(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797758
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】コンピュータ・デバイスのための煙突ベースの冷却機構
(51)【国際特許分類】
H01L 23/467 20060101AFI20151001BHJP
H01L 23/427 20060101ALI20151001BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20151001BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
H01L23/46 C
H01L23/46 B
H05K7/20 D
H05K7/20 H
H05K7/20 G
H05K7/20 R
G06F1/20 B
G06F1/20 C
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-530409(P2013-530409)
(86)(22)【出願日】2011年9月27日
(65)【公表番号】特表2013-545265(P2013-545265A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】US2011053364
(87)【国際公開番号】WO2012047611
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2013年3月26日
(31)【優先権主張番号】2309/DEL/2010
(32)【優先日】2010年9月27日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャリヤ,アナダループ
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジャヤラガヴァン,サンジャイ
【審査官】
麻川 倫広
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−317033(JP,A)
【文献】
特開2002−026555(JP,A)
【文献】
特開2009−231511(JP,A)
【文献】
特開平09−212258(JP,A)
【文献】
特開2008−172128(JP,A)
【文献】
特開2007−122132(JP,A)
【文献】
特開2000−020171(JP,A)
【文献】
特開昭62−106700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/20
H01L23/29
23/34−23/36
23/373−23/427
23/44
23/467−23/473
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ・デバイスの熱放出部品を決定する決定ステップと;
前記熱放出部品に直接的に或いは前記熱放出部品の少なくとも一部を包含するように煙突を連結する連結ステップであって、前記煙突は、前記熱放出部品に関係する空気を前記煙突の一端から他端に向けて案内するように使用される、前記連結ステップと;
前記煙突内の空気を効率的に移動させるために、熱交換器を、前記熱放出部品から離間された状態で前記煙突の一端に設けるとともに、前記熱放出部品と前記熱交換器とを熱輸送装置を用いて接続するステップと;
を含む、
方法。
【請求項2】
空気を案内する案内ステップが、煙突効果を利用して前記煙突の外部に前記熱放出部品に関係する熱気を排除する排除ステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱放出部品が、1つ以上のプロセッサ、及びメモリを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
熱放出部品を有するデータ処理装置と;
前記熱放出部品に直接的に或いは前記熱放出部品の少なくとも一部を包含するように連結された煙突であって、前記熱放出部品に関係する空気を前記煙突の一端から他端に向けて案内する、前記煙突と;
前記煙突内の空気を効率的に移動させるために、前記熱放出部品から離間された状態で前記煙突の一端に設けられた熱交換器であって、前記熱放出部品と前記熱交換機とが熱輸送装置を用いて接続される、熱交換機と;を備える、
装置。
【請求項5】
前記煙突が、ダクトを含み、前記煙突が空気を案内するためのファンをさらに含む、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記熱放出部品が、1つ以上のプロセッサ、及びメモリを含む、
請求項4に記載の装置。
【請求項7】
熱放出部品を有するコンピュータ・システムと;
前記熱放出部品に直接的に或いは前記熱放出部品の少なくとも一部を包含するように連結された煙突であって、前記熱放出部品によって放出された熱に関係する空気を前記煙突の一端から他端に向けて案内する、前記煙突と;
前記煙突内の空気を効率的に移動させるために、前記熱放出部品から離間された状態で前記煙突の一端に設けられた熱交換器であって、前記熱放出部品と前記熱交換機とが熱輸送装置を用いて接続される、熱交換器と;を備える、
システム。
【請求項8】
前記煙突が、ダクトを含み、前記煙突が空気を案内するためのファンをさらに含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記熱放出部品が、1つ以上のプロセッサ、及びメモリを含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記熱輸送装置は、前記熱交換器から前記煙突を介して前記熱放出部品に延びるヒートパイプを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記熱交換器は、前記熱交換器が前記熱放出部品に対して離間された状態で、前記煙突内に配置される、又は前記煙突の外側に配置される、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記熱輸送装置は、前記熱交換器から前記煙突を介して前記熱放出部品に延びるヒートパイプを含む、
請求項4に記載の装置。
【請求項13】
前記熱交換器は、前記熱交換器が前記熱放出部品に対して離間された状態で、前記煙突内に配置される、又は前記煙突の外側に配置される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記熱輸送装置は、前記熱交換器から前記煙突を介して前記熱放出部品に延びるヒートパイプを含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
前記熱交換器は、前記熱交換器が前記熱放出部品に対して離間された状態で、前記煙突内に配置される、又は前記煙突の外側に配置される、
請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して電子デバイスのための冷却ソリューションに関し、より具体的には、コンピュータ・デバイスのための煙突ベースの冷却機構の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータを冷却するための様々なソリューションが存在する。しかしながら、コンピュータを冷却するためのこれらのソリューション(例えば、オールインワン(AIO)型デスクトップコンピュータ)は、ファンやブロアを含む。例えば、典型的なAIOコンピュータは、周囲からの冷気を取込み、取込まれた冷気が順々にコンピュータの発熱した部品上に流されるような1つ以上の送風ファンによって、又はそれら発熱した部品に関係する熱交換器によって冷却され、それら発熱した部品を冷却する。これは、高いアコースティック・ペナルティとコンピュータが接続される電源に対する高い電力消費とが生じる結果となる。さらに、AIOコンピュータは、画面の背部や下部にそのすべての電子デバイスを詰込んでいるので、ファンの高い騒音についての問題はさらに悪化する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による煙突ベースの冷却機構を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の一実施形態による
図1の煙突ベースの冷却機構の側面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、本発明の一実施形態による
図1の煙突ベースの冷却機構の側面図を示す。
【
図2C】
図2Cは、本発明の一実施形態による
図1の煙突ベースの冷却機構の側面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による煙突ベースの冷却機構を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態による
図3の煙突ベースの冷却機構300の側面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、本発明の一実施形態による
図3の煙突ベースの冷却機構300の側面図を示す。
【
図4C】
図4Cは、本発明の一実施形態による
図3の煙突ベースの冷却機構300の側面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態によるファンを使用した煙突ベースの冷却機構を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態によるコンピュータ部品の煙突ベースの冷却プロセスを示す図である。
【
図7】
図7は、煙突ベースの冷却機構を使用することが可能なコンピュータ・システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の実施形態は、例として説明されているが、添付図面の図に限定して説明されるものではない。同様の参照符号が同様の構成要素を示す。
本発明の実施形態は、コンピュータ部品の煙突ベースの冷却機構を提供する。本発明の方法の実施形態は、コンピュータ・デバイスの熱放出部品を決定する決定ステップを含む。この方法はさらに、1つ以上の熱放出部品に煙突を連結する連結ステップであって、煙突の煙突効果によって、煙突の内外の部品に関係する空気が案内される、連結ステップを含む。
【0005】
一実施形態では、煙突は、冷却目的のためにコンピュータにおいて使用され、その煙突によって、ファンやブロアを使用する必要性が排除され、その結果、ファンの騒音の排除と、ファンやブロアに関する消費電力の大幅な削減とがもたらされる。煙突効果(又はスタック効果)は、よく知られた現象であり、家屋や建物等の内部及び外部の空気の浮力によって引き起こされる気体の移動を指称する。煙突効果は、自然対流に関係する空気の移動を増幅させることに関与し、家屋やいくつかの発熱する電化製品等の換気のために頻繁に利用されている。気温差、湿度差等に起因する空気密度の差によって浮力が生じる。典型的に、温度差や構造の高さが大きくなればなる程、浮力や煙突効果も大きくなる。一実施形態では、この煙突効果又はスタック効果が利用され且つ活用されて、コンピュータ内の様々な部品から生じる加熱された空気は、その加熱後の空気密度が、周囲の空気やガスの密度に比べて異なる(すなわち、より小さくなる)ことに起因して、ダクト通路を通じて浮上する。これは、自然通気による気流の流れを最大限促進させ、システム内で発生した熱を放散する効果を増大させる。この技術は、コンピュータ・システムのすべての形式や形態を含む多数の電子デバイスと連動することを企図している。しかし、簡潔に、明確に、及び理解を容易にするために、AIOコンピュータは、本明細書全体を通して例示として記載されている。
【0006】
図1は、本発明の一実施形態による煙突ベースの冷却機構100を示す。例示される実施形態では、複数の熱放出部品を有するコンピュータ・システムのマザーボード150が示される。簡潔に、簡易に、及び理解を容易にするために、中央演算処理装置(CPU)112と、AIOコンピュータのマザーボード150のメモリ114とが示されている。一実施形態では、単一の煙突122と124とが、それぞれ、CPU112とメモリ114との上に設置される。一実施形態では、例示されるように、煙突122,124は、それら煙突の吸気口102を通じて冷気132,134を吸込む又は受取り、そして、それら煙突の排気口104を通じて(CPU112、メモリ114によって生成された)熱気142,144を吐出する又は放出する。この空気の移動は、2つの煙突112,114の煙突効果又はスタック効果によって実現される。
【0007】
図2A〜2Cに関して説明されるように、煙突122,124は、金属からプラスチックの(適当且つ必要と認められる)範囲に及ぶ任意の材料から作製することができ、そして、部品112,114との直接接触を確立することによって、又はそれら部品のスプレッダーや熱交換器(HXs)を介して、又はいくつかの他の同様の方法によって、それら煙突と対応する部品112,114と熱接触を持たせることができる。簡潔にするために、熱交換器(HX)は、例示として、本明細書で使用されている。一実施形態では、煙突効果は、従来のいかなるファンやブロアをインストールする必要性なしに、容易に、規律を持って、そして効率的に冷気132,134と熱気142,144との空気の移動を煙突122,124内部に導く。さらに、単一の煙突は、1つ以上の部品に対して使用されることがある。例えば、CPU112のように高い発熱量の部品に対して、例示される単一の大きな煙突122が適切な場合もあるが、より小さい又はあまり頻繁に使用されない低い発熱量の部品に対して、単一の煙突は、そのような低い発熱量の複数の部品に対して十分対応でき得る。
【0008】
図2A〜2Cは、本発明の一実施形態による
図1の煙突ベースの冷却機構100の側面図を示す。繰返しになるが、簡潔かつ簡易にするために、
図1のCPU112のみが、この側面図を示すために用いられている。
図2Aでは、マザーボード150は、熱交換器202が取付けられたCPU112を含むように示されている。熱交換器(HX)は、一つの媒体から別の媒体への効率的な熱移動のために使用される装置を指称する。一実施形態では、煙突やダクト122は、熱交換器(HX)202に直接的に連結され、それによって、密接な熱接続(例えば、はんだ、熱伝導グリース等による)が、熱交換器(HX)202に対して維持される。前述のように、煙突は、任意の種類の材料から作製されるが、熱交換器(HX)202との熱接続性を与えることができ、この特定のケースでは、金属が好ましい材料となり得る(例えば、プラスチック等の他の材料が、同様に機能するが、効率が減少する)。一実施形態では、煙突効果を利用する煙突122は、従来のファンやブロアを必要とせずに、その煙突の吸気口から排気口に空気204(例えば、
図1の冷気132と熱気142とを含む)を移動させる。
【0009】
図2Bは、熱交換器(HX)202を包含した煙突122を示す。例示されるように、熱交換器(HX)202と煙突122とが、共にシームレスに結合される、すなわち、熱交換器(HX)202の外壁と煙突122の内壁との間にギャップ又はリークが生じておらず、空気204の移動の効率性が最大化される。この実施形態では、煙突122が、CPU112に直接的に接続されている。
図2Cを参照すると、煙突122が、マザーボード150に直接的に接続され、煙突122と熱交換器(HX)202とCPU112との間にギャップやリークを生じさせることなく、CPU112と熱交換器(HX)202との両方をシームレスに包含する。
図2B及び
図2Cの煙突112は、金属やプラスチック等から作製できる。
【0010】
図3は、本発明の一実施形態による煙突ベースの冷却機構300を示す。
図1と同様に、例示された実施形態では、複数の熱放出部品を有するコンピュータ・システムのマザーボード350が示されている。繰返しになるが、簡潔かつ簡易にするために、AIOコンピュータのマザーボード350のCPU312とメモリ314とが示されている。一実施形態では、単一の煙突322と324とが、それぞれ、CPU312とメモリ314との上に設置される。一実施形態では、例示されるように、煙突322,324は、それら煙突の吸気口302を通じて冷気332,334を吸込む又は受取り、そして、それら煙突の排気口304を通じて(CPU312、メモリ314によって生成された)熱気342,344を吐出する又は放出する。この空気の移動は、2つの煙突312,314の煙突効果又はスタック効果によって実行される。
【0011】
一実施形態では、CPU312とメモリ314とに対応する熱交換器(HXs)は、リモート熱交換器(RHXs)352,354である。換言すれば、これらのリモート熱交換器(RHXs)352,354は、それらのリモート熱交換器に対応する部品であるCPU312とメモリ314とに取付けられておらず、むしろ、それらリモート熱交換器(RHXs)は、マザーボード350の底部近く又は一方の側に間隔を隔てて設置され、且つそれらそれぞれの煙突322,324の端部に位置される。ヒートパイプ362,364は、リモート熱交換器(RHXs)352,354を対応する部品312,314に接続する。ヒートパイプ362,364は、例えばリモート熱交換器(RHXs)352,354とCPU312,メモリ314との2つ以上の固体界面の間に熱を移動させる熱移動機構を表している。冷気332,334は、典型的には、重大な影響を受けずに、熱気342,344の移動が重要となり、その熱気の移動が要求されるので、一実施形態では、煙突322,324の底部近くにリモート熱交換器(RHXs)352,354を配置することによって、熱気342,344のためのより大きな空間が提供され、煙突に沿って排気口304の外側にその熱気が効率的に移動される。一実施形態では、リモート熱交換器(RHX)352,354が、最大の冷却性能を発揮するために煙突122,124の基部に設置される。さらに、リモート熱交換器(RHXs)352,354は、熱源と必ずしも一緒に並べられていない。リモート熱交換器(RHX)352,354と対応する熱放出部品312,314との端末接続は、例示されるように、ヒートパイプ362,364を介して行われるが、汲出ループ、ループ状のヒートパイプ、熱サイフォン、又はさらに熱伝導率の高い材料片等の他の複数の熱輸送デバイスとすることができる。
【0012】
図4A〜4Cに関して説明されるように、煙突322,324は、金属からプラスチックの(適当且つ必要と認められる)範囲に及ぶ任意の材料から作製することができ、そして、部品312,314との直接接触を確立することによって、又はそれら部品のリモート熱交換器(RHXs)352,354を介して、又はいくつかの他の同様の方法によって、それら煙突と対応する部品312,314と熱接触を持たせることができる。一実施形態では、煙突効果は、従来のいかなるファンやブロアをインストールする必要性なしに、容易且つ効果的に、煙突122,124の吸気口302から排気口304へ冷気332,334と熱気342,344との空気の移動を導く。さらに、単一の煙突が、1つ以上の部品に対して使用されることがある。例えば、CPU312のように高い発熱量の部品に対して、例示される単一の大きな煙突322が適切な場合もあるが、より小さい又はあまり頻繁に使用されない低い発熱量の部品に対して、単一の煙突は、そのような低い発熱量の複数の部品に対して十分対応でき得る。
【0013】
図4A〜4Cは、本発明の一実施形態による煙突ベースの冷却機構300の側面図を示す。繰返しになるが、簡潔かつ簡易にするために、
図3のCPU312のみが、この側面図を示すために用いられている。
図4Aでは、マザーボード350は、CPUダイ404を介して煙突322に取付けられたCPU312を含むように示されている。例示の実施形態では、リモート熱交換器(RHX)352が、CPUに間隔を隔てて設置されるとともにヒートパイプ362を介してCPUに接続されている。さらに、リモート熱交換器(RHX)352が、煙突322の底部に設置されており、煙突の大部分をそのまま残すことによって、煙突322の排気口を通じて熱気402を外側に移動させるとともに管理する。一実施形態では、煙突322は、(ダイ404を介して)リモート熱交換器(RHX)352とCPUダイ404とに直接的に連結されるとともに、リモート熱交換器(RHX)352とCPU312とに対する密接な熱接続を維持する。前述したように、煙突は、プラスチックから金属の範囲に及ぶ任意の種類の材料から作製されてもよい。一実施形態では、煙突効果を利用した煙突322は、従来のファンやブロアを必要とせずに、その煙突の吸気口から排気口に空気402(例えば、
図3の冷気332と熱気342とを含む)を移動させる。
【0014】
図4Bは、CPUダイ404を包含した煙突322を示しており、そのダイは、CPU312に直接的に接続されている。
図4Cを参照すると、煙突322は、マザーボード350に直接的に接続されるとともに、煙突322とリモート熱交換器(RHX)352とCPU312とCPUダイ404との間にギャップやリークを生じさせることなく、CPU312とCPUダイ404とリモート熱交換器(RHX)352とをシームレスに包含する。
図4B及び
図4Cの煙突322は、金属やプラスチック等で作製することができる。
【0015】
図5は、本発明の一実施形態によるファン532を使用した煙突ベースの冷却機構500を示す。例示の実施形態では、煙突やダクト512は、マザーボード550上に設置されたCPU502の上方で使用され、冷気と熱気522とに沿って移動される。一実施形態では、ファン532(例えば、小型のファンや、シンセティックジェット、ピエゾフラッパー、イオン風などのファン状の気体移動装置(air mover)が、空気522のさらに効率的な移動をさせるためにファンの効果と煙突効果とを結合するように使用できる。例えば、特定のシナリオでは、自然対流によって取込まれた空気は、部品接合又はケースの温度をそれらの規定範囲以下に維持することができない場合があり、したがって、そのような場合は、煙突512の効果は、小型ファン等の小さな伝統的な気体移動装置の存在によって、又は上述した気体移動装置の1つの等の別の非従来の気体移動装置技術によって増大させられることもある。
【0016】
図6は、本発明の一実施形態によるコンピュータ部品の煙突ベースの冷却プロセスを示す。ブロック605では、コンピュータ・システム内のマザーボード上の熱放出部品や熱気体放出部品が検出される。ブロック610では、一実施形態では、煙突が、マザーボードの各部品に連結される。一実施形態では、単一の煙突が、各部品に連結される、別の実施形態では、単一の煙突が、2つ以上の部品を覆うように連結される。例えば、単一の煙突が、高い発熱量の高い部品のために必要とされる一方、単一の煙突は、低い発熱量の2つ以上の部品について十分対応でき得る。
【0017】
ブロック615では、煙突は、その煙突の吸気口から冷気を吸込む又は受取り、そして、その煙突の排気口から熱気を吐出する又は放出するという点で、その煙突効果を実行することが可能になる。ブロック620では、コンピュータ・システムのマザーボード上の熱放出部品や熱気体放出部品が、煙突とその煙突効果とを利用することによって低温に保たれる。
【0018】
図7は、煙突ベースの冷却機構を使用可能であるコンピュータ・システム700を示す。
図7の例示的なコンピュータ・システムは、1)上記の特徴のうちの少なくとも1つを含み得る1つ以上のプロセッサ701と、2)メモリコントロールハブ(MCH)702と、3)システムメモリ703(ダブルデータレートRAM(DDR RAM)、拡張データ出力RAM(EDO RAM)等の異なるタイプが存在する)と、4)キャッシュ704と、5)入力/出力(I/O)制御ハブ(ICH)705と、6)グラフィックス・プロセッサ706と、7)ディスプレイ/画面707(例えば、ブラウン管(CRT)、薄膜トランジスタ(TFT)、液晶ディスプレイ(LCD)、DPL等の様々な種類が存在する)と、8)1つ以上のI/Oデバイス708とを含む。
【0019】
1つ以上のプロセッサ701は、コンピュータ・システムが実装するどの様なソフトウェア・ルーチンであっても実施するための命令を実行する。この命令は、しばしば、データ上で実施された何らかの操作を含む。データと命令との両方が、システムメモリ703とキャッシュ704とに格納される。キャッシュ704は、典型的には、システムメモリ703よりも待ち時間が短くなるように設計されている。例えば、キャッシュ704が、プロセッサ(複数可)と同じシリコンチップ(複数可)上に統合される及び/又はより速いスタティックRAM(SRAM)セルを使用して構築される一方、システムメモリ703は、より遅いダイナミックRAM(DRAM)セルを使用して構築されることもある。システムメモリ703とは対照的に、より頻繁に使用される命令やデータをキャッシュ704内に格納するような傾向を持たせることによって、コンピュータ・システムの全体的なパフォーマンス効率が向上する。
【0020】
システムメモリ703は、コンピュータ・システム内の他の部品を意図的に使用できるようになる。例えば、様々なインターフェィスからコンピュータ・システムに受信されたデータ(例えば、キーボードやマウス、プリンタポート、ローカルエリアネットワーク(LAN)ポート、モデムポート等)、又はコンピュータ・システムの内部記憶素子(ハードディスクドライブ等)から読み出されたデータは、多くの場合、ソフトウェア・プログラムの実行において1つ以上のプロセッサ701によって操作される前に、一時的にシステムメモリ703にキューイング(queue)される。同様に、ソフトウェア・プログラムが決定するデータは、コンピュータ・システムの1つのインターフェィスを介してコンピュータ・システムから外部エンティティへ送信される、又は内部記憶素子に格納され、そのデータは、多くの場合、そのデータが送信される又は格納される前にシステムメモリ703に一時的にキューイングされる。
【0021】
ICH705は、そのようなデータが、システムメモリ703とコンピュータ・システムの対応する適切なインターフェィス(と、コンピュータ・システムがそのように設計されている場合には、内部記憶装置)との間で適切に渡されることを保証することに関与する。MCH702は、プロセッサ(複数可)701とインターフェィスと内部記憶素子との間で互いに関して近接した時間で起こるシステムメモリ703のアクセスの競合する様々な要求を管理することに関与する。
【0022】
1つ以上のI/Oデバイス708はさらに、典型的なコンピュータ・システムに実装される。I/Oデバイスは、通常、コンピュータ・システム(例えば、ネットワークアダプタ)へのデータ転送及び/又はこのシステムからのデータ転送に関与する、又は、コンピュータ・システム(例えば、ハードディスク・ドライブ)内の大規模な不揮発性ストレージに関与する。ICH705は、それ自体と検出されたI/Oデバイス708との間で双方向性のポイントツーポイント接続を有する。
【0023】
本発明の種々の実施形態の一部が、コンピュータ・プログラム製品として提供することができ、その上にコンピュータ・プログラム命令が格納されたコンピュータ可読媒体を含むことができ、本発明の実施形態による処理を実行するためにコンピュータ(又は他の電子装置)をプログラムするために使用される。機械可読媒体が含まれ得るが、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、読取り専用メモリコンパクトディスク(CDROM)、光磁気ディスク、ROM、RAM、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的なEPROM(EPROM)、磁気カードや光カード、フラッシュメモリ、又は電子化された命令を格納するのに適した他のタイプの媒体/機械可読媒体に制限されない。
【0024】
前述の明細書において、本発明は、その特定の例示的な実施形態を参照しながら説明してきた。しかしながら、様々な改良及び変更は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の広範な精神及びその範囲から逸脱することなく実施できることは明らかであろう。よって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示として解釈されるべきである。