【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0006】
本発明の圧電センサは、圧電層が上部電極と下部電極に挟まれている。上部電極は第1パターン電極を複数備え、下部電極は第1パターン電極と交差する第2パターン電極を複数備えている。
上記構成によると、第1パターン電極と第2パターン電極が圧電層を介して交差する。すなわち、圧力センサは、圧電層を介して第1電極パターンと第2電極パターンが重なる箇所を複数有する。そうすると、圧電層で発生した電荷について、複数ある重なり箇所のうち、どの重なり箇所で発生したものであるかを検出することにより、荷重のかかった位置を特定できるようになる。
【0007】
上部電極と下部電極の間に、基準電極が設けられていてもよい。かかる場合、上部電極と基準電極の間には第1圧電層が設けられてもよく、下部電極と基準電極の間には第2圧電層が設けられていてもよい。
【0008】
そうすると、第1圧電層や第2圧電層で発生した電荷を上部電極と下部電極とで独立して検出できる。
【0009】
第1パターン電極は、第1電極部と第1電極部どうしを電気的に接続する第1接続部を備えていてもよい。第2パターン電極も、第2電極部と第2接続部を備えていてもよい。また、第1電極部は、圧電層を介して第2電極部と重なるように圧電層上に設けられていてもよい。
【0010】
そうすると、圧電センサ内に複数ある第1電極部と第2電極部の重なり部分で、圧電層から発生した電荷を検出できる。
【0011】
第1電極部は、圧電層を介して複数の第2電極部と重なるように積層されていてもよい。
【0012】
そうすると、第1電極部と第2電極部の重なり部分の数が、上述の場合よりも増える。その結果、圧電センサ内の位置検出精度と荷重検出精度が向上する。
【0013】
第1パターン電極と第2パターン電極は、帯状であってもよい。
【0014】
第1パターン電極の幅方向の大きさは、圧電層の周縁部に近づくにつれて大きくなっていてもよい。
【0015】
そうすると、荷重が掛かったときの撓み量が少なく、荷重の検出感度が悪い圧電層の周縁部について、荷重の検出感度が向上する。
【0016】
第2パターン電極の幅方向の大きさは、圧電層の周縁部に近づくにつれて大きくなっていてもよい。
【0017】
そうすると、荷重が掛かったときの撓み量が少なく、荷重の検出感度が悪い圧電層の周縁部について、荷重の検出感度が向上する。
【0018】
第1パターン電極のピッチ間隔は、一定であってもよい。
【0019】
そうすると、周縁部の感度を一定に保ったまま、与えられた荷重に対して位置の検出精度が向上する。
【0020】
第2パターン電極のピッチ間隔は、一定であってもよい。そうすると、周縁部の感度を一定に保ったまま、与えられた荷重に対して位置の検出精度が向上する。
【0021】
第1パターン電極は、凸部分と凹部分からなる凹凸形状を有し、第1パターン電極のピッチ間隔は、入力手段が前記圧電センサと接触したときに形成される接触面の短径の長さより短く設計されていてもよい。さらに、第1パターン電極の隣接する電極間は、上記凸部分と凹部分とが噛み合うように構成されていてもよい。
【0022】
そうすると、圧電センサと入力手段とが接触したときに、第1パターン電極と入力手段との接触個数が増える。その結果、上記の場合よりも高い精度で荷重のかかった位置と荷重量を検出できる。
【0023】
第2パターン電極は、凸部分と凹部分からなる凹凸形状を有し、第2パターン電極のピッチ間隔は、入力手段が前記圧電センサと接触したときに形成される接触面の短径の長さより短く設計されていてもよい。さらに、第2パターン電極の隣接する電極間は、上記凸部分と凹部分とが噛み合うように構成されていてもよい。
【0024】
そうすると、圧電センサと入力手段とが接触したときに、第2パターン電極と入力手段との接触個数が増える。その結果、上記の場合よりも高い精度で荷重のかかった位置と荷重量を検出できる。
【0025】
圧電層は、活性圧電部と不活性圧電部を有し、活性圧電部の上には第1パターン電極が積層されていてもよい。そうすると、クロストーク現象の発生を防止できる。その結果、圧電センサにかかった位置と荷重の検出精度が向上する。
【0026】
圧電層は、活性圧電部と不活性圧電部を有し、活性圧電部の上には第2パターン電極が積層されていてもよい。
【0027】
そうすると、クロストーク現象の発生を防止できる。その結果、圧電センサの位置検出精度が向上する。
【0028】
上部電極は、酸化インジウム錫、またはポリエチルジオキソチオフェンを含んでいてもよい。
【0029】
そうすると、上部電極の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
【0030】
下部電極は、酸化インジウム錫、またはポリエチルジオキソチオフェンを含んでいてもよい。
【0031】
そうすると、下部電極の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
【0032】
圧電層は、有機圧電材料から構成されていてもよい。
【0033】
そうすると、圧電層の柔軟性が大きくなるので、圧電センサの耐屈曲性が向上する。その結果、上記圧電センサをR曲面などに配置できる。
【0034】
有機圧電材料は、ポリフッ化ビニリデンまたはポリ乳酸を含んでいてもよい。
【0035】
そうすると、圧電層の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
【0036】
圧電層は、無機材料から構成されていてもよい。
【0037】
そうすると、圧電層の圧電定数が大きくなるため力を検出する検出感度が向上する。
【0038】
圧力検出装置は、圧電センサとタッチパネルを備えていてもよい。
【0039】
そうすると、圧電センサに対し荷重がほとんどかからないような場合でも、荷重の位置検出ができる。
【0040】
上記タッチパネルが静電容量型のタッチパネルであってもよい。そうすると、圧力検出装置全体の透明性が向上する。