【実施例】
【0081】
実験部分
本明細書の以下に示す「m.p.」は融点を意味し、「aq.」は水溶液を意味し、「r.m.」は反応混合物を意味し、「r.t.」は室温を意味し、「DIPEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「Et
2O」はジエチルエーテルを意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「DMF」はジメチルホルムアミドを意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「AcOEt」は酢酸エチルを意味し、「AcOH」は酢酸を意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「rac」はラセミを意味し、「sat.」は飽和を意味し、「SFC」は超臨界液クロを意味し、「SFC−MS」は超臨界液クロ/質量分析を意味し、「LCMS」は液クロ/質量分析を意味し、「HPLC」は高性能液クロを意味し、「DMTMM」は4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドを意味し、「HATU」はヘキサフルオロ燐酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニイウムを意味する。
【0082】
A.中間体の製造
実施例A1
中間体1:ラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)−プロパンニトリルの製造
【0083】
【化15】
【0084】
3−ブロモアセトフェノン(20g、100ミリモル)とNH
4Cl(11g、200ミリモル)をNH
3/MeOH(400mL)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれにトリメチルシリルシアニド(20g、200ミリモル)を加えた。その混合物を室温で4日間撹拌した。次に、溶媒を真空下で蒸発させた後、その残留物をAcOEt(100mL)で取り上げた。固体を濾過で除去した後、その濾液に蒸発を真空下で受けさせることでラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)−プロパンニトリル(20g、86%の収率)を得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0085】
実施例A2
中間体2:ラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルの製造
【0086】
【化16】
【0087】
ラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)−プロピオニトリル(20g、88.9ミリモル)をHCl/MeOH(500mL)に溶解させた後、その混合物を4日間還流させた。室温に冷却した後、AcOEt(100mL)および水(100mL)を加えて、その混合物にAcOEt(2x100mL)を用いた抽出を受けさせた。その水層を一緒にしてアンモニア水溶液でpHが8になるまで塩基性にした後、AcOEt(5x100mL)を用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして乾燥(Na
2SO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることでラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(10.6g、46%の収率)を油として得た。
【0088】
実施例A3
中間体3:ラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)プロパン−1−オールの製造
【0089】
【化17】
【0090】
ラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(7.5g、29.1ミリモル)をTHF(200mL)に入れることで生じさせた溶液を−15℃で撹拌しながらこれに水素化リチウムアルミニウム(THF中1M、22mL、22ミリモル)を滴下した。その混合物を放置して1時間かけてゆっくりと0℃になるまで温めた。次に、更にTHF(150mL)を加えた後、飽和Na
2SO
4を水素がそれ以上生じなくなるまで滴下した。次に、無水Na
2SO
4を加えた後、室温で一晩撹拌したままにした。その混合物の濾過をケイソウ土を用いて行い、THFで濯いだ後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から3/97)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)プロパン−1−オール(5.70g、85%の収率)を油として得た。
【0091】
実施例A4
中間体4:(R)−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)プロパン−1−オールの製造
【0092】
【化18】
【0093】
ラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)プロパン−1−オールのサンプル(15.4g)を調製用SFC[Chiralpak(商標)Daicel AD x 250mmを使用、可動相(CO
2、iPrNH
2が0.2%のMeOH]で相当する鏡像異性体に分離することで(R)−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)プロパン−1−オール(7.21g、40%の収率)を得た。
α
D:−14.9゜(589nm、c 0.2946%(重量/体積)、MeOH、20
℃)
【0094】
実施例A5
中間体5:ラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0095】
【化19】
【0096】
ラセミ−2−アミノ−2−(3−ブロモフェニル)プロパン−1−オール(1.7g、7.39ミリモル)を飽和NaHCO
3(15mL)とTHF(15mL)の混合物に入れることで生じさせた溶液を0℃で撹拌しながらこれにジ−t−ブチルジカーボネート(4.84g、22.16ミリモル)を分割して加えた。その混合物を0℃で10分間そして室温で15時間撹拌した。その混合物を氷水浴で冷却しそして撹拌しながらKHSO
4でpHが1−2になるまで酸性にした。有機層を分離した後、水層にさらなる抽出をAcOEtを用いて受けさせた。その有機層を一緒にして分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;AcOEtをDCMに0/100から20/80)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチルエステル(2.36g、93%の収率)を無色の油として得た。
【0097】
実施例A6
中間体6:ラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0098】
【化20】
【0099】
ラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチルエステル(2.3g、6.97ミリモル)を無水DCM(45mL)に入れることで生じさせた0℃の溶液にDess−Martinペリオジナン(3.55g、8.36ミリモル)を分割して5分かけて加えた。その混合物を0℃で10分間そして室温で1時間撹拌した。その反応混合物の反応をNaHCO
3(飽和水溶液)に続いてNaHSO
3(飽和水溶液)で消滅させた。次に、Et
2Oを加えた後の混合物を室温で30分間撹拌した。有機層を分離した後、水層にさらなる抽出をEt
2Oを用いて受けさせた。その有機層を一緒にして分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCM)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバミン酸t−ブチルエステル(2g、88%の収率)を無色の油として得た。
【0100】
実施例A7
中間体7:ラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−ブト−3−イニル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0101】
【化21】
【0102】
ラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバミン酸t−ブチルエステル(1.96g、5.97ミリモル)をTHF(60mL)に入れることで生じさせた0℃の溶液に窒素下でTHF中0.5Mのエチニルマグネシウムブロマイド(23.89mL、11.94ミリモル)を滴下した。その混合物を0℃で15分間そして室温で30分間撹拌した。その混合物にNH
4Cl(飽和水溶液)を用いた希釈そしてDCMを用いた抽出を受けさせた。有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることでラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−ブト−3−イニル]カルバミン酸t−ブチルエステル(2.11g、99%の収率)を油として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0103】
実施例A8
中間体8:ラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−ブト−3−イニル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0104】
【化22】
【0105】
ラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−ブト−3−イニル]カルバミン酸t−ブチルエステル(2.12g、5.97ミリモル)を無水DCM(20mL)に入れることで生じさせた0℃の溶液にDess−Martinペリオジナン(3.04g、7.16ミリモル)を分割して5分かけて加えた。その混合物を0℃で10分間そして室温で1時間撹拌した。その反応混合物の反応をNaHCO
3(飽和水溶液)に続いてNaHSO
3(飽和水溶液)で消滅させた。次に、Et
2Oを加えた後の混合物を室温で30分間撹拌した。有機層を分離した後、水層にさらなる抽出をEt
2Oを用いて受けさせた。その有機層を一緒にして分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCM)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−ブト−3−イニル]カルバミン酸t−ブチルエステル(1.89g、90%の収率)を油として得た。
【0106】
実施例A9
中間体9:ラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−
イル)エチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0107】
【化23】
【0108】
ラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−ブト−3−イニル]カルバミン酸t−ブチルエステル(1.8g、5.11ミリモル)をEtOH(30mL)に入れることで生じさせた溶液に水加ヒドラジン(2.48g、51.10ミリモル)を加えた後、その混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、その残留物をDCMに溶解させた後、水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から50/50)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチル]カルバミン酸t−ブチルエステル(1.62g、87%の収率)を白色の固体として得た。
【0109】
実施例A10
中間体10:ラセミ−1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エタンアミンの製造
【0110】
【化24】
【0111】
ラセミ−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチル]カルバミン酸t−ブチルエステル(1.65g、4.51ミリモル)に室温でジオキサン中4Mの塩酸(7.88mL、31.54ミリモル)を加えた。その混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。その残留物をDCMに入れて懸濁させた後、NaHCO
3(飽和水溶液)で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることでラセミ−1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチルアミン(1.2g、100%の収率)を白色の固体として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0112】
実施例A11
中間体11:ラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチル]2−クロロ−アセトアミドの製造
【0113】
【化25】
【0114】
ラセミ−1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチルアミン(1.2g、4.51ミリモル)をDCM(20mL)に入れることで生じさせた溶液にDIPEA(1.18mL、6.77ミリモル)を加えた後、その混合物を氷浴で冷却した。次に、クロロアセチルクロライド(0.40mL、4.96ミリモル)を加えた後の混合物を0℃で3時間撹拌した。その混合物にNH
4Cl(飽和水溶液)を用いた希釈そしてDCMを用いた抽出を受けさせた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から20/80)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮した。その残留物をEtOH(10mL)とNaHCO
3(飽和水溶液)(1mL)に溶解させた後、その混合物を室温で30分間撹拌した。その混合物を水で希釈した後、生成物をDCMで抽出した。その有機層を一緒にして真空下で濃縮することでラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチル]2−クロロ−アセトアミド(1.22g、79%の収率)を無水の油として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0115】
実施例A12
中間体12:ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0116】
【化26】
【0117】
水素化ナトリウム(0.28g、7.12ミリモル)をTHF(40mL)に入れることで生じさせた0℃の懸濁液に窒素下でラセミ−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチル]2−クロロ−アセトアミド(1.22g、3.56ミリモル)をTHF(40mL)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。その混合物を0℃で1時間撹拌した。その混合物を水で希釈した後、生成物をDCMで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに50/50から100/0)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(0.7g、64%の収率)を白色の固体として得た。
【0118】
実施例A13
中間体13:ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0119】
【化27】
【0120】
ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(0.7g、2.29ミリモル)をピリジン(10mL)に入れることで生じさせた溶液に五硫化燐(1.02g、4.57ミリモル)を加えた後、その混合物を95℃に18時間加熱した。次に、溶媒を真空下で蒸発させた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から100/0)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(0.45g、61%の収率)を白色の固体として得た。
【0121】
実施例A14
中間体14:ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0122】
【化28】
【0123】
ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(0.45g、1.40ミリモル)をEtOH(50mL)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれにNH
4Cl(0.15g、2.79ミリモル)を加えた後、その混合物を80℃に28時間加熱した。溶媒を真空下で除去した後、その残留物をDCMに溶解させて、水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をAcOEtに0/100から20/80)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−イルアミン(0.42g、99%の収率)を黄色の固体として得た。
【0124】
実施例A15
中間体15:ラセミ−4−[3−(ベンゾヒドリリデンアミノ)−フェニル]−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0125】
【化29】
【0126】
窒素下の密封型管内でラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−イルアミン(0.39g、1.28ミリモル)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.12g、0.13ミリモル)とラセミ−2、2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.24g、0.38ミリモル)とナトリウムt−ブトキサド(0.22g、2.3ミリモル)の混合物に室温でトルエン(10mL)を加えた。その混合物を窒素で数分間フラッシュ洗浄した後、ベンゾフェノンイミン(0.43mL、2.56ミリモル)を加えて、その混合物を100℃で2時間撹拌した。その混合物を冷却した後、水で希釈しそしてDCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から3/97)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−[3−(ベンゾヒドリリデンアミノ)−フェニル]−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−イルアミン(0.37g、70%の収率)を黄色の発泡体として得た。
【0127】
実施例A16
中間体16:ラセミ−4−(3−アミノフェニル)−4−メチル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0128】
【化30】
【0129】
ラセミ−4−[3−(ベンゾヒドリリデンアミノ)−フェニル]−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−イルアミン(0.37g、0.9ミリモル)をイソプロパノール(10mL)に入れることで生じさせた溶液にH
2O中37%の塩酸(0.14mL)を加えた。その混合物を室温で3時間撹拌した。Et
2Oを加えた後の混合物を15分間撹拌した。沈澱してきた固体を濾過で取り出し、Et
2Oで洗浄した後、真空下で乾燥させた。その残留物をDCMに入れて懸濁させた後、NaHCO
3(飽和水溶液)で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることで白色の固体(0.21g、97%の収率)として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0130】
実施例A17
中間体17:1H−ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【0131】
【化31】
【0132】
3−メチルピラゾール(4.2g、5.15ミリモル)を水(100mL)に入れることで生じさせた溶液に過マンガン酸カリウム(16.17g、102.31ミリモル)を水(150mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、その混合物を一晩還流させた。室温に冷却した後、不溶な物質を濾過で除去した。その濾液を濃縮して30mLにした後、2NのHClを固体が沈澱するまで加えた。その固体を濾過で取り出し、冷水で洗浄した後、真空下で乾燥させることで1H−ピラゾール−3−カルボン酸(3.1g、54%の収率)を白色の固体として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0133】
実施例A18
中間体18:1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルの製造
【0134】
【化32】
【0135】
1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1g、8.92ミリモル)をMeOH(65mL)に入れることで生じさせた溶液を0℃で撹拌しながらこれに硫酸(5.8mL)を滴下した。この滴下が終了した後の混合物を室温に温めて18時間撹拌した。その混合物を真空下で濃縮した後、その残留物を水に溶解させそしてNaHCO
3(飽和水溶液)で塩基性にした。その混合物にAcOEtを用いた抽出を受けさせた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることで1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(0.7g、62%の収率)を白色の固体として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0136】
実施例A19
中間体19:1−(ジメチルスルファモイル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルの製造
【0137】
【化33】
【0138】
1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(3.45g、27.36ミリモル)をTHF(20mL)に入れることで生じさせた0℃の溶液に水素化ナトリウム(1.57g、41.03ミリモル)を加えた。その混合物を0℃で30分間撹拌した。次に、塩化ジメチルスルファモイル(4.41mL、41.03ミリモル)を加えた後の混合物を室温に温めて18時間撹拌した。その混合物を水で希釈した後、生成物をAcOEtで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で
蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで1−ジメチルスルファモイル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(4.8g、75%の収率)を無色の油として得た。
【0139】
実施例A20
中間体20:1−(ジメチルスルファモイル)−N−メトキシ−N−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【0140】
【化34】
【0141】
1−ジメチルスルファモイル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(4g、17.15ミリモル)と塩酸N,O−ジメチルヒドロキシルアミン(2.18g、22.29ミリモル)をDCM(20mL)に入れて撹拌した。その混合物を窒素でフラッシュ洗浄した後、−78℃に冷却した。次に、イソプロピルマグネシウムクロライドの溶液(THF中2M)(24.01mL、48.02ミリモル)を滴下した。この滴下が終了した後の混合物を室温に温めて一晩撹拌した。その混合物の反応をNH
4Cl(飽和水溶液)で消滅させた後、生成物をAcOEtで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から100/0)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで1−ジメチルスルファモイル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(3.2g、71%の収率)を淡黄色の油として得た。
【0142】
実施例A21
中間体21:3−(3−クロロフェニル)カルボニル]−N,N−ジメチル−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0143】
【化35】
【0144】
1−ジメチルスルファモイル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(1.60g、6.11ミリモル)をTHF(20mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液に窒素下で3−クロロフェニルマグネシウムブロマイドの溶液(THF中0.5M)(15.89mL、7.95ミリモル)を加えた。その混合物を−78℃で1時間撹拌した後、更に室温で5時間撹拌した。その混合物の反応をNH
4Cl(飽和水溶液)で消滅させた後、生成物をAcOEtで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで3−(3−クロロ−ベンゾイル
)−1H−ピラゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(1.68g、88%の収率)を淡黄色の固体として得た。
【0145】
実施例A22
中間体22:3−{[(t−ブチルスルフィニル)イミノ](3−クロロフェニル)メチル}−N,N−ジメチル−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0146】
【化36】
【0147】
3−(3−クロロ−ベンゾイル)−1H−ピラゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(1.68g、5.35ミリモル)と2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(0.71g、5.89ミリモル)をトルエン(32mL)に入れることで生じさせた混合物に窒素下でチタン(IV)イソプロポキサイド(3.22mL、10.71ミリモル)を加えた。その混合物を110℃で24時間撹拌した。その混合物を冷却した後、食塩水を急速撹拌しながらこれに注ぎ込んだ。その混合物の濾過をケイソウ土に通して行った後、その濾過ケーキをAcOEtで洗浄した。その濾液を分液漏斗に移して、有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで3−[(3−クロロ−フェニル)−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルイミノ)−メチル]−ピラゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(2.17g、97%の収率)を黄色の油として得た。
【0148】
実施例A23
中間体23:3−[1−(t−ブチルスルフィニルアミノ)−1−(3−クロロフェニル)エチル]−N,N−ジメチル−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0149】
【化37】
【0150】
3−[(3−クロロ−フェニル)−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルイミノ)−メチル]−ピラゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(2.2g、5.28ミリモル)をTHF(25mL)に入れることで生じさせた0℃の溶液に窒素下でメチルマグネシウムブロマイド(15.08mL、21.11ミリモル)を加えた。その混合物を0℃で2時間撹拌し、NH
4Cl(飽和水溶液)で反応を消滅させた後、生成物をDCMで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtを
DCMに0/100から100/0)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで3−[1−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルアミノ)−エチル]−ピラゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(2.28g、99%の収率)を無色の油として得たが、これを放置すると固化した。
【0151】
実施例A24
中間体24:ラセミ−1−(3−クロロフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エタンアミンの製造
【0152】
【化38】
【0153】
3−[1−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルアミノ)−エチル]−ピラゾール−1−スルホン酸ジメチルアミド(2.29g、5.28ミリモル)をMeOH(5mL)に入れることで生じさせた溶液にジオキサン中4Mの塩酸(19.79mL、79.15ミリモル)を加えた後、その混合物を密封型管に入れて80℃で18時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。その残留物をNaHCO
3(飽和水溶液)の中に注ぎ込んだ後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることでラセミ−1−(3−クロロフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチルアミン(1g、86%の収率)を淡黄色の固体として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0154】
実施例A25
中間体25:ラセミ−2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチル]−アセトアミドの製造
【0155】
【化39】
【0156】
中間体25の合成を実施例A11に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体24(1g、4.51ミリモル)を用いて出発することで中間体25を白色の固体として得た(0.73g、54%の収率)。
【0157】
実施例A26
中間体26:ラセミ−4−(3−クロロフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0158】
【化40】
【0159】
中間体26の合成を実施例A12に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体25(0.73g、2.43ミリモル)を用いて出発することで中間体26を白色の固体として得た(0.45g、71%の収率)。
【0160】
実施例A27
中間体27:ラセミ−4−メチル−4−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0161】
【化41】
【0162】
ラセミ−4−(3−クロロフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(0.13g、0.50ミリモル)とピリミジン−5−ボロン酸(0.19g、1.49ミリモル)と2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(0.061g、0.149ミリモル)と燐酸カリウム(0.21g、0.99ミリモル)をトルエン(5mL)とEtOH(0.5mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で撹拌しながらこれに窒素下で酢酸ジパラジウム(II)(0.017g、0.075ミリモル)を加えた。その混合物をマイクロ波照射下において150℃で30分間撹拌した。次に、その混合物をケイソウ土に通して濾過した後、AcOEtで洗浄した。その濾液に蒸発を真空下で受けさせた。その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEt)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−メチル−4−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(0.09g、59%の収率)を白色の固体として得た。
【0163】
実施例A28
中間体28:ラセミ−4−メチル−4−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0164】
【化42】
【0165】
ラセミ−4−メチル−4−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(0.09g、0.30ミリモル)をピリジン(2mL)に入れることで生じさせた溶液を室温で撹拌しながらこれにLawesson試薬(0.14g、0.35ミリモル)を加えた。その混合物を95℃で18時間加熱した。溶媒を真空下で蒸発させた後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から20/80)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−メチル−4−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(0.02g、21%の収率)を白色の固体として得た。
【0166】
実施例A29
中間体29:ラセミ−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0167】
【化43】
【0168】
ラセミ−4−(3−クロロ−フェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(0.17g、0.65ミリモル)と5−メトキシピリジン−3−ボロン酸(0.15g、0.97ミリモル)と2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(0.080g、0.195ミリモル)と燐酸カリウム(0.28g、1.30ミリモル)をトルエン(2mL)とEtOH(0.2mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で撹拌しながらこれに窒素下で酢酸ジパラジウム(II)(0.022g、0.097ミリモル)を加えた。その混合物をマイクロ波照射下において150℃で30分間撹拌した。次に、その混合物をケイソウ土に通して濾過した後、AcOEtで洗浄した。その濾液に蒸発を真空下で受けさせた。その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEt)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(0.11g、51%の収率)を白色の固体として得た。
【0169】
実施例A30
中間体30:ラセミ−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0170】
【化44】
【0171】
ラセミ−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(0.11g、0.31ミリ
モル)と五硫化燐(0.07g、0.31ミリモル)の混合物にピリジン(3mL)を加えた後、その混合物を80℃に5時間加熱した。次に、更に五硫化燐(0.07g、0.31ミリモル)を加えた後の混合物を100℃に18時間加熱した。次に、溶媒を真空下で蒸発させた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;MeOHをDCMに0/100から3/97)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(0.1g、93%の収率)を白色の固体として得た。
【0172】
実施例A31
中間体31:ラセミ−4−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0173】
【化45】
【0174】
ラセミ−4−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロ−フェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オン(3g、8.77ミリモル)[中間体ラセミ−4−(3−ブロモ−フェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンに関してこの上で記述した手順と同じ手順に従って調製]をピリジン(30mL)に入れることで生じさせた溶液に五硫化燐(2.53g、11.40ミリモル)を加えた後、その混合物を95℃に18時間加熱した。次に、溶媒を真空下で蒸発させた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から40/60)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(2.4g、76%の収率)を白色の固体として得た。
【0175】
実施例A32
中間体32:ラセミ−4−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0176】
【化46】
【0177】
ラセミ−4−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(2.4g、6.7ミリモル)をEtOH中2Mのアンモニア(67mL)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながらこれにNH
4Cl(0.72g、13.4ミリモル)を加えた後、その混合物を85℃に18時間加熱した。溶媒を真空下で除去した後、その残留物をDCMに入れて懸濁させそ
して水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をAcOEtに0/100から20/80)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することでラセミ−4−(5−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−イルアミン(1.8g、78%の収率)を黄色の固体として得た。
【0178】
実施例A33
中間体33:(R)−N−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0179】
【化47】
【0180】
中間体33の合成を実施例A5に記述した方策と同じ方策に従って実施した。(R)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロパン−1−オール(4.7g、20.43ミリモル)を用いて出発することで中間体33を無色の油(6.4g、95%の収率)として得たが、これは放置すると固化した。
【0181】
実施例A34
中間体34:(R)−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0182】
【化48】
【0183】
中間体34の合成を実施例A6に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体33(6.4g、19.38ミリモル)を用いて出発することで中間体34を無色の油(5.7g、90%の収率)として得たが、これは放置すると固化した。
【0184】
実施例A35
中間体35:(1R,2R)と(1R,2S)−N−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−ブト−3−ニイル]カルバミン酸t−ブチルのジアステレオ異性体混合物の製造
【0185】
【化49】
【0186】
中間体35の合成を実施例A7に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体34(5.7g、17.38ミリモル)を用いて出発することで中間体35をジアステレオ異性体混合物(5.4g、88%の収率)として油の状態で得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0187】
実施例A36
中間体36:(R)−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−2−オキソ−ブト−3−イニル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0188】
【化50】
【0189】
中間体36の合成を実施例A8に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体35(5.4g、15.24ミリモル)を用いて出発することで中間体36を淡黄色の油(5.3g、99%の収率)として得た。
【0190】
実施例A37
中間体37:(R)−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0191】
【化51】
【0192】
中間体37の合成を実施例A9に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体36(5.3g、15.05ミリモル)を用いて出発することで中間体37を発泡体(5g、91%の収率)として得た。
【0193】
実施例A38
中間体38:(R)−1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)エタンアミンの製造
【0194】
【化52】
【0195】
中間体38の合成を実施例A10に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体
37(5g、13.65ミリモル)を用いて出発することで中間体38を白色の固体(3.5g、96%の収率)として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0196】
実施例A39
中間体39:(R)−N−[1−(3−ブロモフェニル)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2−クロロ−アセトアミドの製造
【0197】
【化53】
【0198】
中間体39の合成を実施例A11に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体38(3.5g、13.15ミリモル)を用いて出発することで中間体39を無色の油(3.5g、78%の収率)として得た。
【0199】
実施例A40
中間体40:(R)−4−(3−ブロモフェニル)−4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0200】
【化54】
【0201】
中間体40の合成を実施例A12に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体39(3.5g、10.22ミリモル)を用いて出発することで中間体40を白色の固体(2.15g、69%の収率)として得た。
【0202】
実施例A41
中間体41:(R)−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0203】
【化55】
【0204】
中間体41の合成を実施例A13に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体40(2.1g、6.86ミリモル)を用いて出発することで中間体41を発泡体(1.8g、81%の収率)として得た。
【0205】
実施例A42
中間体42:(R)−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0206】
【化56】
【0207】
(R)−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオン(1.8g、5.59ミリモル)をメタノール中7Nのアンモニア溶液(11.97mL、83.79ミリモル)に入れることで生じさせた混合物を密封型管内で撹拌しながらこれに32%のアンモニア水溶液(11.9mL、201.1ミリモル)を加えた。その混合物を60℃で90分間撹拌した。室温に冷却した後の混合物を水およびNa
2CO
3(飽和水溶液)で希釈した後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(Na
2SO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から2/98から3/97から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで(R)−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミン(1.4g、82%の収率)を黄色の固体として得た。
【0208】
実施例A43
中間体43:N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0209】
【化57】
【0210】
3−(トリフルオロメチル)ピラゾール(5.5g、40.42ミリモル)をアセトニトリル(50mL)に入れることで生じさせた0℃の溶液に1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(5.44g、48.5ミリモル)およびジメチルスルファモイルクロライド(4.76mL、44.46ミリモル)を加えた。その混合物を室温に温めて18時間撹拌した。その混合物を真空下で濃縮した後、その残留物を水で希釈した。生成物をAcOEtで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCM)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体43(9.4g、95%の収率)を無色の油として得た。
【0211】
実施例A44
中間体44:5−[(3−ブロモフェニル)(ヒドロキシル)メチル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0212】
【化58】
【0213】
中間体43(8.4g、34.54ミリモル)をTHF(125mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液に窒素下でブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M)(15.2mL、37.9ミリモル)を加えた。その混合物を−78℃で45分間撹拌した後、2−ブロモベンズアルデヒド(6mL、51.8ミリモル)を滴下した。その反応混合物を−78℃で30分間撹拌した後、室温に温めて1時間撹拌した。その混合物の反応をNH
4Cl(飽和水溶液)で消滅させた後、生成物をAcOEtで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCMをヘプタンに0/100から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体44(13.2g、89%の収率)を無色の油として得た。
【0214】
実施例A45
中間体45:5−[(3−ブロモフェニル)カルボニル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0215】
【化59】
【0216】
中間体44(14.5g、33.86ミリモル)を1,4−ジオキサン(150mL)に入れることで生じさせた溶液に二酸化マンガン(15.4g、169.3ミリモル)を加えた。その混合物を120℃で3時間撹拌した。その反応混合物を40℃に冷却した後、ケイソウ土に通して濾過した。溶媒を真空下で蒸発させることで中間体45(25.6g、97%の収率)を白色の固体として得て、これをそのまま次の段階で用いた。
【0217】
実施例A46
中間体46:5−[(3−ブロモフェニル)[(t−ブチルスルフィニル)イミノ]メチル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0218】
【化60】
【0219】
中間体45(10g、23.46ミリモル)と2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(3.128g、25.81ミリモル)をトルエン(140mL)に入れることで生じさせた混合物に窒素下でチタン(IV)イソプロポキサイド(11.35mL、46.9ミリモル)を加えた。その混合物を110℃で8時間撹拌した。その混合物を冷却した後、食塩水に急速撹拌しながら注ぎ込んだ。その混合物をケイソウ土に通して濾過した後、濾過ケーキをAcOEtで洗浄した。その濾液を分液漏斗に移し、その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体46(4g、32%の収率)を黄色の油として得た。
【0220】
実施例A47
中間体47:ラセミ−5−[1−(3−ブロモフェニル)−1−[(t−ブチルスルフィニル)アミノ]エチル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0221】
【化61】
【0222】
中間体46(4g、7.56ミリモル)をTHF(56mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液に窒素下でメチルマグネシウムブロマイド(ジエチルエーテル中3M、6.3mL、18.89ミリモル)を加えた。その混合物を−78℃で30分間撹拌した後、室温に温めて18時間撹拌した。その反応混合物の反応をNH
4Cl(飽和水溶液)で消滅させた後、生成物をDCMで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から100/0)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体47(3.6g、87%の収率)を無色の油として得たが、これは放置すると固化した。
【0223】
実施例A48
中間体48:ラセミ−5−[1−アミノ−1−(3−ブロモフェニル)エチル]−N,N
−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0224】
【化62】
【0225】
中間体47(3.6g、6.6ミリモル)をMeOH(5mL)に入れることで生じさせた溶液にジオキサン中4Mの塩酸(24.7mL、99ミリモル)を加えた後、その混合物を密封型管に入れて80℃で18時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。その残留物をNaHCO
3(飽和水溶液)の中に注ぎ込んだ後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノールをDCMに0/100から2/98)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体48(1.5g、54%の収率)を淡黄色の固体として得た。
【0226】
実施例A49
中間体49:ラセミ−N−{1−(3−ブロモフェニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]エチル}−2−クロロアセトアミドの製造
【0227】
【化63】
【0228】
中間体48(1.5g、4.49ミリモル)をDCM(20mL)に入れることで生じさせた溶液にDIPEA(1.9mL、11.2ミリモル)を加えた後、その混合物を氷浴で冷却した。次に、クロロアセチルクロライド(0.429mL、5.38ミリモル)を加えた後の混合物を0℃で3時間撹拌した。その混合物をNH
4Cl(飽和水溶液)で希釈した後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から30/70)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体49(1.1g、60%の収率)を淡黄色の固体として得た。
【0229】
実施例A50
中間体50:ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0230】
【化64】
【0231】
水素化ナトリウム(0.214g、5.36ミリモル)をTHF(40mL)に入れることで生じさせた0℃の懸濁液に窒素下で中間体49(1.1g、2.68ミリモル)をTHF(40mL)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。その混合物を0℃で1時間撹拌した。その混合物を水で希釈した後、生成物をDCMで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から20/80)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体50(0.92g、92%の収率)を白色の固体として得た。
【0232】
実施例A51
中間体51:ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0233】
【化65】
【0234】
中間体50(0.92g、2.46ミリモル)をピリジン(10mL)に入れることで生じさせた溶液に五硫化燐(0.82g、3.69ミリモル)を加えた後、その混合物を90℃に18時間加熱した。その反応混合物を真空下で濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;AcOEtをDCMに0/100から100/0)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体51(0.27g、28%の収率)を淡黄色の固体として得た。
【0235】
実施例A52
中間体52:ラセミ−4−(3−ブロモフェニル)−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0236】
【化66】
【0237】
中間体51(0.27g、0.69ミリモル)をEtOH中2Mのアンモニア(6mL)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながらこれにNH
4Cl(0.148g、2.77ミリモル)を加えた後、その混合物を80℃に18時間加熱した。溶媒を真空下で除去した後、その残留物をDCMに入れて懸濁させて、水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から2/98)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体52(0.195g、75%の収率)をベージュ色の固体として得た。
【0238】
実施例A53
中間体53:ラセミ−5−[(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0239】
【化67】
【0240】
中間体53の合成を実施例A44に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体43(17g、69.9ミリモル)を用いて出発することで中間体53を無色の油(28g、76%の収率)として得た。
【0241】
実施例A54
中間体54:ラセミ−5−[(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0242】
【化68】
【0243】
中間体54の合成を実施例A45に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体53(28g、53.3ミリモル)を用いて出発することで中間体54を白色の固体(25.6g、97%の収率)として得て、これをそのまま次の段階で用いた。
【0244】
実施例A55
中間体55:ラセミ−5−[(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)[(t−ブチルスルフィニル)イミノ]メチル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0245】
【化69】
【0246】
中間体55の合成を実施例A46に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体54(25.6g、57.6ミリモル)を用いて出発することで中間体55を淡黄色の固体(21g、67%の収率)として得た。
【0247】
実施例A56
中間体56:ラセミ−5−[1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−[(t−ブチルスルフィニル)アミノ]エチル]−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−スルホンアミドの製造
【0248】
【化70】
【0249】
中間体56の合成を実施例A47に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体55(21g、38.36ミリモル)を用いて出発することで中間体56を無色の油(19g、88%の収率)として得たが、これは放置すると固化した。
【0250】
実施例A57
中間体57:ラセミ−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]エタンアミンの製造
【0251】
【化71】
【0252】
中間体56(18.7g、33.2ミリモル)にメタノール中1.25Mの塩酸(159mL、199ミリモル)を加えた後、その混合物を密封型管に入れて60℃で3時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。その残留物をNaHCO
3(飽和水溶液)の中に注ぎ込んだ後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることで中間体57(11.5g、98%の収率)を淡黄色の固体として得て、これをさらなる精製なしにそのまま次の段階で用いた。
【0253】
実施例A58
中間体58:ラセミ−N−{1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]エチル}−2−クロロアセトアミドの製造
【0254】
【化72】
【0255】
中間体58の合成を実施例A49に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体57(11.5g、32.66ミリモル)を用いて出発することで中間体58を淡黄色の固体(6.6g、47%の収率)として得た。
【0256】
実施例A59
中間体59:ラセミ−4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0257】
【化73】
【0258】
中間体59の合成を実施例A50に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体58(6.6g、15.4ミリモル)を用いて出発することで中間体59を白色の固体(6g、99%の収率)として得た。
【0259】
実施例A60
中間体60:ラセミ−4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0260】
【化74】
【0261】
中間体59(4g、10.2ミリモル)をジオキサン(80mL)に入れることで生じさせた溶液に五硫化燐(2.27g、10.2ミリモル)を加えた後、その混合物を80℃に18時間加熱した。その反応混合物をケイソウ土に通して濾過した。次に、その濾液に蒸発を真空下で受けさせた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCM)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体60(2.3g、55%の収率)を淡黄色の固体として得た。
【0262】
実施例A61
中間体61:ラセミ−4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0263】
【化75】
【0264】
中間体61の合成を実施例A52に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体60(2g、4.9ミリモル)を用いて出発することで中間体61を白色の固体(1.5g、78%の収率)として得た。
【0265】
実施例A62
中間体62:ラセミ−4−[5−(ベンズヒドリリデンアミノ)−2−フルオロフェニル]−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0266】
【化76】
【0267】
中間体62の合成を実施例A15に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体61(0.67g、1.59ミリモル)を用いて出発することで中間体62を淡黄色の固
体(0.53g、67%の収率)として得た。
【0268】
実施例A63
中間体63:ラセミ−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0269】
【化77】
【0270】
中間体63の合成を実施例A16に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体62(0.525g、1.07ミリモル)を用いて出発することで中間体63を淡黄色の固体(0.225g、64%の収率)として得た。
【0271】
実施例A64
中間体64:(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)(オキソ)酢酸の製造
【0272】
【化78】
【0273】
5’−ブロモ−2’−フルオロアセトフェノン[(CAS 198477−89−3)、70g、322ミリモル)および二酸化セレン(71.6g、645ミリモル)をピリジン(520mL)に溶解させた。その反応混合物を100℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、1NのHCl水溶液を加えた。その水層にEtOAcを用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にして乾燥(Mg
2SO
4)させ、濾過した後、真空下で濃縮することで中間体64(62g、78%の収率)を得て、これをそのまま次の反応で用いた。
【0274】
実施例A65
中間体65:(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)(オキソ)酢酸t−ブチルの製造
【0275】
【化79】
【0276】
中間体64(50g、202ミリモル)をトルエン(500mL)に入れることで生じさせた溶液を0℃で撹拌しながらこれに塩化チオニル(72g、607ミリモル)を滴下した。その混合物を60℃で1.5時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。DCMを加えた後の混合物を再び真空下で濃縮した。粗生成物をDCM(100mL)に溶解させた。t−ブタノール(30g、404ミリモル)、ピリジン(16mL、202ミリモル)および無水DCM(100mL)を注意深く加えた。その混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCM)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体65(45.5g、74%の収率)を得た。
【0277】
実施例A66
中間体66:(S)−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)[(t−ブチルスルフィニル)イミノ]酢酸1−メチルエチルの製造
【0278】
【化80】
【0279】
中間体65(43g、142ミリモル)と(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(25.8g、212ミリモル)をn−ヘプタン(1000mL)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながらこれにチタン(IV)イソプロポキサイド(85mL、283ミリモル)を加えた。その混合物を80℃で18時間撹拌した。その混合物に濃縮を真空下である程度受けさせた後、EtOAcによる希釈を受けさせた。その混合物を室温に冷却した後、水を加えた。その結果として得た混合物の濾過をケイソウ土の詰め物を用いて行った後、EtOAcそして水で濯いだ。有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、真空下で濃縮した。その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離剤:n−ヘプタン/EtOAcを90/10から80/20)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体66(44g、79%の収率)を得た。
【0280】
実施例A67
中間体67:(2R)−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−[[(S)−t−ブチルスルフィニル]アミノ]−2−シクロプロピル酢酸イソプロピルの製造
【0281】
【化81】
【0282】
中間体66をDCM(388mL)に入れることで生じさせた溶液を−78℃で撹拌しながらこれにシクロプロピルマグネシウムブロマイド(0.5M、174mL、87ミリ
モル)を滴下した。その混合物を前記温度で30分間撹拌した後、飽和NH
4Cl溶液に続いて水を添加することで反応を消滅させた。その混合物にDCMを用いた抽出を受けさせた。有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させることで中間体67(26.4g、98%の収率)を黄色がかった油として得て、それをそのまま次の段階で用いた。
【0283】
実施例A68
中間体68:(2R)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−シクロプロピル酢酸イソプロピルの製造
【0284】
【化82】
【0285】
中間体67(23.9g、55ミリモル)をジオキサン中4MのHCl溶液(27mL)に入れることで生じさせた溶液を室温で15分間撹拌した。溶媒を真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAcに溶解させた後、飽和NaHCO
3を加えた。その混合物を1時間撹拌した。有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、真空下で濃縮することで中間体68(16.6g、91%の収率)を黄色がかった油として得て、それをそのまま次の段階で用いた。
【0286】
実施例A69
中間体69:(2R)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−シクロプロピル−エタノールの製造
【0287】
【化83】
【0288】
中間体68(16.6g、50.2ミリモル)をTHF(346mL)に入れることで生じさせた溶液を−15℃で撹拌しながらこれに水素化リチウムアルミニウム(THF中1M、38mL、38ミリモル)を滴下した。その混合物を1時間撹拌しながらゆっくりと0℃に温めた。この混合物に固体状のNa
2SO
4十水化物を気体の発生がそれ以上観察されなくなるまで加えた。その混合物を室温で30分間撹拌した。その混合物の濾過をケイソウ土の詰め物を用いて行った後、THFで濯いだ。有機層を集めて真空下で蒸発乾固させた後、その結果として得た粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;MeOH中7MのNH
3/DCMを0/100から3/97)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体69(13.7g、定量的収率)を黄色の油として得た。
【0289】
実施例A70
中間体70:[(1R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−シクロプロピル−2−ヒドロキシエチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0290】
【化84】
【0291】
中間体70の合成を実施例A5に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体69(4.35g、6.03ミリモル)を用いて出発することで中間体70を黄色の油(3.29g)として得たが、これは放置すると固化した。
【0292】
実施例A71
中間体71:[(1R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−シクロプロピル−2−オキソエチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0293】
【化85】
【0294】
中間体71の合成を実施例A6に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体70(4.52g、12.08ミリモル)を用いて出発することで中間体71を淡黄色の油(4g、89%の収率)として得た。
【0295】
実施例A72
中間体72:[(1R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−シクロプロピル−2−ヒドロキシブト−3−イン−1−イル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0296】
【化86】
【0297】
中間体72の合成を実施例A7に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体71(4g、10.75ミリモル)を用いて出発することで中間体72をジアステレオ異性体混合物(3.9g、91%の収率)として油の状態で得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0298】
実施例A73
中間体73:[(1R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−シクロプロピル−2−オキソブト−3−イン−1−イル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0299】
【化87】
【0300】
中間体73の合成を実施例A8に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体72(3.9g、9.8ミリモル)を用いて出発することで中間体73を黄色の油(3.4g、88%の収率)として得た。
【0301】
実施例A74
中間体74:N−[(R)−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−シクロプロピル−(1H−ピラゾール−3−イル)メチル]カルバミン酸t−ブチルの製造
【0302】
【化88】
【0303】
中間体74の合成を実施例A9に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体73(3.4g、8.58ミリモル)を用いて出発することで中間体74を発泡体(3.45g、98%の収率)として得た。
【0304】
実施例A75
中間体75:(R)−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−シクロプロピル−(1H−ピラゾール−3−イル)メタンアミンの製造
【0305】
【化89】
【0306】
中間体75の合成を実施例A10に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体74(3.45g、8.41ミリモル)を用いて出発することで中間体75を黄色の発泡体(2.85g)として得て、これをさらなる精製なしに次の段階で用いた。
【0307】
実施例A76
中間体76:N−[(R)−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−シクロプロピル−(1H−ピラゾール−3−イル)メチル]−2−クロロ−アセトアミドの製造
【0308】
【化90】
【0309】
中間体76の合成を実施例A11に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体75(2.8g、9.03ミリモル)を用いて出発することで中間体76を固体(1.03g、30%の収率)として得た。
【0310】
実施例A77
中間体77:(R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−シクロプロピル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−オンの製造
【0311】
【化91】
【0312】
中間体77の合成を実施例A12に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体76(0.765g、1.98ミリモル)を用いて出発することで中間体77を白色の固体(0.52g、75%の収率)として得た。
【0313】
実施例A78
中間体78:(R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−シクロプロピル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−チオンの製造
【0314】
【化92】
【0315】
中間体78の合成を実施例A13に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体77(0.62g、1.77ミリモル)を用いて出発することで中間体78を淡赤色の固体(0.46g、70%の収率)として得た。
【0316】
実施例A79
中間体79:(R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−シクロプロピル−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0317】
【化93】
【0318】
中間体78(0.46g、1.26ミリモル)をメタノール中7Nのアンモニア溶液(7mL、49ミリモル)に入れることで生じさせた混合物を密封型管内で撹拌しながらこれに32%のアンモニア水溶液(3mL、50.7ミリモル)を加えた。その混合物を70℃で8時間撹拌した。室温に冷却した後の混合物を水およびNa
2CO
3(飽和水溶液)で希釈した後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(Na
2SO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から2/98から3/97から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで中間体79(0.34g、78%の収率)を黄色の発泡体として得た。
【0319】
実施例A80
中間体80:(R)−4−[5−(ベンズヒドリリデンアミノ)−2−フルオロフェニル]−4−シクロプロピル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0320】
【化94】
【0321】
中間体80の合成を実施例A15に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体79(0.34g、0.974ミリモル)を用いて出発することで中間体80を黄色の固体(0.38g、61%の収率)として得た。
【0322】
実施例A81
中間体81:(R)−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−シクロプロピル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0323】
【化95】
【0324】
中間体81の合成を実施例A16に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体80(0.38g、0.845ミリモル)を用いて出発することで中間体81を淡黄色の固体(0.16g、66%の収率)として得た。
【0325】
最終的化合物の製造
実施例B1
化合物1:ラセミ−4−メチル−4−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0326】
【化96】
【0327】
中間体28(0.026g、0.081ミリモル)をEtOH(3mL)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれにNH
4Cl(0.007g、0.121ミリモル)を加えた後、その混合物を75℃に18時間加熱した。溶媒を真空下で除去した後、その残留物をDCMに溶解させて、水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をAcOEtに0/100から20/80)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで化合物1(0.02g、81%の収率)を淡黄色の固体として得た。
【0328】
実施例B2
化合物2:ラセミ−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0329】
【化97】
【0330】
化合物2の合成を実施例B1に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体30(0.1g、0.285ミリモル)を用いて出発することで化合物2を白色の固体(0.06g、63%の収率)として得た。
【0331】
実施例B3
化合物3:ラセミ−N−[3−(6−アミノ−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)フェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミドの製造
【0332】
【化98】
【0333】
5−クロロ−2−ピリジンカルボン酸(0.15g、0.96ミリモル)とHATU(0.40g、1.04ミリモル)をDCM(15mL)に入れることで生じさせた懸濁液にN,N−ジメチルアニリン(0.24mL、1.92ミリモル)を加えた。その混合物を室温で10分間撹拌した。次に、中間体16(0.21g、0.87ミリモル)を加えた後の混合物を室温で18時間撹拌した。その混合物をNH
4Cl(飽和水溶液)で希釈した後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から5/95)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで化合物3(0.070g、21%の収率)を白色の固体として得た。
【0334】
実施例B4
化合物4:ラセミ−4−(2,4−ジフルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0335】
【化99】
【0336】
中間体32(0.15g、0.44ミリモル)とピリミジン−5−ボロン酸(0.16g、1.32ミリモル)と炭酸カリウム(0.18g、1.32ミリモル)を1,4−ジオキサン(4mL)とエタノール(0.4mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で撹拌しながらこれに窒素下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.025g、0.02ミリモル)を加えた。その混合物をマイクロ波照射下において150℃で30分間撹拌した。次に、その混合物を水で希釈した後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から3/97)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで化合物4(0.081g、54%の収率)を白色の固体として得た。
【0337】
実施例B5
化合物7:(R)−4−(3’−メトキシビフェニル−3−イル)−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0338】
【化100】
【0339】
中間体42(0.15g、0.49ミリモル)と5−メトキシピリジン−3−ボロン酸(0.23g、1.48ミリモル)と炭酸カリウム(0.20g、1.48ミリモル)を1,4−ジオキサン(4mL)とエタノール(0.4mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で撹拌しながらこれに窒素下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.028g、0.025ミリモル)を加えた。その混合物をマイクロ波照射下において150℃で30分間撹拌した。次に、その混合物を水で希釈した後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から3/97)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮することで化合物7(0.12g、73%の収率)を白色の固体として得た。
【0340】
実施例B6
化合物10:(S*)−N−[3−(6−アミノ−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミドと化合物11:(R*)−N−[3−(6−アミノ−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミドアミンの製造
【0341】
【化101】
【0342】
ラセミ−5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−(6−アミノ−4−メチル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミドのサンプル(0.182g)にChiralpak(商標)AD Daicelカラム(10μm、4.6x250mm)使用調製用SFCによる分離を35℃で流量を3.0ml/分にして受けさせることで相当する鏡像異性体を得た。可動相をCO
2、50%のエタノール、50%のEtOH(iPrNH
2を0.3%含有)にして7分間保持することで化合物11(0.07g、38%の収率)と化合物10(0.06g、33%の収率)を得た。
【0343】
実施例B7
化合物21:ラセミ−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンと化合物22:(R*)−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イ
ル)−フェニル]−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンと化合物23:(S*)−4−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0344】
【化102】
【0345】
中間体52(0.2g、0.54ミリモル)と5−メトキシピリジン−3−ボロン酸(0.163g、1.07ミリモル)と炭酸カリウム(0.222g、1.61ミリモル)を1,4−ジオキサン(6mL)とエタノール(0.6mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で撹拌しながらこれに窒素下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.031g、0.027ミリモル)を加えた。その混合物を80℃で24時間撹拌した。次に、その混合物を水で希釈した後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO
4)させ、濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液をDCMに0/100から3/97)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮した。その残留物をジエチルエーテルと一緒にしてすり潰し、音波処理し、濾過した後、真空下50℃で乾燥させることで化合物21(0.13g、60%の収率)を白色の固体として得た。次に、このラセミ化合物に精製をChiralpak(商標)AD−Hカラム(20x250mm)使用調製用SFCで可動相(CO
2、iPrNH
2が0.3%のiPrOH)を用いて受けさせることで化合物22(0.047g、22%の収率)と化合物23(0.051g、24%の収率)を高純度の鏡像異性体(両方とも固体状化合物)として得た。
【0346】
実施例B8
化合物24:ラセミ−4−[5−(5−クロロピリジン−3−イル)−フルオロフェニル]−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンと化合物25:(R*)−4−[5−(5−クロロピリジン−3−イル)−フルオロフェニル]−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンと化合物26:(S*)−4−[5−(5−クロロピリジン−3−イル)−フルオロフェニル]−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−アミンの製造
【0347】
【化103】
【0348】
化合物24の合成を実施例B7に記述した方策と同じ方策に従って実施した。中間体61(0.3g、0.77ミリモル)を用いて出発することで化合物24を白色の固体(0.21g、64%の収率)として得た。次に、このラセミ化合物に精製をChiralpak(商標)AD−Hカラム(20x250mm)使用調製用SFCで可動相(CO
2、iPrNH
2が0.3%のiPrOH)を用いて受けさせることで化合物25(0.089g、27%の収率)と化合物26(0.092g、28%の収率)を高純度の鏡像異性体(両方とも固体状化合物)として得た。
【0349】
実施例B9
化合物27:ラセミ−N−{3−[6−アミノ−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル]−4−フルオロフェニル}−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミドと化合物28:(R*)−N−{3−[6−アミノ−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル]−4−フルオロフェニル}−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミドと化合物29:(S*)−N−{3−[6−アミノ−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル]−4−フルオロフェニル}−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミドの製造
【0350】
【化104】
【0351】
3,5−ジクロロ−2−ピリジンカルボン酸(0.54g、0.81ミリモル)をMeOH(4mL)に溶解させた後、DMTMM(0.223g、0.81ミリモル)を加えた。その混合物を5分間撹拌した後、中間体63(0.22g、0.67ミリモル)をMeOH(4mL)に入れることで生じさせた溶液を0℃で加えて、その混合物を更に4時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液/DCMを0/100から5/95)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮した。その残留物をDIPEから結晶化させることで化合物27(0.124g、37%の収率)を白色の固体として得た。次に、このラセミ化合物に精製をChiralpak(商標)AD−Hカラム(20x250mm)使用調製用SFCで可動相(CO
2、iPrNH
2が0.3%のiPrOH)を用いて受けさせることで化合物28(0.038g、11%の収率)と化合物29(0.036g、11%の収率)を高純度の鏡像異性体(両方とも固体状化合物)として得た。
【0352】
実施例B10
化合物33:(R)−N−{3−[6−アミノ−4−シクロプロピル−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル]−4−フルオロフェニル}−5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−カルボキサミドの製造
【0353】
【化105】
【0354】
5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−カルボン酸(0.052g、0.26ミリモル)をMeOH(1.5mL)に溶解させた後、DMTMM(0.086g、0.31ミリモル)を加えた。その混合物を5分間撹拌した後、中間体81(0.074g、0.26ミリモル)をMeOH(1.5mL)に入れることで生じさせた溶液を0℃で加えて、その混合物を更に24時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール中7Mのアンモニア溶液/DCMを0/100から5/95)で精製した。所望画分を集めた後、真空下で濃縮した。その残留物を真空下で乾燥させることで化合物33(0.084g、73%の収率)を白色の固体として得た。
【0355】
【表1】
【0356】
【表2】
【0357】
【表3】
【0358】
【表4】
【0359】
C.分析部分
LCMS
本発明の化合物が示す(LC)MS特徴付けに関しては下記の方法を用いた。
【0360】
一般的手順A
脱気装置付きポンプ(4式または2式)、オートサンプラー、カラムオーブン、ダイオードアレイ検出器(DAD)および個々の方法に指定する如きカラムを含有して成るHP
1100(Agilent Technologies)装置を用いてHPLC測定を実施した。MS検出器にはエレクトロスプレーイオン化源が備わっていた。源の温度を140℃または100℃のいずれかに維持した。窒素をネブライザーガスとして用いた。データの取得をMassLynx−Openlynxソフトウエア(Waters)を用いて実施した。
【0361】
一般的手順B
サンプラーオーガナイザー、脱気装置付き2式ポンプ、4個のカラム用のオーブン、ダイオードアレイ検出器(DAD)および個々の方法に指定する如きカラムを含有して成るAcquity UPLC(Waters)装置を用いてUPLC(超性能液クロ)測定を実施した。MS検出器にはESCI二重イオン化源(大気圧化学イオン化と組み合わされたエレクトロスプレー)が備わっていた。窒素をネブライザーガスとして用いた。源の温度を140℃に維持した。データの取得をMassLynx−Openlynxソフトウエア(Waters)を用いて実施した。
【0362】
一般的手順C
脱気装置付き2式ポンプ、オートサンプラー、ダイオードアレイ検出器(DAD)および以下の個々の方法に指定する如きカラム(カラムを40℃の温度に保持)を含有して成るUPLC(超性能液クロ)Acquity (Waters)装置を用いてLC測定を実施した。カラムから出てきた流れをMS検出器に送った。MS検出器にはエレクトロスプレーイオン化源が備わっていた。毛細管針の電圧を3kVにしそしてQuattro(Watersの三連四重極質量分析計)の源の温度を130℃に維持した。窒素をネブライザーガスとして用いた。データの取得をMassLynx−Openlynxソフトウエア(Waters)を用いて実施した。
【0363】
方法1:
一般的手順Aに加えて、逆相HPLCをAgilentのEclipse Plus−
C18カラム(3.5μm、2.1x30mm)を用いて流量を1.0ml/分にして60℃で実施した。用いた勾配条件は下記である:A(0.5g/lの酢酸アンモニウム溶液+5%のアセトニトリル)が95%でB(アセトニトリル)が5%から5.0分かけてBが100%にして5.15分間維持しそして5.3分の時に初期条件に平衡状態にして7.0分間置く。注入体積2μl。0.3秒の滞留時間を用いて100から750まで0.5秒で走査することによって高解像度質量スペクトル(飛行時間、TOF検出器)を取得した。毛細管針の電圧を正イオン化モードの場合には2.5kVにしそして負イオン化モードの場合には2.9kVにした。コーン電圧を正および負両方のイオン化モードで20Vにした。ロイシン−エンケファリンがロック質量校正で用いた標準物質であった。
【0364】
方法2:方法1と同じHPLC勾配
0.1秒の滞留時間を用いて100から750まで0.5秒で走査することによって高解像度質量スペクトル(飛行時間、TOF検出器)を正イオン化モードでのみ取得した。毛細管針の電圧を正イオン化モードの場合には2.5kVにしそしてコーン電圧を20Vにした。ロイシン−エンケファリンがロック質量校正で用いた標準物質であった。
【0365】
方法3:
一般的手順Aに加えて、逆相HPLCをAgilentのEclipse Plus−C18カラム(3.5μm、2.1x30mm)を用いて流量を1.0ml/分にして60℃で実施したが、MS検出器への分割を行わなかった。用いた勾配条件は下記である:A(0.5g/lの酢酸アンモニウム溶液+5%のアセトニトリル)が95%でB(アセトニトリル/メタノールが1/1の混合物)が5%を2分間維持し、3.0分かけてBが100%にして3.15分間維持しそして3.30分の時に初期条件に平衡状態にして5.0分間置く。注入体積2μl。0.08秒のチャンネル間遅延を用いて100から1000まで0.1秒で走査することによって低解像度質量スペクトル(単一四重極、SQD検出器)を取得した。毛細管針の電圧を3kVにした。コーン電圧を正イオン化モードの場合には20Vと50Vにしそして負イオン化モードの場合には30Vにした。
【0366】
方法4:
一般的手順Bに加えて、逆相UPLCをAgilentのRRHD Eclipse Plus−C18カラム(1.8μm、2.1x50mm)を用いて流量を1.0ml/分にして50℃で実施したが、MS検出器への分割を行わなかった。用いた勾配条件は下記である:A(0.5g/lの酢酸アンモニウム溶液+5%のアセトニトリル)が95%でB(アセトニトリル)が5%を3.8分かけてAが40%でBが60%にし、4.6分かけてAが5%でBが95%にして5分間維持した。注入体積2μl。0.08秒のチャンネル間遅延を用いて100から1000まで0.1秒で走査することによって低解像度質量スペクトル(単一四重極、SQD検出器)を取得した。毛細管針の電圧を3kVにした。コーン電圧を正イオン化モードの場合には25Vにしそして負イオン化モードの場合には30Vにした。
【0367】
方法5:方法4と同じ勾配、使用カラム:AgilentのRRHD Eclipse Plus−C18(1.8μm、2.1x50mm)。
【0368】
方法6:
一般的手順Cに加えて、逆相UPLCをWaters Acquity BEH(橋状エチルシロキサン/シリカハイブリッド)Phenyl−Hexylカラム(1.7μm、2.1x100mm)を用いて流量を0.343ml/分にして実施した。2種類の可動相(可動相A:7mMの酢酸アンモニウムが95%/アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリルが100%)を用いてAが84.2%でBが15.8%(0.49分間維持)から2.18分かけてAが10.5%でBが89.5%にして1.94分間維持し
そして0.73分かけて初期条件に戻して0.73分間維持する勾配条件で流した。2mlの注入体積を用いた。コーン電圧を正および負イオン化モードで20Vにした。0.1秒の走査間遅延を用いて100から1000まで0.2秒で走査することで質量スペクトルを取得した。
【0369】
方法7:
一般的手順Aに加えて、逆相HPLCをAgilentのEclipse Plus−C18カラム(3.5μm、2.1x30mm)を用いて流量を1.0ml/分にして60℃で実施したが、MS検出器への分割を行わなかった。用いた勾配条件は下記である:A(0.5g/lの酢酸アンモニウム溶液+5%のアセトニトリル)が95%でB(アセトニトリル/メタノールが1/1の混合物)が5%から5.0分かけてBが100%にして5.15分間維持しそして5.30分の時に初期条件に平衡状態にして7.0分間置く。注入体積2μl。0.08秒のチャンネル間遅延を用いて100から1000まで0.1秒で走査することによって低解像度質量スペクトル(単一四重極、SQD検出器)を取得した。毛細管針の電圧を3kVにした。コーン電圧を正イオン化モードの場合には20Vにしそして負イオン化モードの場合には30Vにした。
【0370】
融点
値はピーク値または溶融範囲のいずれかであり、そして得る値はこの分析方法に通常関連した実験不確かさを伴う。
【0371】
Mettler FP 81HT/FP90装置(表3中にFP90で示す)
いろいろな化合物が示す融点の測定をMettler FP81HT/FP90装置に備わっている開放毛細管内で実施した。融点の測定を1、3、5または10℃/分の温度勾配で実施した。最大温度を300℃にした。融点をデジタルディスプレーで読み取った。
【0372】
【表5】
【0373】
【表6】
【0374】
旋光
旋光の測定をナトリウムランプが備わっているPerkin−Elmer 341偏光計を用いて実施した。
【0375】
【表7】
【0376】
SFCMS−方法:
SFC−MS方法の一般的手順
SFC測定をBerger Instruments(Newark、DE、USA)のAnalytical SFC装置を用いて実施したが、それには、二酸化炭素(CO
2)および修飾剤を送るためのFCM−12002式ポンプ流体制御モジュール、CTC
Analytics自動液体サンプラー、カラムを室温から80℃にまで加熱するためのTCM−20000熱制御モジュールが備わっていた。400バールまで耐える高圧フローセルが備わっているAgilent 1100 UV光ダイオードアレー検出器を用いた。カラムから出る流れを分割してMS分光計に送った。MS検出器には大気圧イオン化源が備わっていた。Waters ZQ質量分光光度計では下記のイオン化パラメーターを用いる:コロナ:9μa、源の温度:140℃、コーン:30V、プローブの温度:450℃、抽出器:3V、脱溶媒和ガス:400L/時、コーンガス:70L/時。窒素をネブライザーガスとして用いた。データの取得をWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0377】
方法1:
一般的手順に加えて、SFCにおけるキラル分離をCHIRALPAK AD DAICELカラム(10μm、4.6x250mm)を用いて流量を3.0ml/分にして35℃で実施した。可動相はCO
2であり、エタノールが50%でEtOH(iPrNH
2を0.3%含有)が50%を7分間保持。
【0378】
方法2:
一般的手順Aに加えて、SFCにおけるキラル分離をCHIRALPAK AD DAICELカラム(10μm、4.6x250mm)を用いて流量を3.0ml/分にして35℃で実施した。可動相はCO
2であり、メタノール(iPrNH
2を0.3%含有)が20%を7分間保持。
【0379】
方法3:
一般的手順Aに加えて、SFCにおけるキラル分離をCHIRALPAK AD DAICELカラム(10μm、4.6x250mm)を用いて流量を3.0ml/分にして35℃で実施した。可動相はCO
2であり、イソプロパノール(iPrNH
2を0.3%含有)が25%を7分間保持。
【0380】
方法4:
一般的手順Aに加えて、SFCにおけるキラル分離をCHIRALPAK AD DAICELカラム(10μm、4.6x250mm)を用いて流量を3.0ml/分にして35℃で実施した。可動相はCO
2であり、エタノール(iPrNH
2を0.3%含有)が30%を7分間保持。
【0381】
【表8】
【0382】
薬理学的実施例
本発明に示す化合物はβ−サイトAPP開裂酵素1(BACE1)の阻害剤である。BACE1、即ちアスパラギン酸プロテアーゼの阻害はアルツハイマー病(AD)の治療に関係していると考えている。β−アミロイド前駆体蛋白質(APP)からβ−アミロイドペプチド(Aβ)が生成して蓄積すると、それはADの発症および進行で鍵となる役割を果たすと考えている。アミロイド前駆体蛋白質(APP)のAβドメインのN末端およびC末端のそれぞれがβ−セクレターゼおよびγ−セクレターゼによって逐次的に開裂するとAβが生じる。式(I)で表される化合物はその酵素の活性を阻害する能力を有するお陰で実質的にBACE1に影響を与えると予測している。生化学的蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が基になった検定およびSKNBE2細胞を用いた細胞αlisa検定[以下に記述しかつそのような化合物、より特別には式(I)に従う化合物の同定で用いるに適切である]を用いてそのような阻害剤を試験した時の挙動を表1に示す。
【0383】
生化学的FRETが基になった検定
この検定は蛍光共鳴エネルギー移動検定(FRET)が基になった検定である。この検定用の基質はAPPから誘導された13個のアミノ酸から成るペプチドであり、これはアミロイド前駆体蛋白質(APP)β−セクレターゼ開裂部位の「Swedish」Lys−Met/Asn−Leu変異を含有する。この基質はまた2個の蛍光団:(7−メトキシクマリン−4−イル)酢酸(Mca)[これは励起波長が320nmで発光波長が405nmの蛍光ドナーである]および2,4−ジニトロフェニル(Dnp)[これは特許で守られたクエンチャーアクセプターである]を含有する。これらの2つの基の間の距離を光で励起させた時にドナーの蛍光エネルギーが共鳴エネルギー移動でアクセプターによって有意に消光されるように選択した。蛍光団McaはBACE1で開裂を受けると消光基Dnpから分離することで、そのドナーの完全な蛍光収率が回復する。蛍光の増大は蛋白分解速度と直線関係にある(Koike H他、J Biochem.1999、126、235−42)。
【0384】
簡単に述べると、384穴フォーマットに組換え型BACE1蛋白質を1μg/mlの最終濃度になるように入れて、それを10μmの基質と一緒にして、インキュベーション
用緩衝液(40mMのクエン酸塩緩衝剤、pH5.0、0.04%のPEG、4%のDMSO)中で化合物の存在有り無しで室温で120分間インキュベートする。次に、T=0およびT=120の時の蛋白分解の量を蛍光測定(320nmで励起させて405nmで発光)で直接測定する。結果をT120とT0の間の差としてRFUで表す。最小二乗和方法を用いて最良適合曲線を化合物の濃度と対比させたControlmin(%)のプロットに適合させる。これを用いてIC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を得ることができる。
【0385】
LC=低対照値の中央値
=低対照:酵素なし反応
HC=高対照値の中央値
=高対照:酵素あり反応
効果%=100−[(サンプル−LC)/(HC−LC)
*100]
対照%=(サンプル/HC)
*100
Controlmin%=(サンプル−LC)/(HC−LC)
*100
【0386】
以下の例示化合物に試験を本質的に上述したようにして受けさせた結果、それらは下記の活性を示した。
【0387】
【表9】
【0388】
SKNBE2細胞を用いた細胞αlisa検定
2つのαlisa検定で、生じてヒト神経芽細胞腫SKNBE2細胞の培地の中に分泌されるAβtotalおよびAβ42の濃度を量化する。この検定は、野生型アミロイド前駆体蛋白質(hAPP695)を発現するヒト神経芽細胞腫SKNBE2が基になって
いる。当該化合物を希釈し、前記細胞に加え、18時間インキュベートした後、Aβ42およびAβtotalの測定値を得る。AβtotalおよびAβ42の測定をサンドイッチαlisaで実施する。αlisaはストレプトアビジン被覆ビードに結合させておいたビオチニル化抗体AbN/25およびそれぞれAβtotalおよびAβ42を検出するための抗体Ab4G8またはAb42/26と接合させておいた受容体ビードを用いたサンドイッチ検定である。AβtotalまたはAβ42を存在させると前記ビードが近くに寄ってくる。ドナービードを励起させると一重項酸素分子の放出が誘発され、それが受容体ビード内で起こるエネルギー移動のカスケードの引き金になり、その結果として発光が起こる。インキュベーションを1時間行った後に発光を測定する(650nmで励起させて615nmで発光)。
【0389】
最小二乗和方法を用いて最良適合曲線を化合物の濃度と対比させたControlmin(%)のプロットに適合させる。これを用いてIC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を得ることができる。
【0390】
LC=低対照値の中央値
=低対照:αlisaで化合物もビオチニル化Abも用いないで予備インキュベートした細胞
HC=高対照値の中央値
=高対照:化合物なしに予備インキュベートした細胞
効果%=100−[(サンプル−LC)/(HC−LC)
*100]
対照%=(サンプル/HC)
*100
Controlmin%=(サンプル−LC)/(HC−LC)
*100
【0391】
以下の例示化合物に試験を本質的に上述したようにして受けさせた結果、それらは下記の活性を示した。
【0392】
【表10】
【0393】
インビボ効力の立証
本発明のAβペプチド減少剤を用いて哺乳動物、例えばヒトにおけるADを治療するこ
とができるか或はヒトモデル、例えばこれらに限定するものでないが、マウス、ラットまたはモルモットなどにおける効力を立証することができる。その哺乳動物がADにかかっていると診断することは不可能であり、またその哺乳動物にADの遺伝的素因を持たせることも不可能であるが、ADに感染したヒトに見られる様式と同様な様式でAβが過剰に生成して最終的に沈着するように遺伝子導入することは可能である。
【0394】
Aβペプチド減少剤を標準的方法のいずれかを用いて標準的形態のいずれかで投与することができる。例えば、これらに限定するものでないが、Aβペプチド減少剤の形態を経口または注射で投与する液体、錠剤またはカプセルの形態にしてもよい。Aβペプチド減少剤を血液、血漿、血清、脳髄液(CSF)または脳内のAβペプチドの濃度が有意に減少するに充分ないずれかの量で投与してもよい。
【0395】
Aβ42ペプチド減少剤を急性投与した時にインビボでAβペプチド濃度が減少するか否かを測定する目的で、遺伝子導入をしていない齧歯類、例えばマウスまたはラットなどを用いた。Aβペプチド減少剤で処置した動物を検査して、未処置または媒体で処置した動物と比較して、可溶Aβ42および総Aβの脳内濃度を標準的技術、例えばELISAなどを用いて量化した。処置時間は数時間(時)から数日間に及んで多様であり、効果開始時間経過が確立できた時点でAβ42減少の結果を基にして処置時間を調整した。
【0396】
Aβ42の減少をインビボで測定する典型的なプロトコルを示すが、それは、検出可能Aβの濃度を最適にする目的で使用可能な数多くの変法のほんの1つである。例えばAβペプチド減少用化合物を20%のヒドロキシプロピルβシクロデキストリンに配合してもよい。一晩絶食させておいた動物にAβペプチド減少剤を1回分の経口投与(p.o.)または1回分の皮下投与(s.c.)として投与した。一定の時間が経過、通常は2または4時間(表19に示すように)経過した後、その動物を屠殺してAβ42濃度を分析した。
【0397】
断頭術およびEDTAで処理しておいた採取用管を用いた放血によって血液を採取した。血液を1900gの遠心分離に4℃で10分間かけることで血漿を回収した後、後で分析する目的で瞬間凍結した。頭蓋および後脳から脳を取り出した。小脳を取り出した後、左脳半球と右脳半球を分離した。左脳半球を試験化合物濃度の定量的分析の目的で−18℃で保存した。右脳半球を燐酸塩緩衝食塩水(PBS)緩衝液で濯いだ後、直ちにドライアイスで凍結して、生化学的検定の目的で均一化を行うまで−80℃で保存した。
【0398】
遺伝子導入をしていない動物から取り出したマウス脳を8倍体積の0.4%DEA(ジエチルアミン)/50mMのNaCl[プロテアーゼ阻害剤(Roche−11873580001または04693159001)を入れておいた]に入れて懸濁させた[例えば0.158gの脳の場合には組織1グラム当たりに0.4%DEAを1.264ml加えた]。あらゆるサンプルに均一化をFastPrep−24装置(MP Biomedicals)内で溶解用マトリクスD(MPBio#6913−100)を用いて6m/秒で20秒間受けさせた。ホモジネートを221.300xgの遠心分離に50分間かけた。次に、その結果として得た高速上澄み液を新鮮なエッペンドルフ管に移した。9部の上澄み液を1部の0.5M Tris−HCl(pH6.8)で中和した後、それを用いてAβtotalおよびAβ42の量化を実施した。
【0399】
脳ホモジネートの可溶画分に入っているAβtotalおよびAβ42の量を量化する目的で酵素免疫測定法を用いた。簡単に述べると、標準[合成Aβ1−40およびAβ1−42(Bachem)の希釈液]の調製を1.5mlのエッペンドルフ管内でUltracultureを用いて最終濃度が10000から0.3pg/mlの範囲になるように実施した。サンプルおよび標準をAβ42検出の場合にはHRPO標識N末端抗体と一
緒にインキュベートしそしてAβtotal検出の場合にはビオチニル化中間ドメイン抗体4G8と一緒にインキュベートした。次に、抗体被覆プレートに接合体/サンプルまたは接合体/標準混合物を50μl加えた[捕捉用抗体は選択的にAβ42のC末端(Aβ42検出の場合には抗体JRF/cAβ42/26)およびAβのN末端(Aβtotal検出の場合には抗体JRF/rAβ/2)を認識する]。抗体−アミロイド複合体が生じるように前記プレートを4℃で一晩インキュベートした。このインキュベーションに続く洗浄段階の後にQuanta Blu蛍光性ペルオキシダーゼ基質を製造業者(Pierce Corp.、Rockford、Il)の指示に従って添加することでAβ42量化のためのELISAを終了した。10から15分後に読み取りを実施した(励起320nm/発光420nm)。
【0400】
Aβtotalの検出では、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ接合体を添加し、60分後に追加的洗浄段階そしてQuanta Blu蛍光性ペルオキシダーゼ基質の添加を製造業者(Pierce Corp.、Rockford、Il)の指示に従って実施した。10から15分後に読み取りを実施した(励起320nm/発光420nm)。
【0401】
このモデルでAβ42が未処置動物に比べて少なくとも20%減少するならば、それは有利なことである。
【0402】
以下の例示化合物に試験を本質的に上述したようにして受けさせた結果、それらは下記の活性を示した。
【0403】
【表11】