特許第5797576号(P5797576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイガースポリマー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5797576-ディスクストッパーおよびその製造方法 図000002
  • 特許5797576-ディスクストッパーおよびその製造方法 図000003
  • 特許5797576-ディスクストッパーおよびその製造方法 図000004
  • 特許5797576-ディスクストッパーおよびその製造方法 図000005
  • 特許5797576-ディスクストッパーおよびその製造方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797576
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】ディスクストッパーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 17/028 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   G11B17/028 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-24856(P2012-24856)
(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公開番号】特開2013-161510(P2013-161510A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2014年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108498
【氏名又は名称】タイガースポリマー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】工藤 啓悟
【審査官】 深沢 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−112491(JP,A)
【文献】 特開2004−131535(JP,A)
【文献】 特開2008−310881(JP,A)
【文献】 特開平04−205956(JP,A)
【文献】 特開平11−190076(JP,A)
【文献】 特開2000−182306(JP,A)
【文献】 特開2003−082136(JP,A)
【文献】 特開2005−239913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 17/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクドライブ装置のターンテーブルに粘着一体化するための粘着層と、ディスクに密着対向してディスクのすべりを防止するグリップ層とを少なくとも備える積層構造のディスクストッパーであって、
ターンテーブルにもディスクにも対向しないディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部が粘着層以外の第2の層で覆われており、
前記第2の層がグリップ層であるディスクストッパー。
【請求項2】
ディスクドライブ装置のターンテーブルに粘着一体化するための粘着層と、ディスクに密着対向してディスクのすべりを防止するグリップ層とを少なくとも備える積層構造のディスクストッパーであって、
ターンテーブルにもディスクにも対向しないディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部が粘着層以外の第2の層で覆われており、
ディスクストッパーは、粘着層とグリップ層の間にさらに補強層を有しており、
前記第2の層が補強層であディスクストッパー。
【請求項3】
ディスクドライブ装置のターンテーブルに粘着一体化するための粘着層と、ディスクに密着対向してディスクのすべりを防止するグリップ層とを少なくとも備える積層構造のディスクストッパーであって、ターンテーブルにもディスクにも対向しないディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部が粘着層以外の第2の層で覆われたディスクストッパーを製造する方法であって、
離型性の基材を準備する第1工程と、
液状またはペースト状とした粘着層の材料を、前記基材の表面に、粘着層の平面形状に塗布して、粘着層を形成する第2工程と、
第2工程に引き続き、形成された粘着層の平面形状よりも大きな透孔パターンを有するスクリーンマスクを用いて、第2の層を形成する液状またはペースト状の材料によってスクリーン印刷を行い、第2の層を形成すると共に、ディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部を第2の層で覆う第3工程と、
を含むディスクストッパーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクドライブ装置に用いられるディスクストッパー、特にディスクドライブ装置のターンテーブルに設けられるディスクストッパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータや家電製品などに使用され、ディスクメディアが交換可能なディスクドライブ装置(以下単に「ディスク装置」と記載する)としては、CDやDVD,ブルーレイディスクなどのディスクメディアを読み書き可能なディスク装置が知られている。これらディスク装置においては、ディスクメディアは、ディスク装置のターンテーブルに把持されて、高速回転して使用に供される。そして、ターンテーブルとディスクメディアとの相対回転(スリップ)を防止するために、ターンテーブルには、ディスクストッパーと呼ばれる摩擦部材が設けられる。ディスクストッパーは、ターンテーブルとディスクメディアの間に挟まれるような位置に設けられる。
【0003】
ディスクストッパーは、ゴムなどの摩擦材料によりリング状に形成されて、ターンテーブルに貼着一体化されることが多い。そのようなディスクストッパーとしては、例えば、特許文献1に開示されたようなものが知られている。
特許文献1には、片面にプライマー層および粘着層を順次有する熱可塑性エラストマーシートをディスクストッパー用シートとすることが開示されており、当該ディスクストッパー用シートを打ち抜き加工してディスクストッパーを製造することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−082136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたような従来技術のディスクストッパーでは、打ち抜き加工により製造していることもあり、ディスクストッパーの側面に、粘着層の側面が露出している。そのため、露出した粘着層側面部に、ごみやほこりといった異物がくっついてしまうおそれがある。ディスク装置の正確な書き取りや読み取りのため、ターンテーブルがディスクメディアを把持する部分には高精度が求められるが、ディスクストッパー周辺に異物が付着してしまうと、ディスクメディアの把持精度が低下し、ディスク装置の動作に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、ディスクストッパー側面への異物の付着を防止できるディスクストッパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は、鋭意検討の結果、ディスクストッパーの側面への粘着層の露出を防止すると、上記課題が解決できることを知見し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、ディスクドライブ装置のターンテーブルに粘着一体化するための粘着層と、ディスクに密着対向してディスクのすべりを防止するグリップ層とを少なくとも備える積層構造のディスクストッパーであって、ターンテーブルにもディスクにも対向しないディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部が粘着層以外の第2の層で覆われており、前記第2の層がグリップ層であるディスクストッパーである(第1発明)。
【0009】
また、本発明は、ディスクドライブ装置のターンテーブルに粘着一体化するための粘着層と、ディスクに密着対向してディスクのすべりを防止するグリップ層とを少なくとも備える積層構造のディスクストッパーであって、ターンテーブルにもディスクにも対向しないディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部が粘着層以外の第2の層で覆われており、ディスクストッパーは、粘着層とグリップ層の間にさらに補強層を有しており、前記第2の層が補強層であるディスクストッパーである(第2発明)。
【0010】
また、本発明は、ディスクドライブ装置のターンテーブルに粘着一体化するための粘着層と、ディスクに密着対向してディスクのすべりを防止するグリップ層とを少なくとも備える積層構造のディスクストッパーであって、ターンテーブルにもディスクにも対向しないディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部が粘着層以外の第2の層で覆われたディスクストッパーを製造する方法であって、離型性の基材を準備する第1工程と、液状またはペースト状とした粘着層の材料を、前記基材の表面に、粘着層の平面形状に塗布して、粘着層を形成する第2工程と、第2工程に引き続き、形成された粘着層の平面形状よりも大きな透孔パターンを有するスクリーンマスクを用いて、第2の層を形成する液状またはペースト状の材料によってスクリーン印刷を行い、第2の層を形成すると共に、ディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように、粘着層の側縁部を第2の層で覆う第3工程と、を含むディスクストッパーの製造方法である(第発明)。
【発明の効果】
【0011】
本発明のディスクストッパー(第1発明、第2発明)によれば、ディスクストッパーの側面に粘着層が露出しないようになっているので、ターンテーブルに貼着されたディスクストッパーの周囲にごみやほこりなどの異物が付着することを防止あるいは抑制できる。そして本発明のディスクストッパー製造方法(第発明)によれば、そのようなディスクストッパーを効率的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態のディスクストッパーの正面図及び断面図である。
図2】本発明のディスクストッパーの使用形態を示す模式図である。
図3】本発明の第1実施形態のディスクストッパーの製造工程を段階的に示す模式断面図である。
図4】本発明の第2実施形態のディスクストッパーの正面図及び断面図である。
図5】本発明の第3実施形態のディスクストッパーの使用形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について具体的に説明する。なお本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
【0014】
図1には、本発明の第1実施形態のディスクストッパーの正面図及び断面図を示す。ディスクストッパー1は、平板状のリング形状に形成された部材である。図2に示すように、本発明のディスクストッパー1は、ディスク装置(CD、DVD、ブルーレイなどの交換可能なディスクメディアDに対し電子情報の読み書きを行う装置)のターンテーブルTに貼り付けられて使用される。なお、図2では、ターンテーブルTが有する保持機構などの詳細な構造は省略している。
【0015】
本実施形態のディスクストッパー1は、粘着層11とグリップ層12とを有する積層構造のリング状部材である。粘着層11は、ディスク装置のターンテーブルTと貼り付けるための層であり、粘着剤によってリング状に設けられている。グリップ層12は、ディスク装置の使用時に、ディスクメディアDがターンテーブルTに取り付けられる際に、ディスクメディアDと直接対向し、密着する層であり、グリップ層12とディスクメディアDとの間の摩擦によって、ディスクメディアDがターンテーブルTに対しスリップすることが防止される。グリップ層12もまた、リング状に形成されている。本実施形態においては、粘着層11とグリップ層12とによってディスクストッパー1が構成されている。
【0016】
粘着層11を構成する粘着剤は、ディスクストッパー1をターンテーブルTに貼着一体化できる限りにおいて、多様な粘着剤が使用できる。特に好ましくは、天然ゴムやシリコーンゴムといった低硬度のゴム系の粘着剤や、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが使用できる。
【0017】
グリップ層12を構成する材料は、エチレンプロピレンジエンゴムやシリコーンゴムをはじめとする加硫ゴムが好ましく使用される。ゴムとしては、そのほか、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、およびウレタンゴム(特にシリル化ウレタンゴム)等の任意のゴムを使用することができ、複数種類のゴムを混合して使用することもできる。
【0018】
本実施形態においては、粘着剤層11は硬度20度程度のシリコーンゴムにより、グリップ層12は硬度55程度のシリコーンゴムにより形成され、両者は架橋一体化されている。
【0019】
図1の断面図に示したように、リング状の粘着層11の内周側側縁部11aと外周側側縁部11bの上面と側面を覆うように、グリップ層12が設けられている。即ち、グリップ層12は、粘着層11の平面形状よりも大きな平面形状を有しており、グリップ層12の外周縁は粘着層11の外周縁よりも大きな円に、グリップ層12の内周縁は粘着層11の内周縁よりも小さな円に形成されている。そして、ディスクストッパー1の内周側側面1aや外周側側面1bには、グリップ層12のみが露出し、粘着層11の内周側側縁部11aと外周側側縁部11bは露出しない。なお、ディスクストッパー1の側面(1a,1b)とは、リング状のディスクストッパー1の外面のうち、ディスク装置が使用される際にターンテーブルTにもディスクメディアDにも対向しない面である。
【0020】
また、リング状の粘着層11の内周側側縁部11aと外周側側縁部11bが、グリップ層12によって覆われる結果、ディスクストッパー1がターンテーブルTに当接する側の面(下面)では、粘着層の表面と、グリップ層の一部とが、実質的に同一平面上に連続して現れている。
【0021】
図3を参照しながら、本発明のディスクストッパーの製造方法を説明する。
まず最初に、離型性を有する基材Pを準備する(第1工程)。基材Pの上で、粘着層11とグリップ層12が順次積層形成されてディスクストッパー1となり、その後、基材Pからディスクストッパー1を剥離してターンテーブルTに貼り付けて使用する。基材Pとしては、粘着層の剥離が可能なように、その表面に離型性が付与されたシート状の材料が使用される。基材Pとしては、離型性処理をしたPETフィルムや、離型剤をコーティングした紙などが好ましく使用される。
【0022】
次に、基材P上に、粘着層11を形成する(第2工程)。粘着層の形成に当たっては、適度な粘度となるように調製した液状あるいはペースト状の粘着層の材料を準備し、その材料を粘着層の平面形状と同一形状で基材Pに塗布することによって、基材P上に粘着層11を直接形成する。液状またはペースト状の材料の塗布は、スクリーン印刷や、メタルマスク版を用いた印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、スプレー、ディスペンサー、筆などの手段によることができる。
【0023】
図3(a)には、上記第1実施形態に対応して、基材P上に、粘着層11の平面形状と合致するリング状の透孔を有するスクリーンマスクM1を用いて、スキージSにより未架橋シリコーンゴムペースト(シリコーン系粘着剤となる材料)をスクリーン印刷する工程を示している。スクリーン印刷が完了した後に、図3(b)に示すように、スクリーンマスクM1を取り外すと、基材P上に粘着層の予備成形体L1が形成された状態となる。
【0024】
基材P上に粘着層の予備成形体L1が形成された後、必要に応じて、液状またはペースト状材料に含まれていた溶剤や揮発させたり、粘着層予備成形体L1の予備架橋を行なったりして、粘着層予備成形体L1の形態を安定させる処理を行っても良い。
【0025】
引き続き、粘着層予備成形体L1を覆うようにグリップ層を形成する(第3工程)。本工程は、粘着層(粘着層予備成形体L1)の平面形状よりも大きなリング状の形状の透孔パターンを有するスクリーンマスク(スクリーン版)M2を用いて行う。図3(c)に示すように、基材P上に形成された粘着層予備成形体L1が、スクリーンマスクM2の透孔に入るように、スクリーンマスクを配置し、グリップ層を構成する液状またはペースト状の材料(本実施形態においては、ペースト状の未架橋シリコーンゴム)を、スキージSによってスクリーン印刷する。グリップ層となる未架橋ゴム材料を溶剤により溶解して、液状またはペースト状の材料として、本工程に供することもできる。
【0026】
すると、グリップ層12を構成する材料が透孔部分に充填されて、粘着層予備成形体L1を覆うように、グリップ層予備成形体L2が形成される。その後、図3(d)に示すように、スクリーンマスクM2を取り外すと、基材P上に粘着層予備成形体L1とグリップ層予備成形体L2が積層状態で残る。この時点で、リング状の粘着層予備成形体L1の内周縁部分と外周縁部分とを覆うように、グリップ層予備成形体L2が形成され、粘着層予備成形体L1は外部に露出しない状態となっている。また、リング状のグリップ層予備成形体L2の外周縁部と内周縁部では、グリップ層を構成する材料が基材Pに直接接触し、粘着層の材料とグリップ層の材料とが基材Pに面するように連続して存在するようにされている。
【0027】
その後、必要に応じ、粘着層予備成形体L1とグリップ層予備成形体L2を架橋して硬化させると、粘着層11とグリップ層12とが積層一体化された、上記第1実施形態のディスクストッパー1が得られる(図3(e))。ディスクストッパー1は離型性の基材Pに貼り付けられた状態で得られ、使用に際しては、図3(f)に示すように、基材Pから、ディスクストッパー1をはがして、ターンテーブルに貼着できる。なお、粘着層11やグリップ層12に対する架橋は、必要に応じ、公知の方法により行うことができる。架橋を利用して、粘着層11とグリップ層12とを強固に一体化することが特に好ましい。なお、使用する材料にもよるが、架橋は必須ではない。
【0028】
本発明のディスクストッパー1の作用及び効果について説明する。ディスクストッパー1は離型性の基材Pからはがして、ターンテーブルTに貼着一体化されて使用に供されるが、粘着層11が、ディスクストッパー1の側面1a、1bに露出しないように、粘着層の側縁部11a、11bがグリップ層12により覆われている。そのため、ディスク装置が使用される際に、ほこりやごみなどの異物が、粘着層の側縁部11a、11bにくっついてしまうことが防止あるいは抑制される。
【0029】
また、グリップ層12により、粘着層の側縁部11a、11bを覆うようにすれば、グリップ層12と粘着層11の2層構造という、非常に簡単な構成でディスクストッパー1を構成でき、製造効率及びコスト面でのメリットが大きい。
【0030】
粘着層の側縁部を覆う層は、必ずしもグリップ層でなければならないわけではなく、ディスクストッパーを構成する他の層であっても良い。例えば、図4に示す本発明の第2実施形態のディスクストッパー2では、粘着層21の側縁部は、補強層23により覆われている。第2実施形態においても、同様の異物付着防止効果が得られる。このように、本発明では、積層構造のディスクストッパーを構成する層のうち、粘着層以外の層(第2の層)によって、粘着層の側縁部が覆われていれば、異物付着防止効果が得られる。
【0031】
また、上記第1実施形態においては、ディスクストッパー1がターンテーブルTに当接する側の面では、粘着層11の表面と、グリップ層12の一部とが、実質的に同一平面上に連続して現れている。かかる構成を備えることにより、粘着層11の外側の部分に位置するグリップ層12の一部が、ターンテーブルTと密着するようになって、グリップ層12とターンテーブルTの間に異物が挟まることが未然防止され、異物の付着防止効果が高められる。
【0032】
また、本発明のディスクストッパー製造方法によれば、離型性基材上に粘着層(予備成形体)を形成し、粘着層を覆うように、第2の層(上記第1実施形態ではグリップ層)を形成し、第2の層の形成を、特定の形態の透孔を有するスクリーンマスクを使用したスクリーン印刷により行うようにしたので、非常に効率的に、本発明のディスクストッパーを製造することができる。
【0033】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
【0034】
図4には、本発明第2実施形態のディスクストッパー2の正面図及び断面図を示す。本実施形態における粘着層21の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態のディスクストッパー2は、粘着層21、補強層23、グリップ層22がこの順番に積層された積層構造を有する。
【0035】
本実施形態における補強層23とは、粘着層21やグリップ層22よりも比較的硬質な材料(例えばより硬度の高いゴム材料や、樹脂材料)により構成される層である。補強層の存在により、ディスクストッパーを薄型化しながらも、ディスクストッパーの貼着作業時に、ディスクストッパー2がその平板状の形状を維持し、貼着作業の作業効率を高めるのに寄与することができる。
【0036】
本実施形態においては、補強層23が、粘着層21の内周縁21aや外周縁21bの部分を覆うように形成されており、ディスクストッパーの側面に粘着層が露出せず、第1実施形態と同様に、ほこりやごみなどの異物が付着することが防止される。
【0037】
また、本実施形態においては、グリップ層22は、扇状の平面形状のパターンが放射状に配置された形態とされている。このように、グリップ層の具体的な平面形状は、第1実施形態のようなリング状に限定されるものではなく、ドット状や同心円状、放射状、メッシュ状など、多様なパターンとすることができる。また、本実施形態に示すように、グリップ層は、1つに連続した層である必要はない。
【0038】
同様に、粘着層についても、上記実施形態の説明ではリング状の平面形状を有するものを中心に説明したが、グリップ層と同様に、その具体的な平面形状は、リング状に限定されるものではなく、ドット状や同心円状、放射状、メッシュ状など、多様なパターンとすることができる。グリップ層と同様に、粘着層もまた、1つに連続した層である必要はない。本発明においては、粘着層が多様なパターンで形成されていても、それらの内周縁や外周縁の部分を覆うように、第2の層(第1実施形態におけるグリップ層や第2実施形態における補強層)が設けられていれば、異物付着防止の効果が発揮される。
【0039】
また、本発明の第3実施形態のディスクストッパー3の使用形態を図5に示すが、本実施形態においては、外周縁側のみで、ディスクストッパー側面に粘着層31が露出しないように粘着層側縁部31aがグリップ層32によって覆われている。一方で、内周縁側では、粘着層の端部(特に側面)がグリップ層32で覆われていない。このような形態であっても、ディスクストッパー側面に粘着層が露出しないように粘着層側縁部が粘着層以外の第2の層によって覆われている側、即ち外周側では、異物の付着防止効果が発揮される。即ち、ディスクストッパー側面に粘着層が露出するのを防止するのは、ディスクストッパーの外周側のみであっても良い。なお、本実施形態の内周側のような、粘着層端部が第2の層で完全には覆われていないような場合には、図5に示したように、ターンテーブルT’に段差を設けるなどして、ターンテーブルに貼着した状態では、ディスクストッパー側面の粘着層露出部分がターンテーブルと対向して外部に露出しないように構成することが好ましい。
【0040】
本発明のディスクストッパーは、粘着層、グリップ層のほかに、第2実施形態で示した補強層や、緩衝層などの他の層を含ませることができる。緩衝層を設けたディスクストッパーはグリップ力が安定して得られる。
【0041】
また、本発明を実施する際に、多数のディスクストッパーを形成する場合には、スクリーン印刷を活用して、剥離性の基材P上に多数のディスクストッパーを格子状に並べて同時に形成することが好ましく、製造効率が高められる。
【0042】
なお、本発明のディスクストッパーの製造方法として、特に好ましい製造方法の形態例として、剥離性の基材P上にディスクストッパーを製造する方法を説明したが、本発明のディスクストッパーは、ターンテーブルやターンテーブルの構成部品上に直接形成することもできる。その場合は、例えばターンテーブルを基材として、ターンテーブル上に粘着層やグリップ層を直接形成していけばよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のディスクストッパーは、CDドライブ装置やDVDドライブ装置といった高速回転する高精度のディスク装置に使用でき、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0044】
1 ディスクストッパー
11 粘着層
12 グリップ層
T ターンテーブル
D ディスクメディア
2 ディスクストッパー
21 粘着層
22 グリップ層
23 補強層
3 ディスクストッパー
31 粘着層
32 グリップ層
図1
図2
図3
図4
図5