的に制御装置30は、検出した冷水温度が高い場合には、燃焼装置10aの燃焼率を高めて冷水温度が低くなるように制御すると共に、冷水温度が低い場合には、燃焼装置10aの燃焼率を低めて冷水温度が高くなるように制御する。
【0031】
さらに、本実施形態に係る吸収式冷温水機1は、木質ペレット供給装置40と、灰排出装置50とを備えている。
図2は、木質ペレット供給装置40の概略を示す構成図である。
【0032】
図2に示す木質ペレット供給装置40は、燃焼装置10aにおいて燃料として使用される木質ペレットを燃焼装置10aに対して供給するものであって、サイロ41、スクリューコンベア42、及び、モータ43を備えている。ここで、木質ペレットとは、おが粉や、かんな屑等の製材副産物を圧縮成型した小粒の固形燃料である。
【0033】
サイロ41は、木質ペレットを貯蔵する貯蔵庫としての役割を果たすものである。このサイロ41の先端には、燃焼装置10aまで延びる供給路41aが設けられており、サイロ41内の木質ペレットは、供給路41aを通じて燃焼装置10aまで供給される。
【0034】
スクリューコンベア42は、供給路41a内に配置されるスクリュー形状のコンベアである。供給路41a内の木質ペレットは、スクリューコンベア42が回転することにより燃焼装置10aまで供給される。モータ43は、制御装置30からの信号を受けてスクリューコンベア42を回転動作させるものである。
【0035】
図3は、灰排出装置50の概略を示す構成図である。
図3に示すように、灰排出装置50は、燃焼装置10aにて木質ペレットを燃焼させて発生した灰を当該燃焼装置10aの外部のドラム缶54まで導くものである。この灰排出装置50は、灰排出路51、スクリューコンベア52、モータ53、ドラム缶(灰貯蔵部)54、及びレベルセンサ55を備えている。
【0036】
灰排出路51は、燃焼装置10aからドラム缶54まで灰を導く通路である。スクリューコンベア52は、灰排出路51内に配置されるスクリュー形状のコンベアである。灰排出路51内の灰は、スクリューコンベア52が回転することによりドラム缶54まで導かれる。モータ53は、制御装置30からの信号を受けてスクリューコンベア52を回転動作させるものである。ドラム缶54は、燃焼装置10aにて発生した灰を貯蔵するものであって、作業者により定期的に交換されるものである。
【0037】
レベルセンサ55は、ドラム缶54内の灰レベル、すなわち灰の高さを検出するものである。このレベルセンサ55は、三角測量を応用した方式で灰の高さを検出するものであり、発光素子と光位置検出素子等の組み合わせで構成されている。このレベルセンサ55において、発光素子から出射された光は投光レンズを通し集光され、測定対象物(本実施形態では灰)に照射される。測定対象物から拡散反射された光の一部は受光レンズを通して光位置検出素子上にスポットを形成する。その対象物が移動するごとにスポットも移動するので、レベルセンサ55は、そのスポットの位置を検出することで対象物までの変位量を検出することとなる。このような、レベルセンサ55は、検出した灰レベルが所定の第1レベル未満である場合にオフ信号を出力し、灰レベルが所定の第1レベル以上となった場合にオン信号を出力する。また、レベルセンサ55は、検出した灰レベルが第1レベルよりも高い第2レベル以上となるとオフ信号を出力する。
【0038】
さらに、本実施形態において制御装置30は、灰レベルに応じて警報及び燃焼運転を緊急停止させる機能を備えている。具体的に制御装置30は、レベルセンサ55により検出された灰レベルが所定の第1レベル以上となった場合、すなわちレベルセンサ55からの出力がオンになった場合に交換警報(第1警報)を行う。ここで、交換警報とは、ドラム缶54内の灰が一定の高さまで達したことを示す警報であり、この交換警報によりドラム缶54の交換が促されることとなる。なお、第1レベルは、ドラム缶54の大きさ等により適宜決定される。
【0039】
また、制御装置30は、レベルセンサ55により検出された灰レベルが第1レベルよりも高い第2レベル以上となった場合、すなわちレベルセンサ55からの出力がオンになった後にオフに移行した場合に、異常警報(第2警報)を行うと共に燃焼運転を停止させる。ここで、異常警報とは、ドラム缶54内の灰がより多量に入ったことを示す警報であり、この異常警報によりドラム缶54の交換が緊急的に促される共に、燃焼運転の停止が報知されることとなる。
【0040】
より詳細に制御装置30は、レベルセンサ55により検出された灰レベルが第1レベル以上となった後に灰排出装置50により少なくとも1回灰出し運転が実行され、その後レベルセンサ55により検出された灰レベルが第2レベル以上となった場合に、異常警報を行うと共に燃焼運転を停止させる。このため、例えば、交換警報が出力される状態で灰の山が崩れた場合、レベルセンサ55からの信号はオンからオフに移行し、灰の山が崩れて灰レベルが第1レベル未満になったにも拘わらず、灰レベルが第2レベル以上になったと誤って判断してしまう可能性があるが、この場合には少なくとも1回灰出し運転が実行されていないため、灰の山が崩れたことによる誤判定を防止することができる。
【0041】
図4は、本実施形態に係る吸収式冷温水機1の動作の概略を示すタイミングチャートであって、警報動作等の概略を示している。
図4に示すように、まず、時刻0において所定の灰がドラム缶54内に入っているとする。
【0042】
そして、時刻t1において灰排出装置50により灰出し運転が開始されたとすると、灰レベルは増加することとなる。次いで、時刻t2において灰出し運転が停止したとすると、灰レベルはその後一定のレベルを保つこととなる。なお、灰出し運転は、例えば1時間に1回4分間など、所定時間毎に制御装置30からの指令によって実行される。
【0043】
その後、時刻t3において再度灰出し運転が開始されたとすると、灰レベルは高まっていく。そして、時刻t4において灰レベルが第1レベルに達したとすると、レベルセンサ55の出力はオンとなる。これにより、制御装置30は、交換警報を出力し、作業者にドラム缶54の交換を促すこととなる。ここで、本実施形態に係るレベルセンサ55は、灰レベルが第1レベル以上第2レベル未満の場合にオン信号を出力し、それ以外の場合にオフ信号を出力するものである。
【0044】
そして、時刻t5において灰出し運転が停止し、時刻t6〜t7において灰出し運転が実行される。
【0045】
次いで、時刻t8において灰出し運転が再開され、時刻t9において灰レベルが第2レベルに達したとする。これにより、レベルセンサ55の出力はオフとなる。また、時刻t5〜t8の間の時刻t6〜t7において、1回の灰出し運転が実行されているため、制御装置30は、異常警報を出力すると共に、燃焼運転を停止させることとなる。
【0046】
なお、上記において制御装置30は、灰レベルが第2レベル以上となったタイミングで、異常警報を出力し、燃焼運転を停止させるが、これに限らず、例えば以下のようにしてもよい。すなわち、制御装置30は、灰レベルが第2レベル以上となった灰出し運転が停止し、規定時間(例えば5分)経過後の時刻t11において灰レベルが第2レベル以上を維持する場合に、異常警報を出力すると共に、燃焼運転を停止させてもよい。このように規定時間経過を待つことにより、灰をドラム缶54に投入する際に生じる灰の拡散の影響を排除することができるからである。なお、規定時間を待つ処理は、レベルセンサ55が灰レベルを検出する際に常に行ってもよい。これにより、常に灰レベルの検出精度を高めることができるからである。
【0047】
次に、本実施形態に係る吸収式冷温水機1の動作の詳細を説明する。
図5は、本実施形態に係る吸収式冷温水機1の動作の詳細を示すフローチャートであって、警報動作等の動作を示している。
【0048】
図5に示すように、まずレベルセンサ55は、灰レベルを検出する(S1)。次に、制御装置30は、灰レベルが第1レベル以上であるか否かを判断する(S2)。灰レベルが第1レベル以上でないと判断した場合(S2:NO)、処理はステップS1に移行する。
【0049】
一方、灰レベルが第1レベル以上であると判断した場合(S2:YES)、制御装置30は、交換警報を出力する(S3)。そして、制御装置30は、灰レベルが第1レベル以上と判断されてから、灰出し運転を実行したか否かを判断する(S4)。なお、ステップS4では、複数回灰出し運転を実行したか否かを判断するようにしてもよい。
【0050】
灰出し運転を実行していないと判断した場合(S4:NO)、処理はステップS4に移行する。灰出し運転を実行したと判断した場合(S4:YES)、レベルセンサ55は、再度灰レベルを検出する(S5)。次いで、制御装置30は、灰レベルが第2レベル以上であるか否かを判断する(S6)。灰レベルが第2レベル以上でないと判断した場合(S6:NO)、処理はステップS5に移行する。
【0051】
一方、灰レベルが第2レベル以上であると判断した場合(S6:YES)、制御装置30は、異常警報を出力する(S7)。その後、制御装置30は、燃焼運転を停止させる(S8)。その後、
図5に示す処理は終了する。
【0052】
このようにして、本実施形態に係る吸収式冷温水機1によれば、ドラム缶54内の灰レベルを検出し、検出された灰レベルが所定の第1レベル以上となった場合に交換警報を行うため、利用者はドラム缶54内の灰が一定レベルに達したことを知ることができ、ドラム缶54の交換を促すことができる。また、検出された灰レベルが第2レベル以上となった場合に異常警報を行うと共に燃焼運転を停止させるため、例えばドラム缶54内の灰が溢れそうになっている状態を警報することができ、ドラム缶54の交換を促すことができると共に、灰詰まりを防止すべく、運転を停止させることができる。従って、スクリューコンベアやモータ等の部品故障の可能性を低減させることができる。
【0053】
さらに、ドラム缶54の交換が遅れてしまうと、燃焼装置10aにおける排ガス通路の詰まりなどを引き起こす可能性もあり、このような場合には燃焼効率が低下してしまう。しかし、本実施形態では燃焼効率の低下の可能性についても低減させることができる。
【0054】
また、レベルセンサ55からオン信号が出力された後に、少なくとも1回灰出し運転が実行され、レベルセンサ55からオフ信号が出力された場合に、第2警報を行うと共に燃焼運転を停止させる。このため、例えば、交換警報が出力される状態で灰の山が崩れた場合、レベルセンサ55からの信号はオンからオフに移行し、灰の山が崩れて灰レベルが第1レベル未満になったにも拘わらず、灰レベルが第2レベル以上になったと誤って判断してしまう可能性があるが、この場合には少なくとも1回灰出し運転が実行されていないことが多く、灰の山が崩れたことによる誤判定を防止することができる。従って、より適切に警報を行い、運転停止を行うことができる。
【0055】
また、レベルセンサ55にレーザセンサを用いるため、ドラム缶54に灰が導かれ、灰によりドラム缶54内が灰煙で充満するような場合であっても誤った灰レベルを検出し難くすることができる。
【0056】
すなわち、レベルセンサ55に赤外線センサを用いた場合には、灰煙により誤検出を起こしやすくなってしまうが、レーザセンサであると、このような事態が生じてしまう頻度を低減することができる。
【0057】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、本実施形態に係る吸収式冷温水機1において各種構成や寸法等については図示したものに限られるものではない。