(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記ログ取得対象から前記ログを取得する際に、前記ログに、前記電源の電力喪失によって前記相対時刻計時手段が停止した回数を示す停止回数情報を付加する請求項1記載のログ記録装置。
前記制御手段は、前記ログ記録装置が前記ログ取得対象から前記ログを取得する前に前記ログ処理装置に接続された場合に、前記ログ処理装置が有する基準時刻計時手段の時刻に基づいて前記相対時刻計時手段の時刻を校正する請求項1または2記載のログ記録装置。
前記制御手段は、前記ログのタイムスタンプを前記相対時刻計時手段の時刻に基づいて設定することによって、前記ログに対して前記送信時刻情報を付加する請求項1から4いずれか一項記載のログ記録装置。
前記制御手段は、前記送信時刻情報が付加される送信時刻情報用ファイルを作成し、前記送信時刻情報用ファイルのタイムスタンプを前記相対時刻計時手段の時刻に基づいて設定することによって、前記ログに対して前記送信時刻情報を付加する請求項1から4いずれか一項記載のログ記録装置。
ログ取得対象およびログ処理装置に着脱可能に構成され、前記ログ取得対象から取得したログを前記ログ処理装置へ渡すためのログ記録装置におけるログ記録方法であって、
前記ログ処理装置は、基準時刻を計時する基準時刻計時手段を備え、
前記ログ記録装置は、前記ログを記憶する記憶手段と、前記ログ取得対象または前記ログ処理装置に接続されて充電される電源と、前記電源から給電されて相対時刻を計時する相対時刻計時手段と、を備え、
前記ログ記録装置が前記ログ取得対象から取得した前記ログを前記記憶手段に記憶させる際に、前記ログに前記相対時刻計時手段の時刻に基づく取得時刻情報を付加し、
前記ログ記録装置が前記ログ処理装置に接続された状態で、前記基準時刻計時手段の時刻に基づく基準時刻情報および前記相対時刻計時手段の時刻に基づく送信時刻情報を同時期に取得し、
前記基準時刻情報と前記送信時刻情報との差に基づいて前記取得時刻情報を補正するログ記録装置のログ記録方法。
前記ログ取得対象から前記ログを取得する際に、前記ログに、前記電源の電力喪失によって前記相対時刻計時手段が停止した回数を示す停止回数情報を付加する請求項9または10記載のログ記録装置のログ記録方法。
前記ログ記録装置が前記ログ取得対象から前記ログを取得する前であって前記ログ処理装置に接続された場合に、前記基準時刻計時手段の時刻に基づいて前記相対時刻計時手段の時刻を校正する請求項9から11いずれか一項記載のログ記録装置のログ記録方法。
前記相対時刻計時手段の校正がされずに前記ログ記録装置が前記ログ取得対象から前記ログを取得した場合に、前記ログの前記取得時刻情報を補正する請求項12記載のログ記録装置のログ記録方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0010】
(第一実施形態)
まず、第一実施形態について、
図1から
図11を参照して説明する。
図1に示すログ記録システム10は、ログ取得対象11と、ログ処理装置12と、ログ記録装置13とから構成されている。このログ記録システム10は、ログ記録装置13を介してログ取得対象11から取得したログDをログ処理装置12へ渡すように構成されている。なお、本明細書において、ログとは、ログ取得対象11の過去の稼働状況を経時的に表す情報自体を意味するものとし、ログのデータファイルとは、前記ログを記憶したファイルを意味するものとする。
【0011】
ログ取得対象11は、本実施形態の場合、インバータ装置を対象としているが、これに限られず、例えば各種センサを備えた環境記録装置などでもよい。また、ログ処理装置12は、電源、制御装置、および記憶装置等を備えるとともに、システムクロック(System Clock、以下SC)121を内部に備え、さらにはディスプレイ122などの表示手段や、マウス、キーボードなどの入力手段を備えた一般的な汎用のパーソナルコンピュータを想定している。本実施形態の場合、システムクロック121は、現実の時刻とほぼ同じ時刻を示し、ログ記録システム10における基準時刻を計時する基準時刻計時手段として機能する。なお、ログ処理装置12は、電源や制御装置などを備えてデータ処理が行えるものであれば、一般的なパーソナルコンピュータに限られない。
【0012】
ログ記録装置13は、ログ取得対象11またはログ処理装置12に接続された状態で、USB(Universal Serial Bus)規格に基づいて通信を行ういわゆるUSBドングルで構成されている。なお、ログ記録装置13は、USBドングルに限られず、例えばSD規格に基づいて通信されるメモリーカードや、その他の規格に基づいて通信されるPCカードまたは基板などで構成してもよい。
【0013】
ログ記録装置13は、具体的には
図2に示すように、主に、中央処理装置(Central Processing Unit、以下CPU)14、リアルタイムクロック(Real Time Clock、以下RTC)15、不揮発性メモリ16、電源17、コネクタ18、およびダイオード19などをプリント配線基板に実装して構成されている。コネクタ18は、例えばUSB規格に基づくコネクタで構成され、給電端子181、データ端子182、およびグランド端子183を有している。給電端子181は、CPU14および不揮発性メモリ16に接続されるとともに、ダイオード19を介して、RTC15および電源17に接続されている。この場合、ダイオード19は、電源17から不揮発性メモリ16およびCPU14側への給電を阻止している。
【0014】
データ端子182は、CPU14に接続されている。グランド端子183は、ログ記録装置13がログ取得対象11またはログ処理装置12に接続された状態で、これらログ取得対象11またはログ処理装置12を介して接地される。RTC15および不揮発性メモリ16は、CPU14にデータラインで接続されている。このコネクタ18は、ログ取得対象11およびログ処理装置12に対して差し込みまたは引き抜かれる。これにより、ログ記録装置13は、ログ取得対象11およびログ処理装置12に対して着脱可能に構成されている。
【0015】
CPU14は、ログ記録装置13がログ取得対象11またはログ処理装置12に接続されると、コネクタ18を介して、ログ取得対象11またはログ処理装置12から給電されて駆動する。このCPU14は、ログ取得対象11およびログ処理装置12との通信を制御するとともに、不揮発性メモリ16に対するデータの読み書きを制御する。この場合、CPU14は、制御手段として機能する。
【0016】
不揮発性メモリ16は、例えばフラッシュメモリなどの書き換え可能な半導体メモリで構成されている。この不揮発性メモリ16には、CPU14の制御によってログ取得対象11から取得したログのデータが書き込まれる。これにより、不揮発性メモリ16は、ログ取得対象11から取得したログを記憶する。この場合、不揮発性メモリ16は、記憶手段として機能する。
【0017】
電源17は、電荷を蓄積することのできる電荷蓄積手段、例えば大容量コンデンサ、スーパーキャパシタなどで構成されている。この電源17は、外部からの給電により充電される。本実施形態の場合、ログ記録装置13がログ取得対象11またはログ処理装置12に接続されると、電源17は、これらログ取得対象11またはログ処理装置12からの給電により充電される。
【0018】
RTC15は、電源17またはコネクタ18から給電されて計時動作を実行する、いわゆるカレンダークロックで構成されている。RTC15は、ログ記録装置13がログ取得対象11またはログ処理装置12に接続されてコネクタ18から給電されている場合には、主にコネクタ18からの給電によって駆動する。この場合、電源17はコネクタ18からの給電により充電される。そして、コネクタ18からの給電が停止すると、電源17から給電されて駆動する。
【0019】
このRTC15は、給電が開始されると、予め設定された計時開始時刻を基準に計時を開始し、CPU14に対して計時開始時刻に対する現在の計時時刻を「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」のデータで相対的な時刻情報として提供する。例えば、RTC15の計時開始時刻が2000年1月1日0時0分0秒に設定されていた場合、RTC15は、コネクタ18から給電されて起動すると、この2000年1月1日0時0分0秒を基準として計時を開始し、CPU14に対して2000年1月1日0時0分0秒を基準とした現在の相対時刻情報を提供する。そして、RTC15は、コネクタ18からの給電が停止すると電源17からの給電によって駆動し、その後、電源17からの給電が停止するのに伴って動作を停止する。さらにその後、コネクタ18からの給電が再開すると初期化された状態で計時を再開する。この場合、RTC15は、計時開始時刻2000年1月1日0時0分0秒を基準として再び計時を開始する。このRTC15は、相対時刻計時手段として機能する。
【0020】
また、ログ記録装置13は、図示しないROM、RAMを備え、このROM、RAMには、各種の処理を実行するためのプログラムが記録されている。
この構成において、ログ記録装置13は、ログ取得対象11に接続されてログ取得対象11のログDを取得する。本実施形態の場合、ログ取得対象11から取得するログDは、
図3に示すように、ログ取得対象11の例えば入力電圧、出力電流、および出力電力などの稼働情報Daと、これら稼働情報Daの取得時刻を示す取得時刻情報Tとから構成されている。この取得時刻情報Tは、稼働情報Daを取得する際のRTC15の現在時刻となる。ここで、例えば電源17の電圧低下などによりRTC15が動作を停止し、その後給電が再開してRTC15が初期化された場合、取得時刻情報Tは、実際にログ記録装置13が稼働情報Daを取得した時刻と大きく異なるものとなる。そのため、本実施形態では、RTC校正処理およびログ補正処理によって、ログDの取得時刻情報Tを適切なものとしている。
【0021】
具体的には、このログ記録システム10では、
図7および
図8に示すログ受け渡し処理によって、ログ取得対象11から取得したログDを、ログ記録装置13を介してログ処理装置へ渡す。また、このログ受け渡し処理の前に、必要に応じて
図4に示すRTC校正処理によるRTC15の校正つまり時刻合わせが行われる。そして、ログ受け渡し処理の後に、
図10に示すログ補正処理が行われ、必要に応じてログDが有する取得時刻情報Tの補正が行われる。このうち、まずRTC校正処理について、
図4〜
図6を参照して説明する。
【0022】
なお、以下の説明において、ログDが複数回に分けて取得される場合、取得時期の古いものから順にログD(n−1)、ログD(n)、ログD(n+1)とする。この場合、ログD(n−1)は、単にログD(n)よりも前に取得されたものであることを示し、ログD(n+1)は、単にログD(n)よりも後に取得されたものであることを示している。また、ログ記録装置13がログ取得対象11に接続されている場合における各処理の主体はログ記録装置13のCPU14となる。これに対し、ログ記録装置13がログ処理装置12に接続されている場合おける各処理の主体は、ログ記録装置13のCPU14またはログ処理装置12が備える制御装置となる。
【0023】
図4に示すRTC校正処理では、ログ記録装置13がログ取得対象11からログD(n)を取得する前であってログ処理装置12に接続された場合に、ログ処理装置12のSC121の時刻に基づいてRTC15の時刻を校正する。具体的には、使用者がログ記録装置13をログ処理装置12に接続すると、ログ処理装置12からの給電により、ログ記録装置13のCPU14が駆動してRTC校正処理を開始する。また、ログ記録装置13がログ処理装置12に接続されると、電源17にも給電されて、電源17が充電される。このとき、電源17の電力喪失によりRTC15が停止していれば、RTC15は初期化された状態で再起動、つまり2000年1月1日0時0分0秒を基準に計時が開始される。なお、RTC15は、電源17の電力が回復した直後から再起動する構成でもよいし、電源17の電力が回復した状態で外部から所定の指示が入力されることによって再起動する構成でもよい。
【0024】
ログ処理装置12は、ログ記録装置13が接続されると、ログ記録装置13の不揮発性メモリ16に記憶されている内容を読み出し、
図5に示すように、ログ処理装置12が備えるファイル閲覧用のソフトウェアによって、読み出した不揮発性メモリ16の内容をディスプレイ122に表示する。この場合、ディスプレイ122には、例えばログ処理装置12に接続されている機器を表示する機器表示部123や、機器表示部123で選択した機器の内容を示す内容表示部124が表示される。また、このディスプレイ122には、SC121が計時する現在時刻が基準時刻情報Tbとして表示されるとともに、RTC15が計時する現在時刻が相対時刻情報Tcとして表示される。この場合、ログ記録装置13は、機器表示部123に「USB DONGLE」という名前で表示されている。また、内容表示部124には、不揮発性メモリ16に何も記憶されていないことが表示されている。
【0025】
CPU14は、
図4に示すRTC校正処理を開始すると、まず、ステップS11において、不揮発性メモリ16にログD(n−1)が記憶されているか否かを検出する。これにより、ログ記録装置13がログ取得対象11からログDを取得する前であるか否かを判断する。ステップS11において、不揮発性メモリ16にログD(n−1)が記憶されていなければ(ステップS11でNO)、ログDの取得前と判断してステップS13へ移行する。一方、ステップS11において、不揮発性メモリ16にログD(n−1)が記憶されていれば(ステップS11でYES)、ログDの取得後と判断してステップS12へ移行する。
【0026】
ステップS12では、使用者によって校正指示が入力されたか否かを判断する。これは、ログDの取得時刻情報TはRTC15の時刻情報を基準としているため、前回ログD(n−1)が存在する場合にRTC15を校正しその後ログD(n)を取得すると、ログD(n−1)とログD(n)との取得時刻情報Tの基準が異なってしまうことを防ぐためである。この様な場合においては、使用者から入力される校正指示の有無によって、RTC15を校正するか否かを判断し、校正指示が入力された場合には、ログD(n−1)の有無にかかわらず強制的にRTC15を校正するようにしている。この場合、校正指示は、例えばログ処理装置12が備えるマウスやキーボードなどの入力手段を使用者が操作することによって入力される。これにより、使用者は、ログ処理装置12を介してログ記録装置13に校正指示を与えることができる。
【0027】
ステップS12において、校正指示の入力が無い場合(ステップS12でNO)は、ステップS16へ移行し、校正情報FをOFFに設定し、RTC校正処理を終了する。この校正情報Fは、ログDの取得前にRTC15の校正が行われたか否かを示している。この場合、校正情報FがONであれば、RTC15の校正が行われたことを示し、校正情報FがOFFであれば、RTC15の校正が行われなかったことを示している。
【0028】
一方、ステップS12で校正指示が有った場合(ステップS12でYES)は、ステップS13へ移行する。ステップS13では、
図6に示すように、不揮発性メモリ16内に、校正用のファイル例えば「RTC CHECK」と名前を付した空のデータファイルAを作成する。そして、このデータファイルAのタイムスタンプPをSC121の基準時刻情報Tbに基づいて設定する。この場合、タイムスタンプPとは、データファイルAが作成または更新された日時を示す情報のことを意味する。例えばデータファイルAの作成時にSC121の基準時刻情報Tbが2012年1月1日9時0分0秒であれば、タイムスタンプPは基準時刻情報Tbに基づいて2012年1月1日9時0分0秒に設定される。
【0029】
その後、ステップS14へ移行すると、CPU14は、ステップS13で設定されたタイムスタンプPを読み取り、このタイムスタンプPに基づいてRTC15の時刻を校正する。これにより、
図6に示すように、RTC15が計時する相対時刻情報Tcは、基準時刻情報Tbと同じ値となる。
ステップS14でRTC15の校正が行われると、ステップS15において校正情報FをONに設定し、RTC校正処理を終了する。その後、ログ記録装置13は、使用者によってログ処理装置12から取り外される。
【0030】
次に、ログ受け渡し処理について、
図7に示すログ受け処理と
図8に示すログ渡し処理とに分けて説明する。まず、ログ受け処理において、ログ記録装置13は、ログ取得対象11に接続されると、稼働情報Daのみから構成されるログDを取得する。そして、ログ記録装置13がログ取得対象11から取得したログDを不揮発性メモリ16に記憶させる際に、稼働情報Daのみから構成されるログDに対して取得時刻情報Tを付加するとともに、このログDに対して、校正情報F、停止回数情報M、および連番Nを付加する。この場合、取得時刻情報Tは、稼働情報Daを取得したときにRTC15が計時している時刻情報に基づいて決定される。
【0031】
ここで、停止回数情報Mは、初期状態のログ記録装置13がログ取得対象11に最初に接続されてから現在に至るまでにRTC15が初期化されて再起動した回数を示している。例えば、停止回数情報Mが0であれば、初期状態のログ記録装置13がログ取得対象11に接続された際にRTC15が再起動していないことを表す。つまり、RTC15が駆動している状態でログ記録装置13がログ取得対象11に接続された場合、停止回数情報Mは0となる。ちなみに、ログ記録装置13の初期状態とは、RTC15が駆動しているか否かによらず、不揮発性メモリ16内にログDが記憶されていない状態を意味する。
【0032】
そして、RTC15が再起動してから停止するまでの同一期間内に取得された複数のログDは、同じ値の停止回数情報Mが付されて、一群のログDを構成する。連番Nは、この一群のログDの中における取得時期の前後を示す。例えば、停止回数情報Mの値が同じであれば、連番Nが大きいほど取得時期が新しいものとなる。
【0033】
具体的には、まず、使用者がログ記録装置13をログ取得対象11に接続すると、ログ取得対象11からの給電により、ログ記録装置13のCPU14が駆動するとともに電源17が充電される。すると、CPU14は、ログ取得対象11に接続されたことを認識し、ログ受け処理を開始する。このとき、電源17の電力喪失によりRTC15が停止していれば、RTC15は初期化された状態で再起動つまり2000年1月1日0時0分0秒を基準に計時が開始される。
【0034】
図7に示すログ受け処理を開始すると、CPU14は、まず、ステップS21において、ログ記録装置13が初期状態であるか、つまり不揮発性メモリ16のログD(n−1)が記憶されているか否かを検出する。不揮発性メモリ16にログD(n−1)が記憶されていなければ(ステップS21でNO)、ステップS22へ移行する。ステップS22では、停止回数情報Mを0に設定し、その後ステップS23へ移行する。一方、ステップS21において、ログ記録装置13が初期状態でなければ、すなわち、不揮発性メモリ16にログD(n−1)が記憶されていれば(ステップS21でYES)、ステップS23へ移行する。
【0035】
ステップS23では、このログ受け処理が行われる前にRTC15が電源17の電力喪失によって停止したか否か、つまり、ログ記録装置13がログ処理装置12に接続された際に、RTC15が再起動により初期化されたか否かを判断する。この場合、RTC15が初期化されたか否かの判断は、RTC15が2000年1月1日0時0分0秒から再開されたことを以って判断してもよいし、RTC15が持っている電源喪失フラグや電源17の電圧を検出することによって判断してもよい。ステップS23において、RTC15の初期化が無いと判断した場合(ステップS23でNO)は、ステップS24へ移行する。ステップS24では、前回の停止回数情報Mの値を維持するとともに、前回の連番Nに1を加算する。その後、ステップS27へ移行する。
【0036】
一方、ステップS23において、RTC15の初期化が有りと判断した場合(ステップS23でYES)は、ステップS25へ移行し、校正情報FをOFFに設定する。これは、その後取得するログDの取得時刻情報Tは、校正されたRTC15の時刻に基づいていないことを表す。その後、ステップS26へ移行し、前回の停止回数情報Mに1を加算するとともに、前回の連番Nの値を維持する。その後、ステップS27へ移行する。
【0037】
ステップS27では、ログ取得対象11から、ログD(n)を構成する稼働情報Daを取得する。その後、ステップS28において、稼働情報Daのみで構成されるログD(n)に対し、取得時刻情報T、停止回数情報M、校正情報F、および連番Nを付加し、ログ受け処理を終了する。この場合、取得時刻情報Tは、RTC15の現在時刻に基づいて決定される。その後、ログ記録装置13は、使用者によってログ取得対象11から取り外される。
【0038】
ここで、ログ受け処理が終了してログ記録装置13がログ取得対象11から取り外された後、次にログ処理装置12またはログ取得対象11に接続されるまでは、電源17に給電されない。そのため、RTC15は、電源17に蓄積された電荷を消費することによって駆動する。本実施形態の場合、充電可能な電源17は、外部から給電されない状態でRTC15を所定期間、例えば一週間程度駆動することができる容量を有している。
その後、使用者は、さらに次のログD(n+1)を取得するか否かを判断し、次のログD(n+1)を取得する場合は、ログ記録装置13をログ取得対象11に接続する。これにより、CPU14は、再度ログ受け処理を実行する。
【0039】
次に、使用者がログ記録装置13をログ処理装置12に接続すると、ログ処理装置12からの給電により、ログ記録装置13のCPU14が駆動するとともに電源17が充電され、
図8に示すログ渡し処理が開始される。このとき、電源17の電力喪失によりRTC15が停止していれば、RTC15は初期化された状態で再起動つまり2000年1月1日0時0分0秒を基準に計時が開始される。また、CPU14が駆動することにより、ログ記録装置13およびログ処理装置12は互いに接続されたことを認識する。すると、ログ記録装置13の不揮発性メモリ16に記憶されている内容は、
図9に示すように、ログ処理装置12が備えるファイル閲覧用のソフトウェアによってログ処理装置12のディスプレイ122に表示される。
【0040】
ログ渡し処理が開始されると、
図8に示すように、ステップS31において、CPU14は、電源17の電力喪失によってRTC15が初期化されたか否かを判断する。RTC15が初期化されたか否かの判断は、RTC15が2000年1月1日0時0分0秒から再開されたことを以って判断してもよいし、RTC15が持っている電源喪失フラグや電源17の電圧を検出することによって判断してもよい。ステップS31において、RTC15の初期化が無いと判断した場合(ステップS31でNO)は、ステップS33へ移行する。
【0041】
一方、ステップS31においてRTC15の初期化が有りと判断した場合(ステップS31でYES)は、ステップS32へ移行し、RTC初期化情報Qを作成する。このRTC初期化情報Qは、ログ記録装置13がログ処理装置12に接続された際にRTC15が初期化されていたことを示すものである。本実施形態では、
図10に示すように、RTC初期化情報Qとして、例えば「RTC RESET」と名前を付した空のデータファイルが不揮発性メモリ16内に作成される。ログ処理装置12および使用者は、「RTC RESET」と名前が付された空のデータファイルの存在の有無により、ログDがログ処理装置12に渡される前にRTC15が初期化されたか否かを識別することができる。
【0042】
その後、
図8に示すように、ステップS33において、不揮発性メモリ16内に記憶されている全てのログDに対して送信時刻情報Taを付加する。この送信時刻情報Taは、RTC15の現在時刻すなわち相対時刻情報Tcに基づいて決定される。この場合、ログDに対する送信時刻情報Taの付加は、ログDのデータファイルのタイムスタンプPをRTC15の相対時刻情報Tcに設定することで行なわれる。例えば、
図9に示すように、RTC15の現在時刻すなわち相対時刻情報Tcが2000年1月1日1時0分0秒であれば、ログD1〜ログD5のタイムスタンプPすなわち送信時刻情報Taを、それぞれ2000年1月1日1時0分0秒に設定する。なお、このタイムスタンプPは、RTC15の計時に伴って逐次更新される。
その後、ステップS34へ移行し、ログDは、取得時刻情報T、送信時刻情報Ta、停止回数情報M、停止回数情報M、および校正情報Fを有した状態で、ログ処理装置12へ送信され、ログ受け渡し処理が終了する。
【0043】
このログ受け渡し処理において、ログ取得対象11から複数回に分けてログDを取得した場合、つまり、
図7に示すログ受け処理を複数回繰り返した場合、これら複数のログDは、校正情報F、停止回数情報M、および連番Nによって相互に関連付けられる。これにより、複数のログDは、その属性毎、つまり、RTC15の校正状況や停止回数毎に分類される。
【0044】
具体的には、不揮発性メモリ16にログDを記憶させる際に、ログDのデータファイル名を、例えば「任意の名前_校正情報F_停止回数情報M_連番N」と設定する。本実施形態の場合、例えば
図9に示すように、不揮発性メモリ16に複数のログD1〜D5が記憶されており、そのうちログD1のファイル名は、「LOG Data_ON_00_01」に設定されている。このログD1において、校正情報FはON、停止回数情報Mは1、連番Nは1を示している。この場合、校正情報FがONであることから、ログD1を取得する際、RTC15は校正されていたことがわかる。また、停止回数情報Mが0であることから、ログD1は、ログ記録装置13が初期化状態となった後、最初に取得された一群のログDのうちの一つであることがわかる。また、ログD1とログD2とは、停止回数情報Mがともに0である。そのため、ログD1およびログD2は、RTC15が停止するまでの同一期間内に取得されたものであることがわかる。さらに、連番Nが1であることから、ログD1は、停止回数情報Mの値が1である一群のログD、この場合、ログD1およびログD2の中で1番目に記憶されたものであることがわかる。
【0045】
同様に、ログD5のファイル名は、「LOG Data_OFF_02_02」に設定されている。ログD5において、校正情報FはOFF、停止回数情報Mは3、連番Nは2を示している。この場合、校正情報FがOFFであることから、ログD5を取得する際、RTC15は校正されていなかったことがわかる。また、停止回数情報Mが3であることから、ログD5は、最初の一群のログD1、D2が記憶されてからログD5が記憶されるまでの間に、RTC15が2回初期化されていることがわかる。そして、連番Nが2であることから、ログD5は、停止回数情報Mの値が2である一群のログD、この場合、ログD4およびログD5の中で2番目に記憶されたものであることがわかる。このようにして、複数のログDが、その属性毎に分類される。
【0046】
ログ記録装置13からログDを受信したログ処理装置12は、
図11に示すログ補正処理を行う。このログ補正処理では、ログDが有する送信時刻情報Taと、SC121が示す基準時刻情報Tbとの差によって、ログDが有する取得時刻情報Tを補正する。具体的には、ステップS41において、ログ処理装置12は、ログ記録装置13からログDを受信するのとほぼ同時に、送信時刻情報Taおよび基準時刻情報Tbを取得する。この場合、ログ処理装置12は、ログDのデータファイルのタイムスタンプPを読み取ることで、送信時刻情報Taを取得する。またこの場合、取得した送信時刻情報Taおよび基準時刻情報Tbは、ログ処理装置12が有する記憶装置に、取得したログDと関連付けて記憶させておいてもよい。
【0047】
その後、ステップS42に移行し、取得した各ログDが有する校正情報FがONであるか否かを判断する。ステップS42において、対象とするログDの校正情報FがONであれば(ステップS42でYES)、対象とするログDが有する取得時刻情報Tは、校正されたRTC15に基づいて決定されていることを表す。この場合、ログ処理装置12は、ログDの取得時刻情報Tの補正の必要は無いと判断し、取得時刻情報Tの補正を行わずにログ補正処理を終了する。
【0048】
一方、ステップS42において、対象とするログDの校正情報FがOFFであれば(ステップS42でNO)、ステップS43へ移行する。このステップS43では、ステップS41で取得した送信時刻情報Taと基準時刻情報Tbとの差が所定以上、例えば5分以上であるか否かを判断する。ステップS43において、送信時刻情報Taと基準時刻情報Tbとの差が5分未満であれば(ステップS43でNO)、ログDの取得時刻情報Tは、実際の時刻、この場合SC121の時刻に対して5分以上の差は無い。この場合、ログ処理装置12は、ログDの取得時刻情報Tの補正は必要ないと判断し、取得時刻情報Tの補正を行わずにログ補正処理を終了する。
【0049】
これに対し、ステップS43において、送信時刻情報Taと基準時刻情報Tbとの差が5分以上であれば(ステップS43でYES)、ログDの取得時刻情報Tは、実際の時刻、この場合SC121の時刻に対して5分以上の差を有することになる。この場合、ログ処理装置12は、ログDの取得時刻情報Tの補正は必要であると判断し、ステップS44へ移行してログDの取得時刻情報Tを補正する。なお、ステップS43における補正の要否の判断となる所定値は、5分以上であるか否かに限られず、任意に設定することができる。
【0050】
ステップS44では、基準時刻情報Tbから送信時刻情報Taを減算した値を、取得時刻情報Tに加算することにより、取得時刻情報Tを補正している。すなわち、取得時刻情報Tは、下記の(1)式によって補正される。
補正後のT=補正前のT+(Tb−Ta) …(1)
【0051】
次に、補正前後の取得時刻情報Tの具体的な内容について、
図3および
図9を参照して説明する。ログDは、
図3に示すように、稼働情報Daと取得時刻情報Tとが関連付けられて取得時刻情報Tの時系列順に記録されている。この
図3においては、RTC15は、SC121に対して「12年0月0日10時0分0秒」遅れているものとする。また、ログ記録装置13がログDをログ取得対象11から取得開始したときのSC121の時刻は「2012年1月1日10時0分0秒」とする。さらに、ログ記録装置13がログDをログ取得対象11から取得開始した1時間後に、つまりSC121の時刻すなわち基準時刻情報Tbが「2012年1月1日11時0分0秒」のときに、ログ記録装置13がログDをログ処理装置12へ送信したものとする。そして、ログ記録装置13がログDをログ取得対象11から取得開始する際、RTC15は再起動しているものとする。
【0052】
この場合、補正前のログDを示す
図3(a)について第一行目を見ると、RTC15の再起動直後にログ取得対象11からのログDの取得が開始されているため、取得時刻情報Tは「2000年1月1日0時0分0秒」となる。また、
図9に示すように、ログ記録装置13は、ログ取得対象11からログDを取得した1時間後に、ログDをログ処理装置12へ送信しているため、RTC15に基づく送信時刻情報Taは「2000年1月1日1時0分0秒」となる。ここで、基準時刻情報Tbから送信時刻情報Taを減算すると、「12年0月0日1時0分0秒」となり、SC121に対するRTC15の遅れが算出される。そして、この算出したRTC15の遅れを、
図3(a)に示すRTC15に基づく取得時刻情報Tに対して加算する。これにより、取得時刻情報Tは、
図3(b)に示すように、SC121に対するRTC15の遅れを反映させた値、この場合「2012年1月1日10時0分0秒」に補正される。すなわち、補正後の取得時刻情報Tは、実際の時間つまりSC121の時刻に基づくものとなる。
【0053】
この構成によれば、ログ記録装置13は、ログ取得対象11およびログ処理装置12に対して取り外し可能に構成されている。そのため、ログDを取得する際に、ログ取得対象11とログ処理装置12とを直接接続する必要がない。したがって、ログDを取得するためにわざわざログ取得対象11とログ処理装置12とを接続する煩わしさが低減され、作業を平易なものとすることができ、その結果、作業性の向上が図られる。
【0054】
また、ログ記録装置13は、SC121に基づく基準時刻情報Tbと送信時刻情報Taとの差から、SC121とRTC15との誤差を算出し、その結果に基づいて取得時刻情報Tを補正する。これにより、例えばログ取得対象11がSCやRTCなどの計時手段を備えていなくても、現実の時刻、この場合SC121の時刻に基づいてログDを記録することができる。そのため、ログDの取得前に、ログ取得対象11に設けられた時計をその都度校正する必要もない。これにより、ログDを取得する際の作業を平易なものとすることができ、その結果、作業の煩わしさが減り、作業性の向上が図られる。
【0055】
また、本実施形態によれば、ログ取得対象11からログDを取得する前にログ記録装置13をログ処理装置12に接続することで、ログ記録装置13のRTC15をSC121の時刻に校正することができる。これによれば、RTC15の校正後に取得するログDの取得時刻情報Tを正確なものとすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、ログDを不揮発性メモリ16に記憶させる際に、ログDに対してRTC15が停止した回数を示す停止回数情報Mをファイル名の一部に付加する。そして、各ログDの有する停止回数情報Mが同じ値であれば、これらログDは、それぞれRTC15が起動してから初期化されるまでの同一期間内に取得されたことを表す。ここで、例えば複数のログDを間欠的に取得する際にRTC15の初期化が複数回行われると、RTC15が停止せずに駆動していた期間が複数存在することになる。つまり、RTC15が再起動した回数分だけログDの取得時刻情報Tが基準としたRTC15の時刻が存在することになる。通常このような場合、取得時刻情報TだけではどのRTC15の時刻を基準としたか区別することができないが、本実施形態によれば、ログDの有する停止回数情報Mによって、各ログDがどの期間内に取得されたものであるか、すなわち、どのRTC15の時刻を基準としたかを容易に識別することができる。
【0057】
さらに、ログ記録装置13は、ログ受け処理において、ログDを不揮発性メモリ16に記憶する際に、そのログDの取得前にRTC15の校正が行われたか否かを示す校正情報Fを付加する。これによれば、ログDの取得時刻情報Tが信頼性を有しているものであるか否かを容易に判別することができる。
【0058】
そして、本実施形態では、RTC15の校正が行われなかった場合、または、RTC15とSC121との差が所定以上である場合に、ログDの取得時刻情報Tの補正が行われる。そのため、RTC15が校正され、またはRTC15とSC121との誤差が小さく、ログDの取得時刻情報Tが信頼性を有している場合には、不要に取得時刻情報Tの補正を行うことがなく、ログ処理装置12やログ記録装置13の負担を無駄に増加させることがない。
【0059】
また、本実施形態では、相対時刻計時手段をRTC15としたので、ログDの取得前にRTC15を校正しておけば、その後ログDの取得時刻情報Tについて補正をする必要がない。その結果、ログDを取得する際の作業をより平易なものとすることができる。
【0060】
さらに、ログ記録装置13とログ処理装置12との間において、基準時刻情報Tbおよび送信時刻情報Taの授受は、不揮発性メモリ16内に作成された特定のデータファイル、例えばデータファイルAやログDのデータファイルなどのタイムスタンプPを介して行われる。この場合、ログ記録装置13のCPU14は、基準時刻情報Tbを取得するために、ログ処理装置12のSC121に対して直接通信する必要がない。同様に、ログ処理装置12の制御手段は、送信時刻情報Taを取得するために、ログ記録装置13のRTC15に対して直接通信する必要がない。すなわち、タイムスタンプPの作成、更新、および読み取りは、パーソナルコンピュータが標準的に備える機能であることから、ログ記録装置13とログ処理装置12との間で、送信時刻情報Taおよび基準時刻情報Tbを受け渡すために特別な処理を行う必要がなく、その結果、平易な構成とすることができる。
【0061】
なお、ログDに対する送信時刻情報Taの付加は、ログDのデータファイルのタイムスタンプPを設定するものに限られず、次のような処理で行ってもよい。すなわち、ログ記録装置13がログ処理装置12に接続されると、ログ記録装置13のCPU14は、不揮発性メモリ16内にログDのデータファイルとは異なる空のデータファイル、いわゆるダミーファイルを、送信時刻情報用ファイルとして作成する。そして、CPU14は、そのダミーファイルに対して送信時刻情報Taを付加する。つまり、CPU14は、タイムスタンプPを、RTC15の現在時刻に基づいて決定し、さらにRTC15の計時に伴って逐次更新する。ログ処理装置12は、ログ記録装置13からログDを取得する際に、ダミーファイルのタイムスタンプPも同時に読み取ることで、送信時刻情報Taを取得する。これにより、ダミーファイルのタイムスタンプPを介して、ログDに送信時刻情報Taが付加される。
【0062】
さらに、送信時刻情報Taおよび基準時刻情報Tbを受け渡すために用いるタイムスタンプPは、上記のように特定のファイルに関するものだけでなく、例えば特定のフォルダ、ディレクトリ、またはログ記録装置13自体のドライブのタイムスタンプとすることもできる。
また、RTC15に給電する電源17は、大容量コンデンサ、スーパーキャパシタなどの電荷を蓄積することのできる電荷蓄積手段で構成されている。これによれば、電源17を、乾電池等で構成した場合に比べて電池交換の手間が省け、その結果、作業性の向上が図られる。
【0063】
なお、上記構成において、ログ補正処理は、ログ処理装置12の制御手段を主体にして行われる。しかしこれに限られず、ログ記録装置13のCPU16を主体にして、ログ補正処理を行うように構成してもよい。この場合、
図8のステップS34においてログDがログ処理装置12へ送信される前に、ログ記録装置13のCPU16によって
図11に示されるログ補正処理を行うようにすればよい。
【0064】
また、相対時刻計時手段は、RTC15に換えて、例えば、任意の基準時からの経過時間を計時するタイマなどで構成することもできる。この場合、ログ記録装置13がログ取得対象11からログDを取得してからログDをログ処理装置12へ送信するまでの経過時間をタイマで計時し、その経過時間を送信時刻情報Taとする。そして、SC121に基づく基準時刻情報Tbから送信時刻情報Taを減算することで、SC121に基づく取得時刻情報Tに補正することができる。
【0065】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について、
図12を参照して説明する。
第一実施形態では、
図7のステップS28において、ログDに対して停止回数情報Mを付加するために、ログDのデータのファイル名の一部に停止回数情報Mを設定していた。これに対し、この第二実施形態では、値の異なる停止回数情報M毎に、名前の異なるフォルダを作成し、そのフォルダ内にログDを格納する。具体的には、フォルダ名「任意の名前_校正情報F_停止回数情報M」と設定する。また、ファイル名「任意の名前_校正情報F_停止回数情報M_連番N」と設定する。例えば
図12では、停止回数情報M=0、1、2となる三つのフォルダG0、G1、G2が作成されている。このうち、停止回数情報Mが2であるフォルダG2は、そのフォルダ名が「LOG Data_OFF_02」と設定されている。そして、フォルダG2内には、停止回数情報Mが2であるログDのファイルこの場合ログD4およびログD5が格納される。
この構成によれば、停止回数情報M毎にログDが分けられるため、停止回数情報Mの識別がし易くなり、利便性が向上する。なお、この場合、校正情報F毎にフォルダを作成してもよい。
【0066】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について、
図13を参照して説明する。
この第三実施形態において、ログ記録装置13は、第一実施形態の構成に加えて、太陽電池20およびダイオード21を備えている。太陽電池20は、ダイオード21を介して電源17およびRTC15に接続されている。この太陽電池20は、光を受けて発電し、外部との接続を要さずに電源17を無接点で充電するとともに、RTC15に給電する。この場合、太陽電池20は、無接点の充電手段として機能する。ダイオード21は、電源17から太陽電池20側への給電を防止している。これによれば、ログ記録装置13がログ取得対象11またはログ処理装置12から取り外されて、電源17への給電が断たれた後も、RTC15は太陽電池20からの給電によって駆動することができるため、より長時間RTC15を駆動させることができる。
【0067】
(第四実施形態)
次に、第四実施形態について、
図14を参照して説明する。
この第四実施形態において、ログ記録装置13は、第三実施形態における太陽電池20に換えて、非接触給電装置22を備えている。非接触給電装置22は、ダイオード21を介して電源17およびRTC15に接続されている。この非接触給電装置22は、外部の装置から電磁波を受けることによって、外部との接続を要さずに電源17を充電する。ダイオード21は、電源17から太陽電池20側への給電を阻止するとともに、非接触給電装置22から供給される交流電力を直流電力に整流する。この場合、非接触給電装置22は、無接点の充電手段として機能する。これによれば、ログ記録装置13をログ取得対象11またはログ処理装置12に接続することなく、無接点で電源17を充電することができるため、作業性がより向上する。
【0068】
以上説明した実施形態のログ記録装置、およびログ記録装置を用いたログ記録方法によれば、基準時刻情報と送信時刻情報との差に基づいてログの取得時刻情報を補正するため、ログ取得対象が時計を有さないものであっても、ログの取得時刻情報を正確なものとすることができる。そして、ログを取得する際、ログ取得対象とログ処理装置とを直接接続する必要がないため、平易な作業でログ取得対象から取得したログをログ処理装置へ渡すことができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。