【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施例に係る電源装置100の機能ブロック図である。当該実施例に係る電源装置100は、燃料電池102と、水素生成器104と、逆止バルブ106と、排気バルブ108とを、備えている。水素生成器104は、燃料電池102に注入する水素を供給するのに用いられる。
【0022】
逆止バルブ106と排気バルブ108により、燃料電池102内部の水素圧が制御され、安定化される。それにより、燃料電池102内部の水素が安定的で十分な水素圧で維持され、かつ、空気中の酸素や不純物が進入するのが抑制される環境下で、燃料電池102によって発電される。
【0023】
電源装置100が電子機器(図示せず)と電気的に接続され、電源装置100は当該電子機器に電力を供給する。ここで、電子機器とは、携帯電話機、コンピュータ、懐中電灯であってもいいし、他の電子機器であってもよい。さらに、本発明の当該実施例に係る電源装置は、以上の例に限定されない。他の例として、電源装置100がリチウム電池といった蓄電装置(図示せず)と電気的に接続され、電源装置100は当該蓄電装置に電力を供給する。これにより、当該蓄電装置は、電力を蓄え、他の電子機器に電力を供給する。
【0024】
燃料電池102は、プロトン交換膜(Proton Exchange Membrane:以下、PEMと記す)燃料電池であってもよいし、他のタイプの燃料電池であってもよい。ここでは、PEM燃料電池を例に説明する。
【0025】
図2は、
図1に示す電源装置100の概略図である。燃料電池102は、PEM110と、正電極116と、負電極118とを備え、さらに、水素入口112及び水素出口114とを有している。
【0026】
接続管(図示せず)が、水素入口112と水素生成器104を接続し、接続管により、水素生成器104で生成された水素が燃料電池102に送り出される。逆止バルブ106が、水素入口112に配置され、燃料電池102内部の水素が水素生成器104へ逆流するのを抑制している。排気バルブ108が水素出口114に配置され、燃料電池102内部の水素が外へ放出される。
【0027】
さらに詳細を説明すると、逆止バルブ106は、燃料電池102内部の水素が外の環境へ漏れ出すのを抑制しており、燃料電池102内部の水素を閉じ込めることにより、所定の水素圧に押し上げる機能を有している。そして、燃料電池102内部の水素の圧力が当該所定の水素圧に達してしまう場合、排気バルブ108が開き、余分な水素を放出し、燃料電池102内部の水素を所定の圧力に維持することが出来る。ここで、所定の水素圧とは、燃料電池102の安全作動圧力であったり、燃料電池102の発電効率を押し上げる作動圧力であってもよい。逆止バルブ106及び排気バルブ108の詳細な構造について、以下に述べる。
【0028】
図3は、
図2の部分Aの拡大概略図である。逆止バルブ106は、接続される旋回軸によって動く吸気弁120を備えており、吸気弁120は、水素入口112が燃料電池102内部へ水素を注入することのみを可能としている。
【0029】
水素入口112の内壁には、段差構造a1があり、当該段差構造a1により、燃料電池102内部の水素が水素入口112から放出されようとするとき、吸気弁120が閉じられ、燃料電池102内部の水素は水素入口112から放出されない。しかしながら、本発明の当該実施例に係る逆止バルブ106は、
図3に示す構造に限定されない。他の構造として、逆止バルブ106は、他の構造を有する逆止バルブ、例えば、方向制御弁などであってもよい。すなわち、本発明の当該実施例によって、逆止バルブ106の構造に特に限定されることはない。
【0030】
図4は、
図2の部分Bの拡大概略図である。排気バルブ108は、弾性部材122と、排気ゲート124を備えている。弾性部材122の一端は、燃料電池102の水素出口114の内壁126に固定されており、弾性部材122は、水素出口114を遮蔽するのに十分な弾性力を有している。燃料電池102内部の水素圧が排気ゲート124に加える力が弾性部材122の弾性力に達すると、排気ゲート124は押し出され、燃料電池102内部の余分な水素が放出される。
【0031】
本発明の当該実施例に係る排気バルブ108は、
図4に示す構造に限定されない。排気バルブ108は、他の構造を有していてもよい。他の構造として、例えば、排気バルブ108は、燃料電池102内部に外の空気や不純物が進入するのを防ぐような逆止弁であってもよい。
【0032】
本発明の当該実施例に係る水素生成器104の詳細を以下に説明する。
図5は、
図1に示す水素生成器104の概略図である。水素生成器104は、第1躯体132と、第2躯体134と、固体水素燃料128と、吸水材料130とを、備えている。吸水材料130は、固体水素燃料128と反応して水素を放出するための水を含んでいる。
【0033】
固体水素燃料128は、水素化物粉体と、触媒粉体とを含んでいる。ここで、水素化物粉体とは、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(Sodium Bronhydride:NaBH
4)であってもよいし、触媒粉体とは、例えば、複数の金属ナノ粒子の集合体であってもよい。この金属ナノ粒子とは、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、及び銅(Cu)のうち、1又は複数の金属からなるナノ粒子である。触媒粉体の平均的な粒の大きさは、1μmから10mmである。
【0034】
一例として、触媒粉体は、複数の触媒キャリアと、上記の金属ナノ粒子を含んでいる。金属ナノ粒子は、触媒キャリアの表面を被覆していてもよい。他の一例として、触媒粉体は複数の触媒キャリアと金属イオンを含んでおり、金属イオンが錯体キャリアの表面にキレートしていてもよい。
【0035】
図5に示す通り、第1躯体132は、中空管であってもよく、固体水素燃料128が第1躯体132の内部に配置される。第1躯体132には、第1開口部136と第3開口部138がある。第1開口部136は、第1躯体132の一端142に位置し、第3開口部138は、水素入口112と接続管(図示せず)を介して接続されていてもよい。
【0036】
第2躯体134は、中空管であってもよい。吸水材料130は第2躯体134の内部に配置される。第2躯体134には第2開口部140がある。第2開口部140は、第2躯体134の一端144に位置し、第1躯体132の一端142は、第2躯体134の一端144に接続されている。
【0037】
第1躯体132と第2躯体134は、ペン形状をしていたり、薄くて軽い形状をしていてもよく、その場合、優れた携帯性と利便性を有することとなる。
【0038】
図5に示す通り、第2開口部140の内径D2は、固体水素燃料128の外径より大きく、第2躯体134の外径D5は、第1開口部136の内径D1より小さい。それゆえ、第2躯体134は、第1躯体132に、第1開口部136を通って進入することができ、吸水材料130と固体水素燃料128は接触し、化学反応によって水素を放出し、生成された水素が第3開口部138を通って燃料電池102内部に注入される。
【0039】
ここで、本明細書中における「外径」とは、各部材の外側面の幅の長さを測定したものであり、同様に、本明細書中における「内径」とは、各部材の内側面の幅の長さを測定したものである。すなわち、部材の円形断面の外径や内径に限定されるものではない。
【0040】
水素生成器104はさらに、蓋体188と、吸水ユニット160と、気体液体分離膜162と、第1密封ユニット190とを、備えている。蓋体188は、第1躯体132と脱着可能となるよう接続されている。たとえば、ねじにより嵌め合わせたり、圧着接合により、蓋体188は、第1躯体132と脱着可能となるよう接続されている。蓋体188は、導路194を備えていてもよく、導路194は第3開口部138と接続されている。
【0041】
気体液体分離膜162は、蓋体188に接して配置され、吸水ユニット160は、第1躯体132の内部に配置され、吸水ユニット160と気体液体分離膜162は、第3開口部138と固体水素燃料128との間に位置している。
【0042】
吸水ユニット160は、コットン、スポンジ、あるいは、ホルムアルデヒド・フェノル重(Phenol Formaldehyde:以下、PFと記す)からなっていてもよく、第1躯体132の内部に配置され、水を吸収し、反応に寄与されなかった水が燃料電池102へ流入するのを抑制している。吸水ユニット160が、第3開口部138全体を遮蔽しているのが望ましいが、これに限定されることはない。
【0043】
気体液体分離膜162は、反応に寄与されなかった水が内部に留められ、水素のみが通過される。気体液体分離膜162が、第3開口部138全体を遮蔽しているのが望ましいが、これに限定されることはない。
【0044】
例えば、吸水材料130と固体水素燃料128が完全に反応した場合、もしくは、反応に寄与しなかった水が少量である場合、吸水ユニット160及び気体液体分離膜162を省略してもよい。反応に寄与しなかった水が少量であるならば、その水は、第1躯体132の壁や第2躯体134の壁に吸着するだろう。それゆえ、吸水ユニット160及び気体液体分離膜162が省略されていたとしても、第3開口部138から水が外部へ放出されたり漏れ出したりすることは抑制されているだろう。
【0045】
たとえば弾性Oリングである第1密封ユニット192が蓋体188に接して配置される。蓋体188が第1躯体132に固定されているとき、第1密封ユニット190は、蓋体188と第1躯体132の間で圧縮され、密封効果を生み出し、反応に寄与しなかった水が第3開口部138から漏れ出すのを抑制する。
【0046】
第2躯体134は、第2密封ユニット190と、薄膜146とを、備えている。薄膜146は、第2開口部140を遮蔽し、吸水材料130が第2開口部140から漏れ出すのを抑制している。固体水素燃料128には、その先端に突起部148があり、薄膜146を突き破るために、突起部148は薄膜146の方向へ延伸している。第2躯体134が第1躯体132に挿入されると、固体水素燃料128は薄膜146を突き破り、固体水素燃料128は吸水材料130と接触するようになる。
図6は、
図5に示す固体水素燃料128と吸水材料130が接触している状態を示す概略図である。
【0047】
たとえば弾性Oリングである第2密封ユニット192が第2躯体134の他端156に接して配置される。第2躯体134が第1躯体132に挿入されると、第2密封ユニット192は、第2躯体134と第1躯体132の間で圧縮され、遮蔽効果を生み出し、反応に寄与しなかった水が外へ漏れ出すのを抑制する。
【0048】
第1躯体132はさらに、第1連結部150を備え、第1躯体132の一端142に配置される。第2躯体134はさらに、第2連結部152及び第3連結部154を備える。第2連結部152は、第2躯体134の一端144に配置され、第3連結部154は第2躯体134の他端156に配置される。
【0049】
本発明の当該実施例において、第1連結部150と第2連結部152とで、嵌め合うねじを構成し、同様に、第1連結部150と第3連結部154とでも、嵌め合うねじを構成する。
【0050】
第1連結部150は、第2連結部152とも、第3連結部154とも、選択的に嵌め合わされる。第2躯体134が第1躯体132に挿入され始めるとき、第1連結部150は第2連結部152と嵌め合わされ、第2躯体134が第1躯体132に挿入された後は、第1連結部150は第3連結部154と嵌め合わされる。さらに、ユーザーが水素生成器104を使用するとき、
図5に示す第1躯体132と第2躯体134とのいずれかが回転され、その結果、
図6に示す通り、第2躯体134が第1躯体132に挿入される。ユーザーが水素生成器104を使用しない時、
図6に示す第1躯体132を回転させ、
図5に示す通り、固体水素燃料128を吸水材料130から引き離せばよい。第1躯体132及び第2躯体134は、第1連結部150、第2連結部152、及び第3連結部154により、固定して接続されることが可能となっている。
【0051】
図5に示す通り、第1躯体132はさらに、固定部158を備えており、固定部158は、第1躯体132の内壁と固体水素燃料128との間に配置され、固体水素燃料128を固定している。第1躯体132の内壁に固定されている固定部158は、たとえばスルーホールといった嵌めこみ部178を有しており、嵌めこみ部178に固体水素燃料128が嵌めこまれる。
【0052】
固体水素燃料128の構造について、以下に、詳細を説明する。
【0053】
図7は、
図5に示す固体水素燃料128の概略図である。水素生成器104はさらに、載体164を備え、固体水素燃料128に配置される。載体164は、中空柱形状をしていてもよく、固体水素燃料128は載体164の外表面に付着されていてもよい。しかしながら、本発明の当該実施例は、当該例に限定されることはない。たとえば、固体水素燃料128は載体164の外表面と内表面の両方に付着されていてもよいし、載体164の内表面にのみ付着されていてもよい。しかしながら、本発明の当該実施例は、以上の例に限定されることはない。さらに他の例として、固体水素燃料128が、載体164に付着されるものでなくてもよい。
【0054】
載体164は、より大きな表面積を有する中空載体が望ましく、より多くの固体水素燃料128を載体164に付着させることが出来る。その結果、固体水素燃料128と水の反応によって生成される水素の発生率をより大きくすることが出来る。
【0055】
他の例として、載体164は、平面板形状や他の形状を有していてもよい。載体164の形状が、第1躯体132の形状や第2躯体134の形状に適合していれば、本発明の当該実施例では載体164の形状は特に限定されない。
【0056】
可撓性があり多孔質の載体とするには、載体164は、金属によって形成されてもよい。例えば、ニッケル発泡体(Ni−foam)網、ニッケル網、鉄線網、銅線網などからなっていてもよい。載体164が可撓性を有していれば、載体164は、
図7に示すような中空柱形状に巻きあげてもよい。
【0057】
載体164が多孔質であれば、固体水素燃料128は載体164の多孔の中に吸収されるので、固体水素燃料128が載体164を被膜することが出来る。しかしながら、本発明の当該実施例は、これらの例に限定されることはなく、固体水素燃料128は、たとえば噴霧したり浸透するといった他の方法により載体164に形成されてもよい。
【0058】
図5に示す通り、吸水材料130は、吸水体と水とを備えており、水を保有している。吸水体は、高分子集合体や、高分子と綿状物質の混合物などによって形成されていてもよい。例えば、吸水体の物質は、ポリアクリル酸(polyacrylate)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVA)、ポリ酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate:EVA)、ポリウレタン(polyurethane)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、澱粉グラフトコポリマー類(starch graft copolymers)もしくはラバーブレンド(rubber blends)などである。所望の水素生成反応を得るためには、吸水材料130の吸水率は1:10から1:40の範囲が望ましいが、これに限定されることはない。ここで、吸水率1:10とは、1グラムの吸水体に10グラムの水が吸水している状態をいう。さらに、吸水材料130は、粒形状をしていてもよい。吸水材料130の各粒は本質的に同じ大きさであるのが望ましいが、これに限定されることはない。
【実施例3】
【0065】
図9は、本発明の第3の実施例に係る水素生成器304の概略図である。当該実施例と第1の実施例との共通するものについては、同じ符号を用いるとともに、共通する点についてはここでは説明を繰り返さない。当該実施例に係る水素生成器304は、第1の実施例に係る水素生成器104と、水素生成器304の連結部分が、凸部と凹部からなっている点で異なっている。
【0066】
第1連結部350は、第1躯体332に凹部として備えられている。第2連結部及び第3連結部354は、第2躯体334にそれぞれ凸部として備えられており、
図9に示す通り、第1連結部350と嵌め合わされる。しかしながら、本発明の当該実施例は、この例に限定されることはない。他の例として、第1連結部350が凸部としてなっており、第2連結部352及び第3連結部354がそれぞれ凹部としてなっていてもよい。
【0067】
さらに、本発明の当該実施例に係る水素生成器304は、蓋体が省略されていてもよく、第3開口部338が、第1躯体332の両端のうち、燃料電池の水素入口に接続される側である他端390に配置されていてもよい。
【0068】
吸水ユニット360及び気体液体分離膜362は、第1の実施例に係る吸水ユニット160及び気体液体分離膜162と、それぞれ同様であり、共通する点についてはここでは説明を繰り返さない。
【0069】
なお、吸水ユニット360及び気体液体分離膜362は、反応に寄与しない水が第3開口部338より漏れ出すのを抑制しており、第2連結部352は第1連結部350と嵌め合わされ、異物が水素生成器304に進入するのを抑制している。さらに、第2躯体334が第1躯体332に挿入された後は、第3連結部354が第1連結部350と嵌め合わされ、密封効果が生じ、反応に寄与しなかった水が漏れ出すのを抑制する。
図10は、
図9に示す第3連結部354が第1連結部350と嵌め合わされている状態を示す概略図である。
【0070】
第2連結部352及び第3連結部354の大きさは第1連結部350の大きさより少しばかり大きくてもよく、その場合、第2連結部352及び第3連結部354が第1連結部350とかたく嵌め合わされ、水素生成器304はより強く密封される。
【0071】
さらに、第2連結部352及び第3連結部354は、たとえばゴムやシリコンといった弾性体によって形成されていてもよく、この場合、第2連結部352及び第3連結部354は、圧縮によって、第1連結部350とよりかたく嵌め合わされる。
【0072】
第1の実施例乃至第3の実施例において、固体水素燃料を吸水材料と混合することにより水素を生成する水素生成器について説明した。しかし、吸水材料の代わりに液体である水を用いてもよく、その場合について、以下の第4の実施例にて説明する。