特許第5797746号(P5797746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッドの特許一覧

特許5797746ステープル留めした組織に対する組織治療組成物を送達する方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797746
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】ステープル留めした組織に対する組織治療組成物を送達する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A61B17/11 310
【請求項の数】10
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2013-510232(P2013-510232)
(86)(22)【出願日】2011年5月10日
(65)【公表番号】特表2013-526341(P2013-526341A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】US2011035876
(87)【国際公開番号】WO2011143183
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2014年5月9日
(31)【優先権主張番号】12/777,424
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シュルテ・ジョン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】モレーレ・レベッカ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥガン・パトリック・ディー
(72)【発明者】
【氏名】クローニン・マイケル・ディー
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ジェローム・アール
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・スチュアート・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】マッカリスター・ゲーリー・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ワイデンハウス・タマラ・エス・ベトロ
(72)【発明者】
【氏名】バレク・ステファン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ショーウォルター・ジョセフ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ウィット・デビッド・エイ
(72)【発明者】
【氏名】マラビヤ・プラサンナ
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−516678(JP,A)
【文献】 特開2006−110325(JP,A)
【文献】 特開2008−272494(JP,A)
【文献】 特開2010−119844(JP,A)
【文献】 国際公開第90/005489(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織をステープル留めするための外科用ステープルキットであって、
(a)ステープル器具であって、
(i)ハンドル、
(ii)複数のステープルを受容するよう構成されている、第1クランプ部材、及び
(iii)前記第1クランプ部材と向かい合う第2クランプ部材であって、前記ステープルを形成するためのアンビルを含む、第2クランプ部材、を含み、
前記第1クランプ部材及び前記第2クランプ部材の一方又は両方は前記ハンドルに連結され、
前記クランプ部材のうちの少なくとも1つは、組織を受容するための開放位置と、前記クランプ部材間で組織をステープル留めするための閉鎖位置との間で可動である、ステープル器具と、
(b)生体適合性の破裂性組織治療部材であって、該組織治療部材は、医療用流体を含む組織治療組成物を受容し、保持するように構成され、組織が、前記クランプ部材間でクランプされ、ステープル留めされるときに、前記組織治療部材が、前記組織治療部材によって保持される前記流体組織治療組成物の少なくとも一部分を放出するように、前記組織治療部材は前記第1クランプ部材と第2クランプ部材との間に配置されるように更に構成される、生体適合性の破裂性組織治療部材と、を備え
前記ステープル器具が環状ステープラーを含み、前記ステープル器具が、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間に延びる細長いシャフトを更に含み、前記組織治療部材が、前記シャフト上に摺動可能に配置されるように構成されており、
前記組織治療部材が、前記シャフト上に配置され、前記組織が前記クランプ部材間でクランプされるとき、前記組織治療部材が破裂されるような寸法にされたトロイドを、前記組織治療部材が含み、
前記組織治療部材が、前記シャフトを受容するように構成される、中央開口部を画定する螺旋状トロイドを含む、外科用ステープルキット。
【請求項2】
前記組織治療部材が破裂性パウチを含む、請求項1に記載の外科用ステープルキット。
【請求項3】
前記パウチが、1つ又は2つ以上の医療用流体を前記パウチに添加するための自己封止型ポートを含む、請求項2に記載の外科用ステープルキット。
【請求項4】
前記ステープル器具の前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で前記組織治療部材が位置合わせ可能に配置される前に、前記組織治療部材が、組織に取り付けられるように更に構成される、請求項1に記載の外科用ステープルキット。
【請求項5】
記第1クランプ部材が、少なくとも1つの環状アレイで複数のステープルを受容するように構成されている、請求項1に記載の外科用ステープルキット。
【請求項6】
前記トロイドは、前記組織が前記クランプ部材間でクランプされ、ステープル留めされるとき、前記トロイドが前記ステープルによって破裂されるような寸法にされている、請求項5に記載の外科用ステープルキット。
【請求項7】
前記ステープル器具が、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で操作可能に移動可能なナイフを更に含み、前記組織が、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間でクランプされ、ステープル留めされるとき、前記ナイフは、前記組織及び前記組織治療部材を切り裂く、請求項1に記載の外科用ステープルキット。
【請求項8】
前記組織治療部材が、前記ステープル器具とは別個の封止されたパッケージ内に提供され、前記組織治療組成物を受容した後に前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で配置可能である、請求項1に記載の外科用ステープルキット。
【請求項9】
前記外科用ステープルキットが更に、
組織治療組成物を貯蔵するためのリザーバーと、
前記組織治療組成物を前記リザーバーから前記第1クランプ部材および前記第2クランプ部材の間の位置まで送達するように構成された流体導管と、
を備える、請求項1に記載の外科用ステープルキット。
【請求項10】
前記流体導管が、前記リザーバーから延びる第1の流体通路と、前記第1クランプ部材および前記第2クランプ部材の一方または両方の内部の第2の流体通路と、を備える、請求項9に記載の外科用ステープルキット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
組織の治癒を促進し、これを改善することはいくつかの医療処置及び手順の重要な態様である。例えば、組織の治癒の促進及び改善は、より速い回復時間につながり、具体的には、外科手術後の状況における感染の機会を減少させることができる。患者の組織の治癒を促進し、改善するためのシステム、方法、及び装置に関する医療技術における一部の進歩は、有効生物学的成分(例えば、組織片、幹細胞、他のタイプの細胞等)を創傷部位(例えば外科手術部位、事故外傷部位等)又は他の欠損部位に添加し、組織の再生の促進、すなわち組織の治癒を加速することを目的とする。生物学的成分を部位に添加するとき、そのような成分は個別に添加される場合があるか、又は治療される状態又は治療の目的によって具体的に設計されたマトリックス若しくは他の混合物の一部として添加される場合がある。細胞ベースの治療技術のいくつかの実施例は、米国特許出願公開第2008/0311219号、表題「Tissue Fragment Compositions for the Treatment of Incontinence」(2008年12月18日公開)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。細胞ベースの治療技術の更なる実施例は、米国特許出願公開第2004/0078090号、表題「Biocompatible Scaffolds with Tissue Fragments」(2004年4月22日公開)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。細胞ベースの治療技術の更なる実施例は米国特許出願公開第2008/0071385号、表題「Conformable Tissue Repair Implant Capable of Injection Delivery」(2008年3月20日公開)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。
【0002】
有効生物学的成分が部位に送達される、又は適用される方法に関係なく、生体成分がまず入手され、準備されなければならない。そのような生体成分を入手する1つの方法は、健全な組織試料(例えば成人のヒト内の)から所望の成分を採取することである。採取した組織を回収及び処理するための装置及び関連方法の実施例は、米国特許出願公開第2004/0193071号、表題「Tissue Collection Device and Methods」(2004年9月30日公開)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。採取した組織を回収及び処理するための装置及び関連方法の更なる実施例は、米国特許出願公開第2005/0038520号、表題「Method and Apparatus for Resurfacing an Articular Surface」(2005年2月17日公開)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。採取した組織を回収及び処理するための装置及び関連方法の更なる実施例は、米国特許第7,611,473号、表題「Tissue Extraction and Maceration Device」(2009年11月3日発行)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。採取した組織を回収及び処理するための装置及び関連方法の更なる実施例は、米国特許出願公開第2008/0234715号、表題「Tissue Extraction and Collection Device」(2008年9月25日公開)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。採取した組織を処理するための装置及び関連方法の更なる実施例は、米国特許出願公開第2005/0125077号、表題「Viable Tissue Repair Implants and Methods of Use」(2005年6月9日公開)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。採取した組織を回収及び処理するための装置及び関連方法の更なる実施例は、米国特許第5,694,951号、表題「Method for Tissue Removal and Transplantation」(1997年12月9日発行)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。採取した組織を回収及び処理するための装置及び関連方法の更なる実施例は、米国特許第6,990,982号、表題「Method for Harvesting and Processing Cells from Tissue Fragments」(2006年1月31日発行)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。採取した組織を回収及び処理するための装置及び関連方法の更なる実施例は、米国特許第7,115,100号、表題「Tissue Biopsy and Processing Device」(2006年10月3日発行)に開示されており、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。
【0003】
いったん採取され、適切に処理されると(例えば、スカフォールドと組み合わせる)、生体物質、例えば組織断片は、創傷部位又はヒトの身体内の他のタイプの部位に様々な方法で適用することができる。そのような生体物質は、上記に引用された1つ又は2つ以上の米国特許参考文献に開示されている。そのような生体物質を適用するための更なる方法及び装置は、米国特許出願公開第2005/0113736号、表題「Arthroscopic Tissue Scaffold Delivery Device」(2005年5月26日公開)に開示され、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。
【0004】
組織試料から生物学的成分を採取する、処理する、及び適用するための様々な装置及び技術が存在する場合があるが、本発明者の前には、誰も本明細書で記載されるような本発明を作成していない、又は使用していないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、本発明を特定して指摘し、明白に請求する請求項を以って結論とするが、添付図面と併せた以下の特定の例の説明により、本発明は更によく理解されると考えられている。図面の中で、幾つかの図を通じて、同様の数字は同様の要素を表す。
図1】組織を刻むチャンバ有する、代表的な環状外科用ステープラーの斜視図を示す。
図2A図1に示されたステープラーの近位部分の部分的断面図を示す。
図2B図1に示されたステープラーの遠位部分の部分的断面図を示す。
図3】縫合で結合されるべき、一対の組織内腔に配置され、クランプ部材間に図5のスカフォールドが配置された、図1に示すステープラーのエンドエフェクタ部分の部分的断面図を示す。
図4】エンドエフェクタが閉じられて組織内腔の端部をクランプするように閉じられたエンドエフェクタと、クランプ部材の間のスカフォールドを備える、図3に示されたステープラーの部分断面図を示す。
図5】環状ステープラーと共に使用するための代表的なスカフォールドの斜視図を示す。
図6】環状ステープラーと共に使用するための、他の代表的なスカフォールドの斜視図を示す。
図7】吻合を実施する際に使用するための、代表的な破裂性流体ハウジングの斜視図を示す。
図8】吻合を実施する際に使用するための、他の代表的な破裂性流体ハウジングの斜視図を示す。
図9】代表的なパッケージ内に配置された図8の破裂性流体ハウジングの斜視図を示す。
図10】縫合で結合されるべき一対の組織内腔に配置され、クランプ部材間に図7の流体ハウジングが配置された、代表的な環状外科用ステープラーのエンドエフェクタ部分の部分的断面図を示す。
図11】破裂性流体ハウジングがクランプ部材上に配置されている、環状外科用ステープラーの代表的な第1クランプ部材の部分的断面図を示す。
図12】破裂性流体ハウジングがクランプ部材上に配置されている、環状外科用ステープラーの代表的な第2クランプ部材の部分的断面図を示す。
図13】破裂性流体ハウジングがエンドエフェクタの第2クランプ部材に配置されており、吻合で結合されるべき1対の組織内腔に配置された、他の代表的な環状外科用ステープラーのエンドエフェクタ部分の部分的断面図を示す。
図14】組織内腔を一緒に締結し、流体ハウジングを破裂させ、組織内腔を切断するためにステープラーが発射された位置にある、図13に示すステープラーの部分断面図を示す。
図15】組織を更に切断するようにステープラーが再度発射され、かつ流体ハウジングが空にされた状態の、図13に示すステープラーの部分的断面図を示す。
図16図13に示されるステープラーの溝付きナイフの平面図を示す。
図17図16に示す溝付きナイフの斜視図を示す。
図18A】環状ステープラーと共に使用するための、他の代表的なスカフォールドの平面概略図を示す。
図18B】環状ステープラーと共に使用するための、更に他の代表的なスカフォールドの平面概略図を示す。
図18C】環状ステープラーと共に使用するための、更に他の代表的なスカフォールドの平面概略図を示す。
【0006】
各図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることも考えられる。本明細書に組み込まれその一部をなす添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示すものであり、説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な構成に限定されない点が理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本明細書で開示した形態の他の特徴、態様、及び利点が以下の説明から当業者には明白となるであろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。理解されるであろう通り、本明細書で説明した形態は、何れも本発明から逸脱せずに、その他の異なる、かつ明白な態様も実施できる。したがって、図面及び説明は、例示的な性質のものであり、限定的なものであると見なされるべきではない。
【0008】
I.外科用ステープラーと共に使用するための代表的な組織治療成分
外科用ステープリング装置は、組織上でクランプし、複数のステープルを1つのアレイで組織内に配置し、いくつかの場合では、ステープルのアレイ内の組織を切断するために使用される場合がある。そのようなステープリング装置は、ステープルを環状、線状、弓状、又は任意の他の所望の形状である経路に沿って適用することができ、並びに、内腔構造体(例えば腸)上の吻合を実施するために、例えば組織を切除する又は横に切断するために、又はいずれか他の様々な他の外科処置で使用される場合がある。本明細書に示され、説明される実施例は、1つ又は2つ以上の治癒剤を有する医療用流体などの組織治療組成物を、ステープル留めされた組織、例えばステープル線で(例えばここでは締結具が組織内に延びる)、切断線で(例えばここでは組織は切断される)、及び/又は他の場所で提供する。医療用流体は様々な生体適合性の物質の任意のものを含んでもよく、これは組織の治癒を加速し、組織の再生を促進し、及び/又は他の結果をもたらす。本明細書で使用するとき、用語「組織治療組成物」、「組織修復組成物」及び「医療用流体」は互換的に読まれるべきである。本明細書で言及される組織治療組成物又は医療用流体は、任意の好適な稠度(スラリーの稠度を含むがこれに限定されない)を有してもよいということもまた理解すべきである。
【0009】
本明細書で言及される医療用流体は、合成又は天然ポリマーを含むがこれらに限定されない、任意の生体適合性物質由来であってもよい。医療用流体の稠度は、粘調、又はゲル樣であってもよく、微粒子から構成されたスラリーのもの、又は任意の他の好適な硬度であってもよい。単に例として、カテーテルを通じて注入することが可能であり得る任意の流体の稠度を使用することができる。医療用流体はまた、粘着性特性をもたらすことができ、例えば、いったんそれが標的部位において注入されると(例えば瘻内へ)、流体は凝固するか、又はゲル化する(例えば、瘻内でプラグが保持されるのを可能にする)。本実施例の医療用流体はまた、細胞移動及び増殖を支持し、これによって患者内の標的部位において治癒を生じさせることができる。この流体は、生物学的物質と混合されるのに適している。医療用流体組成物の例には、トロンビン、乏血小板血漿(PPP)、多血小板血漿(PRP)、デンプン、キトサン、アルギネート、フィブリン、多糖類、セルロース、コラーゲン、ゼラチン−レゾルシン−ホルマリン粘着物、酸化セルロース、イガイ系粘着物、ポリ(アミノ酸)、アガロース、アミロース、ヒアルロナン、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ヒアルロン酸、ポリ(ビニールピロリドン)(PVP)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、及びそれらのコポリマー、VICRYL(登録商標)(Ethicon,Inc.,Somerville,N.J.)、MONOCRYL材料、PANACRYL(Ethicon,Inc.,Somerville,N.J.)、及び/又は生体物質との混合、及び、創傷又は欠陥部位に導入するためにこの材料の組み合わせも含め、好適な任意の他の物質が挙げられるが、これらに限定されない。医療用流体で使用することができる他の好適な化合物、材料、物質等は、本明細書の教示に鑑みれば、当業者にとって明らかであろう。
【0010】
単に例として、流体又は組織治療組成物の1つ又は2つ以上の成分は、1つ又は2つ以上の生存細胞を有する、少なくとも1つの生存組織断片含む場合があり、生存細胞は一旦適用されると、患者内の標的部位において増殖し、組織と一体化することができる。例えば、生存細胞は組織粒子から外に移動し、患者内の標的部位に配置される場合があるスカフォールド物質に集中することができる。そのような組織断片は、同じ患者から採取されてもよく、その患者内でそれらは再度適用されるか、又は他のヒト又はソースから回収されてもよい。組織断片は自己生成組織、同種組織、異種組織、前述のものの任意の混合物、及び/又は任意の他のタイプの組織を含んでもよい。組織断片は、1つ又は2つ以上の以下の組織又は組織成分を含んでもよい:幹細胞、軟骨組織、半月板組織、靱帯組織、腱組織、皮膚組織、筋肉組織(例えば患者の腿等から)、骨膜組織、心膜組織、滑液組織、脂肪組織、骨髄、膀胱組織、臍組織、胚性組織、血管組織、血液及びこれらの組み合わせが挙げられる。勿論、任意の好適な組織のタイプの組み合わせを含め、任意の他の好適なタイプの組織が使用されてもよい。一部の形態では、使用される組織のタイプは、標的部位において、標的部位付近の又は標的部位を包囲する組織(例えば瘻等)に最も似ているタイプの組織から選択される。
【0011】
少なくとも1つの生存組織断片を提供するための組織は、任意の様々な組織生検デバイスを使用して、又は他のタイプの組織採取デバイス若しくは技法を使用して得ることができる。代表的な生検装置は、米国特許第5,526,822号、表題「Method and Apparatus for Automated Biopsy and Collection of Soft Tissue」(1996年6月18日発行)、同第6,086,544号、表題「Control Apparatus for an Automated Surgical Biopsy Device」(2000年7月11日発行)、米国特許出願公開第2007/0118048号、表題「Remote Thumbwheel for a Surgical Biopsy Device」(2007年5月24日公開)、同第2008/0214955号、表題「Presentation of Biopsy Sample by Biopsy Device」(2008年9月4日公開)、米国特許出願(非暫定的)第12/337,942号、表題「Biopsy Device with Central Thumbwheel」(2008年12月18日出願)、及び米国特許出願(非暫定的)第12/483,305号、「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」(2009年6月12日)に教示されるものが挙げられる。上記に引用された米国特許、米国特許出願公開、及び米国特許出願(非暫定的)は参照することにより本明細書に援用する。そのようなバイオプシー装置は、一人の患者内で1つ又は2つ以上の部位から複数の組織見本を抽出するのに使用されてもよい。本明細書で引用されるいずれか他の参照文献に記載される任意の好適な装置が、組織を採取するのに使用できるということを理解する必要がある。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。組織採取部位は、治療の一部として組織が再度適用される同じ部位を含んでもよい。更に、又は代わりに、組織は1つの部位から採取され、次いで治療の一部として、ある他の部位で再度適用されてもよい。いくつかの形態では、組織が最初に採取された同じ患者に、組織は再度適用される。ある他の形態では、組織は、組織が最初に採取された患者とは異なる患者内で適用される。
【0012】
組織試料は、防菌条件下で得られ、次いで無菌条件下で処理され、少なくとも1つの刻まれた、又は細かく分離された組織断片を有する懸濁液を作ることができる。換言すれば、採取された組織は切断され、刻まれ、細切りにされ、及び/又は他の方法で処理されてもよい。採取された組織試料は刻まれ、任意の様々な方法で処理されてもよい。例えば、組織を刻むこと及び処理することの実施例は、米国特許出願公開第2004/0078090号に記載され、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。組織の生存能力を確保するために、攪拌器、又は刻み及び/若しくは混合装置の他の機構は、組織を切断し、これを混合するように(圧搾若しくは圧縮するよりはむしろ)設計されてもよい。いくつかの設定において、組織試料は、血清の存在下又は非存在下のいずれかにおいて、標準的な細胞培養培地中で細切れにされても、及び/又はこれに混合されてもよい。組織断片はまた、マトリックス消化酵素に接触させて、細胞を包囲する細胞外マトリックスからの細胞移動を促進してもよい。いくつかの状況で用いることができる好適なマトリックス消化酵素としては、コラゲナーゼ、コンドロイチナーゼ、トリプシン、エラスターゼ、ヒアルロニダーゼ、ペプチダーゼ、サーモリシン及びプロテアーゼが挙げられるが、これらに限定されない。それぞれの組織断片の寸法は、標的位置、標的部位に対する治療組成物の供給方法に基づいて、及び/又は様々な他の検討事項に基づいて様々であってもよい。例えば、組織断片の寸法は、組織断片における再生細胞(例えば、線維芽細胞)が、組織断片から外へ移動する能力を強化するように、及び/又は細胞の一体性の破壊を限定する、若しくは防ぐように選択されてもよい。いくつかの条件では理想的な組織断片は約200マイクロメートルから約500マイクロメートルの寸法である。他の単なる例示実施例として、理想的な細胞断片は、約0.05mmから約2mm、又はより具体的には約0.05mmから約1mmの範囲の寸法であってもよい。無論、様々な他の組織断片の寸法は、様々な異なる設定において理想的なものであってもよい。
【0013】
いくつかのバーションでは、医療用流体は生体適合性担体内で懸濁した、細切り細胞断片を含んでもよい。好適な担体としては、例えば生理学的緩衝溶液、流動性ゲル溶液、生理食塩水、及び水を挙げることができる。ゲル溶液の場合、組織修復組成物は、標的部位における送達前に流動性ゲルの形態であってもよく、又は標的部位における送達後に定位置に留まってもよい。流動性ゲル溶液は、1つ又は2つ以上のゲル化物質を含む場合があり、水、食塩水、又は生理的緩衝液を有するか、又はこれらを有さない。好適なゲル化物質には、生物学的物質及び合成物質が挙げられる。ゲル化材料の例には以下:コラーゲン、コラーゲンゲル、エラスチン、トロンビン、フィブロネクチン、ゼラチン、フィブリン、トロポエラスチン、ポリペプチド、ラミニン、プロテオグリカン、フィブリン糊、フィブリン塊、多血小板血漿(PRP)塊、乏血小板血漿(PPP)塊、自己集合ペプチドヒドロゲル、Matrigel又はアテロコラーゲンのようなタンパク質;ペクチン、セルロース、酸化再生セルロース、キチン、キトサン、アガロース、又はヒアルロン酸のような多糖類;リボ核酸、デオキシリボ核酸のようなポリヌクレオチド、例えばリボ核酸、又はデオキシリボ核酸、並びに、アルギン酸、架橋アルギン酸、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(オキシアルキレン)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)のコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリレート、モノステアロイルグリセロールコ−スクシネート/ポリエチレングリコール(MGSA/PEG)コポリマーなどの他の材料、並びに前述のものの任意の組み合わせが挙げられる。組織断片のために流動性担体の溶液を提供することに加えて、ゲル化剤もまた標的部位における組織修復組成物を固定する接着物として機能することができる。いくつかのバーションでは、追加の接着性固定剤が、組織修復組成物又は医療用流体に含まれてもよい。また、ゲル化剤を架橋するために、1つ又は2つ以上の架橋剤が、1つ又は2つ以上のゲル化剤と併せて使用されてもよい。
【0014】
担体及び/あるいは1つ又は2つ以上の医療用流体組成物中の組織断片の濃度は、標的部位の位置、治療組成物を標的部位に供給するための方法、及び/又は様々な他の理由により様々であってもよい。例として、担体に対する細胞断片の割合(容量で)は、約2:1から約6:1の範囲、又は約2:1から約3:1の範囲であってもよい。医療用流体はまた、もう1つの追加の治癒剤、例えば治癒及び/又は組織の再生を加速する生物学的成分などを含んでもよい。そのような生物学的成分には、例えば成長因子、タンパク質、ペプチド、抗体、酵素、血小板、糖たんぱく、ホルモン、サイトカイン、グルコサミノグリカン、核酸、鎮痛剤、菌類、分離細胞、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。医療用流体は、感染を防ぎ、炎症を抑え、接着物の形成を防止する、若しくは最小限にする、並びに/又は免疫性システムを抑制する1つ又は2つ以上の追加の治療成分を更に含んでもよい。スカフォールドが組織治療組成物と併せて使用されるいくつかの形態では、生体成分又は追加の治療成分の1つ又は2つ以上は、スカフォールド上に、及び/又はスカフォールド内に提供されてもよい。同様にスカフォールドプラグが組織修復組成物と併せて使用されるいくつかの形態では、生体成分又は追加の治療成分の1つ又は2つ以上は、スカフォールドプラグ上に、及び/又はスカフォールドプラグ内に提供されてもよい。本明細書で記載されるいくつかの実施例はまた、生存組織断片と合わせて1つ又は2つ以上の接着剤を含んでもよい。
【0015】
上記のとおり、採取された組織は、患者への投与に関して本明細書に記載のように、医療用流体としてスカフォールド材料及び/又は他の物質と組み合わされてもよい。組織がスカフォールド材料に組み込まれる範囲において、任意の好適な材料又は材料の組み合わせが使用されてスカフォールドを供給することができるということを理解すべきである。単に例として、スカフォールド材料はまた天然材料、合成材料、生体吸収性ポリマー、不織布ポリマー、他のタイプのポリマー、及び/又は他のタイプの材料若しくは材料の組み合わせを含んでもよい。好適な生体適合性材料には、デンプン、キトサン、セルロース、アガロース、アミロース、リグニン、ヒアルロナン、アルギン酸、ヒアルロン酸、フィブリン糊、フィブリン凝塊、コラーゲンゲルゼラチン−レゾルシン−ホルマリン粘着物、多血小板血漿(PRP)、ゲル、乏血小板血漿(PPP)ゲル、Matrigel、モノステアロイルグリセロールコ−スクシネート(MGSA)、モノステアロイルグリセロールコ−スクシネート/ポリエチレングリコール(MGSA/PEG)コポリマー類、ラミニン、エラスチン、プロテオグリカン類、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、及びそれらのコポリマー類、不織布VICRYL(登録商標)(Ethicon,Inc.(Somerville,N.J.))、MONOCRYL材料、フィブリン、不織布、ポリ−L−ラクチド、及び不織布PANACRYL(Ethicon,Inc.,Somerville,N.J.)が挙げられる。ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、チロシン由来のポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルソエステル、ポリオキサエステル、ポリアミドエステル、アミン基を含有するポリオキサエステル、ポリ(無水物)、ポリホスファゼン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリウレタン、ポリ(エステルウレタン)、ポリ(エーテルウレタン)、並びにこれらのブレンド及びコポリマー等のポリマーを挙げることができる。本明細書に記載の実施例で用いるのに好適な合成ポリマーとしては、また、コラーゲン、ラミニン、グリコサミノグリカン、エラスチン、トロンビン、フィブロネクチン、デンプン、ポリ(アミノ酸)、ゼラチン、アルギン酸、ペクチン、フィブリン、酸化セルロース、キチン、キトサン、トロポエラスチン、ヒアルロン酸、シルク、リボ核酸、デオキシリボ核酸、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ポリヌクレオチド及びこれらの組み合わせに見られる配列に基づく生合成ポリマーを挙げることができる。使用できる他の好適な材料、又は材料の組み合わせは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。スカフォールド材料と共に混合された組織は、任意の好適な寸法を有してもよく、また得られる混合物は少なくとも初めに、スラリーの稠度を有してもよく、又は任意の他の好適な稠度を有してもよいということを理解する必要がある。いくつかの形態では、組織の粒子は、組織粒子から外へ移動し、スカフォールドに集中することができる効果的な量の生存細胞を含む。用語「生存」は本明細書で使用されるとき、1つ又は2つ以上の生存細胞を有する組織サンプルを含むということを理解すべきである。
【0016】
一部の形態では、医療用流体又は組織治療組成物における1つ又は2つ以上の成分は、標的部位(例えば、フィステル内で)における組織再生を促進し、及び/又は標的部位における組織治癒を加速する1つ又は2つ以上の治癒剤を含む。治癒剤は様々な生体適合性の物質の任意のものを含んでもよく、これは組織の治癒を加速し、及び/又は組織の再生を促進する。そのような生物学的成分には、例えば成長因子、タンパク質、ペプチド、抗体、酵素、血小板、糖たんぱく、ホルモン、サイトカイン、グルコサミノグリカン、核酸、鎮痛剤、菌類、分離細胞、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。医療用流体は、感染を防ぎ、炎症を抑え、接着物の形成を防止する、若しくは最小限にする、並びに/又は免疫性システムを抑制する1つ又は2つ以上の追加の治療成分を更に含んでもよい。スカフォールドが組織治療組成物と併せて使用されるいくつかの形態では、生体成分又は追加の治療成分の1つ又は2つ以上は、スカフォールド上に、及び/又はスカフォールド内に提供されてもよい。本明細書で記載されるいくつかの実施例はまた、生存組織断片と合わせて1つ又は2つ以上の接着剤を含んでもよい。
【0017】
本明細書に記載の実施例は、患者の内腔の修復(例えば吻合)に関する。具体的には、本明細書に記載の実施例は、プロセスの少なくとも一部で使用され組織治療組成物又は医療用流体を吻合部位において、内腔に送達する装置を含む。いくつかの形態では、組織治療組成物は、ステープル線においてステープ留めされた組織に、例えばステープラー内の流体管を通じて送達される。いくつかの他の形態では、組織治療組成物は、破裂性ハウジングから放出され、それは例えばステープラーのエンドエフェクタ内に又はその上に配置され、ステープル留めヘッドとアンビルとの間にクランプされることにより、ステープルによって、又はステープラー内の切断ナイフによって破裂することができる。更に、組織治療組成物は、ステープラーのステープル留めヘッドとアンビルとの間に配置可能なスカフォールド上に設けられてもよい。医療用装置が組織治療組成物を組み込むことができるような方法の様々な実施例は、より詳細に以下に記載されている一方で、追加の実施例は、本明細書の教示に鑑みれば当業者にとって明らかである。これらの実施例がステープラーとの関連で記載されている一方で、以下の教示は、医療用装置の様々な他のタイプ(医療用クリップ継手を含むがこれに限定されない)に容易に適用することができるということが理解されるべきである例えば、本明細書の教示は、他のタイプの医療用締結装置、例えばヘルニア人口装具(例えばヘルニアメッシュ)を使用するヘルニア修復など、様々な処置で使用される外科用タッカーに適用することができる。更なる実施例で、本明細書に記載の教示は、組織を切断し凝固するのに使用される装置、例えばRF又は超音波エネルギーを使用するものなどに適用することができる。以下の教示が他のタイプの医療用装置に適用することができる様々な好適な方法は、当業者にとって明らかである。同様に、以下の実施例が組織内腔の端々吻合の関連で記載されている一方で、以下の教示は、様々な他のタイプの外科用処置に容易に適用することができるが理解されるべきである。以下の教示が組み込まれる、様々なタイプの医療処置は当業者にとって明らかである。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「流体連通」(又は一部の文脈では「連通」)は、直接又は2つ又は2つ以上の中間要素を通じて、2つの要素間を流体(気体、液体、又は他の流動生材料)が、それを通じて流れることができる経路、すなわち通路が存在するということを意味する。同様に、用語「導管」は、バルブ内、又はバルブと一体化する導管を含む。換言すれば、2つの要素間の流体連通は、1つの要素から他方へと流れることができるが、この2つの間の中間の流体連通する要素(例えばバルブ等)を排除しないということを意味する。同様に2つ又はそれ以上の要素は、中間要素がこれらの2つ又はそれ以上の要素間に介在したとしても、互いに機械的に「連通する」。
【0019】
II.組織治療組成物を収容するためのリザーバーを有する代表的な外科用ステープラー
図1は、例えば切除の後の腸管経路においてなど、端々吻合の形成に使用される代表的な外科用ステープラー(20)を示す。ステープラー(20)は、例えばその開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許第5,533,661、表題「Sealing Means for Endoscopic Surgical Anastomosis Stapling Instrument」(1996年7月9日発行)、及び/又はその開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許出願公開第2009/0120994号、表題「Surgical Fastening Device with Initiator Impregnation of a Matrix or Buttress to Improve Adhesive Application」(2009年5月14日公開)に示されているものと同様な構造であってもよい。本明細書に記載の装置及び方法は、リニアステープラーなど、他のタイプの外科用ステープラー内に組み込まれてもよく、あるいはこれと共に使用されてもよい。リニアステープラーは、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許第5,465,895号、表題「Surgical Stapler Instrument」(1995年11月14日発行)、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する同第6,964,363号、表題「Surgical Stapling Instrument having Articulation Joint Support Plates for Supporting a Firing Bar」(2005年11月15日発行)、及び、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許出願第6,978,921、表題「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E−beam Firing Mechanism」(2005年12月27日発行)に示され、記載されている。
【0020】
本実施例の環状ステープラー(20)は、ハンドル(22)、そこから遠位方向に延びるシャフト(24)、及びシャフト(24)の遠位端の環状エンドエフェクタ(26)を有する。環状エンドエフェクタ(26)は、1つ又は2つ以上のアレイに配置された、複数のステープルを有する第1組織クランプ部材(28)(すなわちステープル留めヘッド)と、ステープルを形成するためのアンビルを含む第2組織クランプ部材(30)と、を含む。組織クランプ部材(28、30)のうちの少なくとも1つは、クランプ部材(28、30)間で組織を受容するための開放位置と、クランプ部材(28、30)間で組織をクランプし、ステープル留めするための閉鎖位置との間で移動可能である。本実施例では、第2クランプ部材(30)は、第2クランプ部材(28)に対して移動可能である。また、本実施例では、細長いシャフトは、第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)との間に延びる。この代表的な実施例では、細長いシャフトはアンビルシャフト(58)を含み、これは本明細書で更に詳細に記載されるよう、第2クランプ部材(30)が、ポスト部材(68)によって第1クランプ部材(28)の方へ引かれ得るように、ポスト部材(68)の遠位端分を受容する。いくつかの他の形態では、アンビルシャフトは、第1クランプ部材を通じて延びる中空のシャフトの遠位端内に受容されてもよい。
【0021】
作動可能な発射トリガー(23)は、ステープラー(20)を発射するために設けられる。図1に示されるように本実施例では、発射トリガー(23)は、ハンドル(22)に枢動可能に接続され、開放位置で示されている。トリガー(23)は、ステープラー(20)を発射させるためにハンドル(22)に隣接して閉鎖位置まで移動する(例えば旋回する)ことができる。トリガー(23)は、ステープラー(20)を発射するのに使用することができる機構の1つの実施例にすぎず、様々な他のタイプの機構若しくは要素が設けられてステープラー(20)を発射することができるということが理解されるべきである。
【0022】
本明細書で更に記載されるように、第2組織クランプ部材(30)は、ハンドル(22)上に配置された回転可能なクランプノブ(32)に動作可能に接続されている。クランプノブ(32)の回転は、第2組織クランプ部材(30)を、図4に示される閉鎖位置まで移動する。反対方向におけるクランプノブ(32)の回転は、第2クランプ部材(30)を移動させ、開放位置(図3)に戻す。勿論、様々な代替の機構又は要素が設けられて、開放位置と閉鎖位置との間第2クランプ部材(30)を移動させてもよい。
【0023】
本実施例のステープラー(20)はまた、1つ又は2つ以上の組織治癒剤(例えばキャリア内に懸濁した1つ又は2つ以上の生存組織断片)を含む組織治療組成物を含有するためのリザーバー(34)を含む。特に、図2Aで示されるように、リザーバー(34)は、本実施例ではステープラー(20)のハンドル(22)内に設けられる。しかし、リザーバーはステープラー(20)の他の場所、又は更にはステープラー(20)の外部に配置されてもよいということが理解されるべきである。例えば、いくつかの形態では、組織治療組成物をステープル線及び/又は組織切断線に送達するために、リザーバーはハンドル(22)の外部に配置され、ハンドル(22)に、又はステープラー(20)の他の部分に動作可能に接続される。
【0024】
リザーバー(34)内に事前に充填された組織治療組成物と共にステープラー(20)をエンドユーザーに供給する一方で、本実施例のステープラー(20)は、それを通じてリザーバー(34)が組織治療組成物(又はその組成物の成分)で提供され得る入口ポート(36)を含んでもよい。例えば、1つ又は2つ以上の組織治癒剤、例えば生存組織断片及びキャリア(例えば生理食塩水又は水)、及び/又はスカフォールド材料等は、入力ポート(36)を通じてリザーバー(34)内に注入することができる。あるいは、ステープラー(20)は、組織治療組成物(例えばキャリア)のいくつかの成分と共に事前に充填されてもよく、その一方で、他の成分、例えば生存組織断片は、使用時にリザーバー(34)内に注入される。選択的に入口ポート(36)を閉鎖するためのバルブ(38)は、図2Aに概略的に示されるように設けられてもよく、これによって入口(36)は、リザーバー(34)が組織治療組成物で充填された後に閉鎖することができる。本実施例において、バルブレバー(39)は、バルブ(38)を開放し、閉鎖するために設けられる。入口ポート(36)上にバルブを採用する代わりに、自己封止型隔膜は、組織治療組成物(又はその成分)が自己封止型隔膜を介してリザーバー(34)内に注入され得るように入口ポート(36)の上に配置されてもよい。医療用流体がリザーバー(34)に連通することができる他の好適な方法、及び医療用流体がリザーバー(34)に保持され得る方法は、本明細書の教示に鑑みれば当業者には明らかである。
【0025】
本明細書に更に記載されるように、少なくとも1つの流体管は、クランプ及びステープルの時に(及び/又はクランプ及びステープル直前に、及び/又はそのすぐに後に)リザーバー(34)から、第1クランプ部材と第2クランプ部材との間の場所に設けられてもよい。
【0026】
リザーバー(34)内に挿入された1つ又は2つ以上の治癒剤は、適切な採取ツールを使用して、例えば、供与体(自家、同種、及び/又は異種)からの筋組織など、1つ又は2つ以上の生存組織断片を含んでもよい。勿論、任意の好適な組織のタイプが、筋組織に加えて、又はその代わりに使用されてもよい。ステープル及び/又は切断線への組織断片の送達を促進するために、並びに、組織断片からの製造細胞の移動を促進するために、組織試料は、リザーバー(34)内に挿入される前に、小さな片に細かく細切れされてもよい。組織の細切れは、組織が採取されるときに達成されてもよく、あるいは、組織は供与体から採取され、回収された後に細切れにされてもよい。組織を細切れすることは様々な方法、例えば1つ又は2つ以上の外科用メスを使用することによって、又は組織を所望の寸法の粒子に自動的に分割する処理ツールによって達成することができる。組織が患者から採取することができる様々な好適な方法は、本明細書に教示に鑑みれば、当業者にとって明らかである。生存筋組織断片は次いで、流体キャリアと組み合わされて、任意で他の細胞治癒剤又は材料等と組み合わされて、入口ポート(36)を介してリザーバー(34)内に注入されてもよい。あるいは、組織治療組成物の1つ又は2つ以上の成分は、リザーバーの外で組み合わされるよりは、リザーバー(34)内に別々に挿入されてもよい。本明細書に記載の医療用流体は、リザーバー(34)内に取り入れられてもよいということが理解されるべきである。
【0027】
組織細切れ装置は、ステープラー(20)内、例えばリザーバー(34)に設けられてもよく、これによって試料はステープラー内で細切れにすることができる。そのような構成は、使用直前の生存組織の試料処理(例えば細切れ等)を促進することができる。更に、必要とされる実施回数もまた低減される。リザーバー(34)に細切装置が設けられるとき、リザーバーは、組織断片を更に小さい断片に細切れにし、細切れにした組織断片をステープル及び/又は切断線に送達するために、組織治療組成物の一部として、細切れにした組織断片を含むための細切れチャンバを備える。
【0028】
例として、ステープラー(20)は、リザーバー(34)内に載置されたインペラ(44)を含んでもよい。インペラ(44)は、組織断片を更に小さな断片に切断するように、入口ポート(36)を通じてリザーバー(34)内に挿入された1つ又は2つ以上の組織断片を細切れにするように構成されてもよい。インペラ(44)は、ハンドル(22)内に設けられたモーター(45)によって駆動されてもよく、作動装置(46)は、モーター(45)を起動して、インペラ(44)を駆動し、組織断片を細切れにするために、ハンドル(22)の外側に設けられてもよい。細切れ装置(44)はまた、組織断片及び担体(並びにいずれか他の治療剤、及び/又は他の治療組成物成分)を切断して、より均一な組織治療組成物にする。
【0029】
図2Aで示されるモーター駆動の細切れ装置(44)の代替として、組織をより小さな断片に切断する、すなわち分断するために様々な任意の他の装置及び構造体が設けられてもよい。そのような代替の細切れ装置は手動又は自動で駆動されてもよい。例えば、1つ又は2つ以上の手動で駆動する切断ブレードが、内部の組織断片を細切れにするために、リザーバー(34)に配置されてもよい。
【0030】
また、本実施形態では、ピストン(40)は、流体管を通じてリザーバーから流体を排出するためにリザーバー(34)内に設けられる。ピストン(40)は、リザーバー(34)の対応する円筒形部分内で封止して摺動適合するような寸法の円筒形部材を含む。リザーバー(34)の円筒形部分の内壁に封止して係合するために、Oリング(41)が、ピストン(40)の外周の周囲に設けられる。ピストン(40)は、流体を排出するために、機械的に駆動されてもよく、又は手動で駆動されてもよい。本実施例では、スライダー(42)は、ハンドル(22)の外部に設けられ、ハンドル(22)上の細長いスロット(43)を通じてピストン(40)に取り付けられる。遠位方向にスライダー(42)を摺動させることによって、ピストン(40)はまた遠位方向に移動し、リザーバーから流体を排出する。
【0031】
図2B〜4で最もよく分かるように、第1(すなわち固定された)クランプ部材(28)(またスタンプヘッドと呼ばれる)が、シャフト(24)の遠位端に配置され、1つ又は2つ以上のアレイに、複数の配置可能な締結具、すなわちステープラー(51)を含む。第1クランプ部材(28)も、シャフト(24)の遠位端に固定して取り付けられた中空の管状ケーシング(50)を含む。管状ケーシング(50)は漏斗状で、ステープルドライバ(52)を摺動可能に受容し、このドライバはトリガー(23)の操作によって前進させ、後退させることができる。ステープルドライバ(52)は、管状ケーシング(50)の遠位端で載置されたステープルホルダ(54)からのステープル(51)を係合し、遠位方向に駆動するために複数のフィンガー(53)を含む。ステープルホルダ(54)は、内部でステープル(51)が配置されている複数のステープル受容スロットを含む。円筒形ナイフ(48)は、ステープルドライバ(52)内で、ステープル(51)のアレイの内部と同軸状に載置され、並びにステープルドライバ(52)によって前進され、後退されてもよい。
【0032】
移動可能な第2クランプ部材(30)は、中空のアンビルシャフト(58)の遠位端に固定して取り付けられたディスク形状のアンビル(56)を含む。ステープル形成ポケット(59)は、アンビル(56)の近位端壁部(57)の外周の周囲の少なくとも1つの環状アレイにおいて設けられる。ステープル形成ポケット(59)のアレイは、本実施例ではステープル(51)のアレイを補足し、それによって、移動可能な第2クランプ部材(30)が図3の開放位置から、図4に示された閉鎖位置まで移動したとき、ステープル形成ポケット(59)は、固定したクランプ部材(28)でステープル(51)と反対側に位置合わせされる。アンビルシュラウド(60)は、外科用ステープラー(20)のために無傷針の遠位端を提供するために、アンビル(56)の遠位端に取り付けられる。
【0033】
本実施例のアンビルシャフト(58)は、アンビルシャフト(58)の近位端から軸方向に延びて、端壁(64)で終端する穴(62)を含む。1つ又は2つ以上の開口部(66)は、アンビルシャフト(58)の外周の周囲に配置され、穴(62)内に内側に延びる。穴(66)は、示されているように、アンビル(56)の端壁(64)の近位に配置されてもよい。本明細書で更に記載されるように、リザーバー(34)内の組織治療組成物は、ステープル及び/又は切断線において組織治癒剤を送達するように、開口部(66)を通じてアンビルシャフト(58)の内部から排出されてもよい。アンビルシャフト(58)は、ポスト部材(68)に取り外し可能に固定されてもよく、これは第1クランプ部材(28)によって摺動可能に支持される。ポスト部材(68)の遠位先端(69)は、図3に示されるように、第2クランプ部材(30)をポスト部材(68)に固定するために、アンビルシャフト(58)の穴(62)内に挿入される。1つ又は2つ以上のOリング(70)、あるいは他の封止部は、穴(62)内にポスト部材(68)を取り外し可能に、及び封止して固定するために、ポスト部材(68)の外周の周囲に設けられてもよい。更に、1つ又は2つ以上の周辺の溝部が、ポスト部材(68)の外側表面及び/又は内部のOリング(70)を受容するための穴(62)の内側表面の周囲に設けられてもよい。穴(62)内のポスト部材(68)を更に保持するために、1つ又は2つ以上の様々な保持機構が、ポスト部材(68)及び/又はアンビルシャフト(58)上に設けられてもよい。例として、米国特許第5,533,661号に示されるように、ポスト部材(68)は、アンビルシャフト(58)の穴(62)内に設けられる、対応構造体によって係合することができるショルダー部を画定する、縮小した直径部分を有してもよい(例えば、米国特許第5,533,661号の図2を参照)。勿論、穴(62)内のポスト部材(68)を保持するための他の機構も当業者には明らかである。
【0034】
本実施例において、ポスト部材(68)は、管状ケーシング(50)上に形成された中空の中央支持チューブ(72)内に摺動可能に受容されて、ケーシング(50)の遠位端に載置されたステープルホルダ(54)に対するポスト部材(68)の長手方向の移動を可能にする。1つ又は2つ以上のOリング(74)又は他の封止部は、中央の支持チューブ(72)内にポスト部材を摺動可能に、及び封止して配置するために、ポスト部材(68)の外周の周囲に設けられてもよい。1つ又は2つ以上の外周の溝部は、ポスト部材(68)の外側表面の周囲に設けられて、内部のOリング(74)を受容してもよい。中央の支持チューブ(72)の遠位端は、円筒形ナイフ(48)の近位端表面に対して当接し、管状ナイフ(48)の近位端は、それを通じてポスト部材(68)が延びる開口部を含む。
【0035】
アンビルシャフト(58)内へのポスト部材(68)の挿入を促進するために、並びにポスト部材(68)及びアンビルシャフト(58)の摺動移動を促進するために、ポスト部材先端部(69)は、円錐台形の形状を有する。更に、ポスト部材(68)は、ポスト部材の近位部分(77)よりも小さい直径を有する遠位部分(76)を含む。テーパー形状の、円錐台形のショルダー部(78)は、ポスト部材(68)の遠位部分(76)と、近位部分(77)との間に平滑な遷移をもたらすことができる。ポスト部材(68)に載置されたアンビルシャフト(58)の少なくとも一部分の外周は、ポスト部材(68)の近位部分(78)の外周とほぼ同じであってもよい。更に、アンビルシャフト(58)の近位端壁(80)は、嵌合してショルダー部(78)を係合するように(図3及び4を参照)内側にテーパー形状にされる。この方式で、アンビルシャフト(58)がポスト部材(68)の遠位部分(76)上に載置されるとき、得られるアセンブリは略一定直径を有する。
【0036】
図2A及び2Bを参照して、ステープル作動部材(82)は、トリガー(23)とステープルドライバ(52)との間で延びるように、シャフト(24)内に配置される。このステープル作動部材(82)は、ステープル(51)を、第2クランプ部材(30)上のステープル形成ポケット(59)内へと強制するために、トリガー(23)からステープルドライバ(52)へと、作動力を伝達させるように構成される。トリガー(23)がハンドル(22)の方へと強制されたとき、ステープル作動部材(82)がシャフト(24)内で遠位へと強制するように、ステープル作動部材(82)の近位端は、ハンドル(22)内に配置され、トリガー(23)と連結される。ステープル作動部材(82)の遠位方向への移動が、ステープル(51)の発射を生じるように、ステープル作動部材(82)の遠位端は、ステープルドライバ(52)に係合するように構成される。ステープラー(50)は、参照によりその開示が援用される米国特許第5,533,661号、同第6,193,129号、同第5,271,544号、表題「Surgical anastomosis stapling instrument」(1993年12月21日発行)、及び同第7,506,791号、表題「Surgical stapling instrument with mechanical mechanism for limiting maximum tissue compression」(2009年3月24日発行)の教示に従ってステープル(51)を発射することができるということを理解すべきである。勿論、本明細書の教示に鑑みれば、ステープラー(50)は任意の好適な方式で別の方法としてステープル(51)を発射することができる。
【0037】
ステープラー(20)のシャフト(24)もまた、ハンドル(22)から第2クランプ部材(30)まで張力を伝達するために、一対の細長い可撓性バンドによって設けられる伸張部材(84)も含む。伸張部材(84)は、第2クランプ部材(30)が第1クランプ部材(30)に対して適所で調整できるように、ハンドル(22)からの動きを伝達する。伸張部材(84)の遠位端は、横ピン(86)のセットによってポスト部材(68)と連結される。伸張部材(84)の近位端は、横ピン(89)によってハンドル(22)内の制御ロッド(88)の遠位端と連結される。制御ロッド(88)はハンドル(22)内に配置され、内部の長手方向の移動のために構成される。制御ロッド(88)の近位端はネジ切りでクランプノブ(32)と連結される。クランプノブ(32)は、ハンドル(22)の近位端によって回転可能に支持される。内部でネジ切りされたスリーブ(90)は、クランプノブ(32)の遠位端で設けられ、制御ロッド(88)の近位端で設けられた細長い、ネジ切りされたシャンク(92)にネジ切りで係合する。クランプノブ(32)を反時計方向(図1に示されるように)回転させることによって、ネジ切りされたシャンク(92)は、ネジ切りされたスリーブ(90)内へと近位方向に引かれ、これによって制御ロッド(88)及び伸張部材(84)を近位方向に移動させる。ポスト部材(68)及びアンビルシャフト(58)が一緒に連結される範囲で、組織が第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)との間でステープル留めされるために、伸張部材(84)は同様にポスト部材(68)及びアンビルシャフト(58)を近位方向に引き、したがって第2クランプ部材(30)を第1クランプ部材(28)の方に引く。勿論、任意の他の好適な機構、要素、及び方法が使用されて、第2クランプ部材(30)を第1クランプ部材(28)の方へ引いてもよい。
【0038】
リザーバー(34)からの組織治療組成物(例えば、生体適合性流体担体等内の1つ又は2つ以上の治癒剤)が第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)の間の位置まで送達するために、1つ又は2つ以上の流体導管が、ステープラー(20)内に設けられてもよい。本実施例では、流体導管(94)は、ハンドル(22)の一部分を通じてリザーバー(34)の底壁から、及びシャフト(24)の内部から中央支持管(72)内に配置された解放遠位端(96)まで延びる。図3及び図4に示されるように、穴(98)は、ポスト部材(68)の一部分を通じて軸方向に延び、穴(98)の軸部分と、ポスト部材(68)の近位部分(77)の外側表面上に設けられているオリフィス(100)との間で連通する傾斜部分(99)を含む。ポスト部材(68)の遠位部分(76)は、ポスト部材(68)の穴(98)と、アンビルシャフト(58)の穴(62)の両方と、この後者がポスト部材(68)上に載置されたときに連通する開口部(102)を含む。流体導管(94)、並びに穴(62、98)及び穴(62)上の開口部の寸法、位置、及び構成は例示にすぎない。ステープラー(20)によって組織のステープル留め及び切断を干渉せずに、組織治療組成物をクランプ部材(28、30)間に送達するために任意の様々な代替を容易に使用することができる。
【0039】
流体導管(94)及びポスト部材(68)は、流体導管(94)の開放遠位端(96)が、ポスト部材(68)の外部上のオリフィス(100)と選択的に整列可能であるように構成され、配置される。具体的には、本実施例では、第2クランプ部材(30)が図4に示される閉鎖位置、すなわちクランプ位置にあるとき、流体導管の開放遠位端(96)が、ポスト部材(68)上のオリフィス(100)と位置合わせされるように流体導管(94)は構成される。上記のように、クランプ部材(30)が閉鎖位置、すなわちクランプ位置にあるとき、ポスト部材(68)は近位位置にある。この方法では、リザーバー(34)から、アンビルシャフト(58)の外周の周囲に設けられた開口部(66)まで選択的に流体を送達するために、流体導管(94)はアンビルシャフト(58)の穴(62)と選択的に連通することができる。これまで言及されたように、アンビルシャフト(58)上の開口部(66)は、アンビルシャフトの外周の周囲に、アンビル(56)の端壁(57)に近接して配置されてもよい。この方法で、リザーバー(34)から送達された流体は、ステープル及び/又は切断線における開口部(66)を通じて排出される。本実質的にでは、スライダー(42)は、開口部(66)を通じて流体を選択的に排出するのに使用される。このように、ステープル留め前、ステープル留め中、又はステープル留め後、及び/又は組織切断前、組織切断中、又は組織切断後に、エンドユーザーは流体が排出されるようにすることができる。例えばステープル留め前、及び組織切断後など、流体は複数回で排出されてもよい。したがって、リザーバー(34)内の流体の組織治療組成物は、流体導管(94)を通じて強制され、第1クランプ部材(24)と第2クランプ部材(25)との間で、開口部(66)を通じて選択的に排出されてもよい。第2クランプ部材(30)が図3に示される開放位置にあるとき、ポスト部材(68)内の穴(98)は、流体導管(94)と連通せず、したがって、流体は、アンビルシャフト(58)上の開口部(66)を通じて排出されない。
【0040】
いくつかの形態では、医療用流体が導管(94)から穴(98)まで連通するためには、流体導管(94)の遠位端(96)はオリフィス(100)と正確に位置合わせされる必要はない。例えば、そのような形態では、導管(94)の遠位端(96)が、オリフィス(100)の遠位方向にあるOリング(74)と、オリフィス(100)に近位のOリング(74)との間のどこかに長手方向に配置される限り、流体は導管(94)から穴(98)まで連通してもよい。勿論、これらの2つのOリング(74)は、任意の好適な長手方向の距離によって互いから分離されてもよく、これは医療用流体が導管(94)から穴(98)まで連通することができる導管(94)に対するポスト部材(68)の長手方向の位置の範囲に影響を与え得る、任意の好適な長手方向の位置によって互いから分離されてもよい。いくつかの形態では、医療用流体が導管(94)から穴(98)まで連通するためには、流体導管(94)の遠位端(96)はオリフィス(100)と位置合わせされる必要がある。ポスト部材(68)が図3に示されるように遠位部分にあるとき、1つ又は2つ以上の追加のOリング(図示されない)が、ポスト部材(68)の周囲に、及び/又は流体導管(94)の遠位端(96)を実質的に流体的に分離する他の場所に配置されてもよいということが理解されるべきである。
【0041】
本実施例では、これまで言及されたように、リザーバー(34)から流体導管(94)を通じて組織治療組成物又は医療用流体(例えば、生体適合性の担体等内に懸濁した細切れの生存組織断片)を排出するために、ピストン(40)がリザーバー(34)内に設けられる。ピストン(40)は例えば、リザーバー(34)の対応する円筒形部分内で封止して、摺動適合するような寸法の円筒形部材を含んでもよい。少なくとも流体導管(94)の開放遠位端(96)が、ポスト部材(68)の外側上でオリフィス(100)と実質的に位置合わせされるとき、あるいは他の方法でOリング(74)の間で摺動可能に配置されるとき、遠位方向にスライダー(42)を摺動させることによって、ピストン(40)もまた遠位方向に移動し、流体導管(94)を通じてリザーバー(34)から流体を排出する。勿論、組織治療組成物は、流体導管(94)を通じてリザーバー(34)から送達されてもよく、並びに様々な他の方法で開口部(66)から排出されてもよい。例えば、選択的に作動可能なポンプは、導管(94)を通じて治療組成物を押し進めるために提供されてもよい。あるいは、ポスト部材(68)の外側上で流体導管(94)の開放遠位端(96)がオリフィス(100)と位置合わせされるとき、治療組成物が、アンビルシャフト(58)の外周の周囲に設けられた開口部(66)から治療組成物が排出されるように、リザーバー(34)は加圧されてもよい。組織治療組成物が、導管(94)を通じてリザーバー(34)から送達され、開口部(66)から排出され得る他の好適な方法は、本明細書の教示に鑑みれば、当業者には明らかである。
【0042】
A.組織治療組成物を受容するための代表的な生体適合性スカフォールド
1つ又は2つ以上の組織治療剤等を、縫合及び/又は切断線において送達するために、流体の組織治療組成物は、クランプ部材(28、30)間で単に排出されてもよく、その一方で、生体適合性スカフォールド(106)は、クランプ部材(28、30)間で組織治療組成物を受容するために使用されてもよい。図3〜5に示されるように、スカフォールド(106)は環状ディスク形状部材を含み、これは第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)間で配置可能である。ディスク形状のスカフォールド(106)は、スカフォールド(106)が図3に示されるように、第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)との間で、アンビルシャフト(58)上に配置することができるように、中央開口部(108)を含む。中央開口部(108)はピッタリと、しかし摺動可能に、アンビルシャフト(58)上に適合するような寸法にされてよい。この方法では、スカフォールド(106)はまた、接続されるべき組織内腔内へのエンドエフェクタ(26)の挿入、又は組織内腔の周囲の巾着縫合糸の適合(本明細書で更に記載される)に干渉しない任意の位置において、アンビルシャフト(58)上に配置されてもよい。第2クランプ部材(30)が閉鎖位置、すなわち図4のクランプ位置まで移動したとき、中央開口部(108)は、開口部(66)と実質的に同じ長手方向位置でアンビルシャフト(58)の周囲に延びている状態で、スカフォールド(106)は、スカフォールドがアンビル(56)の近位端壁(57)に対して当接するまで、アンビルシャフト(58)に沿って摺動する。組織治療組成物はしたがって、中央開口部(108)の外周の周囲で、開口部(66)を通じて排出されてもよく、スカフォールド(106)が組織治療組成物を吸収するのを可能にする。
【0043】
ディスク形状のスカフォールド(106)の直径は、スカフォールド(106)が組織内腔の端壁間でステープル留めされるように選択されてもよい。したがって、スカフォールド(106)がアンビルシャフト(58)上に配置されるとき、スカフォールド(106)の外周は、円形のステープル線を超えて放射状に延びる。換言すれば、スカフォールド(106)の直径は、ステープルホルダ(54)の両側に配置される最外部のステープル(51)間の距離よりも大きい場合がある。この方法で、スカフォールド(106)は、形成されたステープルにより組織の端部間で定位置に保持される。
【0044】
本実施例では、アンビルシャフトをポスト部材(68)の上に固定する前に、スカフォールド(106)がアンビルシャフト(58)の上で摺動され、その一方で、スカフォールド(106)は、いくつかの形態で放射状のスリットを含み、アンビルシャフト(58)がポスト部材(68)に取り付けられた後にスカフォールドアンビルシャフト(58)上に配置されるのを可能にする。そのようなスリット(図示せず)は、中央開口部(108)から、スカフォールド(106)の外周まで、スキャフォルド(106)の全厚さを通じて延びることができる。
【0045】
第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)との間に配置されたとき、スカフォールド(106)は、開口部(66)を通じて排出された組織治療組成物を受容するように配置される。組織治療組成物が生存組織断片を含むとき、生存細胞はスカフォールド(106)上及び/又はスカフォールド(106)内に移動してもよく、その後、ステープル留めされた位置を包囲する組織と共に増加し、これと一体化されてもよい。スカフォールド(106)は、多孔質であってもよく、又は非多孔質であってもよい。必要に応じて、スカフォールド(106)は生体吸収性であってもよい。スカフォールド(106)はあるいは、スカフォールドが定位置にステープルされたまま維持され、ステープル位置において支持をもたらし続けるように、非生体吸収性であってもよい。スカフォールド(106)はまたスカフォールド(106)が、ステープル部位の寸法及び/又は構成を調整するのを可能にしてもよい。
【0046】
更なる実施例によって、スカフォールド(106)は任意の様々な材料及び方法、例えばその開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許出願公開第2004/0078090号に記載のものなどから作製されてもよい。単に例として、スカフォールド(106)は、生体適合性ポリマー、注射用ゲル、セラミック材料、自己生成組織、異種組織、又はこれらの組み合わせから形成されてもよい。生体適合性ポリマーは、例えば合成ポリマー、天然ポリマー、及びこれらの組み合わせであってもよい。好適な生体適合性合成ポリマーには、例えば、脂肪族ポリエステル、ポリ(アミノ酸)、ポリ(プロピレンフマレート)、コポリ(エーテル−エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、チロシン誘導ポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルソエステル、ポリオキサエステル、ポリアミドエステル、ポリオキサエステル含有アミン基、ポリ(アンヒドリド)、ポリホスファゼン、及びこれらのブレンドからなる群から選択されるポリマーを挙げることができる。好適な合成ポリマーとしてはまた、コラーゲン、エラスチン、トロンビン、フィブロネクチン、デンプン、ポリ(アミノ酸)、ゼラチン、アルギン酸、ペクチン、フィブリン、酸化セルロース、キチン、キトサン、トロポエラスチン、ヒアルロン酸、リボ核酸、デオキシリボ核酸、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ポリヌクレオチド及びこれらの組み合わせに見られる配列に基づく生合成ポリマーを挙げることができる。好適な生適合性天然ポリマーには、例えば、フィブリン系材料、コラーゲン系材料、ヒアルロン酸系材料、糖タンパク質系材料、セルロース系材料、シルク及びこれらの組み合わせを挙げることができる。本実施例では、生体適合性スカフォールド(106)は、凍結乾燥したフィブリンを含んでもよい。スカフォールド(106)の少なくとも一部を形成するのに使用することができる、更に他の好適な材料、及び材料の組み合わせは、本明細書の教示に鑑みれば当業者にとって明らかである。
【0047】
特定のタイプの細胞の再生を促進するために、スカフォールド(106)はまた解剖専門であってもよい。例えば、括約筋、又は患者内(例えば肛門括約筋、幽門括約筋、回盲弁、下方食堂括約筋等)で切断される弁などなどの構造体の再生を促進することが望ましい。かかる場合では、スカフォールド(106)は、切断された括約筋又は弁(若しくは任意の他の様々な他の解剖学的構造)の再生を特に促進する1つ又は2つ以上の細胞固有の成分又は材料を含んでもよい。追加で、又は代替で、スカフォールド(106)に適用された組織治療組成物は、解剖学的に固有の、例えば患者内の組織にステープル留めされるスカフォールド(106)に適用されたときに、特定の解剖学的構造体(例えば括約筋又は弁)を再生する幹細胞の懸濁液であってもよい。
【0048】
更なる実施例によって、スカフォールドは、特定の方向で細胞の再生を支持するようスカフォールドに具体的に配置されている繊維など、1つ又は2つ以上の成分を含んでもよい。図18Aの略図に示されている1つの形態では、スカフォールド(120)は、スカフォールド(120)の中央開口部周囲に同心状に配置された1つ又は2つ以上の円に配置された繊維を含む。スカフォールド(120)を形成するのに使用される成分のそのような構成は、同様なパターンで細胞の再生を支持するのに役立つことができる。勿論、繊維は、任意の数の同心状の円又は他のパターンで配置されてもよい。図18Aに示されるスカフォールドは例えば、括約筋の再生で有用であり得る。図18Bは、スカフォールド(130)の中央開口部から外へ広がる複数の同心状の螺旋に配置された繊維を含むスカフォールド(130)の他の形態を概略的に示す。図18Cは、スカフォールド(140)の周囲に配置された複数の円に配置された繊維を含むスカフォールド(140)の更に他の形態を概略的に示す。勿論、繊維は、様々な異なる方向において細胞の再生を方向付けるために、例えば1つ又は2つ以上の円(同心状及び/又は非同心状)、並びに/あるいは1つ又は2つ以上の螺旋若しくは他の形状を含む任意の様々な方向でに配置されてよい。
【0049】
1つ又は2つ以上スカフォールド(106、120、130、140、206)は、例えばキットの形態など、ステープラー(20)とともにエンドユーザーに発送されてもよい。スカフォールド(106、120、130、140、206)は、好適な無菌容器に別々に梱包されてもよく、又はスカフォールドは、第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)との間のステープラー(20)に事前に設置されて提供されてもよい。
【0050】
B.生体適合性スカフォールドと組み合わせた外科用ステープラーの代表的な使用
これまで言及したように、環状ステープラー(20)は、組織の2つの内腔がステープルの1つ又は2つ以上のアレイによって一緒に取り付けられる縫合を実施するのに使用されてもよい。単に例として、並びに図3及び4に示されるものとして、腸内腔の第1部分(116)及び第2部分(117)は、切除に続いて互いにそれぞれ取り付けることができる。ステープラー(20)はまず、第2クランプ部材(30)のアンビルシャフト(58)上にスカフォールド(106)を配置することによって、したがって図1及び2に示されるようにポスト部材(68)(スカフォールド(106)が省略されている箇所)の上でアンビルシャフト(58)を摺動することによって、使用のために準備されてもよい。その後、第1組織クランプ部材(28)及び第2組織クランプ部材(30)を含む環状エンドエフェクタ(26)が、腸組織(116)の第1部分内で長手方向のスリット(図示せず)内に挿入され、組織(116)の開放端に隣接して示されている位置内に移動される。移動可能な第2クランプ部材(30)は開放位置まで移動され、図3に示されるように、腸組織(117)の第2部分は、第2クランプ部材(30)にわたって挿入される。その後、組織の各部分(116、117)は、腸細胞(116、117)の開放端部の周囲に配置された巾着縫合糸(118)を用いて適合される。縫合糸(118)の各片は、腸細胞の閉鎖端(116)及び開放端(117)がピンと張って引かれ、安全のために結ばれる。
【0051】
巾着縫合糸(118)が結ばれた後、クランプノブ(32)は、腸組織の第1部分(116)と第2部分(117)をクランプするために、移動可能な第2クランプ部材(30)が第1クランプ部材(28)の方に、第1クランプ部材(28)に隣接する位置まで引かれるように、スカフォールド(106)は組織の端部の間でクランプされる状態で(図4を参照)、クランプノブは回転される。第2クランプ部材(30)が第1クランプ部材(28)の方に引かれ、流体導管の開放遠位端(96)が穴(98)のオリフィス(100)と十分に位置合わせされると、ハンドル(22)上のレバー(108)を環状エンドエフェクタ(26)の方に遠位方向に押すことによって、リザーバー(34)内の組織治療組成物は、開口部(66)を通じてアンビルシャフト(58)から排出されるように流体導管(94)を通じて促進される。あるいは、又はそれに加えて、組織治療組成物は、組織部分(116、117)及びスカフォールド(106)が第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)との間でクランプされた後に、開口部(66)を通じて排出されてもよい。開口部(66)を通じて排出され、1つ又は2つ以上の治癒剤を含有する治療組成物は、スカフォールド(106)を含浸させながら、スカフォールド(106)の表面内に、及び/又はスカフォールド(106)をわたって容易に流れる。
【0052】
その後、円形ステープル装置(20)は、発射トリガー(23)を作動させることによって発射される。ステープル(51)の端部は、ステープル及びステープル組織部分(116、117)を一緒に形成するために(スカフォールド(106)は間に保持された状態で)、ステープルホルダー(54)から外に、腸組織の第1部分(116)を通じて、点線のステープル線(112)(図5を参照)に沿ってスカフォールド(106)を通じて、腸組織の第2部分(117)を通じて、並びにアンビル(56)のステープル形成ポケット(59)に対して促進される。円筒形ナイフ(48)もまた、腸組織の第1部分(116)及び第2部分(117)を通じて、及びステープル線の内部の第1点線(110)(図5を参照)に沿ってスカフォールド(106)を通じて、ステープルドライバ(52)によって前進する。スカフォールド(106)内に及び/又はスカフォールド(106)上に吸収された1つ又は2つ以上の治癒剤は、組織治癒を加速する、及び/又は組織再生を促進するために、ステープル線及び切断線に沿って放出される。図5のスカフォールド(106)上に示された点線の切断線(110)及びステープル線(112)は、単に参照のために含まれ、スカフォールド上の任意の構造体又は機構を必ずしも表すものではないということに留意すべきである。
【0053】
スカフォールド(106)は次いで、第1腸組織部分(116)と第2腸組織(117)との間の定位置にとどまる。スカフォールド(106)は、生体吸収性材料から作製され、スカフォールド(106)は、繰り返し吸収される。スカフォールド(106)が生体吸収性材料から作製されない場合は、環状リングのように定位置にとどまり、組織内腔(116、117)間のステープルされた接続を支持する。スカフォールド(106)を有して、又はスカフォールド(106)を有さないいずれかで、ステープラー(20)が使用され得る更に他の好適な方法は、本明細書の教示に鑑みれば当業者には明らかである。
【0054】
C.代表的な代替の生体適合性スカフォールド
図6は、上記のスカフォールド(106)の代わりに使用することができる代表的な生体適合性スカフォールド(206)を示す。この実施例のスカフォールド(206)は、スカフォールド(106)に関してこれまで言及された任意の様々な材料、例えば冷凍凍結フィブリン等、又は任意の他の好適な材料から作製することができる。生体適合性スカフォールド(206)は、それを通じて延びる中央開口部(208)と、ディスク形状部分(214)の外周縁部から放射状に延びる複数の放射状に延びるタブ(216)とを有する、環状ディスク形状部分(214)を含む。タブ(216)の外側の弓状縁部(217)は、スカフォールド(206)の外周を画定し、これはスカフォールド(106)に関して記載されたものと同様の寸法であってもよい。このように、生体適合性スカフォールド(206)は、それらの間のタブ(216)を画定する複数の放射状の切り抜き(218)を有するを有する環状ディスク形状の部材として見られてもよい。
【0055】
スカフォールド(206)は、スカフォールド(106)に関してこれまで記載されたものと同じ方法で、外科用ステープル器具(20)などの環状ステープラーと共に使用されてもよい。具体的には、中央開口部(208)は、スカフォールド(206)が、第1クランプ部材(28)と第2クランプ部材(30)との間でアンビルシャフト(58)上に配置され得るような寸法であってもよい。中央開口部(208)もまた、ピッタリと、しかし摺動可能に、アンビルシャフト(58)上に適合するような寸法にされてよい。
【0056】
スカフォールド(206)の環状ディスク形状部分(214)はしかしながら、ステープラー(20)の円筒形ナイフ(48)の直径よりも小さい直径を有してもよい。このように、図6に示される点線の切断線(210)は、切断線(210)が放射状に延びるタブ(216)のそれぞれをわたって延びるように、ディスク形状部分(214)から外側に配置される。これまで記載された方法で、外科用ステープラー(20)を使用して吻合を形成する際にスカフォールド(206)が使用されるとき、スカフォールド(206)の放射状のタブ(216)は、ステープル線(212)に沿って組織内腔の間でステープルされ、ステープラー(20)の円筒形ナイフ(48)は、切断線(210)に沿ってスカフォールド(206)を切断する。この方法では、組織内腔の間にステープル留めされたままのスカフォールド(206)の部分のみが、切断線(210)とタブの外側の弓状縁部(217)との間に延びる、それぞれ放射状のタブ(216)の部分である。スカフォールド(206)の放射状のタブ(216)は、2つの組織内腔間の連結部の外周の周囲で離間し、スカフォールド(206)は、吻合がその上で形成される内腔の蠕動又はほかの拡大若しくは収縮を干渉しない。勿論、上記のスカフォールド(106)の形態は、いったん設置されると、必ずしも蠕動と干渉しない。単に例として、スカフォールド(106)のいくつかの形態を形成する材料は、スカフォールド(106)が放射状に広がり、蠕動中に自由に収縮するのを可能にすることができる。タブ(216)の存在及び構成は、スカフォールド(206)を構成するために、スカフォールド(106)を構成するのに利用可能であるもの(例えば非伸縮性材料等)とは異なる材料の選択を可能にするということが理解されるべきである。
【0057】
任意の数の放射状のタブ(216)は、生体適合性スカフォールド(206)上に設けられてもよい。しかしながら、一部の設定において、形成されたステープルが隣接するタブ(216)間で広がらない程度まで、隣接するタブ(216)を互いに離間することが望ましい場合がある。換言すれば、ステープル線(212)において隣接する放射状のタブ(216)間の距離は、形成されたステープルの長さよりも大きい場合がある。放射状のタブ(216)は、任意の様々な寸法及び形状を有してもよく、これは単に一実施形態で示されているということに留意すべきである。同様に、切り抜き(218)はタブ(216)の角度幅にほぼ一致する角度幅を有しているように示されているが、切り抜き(218)は任意の他の好適な角度幅を有してもよく、切り抜き(218)の角度幅は、タブ(216)の角度幅と任意の好適な関係を有してもよいということを理解すべきである。いくつかの形態では切り抜き(218)は単に放射状のスリットである。
【0058】
生体適合性スカフォールド(206)は、リザーバーから医療用流体をスカフォールドに送達するように構成される従来の環状ステープラーと共に使用されてもよい。例えば、生体適合性スカフォールド(206)は、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許第6,193,129号、表題「Cutting Blade for a Surgical Anastomosis Stapling Instrument」(2001年2月27日発行)に示され、記載されているタイプの環状ステープラーと共に使用されてもよい。いくつかの形態では、ステープラー(20)を介して組織治療組成物をスカフォールド(206)に送達する代わりに、組織治療組成物(例えば細切れにした生存組織等の懸濁液)が、スカフォールド(206)と事前に関連付けられてもよい。単に例として、これまで記載された方法で環状ステープラーのアンビルシャフト上に配置される前に、又はその後に、スカフォールド(206)は組織治療組成物で浸透されてもよく、及び/又はこれによってコーティングされてもよい。更なる実施例によって、スカフォールド(206)は、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許出願公開第2004/0078090号に記載の材料及び組成物の任意のものから形成されてもよい。同様に、スカフォールド(206)と関連付けられた組織治療組成物は、例えば任意の生物学的成分、及び/又は米国特許出願公開第2004/0078090号でスカフォールドへの適用に関して記載された任意の他の成分を含んでもよい。
【0059】
組織治療組成物を有するスカフォールド(206)が従来の環状ステープラーのアンビルシャフト上に配置された後に、結合されるべき組織部分間にスカフォールド(206)が配置された状態で、ステープル留めされるべき組織内腔は一緒に、第1クランプ部材及び第2クランプ部材によってクランプされてもよい。ステープラーは次いで発射され、組織部分及びスカフォールド(206)をステープル留めし、切断する。ステープラー(20)と共にスカフォールド(206)を使用することに関してこれまで記載したように、スカフォールド(206)の放射状のタブ(216)は、結合された組織が事由に広がり収縮できるようにするために、結合した組織部分間で定位置にとどまる。スカフォールド(206)使用できる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0060】
III.組織治療組成物を含むための例示の破裂性ハウジング
組織治療組成物をリザーバーから、外科用ステープラーのステープル留めヘッドと、アンビルとの間の領域へ送達する代わりに、又はこれに加えて、組織治療組成物を含有する1つ又は2つ以上の破裂性流体ハウジングが設けられてもよい。組織治療組成物は、例えば1つ又は2つ以上の組織治癒剤、例えば生存組織断片、及び/又は本明細書に記載の医療用流体の任意の他の配合物を含んでもよい。いくつかの形態では、破裂性ハウジングは、外科用ステープラーのステープル留めヘッド(第1クランプ部材)と、アンビル(第2クランプ部材)との間に、位置合わせ可能に、配置可能なように構成される破裂性生体適合性パウチとして構成されてもよい。追加で、又は代替で、1つ又は2つ以上破裂性生体適合性ハウジングが、外科用ステープラーのエンドエフェクタに配置されてもよい。破裂性ハウジングは、組織治療組成物でこれまで充填されて供給されてもよく、及び/又は、使用時に組織治療組成物(又はその成分)で供給するように構成され得る。例えば、いくつかの形態では、破裂性ハウジングは、使用時に、1つ又は2つ以上の生存組織で注入されるか、又はこれで充填されてもよい(患者から採取され、好適な担体内に懸濁した、細切れにされた組織断片を備える破裂可能可能なハウジングを充填する)。そのような破裂性ハウジングがどのようにもうけられるかという様々な実施例は、以下に更に詳細に記載されている一方で、追加の実施例は本明細書の教示に鑑みれば当業者にとって明らかである。
【0061】
A.外科用ステープラーのステープル留めヘッドとアンビルとの間に配置可能な代表的な破裂性パウチ
図7は、事前に記載された様々な組成物など、組織治療組成物を含有するための破裂性ハウジング(306)の実施例を示す。ハウジング(306)は、環状ステープラーのステープル留めヘッド(すなわち第1クランプ部材)と、アンビル(すなわち第2クランプ部材)との間に位置合わせ可能に配置されるように構成される破裂性の中空のパウチを含む。パウチ(306)は、スカフォールド(106、206)がアンビルシャフト上に載置され得るのと同様な方法で、パウチ(306)が、例えば、環状ステープラーの第1クランプ部材と第2クランプ部材との間で延びるアンビルシャフト上に配置することができるように、中央開口部、すなわち溝部(308)を含む。パウチ(306)は破裂性であり、これによって、ステープラーのクランプ部材間に配置され、組織治療組成物で充填されたとき、パウチ(306)は、ステープルの発射によって、及びパウチ(306)を突き刺す、ステープラーナイフの前進によって破裂される。いくつかの形態では、パウチ(306)は、クランプ部材間にちょうどステープル留め前にクランプされたときに破裂する。パウチ(306)の破裂は、ステープル及び切断線に対する組織治療組成物の放出となる。パウチ(306)の環状リング部分もまた、ステープルによって結合された組織部分間に、締結されたまま定位置にとどまり、ここでは支え材料としてステープル線を強化する。パウチ(306)が生体吸収性材料から作製される場合、結合された組織間に締結された環状リング部分は、時間と共に吸収される。
【0062】
パウチ(306)は、例えば本明細書にこれまで説明された環状ステープラー(20)と共に、又は米国特許第6,193,129号に示され、説明されるような任意の様々な他の環状ステープラーと共に使用されてもよい。あるいは、以下に更に詳細に説明されているように、図10は、環状ステープラー(320)の代替形態の第1クランプ部材(328)と第2クランプ部材(330)との間に、位置合わせ可能に配置される破裂性パウチ(306)を示す。図10は、ステープラー(320)の環状エンドエフェクタ部分(326)のみを示すということに留意されたい。この実施例では、ステープラー(320)はこれまで説明されたステープラー(20)に構造において似ている。しかしながら、この実施例のステープラー(320)は、細切れリザーバー、流体経路、すなわちポスト部材(368)を通じて延びる穴を含まない。同様に、開口部はこの実施例でアンビルシャフト(358)上に設けられておらず、ステープラー(320)は、組織治療組成物をステープル及び/又は切断線に送達するように構成されていないからである。
【0063】
これまで説明された、図1〜4に示される環状ステープラー(20)のように、図10に示される外科用ステープラー(320)は、第1クランプ部材(すなわちステープル留めヘッド)(328)、及びハンドル(図10には図示せず)に接続された、向かい合う第2クランプ部材(すなわちアンビル)(330)を含む。組織クランプ部材(328、330)の少なくとも1つは、クランプ部材(328、330)間で組織を受容するための開放位置と、クランプ部材(328、330)間で、クランプされた組織をステープル留めするための閉鎖位置との間で移動可能である。第1クランプ部材(328)は、内部に配置された複数のステープル(351)を含み、第2クランプ部材(330)は、ステープル(351)を形成するためのステープル形成ポケット(359)を有するアンビル(356)を含む。本実施例では、第2クランプ部材(330)は、長手方向軸に沿って第1クランプ部材(328)に対して移動可能であり、アンビルシャフト(358)は、その長手方向軸に沿って第1クランプ部材(328)と第2クランプ部材(330)との間に延びる。図10に示されるように、パウチ(306)は、アンビルシャフト(358)上に載置されたステープラー(320)の第1クランプ部材(328)と、第2クランプ部材(330)との間に位置合わせ可能に配置されるように構成される。
【0064】
生体適合性パウチ(306)は、組織治療組成物を内部に収容するのに好適な任意の様々な形状に構成されてもよい。例えば、パウチは、少なくとも流体で充填されたトロイドの形状に構成されてもよい。トロイドが、完全な円(例えばドーナッツ形状)で周囲に延びる場合、中央開口部(308)は内部を通じて延び、アンビルシャフト(358)がポスト部材(368)の遠位端の上で摺動さされる前に、パウチ(308)は単に、ステープラー(320)のアンビルシャフト(358)上に単に摺動されてもよい。この方法では、これまで説明されたスカフォールド(106)が環状ステープラーのアンビルシャフト上に載置されるのと同じ方法で、生体適合性パウチ(308)はアンビルシャフト(358)上に位置合わせ可能に載置されてもよい。あるいは、生体適合性パウチ(306)は、外周にトロイドの開口部から放射状に延びるスリットを有する、ドーナッツ形状のトロイドとして構成されてもよい。この構成では、アンビルシャフト(358)がポスト部材(368)に取り付けられた後に、並びに、更にはエンドエフェクタ(326)が図10に示されるように、一対の組織内腔(316、317)内に配置された後に、生体適合性パウチは、止め座金に同様に構成され、アンビルシャフト(358)上に摺動されてもよい。
【0065】
図7に示されるように、本実施例の生体適合性パウチ(306)は、内部を通じて延びる中央開口部(308)を有する螺旋状のトロイドとして構成される。パウチ(306)は、上記のスリットドーナッツ形状のトロイドに似ている。しかしながら、図7の螺旋トロイドは、1つの完全な回転を超えて延び、これによって螺旋状のパウチの第2放射状の端部(310)は、螺旋パウチの第1放射状端部に重なる。いくつかの設定では、この構成は、全体のステープル線周囲に組織治療組成物の放出を保証し、アンビルシャフト(358)上の流体で充填されたパウチ(306)を保持するのに役立つことができる。生体適合性パウチ(306)(並びに、以下に詳細に記載されるパウチ(406))は、生体吸収性材料など、任意の様々な生体適合性材料から作製されてもよく、これは、流体を含有するだけでなく、また破裂性である封止可能なハウジング内に形成されてもよい。単に例として、パウチ(306、406)は、ポリグリコリン(PGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、及び/又はポリヒドロキシバレレート(PHV)から作製されてもよい。あるいは、任意の他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用されてもよい。
【0066】
これまで言及されたように、パウチ(306)は、組織治療組成物を放出可能に含むように構成される。パウチ(306)は、組織治療組成物で事前に充填されて供給されてもよく、その場合は、パウチ(306)は、そこに材料を添加するためのポート又は他の手段を有さずに殺菌され封止された構造体として提供されてもよい。あるいは、パウチ(306)は、使用時に、組織治療組成物(又はその成分)で充填されるように構成されてもよい。パウチ(306)は、組織治療組成物の1つ又は2つ以上の成分で部分的に充填されて、エンドシューザーに供給されてもよく、エンドユーザーは使用時に追加の成分を添加してもよい(例えば、例えばパウチが使用される患者から採取された、細切りにされた生存組織断片)。あるいは、これによってエンドユーザーが、パウチ(306)を組織治療組成物(例えば、患者から採取され、好適な担体に懸濁された細切れにされた生存組織でパウチを充填する)で充填するように、パウチ(306)はエンドユーザーに空で供給されてもよい。パウチ(306)が組織治療組成物(すなわちその成分)で、具体的には外科医などのエンドユーザーによって充填されるのを可能にするために、封止可能なポート(313)はパウチ(306)上に設けられてもよい。封止可能なポート(313)は、パウチ(306)上の任意の様々な位置に配置されてもよく、それを通じてパウチ(306)が組織断片などの材料で充填される入口をも提供する。ポート(313)は、任意の様々な構成及び構造体を有してもよい。例えば、ポート(313)は、生体適合性材料、例えば患者内の移植に適したエラストマーなど、生体適合性材料から作製された自己封止型の隔膜を含んでもよい。
【0067】
パウチ(306)が、それを通じて発射されたステープルによって貫通されるようにするために、パウチ(306)が、図10に示されるようにアンビルシャフト(358)上に配置されるとき、パウチ(306)の外周は、円形ステープル線を超えて放射状に延びてもよい。換言すれば、スカフォールド(306)の直径は、ステープルホルダー(354)の両側に配置された最外部のステープル(351)間の距離よりも大きくてもよい。この方法で、第1クランプ部材と第2クランプ部材との間にクランプされたときに破裂しない場合は、パウチ(306)は、ステープラーが発射されたときに、ステープル(351)によって破裂する。追加で、又は代替で、パウチ(306)は、図10に示されるように、パウチ(306)がアンビルシャフト(358)上に配置されるような寸法にされてもよく、スカフォールド(306)の外周は、ナイフ(348)によって切断されるのに十分に、放射状に外側に延びるが、環状ステープル線までは延びない。いくつかのそのような形態では、パウチ(306)はステープルによって破裂されてない場合があるが、ナイフ(348)によって、それがステープル線の放射状に内側に配置された、結合した組織部分を切断するときに破裂する。
【0068】
パウチ(306)が、正しい位置においてアンビルシャフト(358)上に位置合わせすることができる一方で、パウチ(306)の正しい配置を更に確保することが望ましい場合がある。例えば、生体適合性接着剤は、パウチ(306)の1つの表面又は2つの表面に適用されてもよい(例えば、使用中に組織内腔(316、317)端壁に対して当接するパウチ(306)の対抗する表面)。あるいは、又はそれに加えて、パウチ(306)は、それが組織内腔(316、317)の1つ又は両方に縫合され得るように構成されてもよい。
【0069】
図8は、1つ又は2つ以上の保定縫合糸(stay suture)を介して一方又は両方の組織内腔に取り付けられるように構成される、他の例示の生体適合性パウチ(406)を示す。パウチ(406)は、図7のパウチ(306)に類似の螺旋状トロイドを含む。パウチ(406)はまた、パウチ(406)の外周の周囲に配置された複数の縫合タブ(414)を含む。各縫合タブ(414)は、そこを通じて延びる開口部(415)を含む。1つ又は2つ以上の保定縫合糸は、吻合を実施する前に、一方又は両方の組織内腔にパウチ(406)を固定するために、開口部(415)を通して配置されてもよい。例えば、パウチ(406)は、ステープラーのエンドエフェクタを組織内腔内に挿入する前に、組織内腔の一方又は両方の開放端部に保定縫合糸で取り付けられてもよい。再び、生体適合性接着物もまた、パウチ(406)を組織内腔に更に固定するために、パウチ(406)の1つ又は両方(one both)上に提供されてもよい。
【0070】
内部に含まれた組織治療組成物を有するパウチ(406)は、また、環状ステープラーを有さずに吻合を実施するのに使用されてもよい。例えば、パウチ(406)はまた、1つ又は2つ以上の保定縫合糸及び/又は好適な接着剤を使用して、1つ又は両方の組織内腔に取り付けられてもよい。その後、外科医は次いで、例えば従来の縫合を使用して、組織内腔の開放端に取り付けることができる。パウチ(406)は、縫合プロセスによって(例えば、パウチ(406)を通じて縫合糸を前進させることによって)、及び/又は外科用メス若しくは鉗子など、外科用道具の使用によって、組織治療組成物を放出するように破裂されてもよい。
【0071】
図9は、パウチ(306、406)のためのパッケージ(416)のための実施例を示す。パッケージ(416)は、例えばそれらの外周の周囲で封止された材料の向かい合うシートから作製される封筒を含んでもよい。それぞれのシートの部分は、少なくとも1つのその縁部に沿って接着剤が付けられていないままであってもよく、これによって向かい合うフラップを設ける(418、419)。フラップ(418、419)は、向かい合うシートの材料を分離するように、フラップ(418、419)を互いから離して引くことによってパッケージ(416)を開くために使用され得る。本実施例では、ポート(413)が、パウチ(406)の縁部から外に延びて、端部フラップ(418、419)間に配置されるように、パウチ(406)はパッケージ(416)内に配置されてもよい。そのような構成は、エンドユーザーがパッケージ(416)を開ける前に流体でパウチ(406)を充填するのを可能にしてもよい。パッケージ(416)は、任意の様々な材料、例えばTYVEKから作製されてもよい。
【0072】
他の単なる例示の実施例として、破裂性パウチ(306又は406)は、スカフォールド(206)と同様に構成されてもよく、環状トロイド形状部分(例えば環状若しくは螺旋状)、及びトロイド形状部分の外側外周部の表面から放射状に外に延びる、複数の中空のタブ部分を含む。そのような破裂性パウチは、組織内腔間でステープル留めされ、切断された後に、組織内腔間でタブ部分のみが定位置に残るように寸法決めされてもよい。
【0073】
本明細書に記載され、示されている破裂性パウチ(306、406)が、環状ステープラーと共に使用するために設計されている一方で、同様のタイプのパウチもまた、米国特許第5,465,895号、同第6,964,363号、及び同第6,978,921号に示され、記載されているようなリニアステープラーと共に使用するために構成されてもよい。例として、組織治療組成物で充填するための封止可能なポートを有する生体適合性の破裂性パウチは、スリーブとして構成されてもよく、これは、組織クランプ部材間でクランプされることによって、それを通じて発射されたステープルによって、及び/又はパウチを切断するステープルのナイフによってパウチが破裂されるように、スリーブは、組織クランプ部材(例えば、ステープル留ヘッド及び/又はアンビル)のいずれか、又は両方の上に摺動されてもよい。外科用ステープラー及び破裂性パウチは、ステープラー及び破裂性パウチを含むキットとして、エンドユーザーがこれらの構成要素を使用前に一緒に組み立てるために提供されてもよいということが理解されるべきである。
【0074】
B.外科用ステープラーのエンドエフェクタにおいて第1クランプ部材と第2クランプ部材の一方又は両方上に配置された代表的な破裂性ハウジング
第1クランプ部材と第2クランプ部材との間で位置合わせ可能に配置可能な破裂性生体適合性パウチを使用する代わりに、又はこれに加えて、組織治療組成物を収容するための破裂性生体適合性ハウジングは、ステープラーの第1クランプ部材と第2クランプ部材の一方又は両方上に設けられてもよい。ステープル留め及び/又はステープルの発射が、ハウジングを穿孔し、そこから組織治療組成物を放出させる前に、組織をクランプするように、破裂性ハウジングは配置されてもよい。
【0075】
図11及び12は、環状ステープラーの代表的な第1クランプ部材(528)及び第2クランプ部材(530)を示す。第1クランプ部材及び第2クランプ部材は図10、並びに図1〜4に示される構造体で類似である(流体を送達するためのポスト部材(568)における穴、及び流体を排出するためのアンビルシャフト(558)における開口部がない)。図11における本実施例では、組織治療組成物を放出可能に含むための破裂性生体適合性ハウジング(506)は、ステープルホルダ(554)の遠位面(555)にわたって、延びる、環状のリング形状のハウジングとして第1クランプ部材(528)上に設けられる。ステープラーが発射されるとき、ステープル(551)は、ステープルホルダ(554)の遠位面(555)から遠位方向に離れて駆動されるため、ステープル(551)は、破裂性ハウジング(506)を通じて付勢され、これによって組織治療組成物を、ステープル線においてハウジング(506)から排出されるようにする。
【0076】
図12は、アンビル(556)の近位端壁(557)を超えて延びる環状のリング形状ハウジングとして、第2クランプ部材(530)上に、放出可能に、組織治療組成物を含むための代表的な破裂性生体適合性ハウジング(516)を示す。ステープルが発射されたとき、ステープル(551)は、アンビル(556)の近位端壁(557)に設けられたステープル形成ポケット(559)内に駆動されるため、ステープル(551)は、破裂性ハウジング(516)を通って付勢され、これによって組織治療組成物がステープル線においてハウジング(516)から排出されるようにする。組織治療組成物を放出可能に含有するための1つ又は両方の破裂性ハウジング(506、516)は、外科用ステープラー上に提供されてもよい。両方のハウジング(506、516)設けられる場合、それぞれは同じ、又は異なる組織治療組成物を含んでもよい。
【0077】
破裂性ハウジング(506、516)は、第1クランプ部材(528)及び第2クランプ部材(530)それぞれの上に様々な方法で設けられてもよい。例えば、それぞれのハウジング(506、516)は、その対応するクランプ部材(528、530)の示された末端表面(555、557)に接着して取り付けられる、生体適合性のリング形状ハウジングを単に含んでもよい。本実施例では、エンドユーザーがハウジング(506、516)を組織治療組成物で充填するのを可能にするために、ポート(513、523)はまた、破裂性ハウジング(506、516)上にそれぞれ設けられる。例として、それぞれのポート(513、523)は、それを通じて組織治療組成物が、例えば注射器を使用して排出することができる自己封止型構造体、例えば生体適合性の自己封止型の隔膜を含んでもよい。勿論、ポート(513、523)は単に任意である。例えば、破裂性ハウジング(506、516)のいずれか、又は両方は医療用流体で事前に充填されてもよい。他の単なる例示の実施例として、破裂性ハウジング(506、516)のうちの1つが、1つ又は2つ以上の医療用流体成分で事前に充填されて提供されてもよく、破裂性ハウジング(516、506)の他方は、患者内で配置する直前に、ポート(523、513)を介して1つ又は2つ以上の医療用流体成分で充填されてもよい。
【0078】
破裂性ハウジング(506、516)の一方又は両方は、第1クランプ部材及び第2クランプ部材(528、530)の端部に1つ又は2つ以上の生体適合性ポリマーフィルム(又は他の類似の材料)を適用することによって形成されてもよいということを理解すべきである。例えば、第1クランプ部材(528)上の破裂性ハウジング(506)は、第1クランプ部材(528)の遠位端の上に第1ポリマーフィルム層(507)を貼り付けることによって、並びに、これによって、第1ポリマーフィルム層(507)と第2ポリマーフィルム層(508)との間の流体充填可能な空間を形成するように、第2ポリマーフィルム層(508)を第1ポリマーフィルム層(507)の部分に選択的に貼り付けることによって形成されてもよい。第1ポリマーフィルム層(507)は、第1クランプ部材(528)の管状ケーシング(550)の少なくとも一部分の周囲に、並びに、ステープルホルダー(554)においてステープル(551)を被覆するように、ステープルホルダー(554)の遠位面(555)の上で貼り付けられてもよい。第1ポリマーフィルム層(507)の内側終端部(510)は、示されているように、円筒形のナイフ(548)の内部に放射状に延びてもよい。第2ポリマーフィルム層(508)は次いで、管状ケーシング(550)に貼り付けられ、並びに、第1ポリマーフィルム層(507)の遠位端部分(510)に貼り付けられる第1ポリマーフィルム層(507)の少なくとも一部分に選択的に貼り付けられてもよい。図11の本実施例では、第1ポリマーフィルム層(507)及び第2ポリマーフィルム層(508)は、互いに貼り付けられず、ここでは第1ポリマーフィルム層(507)は、ステープルホルダー(554)の遠位面(555)を超えて延びる。第1ポリマーフィルム層(507)と第2ポリマーフィルム層(508)との間の、この非接着性の環状領域はしたがって、組織治療組成物で充填することができる破裂性ハウジング(506)を画定する。ポリマーフィルム層(507、508)は、クランプ部材の様々な部分に、並びに接着剤、熱、溶接、及び/又は超音波溶接等の当業者に既知の様々な方法によって互いに付着されてもよい。
【0079】
第2クランプ部材(530)上の破裂性ハウジング(516)は同様な方法で形成されてもよい。例えば、第1ポリマーフィルム層(517)は、アンビルシュラウド(560)の外側表面、アンビル(556)の外周、及びアンビル(556)の端壁(557)に、ステープル形成ポケット(559)を超えるように付着されてもよい。第2ポリマーフィルム層(518)は次いで、第1ポリマーフィルム層(517)の少なくとも一部分に選択的に貼り付けられてもよく、これはアンビル(556)の外周に、及びアンビル(556)の端壁(557)の内側に放射状に配置された第1ポリマーフィルム層(517)の内側の終端部(520)に貼り付けられる。図12の本実施例では、第2クランプ部材(530)上の第1ポリマーフィルム層(517)及び第2ポリマーフィルム層(518)は、互いに貼り付けられず、ここでは第1ポリマーフィルム層(517)は、アンビル(556)の端壁(557)を超えて延びる。第1ポリマーフィルム層(517)と第2ポリマー0フィルム層(518)との間のこの非接着性の環状の領域はしたがって、組織治療組成物で充填することができる破裂性ハウジング(516)を画定する。
【0080】
第1ポリマーフィルム層(507)及び第2ポリマーフィルム層(508)は、2つの別個のフィルムを含んでもよく、あるいは畳まれて、第1フィルム層(507)及び第2フィルム層(508)をもたらす、1つの連続的なフィルムを含んでもよいということが理解される。同様に第1ポリマーフィルム層(517)及び第2ポリマーフィルム層(518)は、2つの別個のフィルムを含んでもよく、あるいは畳まれて第1フィルム層(517)及び第2フィルム層(518)をもたらす、1つの連続的なフィルムを含んでもよい。更に他の単なる代替の例示として、ハウジング(506及び/又は516)は、ハウジングが、ポリマーフィルム層と、それが取り付けられるクランプ部材(528、530)の面との間で非接着性領域を含むように、ハウジング(506及び/又は516)は、対応する第1クランプ部材(528)又は第2クランプ部材(530)に貼り付けられた単一のポリマーフィルム層を使用して形成されてもよい。
【0081】
ポリマーフィルム層(507、508、517、518)は、生体吸収性材料など様々な生体適合性材料のいずれかから形成されてもよく、これはフィルム内に形成することができる。単に例として、フィルム層(507、508、517、518)は、ポリグリコリン(PGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、及び/又はポリヒドロキシバレレート(PHV)から形成されてもよい。あるいは、任意の他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用されてもよい。
【0082】
破裂性ハウジング(506、516)は、注射器及び針を使用して、組織治療組成物で充填されてもよい。ハウジング(506、516)は、ハウジングに流体を充填するためにそれを通じて挿入された十分に小さな計器針が、ハウジング(516)を破裂させるか、又は他の方法でハウジング(506、516)の一体性及び内部に流体を保持するそれらの能力に影響を与えないような、自己封止型材料から作製されてもよい。好適な注入をもたらすために、スペーサー(図示せず)は、第1ポリマーフィルム層及び第2ポリマーフィルムが互いに離間されている領域を画定するように、第1ポリマーフィルム層と第2ポリマーフィルム層との間に固定されてもよい(例えば、図11及び12の位置(513及び523)それぞれにおいて)。ポリマーフィルムが離間されている小さな領域を設けることによって、組織治療組成物のための中空の注入空間がもたらされる。あるいは、自己封止型隔膜又は他の好適なポートがアンビル(556)上に、組織治療組成物でハウジングを充填するために、ハウジング(506)と連通して設けられてもよい。破裂性ハウジング(506、516)に関して他の好適な構成及び関係は、本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかである。
【0083】
C.外科用ステープラーのエンドエフェクタに配置された代表的な破裂性ハウジング
第1クランプ部材と第2クランプ部材との間に位置合わせ可能に配置可能な破裂性生体適合性パウチの使用に対する他の代替として、又はそれに追加として、組織治療組成物のための1つ又は2つ以上の破裂性生体適合性ハウジングが外科用ステープラーのエンドエフェクタに設けられてもよい。破裂性ハウジングが配置されてもよく、これによって、結合した組織を切断するためのナイフの発射は、ハウジングを穿孔し、そこから組織治療組成物を放出する。例えば、図13〜15は、環状ステープラーのエンドエフェクタ(626)の単なる例示の実施例を示す。第1クランプ部材(628)及び第2クランプ部材(630)は、図10、並びに図1〜4に示される構造体で類似である(流体を送達するためのポスト部材(568)における穴、及び流体を排出するためのアンビルシャフト(558)における開口部がない)。しかしながら、組織治療組成物を放出可能に含むための破裂性の生体適合性ハウジング(606)は、第2クランプ部材(630)のアンビル(656)に画定されるチャンバ(608)に設けられる。チャンバ(608)は開放近位端を有し、アンビル(656)の近位端壁(657)周囲に延びるステープル形成ポケット(659)のアレイ内に配置される。チャンバ(608)は、任意の様々な形状、例えば図13〜15に示される円形のカップ形状の構成、又は任意の他の好適な形状で設けられてもよい。アンビルシャフト(658)は、チャンバ(608)の中心を通って、チャンバ(608)の底部から外へ遠位方向に延びるバネキャビティ(616)内に延びる。これまでの実施例と同様に、アンビルシャフト(658)は、第2クランプ部材(630)を、第1クランプ部材(628)のポスト部材(668)に動作可能に取り付けるために使用されてもよい。
【0084】
ハウジング(606)は、チャンバ(608)内に適合するように寸法決めされ、構成された破裂性で可撓性のパウチを含んでもよい。このように、本実施例13〜15では、ハウジング(306)は、チャンバ(608)内に配置されたトロイド(ドーナッツ形状)を含み、アンビルシャフト(658)は、トロイドの中央開口部を通じて延びている。勿論、任意の様々な形状がハウジング(606)に関して採用されてもよい。ハウジングが破裂したとき、ハウジング(606)からの組織治療組成物の放出を促進するために、流体の治療組成物がハウジング(606)内に加圧されてもよい。加圧は様々な方法でもたらすことができる。本実施例では、ハウジング(606)は、近位に付勢された圧力プレート(610)によってバネ加圧される。本実施例の加圧プレート(610)は、アンビルシャフト(658)が加圧プレート(610)における中央開口部(611)を通じて延びている状態で、チャンバ(608)の底部(すなわち、遠位端表面)に配置された環状ディスク形状の部材を含む。加圧プレート(610)は、その開口部(611)を含め、加圧プレート(610)が近位方向(第1クランプ部材(628)の方に)アンビルシャフト(658)に沿って摺動可能に移動するような寸法にされる。加圧プレート(610)は、バネキャビティ(616)内のアンビルシャフト(658)の遠位端周囲に延びるバネ(618)によって、第1クランプ部材(628)の方へバネ付勢される。勿論、加圧プレート(610)は、任意の他の好適な機構又は成分を使用して、任意の他の好適な方法で付勢されてもよい。
【0085】
アンビル(656)のチャンバ(608)内にハウジング(306)を保持するために、据付保持プレート(612)もまた、本実施例で設けられる。保持プレート(612)は、示されているように、アンビルシャフト(658)上に配置された環状ディスク形状の部材を含む。ショルダー部(614)は、保持プレート(612)がチャンバ(608)内でショルダー部(614)に搭載されるように、アンビルシャフト(658)上に設けられる。破裂性ハウジング(306)は、加圧プレート(610)と保持プレート(612)との間のアンビル(656)のチャンバ(608)内に配置される。バネ(608)は、ハウジング(606)に対して加圧プレート(610)を付勢する。
【0086】
本実施例の保持プレート(612)はまた、保持プレート(612)の厚さを通じて延び、プレート(612)の外周の周囲に、その外側周辺部に隣接して角度が付けられて配置されている複数のスロット(613)を含む。より詳細で以下に記載されるように、ハウジング(606)を穿孔し、内部に含まれる組織治療組成物を放出させるために、スロット(613)は、クランプ部材(628)の円形ナイフ(648)上に設けられた複数のスパイク(649)がスロット(613)を通って前進できるように寸法決めされ、構成される。組織治療組成物は次いでスロット(613)を通じて流れ、ネジで付勢された加圧プレート(610)は、破裂したハウジング(606)から治療組成物が放出されるのに役立つ。保持プレート(612)内にスロット(613)を設ける代わりの単なる例示として、保持プレート(612)は、ハウジング(606)を破裂させるためにナイフ(648)上に設けられたスパイクが、保持プレート(612)の外周を通過して、ハウジング(606)内に前進するように寸法決めされてもよい。ハウジング(606)は、生体吸収性材料など任意の様々な生体適合性材料から作製されてもよく、これは流体を含むだけではなく、または列性でもある封止可能なハウジング内に形成することができる。単に例として、ハウジング(606)は、ポリグリコリン(PGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、及び/又はポリヒドロキシバレレート(PHV)から作製されてもよい。あるいは、任意の他の好適な材料、又は材料の組み合わせが使用されてハウジング(606)を形成してもよい。
【0087】
切断ナイフ(648)は、これまで図1〜4に関して記載された方法で、第1クランプ部材(628)に提供されてもよい。ナイフ(648)がハウジング(606)を破裂させるようにするために、ナイフ(648)の切断縁部(655)から離れて遠位方向に延びるように、複数のスパイク(649)がナイフ(648)上に設けられる。スパイク(649)は、第2クランプ部材(630)の保持プレート(612)においてスロット(613)と位置合わせされるように配置される。この方式で、ステープラーが発射され、ナイフ(648)が、ステープル線の内部で、結合した組織内腔(116、117)の部分を切断するとき、ナイフ(648)上のスパイク(649)は、保持プレート(612)のスロット(613)を通過してハウジング(606)を破裂させる。スパイク(649)は、図3に示されるタイプの円形ナイフの切断縁部(655)に追加されてもよい。そのような実施形態が例えば、その開示内容を参照することにより本明細書に援用する米国特許第6,193,129号に示されている。追加のスパイクは、所望により、ハウジングの穿孔及び切断及びステープル線全体の周囲で組織治療組成物の放出を促進するために、米国特許第6,193,129号に示されるナイフ上に設けられてもよいということに留意されたい。
【0088】
図13〜17の本実施例では、切断ナイフ(648)は、切断縁部(655)から外に遠位方向に延びる複数のスパイク(649)を有するだけでなく、ナイフ(648)もまた溝が付けられている。このように、外科用ステープラーにおける従来の環状ナイフと比較したときに、より長理不規則な切断縁部をもたらすために、切断縁具(655)もまた溝が付けられている。この方法では、切断縁部(655)は、図3のナイフ(48)上に示される円形切断縁部よりも、より細かい片に切断組織を細切れにする。得られる組織断片は、ハウジング(606)から排出された組織治療組成物(これはまた、生存組織断片を含む場合がある)と組み合わされて、治癒及び組織再生を促進する。ハウジング(606)内の組織治療組成物はまた、切断線においてナイフ(648)によって切断された組織断片を維持するのに役立つ、1つ又は2つ以上の剤(例えばフォブリン等)を含んでもよい。この方法では、生存細胞は、切断された組織断片から切断線及びステープル線の周囲の組織内の切断された組織断片から移動することができる。
【0089】
任意の様々な他の非円形の不規則な形状は、図16及び図17に示される溝付きの構成の代わりに、又はこれに加えて、切断ナイフ(648)のために採用されてもよい。例えば、切断ナイフ(648)の切断縁部(655)は、星型、六角形、八角形、多角形、又は任意の他の非円形形状で構成されてもよい。他の実施例では、任意の様々な1つ又は2つ以上の幾何学的形状で、切断縁部(655)の一部が、切断ナイフ(648)の外周の放射状に内側に配置された状態で、複数の切断縁部(655)が設けられるように、切断ナイフ(648)は構成されてもよい。更に他の実施例では、切断縁部(655)もまた鋸歯状であってもよい。本実施例では、スパイク(649)は、それぞれの溝の内側の折りたたみ部で切断縁部(655)から遠位方向に離れて延びる。勿論、スパイク(649)は、保持プレート(612)においてスロット(613)と位置合わせ可能なように、ナイフ(648)上で任意の様々な他の位置では配置されてもよい。他の好適な構成が、本願の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0090】
吻合を実施するために、エンドエフェクタ(626)に配置された破裂性ハウジング(606)を有するステープラーの代表的な使用が、図13〜15に連続して示されており、ここでは組織の2つの内腔(116、117)は、1つ又は2つ以上の環状アレイによって一緒に取り付けられる。ステープラーは、既に組織治療組成物で充填されたハウジング(606)と共にエンドユーザーに提供されてもよい。あるいは、ハウジング(606)は空であってもよく、又は1つ又は2つ以上の成分の組織治療組成物で部分的に充填されてもよい。エンドユーザー(例えば外科医)は、例えば保持プレート(612)内の1つ又は2つ以上のスロット(613)を通じて材料(例えば担体内の細切れにされた生存組織断片等)を注入することによって、又は任意の他の好適な方法でハウジング(606)を充填してもよい(又はそこに追加的な材料を添加してもよい)。ハウジング(606)は、ハウジングを流体で充填するためにそれを通じて挿入された十分に小さな計器針が、ハウジング(606)を破裂させるか、又は他の方法でハウジング(606)の一体性及び内部に流体を保持する能力に影響を与えないような自己封止型材料から作製されてもよい。あるいは、自己封止型隔膜又は他の好適なポートがアンビル(656)上に、組織治療組成物でハウジングを充填するために、ハウジング(606)と連通して設けられてもよい。
【0091】
第1クランプ部材(628)及び第2クランプ部材(630)が互いに取り付けられた後に(エンドユーザーには外された形態で提供された場合)、第1組織クランプ部材(628)及び第2組織クランプ部材(630)を含むエンドエフェクタ(626)は、腸組織(116)の第1部分内の長手方向のスリット(図示されず)内に挿入され、組織(116)の開放端に隣接して示されている位置内に移動されてもよい。移動可能な第2クランプ部材(630)は、開放位置へと移動されてもよく、腸組織(117)の第2部分は、図13に示されるように第2クランプ部材(630)を超えて挿入されてもよい。その後、組織(116、117)のそれぞれの部分は、これまで説明されたように、腸組織(116、117)の開放端の周囲に配置される巾着縫合糸と適合されてもよい。
【0092】
巾着縫合糸が結ばれた後に、移動可能な第2クランプ部材(630)は、その間の腸組織(116、117)の第1部分と第2部分をクランプするために、第1クランプ部材(628)に隣接した位置まで、第1クランプ部材(628)の方へ引かれる。これまで記載されたように、これは例えばクランプノブを回転されることによって、又はステープラー上に設けられた他の機構を使用することによって達成されてもよい。いったん、組織内腔の端部が第1クランプ部材(628)と第2クランプ部材(630)との間にクランプされると(例えば、図4に示されているものと同様に、組織内腔の端部間で配置可能なスカフォールドを有して、又はこれを有さずに)、円形のステープル装置は、例えばステープルハンドル上に設けられた発射トリガーを作動させることによって発射される。図14に示されているように、ステープルを形成して腸組織の部分(116、117)を締結するために、ステープル(651)の端部は、腸組織の第1部分(116)を通して、腸組織の第2部分(117)を通して、そしてアンビル(656)のステープル形成ポケット(659)に対して、ステープルホルダ(654)から外に遠位方向に、付勢される。
【0093】
ナイフ(648)は、腸組織の第1部分(116)及び第2部分(117)を通じて、ステープルドライバ(652)によってステープル線の内部に前進される。ナイフ(648)の切断縁部(655)から離れて遠位方向に延びるスパイク(649)は、アンビル(656)で据付保持プレート(612)のスロット(613)を通過して、図14に示されるようにハウジング(606)を破裂させる。バネで付勢された加圧プレート(610)は次いで、スロット(613)を通じて、ハウジング(606)から外に組織治療組成物を付勢する。更に、ナイフ(648)の溝付きの切断縁部(655)は、ステープル線とアンビルシャフト(658)間に配置される組織内腔(116、117)の部分を小さな断片に切断する。保持プレート(612)は、それに対してナイフ(648)が組織を切断する、バックストップ又は切断表面として機能する場合がある。組織断片を更に細切れにするために、ナイフ(648)は、任意の回数往復されて、組織断片を更に小さな断片にしてもよい。これは、例えばナイフ(648)の切断縁部(655)が保持プレート(612)から離れて近位に移動するように、ステープラーのトリガーを解放し、その一方で、クランプ部材(628、630)を閉鎖位置に維持し、ステープル留めされた組織をそれらの間でクランプさせた状態にし、その後、保持プレート(612)に対して切断縁部(655)を遠位方向に前進させるように、ステープラーを再び発射することによって、達成されてもよい。これは、組織を適切に小さな断片に切断するのに任意の回数繰り返されてもよい。組織断片は、ハウジング(606)から、第1クランプ部材(628)と第2クランプ部材(630)との間の領域内に放出された組織治療組成物と組み合わされ、これによって、組織治療組成物及び細切れにされた生存組織断片は、組織治癒を加速し、組織再生を促進するために、切断線において、及び切断線の周囲で組織内腔に沿って適用される。上記のようにエンドエフェクタ(626)を有するステープラーが使用され得る他の好適な方法は、本明細書の教示に鑑みれば当業者にとって明らかである。
【0094】
上記にいくつかの装置及び構成要素について詳細に論じたが、論じた装置を使用する構成要素、機構、構成、及び方法は、上記に提供された文脈に限定されないことを理解すべきである。特に、装置のうちの1つに関する文脈の中で説明した構成要素、機構、構成、及び使用法は、その他任意の装置に組み込むことができる。更に、以下に提供される更なる説明に限定されず、追加の及び代替の好適な構成要素、機構、構成、及びその装置を使用する方法、並びに、本明細書の教示が組み合わされ、置き換えられる様々な方法は、本明細書の教示に鑑みれば、当業者にとって明らかである。
【0095】
上記の装置の形態は、機械的に又は電気機械的であってもよい(例えば、1つ又は2つ以上電気モーター、ソレノイド等を使用して)。しかしながら、空気及び/又は水力作動を含め、これに限定されない他の作動モードが好適であってもよい。作動の代替の形態が、上記の装置に提供される作動のそのような代替の形態は、本明細書の教示に鑑みれば、当業者にはとっては明らかである。
【0096】
上記の装置の形態は、様々なタイプの構造を有してもよい。単に例として、本明細書に記載の任意のデバイス、又はその構成要素は、好適な金属、セラミックス、プラスチック、又はこれらの組み合わせから製作されてもよい。更に、要求されてはいないが、本明細書に記載の装置の構造は、様々な画像技法を用いてそれらの使用と互換性のあるように、又はそれらの使用を最適化するように構成されてもよい。例えば、MRIと共に使用するために構成された装置は、全て非強磁性材料から作製される場合がある。例えば、本明細書に記載の装置と共に任意の撮像技法を用いるとき、特定の構成は、構造の材料に対する修正(例えば、装置の部分は、得られる画像に容易に現れることができる)を含む場合がある。本明細書に記載の装置の構造に対して実施され得るこれら又は他の修正は本明細書の教示に鑑みれば当業者にとって明らかである。
【0097】
前述の装置の変形物は、ロボット支援された医療及び処置での用途だけでなく、医療専門家によって行われる従来の医療及び処置での用途を有することができる。
【0098】
前述した変形物は、1回の使用後に処分するように設計されることができ、又はそれらの形態は、複数回使用するように設計することができる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整することは、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄及び交換する工程、並びにその後の再組み立てする工程の任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置の幾つかの変形物は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の幾つかの変形物は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0099】
単に例として、本明細書で説明した形態は、手術の前及び/又は後に、滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はTYVEKバッグなど、閉められかつ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管してもよい。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0100】
本開示の様々な形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な改変例の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記に論じた実施例、形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0101】
〔実施の態様〕
(1) 組織をステープル留めするための外科用ステープルキットであって、
(a)ステープル器具であって、
(i)ハンドル、
(ii)複数のステープルを受容するよう構成されている、第1クランプ部材、及び
(iii)前記第1クランプ部材と向かい合う第2クランプ部材であって、前記ステープルを形成するためのアンビルを含む、第2クランプ部材、を含み、
前記第1クランプ部材又は前記第2クランプ部材の一方又は両方は前記ハンドルに連結され、
前記クランプ部材のうちの少なくとも1つは、組織を受容するための開放位置と、前記クランプ部材間で組織をステープル留めするための閉鎖位置との間で可動である、ステープル器具と、
(b)生体適合性の破裂性組織治療部材であって、該組織治療部材は、医療用流体を含む組織治療組成物を受容し、保持するように構成され、組織が、前記クランプ部材間でクランプされ、ステープル留めされるときに、前記組織治療部材が、前記組織治療部材によって保持される前記流体組織治療組成物の少なくとも一部分を放出するように、前記組織治療部材は前記第1クランプ部材と第2クランプ部材との間に配置されるように更に構成される、生体適合性の破裂性組織治療部材と、を備える、外科用ステープルキット。
(2) 前記組織治療部材が破裂性パウチを含む、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
(3) 前記パウチが、1つ又は2つ以上の医療用流体を前記パウチに添加するための自己封止型ポートを含む、実施態様2に記載の外科用ステープルキット。
(4) 前記ステープル器具の前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で前記組織治療部材が位置合わせ可能に配置される前に、前記組織治療部材が、組織に取り付けられるように更に構成される、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
(5) 前記ステープル器具が環状ステープラーを含み、前記第1クランプ部材が、少なくとも1つの環状アレイで複数のステープルを受容するように構成され、前記ステープル器具が、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間に延びる細長いシャフトを更に含み、前記組織治療部材が、前記シャフト上に摺動可能に配置されるように構成される、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
(6) 前記組織治療部材が、前記ステープル器具の前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で(between the first and clamping members)延びる前記シャフト上に配置され、前記組織が前記クランプ部材間でクランプされ、ステープル留めされるとき、前記組織治療部材が前記ステープルによって破裂されるような寸法にされたトロイドを、前記組織治療部材が含む、実施態様5に記載の外科用ステープルキット。
(7) 前記組織治療部材が、前記ステープル器具の前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で延びる前記シャフトを受容するように構成される、中央開口部を画定する螺旋状トロイドを含む、実施態様6に記載の外科用ステープルキット。
(8) 前記ステープル器具が、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で操作可能に移動可能なナイフを更に含み、前記組織が、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間でクランプされ、ステープル留めされるとき、前記ナイフは、前記組織及び前記組織治療部材を切り裂く、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
(9) 前記組織治療部材が、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間に配置される、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
(10) 前記組織治療部材が、前記ステープル器具とは別個の封止されたパッケージ内に提供され、前記組織治療組成物を受容した後に前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材との間で配置可能である、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
【0102】
(11) 前記組織治療部材が略ディスク形状であり、放射状で外向きに延びる複数のタブを含む、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
(12) 前記組織治療部材が、括約筋を形成するように構成された少なくとも1つの組織細胞を含み、前記組織治療部材が、同心円、螺旋、又は球体からなる群から選択されるパターンに配置される複数の繊維を更に含む、実施態様1に記載の外科用ステープルキット。
(13) ステープル器具を使用して、患者内で組織をステープル留めする方法であって、前記ステープル器具は、ハンドル、前記ハンドルと連結された、向かい合う第1及び第2クランプ部材、破裂性組織治療部材、及びナイフ部材を含み、前記第1クランプ部材は、複数のステープルを含み、前記第2クランプ部材は、前記ステープルを形成するように構成されたアンビルを含み、前記組織治療部材は、少なくとも1つの組織断片を有する医療用流体を含み、前記方法は、
(a)前記第1クランプ部材と第2クランプ部材との間で少なくとも2層の組織を配置することと、
(b)前記少なくとも2層の組織を前記第1クランプ部材及び前記第2クランプ部材を用いてクランプすることと、
(c)前記ステープルを前記少なくとも2層の組織内へ打ち込むことと、
(d)前記少なくとも2層の組織の一部を前記ナイフ部材を用いて切断することと、を含み、
前記組織治療部材は、前記医療用流体を前記細胞に投与するために破裂する、方法。
(14) (a)前記患者から少なくとも1つの生存組織の試料を採取することと、
(b)前記組織の試料を、複数の生存細胞を有する複数の組織断片に細切れにすることと、
(c)前記組織断片を前記組織治療部材内に挿入することと、を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記複数の組織断片が担体と組み合わされて懸濁液を形成し、前記挿入することの行為が、前記組織断片の前記懸濁液を前記組織治療部材内に注入することを含む、実施態様14に記載の方法。
(16) 前記組織治療部材がパウチを含み、前記方法が、前記パウチを前記第1クランプ部材と第2クランプ部材との間に配置することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記組織治療部材がスリーブを含み、前記方法が、前記第1クランプ部材又は前記第2クランプ部材を前記スリーブに挿入することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(18) 前記組織治療部材が、前記クランプ部材のうちの1つに選択的に接着したフィルムを含み、前記フィルムは流体リザーバーを画定し、前記方法は前記少なくとも1つの組織断片を前記流体リザーバーに注入することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(19) 前記少なくとも2層の組織が、2つの別個の組織内腔端部によって提供され、前記配置する行為が、前記2つの組織内腔端部を互いに隣接して配置することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(20) 生体適合性スカフォールドであって、
(a)外周縁部を有する環状ディスク部分と、
(b)前記環状ディスク部分の前記外周縁部から離れて放射状に延びる複数のタブと、を含み、
前記スカフォールドが、環状外科用ステープラーのステープル留めヘッドとアンビルとの間に延びるエンドエフェクタシャフト上で配置可能である、生体適合性スカフォールド。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C