特許第5797612号(P5797612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797612
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20151001BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   H01L23/12 F
   H05K3/18 K
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-167571(P2012-167571)
(22)【出願日】2012年7月27日
(65)【公開番号】特開2014-27173(P2014-27173A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】304024898
【氏名又は名称】京セラサーキットソリューションズ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】細井 義博
(72)【発明者】
【氏名】田口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】湯川 英敏
【審査官】 多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−073564(JP,A)
【文献】 特開平10−326965(JP,A)
【文献】 特開2012−038991(JP,A)
【文献】 特開2004−140089(JP,A)
【文献】 特開2012−004399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁層上に第2の絶縁層が積層されて成る絶縁基板の上面に、半導体素子が搭載される半導体素子搭載部とリード端子が接続されるリード接続部とが形成されており、前記半導体素子搭載部の直下における前記第1の絶縁層上に、前記半導体素子の電極がフリップチップ接続される複数の半導体素子接続パッドが形成されているとともに該半導体素子接続パッドを露出させる開口部が前記第2の絶縁層に形成されており、該第2の絶縁層における前記リード接続部に、前記リード端子が半田接続されるリード接続パッドが形成されて成る配線基板であって、前記第2の絶縁層の上面は、その算術平均粗さが前記半導体素子搭載部において50〜80nmであり、前記リード接続部において100〜150nmであることを特徴とする配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を搭載するための配線基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するための配線基板として、複数の絶縁層を積層して成る絶縁基板の上面に、半導体素子が搭載される半導体素子搭載部と、外部の電気回路に接続するためのリード端子が接続されるリード接続部とを備えた配線基板がある。
【0003】
このような配線基板の従来例を図5に示す。図5に示すように、従来の配線基板20は、絶縁層11と12とが積層されて成る絶縁基板の上面側に半導体素子Eが搭載される半導体素子搭載部A1および外部の電気回路に接続するためのリード端子Lが接続されるリード接続部A2を有している。半導体素子搭載部A1には、半導体素子Eの電極Tがフリップチップ接続される半導体素子接続パッド13が配設されている。またリード接続部A2には、リード端子Lが接続されるリード接続パッド14が配設されている。
【0004】
絶縁層11、12は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたガラス強化樹脂材料や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に酸化ケイ素粉末等の無機絶縁フィラーを分散させたフィラー強化樹脂材料、ポリイミド系樹脂とエポキシ樹脂系の接着剤からなる2層構造の樹脂材料等から成る。
【0005】
半導体素子接続パッド13は、絶縁層11の上面に形成されており、絶縁層12に設けた開口部15から露出している。また、リード接続パッド14は、絶縁層12の上面に形成されており、絶縁層12に設けたビアホール16を介して絶縁層11上の導体パターンに接続されている。これらの半導体素子接続パッド13およびリード接続パッド14は、例えば銅めっき層から成り、その表面に図示しないニッケルめっき層および金めっき層が順次被着されている。
【0006】
そして、図6に示すように、半導体素子接続パッド13には、半導体素子Eの電極Tが半田S1を介して接続され、リード接続パッド14には、外部の電気回路と接続するためのリード端子Lが半田S2を介して接続される。さらに、半導体素子Eと絶縁層12との間には、封止樹脂17が充填され、リード接続パッド14とリード端子Lとの接続部は、補強樹脂18により被覆される。なお、半導体素子Eと絶縁層12との間に封止樹脂を充填するには、未硬化の熱硬化性樹脂を含む樹脂ペーストを半導体素子Eと絶縁層12との間に注入した後、熱硬化させる方法が採用される。また、リード接続パッド14とリード端子Lとの接続部を補強樹脂18で被覆するには、未硬化の熱硬化性樹脂を含む樹脂ペーストをリード接続パッド14とリード端子Lとの接続部に滴下した後、熱硬化させる方法が採用される。なお、封止樹脂17用の樹脂ペーストや補強樹脂18用の樹脂ペースト中には、封止樹脂17や補強樹脂18の熱膨張係数を下げるため等に酸化ケイ素粉末等の無機絶縁フィラーが含有されている。
【0007】
ところで、このような従来の配線基板20は、以下のようにして製造されている。先ず、図7(a)に示すように、絶縁層11の上面に半導体素子接続パッド13を含む導体パターンを形成するとともにその上に絶縁層12を積層する。
次に、図7(b)に示すように、絶縁層12にビアホール16を形成する。ビアホール16の形成には、例えばパルス状のレーザ光をビアホール6の形成位置に複数回照射して絶縁層2を部分的に除去するレーザ加工法を用いる。
次に図7(c)に示すように、絶縁層12の上面側からプラズマを照射してビアホール16内およびその周辺の絶縁層12上面に付着したスミアを除去する。このとき、絶縁層12の表面は、プラズマ処理により粗化されて、その表面粗さが算術平均粗さRaで50〜80nm程度の粗化面となる。
次に、図8(d)に示すように、絶縁層12の表面にリード接続パッド14を形成するとともにリード接続パッド14と一体化されたビア導体によりビアホール16内を充填する。
次に、図8(e)に示すように、絶縁層12に開口部15を形成する。開口部15の形成にはビアホール16の形成と同様のレーザ加工法を用いる。
最後に、図8(f)に示すように、絶縁層12の上面側からプラズマを照射して開口部15内およびその周辺の絶縁層12上面に付着したスミアを除去するためにプラズマ処理を行なう。このとき、絶縁層12の表面は、プラズマ処理により再度粗化されてその表面粗さが算術平均粗さRaで100〜150nm程度の粗化面となる。
【0008】
しかしながら、この従来の配線基板20によると、絶縁層12の上面は、上述したように2回のプラズマ処理によりその表面粗さが算術平均粗さRaで100〜150nm程度の粗化面となっている。そのため、半導体素子Eと絶縁層12との間に封止樹脂17用の樹脂ペーストを注入する際に、粗化面を構成する凹凸の間に気泡が残留して封止樹脂17中にボイドを発生させやすい。このようなボイドは、封止樹脂17に熱応力が加えられた場合等に封止樹脂におけるクラックの起点となるので、封止樹脂17による封止の信頼性が低下してしまう。また、封止樹脂17用の樹脂ペーストが粗化面を構成する凹凸により発生する毛細管現象により絶縁層12の上面に大きく広がりやすく、樹脂ペースト中の樹脂成分のみが大きく流動してしまい、半導体素子Eと絶縁層12との間の封止樹脂17中に無機フィラー成分が取り残されることから、半導体素子を封止する封止樹脂がポーラスで脆い樹脂となってしまい、それによっても封止の信頼性が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−82305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、配線基板と半導体素子との間に封止樹脂を充填した場合に、封止樹脂にボイドが形成されること、および封止樹脂が配線基板の絶縁層上に大きく広がることを有効に防止して、封止樹脂による封止の信頼性が高い配線基板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の絶縁層上に第2の絶縁層が積層されて成る絶縁基板の上面に、半導体素子が搭載される半導体素子搭載部とリード端子が接続されるリード接続部とが形成されており、前記半導体素子搭載部の直下における前記第1の絶縁層上に、前記半導体素子の電極がフリップチップ接続される複数の半導体素子接続パッドが形成されているとともに該半導体素子接続パッドを露出させる開口部が前記第2の絶縁層に形成されており、該第2の絶縁層における前記リード接続部に、前記リード端子が半田接続されるリード接続パッドが形成されて成る配線基板であって、前記第2の絶縁層の上面は、その算術平均粗さRaが前記半導体素子搭載部において50〜80nmであり、前記リード接続部において100〜150nmであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の配線基板によれば、前記第2の絶縁層の上面は、その算術平均粗さRaが前記半導体素子搭載部において50〜80nmと小さいことから、半導体素子と配線基板との間に封止樹脂用の樹脂ペーストを注入した際に、半導体素子搭載部における第2の絶縁層の表面の粗化面を構成する凹凸の間に気泡が残留しにくい。したがって、封止樹脂中にボイドが発生しにくい。また、第2の絶縁層の上面は、半導体素子搭載部における算術表面粗さRaが50〜80nmと小さいことから、この部分で発生する毛細管現象の力が小さくなる。したがって、封止樹脂用のペーストが第2の絶縁層の表面に大きく広がることがない。その結果、封止樹脂による封止の信頼性が高い配線基板を提供することができる。
さらに、第2の絶縁層の上面は、前記リード接続部における算術平均粗さRaが100〜150nmであることから、補強樹脂とリード接続部とをアンカー効果により強固に密着させることができる。したがって、リード接続パッドとリード端子とを補強樹脂により強固に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を説明するための概略断面図である。
図2図2は、本発明の配線基板の実施形態の一例を説明するための概略断面図である。
図3図3は、図1に示す配線基板の製造方法を説明するための工程毎の概略断面図である。
図4図4は、図1に示す配線基板の製造方法を説明するための工程毎の概略断面図である。
図5図5は、従来配線基板を示す概略断面図である。
図6図6は、従来配線基板を示す概略断面図である。
図7図7は、図5に示す配線基板の製造方法を説明するための工程毎の概略断面図である。
図8図8は、図5に示す配線基板の製造方法を説明するための工程毎の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態の一例を図1〜4を基に説明する。図1に示すように、本例の配線基板10は、絶縁層1と2とが積層されて成る絶縁基板の上面側に半導体素子Eが搭載される半導体素子搭載部A1および外部の電気回路に接続するためのリード端子Lが接続されるリード接続部A2を有している。半導体素子搭載部A1には、半導体素子Eの電極Tがフリップチップ接続される半導体素子接続パッド3が配設されている。また、リード接続部A2には、リード端子Lが接続されるリード接続パッド4が配設されている。
【0015】
絶縁層1、2は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたガラス強化樹脂材料や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に酸化ケイ素粉末等の無機絶縁フィラーを分散させたフィラー強化樹脂材料、ポリイミド系樹脂とエポキシ樹脂系の接着剤からなる2層構造の樹脂材料等から成る。絶縁層1、2の厚みは、それぞれ10〜30μm程度である。
【0016】
絶縁層1の上面には、半導体素子接続パッド3を含む導体パターンが形成されている。これら半導体素子接続パッド3を含む導体パターンは、主として厚みが5〜15μm程度の銅めっき層から成り、周知のセミアディティブ法により形成されている。
【0017】
絶縁層2には、その上面にリード接続パッド4が形成されているとともに、半導体素子接続パッド3の上に開口部5とリード接続パッド4の下にビアホール6が形成されている。リード接続パッド4は、半導体素子接続パッド3と同様に主として厚みが5〜15μm程度の銅めっき層から成り、周知のセミアディティブ法により形成されている。リード接続パッド4は、例えば短辺が50〜200μm、長辺が500〜2000μmの長方形である。また、開口部5およびビアホール6は直径が15〜40μm程度の円形であり、レーザ加工により形成されている。なお、開口部5から露出する半導体素子接続パッド3の表面および絶縁層2上のリード端子4の表面には、図示しないニッケルめっき層および金めっき層が被着されている
【0018】
そして、図2に示すように、半導体素子接続パッド3には、半導体素子Eの電極Tが半田S1を介して接続され、リード接続パッド4には、外部の電気回路と接続するためのリード端子Lが半田S2を介して接続される。さらに、半導体素子Eと絶縁層2との間には、封止樹脂7が充填され、リード接続パッド4とリード端子Lとの接続部は、補強樹脂8により被覆される。なお、半導体素子Eと絶縁層2との間に封止樹脂7を充填するには、未硬化の熱硬化性樹脂を含む樹脂ペーストを半導体素子Eと絶縁層2との間に注入した後、熱硬化させる方法が採用される。また、リード接続パッド4とリード端子Lとの接続部を補強樹脂8で被覆するには、未硬化の熱硬化性樹脂を含む樹脂ペーストをリード接続パッド4とリード端子Lとの接続部に滴下した後、熱硬化させる方法が採用される。なお、封止樹脂7用の樹脂ペーストや補強樹脂8用の樹脂ペースト中には、封止樹脂7や補強樹脂8の熱膨張係数を下げるため等に酸化ケイ素粉末等の無機絶縁フィラーが含有されている。
【0019】
ところで、本発明においては、絶縁層2の上面の算術平均粗さRaが、半導体素子搭載部A1では50〜80nmとなっており、前記リード接続部A2では100〜150nmとなっている。このように、半導体素子搭載部A1における絶縁層2の上面の算術平均粗さRaが50〜80nmと小さなものとなっていることから、半導体素子Eと配線基板10との間に封止樹脂7用の樹脂ペーストを注入した際に、半導体素子搭載部A1における絶縁層2の表面の粗化面を構成する凹凸の間に気泡が残留しにくい。したがって、封止樹脂7中にボイドが発生しにくい。また、絶縁層2の上面は、半導体素子搭載部A1における算術表面粗さRaが50〜80nmと小さいことから、この部分で発生する毛細管現象の力が小さくなる。したがって、封止樹脂7用のペーストが絶縁層2の表面に大きく広がることがない。その結果、封止樹脂7による封止の信頼性が高い配線基板10を提供することができる。
さらに、絶縁層2の上面は、リード接続部A2における算術平均粗さRaが100〜150nmであることから、補強樹脂8とリード接続部A2とをアンカー効果により強固に密着させることができる。したがって、リード接続パッド4とリードド端子Lとを補強樹脂8により強固に接続することができる。
【0020】
ここで、本例の配線基板10の製造方法について説明する。先ず、図3(a)に示すように、絶縁層1の上面に半導体素子接続パッド3を含む導体パターンを形成するとともにその上に絶縁層2を積層する。半導体素子接続パッド3を含む導体パターンは、セミアディティブ法により形成する。具体的には、例えばニッケル−クロム合金から成る厚みが30〜100nmの密着金属層及び銅からなる厚みが0.1〜1.0μmの下地金属層を絶縁層1の上面にスパッタ法等の薄膜形成技術を採用して被着させた後、その下地金属層上に半導体素子接続パッド3を含む導体パターンに対応する開口パターンを有するめっきレジスト層を形成し、しかる後、めっきレジスト層の開口パターン内に露出する下地金属層上に電解銅めっき層を5〜15μmの厚みに析出させ、最後に下地金属層上からめっきレジスト層を除去するとともに電解銅めっき層から露出する下地金属層をエッチング除去することにより形成される。
【0021】
次に、図3(b)に示すように、絶縁層2にビアホール6を形成する。ビアホール6の形成には、例えばパルス状のレーザ光をビアホール6の形成位置に複数回照射して絶縁層2を部分的に除去するレーザ加工法を用いる。
【0022】
次に図3(c)に示すように、半導体素子搭載部A1に対応する絶縁層2の上面に保護シートMを被着するとともに、上面側からプラズマ照射し、ビアホール6内およびその周辺に付着したスミアを除去する。このとき、プラズマの照射により、リード接続部A2における絶縁層2の上面が粗化されて算術平均粗さRaで50〜80nmの粗化面となる。そして、半導体素子搭載部A1における絶縁層2の上面は、プラズマで粗化されずに15〜35nmの平滑な面を保つ。保護シートMとしては、厚みが30〜40μm程度のポリプロピレンから成るフィルムを用いる。保護シートMと絶縁層2との間は、例えばアクリル樹脂系の粘着材により剥離可能に密着させる。なお、粘着材は、保護シートMの一方の主面に予め塗布しておくことが好ましい。
【0023】
次に、図4(d)に示すように、保護シートMを除去した後、絶縁層2の表面にリード接続パッド4を形成するとともにリード接続パッド4と一体化されたビア導体によりビアホール6内を充填する。これらのリード接続パッド4およびビア導体は、半導体素子接続パッド3と同様のセミアディティブ法により形成される。
【0024】
次に、図4(e)に示すように、絶縁層2に開口部5を形成する。開口部5の形成にはビアホール6の形成と同様のレーザ加工法を用いる。
【0025】
最後に図4(f)に示すように、絶縁層2の上面側からプラズマ照射し、開口部5内およびその周辺に付着したスミアを除去する。このとき、プラズマの照射により、半導体素子搭載部A1における絶縁層2の上面が粗化されて算術平均粗さRaで50〜80nmの粗化面となる。また、リード接続部A2における絶縁層2の露出する上面は、2度目のプラズマ照射を受けてその算術平均粗さRaが100〜150nmの粗化面となる。このようにして、絶縁層2の上面の算術平均粗さRaが、半導体素子搭載部A1では50〜80nmであり、前記リード接続部A2では100〜150nmである本発明の配線基板10が完成する。
【実施例1】
【0026】
次に、本発明の実施例1について説明する。先ず、縦横がそれぞれ150mmで厚みが15μmの第1の絶縁層の上面中央部に直径が50μmの半導体素子接続パッドを70μmのピッチで1000個含む導体パターン形成した。絶縁層としては、厚みが5μmのエポキシ系の接着剤層と厚みが5μmのポリイミド系樹脂を貼り合わせたものを用いた。導体パターンの形成には、セミアディティブ法を用いた。セミアディティブ法における下地金属としては、厚みが30〜80nmのニッケル−クロム合金から成る密着金属層に厚みが0.25〜0.5μmの銅薄膜をスパッタにより形成した。また、セミアディティブ法における電解銅めっき層としては5〜8μmの厚みを被着させた。電解銅めっき液としては、荏原ユージライト社製のVF−IVを用い、30℃の温度で1.0A/dmの電流密度で30分間めっきを行なった。
次に、導体パターンの露出表面を低粗化タイプのナノ黒化処理液でエッチング処理した。このエッチング処理により半導体素子接続パッドの露出面の表面粗さは、150〜1000nmとなった。
次に、半導体素子接続パッドが形成された第1の絶縁層の上面に第2の絶縁層を積層した。第2の絶縁層としては、第1の絶縁層と実質的に同様のものを用いた。積層には、第2の絶縁層用の接着剤層を含む樹脂シートを絶縁層1の上に真空プレスにより貼り付けた後、150〜180℃の温度で100分間加熱して熱硬化させる方法を採用した。
次に、第2の絶縁層にレーザ加工法を用いてビアホールを形成した。ビアホールは、その下に導体パターンが位置するように、リード接続パッドに対応する位置にそれぞれ1〜3個ずつ形成した。レーザとしては、355nmYAGレーザを用い、出力が0.5W、周波数40KHzのレーザパルスを120ショット照射することにより各ビアホールを穿孔した。ビアホールの直径は、底面側で23〜27μm、開口部側で30〜35μmであった。
続いて、第2の絶縁層の上面中央部に縦横がそれぞれ150mmで、厚みが30〜40μmのポリプロピレンから成る保護シートをアクリル樹脂系の粘着層を介して被着するとともに、上面側からプラズマを照射し、デスミア処理を行なった。プラズマ照射の条件はプロセスガスが酸素で、出力200W、時間5分で行なった。このとき、第2の絶縁層の上面外周部は、算術平均粗さRaで50〜80nmに粗化された。なお、第2の絶縁層の上面中央部は保護シートにより保護されて粗化されなかった。
次に、保護シートを除去した後、第2の絶縁層の表面に幅が100μmで長さが1000μmのリード接続パッドを150μmのピッチで100個形成した。また、これと同時に各リード接続パッドの下のビアホール内をビア導体で充填した。リード接続パッドの形成には、上述した半導体素子接続パッドの場合と実質的に同様のセミアディティブ法を実質的に同様の条件で用いた。
次に、第2の絶縁層における各半導体素子接続パッドに対応する位置にレーザ加工法を用いて開口部を形成した。レーザとしては、355nmYAGレーザを用い、出力が0.5W、周波数40KHzのレーザパルスを120ショット照射することにより各開口部を穿孔した。開口部の直径は、底面側で23〜27μm、開口部側で30〜35μmであった。
続いて、上面側から開口部内および第2の絶縁層の表面にプラズマを照射し、デスミア処理を行なった。プラズマ照射の条件は、プロセスガスが酸素、出力200W、時間5分で行なった。このとき、第2の絶縁層の上面中央部では、プラズマ照射により粗化されて算術平均粗さRaが50〜80nmの粗化面となった。また、第2の絶縁層の上面外周部の露出面では、2度目のプラズマ照射を受けてその算術平均粗さRaが100〜150nmの粗化面となった。
最後に、開口部内に露出する半導体素子接続パッドの表面および第2の絶縁層上のリード接続パッドの表面に厚みが6〜8μmの無電解ニッケルめっき層を被着させた。無電解ニッケルめっき液としては、上村工業社製のNPR4を用い、85℃の温度でエア攪拌を行ないながら35分間めっきを行い、実施例1の試料を作成した。
【0027】
また、比較例として、上述の実施例1と同様にして第2の絶縁層にビアホールを形成した後、第2の絶縁層の上面中央部に保護シートを被着しないでプラズマ照射した以外は上述の実施例1と同様にして比較のための試料を作成した。この比較のための試料では、第2の絶縁層の露出面の算術平均粗さは、100〜150nmであった。
【0028】
次に、実施例1の試料および比較のための試料について、半導体素子接続パッドに半導体素子をフリップチップ接続した。半導体素子としては、縦横がそれぞれ3mmで厚みが0.3mmのシリコンチップを用いた。半導体素子の下面には直径が50μmで高さが10μmの銅から成る端子が70μmのピッチで1000個形成されものを用いた。半導体素子の電極と半導体素子接続パッドとは、Sn−Ag−Cu合金から成る半田を用いて接続した。半導体素子をフリップチップ接続した後の半導体素子と第2の絶縁層との隙間は60〜80μmであった。さらに、各試料のリード接続パッドの各々に、銅系の合金よりなる、幅が50μmで厚みが50μmの平板型タイプのリード端子をSn−Ag−Cu合金からなる半田で接続した。
【0029】
次に、各試料の半導体素子と第2の絶縁層との間に、エポキシから成る粘度が40Pasの樹脂ペーストをディスペンサーにより2mg注入した後、70〜120℃の温度で1時間加熱して樹脂ペーストを硬化させて封止樹脂を形成した。さらに、各試料のリード端子とリード接続パッドとの接続部にエポキシから成る粘度が40Pasの樹脂ペーストをディスペンサーにより800〜1500mg滴下した後、70〜120℃の温度で1時間加熱して樹脂ペーストを硬化させて補強樹脂を形成した。
【0030】
しかる後、封止樹脂が半導体素子から外側にはみ出した幅の最大値を測定した。また、リード端子を基板の上面に対して90度の角度で引っ張り、リード端子がリード接続パッドから剥がれたときの力を測定し、それをリード端子の接続強度とした。さらに、クロスセクションを行い第2の絶縁層と封止樹脂との間におけるボイドの有無を確認した。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から分かるように、本発明の実施例1の試料では封止樹脂のはみ出し幅は、410μmであり、大きな広がりは認められなかった。これらに対し、比較のための試料では、封止樹脂のはみ出し幅は、1560μmであり、大幅に樹脂上で広がり、またブリードアウトも発生した。また、本発明の実施例1の試料では、第2の絶縁層と封止樹脂との間にボイドの発生はなかった。これに対し、比較のための試料では、第2の絶縁層と封止樹脂との間に微小なボイドが観察された。なお、本発明の実施例1の試料および比較のための試料ではリード接続強度が0.40〜0.52kN/mであり十分に大きな強度を有していた。したがって、本発明による配線基板は、第2の絶縁層と封止樹脂との間にボイドが発生することがないとともに、封止用の樹脂ペーストが第2の絶縁層間表面に大きく広がることがなく、封止樹脂による封止の信頼性を高いものとすることができる。また、リード接続パッドとリード端子とを補強樹脂により強固に接続することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 第1の絶縁層
2 第2の絶縁層
3 半導体素子接続パッド
4 リード接続パッド
A1 半導体素子搭載部
A2 リード接続部
E 半導体素子
L リード端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8