特許第5797688号(P5797688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797688
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】siRNA接合体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20151001BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 47/48 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 47/34 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   C12N15/00 GZNA
   C12N15/00 A
   A61K48/00
   A61K31/713
   A61K9/51
   A61K47/48
   A61K47/34
   A61K47/32
   A61K47/28
   A61K47/06
   A61P31/04
   A61P31/12
   A61P35/00
【請求項の数】11
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2013-98798(P2013-98798)
(22)【出願日】2013年5月8日
(62)【分割の表示】特願2012-510752(P2012-510752)の分割
【原出願日】2010年5月13日
(65)【公開番号】特開2013-230148(P2013-230148A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2013年5月9日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0042297
(32)【優先日】2009年5月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502235773
【氏名又は名称】バイオニア コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ハン ボラム
(72)【発明者】
【氏名】パク ハンオ
(72)【発明者】
【氏名】シン ミシク
(72)【発明者】
【氏名】イ サムユン
【審査官】 松田 芳子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/021728(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0072823(US,A1)
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2004年,vol.14,p.4975-7
【文献】 Bioconjugate Chemistry,2009年 1月,vol.20,p.5-14
【文献】 Journal of Controlled Release,2008年,vol.129,p.107-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/09
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造のサバイビン特異的なsiRNA−高分子化合物接合体。
A−X−R−Y−B
(上記で、A及びBの一方が親水性高分子化合物であり、他方が、分子量250〜1,000の、C16−C50の炭化水素またはコレステロールである疎水性化合物であり、X、Yはそれぞれ独立に、リンカーで媒介されていない共有結合、またはリンカーで媒介された共有結合であり、Rはサバイビン特異的なsiRNAを示す。)
【請求項2】
前記サバイビン特異的なsiRNA(R)の一本鎖は、19〜31個のヌクレオチドで構成される請求項1に記載の接合体。
【請求項3】
前記サバイビン特異的なsiRNA(R)は、配列番号1〜4に記載された塩基配列から選択される何れか一つである請求項1に記載の接合体。
【請求項4】
前記サバイビン特異的なsiRNA(R)は化学的な変形(Chemical modification)を有する請求項1に記載の接合体。
【請求項5】
前記化学的な変形は、
ホスホジエステル結合のホスホロチオアート結合への変形と、
五炭糖の2´位置の−OHの2´−OCHまたは2´−ジオキシ−2´−フルオロウリジンへの変形と、
五炭糖の2´位置と4´位置を連結したLNAの形態への変形と、
から選択される何れか一つ以上である請求項4に記載の接合体。
【請求項6】
記親水性高分子化合物は、分子量1,000〜10,000の非イオン性高分子化合物であり、前記共有結合は、非分解性結合または分解性結合である請求項1に記載の接合体。
【請求項7】
前記非分解性結合は、アミド結合またはホスフェート結合であり、前記分解性結合は、ジスルフィド結合、酸分解性結合、エステル結合、アンヒドリド結合、生分解性結合及び酵素分解性結合から選択される請求項6に記載の接合体。
【請求項8】
前記親水性高分子化合物は、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリンから選択される請求項6に記載の接合体。
【請求項9】
請求項1に記載の接合体を含むナノ粒子。
【請求項10】
請求項1に記載の接合体を薬学的有効成分として含む組成物。
【請求項11】
請求項9に記載のナノ粒子を薬学的有効成分として含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌及び他の感染性遺伝子治療に有用に用いられることができるsiRNAの伝達を向上させる高分子化合物を分解性または非分解性結合を利用してsiRNAに結合させた接合体、前記接合体の製造方法及び前記接合体を用いたsiRNAの伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RNA干渉現象は、遺伝子の発現過程で二本鎖RNA(dsRNA)によって塩基配列特異的に転写後遺伝子発現を調節する機作であり、このような機作は、最初に発見されたC.elegansを始め、植物、ショウジョウバエ、哺乳動物にも共通的に存在する(Fire et al.,Nature,391:806−811,1998;Novina&Sharp,Nature、430:161−164、2004)。RNA干渉現象が起こる過程は、19−25bpのdsRNAが細胞内に入ると、RISC(RNA−induced silencing complex)接合体と結合し、アンチセンス(ガイド)鎖のみがmRNAと塩基配列相補的に結合して、RISC接合体に存在するエンドヌクレアーゼドメインによって標的mRNAを分解すると知られている(Rana,T.M.,Nat.Rev.Mol.Cell Biol.,8:23−36、2007;Tomari,Y.and Zamore,P.D.,Genes Dev.,19:517−529,2005)。
【0003】
dsRNAが細胞内に伝達されると、前記dsRNAが標的mRNA配列に特異的に結合してそのmRNAを分解するため、これを利用して、遺伝子の発現を調節できる新しい道具として思われている。しかし、人間の場合、dsRNAを細胞に導入する際に抗ウイルス性インターフェロン機作(antiviral interferon pathway)が誘発され、RNA干渉効果を得ることが困難であったが、2001年ElbashirとTuschlなどにより、21nt(nucleotide)の小さなdsRNAを人間細胞に導入する場合にはインターフェロン経路が誘発されず、標的mRNAを特異的に分解させるということが明らかになった(Elbashir,S.M.,Harborth,J.,Lendeckel,W.,Yalcin,A.,Weber,K.,Tuschl,T.,Nature,411,494−498,2001;Elbashir,S.M.,Lendeckel,W.,Tuschl,T.,Genes&Dev.,15,188−200,2001;Elbashir,S.M.,Martinez,J.,Patkaniowska,A.,Lendeckel,W.,Tuschl,T.,EMBO J.,20,6877−6888,2001)。以後、21ntのdsRNAは、siRNA(small interfering RNA)という名称で新しい機能ゲノム科学(functional genomics)の道具として脚光を浴び始めた。
【0004】
siRNAは、最近動物細胞で特定遺伝子の発現を阻害させるのに優れた効果を示すことが明らかになって遺伝子治療剤として脚光を浴びており、これらの高い活性と精密な遺伝子選択性によりここ20年間研究され、現在治療剤として活用されているアンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)に代替可能な治療剤として期待されている(Dana J.Gary et al.Journal of Controlled Release
121:64−73,2007)。特に、治療を目的とするsiRNA技法は、他の医薬品に比べデザインが容易であり、高い標的選択性及び特定遺伝子の発現阻害の特徴を有するため大きい長所がある。また、RNA干渉による遺伝子発現の抑制は、生体内で自然に存在する機作を利用するため毒性が低い。最近、OPKO社により黄斑変性(wet Age−Related Macular disease)の治療剤として開発された「Bevasiranib」は、新生血管の発生を誘発するVEGF(vascular
endotherial growth factor)に選択的に作用し、VEGFの発現を阻害するsiRNAであり、臨床3相試験中である(Dejneka NS et al.,Mol Vis.,28(14):997−1005,2008)。その他にも、多様な遺伝子を標的とするsiRNAを含む疾病治療剤が現在開発中である(Ryan P.Million,Nature Reviews Drug Discovery 7:115−116,2008)。
【0005】
RNA干渉により、生体内(in vivo)で特異的な発現の阻害を誘発した多様な結果があるにも関わらず、生体内(in vivo)siRNA伝達のためには、血液内の酵素による分解、血液内の尿素との相互作用及び非特異的な細胞への伝達などの解決すべきの問題を多く有している(Shigeru Kawakami and Mitsuru Hashida,Drug Metab.Pharmacokinet.22(3):142−151,2007)。このような問題を克服するために、部分的に核酸分解酵素抵抗性類似体を利用したり、伝達技術を改善するなどの方法が試されている。
【0006】
改善された伝達技術の例として、アデノウイルス、レトロウイルスなどのウイルスを利用した遺伝子伝達技術と、リポソームとカチオン性脂質及びカチオン性高分子化合物を利用した非ウイルス性ベクター(non−viral vector)による遺伝子伝達技術が開発されてきた。しかし、ウイルス性伝達体は、伝達された遺伝子が宿主の染色体に移入され、宿主遺伝子の正常機能に異常を誘導したり、発癌遺伝子を活性化させる可能性も排除できないため安全性に問題点があり、ウイルス遺伝子が少量でも引き続き発現されて自己免疫症を誘発したり、ウイルス伝達体から変形された形態のウイルス感染が誘発される場合、効率的な防御免疫を起こすことができないこともある。一方、非ウイルス性伝達体は、ウイルス性伝達体に比べ効率性が劣るが、生体内安全性と経済性を考慮すると、副作用が少なく、生産コストが安価であるという長所がある(Lehrman S.Nature.401(6753):517−518,1999)。また、非ウイルス性伝達方法では、siRNAを含むRNA分子の伝達をなすために酵素または非酵素的な分解に対して効果的に防御できる方法が求められるが、その方法の一つがshRNA(short
hairpin RNA)をコードしたDNA発現プラスミドを活用するものであり、DNAによるシステムは発現ベクターが存在する間にのみsiRNAが発現されるという長所を有する。さらに、最近、siRNAを化学的に修飾させる研究により、核酸分解酵素に対する不安定性及び細胞内の低い吸収率を改善する方法が提案されている(Shigeru Kawakami and Mitsuru Hashida.Drug Metab.Parmacokinet.22(3):142−151,2007)。
【0007】
siRNAの化学的な修飾方法のうち、核酸分解酵素により分解される部分であるホスホジエステル結合(phosphodiester bond)をホスホロチオアート結合(phosphorothioate linkage)に変形したり、五炭糖の2’部分を、2’−O−meRNA、2’−ジオキシ−2’−フルオロウリジン(2’−dioxy−2’−fluouridine)または2’と4’を連結してLNA(locked nucleic acid)の形態に変更して、血清内の安定性を増加させた結果を得た(Braasch D.A.et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.14:1139−1143,2003;Chiu Y.L.and Rana T.M.,RNA,9:1034−1048,2003;Amarzguioui M.et
al.Nucleic Acid Res.31:589−595,2003)。他の形態の化学的な変形方法として、センス(アンチ−ガイド)鎖の3’末端部位に官能基を連結して対照群に比べ増加された薬力学的特性を有するようにし、siRNAの親水性/疎水性の均衡により、生体内(in vivo)に適用する際高い効率を誘導することができることが把握された(Soutschek J.et al.Nature 432:173−178.2004)。
【0008】
しかし、上記の方法は、分解酵素からsiRNAを保護し、効率的な細胞膜透過のためには未だに不十分な点が多かった。
【0009】
そこで本発明者らは、siRNAに親水性または疎水性高分子化合物を分解性または非分解性結合を利用して結合させた接合体が、siRNAの生体内安定性を向上させることを見い出し、それに基き本発明を完成するに至った。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Fire et al.,Nature,391:806−811,1998
【非特許文献2】Novina&Sharp,Nature、430:161−164、2004
【非特許文献3】Rana,T.M.,Nat.Rev.Mol.Cell Biol.,8:23−36、2007
【非特許文献4】Tomari,Y.and Zamore,P.D.,Genes Dev.,19:517−529,2005
【非特許文献5】Elbashir,S.M.,Harborth,J.,Lendeckel,W.,Yalcin,A.,Weber,K.,Tuschl,T.,Nature,411,494−498,2001
【非特許文献6】Elbashir,S.M.,Lendeckel,W.,Tuschl,T.,Genes&Dev.,15,188−200,2001
【非特許文献7】Elbashir,S.M.,Martinez,J.,Patkaniowska,A.,Lendeckel,W.,Tuschl,T.,EMBO J.,20,6877−6888,2001
【非特許文献8】Dana J.Gary et al.Journal of Controlled Release 121:64−73,2007Dejneka NS et al.,Mol Vis.,28(14):997−1005,2008
【非特許文献9】Ryan P.Million,Nature Reviews Drug Discovery 7:115−116,2008
【非特許文献10】Shigeru Kawakami and Mitsuru Hashida,Drug Metab.Pharmacokinet.22(3):142−151,2007
【非特許文献11】Lehrman S.Nature.401(6753):517−518,1999
【非特許文献12】Shigeru Kawakami and Mitsuru Hashida.Drug Metab.Parmacokinet.22(3):142−151,2007
【非特許文献13】Braasch D.A.et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.14:1139−1143,2003
【非特許文献14】Chiu Y.L.and Rana T.M.,RNA,9:1034−1048,2003
【非特許文献15】Amarzguioui M.et al.Nucleic Acid Res.31:589−595,2003
【非特許文献16】Soutschek J.et al.Nature 432:173−178.2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、siRNAの細胞内伝達効率性を向上させるために、siRNAのセンス鎖またはアンチセンス鎖の末端に生体適合性高分子化合物である親水性高分子または疎水性高分子化合物を分解性または非分解性結合を利用して結合させた接合体を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、高分子化合物、特に人体に適用する際にその安定性が立証された高分子化合物、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)を含んでいる固形支持体及び前記支持体を利用して3’にPEGが結合されたRNA、DNA、RNA−DNAキメラ(chimera)及び類似体(analog)を含むオリゴヌクレオチドを効率的に製造する方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、前記siRNA接合体の製造方法及び前記siRNA接合体を利用したsiRNAの伝達方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を果たすための本発明の第1は、下記構造のsiRNAと高分子化合物接合体を提供するものである。
A−X−R−Y−B
(上記で、A及びBはそれぞれ独立に、親水性高分子または疎水性高分子化合物、X、Yはそれぞれ独立に、リンカーが媒介されていない共有結合またはリンカーが媒介された共有結合であり、RはsiRNAを示す。)
【0015】
また、本発明の第2は、下記構造のsiRNAと高分子化合物接合体を提供するものである。
A−X−R
(上記で、Aは疎水性高分子化合物であり、Xはリンカーが媒介されていない共有結合またはリンカーが媒介された共有結合であり、RはsiRNAを示す。)
【0016】
また、本発明の第3は、前記siRNA(R)の一本鎖が19〜31個のヌクレオチドで構成される接合体を提供するものである。
【0017】
また、本発明の第4は、前記疎水性高分子化合物(A)が、分子量250〜1,000の疎水性高分子化合物であることを特徴とする接合体を提供するものである。
【0018】
また、本発明の第5は、前記疎水性高分子化合物(A)が、C16−C50の飽和炭化水素またはコレステロールである接合体を提供するものである。
【0019】
また、本発明の第6は、前記共有結合(X、Y)が、非分解性結合または分解性結合である接合体を提供するものである。
【0020】
また、本発明の第7は、前記非分解性結合が、アミド結合またはリン酸結合である接合体を提供するものである。
【0021】
また、本発明の第8は、前記分解性結合が、ジスルフィド結合、酸分解性結合、エステル結合、アンヒドリド結合、生分解性結合及び酵素分解性結合から選択される接合体を提供するものである。
【0022】
また、本発明の第9は、前記親水性高分子化合物(AまたはB)が、分子量1,000〜10,000の非イオン性高分子化合物である接合体を提供するものである。
【0023】
また、本発明の第10は、前記親水性高分子化合物が、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリンで構成された群から選択される接合体を提供するものである。
【0024】
また、本発明の第11は、下記構造のポリエチレングリコールが結合された固形支持体を提供するものである。
(上記で、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;mは、2〜18の整数であり、nは5〜120の整数であり、Xは、水素、4−モノメトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、4,4’,4”−トリメトキシトリチル基である。)
【0025】
また、本発明の第12は、前記固形支持体がCPG(controlled pore glass)である、ポリエチレングリコールが結合された固形支持体を提供するものである。
【0026】
また、本発明の第13は、前記CPGは、直径が40〜180μmであり、空隙サイズが500Å〜3000Åである、ポリエチレングリコールが結合された固形支持体を提供するものである。
【0027】
また、本発明の第14は、下記構造式IV表される構造を有する3’−PEG−CPGである、ポリエチレングリコールが結合された固形支持体を提供するものである。
【0028】
[構造式IV]
【0029】
また、本発明の第15は、
1)CPGに3−アミノプロピルトリエトキシシランを反応させて、LCAA−CPG(Long Chain Alkyl Amine Controlled Pore Glass)を形成する段階と、2)ポリエチレングリコールに4,4’−ジメトキシトリチルクロライドを反応させて、2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)]を形成する段階と、3)前記2)で形成された化合物と下記化学式1の化合物とを反応させて、下記構造式Iで表される化合物を形成する段階と、4)前記形成された下記構造式Iの化合物とクロロギ酸4−ニトロフェニルとを反応させて、下記構造式II表される化合物を形成する段階と、5)前記3)で形成された下記構造式Iの化合物とN−スクシンイミジルトリフルオロ酢酸とを反応させて、下記構造式IIIで表される化
合物を形成する段階と、6)前記1)で形成されたLCAA−CPG化合物を、前記3)から5)でそれぞれ形成された下記構造式I、IIまたはIIIの化合物とそれぞれ反応させ
る段階と、を含む前記第15に記載の3’−PEG−CPGの製造方法を提供するものである。
【0030】
[化学式1]
【0031】
[構造式I]
【0032】
[構造式II]
【0033】
[構造式III]
【0034】
[構造式IV]
(上記で、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;nは5以上120以下の整数である。)
【0035】
また、本発明の第16は、1)前記第11に記載のポリエチレングリコールが結合された固形支持体を利用して、標的遺伝子に対するsiRNAを製造する段階と、2)siRNAの末端基とポリエチレングリコールとを共有結合で連結する段階と、を含む前記siRNA接合体の製造方法を提供するものである。
【0036】
また、本発明の第17は、前記第1または第2に記載のsiRNA接合体で構成されたナノ粒子を提供するものである。
【0037】
また、本発明の第18は、1)前記第17に記載のナノ粒子を準備する段階と、2)前記ナノ粒子を動物の体内に投入する段階と、を含む遺伝子治療方法を提供するものである。
【0038】
また、本発明の第19は、前記ナノ粒子が経口投与または静脈注射の方法で体内に投与されることを特徴とする治療方法を提供するものである。
【0039】
また、本発明の第20は、前記第1または第2に記載のsiRNA接合体の薬学的有効量を含む薬学的組成物を提供するものである。
【0040】
また、本発明の第21は、前記第17のナノ粒子の薬学的有効量を含む薬学的組成物を提供するものである。
【0041】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0042】
本発明は、下記構造のsiRNAと高分子化合物接合体を提供する、。
A−X−R−Y−B
上記で、A及びBはそれぞれ独立に、親水性高分子または疎水性高分子化合物であり、X、Yはそれぞれ独立に、リンカーが媒介されていない共有結合またはリンカーが媒介された共有結合であり、RはsiRNAを示す。
【0043】
また、本発明は、下記構造のsiRNAと高分子化合物接合体を提供する。
A−X−R
上記で、Aは疎水性高分子化合物であり、Xはリンカーが媒介されていない共有結合またはリンカーが媒介された共有結合であり、RはsiRNAを示す。
【0044】
本発明の接合体において、前記siRNAのオリゴ鎖は、19〜31個のヌクレオチドを含むことが好ましい。本発明において使用可能なsiRNAは、遺伝子治療用または研究用に用いられるか用いられる可能性のある如何なる遺伝者由来のsiRNAも採択されることができる。
【0045】
前記疎水性高分子化合物は、分子量250〜1,000の疎水性高分子化合物であることが好ましい。前記疎水性高分子化合物の例としては、飽和炭化水素、好ましくはC16〜C50の飽和炭化水素、コレステロールが挙げられる。この際、疎水性高分子化合物は、前記飽和炭化水素及びコレステロールにのみ限定されるものではない。
【0046】
前記疎水性高分子化合物は、疎水性相互作用を起こし、siRNAと疎水性高分子化合物接合体で構成されたミセルを形成させる機能をする。前記疎水性高分子化合物のうちでも特に飽和炭化水素の場合、siRNAの製造段階で容易に接合させることができる長所を有しているため、本発明に係る接合体の製造において非常に適する。
【0047】
また、前記共有結合(即ち、X、Y)は、非分解性結合または分解性結合のうち何れであってもよい。この際、非分解性結合としてはアミド結合またはリン酸結合が挙げられ、分解性結合としてはジスルフィド結合、酸分解性結合、エステル結合、アンヒドリド結合、生分解性結合、または酵素分解性結合などが挙げられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0048】
前記結合を媒介するリンカーは、親水性高分子(または疎水性高分子)とsiRNAから由来した残基の末端基を共有的に結合させ、必要に応じて、所定の環境で分解が可能な結合を提供する限り、特に限定されるものではない。従って、前記リンカーは、接合体の製造過程中siRNA及び/または親水性高分子(または疎水性高分子)を活性化するために結合させる如何なる化合物も含むことができる。
【0049】
また、前記親水性高分子化合物は、分子量1,000〜10,000の非イオン性高分子化合物であることが好ましい。例えば、親水性高分子化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリンなどの非イオン性親水性高分子化合物を用いることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0050】
前記親水性高分子化合物の官能基は、必要に応じて他の官能基に置換されてもよい。前記親水性高分子化合物のうちでも、特にPEGは多様な分子量と官能基を導入することができる末端を有しており、生体内親和性が良好であり、免疫反応を誘導することなく、水に対する溶解度を増加させて生体内での遺伝子伝達の効率を増加させるため、本発明に係る接合体の製造において非常に適する。
【0051】
また、本発明は、下記構造のポリエチレングリコールが結合された固形支持体を提供する。
上記で、固形支持体(solid support)は、例えば、CPG、ポリスチレン、シリカゲル、セルロース紙などを含むが、これに制限されず、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;mは2〜18の整数であり、nは5〜120(Molar mass282〜5300)までの整数であり;Xは、4−モノメトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、または4,4’,4”−トリメトキシトリチル基であって、酸で処理された後除去されて水素となる。固形支持体がCPGである場合、直径は40〜180μmであることが好ましく、500Å〜3000Åの空隙サイズを有することが好ましい。
【0052】
また、本発明は、下記構造式IVで表される構造を有する3’−PEG−CPGであるポリエチレングリコールが結合された固形支持体を提供する。
【0053】
[構造式IV]
【0054】
また、本発明は、下記の段階を含む構造式IVの3’−PEG−CPGの製造方法を提供する。
【0055】
1)CPGに3−アミノプロピルトリエトキシシランを反応させて、LCAA−CPGを形成する段階と、
2)ポリエチレングリコールに4,4’−ジメトキシトリチルクロライドを反応させて、2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)]を形成する段階と、
3)前記2)で形成された化合物と下記化学式1の化合物とを反応させて、下記構造式Iで表される化合物を形成する段階と、
4)前記形成された下記構造式Iの化合物とクロロギ酸4−ニトロフェニルとを反応させて、下記構造式IIで表される化合物を形成する段階と、
5)前記3)で形成された下記構造式Iの化合物とN−スクシンイミジルトリフルオロ酢酸とを反応させて、下記構造式IIIで表される化合物を形成する段階と、
6)前記1)で形成されたLCAA−CPG化合物を、前記3)〜5)でそれぞれ形成された下記構造式I、IIまたはIIIの化合物とそれぞれ反応させる段階と、を含む下記構造
式IVの3’−PEG−CPGの製造方法を提供する。
【0056】
[化学式1]
【0057】
[構造式I]
【0058】
[構造式II]
【0059】
[構造式III]
【0060】
[構造式IV]
(上記で、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;nは5以上120以下の整数である。)
【0061】
また、本発明は、前記ポリエチレングリコールが結合された固形支持体を利用して、siRNAとPEGとの接合体を製造する方法を提供する。具体的には、
1)前記ポリエチレングリコールが結合された固形支持体を利用して、標的遺伝子に対するsiRNAを製造する段階と、
2)siRNAの末端基とポリエチレングリコールとを共有結合で連結する段階と、を含む前記siRNA接合体の製造方法を提供する。これにより、RNA、DNA、RNA−DNAキメラ及び類似体を含むオリゴヌクレオチドを効率的に製造することができる。
【0062】
また、本発明の好ましい一例によると、前記siRNAは、β−シアノエチルホスホラミダイト(β−cyanoethyl phosphoramidite)を利用してRNA骨格構造をなすホスホジエステル結合を連結していく方法により製造することができる(Shina et al.Nucleic Acids Research,12:4539−4557,1984)。例えば、RNA合成器を使用して、ヌクレオチドが付着された固形支持体上で、脱ブロック化(deblocking)、カップリング(coupling)、酸化(oxidation)及びキャッピング(capping)からなる一連の過程を繰り返して、所望の長さのRNAを含む反応物が得られるが、これに限定されるものではない。
【0063】
また、本発明は、前記siRNA接合体で構成されたナノ粒子を提供する。
【0064】
本発明のsiRNAと高分子化合物接合体は、相互作用によってナノ粒子構造を形成することができ、このように形成されたsiRNAと高分子化合物接合体とsiRNA高分子化合物接合体で構成されたナノ粒子は、siRNAの細胞内伝達を向上させ、これを疾病モデルの治療の目的に応用することが可能である。より具体的な接合体の製造、接合体で構成されたナノ粒子の特徴、細胞伝達の効率及び効果は、後述する実施例においてより詳細に説明する。
【0065】
また、本発明は、前記ナノ粒子を利用した遺伝子治療方法を提供する。
【0066】
具体的には、前記siRNA高分子化合物接合体で構成されたナノ粒子を準備する段階と、前記ナノ粒子を動物の体内に投入する段階と、を含む遺伝子治療方法を提供する。
【0067】
また、本発明は、前記siRNA接合体で構成されたナノ粒子の薬学的有効量を含む薬学的組成物を提供する。
【0068】
本発明の組成物は、投与のために、前記記載の有効成分の他に薬学的に許容される1種以上の担体をさらに含んで製造することができる。薬学的に許容される担体は、本発明の有効成分と両立可能でなければならず、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれら成分のうち1種以上を混合して用いることができ、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤などの他の通常の添加剤を添加することができる。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤をさらに添加して、水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用剤形に製剤化することができる。さらには、当分野の適正な方法で、またはRemington’s
pharmaceutical Science(Mack Publishing company、Easton PA)に開示されている方法を利用して、各疾患に応じて、または成分に応じて好ましく製剤化することができる。
【0069】
本発明の薬学的組成物は、通常の患者症侯と疾病の深刻さに基いて本技術分野の通常の専門家が決定することができる。また、散剤、錠剤、カプセル剤、液剤、注射剤、軟膏剤、シロップ剤などの多様な形態に製剤化することができ、単位−投与量または多−投与量容器、例えば、密封されたアンプル及び瓶などで提供することもできる。
【0070】
本発明の薬学的組成物は、経口または非経口投与が可能である。本発明による薬学的組成物の投与経路は、これらに限定されるものではないが、例えば、口腔、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髓内、硬膜内、心臓内、硬皮、皮下、腹腔内、腸管、舌下、または局所投与が可能である。
【0071】
このような臨床投与のために、本発明の薬学的組成物は、公知の技術を利用して適した剤形に製剤化することができる。本発明の組成物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率及び疾患の重症度などによってその範囲が多様であり、本技術分野の通常の専門家が容易に決定することができる。
【発明の効果】
【0072】
本発明のsiRNA高分子化合物接合体で構成されたナノ粒子は、siRNAの生体内安定性を向上させることにより、細胞内に治療用siRNAを効率的に伝達することができる。また、トランスフェクション(transfection)物質がなくても比較的低い濃度の投与量でsiRNAの活性を示すことができるため、癌及び他の感染性疾患のためのsiRNA治療用道具だけでなく、新しい形態のsiRNA伝達システムとして生命工学のための基礎研究及び医学産業上、非常に有用に用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】製造された3’−PEG−CPGの構造式である。
図2】実施例1で得られた化合物のH NMRデータである。
図3】実施例1において、LCAA−CPGとの結合のための3’−PEG試薬である[化合物A]のH NMRデータである。
図4】実施例1において、LCAA−CPGとの結合のための3’−PEG試薬である[化合物B]のH NMRデータである。
図5】実施例1において、LCAA−CPGとの結合のための3’−PEG試薬である[化合物C]のH NMRデータである。
図6】実施例1−3において、3’−PEG−CPGとオリゴヌクレオチド(siRNA)の製造後のMaldi−Tof分子量データである。
図7】実施例1−4において、3’−PEG−CPGとオリゴヌクレオチド(siRNA)の製造後のMaldi−Tof分子量データである。
図8】高分子化合物が結合していない未修飾siRNAと、親水性または疎水性高分子化合物が結合した形態のsiRNA高分子化合物接合体の電気泳動写真である。siRNAは未修飾(naked)siRNAを意味し、各接合体は表1に示されたsiRNA高分子化合物接合体を示す。また、19、23、27、31merはそれぞれ19、23、27、31個のヌクレオチドで構成されたsiRNAを意味し、全部siRNA接合体4の構造でsiRNA高分子化合物接合体を製造した。
図9】高分子化合物が結合していない未修飾siRNAと、親水性高分子化合物であるPEGが結合した形態のsiRNA高分子化合物接合体の血液内安定性の評価のために、血清タンパク質が存在する環境下で時間によるsiRNAの分解程度を示す電気泳動写真である。
図10】siRNA高分子化合物接合体が形成するナノ粒子の模式図である。
図11】高分子化合物が結合していない未修飾siRNA(naked siRNA)ナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示したものである。
図12】siRNA高分子化合物接合体9で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示したものである。
図13】siRNA高分子化合物接合体10で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示したものである。
図14】siRNA高分子化合物接合体11で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示したものである。
図15】siRNA高分子化合物接合体12で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示したものである。
図16】siRNA高分子化合物接合体13で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示したものである。
図17】未修飾siRNAと、親水性高分子化合物であるPEGが結合した形態のsiRNA高分子化合物接合体のRNAi効果を分析するために、トランスフェクション物質とともにトランスフェクションさせた後、サバイビン(survivin)遺伝子のmRNA発現程度を比較したグラフである。
図18】未修飾siRNAと、siRNA高分子化合物接合体4の構造に修飾された長い配列のsiRNAのRNAi効果を分析するために、トランスフェクション物質とともにトランスフェクションさせた後、サバイビン遺伝子のmRNA発現程度を比較したグラフである。
図19】未修飾siRNAと、siRNA高分子化合物接合体1〜5及び9〜14に修飾されたsiRNA高分子化合物接合体のRNAi効果を分析するために、トランスフェクション物質がない条件でトランスフェクションさせた後、サバイビン遺伝子のmRNA発現の阻害程度を比較したグラフである。
【0074】
[発明を実施するための具体的な内容]
以下、本発明を実施例を挙げて説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0075】
実施例1:3’−PEGオリゴヌクレオチドを製造するための固形支持体の製造
【0076】
実施例1−1:LCAA−CPGとの結合のための3’−PEG試薬(化合物A、B、C)の製造
【0077】
以後の実施例において、下記反応式で表されるように3’−PEG−CPGを製造した。
【0078】
実施例1−1−1:2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)]の製造
出発物質ポリエチレングリコール2000(Alfa Aesar GmbH & Co.KG、ドイツ)30g(15mmol)をピリジン(pyridine、Sigma Aldrich、米国)270mlに溶かし、これに、トリエチルアミン(Sigma Aldrich、米国)3.55ml(25.5mmol)と4,4’−ジメトキシトリチルクロライド(GL biochem、中国)7.12g(21mmol)を入れて常温で20時間反応させた。反応が終了された反応混合物を濃縮し、エチルアセテート450mlと水450mlで抽出して、減圧濃縮した後真空乾燥して2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)]23g(66%)を得た。
【0079】
前記化合物のH NMRデータを図2に示した。
H NMR(CDCl);δ1.93(br,1,OH),3.20−3.80(m,186,PEG,DMT−OCH),6.80−6.83(m,4,DMT),7.19−7.47(m,9,DMT)
【0080】
実施例1−1−2:コハク酸2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)][化合物A]の製造
前記実施例1−1−1で得られた2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)3.9g(1.672mmol)をピリジン20mlに溶かした後、0℃に冷却した。前記反応物に無水コハク酸(succinic anhydride、Acros Organics、米国)351mg(3.512mmol)とDMAP(4−dimethylaminopyridine、Sigma Aldrich、米国)42.5mg(0.334mmol)を添加し、50℃で3日間撹拌した後反応を終了した。反応が終了された反応混合物を減圧濃縮して、コハク酸2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)[化合物A]3.65g(90%、白色固体)を得た。
【0081】
前記化合物のH NMRデータを図3に示した。
H NMR(CDCl);δ2.65(m,2,CHCO),3.20−3.88(m,186,PEG,DMT−OCH),4.25(m,2,CHCO),6.80−6.82(m,4,DMT),7.19−7.47(m,9,DMT)。
【0082】
実施例1−1−3:パラ−ニトロフェニルコハク酸2−ビス−(ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)[化合物B]の製造
前記実施例1−1−2で得られた化合物A1g(0.411mmol)をメチレンクロライド(methylene chloride、大然化学、韓国)20mlに溶かした後、0℃に冷却した。前記反応物にトリエチルアミン143μl(1.03mmol)を入れて、クロロギ酸4−ニトロフェニル(4−nitro phenyl chloroformate)149mg(0.740mmol)を添加し、30分間常温に温度を上げて、4時間撹拌した後反応を終了した。反応が終了された反応混合物をNaHCO飽和水溶液20mlと0℃〜4℃に冷却した1Mクエン酸(Sigma Aldrich、米国)5mlで1回洗浄した後、NaSO(Samchum Chemical Co.,韓国)で乾燥した。これを濾過フラスコ(filtering flask)、吸引濾過器(buchner funnel)、真空装置(aspirator)を利用して濾過した後減圧濃縮し、パラ−ニトロフェニルコハク酸2−ビス−(ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)(p−Nitrophenylsuccinic acid 2−[bis−(4−dimethoxytrityl)−poly(ethylene glycol)[化合物B]1.0g(94%、淡色固体)を得た。
【0083】
前記化合物のH NMRデータを図4に示した。
H NMR(CDCl);δ2.80−2.90(m,2,CHCO),3.20−3.87(m,186,PEG,DMT−OCH),4.25(m,2,CHCO),6.80−6.82(m,4,DMT),7.19−7.47(m,9,DMT)
【0084】
実施例1−1−4:2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステルコハク酸2−ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)[化合物C]の製造
前記実施例1−1−2で得られた化合物A500mg(0.206mmol)をメチレンクロライド10mlに溶かした後、ピリジン83.14μl(1.03mmol)を入れた。これに、N−スクシンイミジルトリフルオロ酢酸(N−succinimidyl trifluoro acetic acid、Sigma Aldrich、米国)1
65mg(0.781mmol)を添加し、常温で7時間撹拌した後反応を終了した。反応が終了された反応混合物を減圧濃縮し、2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステルコハク酸2−ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)(2,5−dioxo−pyrrolidin−1−yl ester succinic acid2−[bis−(4−dimethoxytrityl)−poly(ethyleneglycol)[化合物C]490mg(94%、白色固体)を得た。
【0085】
前記化合物のH NMRデータを図5に示した。
H NMR(CDCl);δ2.72−2.97(m,6,CHCO,CHCH),3.20−3.87(m,186,PEG,DMT−OCH),4.27−4.28(m,2,CHCO),6.80−6.83(m,4,DMT),7.20−7.47(m,9,DMT)
【0086】
実施例1−2:LCAA−CPGと3’−PEG試薬(化合物A)の結合
【0087】
以後の実施例において、下記反応式で表されるようにCPGと3’−PEG試薬を結合させた。
【0088】
実施例1−2−1:LCAA−CPG(2000Å)の製造
直径40〜75μm、空隙サイズ2000ÅのCPG(Silicycle Inc.、カナダ)10gをトルエン100mlに均一に混合して濡らした後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(3−aminopropyltriethoxysilane、TCI Org.Chem、日本)2mlを入れて混合し、常温で8時間反応させた。反応が終了された混合物を濾過し、メタノール、水、メチレンクロライドで順に洗浄した後、真空乾燥してLCAA−CPG(2000Å)10gを得た。
【0089】
実施例1−2−2:コハク酸2−[ビス−(4−ジメトキシトリチル)−ポリ(エチレングリコール)[化合物A]を用いた3’−PEG−CPG(2000Å)の製造
前記実施例1−2−1で得られたLCAA−CPG(2000Å)2gをメチレンクロライド20mlで濡らしておいた。また、化合物A80mgとTEA(Triethylamine、Sigma Aldrich、米国)14μl、BOP(Benzortiazol−1−yloxytris(dimethylamino)phosphonium hexafluorophosphate、TCI Org.Chem、日本)15mg、HOBT(1−Hydroxybenzotriazole anhydrous、TCI Org.Chem、日本)5mgをメチレンクロライド2mlに溶かした溶液を、前記LCAA−CPG(2000Å)溶液と均一に混合した。これを8時間還流反応させた後、反応が終了された混合物を濾過し、メタノール、水、メチレンクロライドで順に洗浄した後真空乾燥した。
【0090】
そのうち1gにピリジン10mlを入れて濡らした後、1−メチルイミダゾール(Sigma Aldrich、米国)1mlと無水酢酸(Sigma Aldrich、米国)1.6mlを入れて均一に混合し、常温で8時間反応させた。反応が終了されて得られた、キャッピング(Capping)が終了されたCPGをメタノール、水、メタノール、メチレンクロライドで順に洗浄した後、真空乾燥して3’−PEG−CPG1gを得た。
【0091】
実施例1−3:LCAA−CPG(2000Å)と3’−PEG試薬(化合物B)の結合
【0092】
化合物Bを用いて3’−PEG−CPG(2000Å)の製造を行った。
【0093】
具体的には、実施例1−2−1で得られたLCAA−CPG(2000Å)1gをピリジン8mlで十分濡らしておいた。また、化合物B205mg(2eq)とトリエチルアミン55μlをピリジン2mlに溶かした溶液を、前記LCAA−CPG溶液と均一に混合した。これを50〜60℃で8時間反応させた後、反応が終了された混合物を濾過し、濾過されたカップリング−CPGをメタノール、水、メチレンクロライドで順に洗浄した後、真空乾燥した。乾燥終了されたカップリング−CPG1gにピリジン10mlを入れて濡らした後、1−メチルイミダゾール500μlと無水酢酸800μlを入れて均一に混合し、常温で8時間反応させた。反応が終了された混合物を濾過し、カップリング−CPGをメタノール、水、メチレンクロライドで順に洗浄した後、真空乾燥して3’−PEG−CPG1gを得た。
【0094】
図6は、3’−PEG−CPGを出発物質として用いて後述の実施例2に示すようにsiRNAを製造した後、Maldi−Tof分子量を確認した結果である。
【0095】
3’−PEG−CPGの製造配列;
sense 5’−AAGGAGAUCAACAUUUUCA(dTdT)−PEG(6664.96Da+2000Da)(配列番号1)
antisense 5’−UGAAAAUGUUGAUCUCCUU(dTdT)−PEG(6592.84Da+2000Da)(配列番号5)
【0096】
PEGの分子量(2000Da)分だけMaldi−Tof分子量が増加したことを確認することができる。
【0097】
実施例1−4:LCAA−CPG(2000Å)と3’−PEG試薬(化合物C)の結合
【0098】
化合物Cを用いて3’−PEG−CPG(2000Å)の製造を行った。
【0099】
具体的には、前記実施例1−2−1で得られたLCAA−CPG(2000Å)1gをピリジン8mlに十分濡らしておいた。また、化合物C200mgとトリエチルアミン55μlをピリジン2mlに溶かした溶液を、前記LCAA−CPG溶液と均一に混合した。50〜60℃で8時間反応させた後、反応が終了された混合物を濾過し、濾過されたカップリング−CPGをメタノール、水、メチレンクロライドで順に洗浄した後真空乾燥した。乾燥終了されたカップリング−CPG1gにピリジン10mlを入れて濡らした後、1−メチルイミダゾール500μlと無水酢酸800μlを入れて均一に混合し、常温で8時間反応させた。反応が終了されて得られた、キャッピングが終了されたCPGをメタノール、水、メチレンクロライドで順に洗浄した後真空乾燥して、3’−PEG−CPG1gを得た。
【0100】
図7は、3’−PEG−CPGを出発物質として用いて後述の実施例2に示すようにsiRNAを製造した結果である。
【0101】
3’−PEG−CPG製造配列;
sense 5’−AAGGAGAUCAACAUUUUCA(dTdT)−PEG(6664.96Da+2000Da)(配列番号1)
antisense 5’−UGAAAAUGUUGAUCUCCUU(dTdT)−PEG(6592.84Da+2000Da)(配列番号5)
【0102】
PEGの分子量(2000Da)分だけMaldi−Tof分子量が増加したことを確認することができる。
【0103】
実施例2:siRNA高分子化合物接合体の製造
以下の実施例では、サバイビンを抑制するためにサバイビンsiRNAを用いた。サバイビンは、今までテストされた殆どの新生腫瘍や形質変異された細胞株で共通に発現されるタンパク質であり、坑癌治療において重要なターゲットとなると予測されている(Abbrosini G.et al.Nat.med.3(8):917−921,1997)。本発明のサバイビンsiRNAの配列は、19個のヌクレオチドで構成された場合、配列番号1番に記載されるセンス鎖とこれに相補的な配列のアンチセンス鎖で構成されている。その他に、23個、27個、31個のヌクレオチドで構成された場合、配列番号2、3、4に記載される塩基配列を有する。
【0104】
(配列番号1)5’−AAGGAGAUCAACAUUUUCA−3’
(配列番号2)5’−AGGAAAGGAGAUCAACAUUUUCA−3’
(配列番号3)5’−AGGAAAGGAGAUCAACAUUUUCAAAUU−3’(配列番号4)5’−AAAGGAGAUCAACAUUUUCAAAUUAGAUGUU−3’
【0105】
前記siRNAは、β−シアノエチルホスホラミダイトを利用してRNA骨格構造をなすホスホジエステル結合を連結していく方法により製造した。具体的には、RNA合成器(384 Synthesizer、BIONEER、韓国)を用いて、ヌクレオチドが付着された固形支持体上で、遮断除去、結合、酸化及びキャッピングからなる一連の過程を繰り返して、所望の長さのRNAを含む反応物を得た。
【0106】
追加的に、5’末端部位にPEGまたは疎水性高分子化合物であるドデカン(dodecane)リンカーを利用してヘキサデカン(hexadecane、C16)やオクタデカン(octadecane、C18)飽和炭化水素を連結して、siRNA高分子化合物接合体を製造した。また、前記実施例1で製造された3’PEG−CPGを支持体として前記反応を行い、3’末端部位にPEGが付加されたsiRNA高分子化合物接合体を製造した。
【0107】
前記反応物をHPLC(LC−20A Prominence、SHIMADZU、日本)を利用してRNAを分離し、これをMALDI−TOF質量分析機(MALDI TOF−MS、SHIMADZU、日本)を利用して分子量を測定して、製造しようとする塩基配列と対応するかを確認した。その後、センスとアンチセンスRNA鎖を同量混合して1Xアニーリングバッファー(30mM HEPES、100mM Potassium
acetate、2mM Magnesium acetate、pH7.0〜7.5)に入れ、90℃恒温水槽で3分反応させた後、さらに37℃で反応させ、目的とする二本鎖siRNA高分子化合物接合体をそれぞれ製造した。製造されたsiRNA高分子化合物接合体は、表1に示す構造を有する。製造されたsiRNA高分子化合物接合体は、電気泳動写真によりアニーリングを確認した(図8)。
【0108】
【表1】
【0109】
実施例3:siRNA高分子化合物接合体の生体内条件での安定性の評価
前記実施例2で製造、分離したsiRNA高分子化合物接合体が、高分子化合物が結合されていない元来のsiRNAに比べ安定性が向上されたかを確認した。修飾されていない元来のsiRNAと前記実施例2で製造したsiRNA高分子化合物接合体1〜5を、生体内条件を模倣した形態である10%のFBS(fetal bovine serum)が添加された培地でそれぞれ0、1、3、6、9、12、24、36または48時間培養した後、siRNAの分解程度を電気泳動で検討した。
【0110】
その結果、PEGが導入されたsiRNA高分子化合物接合体の場合、48時間までsiRNAが安定性を示すことが確認された(図9)。10%血清条件でも、12〜24時間までsiRNAが安定性を示した。
【0111】
実施例4:siRNA疎水性高分子化合物接合体のナノ粒子サイズの測定
siRNA高分子化合物接合体9〜14の場合、siRNAの末端に付加された疎水性高分子化合物間の疎水性相互作用により、siRNA高分子化合物接合体からなるナノ粒子、即ち、ミセル(micelle)が形成される(図10)。ゼータ電位測定器(zeta−potential measurement)を利用して前記ナノ粒子のサイズを測定した。
【0112】
前記実施例2で製造したそれぞれのsiRNA高分子化合物接合体9〜13とsiRNAのナノ粒子サイズを測定した。
【0113】
具体的には、前記siRNA及びsiRNA高分子化合物接合体2nmoleを1mlの蒸
溜水に溶かした後、超音波分散器(Wiseclean、DAIHAN、韓国)でナノ粒子のサイズを均質化(200W、40kHz、5sec)した。均質化されたナノ粒子は、ゼータ電位測定器(Nano−ZS、MALVERN、イギリス)でそのサイズを測定したが、物質に対する屈折率(Refractive index)は1.454、吸収率(Absorption index)は0.001とし、溶媒である水の温図25℃及びそれによる粘度及び屈折率を入力して測定した。1回測定はサイズ測定を20回繰り返すことにより行われ、これを3回繰り返した。
【0114】
図11は、未修飾(naked)siRNAナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示した結果である。siRNAで構成されたナノ粒子の場合、142−295nm(最高点164nm)のサイズを有するものが73.5%を占めることが分かる。
【0115】
図12は、siRNA高分子化合物接合体9で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示した結果である。siRNA高分子化合物接合体9で構成されたナノ粒子の場合、4.19−7.53nm(最高点6.50nm)のサイズを有するものが59.1%を占めることが分かる。
【0116】
図13は、siRNA高分子化合物接合体10で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示した結果である。siRNA高分子化合物接合体10で構成されたナノ粒子の場合、5.61−10.1nm(最高点8.72nm)のサイズを有するものが58.9%を占めることが分かる。
【0117】
図14は、siRNA高分子化合物接合体11で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示した結果である。siRNA高分子化合物接合体11で構成されたナノ粒子の場合、5.61−10.1nm(最高点8.72nm)のサイズを有するものが45.6%を占めることが分かる。
【0118】
図15は、siRNA高分子化合物接合体12で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示した結果である。siRNA高分子化合物接合体12で構成されたナノ粒子の場合、4.85−5.61nmのサイズを有するものが23.6%、21.0−32.7nmのサイズを有するものが23.5%、68.1−78.8nmのサイズを有するものが23.1%を占めることが分かる。
【0119】
図16は、siRNA高分子化合物接合体13で構成されたナノ粒子の粒子サイズをゼータ電位測定器により測定して示した結果である。siRNA高分子化合物接合体13で構成されたナノ粒子の場合、4.85−8.72nm(最高点5.61nm)のサイズを有するものが84.6%を占めることが分かる。
【0120】
siRNA高分子化合物接合体9〜13で構成されたナノ粒子の場合、siRNA接合体12を除き、4−8nmのサイズを有するものが殆どであった。siRNA接合体12の場合、ナノ粒子のサイズが多様に測定されたが、これは、測定する過程で超音波分散器を利用して均質化しても、時間が経過するにつれて各ナノ粒子が凝集される現象を示すためであると思われる。図12〜16から分かるように、測定されたsiRNA接合体で構成されたナノ粒子のサイズは100nm以下のサイズを示し、これは、ピノサイトーシス(pinocytosis)により細胞内に取り込ませるのに十分なサイズである(Kenneth A.Dawson et al. nature nanotechnology 4:84−85,2009)。
【0121】
実施例5:siRNA高分子化合物接合体とトランスフェクション物質(transfection reagent)を利用した腫瘍細胞株での標的遺伝子の発現の抑制
前記実施例2で製造したそれぞれのsiRNA高分子化合物接合体1〜8を利用して、腫瘍細胞株であるヒト子宮癌細胞株をトランスフェクションさせ、前記トランスフェクションされた腫瘍細胞株でサバイビン遺伝子の発現様相を分析した。
【0122】
実施例5−1:腫瘍細胞株の培養
アメリカ培養細胞系統保存機関(American type Culture Collection、ATCC)から得られたヒト子宮癌細胞(HeLa)は、RPMI1640培養培地(GIBCO、Invitorgen、米国)に10%(v/v)ウシ胎児血清、ペニシリン100units/ml、ストレプトマイシン100μg/mlを添加して、37℃、5%(v/v)COの条件下で培養した。
【0123】
実施例5−2:siRNA高分子化合物接合体を利用した標的遺伝子の発現の抑制
前記実施例2で製造された配列番号1のsiRNA高分子化合物接合体1〜8を利用して、腫瘍細胞株であるヒト子宮癌細胞株(HeLa)をトランスフェクションさせ、前記トランスフェクションされた腫瘍細胞株で、サバイビンの発現様相を分析した。
【0124】
実施例5−2−1:siRNA高分子化合物接合体を利用した腫瘍細胞株のトランスフェクション
前記実施例5−1で培養された腫瘍細胞株1.3×10を、37℃、5%(v/v)COの条件で6−ウェルプレートで18時間RPMI1640で培養した後培地を除去し、各ウェル当り800μlのOpti−MEM培地(GIBCO、米国)を分注した。
【0125】
一方、LipofectamineTM2000(Invitrogen、米国)2μlとOpti−MEM培地198μlを混合し、室温で5分間反応させた後、前記実施例2で製造したそれぞれのsiRNA高分子化合物接合体(25pmole/μl)0.8または4μlを添加し(最終20,100nM処理)、さらに室温で20分間反応させて溶液を製造した。
【0126】
その後、Opti−MEMが分注された腫瘍細胞株の各ウェルにトランスフェクション用溶液をそれぞれ200μlずつ分注して6時間培養した後、Opti−MEM培地を除去した。これに、RPMI1640培養培地2.5mlを分注した後、24時間37℃、5%(v/v)COの条件下で培養した。
【0127】
実施例5−2−2:サバイビン遺伝子のmRNA相対的定量分析
前記実施例5−2−1でトランスフェクションされた細胞株から全体RNAを抽出してcDNAを製造した後、リアルタイムPCR(real−time PCR)を利用してサバイビン遺伝子のmRNA量を相対定量した。
【0128】
実施例5−2−2−1:トランスフェクションされた細胞からRNA分離及びcDNA製造
RNA抽出キット(AccuPrep Cell total RNA extraction kit、BIONEER、韓国)を利用して前記実施例5−2−1でトランスフェクションされた細胞株から全体RNAを抽出し、抽出されたRNAは、RNA逆転写酵素(AccuPower CycleScript RT Premix/dT20、BIONEER、韓国)を利用して次の方法によりcDNAを製造した。
【0129】
具体的には、0.25mlのエッペンドルフチューブに入っているAccuPower CycleScript RT Premix/dT20(BIONEER、韓国)に、一つのチューブ当り抽出されたRNAを1μgずつ入れて、総体積が20μlとなるようにDEPC(diethyl pyrocarbonate)処理された蒸溜水を添加した。これを、遺伝子増幅装置(MyGenieTM 96 Gradient Thermal Block、BIONEER、韓国)で、30℃で1分間RNAとプライマーをハイブリダイゼーションし、52℃で4分間cDNAを製造する二つの過程を6回繰り返した後、95℃で5分間酵素を不活性化させて増幅反応を終了した。
【0130】
実施例5−2−2−2:サバイビンのmRNA相対的定量分析
前記実施例5−2−2−1で製造されたcDNAを鋳型とし、リアルタイムPCRを利用してサバイビンmRNAの相対的量を次の方法により定量した。
【0131】
即ち、96−ウェルプレートの各ウェルに、前記実施例5−2−2−1で製造されたcDNAを蒸溜水で1/5に希薄し、サバイビンの発現量を分析するために希薄されたcDNA3μlと2×GreenStarTMPCR master mix(BIONEER、韓国)を10μl、蒸溜水6μl、サバイビンqPCR primer(10pmole/μlそれぞれ、BIONEER、韓国)を1μl入れて混合液を製造した。一方、mRNAの発現量を正規化するために、ハウスキーピング遺伝子(housekeeping gene、以下、HK遺伝子)であるHMBS(Hydroxymethyl−bilane synthase)、HPRT1(Hypoxanthine phosphoribosyl−transferase1)、UBC(Ubiquitin C)、YWHAZ(Tyrosine 3−monooxygenase/tryptophan 5−monooxygenase activtion protein、zeta
polypeptide)を標準遺伝子とし、前記実施例5−2−2−1で製造されたcDNAを1/5に希薄し、96−ウェルプレートの各ウェルに、希薄された同一のcDNA3μlと2×GreenStarTM PCR master mix(BIONEER、韓国)を10μl、蒸溜水6μl、各HK遺伝子qPCR primer(10pmole/μlそれぞれ、BIONEER、韓国)を1μl入れて、HK遺伝子リアルタイムPCR混合液を製造した。混合液が入っている96−ウェルプレートをExicyclerTM 96 Real−Time Quantitative Thermal Block(BIONEER、韓国)を利用して、次のような反応を行った。
【0132】
95℃で15分間反応して酵素の活性化及びcDNAの二次構造を解消した後、94℃で30秒変性(denaturing)、58℃で30秒アニーリング(annealing)、72℃で30秒延長(extension)、SYBRグリーンスキャン(SYBR greenscan)の四つの過程を42回繰り返して行い、72℃で3分間最終延長を行った後、55℃で1分間温度を維持して、55℃−95℃までの融解曲線(melting curve)を分析した。
【0133】
PCRが終了された後、それぞれ得られたサバイビンのCt(threshold cycle)値は、HK遺伝子により正規化されたmRNA値(normalization
factor、NF)を計算して補正されたサバイビンのCt値を求めた後、トランスフェクション物質のみが処理された実験群を対照群としてΔCt値の差を求めた。前記ΔCt値と計算式2(−ΔCt)X100を利用してサバイビンのmRNA発現率を比較した(図17)。mockは、トランスフェクション物質のみが処理された対照群を意味する。
【0134】
その結果、図17に示したように、親水性高分子化合物であるPEGが結合した形態のsiRNA高分子化合物接合体の末端の修飾形態によって、siRNAのRNAi効果に変化が生じることが分かる。特に、接合体6〜8の末端の修飾形態は3’末端部位にPEGを接合させた接合体であり、修飾されていないsiRNAと近似した程度の発現阻害を示して、siRNAのRNAiメカニズム上、RNA誘導サイレンシング接合体(RNA−induced silencing complex、RISC)と接合体を形成するにあたり立体障害(steric hindrance)が少なく生じると予想される。また、殆どのsiRNA−PEG接合体は、低濃度(20nM)条件が高濃度(100nM)処理条件より高い標的遺伝子mRNAの発現阻害を示し、高濃度条件であるほどPEGによってsiRNAがRISCと結合することが妨害されると予想される。
【0135】
実施例5−3:長い配列のsiRNA高分子化合物接合体を利用した標的遺伝子の発現の抑制
siRNA配列番号1〜4の塩基配列に、siRNA高分子化合物接合体4の構造に末端修飾を誘導したsiRNAを利用して、トランスフェクション物質とともにsiRNA親水性高分子化合物接合体で細胞をトランスフェクションさせた時の標的遺伝子のmRNA発現の阻害を分析した。
【0136】
実施例5−3−1:siRNA高分子化合物接合体を利用した腫瘍細胞株のトランスフェクション
前記実施例5−1で培養された腫瘍細胞株1.3×10を、前記37℃、5%(v/v)COの条件下で6−ウェルプレートで24時間RPMI1640で培養した後培地を除去し、各ウェル当り800μlのOpti−MEM培地を分注した。
【0137】
一方、2μlのLipofectamineTM2000とOpti−MEM培地198μlを混合して、室温で5分間反応させた後、前記実施例2で製造したそれぞれのsiRNA高分子化合物接合体(25pmole/μl)0.8または4μlを添加し(最終20,100nM処理)、さらに室温で20分間反応させて溶液を製造した。
【0138】
その後、Opti−MEMが分注された腫瘍細胞株の各ウェルにトランスフェクション用溶液をそれぞれ200μlずつ分注して6時間培養した後、Opti−MEM培地を除去した。これに、RPMI1640培養培地2.5mlを分注した後、24時間37℃、5%(v/v)COの条件下で培養した。
【0139】
実施例5−3−2:サバイビン遺伝子のmRNA相対的定量分析
前記実施例5−3−1でトランスフェクションされた細胞株から全体RNAを抽出してcDNAを製造した後、リアルタイムPCR(Real−time PCR)を利用してサ
バイビン遺伝子のmRNA量を相対定量した。
【0140】
実施例5−3−2−1:トランスフェクションされた細胞からRNA分離及びcDNA製造
RNA抽出キット(AccuPrep Cell total RNA extraction kit、BIONEER、韓国)を利用して前記実施例5−3−1でトランスフェクションされた細胞株から全体RNAを抽出し、抽出されたRNAは、RNA逆転写酵素(AccuPower CycleScript RT Premix/dT20、BIONEER、韓国)を利用して次の方法によりcDNAを製造した。
【0141】
具体的には、0.25mlのエッペンドルフチューブに入っているAccuPower CycleScript RT Premix/dT20(BIONEER、韓国)に、一つのチューブ当り抽出されたRNAを1μgずつ入れて、総体積が20μlとなるようにDEPC(diethyl pyrocarbonate)処理された蒸溜水を添加した。これを、遺伝子増幅装置(MyGenieTM 96 Gradient Thermal Block、BIONEER、韓国)で、30℃で1分間RNAとプライマーをハイブリダイゼーションし、52℃で4分間cDNAを製造する二つの過程を6回繰り返した後、95℃で5分間酵素を不活性化させて増幅反応を終了した。
【0142】
実施例5−3−2−2:サバイビンのmRNA相対的定量分析
前記実施例5−3−2−1で製造されたcDNAを鋳型とし、リアルタイムPCRを利用してサバイビンmRNAの相対的な量を次の方法により定量した。
【0143】
即ち、96−ウェルプレートの各ウェルに、前記実施例5−3−2−1で製造されたcDNAを1/5に希薄し、サバイビンの発現量を分析するために希薄されたcDNA3μlと2×GreenStarTM PCR master mix(BIONEER、韓国)を10μl、蒸溜水6μl、サバイビンqPCR primer(10pmole/μlそれぞれ、BIONEER、韓国)を1μl入れて混合液を製造した。一方、mRNAの発現量を正規化するために、HK遺伝子であるHMBS、HPRT1、UBC、YWHAZを標準遺伝子とし、前記実施例5−3−2−1で製造されたcDNAを1/5に希薄し、96−ウェルプレートの各ウェルに、希薄されたcDNA3μlと2×GreenStarTM PCR master mix(BIONEER、韓国)を10μl、蒸溜水6μl、各HK遺伝子qPCR primer(10pmole/μlそれぞれ、BIONEER、韓国)を1μl入れて、HK遺伝子リアルタイムPCR混合液を製造した。混合液が入っている96−ウェルプレートを、ExicyclerTM 96 Real−Time Quantitative Thermal Block(BIONEER、韓国)を利用して、次のような反応を行った。
【0144】
95℃で15分間反応して酵素の活性化及びcDNAの二次構造を解消した後、94℃で30秒変性(denaturing)、58℃で30秒アニーリング(annealing)、72℃で30秒延長(extension)、SYBRグリーンスキャン(SYBR greenscan)の四つの過程を42回繰り返して行い、72℃で3分間最終延長を行った後、55℃で1分間温度を維持して、55℃−95℃までの融解曲線(melting curve)を分析した。
【0145】
PCRが終了された後、それぞれ得られたサバイビンのCt(threshold cycle)値は、HK遺伝子により正規化されたmRNA値(normalization
factor、NF)を計算して補正されたサバイビンのCt値を求めた後、トランスフェクション物質のみが処理された実験群を対照群としてΔCt値の差を求めた。前記ΔCt値と計算式2(−ΔCt)X100を利用してサバイビンのmRNA発現率を比較した(図18)。mockはトランスフェクション物質のみが処理された対照群を意味し、19mer、23mer、27mer、31merはそれぞれ配列番号1〜4を示す。5’P+PはsiRNA高分子化合物接合体4の構造を示し、各20nM、100nMの条件で処理した後、標的遺伝子の発現の阻害程度を比較した。
【0146】
その結果、図18に示すように、長い鎖の未修飾(naked)siRNAの形態をsiRNA高分子化合物接合体4の形態に修飾させる場合、元来の未修飾(naked)形態のsiRNAに比べ、標的遺伝子mRNAの発現の阻害効果に差が生じず、長い鎖のsiRNAを修飾させる場合、短い鎖に比べPEGによって生じる立体障害現象が減少することを把握することができた。即ち、長い鎖のsiRNAの場合、RNAiの作用機序でダイサー(dicer)によってsiRNAが19+2構造に切断され、切断されたsiRNAがRISC接合体に結合してRNAi作用機序を起こす。このため、長い鎖のsiRNAの両末端部位にPEGが付加された場合、配列番号1に比べPEGが付いていないsiRNAが多量存在してRISC接合体と相対的に高い相互作用を有し、これによりRNAi誘導効果が維持されると思われる。
【0147】
実施例6:トランスフェクション物質を用いず、siRNA高分子化合物接合体のみを利用した腫瘍細胞株での標的遺伝子の発現の抑制
前記実施例2で製造したそれぞれのsiRNA高分子化合物接合体1〜14を利用して、腫瘍細胞株であるヒト子宮癌細胞株(HeLa)をトランスフェクションさせ、前記トランスフェクションされた腫瘍細胞株のサバイビンの発現様相を分析した。
【0148】
実施例6−1:腫瘍細胞株の培養
アメリカ培養細胞系統保存機関(American type Culture Col
lection、ATCC)から得られたヒト子宮癌細胞(HeLa)は、RPMI1640培養培地(GIBCO/Invitorgen、米国)に10%(v/v)ウシ胎児血清、ペニシリン100units/ml、ストレプトマイシン100μg/mlを添加して、37℃、5%(v/v)COの条件下で培養した。
【0149】
実施例6−2:siRNA高分子化合物接合体を利用した腫瘍細胞株のトランスフェクション
前記実施例6−1で培養された腫瘍細胞株1.3×10を、37℃、5%(v/v)COの条件で6−ウェルプレートで24時間RPMI1640で培養した後培地を除去し、各ウェル当り900μlのOpti−MEM培地を分注した。
【0150】
一方、Opti−MEM培地100μlと前記実施例2で製造したそれぞれのsiRNA高分子化合物接合体1〜5(1nmole/μl)5または10μlを添加し(最終500nM、1μm処理)、さらに室温で20分間反応させて溶液を製造した。
【0151】
一方、Opti−MEM培地100μlと前記実施例2で製造したそれぞれのsiRNA高分子化合物接合体9〜14(1nmole/μl)5または10μlを添加し(最終500nM、1μm処理)、超音波による分解(sonication)によりsiRNA疎水性高分子化合物接合体で構成されたミセルを均質化して溶液を製造した。
【0152】
その後、Opti−MEMが分注された腫瘍細胞株の各ウェルにトランスフェクション用溶液をそれぞれ100μlずつ分注して24時間培養した後、20%FBSが含まれたRPMI16401mlを添加した。これに、24時間37℃、5%(v/v)COの条件下でさらに培養し、siRNA高分子化合物接合体処理後、総48時間培養した。
【0153】
実施例6−3:サバイビン遺伝子のmRNA相対的定量分析
前記実施例6−2でトランスフェクションされた細胞株から全体RNAを抽出してcDNAを製造した後、リアルタイムPCR(Real−time PCR)を利用してサバイ
ビン遺伝子のmRNA量を相対定量した。
【0154】
実施例6−3−1:トランスフェクションされた細胞からRNA分離及びcDNA製造
RNA抽出キット(AccuPrep Cell total RNA extraction kit、BIONEER、韓国)を利用して前記実施例6−2でトランスフェクションされた細胞株から全体RNAを抽出し、抽出されたRNAは、RNA逆転写酵素(AccuPower CycleScript RT Premix/dT20、BIONEER、韓国)を利用して次の方法によりcDNAを製造した。
【0155】
具体的には、0.25mlのエッペンドルフチューブに入っているAccuPower CycleScript RT Premix/dT20(BIONEER、韓国)に、一つのチューブ当り抽出されたRNAを1μgずつ入れて、総体積が20μlとなるようにDEPC(diethyl pyrocarbonate)処理された蒸溜水を添加した。これを、遺伝子増幅装置(MyGenieTM 96 Gradient Thermal Block、BIONEER、韓国)で、30℃で1分間RNAとプライマーをハイブリダイゼーションし、52℃で4分間cDNAを製造する二つの過程を6回繰り返した後、95℃で5分間酵素を不活性化させて増幅反応を終了した。
【0156】
実施例6−3−2:サバイビンのmRNA相対的定量分析
前記実施例6−3−1で製造されたcDNAを鋳型とし、リアルタイムPCRを利用してサバイビンmRNAの相対的な量を次の方法により定量した。
【0157】
即ち、96−ウェルプレートの各ウェルに、前記実施例6−3−1で製造されたcDNAを1/5に希薄し、サバイビンの発現量を分析するために希薄されたcDNA3μlと2×GreenStarTM PCR master mix(BIONEER、韓国)を10μl、蒸溜水6μl、サバイビンqPCR primer(10pmole/μlそれぞれ、BIONEER、韓国)を1μl入れて混合液を製造した。一方、mRNAの発現量を正規化するために、ハウスキーピング遺伝子(housekeeping gene、以下、HK遺伝子)であるHMBS(Hydroxymethyl−bilane synthase)、HPRT1(Hypoxanthine phosphoribosyl−transferase1)、UBC(Ubiquitin C)、YWHAZ(Tyrosine 3−monooxygenase/tryptophan 5−monooxygenase activtion protein、zeta polypeptide)を標準遺伝子とし、前記実施例6−3−1で製造されたcDNAを1/5に希薄し、96−ウェルプレートの各ウェルに、希薄されたcDNA3μlと2×GreenStarTM PCR master mix(BIONEER、韓国)を10μl、蒸溜水6μl、各HK遺伝子qPCR primer(10pmole/μlそれぞれ、BIONEER、韓国)を1μl入れて、HK遺伝子リアルタイムPCR混合液を製造した。混合液が入っている96−ウェルプレートを、ExicyclerTM 96 Real−Time Quantitative Thermal Block(BIONEER、韓国)を利用して、次のような反応を行った。
【0158】
95℃で15分間反応して酵素の活性化及びcDNAの二次構造を解消した後、94℃で30秒変性(denaturing)、58℃で30秒アニーリング(annealing)、72℃で30秒延長(extension)、SYBRグリーンスキャン(SYBR greenscan)の四つの過程を42回繰り返して行い、72℃で3分間最終延長を行った後、55℃で1分間温度を維持して、55℃−95℃までの融解曲線(melting curve)を分析した。PCRが終了された後、それぞれ得られたサバイビンのCt(threshold cycle)値は、HK遺伝子により正規化されたmRNA値(normalization factor、NF)を計算して補正されたサバイビンのCt値を求めた後、トランスフェクション物質のみが処理された実験群を対照群としてΔCt値の差を求めた。前記ΔCt値と計算式2(−ΔCt)X100を利用してサバイビンのmRNA発現率を比較した(図19)。
【0159】
その結果、図19に示すように、接合体2〜5のsiRNA PEG接合体の場合、トランスフェクション物質によりトランスフェクションされた結果とは異なって、siRNA高分子化合物接合体1に比べサバイビンmRNA発現量が非常に阻害され、siRNA高分子化合物接合体1〜5の場合、濃度が低い場合(500nM)が濃度が高い場合より高いRNAi効果を示した。また、接合体9〜14のsiRNA疎水性高分子化合物接合体はsiRNA親水性高分子化合物接合体2〜5に比べ、同一の濃度(500nM)処理すると、大体の場合サバイビンmRNA発現量の阻害が高くない結果を示した。しかし、高濃度条件(1μm)で処理した場合、特にsiRNA高分子化合物接合体14で高いサバイビンmRNA発現量の阻害効果を示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]