【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この目的は、それぞれが受動型閉止部材グリッパーを複数の個別の受動型閉止部材保持部と、閉止部材を取り除く場合または管を再び閉鎖する場合に、受動型閉止部材グリッパーを作動させる少なくとも1つのアクチュエータとを含んでいるキャップ除去装置またはキャップ除去および再キャップ装置によって達成される。ここで1つのアクチュエータは、閉止部材が管から取り除かれなければならない場合または閉止部材が閉止部材グリッパーから解放されなければならない場合に、1つの受動型閉止部材グリッパーに連結され、また閉止部材保持部が閉止部材を保持している場合に、受動型閉止部材グリッパーから連結を解かれる。
【0013】
これは、追加の閉止部材を用いることなく、また処理工程に対する厳しい制限なしに処理のスループットを向上させる。このようにして、追加の閉止部材の使用を回避し、装置の複雑さを軽減することにより、コストの節約も達成される。
【0014】
別の利点は、装置が、可変な形状のサンプル管を処理することを可能にし、また可変な形状の閉止部材を有するサンプル管を処理することを可能にするということである。これは、一次管ならびに二次管を処理することも可能にする。
【0015】
さらに別の利点は、クロスコンタミネーションのリスクが最小限にされるということである。
【0016】
さらに別の利点は、装置がキャップ除去装置としてのみ用いられても、スループットが向上するということである。
【0017】
本発明の別の利点は、複数のワークセルを含んでいるシステムにおける試料処理のスループットを最大限に高めることができるということである。
【0018】
これは、各ワークセルが、試料が抜き取られる必要がある時および場所で一次管から閉止部材を取り除き、他のワークセルへ移送される前に一次管を再び閉鎖するキャップ除去/再キャップ装置を有することにより達成される。
【0019】
本発明の1つの利点は、管が、閉止部材によって閉鎖された状態で、システム内、すなわち1つのワークセルから別のワークセルまで移送され、必要な時および場所でのみ開放され得るということである。このようにして、試料が管から漏出するリスク、クロスコンタミネーションのリスク、蒸発およびバイオハザードのリスクを最小限にできる。
【0020】
本発明によるキャップ除去/再キャップ装置を用いることにより、中央または共通のキャップ除去/再キャップ装置のスループットに依存することなく、サンプル管のキャップ除去および再キャップのスループットを、各ワークセルの試料処理のスループットおよび特定のワークフローに適合できる。また、キャップ除去/再キャップ装置を、各ワークセルに要求されるサンプル管のキャリアの種類に適合させることも可能であって、これは、例えば単一のサンプル管キャリアや複数のサンプル管を運ぶためのラックなど、互いに異なっている場合もある。
【0021】
本発明は、サンプル管から閉止部材を取り除くキャップ除去装置に関し、この装置は、それぞれが閉止部材を保持する受動型閉止部材グリッパーを含んでいる複数の個別の閉止部材保持部を含んでいる。この装置はさらに、管から閉止部材を取り除く場合、または閉止部材を解放する場合に受動型閉止部材グリッパーを作動させる少なくとも1つのアクチュエータと、閉止部材を取り除く場合に、管およびその閉止部材を互いから離れるようにバイアスをかける少なくとも1つのアクチュエータと協働する少なくとも1つの管グリッパーとを含んでいる。アクチュエータは、閉止部材が管から取り除かれなければならない場合または閉止部材が解放されなければならない場合に、閉止部材保持部の1つの受動型閉止部材グリッパーに連結され、また閉止部材保持部が閉止部材を保持している場合に、受動型閉止部材グリッパーから連結を解かれる。
【0022】
より詳細には、本発明は、サンプル管から閉止部材を取り除き、同一のそれぞれの閉止部材を用いて同一の管を再閉鎖するキャップ除去/再キャップ装置に関し、この装置は、それぞれが閉止部材を保持する受動型閉止部材グリッパーを含んでいる複数の個別の閉止部材保持部を含んでいる。この装置はさらに、管から閉止部材を取り除く場合またはそのそれぞれの閉止部材を用いて閉止部材を再閉鎖する場合に受動型閉止部材グリッパーを作動させる少なくとも1つのアクチュエータと、閉止部材を取り除く場合に、管およびその閉止部材を互いから離れるようにバイアスをかけ、管を再閉鎖する場合に、管およびその閉止部材を互いに対して向かうようにバイアスをかける少なくとも1つのアクチュエータと協働する少なくとも1つの管グリッパーとを含んでいる。アクチュエータは、閉止部材が管から取り除かれなければならない場合または管がそのそれぞれの閉止部材を用いて再閉鎖されなければならない場合に、閉止部材保持部の1つの受動型閉止部材グリッパーに連結され、また閉止部材保持部が閉止部材を保持している場合に、受動型閉止部材グリッパーから連結を解かれる。
【0023】
本発明によれば、本明細書中で「管」とも称される「サンプル管」とは、血液試料などの試料を患者から受け取り、そこに含まれる試料を診断目的のために分析検査室へと移送するために用いられる、「一次管」とも呼ばれる試料採取テスト管か、または、一次管から試料の分注分を受け取るために用いられ得る「二次管」である。一次管は通常ガラスまたはプラスティックで作製され、閉鎖端部および閉止部材により閉鎖される開放端部を有している。一次管は、異なる形状および色を呈する異なる材料で作製されてもよく、通常管の種類、すなわちそこに含まれる試料の種類やそこに含まれる試料がさらされる条件の種類に関連付けられる。例えば、抗凝固剤または凝固促進剤を含んでいる管や、血漿などの分離を容易にするゲルを含んでいる管が存在する。異なる種類の一次管はたいてい、異なる一次管製造者による単なるカスタマイズの結果である。ほとんどの場合それらは、試料の種類および/またはそれらが受ける分析を反映する。とりわけ、異なる量の試料を受け入れるために、異なる大きさ、すなわち異なる直径および/または異なる高さの一次管が存在する。ゆえに、種類が異なる可能性のある閉止部材を用いた異なる種類の一次管の操作を可能にするためには、単一の試験室と通常単一の機器が必要である。二次管は通常プラスティックで作製され、一次管に対して大きさおよび種類の変化の程度が小さくてもよい。特に、二次管は一次管より小さくてもよく、また例えばねじ式の、1種または同様の種類の閉止部材を用いて閉鎖されるように設計されてもよい。
【0024】
本明細書において「閉止部材」という語は、ねじ式キャップおよびゴム製のストッパを含むあらゆる種類のキャップを指すために用いられ、これらは押し引き動作および/またはねじ付け動作によってそれぞれ開放および/または閉鎖され得る。
【0025】
本発明による「キャップ除去装置」とは、同一または異なる種類の閉止部材をそのそれぞれの管から取り除くことによって、同一または異なる種類のサンプル管を自動的に開放できる装置である。
【0026】
本発明による「キャップ除去/再キャップ装置」とは、同一または異なる種類の閉止部材をそのそれぞれの管から取り除くことによって、同一または異なる種類のサンプル管を自動的に開放でき、またこれら管から取り除かれた閉止部材と同一のそれぞれの閉止部材を用いてサンプル管を自動的に再閉鎖できる装置である。ゆえに、キャップ除去/再キャップ装置は、さらに、同一のそれぞれの閉止部材を用いてサンプル管を再閉鎖するように構成されたキャップ除去装置である。また、キャップ除去/再キャップ装置はキャップ除去装置としてのみ用いられてもよい。それゆえ、特定されない限りは、この「装置」という一般的な語は以後、キャップ除去装置およびキャップ除去/再キャップ装置のいずれかまたは両方を示すために用いられる。
【0027】
本発明による装置は、それぞれが閉止部材を保持する受動型閉止部材グリッパーを含んでいる複数の個別の閉止部材保持部を含んでいる。「閉止部材保持部」とは、キャップ除去、すなわちサンプル管からの閉止部材の除去から、閉止部材の廃棄または再キャップ、すなわち同一の各閉止部材を用いた同一のサンプル管の再閉鎖までの間、閉止部材を保持できる装置である。各閉止部材保持部は、受動型閉止部材グリッパーを含んでおり、これの機能は、閉止部材の外面に加えられる受動的な摩擦圧力によって閉止部材をしっかりと保持し、閉止部材が移動および/または落下することを防ぐことである。「受動(受動型)」とは、サンプル管から閉止部材を取り除く場合または閉止部材を廃棄する場合またはそのそれぞれの閉止部材でサンプル管を再閉鎖する場合にのみ、受動型閉止部材グリッパーと装置の他の部品、特にアクチュエータとの間に力またはエネルギーの伝達が存在し、また、キャップ除去から廃棄または再キャップの間には、受動型閉止部材グリッパーとアクチュエータとの間に力またはエネルギーの伝達が存在しないことを意味する。この期間中閉止部材を保持するために必要な力は、弾性があり、受動型閉止部材グリッパーそのものの内面に向かう力である。ゆえに閉止部材グリッパーは、キャップ除去または再キャップが行われなければならない場合にアクチュエータと連結される必要があるが、アクチュエータに連結されずにこのような動作を行うことはできないという意味で受動的である。
【0028】
「アクチュエータ」とは、作動、すなわち管から閉止部材を取り除く場合またはそのそれぞれの閉止部材を用いて管を再閉鎖する場合に、受動型閉止部材グリッパーへの力またはエネルギーの伝達を行う装置である。このアクチュエータは、閉止部材が管から取り除かれなければならない場合または管が廃棄、またはそのそれぞれの閉止部材を用いて再閉鎖されなければならない場合に、閉止部材保持部の受動型閉止部材グリッパーに連結され、また閉止部材保持部が閉止部材を保持している場合に、受動型閉止部材グリッパーから連結を解かれる。一実施形態によればこの力は、例えば受動型閉止部材グリッパーの受動エレメントを押したり引いたりして、正または負の圧力を加えることにより受動型閉止部材グリッパーに伝達される軸方向の力である。また、力は代替的または付加的に回転に関するものでもよく、これは回転式の駆動手段に連結することによって、受動型閉止部材グリッパーに伝達される。しかしながら、この力は誘導されてもよく、すなわち、物理的接触を伴わずに、たとえば磁石により誘導されてもよい。
【0029】
アクチュエータと受動型閉止部材グリッパーとの間の関係に言及する際の「連結される」または「連結接続で」とは、アクチュエータが受動型閉止部材グリッパーに係合され、アクチュエータから受動型閉止部材グリッパーへの力の伝達が可能なことを意味する。係合は物理的な接触および/または位置合わせによって生じてもよい。「連結を解かれる」とは、アクチュエータおよび受動型閉止部材グリッパーの係合が解かれる、すなわち物理的に互いに分離されるか、ずらされることを意味する。代替的には、アクチュエータおよび受動型閉止部材グリッパーは物理的接触または位置合わせされたままでもよいが、アクチュエータから受動型閉止部材グリッパーへの力の伝達は停止され、これはアクチュエータから受動型閉止部材グリッパーへの力またはエネルギーの伝達がないことを意味する。
【0030】
本発明によればこのようにして、複数の閉止部材保持部を1つまたは2つ以上のアクチュエータに連結できる。一実施形態によれば、1つまたは2つ以上のアクチュエータが装置内に固定される一方で、複数の閉止部材保持部は、順番に1つまたは2つ以上のアクチュエータに連結されるように、固定されたアクチュエータに対して移動可能である。もちろんその逆も可能であって、その場合は複数の閉止部材保持部が固定され、1つまたは2つ以上のアクチュエータが固定された閉止部材保持部に対して移動可能である。
【0031】
本発明によれば装置はさらに、閉止部材を取り除く場合に管およびその閉止部材を互いから離れるようにバイアスをかけ、管を再閉鎖する場合に管およびその閉止部材を互いに向けてバイアスをかける少なくとも1つのアクチュエータと協働する、少なくとも1つの管グリッパーを含んでいる。一実施形態によれば、この少なくとも1つの管グリッパーは少なくとも1つのアクチュエータと位置合わせされる。複数のアクチュエータおよび複数の管グリッパーが存在する場合には、2つまたは3つ以上の管グリッパーがそれぞれの数のアクチュエータと位置合わせされてもよい。一実施形態によれば、管グリッパーは管を持ち上げ、またアクチュエータに連結された閉止部材保持部に対して管を保持するように構成され、アクチュエータは、サンプル管から閉止部材を取り除くためまたは閉止部材保持部によって保持されるそれぞれの当初の閉止部材を用いて管を再閉鎖するために、管グリッパーと協働する。しかしながら、管グリッパーがサンプル管を持ち上げることなくサンプル管を保持できる一方で、閉止部材保持部および/またはアクチュエータが管グリッパーに対して動かされるように装置を構成することも可能である。代替的には、管グリッパーと閉止部材保持部および/またはアクチュエータが互いに対して動くことができる。
【0032】
一実施形態によれば閉止部材グリッパーは、把持手段およびこの把持手段に接続されるバネなどのプレテンション部材を含んでおり、これはその間に対称に配置される閉止部材の側面に圧力を及ぼすために、1つの枢動方向(閉鎖方向)において閉止部材保持部に対して把持手段にプレテンションをかける。この圧力は、アクチュエータを受動型閉止部材グリッパーに連結する場合に、アクチュエータによってプレテンション部材に加えられる力によって解放できる。閉止部材は、廃棄されるか、またはそのそれぞれのサンプル管に戻されるまで、好ましくは装置の部品のほかの表面に触れることなく把持手段によって掛けられて保持される。
【0033】
一実施形態によれば把持手段は、閉止部材保持部の垂直な中心軸に対して対称に配置される複数のジョーを含んでおり、各ジョーは、好適には二次元のアレイで配置される突出部、例えば円錐形の突出部などの、好適には複数の突出部である摩擦面を含んでおり、またジョーは閉止部材を把持および保持するために互いに対して協働している。
【0034】
本実施形態は、最小限の接触面を用いて最大限の把持力が達成され得ることから、変わりうる形状および材料の閉止部材を除去および保持することに特に優れており、またこの閉止部材を用いてサンプル管を再閉鎖することにも特に優れている。このようにして閉止部材は、保持の間または取り外しもしくは再取り付け時の、ジョーを通るスライドの間に、落下することなく強力に保持され得る。さらに、滑らかかつ効率的なキャップ除去および再キャップのために、閉止部材の非対称な変形は防がれる。また、グリッパーおよび閉止部材の外面の接触は最小限で起こるので、閉止部材の内面および/または底面に存在するおそれのある微量な試料による、1つの閉止部材から次の閉止部材まででのクロスコンタミネーションの危険性を最小限にする。一実施形態によれば各ジョーは、閉止部材保持部の垂直な中央軸に対してその角度を変更することにより、水平なジョーの軸の周りで枢動可能である。これはジョーが、把持面および把持力を失うことなく、異なる傾斜の閉止部材の側面に適合することを可能にする。
【0035】
一実施形態によれば閉止部材保持部は、把持手段から独立して、受動型閉止部材押し出しエレメントを含んでおり、これは把持手段の圧力が解放された時に垂直方向において閉止部材に押圧力を及ぼすために、例えばバネなどの弾性部材を含んでいる。押し出しエレメントは、有利には、把持手段、例えばジョーの上方に取り付けられてもよい。このようにして、例えば閉鎖したサンプル管を閉止部材保持部に向けて持ち上げることによって把持手段の間の空間に閉止部材を挿入する時に、押し出しエレメントは閉止部材によって上方に押され、弾性部材は張力をかけられる。弾性部材の弾性力は、プレテンション部材の弾性力よりも弱くなるように選択される。それゆえ閉止部材が把持手段によってしっかりと保持されている限り、保持の間、押し出しエレメントは、付加的な影響を与えることなく、閉止部材の上面にのみ圧力を及ぼすように制限される。閉止部材がサンプル管に戻される場合には、再閉鎖の間、押し出しエレメントの効果は、たとえそれが閉鎖に寄与し得るものであってもわずかなものである。閉止部材が、例えばアクチュエータとの連結時にジョーを開放することによって把持手段の圧力を解放し、重力により閉止部材を落下させることによって廃棄される必要がある場合には、閉止部材が動かないままになったり、閉止部材グリッパーが詰まったままになったりすることが時として生じるおそれがある。押し出しエレメントはゆえに有利には、閉止部材保持部から押し出すことによって閉止部材を排出することに寄与するように設計される。押し出しエレメントはしかしながら、とりわけ凹形状、すなわちキャビティーを有するゴム製ストッパなどの特定の種類の閉止部材の上部に付加的な効果を奏するように設計されてもよい。この場合、押し出しエレメントの少なくとも一部が閉止部材のキャビティーに適合するように成形されると、把持手段により閉止部材を把持する際の、閉止部材の非対称的な変形および/または傾斜が防がれ得る。これはサンプル管の適切なキャップ除去および再キャップを可能にする。
【0036】
一実施形態によれば閉止部材グリッパーは、アクチュエータを受動型閉止部材グリッパーに連結する場合に、閉止部材保持部の垂直な中心軸の周りを回転でき、アクチュエータは閉止部材グリッパーを回転させるための閉止部材グリッパー駆動手段を備えている。ねじ式の螺合可能な閉止部材には、回転が必要である場合がある。回転は、しかしながら、必ずしも螺合を要求しないほかの種類の閉止部材にも有利である場合がある。一実施形態によれば、閉止部材グリッパーが回転され、ゆえに閉止部材を管に対して回転させる一方で、管グリッパーは管を静止したまま維持する。また、閉止部材を把持手段の間で静止させたまま、管を回転させることも可能である。
【0037】
一実施形態によれば装置は、連続しておよび/または繰り返し複数の閉止部材保持部を1つまたは2つ以上のアクチュエータとの連結接続に持ち込むための閉止部材保持部駆動手段、および/または管グリッパーを用いる把持配列に管を一度に持ち込むための管コンベヤを備えている。
【0038】
一実施形態によれば装置は、キャップ除去アクチュエータがキャップ除去側管グリッパーと位置合わせされるキャップ除去ステーションと、再キャップアクチュエータが再キャップ側管グリッパーと位置合わせされる再キャップステーションとを備えている。ここで閉止部材グリッパーおよび管は、キャップ除去アクチュエータおよびキャップ除去側管グリッパーが、管から閉止部材を取り除くために閉止部材グリッパーと協働するキャップ除去ステーションから、再キャップアクチュエータおよび再キャップ側管グリッパーが、同一の管を同一の閉止部材で再キャップするために閉止部材を保持している同一の閉止部材グリッパーと協働する再キャップステーションまで移動できる。キャップ除去および再キャップアクチュエータは構造的に同一であってもよいが、異なる専用の機能、すなわちそれぞれキャップ除去および再キャップのための機能を有する。とりわけこれらは、同一の受動型閉止部材グリッパーに連結され、それを作動するように構成されるが、より詳細には、例えば閉止部材グリッパー駆動手段を、受動型閉止部材グリッパーを時計方向または反時計方向に回転させるように設定することによって、キャップ除去または再キャップのいずれかに適合され得る。
【0039】
一実施形態によれば、複数の個別の閉止部材保持部は、移動可能な線形アレイまたは回転可能なロータ状のアレイまたはロボットアーム状の移送ユニットに配置され、これはあらゆるアクチュエータにランダムアクセスできる。一実施形態によれば、複数の閉止部材保持部は、中央の回転軸の周りで回転可能なプレートまたはブランチを備えた回転ラック型のロータの上に対称に配置される。閉止部材グリッパー駆動手段はこの場合、例えばベルト車やギヤのような機構や誘導するような機構を介して回転ラックをその軸の周りで制御された方法で駆動するモータを備えている。ロータは、回転毎のアクチュエータと閉止部材保持部との間の適切な配置を容易にするために、回転角を制御および/または監視する位置センサーを備えていてもよい。
【0040】
サンプル管は装置に対して、とりわけキャップ除去ステーションおよび/または再キャップステーションに対して管コンベヤを用いて動かされ得る。サンプル管は好適には、管キャリアで運ばれ、これは単一の管のキャリアであるいわゆる「パック(Puck)」か、または複数の管のキャリアであるいわゆる「管ラック」のどちらかである。複数の管キャリアは、例えば5つまでまたは5つ以上の管を受け入れるための複数の管受容部を備えており、また通常異なる種類の管、すなわち直径および高さが異なる管を受け入れるように構成される。管コンベヤはそれゆえ、モータにより駆動され、また管キャリアが管を一度に1つずつキャップ除去および/または再キャップステーションと位置合わせするために一段ずつ動かされるように配置される、移送バンドやガイドレールなどの移送ユニットを備えていてもよい。移送ユニットはしかしながら、キャップ除去/再キャップ装置の要求にしたがってカスタマイズされ、またキャップ除去/再キャップ装置の作業領域に閉じ込められる特別な管キャリア上で動くように構成されてもよい。この場合、サンプル管をパックおよび/または管ラックからこれらの特別なキャリアへ、またはその逆に移送する再フォーマット装置が、キャップ除去/再キャップ装置に操作可能に連結されてもよい。閉止部材保持部駆動手段および管コンベヤは、閉止部材がキャップ除去ステーションで取り除かれた後に管およびその閉止部材を同一の再キャップステーションに運ぶために、好適には同期される。
【0041】
一実施形態によれば装置は、管から閉止部材を取り除く時または管をその閉止部材で再閉鎖する時に管が持ち上げられるべき高さを決定するために、管グリッパーと協働する高さ測定検知器を備えている。高さ測定検知器は例えば、管または管キャリア上に配置されたコードを読み取り管またはラックの種類を特定するコードリーダでもよく、例えばバーコードリーダやRFIDリーダでもよい。高さ測定検知器は光学的なものでもよく、これは例えば、サンプル管および/または閉止部材の幾何学的パラメータ、とりわけ管の高さおよび/または直径、および/または閉止部材の大きさおよび形状または色を測定するよう構成されたカメラ型の検知器や他の光センサーを備えている。このようなカメラ型検知器の一例は、例えば米国特許出願第2010/018330号明細書に開示されている。高さ測定検知器は、直接または制御ユニットを介して管グリッパーに信号を送るように設定されてもよい。このようにしてサンプル管の種類のばらつきが考慮に入れられ、各サンプル管がそのそれぞれの幾何学的パラメータにしたがって持ち上げられるので、閉止部材が把持され取り除かれること、または管が閉止部材保持部によって保持される閉止部材で再閉鎖されることを可能にする。
【0042】
一実施形態によれば、管グリッパーは第1管把持手段および第2管把持手段を含んでおり、第1管把持手段は、第2管把持手段が第1管把持手段の力および接触面よりもそれぞれ大きい力および接触面で管をしっかりと把持および保持する前に、第1管把持手段が管キャリアからの管を把持し、持ち上げるように、第2把持手段に対してバイアスをかけることができ、また第2管把持手段と協働する。この二重の把持機構は、管キャリアと閉止部材との間のしばしば狭い空間でより小さな把持手段を用いて管の側壁を把持すること、またよりしっかりとした把持のために、より大きく強力な把持手段が側壁のより長い部分を把持できる高さへと管を持ち上げることを可能にする。
【0043】
一実施形態によれば、装置はエラー検出器を含んでおり、これは閉止部材が取り除かれているか、および/または管がそのそれぞれの閉止部材で再閉鎖されているかを決定するため、および/または管がそのそれぞれの閉止部材ではない閉止部材で再閉鎖されることを防ぐために、センサーおよび制御装置を含んでいる。エラー検出器は、高さ測定検知器と同一、同様または共有の構成部品であってもよい。とりわけエラー検出器は、閉止部材の幾何学的パラメータおよび/または各サンプル管上および/または閉止部材保持部内での閉止部材の存在の有無を測定するように構成された光学検出器、例えばカメラ型の検出器や他の光センサーを含んでいてもよい。とりわけエラー検出器は、キャップ除去前および再キャップ後の閉鎖したサンプル管を比較するように設定され得る。より詳細には、キャップ除去/再キャップ工程において何かエラーがある場合、エラー検出器は、警告または警報信号を発し、および/またはキャップ除去/再キャップ工程を中断し、および/または他の閉止部材または他のサンプル管と誤って接触する前に、サンプル管を再閉鎖し損なった閉止部材を廃棄するよう装置に指示するように設定されてもよい。さらにエラー検出器は、開放したままのサンプル管または開放され損なった管を、残りの管とは別に処理するように指示を送ってもよい。
【0044】
一実施形態によれば装置は、廃棄アクチュエータが廃棄区画と位置合わせされる廃棄ステーションを含んでおり、ここで閉止部材保持部は、キャップ除去アクチュエータおよびキャップ除去側管グリッパーが管から閉止部材を取り除くために閉止部材グリッパーと協働するキャップ除去ステーションから、廃棄アクチュエータが、閉止部材を廃棄区画内に廃棄するために、閉止部材を保持している同一の閉止部材グリッパーと協働する廃棄ステーションへと移動できる。代替的または付加的に、閉止部材保持部は、再キャップアクチュエータおよび再キャップ側管グリッパーがそのそれぞれの閉止部材で管を再閉鎖するために閉止部材グリッパーと協働している再キャップステーションから、廃棄ステーションへと移動できる。これは、管を再閉鎖しようとした時にエラーが生じ、閉止部材が閉止部材保持部内に残った場合に起こり得る。閉止部材保持部をフリーにして別の管からの別の閉止部材に利用可能にするため、および/または異なる管がその管に属するものではない閉止部材で閉鎖されることを防ぐために、閉止部材は、閉止部材保持部がキャップ除去または再キャップステーションに戻される前に廃棄ステーションで廃棄される。
【0045】
一実施形態によれば装置は、少なくとも1つのキャップ除去ステーションおよび少なくとも1つの廃棄ステーションを含んでいる。一実施形態によれば装置は、少なくとも1つのキャップ除去ステーションおよび少なくとも1つの再キャップステーションを含んでいる。一実施形態によれば装置は、少なくとも1つのキャップ除去ステーション、少なくとも1つの再キャップステーションおよび少なくとも1つの廃棄ステーションを含んでいる。これら全ての実施形態において、複数の閉止部材保持部が、順番にそれぞれのアクチュエータに連結されるために1つのステーションから別のステーションへ移動できる。しかしながら、閉止部材保持部は、アクチュエータに連結されることなく単にステーションを通り過ぎることも可能である。これは例えば、閉止部材保持部が廃棄ステーションを介してキャップ除去ステーションから再キャップステーションに動かされる場合にあり得る。ここで閉止部材を廃棄する意図はなく、閉止部材は再キャップステーションでそのそれぞれの管を再閉鎖することが意図されているので、意図される工程においてエラーが検出されない限り、廃棄ステーションにおけるアクチュエータと受動型閉止部材グリッパーとの間の連結はない。
【0046】
本発明はまた、サンプル管から一定量の試料を抜き取り、および/または例えば試薬や希釈緩衝液などの他の液体の一定量を、サンプル管または反応槽へ分注するピペットシステムにも関する。このピペットシステムは、本発明によるキャップ除去/再キャップ装置と、管の開放と同一の閉止部材を用いた管の再閉鎖との間の時間フレームで、一定量の試料を抜き取るため、または一定量の液体を分注するように構成され、例えばキャップ除去/再キャップ装置と同期されるピペットユニットとを含んでいる。このピペットユニットは、例えばスチール針などの1つまたは2つ以上の再利用できる洗浄可能な針を含んでいてもよいし、使い捨てのピペットチップを用いてもよい。ピペットユニットは、例えばガイドレールを用いて1つの平面上の1つまたは2つの移動方向に動かされ、また例えばスピンドル駆動部を用いてその平面に直交する第3の移動方向に動かされることが可能な移送ヘッドに取り付けられてもよい。
【0047】
特に、ピペットシステムは好適には、ピペットユニット、より詳細にはピペットチップまたは針が、キャップ除去と再キャップの間で開放した管と位置合わせされるピペットステーションを含んでいる。ピペットステーションは、ピペットユニットの、管に含まれている試料へのアクセスが容易になるように持ち上げるための、キャップ除去または再キャップ側管グリッパーと同様または同一のピペット管グリッパーを含んでいてもよい。一実施形態によれば、ピペットステーションはキャップ除去ステーションと再キャップステーションの間の管キャリアの移動経路において、キャップ除去ステーションと再キャップステーションとの間に配置される。
【0048】
単一の管キャリアで作動するように最適化されたシステムにおいて、キャップ除去ステーションおよび再キャップステーションは好適には互いから離れて配置されており、これはそのキャリアが互いに隣接している、一連の管における1つの管の中央と、第2の離れた管の中央との間の距離に対応しており、ピペットステーションは真ん中、すなわちその間の管と対応している。この場合における好適な閉止部材保持部の数は3つである。このようにしてサイクルを決定でき、この場合同一の固定された時間フレーム内で3つの管が処理され、3つの異なる工程が行われ得る。とりわけ、第1管は、そこから一定量の試料が抜き取られる間、または一定量の液体があらかじめ開放している第2管に分注される間開放しており、一方で一定量の液体がそこからあらかじめ抜かれている、または一定量の液体がそこにあらかじめ分注されている第3管は、キャップ除去ステーションから再キャップステーションまで閉止部材保持部の1つによって同一の時間フレームにおいて移送されている同一の閉止部材を用いて再閉鎖されている。このサイクルはその後再び新たに始まることができる。
【0049】
管ラックと作動するように最適化されたシステムにおいて、キャップ除去ステーションおよび再キャップステーションは好適には互いから所定の距離離れて配置されており、これは第1管ラックの第1受容部内の管の中央と、第1管ラックに隣接する第2管ラックの第1受容部内の第1の管の中央との間の距離に対応する。同一ラック上の2つの管の中央間の距離が、隣接するラック上で、最後の管の中心と第1管の中心との距離とそれぞれ等しくならないことが有利である。またピペットステーションも、この場合およそ真ん中、すなわち中間の管位置の1つに対応して、キャップ除去ステーションと再キャップステーションとの間に配置される。管ラックがそれぞれの数の管を受け入れる5つの受容部を含んでいる場合、好適な閉止部材保持部の数は6つである。このようにしてサイクルを決定でき、この場合同一の固定された時間フレーム内で3つの管が処理され、3つの異なる工程が行われ得る。詳細には、ラック上の管、例えば第1管は、そこから一定量の液体がピペットされる間、または一定量の液体があらかじめ開放している先行するラックの管の1つにピペットされる間開放しており、一方で一定量の試料がそこからあらかじめピペットされている、または一定量の試料がそこにあらかじめピペットされている別の管、例えば先行するラック上の第1管は、同一の時間フレームにおいて6つの閉止部材保持部の1つによってキャップ除去ステーションから再キャップステーションに一段ずつ移送されている同一の閉止部材を用いて再閉鎖されている。
【0050】
本発明はゆえに、ピペットシステムを用いてサンプル管からサンプルをピペットする方法にも関する。この方法は、キャップ除去ステーションで管から閉止部材を取り除くことによって管を開放する工程と、ピペットステーションでピペットユニットにより、開放した管から一定量の試料を抜き取る、および/または開放した管に一定量の液体を分注する工程と、再キャップステーションで同一の閉止部材を用いて管を再閉鎖する工程とを含んでいる。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、この方法は次の工程、すなわち、キャップ除去ステーションで第1の管から第1の閉止部材を取り除くことによって第1の管を開放する工程、再キャップステーションで同一の第2の管から取り除かれた第2の閉止部材を用いて第2の管を閉鎖する工程、ピペットステーションで開放した管から一定量の試料を抜き取る、または開放した管に一定量の液体を分注する工程、および廃棄ステーションで閉止部材を廃棄する工程のうちの少なくとも2つを同一の時間フレームで行う工程を含んでいる。
【0052】
「時間フレーム」という語はここでは、例えば数秒、例えば1〜10秒といった所定の時間ウィンドウを指すために用いられ、これは、上述の工程の少なくとも2つが連続して、または並行して、または重なり合って行われるサイクルを定めている。
【0053】
一実施形態によればこの方法は、閉止部材が取り除かれるキャップ除去ステーションから管が同一の閉止部材で再閉鎖される再キャップステーションまで、互いに独立しているが同期された方法で管およびその閉止部材を移動させる工程と、キャップ除去と再キャップとの間の時間フレームで、開放した管から一定量の試料をピペットする、および/または一定量の液体を開放した管に分注する工程とを含んでいる。いくつかの実施形態によれば、閉止部材は、キャップ除去ステーションおよび再キャップステーション以外ではサンプル管の移動経路と重ならない移動経路をたどって、キャップ除去ステーションから再キャップステーションへと動かされる。同じように、いくつかの実施形態によれば、ピペットユニットは、ピペットステーション以外では開放したサンプル管の移動経路と重ならない移動経路をたどって動かされる。このようにして、閉止部材保持部により保持されている間の閉止部材から、またはピペットユニットから最終的に滴下することによって、開放された管内の試料が汚染されることを防ぐ。
【0054】
代替的または付加的に、閉止部材保持部により保持される閉止部材から結果的に滴下することから装置の他の部品を保護するために、装置は、閉止部材保持部の移動経路の下に配置されるプレートまたは遮蔽板を含んでいてもよい。また、例えば試料が核酸増幅に用いられる場合など、クロスコンタミネーションが特に懸念される場合には、他のまたは付加的な手段が導入されてもよく、これは例えば、装置の部品を異なる区画に分離させるものや、装置またはその部品をフード(hood)などのエアロゾルが存在しない区画に閉じ込めるものである。
【0055】
本発明は、サンプル管に含まれる試料の少なくとも1つの試料パラメータを測定するための分析システムにも関する。この分析システムは、キャップ除去/再キャップ装置、および、管の開放から同一の閉止部材を用いる管の再閉鎖までの時間フレームにおいて、通常試薬を付加することなく、サンプル管に含まれている試料の物理パラメータ、化学パラメータまたは生体パラメータなどの、少なくとも1つの試料パラメータを測定する分析ユニットを含んでいる。分析ユニットは例えば、管内の試料のpH、温度、色、濁度、粘度など、試料の物理パラメータ、または容量などの量、または液面を測定するセンサーを含んでいてもよい。またこれは例えば、光学検出器または少なくとも部分的に試料中に浸される探針を含んでいてもよい。これは例えば、光度測定や、例えばイオン選択電極または変色をもたらす試薬が塗布されたストリップを用いるその他の物理的技術によって、試料中に含まれている分析物などの化学パラメータまたは生体パラメータを測定するように構成され得る。分析システムはさらに、上述のようなピペットユニットを含んでいる。
【0056】
本発明はゆえに、この分析システムを用いてサンプル管に含まれる試料の少なくとも1つの試料パラメータを測定する方法にも関する。この方法は、キャップ除去ステーションで閉止部材から管を取り除くことによって管を開放する工程、分析ユニットによって少なくとも1つの試料パラメータを測定する工程、および再キャップステーションで同一の閉止部材を用いて管を再閉鎖する工程を含んでいる。
【0057】
同一の分析ユニットはもちろん、特に光学検出器が用いられる場合には、例えばキャップ除去前および/または再キャップ後に、管を開放する必要なしに少なくとも1つの試料パラメータを測定するように構成されてもよい。
【0058】
また本発明は、生体試料を含んでいるサンプル管を処理するためのシステムにも関する。このシステムは、試料を処理するための複数のワークセルおよび任意には、1つのワークセルから少なくとも別のワークセルへとサンプル管を移送するための少なくとも1つの移送ユニットを含んでいる。このシステムはさらに、ワークセルによって処理されるようにサンプル管から一定量の試料を抜き取るため、または一定量の液体をサンプル管に分注するために、少なくとも1つのワークセルと対応するピペットシステムを含んでいる。ピペットシステムは、試料が抜き取られる必要がある場合または液体が分注される必要がある場合に、サンプル管から閉止部材を取り除き、別のワークセルに移送される前にサンプル管を再閉鎖するキャップ除去/再キャップ装置を含んでいる。
【0059】
例えば診断目的での試料の定性的評価および/または定量的評価などの検出、または検出前の試料の分類および/または調製、または検出後の試料の保管および/または廃棄においてユーザを補助する、独立型の装置か、またはより大きな機器の中のモジュールである。とりわけ、ワークセルは、分析および/または分析前および/または分析後の試料の処理工程に関連付けられ得る。ワークセルは互いに接続され、少なくとも部分的に互いに依存していてもよく、例えばそれぞれが、次のワークセルに進む前の必要条件となるような、試料処理ワークフローの指定のタスクを実行してもよい。また、ワークセルは互いに独立して機能してもよく、例えばそれぞれが分離したタスクを実行し、例えば同一の試料に異なる種類の分析を実行してもよい。
【0060】
分析ワークセルとは、例えば診断目的での試料の定性的評価および/または定量的評価などの、ユーザの検出を補助する、独立型の装置か、またはより大きな機器の中のモジュールである。これは、そのワークフローが特定の種類の分析に最適化されている工程および検出システムを含んでいてもよい。このようなワークセルの例は、化学反応または生体反応の結果を検出するためまたは化学反応または生体反応の進行を監視するために用いられる、臨床化学分析器、凝集化学分析器、免疫化学分析器、尿分析器である。分析ワークセルは試料および/または試薬のピペット処理、投与、混合を補助するユニットを含んでいてもよい。またワークセルは、アッセイを行う試薬を保持するための試薬保持ユニットを含んでいてもよい。試薬は、保管区画またはコンベヤ内の適切な受容部または位置に配置される、個別または一群の試薬を含んでいる容器またはカセットの形状で配置されてもよい。それは、反応槽またはキュベット供給ユニットを含んでいてもよい。とりわけそれは、試料および/または試薬を反応槽に運ぶために、ピペットユニットなどの1つまたは2つ以上の液体処理ユニットを含んでいてもよい。ピペットユニットは、スチール針などの再利用できる洗浄可能な針または使い捨てピペットチップを含んでいてもよい。ワークセルはさらに、液体を含んでいるキュベットを振るためのシェーカーや、キュベットまたは試薬容器中の液体を混合するための混合パドルを含んでいる1つまたは2つ以上の混合ユニットを含んでいてもよい。
【0061】
分析前のワークセルとは、ユーザの、分析ワークセルによって処理される前の試料の保管および/または調製を補助する、独立型の装置か、またはより大きな機器の中のモジュールである。これは例えば、分析の種類および/または分析の優先順位によって試料を分類する再分類ユニット、サンプル管に遠心力を作用させるための遠心分離機、ピペットユニットがサンプル管から試料を分取する分取ユニット、試料を特定の温度にさらす熱処理ユニット、試料成分を分離する分離ユニットのうちの1つまたは2つ以上を含んでいてもよい。
【0062】
分析後のワークセルとは、ユーザの、分析ワークセルによって処理された後の試料の保管および/または調製を補助する、独立型の装置か、またはより大きな機器の中のモジュールである。これは例えば、サンプル管を例えば異なる保存ラックおよび/または冷蔵区画へと再分類する再分類ユニットを含んでいてもよい。
【0063】
一般にワークセルは、サンプル管またはサンプル管を含んでいるラックを取り付けおよび/または取り外し、および/または、移送および/または保管するためのユニットと、試薬容器または試薬カセットを取り付けおよび/または取り外し、および/または、移送および/または保管するためのユニットと、例えばキュベットなどの反応容器を取り付けおよび/または取り外し、および/または、移送および/または保管、および/または、洗浄するためのユニットとを含んでいてもよい。反応容器は使い捨て、すなわち1回使用のもの、または、再利用可能なもの、すなわち洗浄および再使用されるように構成されたものであってもよい。またこれは、例えばバーコードやRFIDリーダなどのセンサーを含んでいる識別ユニットを含んでいてもよい。ワークセルはさらに、反応中に試料/試薬混合物を特定の温度に維持するための1つまたは2つ以上の保温ユニット、ピペットチップまたは針や混合パドルなどを洗浄するための洗浄ステーションを含んでいてもよい。
【0064】
各ワークセルは、タイムユニットにつき一定数の試料またはサンプル管を処理するように設計されてもよく、この数は変わってもよいので、システムは有利には、閉止部材保持部の数、および/またはアクチュエータの数、および/または管グリッパーの数、および/またはピペットユニットの数を、各ワークセルのスループットに適合するように設定され得る。
【0065】
また、各ワークセルは好適には単一のキャリア上のサンプル管か、複数の管を運ぶラック上のサンプル管のいずれかのみを処理するように設計され得るので、各キャップ除去/再キャップ装置は有利には、単一の管キャリアおよび/または複数のサンプル管を運ぶラックのいずれかに移送されるサンプル管を処理するように構成され得る。
【0066】
一実施形態によれば、このシステムは、1つのワークセルから別のワークセルへサンプル管を自動的に移送する移送ユニットを含んでいる。この移送ユニットは、単一のキャリアあるいは管ラック、またはその両方を移送するように構成されてもよい。移送ユニットは、例えば移送バンドまたは案内レールとして配置される、例えば1つまたは2つ以上の移送ラインを含んでいてもよい。とりわけ移送ユニットは、様々なキャップ除去/再キャップ装置の管コンベヤに接続されてもよく、例えばその延長であってもよい。ニーズまたは優先度にしたがって、および/または管または管キャリアの種類にしたがって、必ずしも連続ではなく、適切な時期に適切な試料を適切なワークセルに運ぶことによって、特定のワークセルがランダムアクセス方法によりアクセスされ得るように、バイパスラインおよび/またはジャンクションが存在してもよい。移送ユニットは代替的には、あらゆるワークセルへのランダムアクセスを有する一連の自律型ロボットキャリアを含んでいてもよい。
【0067】
代替的には、サンプル管および/または管キャリアは、ユーザにより手動で1つのワークセルから別のワークセルへと移送されてもよい。
【0068】
本発明のその他およびさらなる目的、特徴および利点を、例示的な実施形態を記載し、本発明の原理をより詳細に説明することに寄与する以下の記載および付随する図面により明らかにする。