特許第5797588号(P5797588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797588
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】容器及び容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/14 20060101AFI20151001BHJP
   B65D 3/06 20060101ALI20151001BHJP
   B65D 3/28 20060101ALI20151001BHJP
   B31B 49/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   B65D3/14 A
   B65D3/06 B
   B65D3/28 A
   B31B49/00 F
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-48805(P2012-48805)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-184708(P2013-184708A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(74)【代理人】
【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
(72)【発明者】
【氏名】栗原 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 全克
(72)【発明者】
【氏名】久富 祥人
(72)【発明者】
【氏名】塩田 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】田村 和久
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03949927(US,A)
【文献】 特開昭61−108541(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第01603503(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 3/00−3/20
B31B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状材料からなりサイドシームを形成してなる筒状の胴部と、
シート状材料からなり前記胴部の内側で底上げされた状態で取り付けられた底部と、
を備え、胴部の下部に糸底が形成されてなる容器であって、
前記底部は外周縁を下方に折り返すことで形成された屈曲部を有し、この屈曲部は前記胴部の内壁に接着されており、
前記胴部の下端には、シート状材料の端部が処理された端部処理部が形成され、前記端部処理部は、前記屈曲部と非接着であり、前記胴部の下端が折り返されて構成され、該折り返された部分の上端は、前記底部の屈曲部の下端よりも下方に位置づけられることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記端部処理部の折り返された部分は、前記胴部の内壁に接着されることを特徴とする請求項記載の容器。
【請求項3】
前記底部には、下方に凹ませた凹部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
シート状材料からなりサイドシームを形成してなる筒状の胴部と、シート状材料からなり前記胴部の内側で底上げされた状態で取り付けられた底部とを、備え、胴部の下部に糸底が形成されてなる容器の製造方法であって、
前記胴部を構成する胴部ブランクの側縁部同士を接着することでサイドシームを形成し、
前記底部を構成する底部ブランクの外周縁を絞り込むことで屈曲部を形成し、
前記屈曲部を前記胴部の内壁に接着するとともに、前記胴部の下端を折り返し、該折り返した部分の上端を前記底部の屈曲部の下端よりも下方に位置づけることにより端部処理部を形成して、糸底を形成し、
前記糸底を加圧することで、前記屈曲部と前記胴部との圧着を行う一方で、前記端部処理部は前記屈曲部とは接着しないようにする、
ことを特徴とする容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状材料からなりサイドシームを形成してなる筒状の胴部と、シート状材料からなり胴部の内側で底上げされた状態で取り付けられた底部とを備える容器、及びこのような容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状材料からなり、胴部と底部とを備える容器が、例えば、飲料用のコップ等に使用されている。また、こういった容器は、近年、食材と組み合わせられた調理用の容器としても使用されており、容器内の食材に熱湯などを注いで調理するのに使用されたり、または、容器ごと電子レンジに投入されてマイクロ波で食材を加熱して調理するのに使用されたりするものもある。
【0003】
かかる容器は、例えば、特許文献1に知られているように、通常、シート状材料の側端部同士を重ねて接着されたシーム(以降「サイドシーム」と称する)が形成されてなる筒状の胴部と、シート状材料からなり胴部の内側で底上げされた状態で取り付けられた底部とから構成され、底部は、その外周縁から下方に折り曲げられた屈曲部を有しており、屈曲部が胴部の内壁に接着されている。さらに、胴部は、その下端に上方に折り返された折り返し部を有しており、折り返し部は、底部の屈曲部を挟み込み、且つ屈曲部に圧着されており、この底部の屈曲部と胴部の折り返し部を含む下部との圧着によって、容器の糸底を形成すると共に、容器から液体などが漏れ出すことを防止している。前記底部の屈曲部と前記胴部の折り返し部を含む下部とを圧着するには、ロールアウト方式やエキスパンダ方式が用いられ、いずれの方式でも、糸底の内側に配設された加圧子を用いて底部の屈曲部と胴部の折り返し部を含む下部とが加圧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−91323号公報(図7(c)、図8図9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、胴部のサイドシームの部分は、それ以外の部分と比較して側縁部が重ねられるために肉厚が厚くなっており、さらに糸底において、胴部が折り返されることにより、胴部を構成するシート状材料の2枚分の肉厚に相当する段差が発生している。このため、糸底の圧着時に、段差近傍の部分への加圧を十分に行うことが困難であり、段差近傍の圧着が不完全となる虞があるという問題がある。また、底部の屈曲部が折り返し部によって挟み込まれており、直接、屈曲部を加圧することができないために、屈曲部に意図しない皺が発生する虞がある。このような皺は内部に隠れているものの、圧着が不完全となり、胴部と底部との接着不良、取り付け不良を引き起こす要因となりうる。
【0006】
また、胴部の折り返し部が底部の屈曲部と確実に重なり合うようにしなければならないために、胴部の下端の折り返し量が多くなり、胴部に使用される材料が多くなる、という問題がある。
【0007】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、糸底を圧着する際の不具合の発生を防止すると共に、胴部に使用される材料の無駄を省くことができる容器、及び、この容器の製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、シート状材料からなりサイドシームを形成してなる筒状の胴部と、
シート状材料からなり前記胴部の内側で底上げされた状態で取り付けられた底部と、
を備え、胴部の下部に糸底が形成されてなる容器であって、
前記底部は外周縁を下方に折り返すことで形成された屈曲部を有し、この屈曲部は前記胴部の内壁に接着されており、
前記胴部の下端には、シート状材料の端部が処理された端部処理部が形成され、前記端部処理部は、前記屈曲部と非接着であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記端部処理部は、前記胴部の下端が折り返されて構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記端部処理部の折り返された部分、前記胴部の内壁に接着されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記端部処理部の折り返された部分の上端、前記底部の屈曲部の下端よりも下方に位置づけられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記端部処理部、前記胴部の下端がカールして構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記底部には、下方に凹ませた凹部が形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、シート状材料からなりサイドシームを形成してなる筒状の胴部と、シート状材料からなり前記胴部の内側で底上げされた状態で取り付けられた底部とを、備え、胴部の下部に糸底が形成されてなる容器の製造方法であって、
前記胴部を構成する胴部ブランクの側縁部同士を接着することでサイドシームを形成し、
前記底部を構成する底部ブランクの外周縁を絞り込むことで屈曲部を形成し、
前記屈曲部を前記胴部の内壁に接着するとともに、前記胴部の底部側の端部を処理して端部処理部を形成して、糸底を形成し、
前記糸底を加圧することで、前記屈曲部と前記胴部との圧着を行う一方で、前記端部処理部は前記屈曲部とは接着しないようにする、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、胴部の下端には、シート状材料の端部が処理された端部処理部が形成され、端部処理部は、屈曲部と非接着であるようにしたために、糸底を構成する部分の肉厚の均一性を向上させることができ、底部を胴部に取り付ける際の圧着を確実に行い、接着不良及び取り付け不良を防止することができる。
【0016】
さらに、本発明による容器を電子レンジ用の加熱容器に適用する場合にも、糸底の肉厚の変動が抑えられているために、糸底に熱がこもることを防ぎ、糸底の焦げの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る容器の外観図である。
図2】本発明の実施形態の容器において、胴部と底部との取り付け状態を示す部分拡大断面図である。
図3】(a)は、図1の3−3線に沿って見た部分断面図であり、(b)は従来の容器の対応する部分断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る容器の製造工程を示すフローチャートである。
図5A】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図5B】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図5C】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図5D】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図5E】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図5F】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図5G】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図5H】本発明の実施形態の容器における端部処理部の変形例を示す部分拡大断面図である。
図6】本発明の容器の変形例を表す、図2相当断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照してこの発明に係る容器を説明する。
【0019】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る容器を示す。
【0020】
図示したものは、例えば、飲料用の紙コップとして使用することができるが、これに限るものではなく、調理用としても使用可能な容器とすることができ、容器の高さと開口の比率は任意に変更可能である。
【0021】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る容器10は、胴部20及び底部30を備えている。
【0022】
胴部20には、扇状または矩形状のシート状材料の胴部ブランクの側端部同士が重ねられて接着されたサイドシーム21が形成されている。サイドシーム21が形成されることで、胴部20は上下に対向する開口22、23が画成された筒状形状をなしている。なお、胴部ブランクの形状によって、胴部20は上側開口22から下側開口23に向かって漸次縮径されたテーパ状になるように設計することができる。
【0023】
胴部20の上側開口22側の端部には、外側に巻き込まれたカールが形成されており、胴部20の下側開口23側の内側には底部30が取り付けられている。
【0024】
底部30は、円形のシート状材料の底部ブランクの外周縁が下方に折り曲げられた屈曲部31を有し、この屈曲部31が胴部20の下部内壁に接着される。底部30は、底上げされた状態で胴部20の内壁に接着されることで、胴部20の下部と底部30の屈曲部31とにより糸底40が形成される。
【0025】
胴部20及び底部30は、それぞれの任意のシート状材料から構成することができるが、例えば、それぞれ紙からなる紙層200、300と、紙層200、300の少なくとも一面に形成された、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂などを材料とするラミネート層202、302と、からなる積層のシート状材料とすることができる。紙層200、300は、150〜300g/m2の坪量、250〜400μmの厚みとし、ラミネート層202、302は、20〜80μmの厚みとすることができる。主材は紙層とすることができるが、これ以外に任意には、主材として、または追加の層として、合成樹脂層や発泡層を設けることも可能であり、3層以上の積層構造とすることも可能である。または、シート状材料は、合成樹脂のみから構成することも可能である。
【0026】
ここで、屈曲部31が胴部20の内壁に接着されている糸底40周辺について図2を参照して説明する。
【0027】
底部30の屈曲部31は、そのラミネート層302が胴部20の内壁に接着されている。この際の接着された部分42の高さ方向の接着長44は、例えば4mm以上となるように構成されているとよく、これによって、確実に底部30と胴部20との間をシールすることができ、容器内の液体が漏れ出すことを防ぐことができる。
【0028】
また、胴部20の底部30側の端部には、端面処理、例えば、折り返し処理が施された端部処理部26が形成されている。端部処理部26は、上方に折り返されて、そのラミネート層202が胴部20の内壁に接着されている。ここで、端部処理部26は、上方に折り返されているものの、屈曲部31までは達しておらず、屈曲部31を挟み込まないようになっている。よって、端部処理部26は屈曲部31の接着面と反対側の面とは非接着状態となっており、端部処理部26の折り返し部の上端は、屈曲部31よりも僅かに隔離されて位置づけられる。この端部処理部26の折り返し部の高さ方向の長さは、例えば1mm〜4mmとなるように構成されている。
【0029】
次に、容器10の製造方法について図4を参照して説明する。図4は、容器10の製造工程を示すフローチャートである。
【0030】
胴部20と底部30を構成するシート状材料を用意する(ステップS101)。次いで、シート状材料から扇状(または矩形状)の胴部ブランクを打ち抜く(ステップS102)。同様に、シート状材料から円形の底部ブランクを打ち抜き(ステップS103)、さらに底部ブランクの外周縁を絞り込んで屈曲部31を形成する(ステップS104)。
【0031】
胴部ブランクは、その側縁部を加熱して胴巻きし、溶融したラミネート層によって側縁部同士を接着してサイドシーム21を形成し、筒状の胴部20を作製する(ステップS105)。次いで、底部30の屈曲部31と胴部20の下端をそれぞれ加熱し、溶融したラミネート層によって、底部30の屈曲部31を胴部20の内壁に接着し、且つ、胴部20の下端を折り返して折り返した部分を胴部20の内壁に接着して端部処理部26を形成することで、糸底40を形成する(ステップS106)。そして、形成された糸底40を加圧子を用いて、内側から加圧することにより、接着部分を圧着させて糸底を仕上げる(ステップS107)。
【0032】
さらに、胴部20の上側開口22側端部を外側に巻き込む、いわゆるカーリング処理を施して、カールを形成する(ステップS108)。こうして、容器が完成する。
【0033】
また、任意には、この完成した容器の胴部20の外側に筒状のスリーブを接着、圧入等により取り付けることも可能である。スリーブは、容器との間に空隙を形成するように取り付けることで、断熱効果を持たせることができる。
【0034】
以上のようにして製造され、構成される容器10によれば、胴部20の端部処理部26の折り返しは、胴部20の内壁に接着され、屈曲部31にまで達しておらず、屈曲部31とは非接着状態となっているために、糸底40における肉厚の変動が小さいものとなっており、これによって、底部30を胴部20に圧着する際の不具合の発生を防止することができる。
【0035】
これを図示して説明すると、図3(b)に示すように、仮に、端部処理部26によって屈曲部31を挟み込んでいると、胴部のサイドシーム21付近において、胴部のサイドシームに相当する部分と、そうでない部分とで、シート状材料2枚分の段差ができており、その段差の近傍の肉薄側においては、圧力が十分に印加されておらず、底部の屈曲部31が、胴部20に挟まれた内部で蛇行して、意図しない皺が形成される現象が発生しやすい。この皺の部分において空隙が発生するおそれがあり、接着不良、取り付け不良が発生するおそれがある。
【0036】
これに対して、本実施形態においては、図3(a)に示すように、端部処理部26が屈曲部31を挟み込んでいないために、胴部20のサイドシーム21付近において、屈曲部31が接着された部分において形成される段差はシート状材料1枚分となっている。また、屈曲部31及び端部処理部26のいずれも加圧子によって直接、圧着されるために、意図しない皺や空隙が発生することができることを防ぐことができる。そして、屈曲部31と胴部20の内壁との接着を確実に行うことができる。
【0037】
また、端部処理部26により、容器10が平面上に載置される際の安定性が向上し、さらに、端部処理部26により、平面上に液体などがあった場合であっても、この液体が胴部20のシート状材料の切断面となる端面から浸み込むことを防止することができる。
【0038】
また、端部処理部26の折り返し量を抑えることができるので胴部20に使用される材料が少なくて済み、材料コストを低減させることができる。
【0039】
さらに、本発明による容器を電子レンジの調理用の容器に適用した場合において、糸底40の焦げを防止する効果も得られる。近年、電子レンジでは、高出力化の傾向があると共に、レンジ庫内の中央にマイクロ波を集中させて省エネルギ化を図っている。糸底40、特に糸底の上下中央付近は、内側と外側の両方からマイクロ波が到達するにもかかわらず、容器内の内容物から離れていて熱交換が少なく、それに加えて、従来の構成であると、胴部の下端の折り返し部が底部の屈曲部を挟み込んでいるために(図3(b)参照)、熱がこもりやすく、焦げやすい、という問題がある。この実施形態の構成によれば、糸底40の上下中央付近において、底部30の屈曲部31が、端部処理部26によって挟み込まれていないので、熱が糸底40内部にこもらずに放熱され易く、焦げの発生を防ぐことができる。
【0040】
また、胴部20の外側にスリーブを設ける場合には、放熱性を良くするために、スリーブの下端は、糸底よりも上方になるように位置づけるとよい。
【0041】
次に、図5を参照して端部処理部26の変形例を説明する。図5A〜Hは、前述した実施形態に係る容器10の端部処理部26の変形例を示している。
【0042】
図5Aに示される端部処理部26aは、胴部20の内側に巻き込まれたカールとなっている。このカールは、胴部20の内壁に必ずしも接着される必要はない。
【0043】
図5Bに示される端部処理部26bは、胴部20の内側に緩やかに折り返されて、底部30の屈曲部31の下端を巻き込んでいる。ただし、端部処理部26bの折り返し部は、底部30との間に間隙を保持するように形成されており、屈曲部31と非接着状態となっている。
【0044】
図5Cに示される端部処理部26cは略90度折り返されており、底部30の底面34と略平行となるように形成されている。
【0045】
図5Dに示される端部処理部26dでは、折り返し部が屈曲部31に重なるように形成されている。ただし、端部処理部26と屈曲部31とは非接着状態となっている。このような構成は、例えば、底部30のシート状材料の下面側に、ラミネート層302を構成する材料よりも高温の融点を持つ材料からなる非接着層304を形成し、胴部20のラミネート層は加熱しないか、または胴部20にはラミネート層を設けないようにすることで、従来の製造方法と同様の手順で製造することができる。これによって、圧着時に、端部処理部26が屈曲部31に接着されない。
【0046】
図5Dの例の場合には、圧着時に端部処理部26の折り返し部を介して屈曲部31を加圧することになるものの、端部処理部26と屈曲部31とが接着されないために、屈曲部31が端部処理部26によって拘束されず、そのため、意図しない屈曲部31の皺の発生を抑制することができる。
【0047】
図5Eに示される端部処理部26eは、胴部20の外側に巻き込まれたカールとなっている。
【0048】
図5Fに示される端部処理部26fは、図5Eのカール部分をさらに加圧して仕上げたものとなっている。
【0049】
図5Gに示される端部処理部26gは、胴部20の外側に折り返されており、折り返し部は、胴部20の外壁に接着されている。
【0050】
図5Hに示される端部処理部26hは、胴部20の下端を折り返す代わりに、端部にスカイブ処理等を行った例である。
【0051】
端部処理部26としては、以上のものに限られず、特許請求の範囲に記載された範囲内で任意の構成とすることができる。
【0052】
また、以上に説明した容器10において、底部30のシート状材料として、比較的強度の高い合成樹脂材料を適用することも可能であり、これによって、底部30の強度を向上させ、氷等の固形物の収納若しくは運搬用の容器として、または氷等の固形物を容器内に落下させて提供する容器として適用することができる。
【0053】
図6は、図1の実施形態のさらなる変形例であり、この例の容器11は、底部30の底面34に下方に凹んだ凹部36が形成されている。なお、その他の構成については図2と同一であるため、説明を省略する。
【0054】
このような容器11によれば、電子レンジの調理用の容器に適用する場合、電子レンジによる加熱効率を向上させる一方で、糸底の焦げの発生をさらに確実に抑制することができる。
【0055】
容器11では、凹部36を適切な形状に設計することで、容器11に収納された食材を容器11の中心部に集まるように配置することができ、加熱効率を向上させることができ、また、食材を収納する容器11の重心が下に下がることで容器が平面上に載置された際の安定性が向上し、転倒を防止することができる。
【0056】
容器11内の空間が増加することで、上部空間、いわゆるヘッドスペースが増える。ヘッドスペースの増加は、容器11内の食材や液体の沸騰時の衝撃の緩和、異なる食材を配置するための利用、容器11の搬送時の漏れ防止等に寄与することができる。
【0057】
また、加熱調理中に、仮に、胴部20と底部30との間の接着された部分42が加熱により溶融したとしても、凹部36が電子レンジの受け皿等によって受け止められることで、底部30の大きな変位を防ぐことができる。また、凹部36によって、糸底40の内側の部分を隠すことで、見栄えを良好にすることができる。
【符号の説明】
【0058】
10、11 容器
20 胴部
21 サイドシーム
26、26a〜26h 端部処理部
30 底部
31 屈曲部
36 凹部
40 糸底
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6