(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797771
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】アクセス・ポイント、管理方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04J 99/00 20090101AFI20151001BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20151001BHJP
H04W 4/08 20090101ALI20151001BHJP
H04B 7/04 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
H04J15/00
H04W16/28 130
H04W16/28 110
H04W4/08
H04B7/04
【請求項の数】31
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-546177(P2013-546177)
(86)(22)【出願日】2011年12月2日
(65)【公表番号】特表2014-502812(P2014-502812A)
(43)【公表日】2014年2月3日
(86)【国際出願番号】US2011063049
(87)【国際公開番号】WO2012087539
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年6月21日
(31)【優先権主張番号】12/975,614
(32)【優先日】2010年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ステイシー,ロバート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴーン,シヤオホーン エックス.
【審査官】
速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/121025(WO,A1)
【文献】
特表2013−524649(JP,A)
【文献】
特表2013−529011(JP,A)
【文献】
特表2013−528329(JP,A)
【文献】
Joonsuk Kim et al.,GroupID in VHT-SIG Field,IEEE 802.11-10/0582r1,2010年 5月17日
【文献】
Robert Stacey et al.,Specification Framework for TGac,IEEE 802.11-09/0992r18,2010年11月11日
【文献】
Ravi Mahadevappa et al.,Stream Partition Index for MU-MIMO Transmissions,IEEE 802.11-10/0819r1,2010年 7月13日
【文献】
Daewon Lee et al.,MU-MIMO STA scheduling strategy and Related PHY signaling,IEEE 802.11-10/0362r2,2010年 3月17日
【文献】
Hemanth Sampath et al.,802.11ac Preamble,IEEE 802.11-10/876r1,2010年 7月15日
【文献】
Joonsuk Kim et al.,Group ID Concept for DL MU-MIMO Transmission,IEEE 802.11-10/0073r2,2010年 3月15日
【文献】
Patil Sandhya et al.,DL MU TXOP Power Save,IEEE 802.11-10/1302r0,2010年11月 8日
【文献】
Sameer Vermani et al.,Frame Format for GroupID Management,IEEE 802.11-10/1288r1,2010年11月10日
【文献】
Daewon Lee et al.,STA MU-MIMO Group Management Signaling Design,IEEE 802.11-10/0782r0,2010年 7月12日
【文献】
Byeongwoo Kang et al.,PHY Power Saving Features For 11ac,IEEE 802.11-10/0785r1,2010年 7月14日
【文献】
Nir Shapira et al.,Reducing Channel Dimension in MU-MIMO Explicit Feedback Operation,IEEE 802.11-1114r1,2010年 9月16日
【文献】
Yusuke Asai et al.,Update of Interference Management Using Beamforming Technique in OBSS Environment,IEEE802.11-10/1121r0,2010年 9月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/04
H04W 4/08
H04W 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連する複数のユーザ局を含むMU−MIMOネットワークにおけるアクセス・ポイントであって、
関連する複数のユーザ局の各々に対してマルチ・ユーザ(MU)グループ識別子(GID)およびグループ・メンバー・インデックス(GMI)を割り当てる動作であって、各GIDは、関連する2つ以上のユーザ局による一つのMUグループに対して割り当てられ、割り当てられたGMIは、前記割り当てられたMUグループにおけるユーザ局の序列位置を示す、動作と、
複数の空間ストリームと何れかの割り当てられたGIDとを含むMU−MIMO伝送信号をMUグループに送信する動作と、
を実行するように形成され、
前記複数の空間ストリームの一部分は、前記MU−MIMO伝送信号において伝送される前記GIDによって識別される前記MUグループに属する各ユーザ局を対象とし、
前記複数の空間ストリームの中の何れを前記ユーザ局によって復調すべきであるかを判定するために、前記割り当てられたGMIが、MU−MIMO伝送信号のNstsフィールドと共に前記ユーザ局によって使用され、
当該アクセス・ポイントは、一つ以上のGIDの割り当て及び前記一つ以上のGIDの各々についてのGMIの割り当てを含むGID管理フレームを、前記関連する複数のユーザ局の各々に対して送信するように形成され、
前記GID管理フレームは、8オクテットの長さを有するメンバーシップフィールドと16オクテットの長さを有するGMIテーブルフィールドとを含むユニキャスト・フレームである、アクセス・ポイント。
【請求項2】
関連する複数のユーザ局を含むMU−MIMOネットワークにおけるアクセス・ポイントであって、
関連する複数のユーザ局の各々に対してマルチ・ユーザ(MU)グループ識別子(GID)およびグループ・メンバー・インデックス(GMI)を割り当てる動作であって、各GIDは、関連する2つ以上のユーザ局による一つのMUグループに対して割り当てられ、割り当てられたGMIは、前記割り当てられたMUグループにおけるユーザ局の序列位置を示す、動作と、
複数の空間ストリームと何れかの割り当てられたGIDとを含むMU−MIMO伝送信号をMUグループに送信する動作と、
を実行するように形成され、
前記複数の空間ストリームの一部分は、前記MU−MIMO伝送信号において伝送される前記GIDによって識別される前記MUグループに属する各ユーザ局を対象とし、
前記複数の空間ストリームの中の何れを前記ユーザ局によって復調すべきであるかを判定するために、前記割り当てられたGMIが、MU−MIMO伝送信号のNstsフィールドと共に前記ユーザ局によって使用され、
当該アクセス・ポイントは、一つ以上のGIDの割り当て及び前記一つ以上のGIDの各々についてのGMIの割り当てを含むGID管理フレームを、前記関連する複数のユーザ局の各々に対して送信するように形成され、
前記GID管理フレームは、可変長のフレーム・フォーマットを有し、ユーザ局のGIDテーブルに対する追加、削除又は変更をもたらすように形成される、アクセス・ポイント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアクセス・ポイントであって、
関連するユーザ局において受信可能となるように形成される前記MU−MIMO伝送信号は、自身のプリアンブルの中にGIDおよび空間ストリームの個数を表すNstsフィールドを含み、前記Nstsフィールドは、各ユーザ局が復調すべき空間ストリームの個数を示し、
前記割り当てられたGMIは、前記MUグループ内のユーザ局が、前記割り当てられたGMIを使用して、前記Nstsフィールドの中のどの部分を読み出すべきかを判断することを可能にし、
前記Nstsフィールド内の或る部分は、前記MU−MIMO伝送信号における複数の空間ストリームの何れの部分を復調すべきであるかを前記ユーザ局に対して指示する、ことを特徴とするアクセス・ポイント。
【請求項4】
請求項3に記載のアクセス・ポイントであって、
前記MU−MIMO伝送信号のプリアンブルは、VHT-SIG-A(Very-High-Throughput Signaling-A)フィールドを含み、
前記GIDおよび前記Nstsフィールドは、前記VHT-SIG-Aフィールドの中に含まれる、ことを特徴とするアクセス・ポイント。
【請求項5】
請求項3に記載のアクセス・ポイントであって、
前記MU−MIMO伝送信号の前記プリアンブルを無指向性の伝送態様で送信するように形成され、
複数の空間ストリームを含む前記MU−MIMO伝送信号の後続の部分は、指向性の伝送態様で送信される、ことを特徴とするアクセス・ポイント。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のアクセス・ポイントであって、
前記GID管理フレームを送信した後に、GIDを含むMU−MIMO伝送信号の送信を遅延させるように形成される、ことを特徴とするアクセス・ポイント。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のアクセス・ポイントであって、
ユーザ局に対して前記GID管理フレームを送信した後に、前記ユーザ局からGID割り当て確認フレームを受信するまで、MU−MIMO伝送信号の送信を遅延させるように形成される、ことを特徴とするアクセス・ポイント。
【請求項8】
前記GID管理フレームは固定長のフレーム・フォーマットを有する、ことを特徴とする請求項1記載のアクセス・ポイント。
【請求項9】
チャネル特性または効率的なトラフィック分散の少なくとも一方に基づいて、前記MUグループの一つ以上に対する割り当てのために、ユーザ局を選択するようにさらに形成される、請求項1又は2に記載のアクセス・ポイント。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のアクセス・ポイントであって、
MUグループ割り当てテーブルを維持する動作と、
MUグループに関してトラフィックをキューイングする動作と、
グループのメンバーである2つ以上のユーザ局がキューイングされているトラフィックを有している何れかのMUグループを選択する動作と、
選択されたMUグループのユーザ局に関してMU−MIMO伝送信号を生成する動作と、を実行するように形成され、
前記MU−MIMO伝送信号は、選択されたMUグループの前記GIDを含み、さらに前記選択されたMUグループのユーザ局に関するキューイングされたトラフィックを含むように形成される、ことを特徴とするアクセス・ポイント。
【請求項11】
MU−MIMOネットワークにおいて複数のユーザ局を管理するための方法であって、
前記複数のユーザ局の各々に対してマルチ・ユーザ(MU)グループ識別子(GID)およびグループ・メンバー・インデックス(GMI)を割り当てるステップであって、各GIDは、2つ以上のユーザ局による一つのMUグループに対して割り当てられ、割り当てられたGMIは、前記割り当てられたMUグループにおけるユーザ局の序列位置を示す、ステップと、
複数の空間ストリームと何れかの割り当てられたGIDとを含むMU−MIMO伝送信号をMUグループに送信するステップとを有し、
前記複数の空間ストリームの一部分は、前記MU−MIMO伝送信号において伝送される前記GIDによって識別されるMUグループに属する各ユーザ局を対象とし、
前記複数の空間ストリームの中の何れを前記ユーザ局によって復調すべきであるかを判定するために、前記割り当てられたGMIが、MU−MIMO伝送信号のNstsフィールドと共に前記ユーザ局によって使用され、
一つ以上のGIDの割り当て及び前記一つ以上のGIDの各々についてのGMIの割り当てを含むGID管理フレームが、アクセス・ポイントにより、関連する複数のユーザ局の各々に対して送信され、
前記GID管理フレームは、8オクテットの長さを有するメンバーシップフィールド及び16オクテットの長さを有するGMIテーブル・フィールドを含むユニキャスト・フレームである、方法。
【請求項12】
MU−MIMOネットワークにおいて複数のユーザ局を管理するための方法であって、
前記複数のユーザ局の各々に対してマルチ・ユーザ(MU)グループ識別子(GID)およびグループ・メンバー・インデックス(GMI)を割り当てるステップであって、各GIDは、2つ以上のユーザ局による一つのMUグループに対して割り当てられ、割り当てられたGMIは、前記割り当てられたMUグループにおけるユーザ局の序列位置を示す、ステップと、
複数の空間ストリームと何れかの割り当てられたGIDとを含むMU−MIMO伝送信号をMUグループに送信するステップとを有し、
前記複数の空間ストリームの一部分は、前記MU−MIMO伝送信号において伝送される前記GIDによって識別されるMUグループに属する各ユーザ局を対象とし、
前記複数の空間ストリームの中の何れを前記ユーザ局によって復調すべきであるかを判定するために、前記割り当てられたGMIが、MU−MIMO伝送信号のNstsフィールドと共に前記ユーザ局によって使用され、
一つ以上のGIDの割り当て及び前記一つ以上のGIDの各々についてのGMIの割り当てを含むGID管理フレームが、アクセス・ポイントにより、関連する複数のユーザ局の各々に対して送信され、
前記GID管理フレームは、可変長のフレーム・フォーマットを有し、ユーザ局のGIDテーブルに対する追加、削除又は変更をもたらすように形成される、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載された方法であって、
関連するユーザ局において受信可能となるように形成される前記MU−MIMO伝送信号は、自身のプリアンブルの中にGIDおよび空間ストリームの個数を表すNstsフィールドを含み、前記Nstsフィールドは、各ユーザ局が復調すべき空間ストリームの個数を示し、
前記割り当てられたGMIは、前記MUグループのユーザ局が前記割り当てられたGMIを使用して前記Nstsフィールドの中のどの部分を読み出すべきかを判断することを可能にする、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記MU−MIMO伝送信号の前記プリアンブルは、VHT−SIG−A(Very-High-Throughput Signaling-A)フィールドを含み、前記GIDおよび前記Nstsフィールドは前記VHT−SIG−Aフィールド内に含まれる、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記MU−MIMO伝送信号の前記プリアンブルは無指向性の伝送態様で送信され、
複数の空間ストリームを含む前記MU−MIMO伝送信号の後続の部分は、指向性の伝送態様で送信される、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記GID管理フレームを送信した後に、GIDを含むMU−MIMO伝送信号の送信を遅延させる、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項17】
前記送信を遅延させることは、前記ユーザ局からGID割り当て確認フレームを受信するまで、前記MU−MIMO伝送信号を遅延させることを含む、ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記GID管理フレームは固定長のフレーム・フォーマットを有する、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項19】
チャネル特性または効率的なトラフィック分散の少なくとも一方に基づいて、前記MUグループの一つ以上に対する割り当てのために、ユーザ局を選択することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
MUグループ割り当てテーブルを維持する動作と、
MUグループに関してトラフィックをキューイングする動作と、
グループのメンバーである2つ以上のユーザ局がキューイングされているトラフィックを有している何れかのMUグループを選択する動作と、
選択されたMUグループのユーザ局に関してMU−MIMO伝送信号を生成する動作と、を含み、
前記MU−MIMO伝送信号は、選択されたMUグループのGIDを含み、さらに前記選択されたMUグループのユーザ局に関するキューイングされたトラフィックを含むように形成される、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
請求項11〜20のうち何れか1項に記載の方法をアクセス・ポイントに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項22】
MU−MIMOシステムにおいてユーザ局を管理するためにアクセス・ポイントに方法を実行させる命令を含むコンピュータ読み出し可能な記録媒体であって、前記方法は、
複数のユーザ局の各々に対してマルチ・ユーザ(MU)グループ識別子(GID)およびグループ・メンバー・インデックス(GMI)を割り当てるステップであって、各GIDは、2つ以上のユーザ局による一つのMUグループに対して割り当てられ、割り当てられたGMIは、割り当てられたMUグループにおけるユーザ局の序列位置を示す、ステップと、
複数の空間ストリームと何れかの割り当てられたGIDとを含むMU−MIMO伝送信号をMUグループに送信するステップとを有し、
前記複数の空間ストリームの一部分は、前記MU−MIMO伝送信号において伝送される前記GIDによって識別されるMUグループに属する各ユーザ局を対象とし、
前記複数の空間ストリームの中の何れを前記ユーザ局によって復調すべきであるかを判定するために、前記割り当てられたGMIが、MU−MIMO伝送信号のNstsフィールドと共に前記ユーザ局によって使用され、
一つ以上のGIDの割り当て及び前記一つ以上のGIDの各々についてのGMIの割り当てを含むGID管理フレームが、アクセス・ポイントにより、関連する複数のユーザ局の各々に対して送信され、
前記GID管理フレームは、8オクテットの長さを有するメンバーシップフィールド及び16オクテットの長さを有するGMIテーブル・フィールドを含むユニキャスト・フレームである、コンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項23】
MU−MIMOシステムにおいてユーザ局を管理するためにアクセス・ポイントに方法を実行させる命令を含むコンピュータ読み出し可能な記録媒体であって、前記方法は、
複数のユーザ局の各々に対してマルチ・ユーザ(MU)グループ識別子(GID)およびグループ・メンバー・インデックス(GMI)を割り当てるステップであって、各GIDは、2つ以上のユーザ局による一つのMUグループに対して割り当てられ、割り当てられたGMIは、割り当てられたMUグループにおけるユーザ局の序列位置を示す、ステップと、
複数の空間ストリームと何れかの割り当てられたGIDとを含むMU−MIMO伝送信号をMUグループに送信するステップとを有し、
前記複数の空間ストリームの一部分は、前記MU−MIMO伝送信号において伝送される前記GIDによって識別されるMUグループに属する各ユーザ局を対象とし、
前記複数の空間ストリームの中の何れを前記ユーザ局によって復調すべきであるかを判定するために、前記割り当てられたGMIが、MU−MIMO伝送信号のNstsフィールドと共に前記ユーザ局によって使用され、
一つ以上のGIDの割り当て及び前記一つ以上のGIDの各々についてのGMIの割り当てを含むGID管理フレームが、アクセス・ポイントにより、関連する複数のユーザ局の各々に対して送信され、
前記GID管理フレームは、可変長のフレーム・フォーマットを有し、ユーザ局のGIDテーブルに対する追加、削除又は変更をもたらすように形成される、コンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項24】
請求項22又は23に記載されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体であって、
関連するユーザ局において受信可能となるように形成される前記MU−MIMO伝送信号は、自身のプリアンブルの中にGIDおよび空間ストリームの個数のNstsフィールドを含み、前記Nstsフィールドは、各ユーザ局が復調すべき空間ストリームの個数を示し、
前記割り当てられたGMIは、前記MUグループのユーザ局が前記割り当てられたGMIを使用して前記Nstsフィールドの中のどの部分を読み出すべきかを判断することを可能にする、ことを特徴とするコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項25】
前記MU−MIMO伝送信号の前記プリアンブルは、VHT−SIG−A(Very-High-Throughput Signaling-A)フィールドを含み、前記GIDと前記Nstsフィールドは前記VHT−SIG−Aフィールドに含まれる、ことを特徴とする請求項24に記載のコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項26】
前記アクセス・ポイントは、前記MU−MIMO伝送信号のプリアンブルを無指向性の伝送態様で送信するように形成され、
前記複数の空間ストリームを含む前記MU−MIMO伝送信号の後続の部分は、指向性の伝送態様で送信される、ことを特徴とする請求項25に記載のコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項27】
前記方法は、前記GID管理フレームを送信した後に、GIDを含むMU−MIMO伝送信号の送信を遅延させることを更に含む、ことを特徴とする請求項22又は23に記載のコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項28】
前記送信を遅延させることは、前記ユーザ局からGID割り当て確認フレームを受信するまで、MU−MIMO伝送信号の送信を遅延させることを含む、ことを特徴とする請求項27記載のコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項29】
前記GID管理フレームは固定長のフレーム・フォーマットを有する、ことを特徴とする請求項22又は23に記載のコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項30】
前記方法は、チャネル特性または効率的なトラフィック分散の少なくとも一方に基づいて、前記MUグループの一つ以上に対する割り当てのために、ユーザ局を選択することを含む、請求項25に記載のコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【請求項31】
前記方法は、
MUグループ割り当てテーブルを維持する動作と、
MUグループに関してトラフィックをキューイングする動作と、
グループのメンバーである2つ以上のユーザ局がキューイングされているトラフィックを有している何れかのMUグループを選択する動作と、
選択されたMUグループのユーザ局に関してMU−MIMO伝送信号を生成する動作と、をさらに含み、
前記MU−MIMO伝送信号は、前記選択されたMUグループのGIDを含み、さらに前記選択されたMUグループのユーザ局に関するキューイングされたトラフィックを含むように形成される、ことを特徴とする請求項25に記載のコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2010年12月22日に出願された米国特許出願第12/975,614号に基づく優先権を主張し、上記米国出願の開示内容の全体は、参照により本明細書中に組み込まれる。本発明に係る実施例は、無線通信に関係する。
【0002】
本発明に係る幾つかの実施形態は、マルチ・ユーザ(MU)マルチ入力マルチ出力(MIMO)(MU―MIMO)通信技術に関する。本発明に係る幾つかの実施形態は、非常に高いスループット(VHT)の基本サービスセット(BSSs)に関係し、IEEE 802.11標準(例えばIEEE 802.11acとしてドラフト化された標準仕様)に従って作動するように構成される。
【背景技術】
【0003】
MIMO通信技術は、複数の空間データストリームの通信を可能にする。MU―MIMO技術は、個々の端末の通信容量を拡張するために、複数の独立した無線端末の可用性を利用する。一の端末が、同じ周波数帯における複数の端末に対して同時に送信する、または同じ周波数帯における複数の端末から同時に受信することを可能にするために、MU−MIMO技術は、空間分割多元接続(SDMA)技術を使用する。
【0004】
MU−MIMO伝送が限定された数の空間データストリームを含むことができるので、MU−MIMO通信を使用する際の1つの問題は、MU−MIMO伝送を構成するために、様々な端末を管理することである。このように、MU−MIMOアクセス・ポイント、ユーザ局およびMU−MIMO通信のためのユーザ局を管理する方法に対する広範な需要がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】幾つかの実施例に従うMU−MIMOネットワークを示す図。
【
図2】幾つかの実施例に従うMU−MIMOアクセス・ポイントの機能ブロック図。
【
図3】幾つかの実施例に従うユーザ局の機能ブロック図。
【
図4】幾つかの実施例に従うMU−MIMO伝送の具体例を示す図。
【
図5】幾つかの実施例に従うMUグループ識別子(GID)のシグナリング手順を示す図。
【
図6】幾つかの実施例に従って、GID管理フレームを、固定長のフレーム・フォーマットを使用して示した図。
【
図7】幾つかの実施例に従って、GID管理フレームを、可変長フレーム・フォーマットを使用して示した図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明および図面は、当業者が本発明に係る特定の実施例を実施可能とするために、これら特定の実施例を充分に例示する。その他の実施例は、構造的、論理的、電気的な変更、方法に関する変更および他の変更を組み込むことができる。幾つかの実施例の部分および特徴は、他の実施例において、当該他の実施例を成す部分および特徴として含まれることができ、また、幾つかの実施例の部分および特徴は、他の実施例の部分及び特徴によって置換されることができる。本明細書に添付した請求項に記載される実施例は、それらの請求項に記載された発明に関する利用可能な全ての均等物を包含する。
【0007】
図1は、幾つかの実施例に従うMU−MIMOネットワーク100を例示する。MU−MIMOネットワーク100は、MU−MIMOアクセス・ポイント(AP)102および複数の付随するユーザ局(STA)104を含むことができる。アクセス・ポイント102および複数のユーザ局104の少なくとも幾つかは、MU−MIMO通信のために構成されることができ、当該MU−MIMO通信においては、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、MU−MIMO構成されたユーザ局104による受信のために、MU−MIMO伝送を送信することができる。
【0008】
複数の実施例に従い、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、MU−MIMO通信のための2台以上のユーザ局104のグループを管理することができ、当該MU−MIMO通信においては、ユーザ局104は、MU−MIMO伝送105を受信するための一つ以上のMUグループ106に割り当てられる。これらの実施例は、以下において更に詳細に記載される。
【0009】
複数の実施例に従い、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、複数の関係するユーザ局104の各々に対して、MUグループ識別子(GID)117およびグループ・メンバ・インデックス(GMI)111を割り当てることができる。各GID 117は、2台以上の関係するユーザ局104から成る異なるMUグループ106に割り当てられることが可能である。割り当て済みGMI 111は、割り当てられたMUグループ106内におけるユーザ局104の序列位置を示すことができる。MU−MIMOアクセス・ポイント102は、複数の空間ストリーム115および割り当て済みGID 107のうちの1つを含むMU−MIMO伝送105を送信するように構成されることも可能である。MU−MIMO伝送105は、単一のMUグループ106内のユーザ局104を宛先とすることができ、当該MUグループ106は、MU−MIMO伝送105の中に含まれるGID 107によって示される。これらの実施例では、空間ストリーム115の部分集合(すなわち、一つ以上)は、MUグループ106内における各ユーザ局104を宛先とすることができ、当該MUグループ106は、MU−MIMO伝送105の中で送信されるGID 107によって識別される。GID 107、117およびGMI 111は、整数値でもよい。
【0010】
MU―MIMO伝送105は、複数のユーザ局104を宛先とする複数のフレームから成る単一の伝送(例えば、単一のPPDUのような単一のパケット)でもよい。MU―MIMO伝送105は、2本以上の空間ストリーム115を含むことができる。複数の実施例に従うならば、MU―MIMO伝送105の中で送信されるGID 107は、MU―MIMO伝送105が複数のユーザ局104から成るMUグループ106の中のいずれを宛先とするかについて指示することができる。後で詳しく述べるように、複数の空間ストリーム115から成る如何なる部分集合がユーザ局104を宛先としているかを決定するために、ユーザ局の割り当て済みGMI 111は、MUグループ106内におけるユーザ局104によって使用されてもよい。
【0011】
MU―MIMOアクセス・ポイント102は、MU―MIMO伝送105の少なくとも一部を送信するために、ダウンリンク(DL)SDMA技術を利用することができ、当該MU―MIMO伝送105は、一つ以上の空間ストリーム115を含む。幾つかの実施形態では、MU−MIMOネットワーク100は、非常に高いスループットの(VHT)基本サービスセット(BSS)であってもよく、それは,例えば、IEEE 802.11acの提案中の/ドラフト発行済みの標準のようなIEEE 802.11の標準化仕様または提案中の/ドラフト発行済みの標準の1つに従って作動するように構成される。
【0012】
複数の実施例に従うならば、MU−MIMO伝送105中の情報として受信されるGID 107に基づいて、ユーザ局104は、受信したMU−MIMO伝送105の空間ストリーム115の一つ以上を復調することが必要かどうか決定するために、自身がMUグループのメンバーであるか否か決定するように構成されることができる。ユーザ局104に以前に割り当て済みGMI 111に基づいて、ユーザ局104は、MU−MIMO伝送105内における一つ以上の空間ストリーム115から成る如何なる部分集合を復調するべきかについて更に決定することができる。
【0013】
例えば、ユーザ局104Bは、GID値=2およびGMI値=3を割り当てられることができる。これらの実施例において、ユーザ局104Bが2のGID値を含むMU―MIMO伝送105を受信するとき、ユーザ局104Bは、受信MU―MIMO伝送105が自身のMU―MIMOグループのメンバーを宛先とするので、MU―MIMO伝送105の空間ストリーム115の一つ以上は復調されることが可能であると決定することができる。ユーザ局104Bは、MU―MIMO伝送105内における空間ストリーム115から成る如何なる部分集合を復調するべきかについて決定するために、自身に割り当て済みGMI値=3を使用することができる。これらの実施例は、以下において更に詳細に記載される。
【0014】
幾つかの実施例において、MU―MIMOアクセス・ポイント102は、GID管理フレーム103を送信することによって、一つ以上のGID 117を単一のユーザ局104に割り当てるように構成されることが出来、または単一のユーザ局104の一つ以上のGID 117を更新するように構成されることができる。GID管理フレーム103は、単一のユーザ局104を宛先とすることができ、ステーションID(SID)113、一つ以上の割り当て済みGID 117および割り当て済みGID 117の各々についてのGMI 111を含むことができる。これらの実施例は、以下において更に詳細に検討される。
【0015】
いくつかの実施形態では、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、MU―MIMO伝送105内において、空間ストリームの個数を表すフィールド(Nstsフィールド)109を含むことも可能である。Nstsフィールド109は、特定のユーザ局104が復調することになっている空間ストリーム115(例えば、時空間ストリーム)の個数を示すことができる。ユーザ局104は、割り当て済みGMI 111を使用するように構成されることができ、当該割り当て済みGMI 111は、Nstsフィールド109の中のどの部分を読み込むべきかについて決定するために、MU―MIMO伝送105のGID 107と関係付けられている。Nstsフィールド109の当該部分は、MU−MIMO伝送105内における複数の空間ストリーム115から成る如何なる部分集合を復調するべきかについて、ユーザ局104に指示することができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、ユーザ局104に割り当てられるGMI 111は、復調する空間ストリーム115の順序を示すことができる。例えば、GMIの値=2は、Nstsフィールド109内における第2位置において示される空間ストリーム115の部分集合を復調するように、ユーザ局104に指示することができる。
【0017】
図1はお互いに地理的により近い複数のユーザ局104をMUグループ106が含むことを示しているけれども、これは単に例示目的のためであって、必須の要件でなく、MUグループ106のために選択される複数のユーザ局104が地理的に広範囲に分散することもまた可能である。
複数の実施例に従うならば、複数のユーザ局104は、異なる空間チャネルを介して受信することを可能とするために、互いに1インチ前後ほど離間される必要があるだけである。
【0018】
図2は、幾つかの実施例に従うMU―MIMOアクセス・ポイント200の機能ブロック図である。MU−MIMOアクセス・ポイント200は、MU−MIMOアクセス・ポイント102(
図1)としての用途に適しているものであってもよい。MU−MIMOアクセス・ポイント200は、とりわけ、MU−MIMO技術に従って動作するユーザ局104(
図1)と通信するための物理層(PHY)回路204を含むことができる。MU−MIMOアクセス・ポイント200は、空間的に分離された複数本のアンテナを使用して、MU−MIMO伝送105(
図1)を送信するように構成される。
【0019】
複数の実施例に従うならば、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、各MUグループ106(
図1)のユーザ局を識別するために、MUグループ割り当てテーブル206を維持することができる。幾つかの実施形態では、MUグループ割り当てテーブル206はユーザ局104の各々に割り当てられるGID 207、および当該割り当て済みGID 207の各々に関連したGMI 211を含むことができる。テーブル206は、割り当てられたグループ内の各ユーザ局104を識別するために、ステーションID(SID)205を使用することができる。ステーションID 205は、ユーザ局104のMACアドレスであっても良いが、MU―MIMOアクセス・ポイント200と関係付けられたユーザ局104の各々を一意に識別するために、その他の識別子を使用することもまた可能である。
【0020】
幾つかの実施形態では、MU―MIMOアクセス・ポイント200は、一つの割り当てブロック208を含むことができ、これは、MUグループ106に割り当てるための関連するユーザ局104を選択し、選択されたMUグループ106内のユーザ局104にGID 207を割り当てるためである。幾つかの実施形態では、ステーションID 205はアソシエーションIDまたは受信器側MACアドレスであっても良いが、これは必須の要件ではない。
【0021】
複数の実施例に従うならば、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、一つ以上のMUグループ106に割り当てるための複数のユーザ局104を選択することができ、割り当てられたMUグループ106の各々毎に1個のGID 207を割り当てることができる。複数のユーザ局104から成るMUグループ106の各々には、異なるGID 207を割り当てることが可能である。一部のユーザ局(例えばユーザ局104A)は、複数MUグループ106に属することもできる。
【0022】
幾つかの実施例に従うならば、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、割り当て済みGID 207に基づいて、複数のユーザ局104から成るMUグループ106の各々毎に、トラフィックをキューイングする(待ち行列に入れる)ことができる。これらの実施例では、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、複数のGID 207の中でトラフィックがキューイングされた1つを選択することができ、当該選択されたGID 207のユーザ局104のために、MU―MIMO伝送105を生成する。MU―MIMO伝送105は、選択されたGID 207を含み、選択されたGID 207のユーザ局104に関してキューイングされているトラフィックを含むように構成されることが可能である。
【0023】
幾つかの実施形態では、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、トラフィックをキューイングするためのキュー・ブロック210を含むことができ、トラフィックがキューイングされている(待ち行列に入れられている)GID 207を選択することができる。物理(PHY)層回路204は、選択されたMUグループ106に属する複数の局のためのMU−MIMO伝送105を生成するように構成されることが可能である。幾つかの実施例において、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、一つ以上の空間ストリーム115内における伝送のために、当該選択されたMUグループ106内のユーザ局104に関してキューイングされているトラフィックを分離することができる。MU−MIMOアクセス・ポイント200は、プリアンブル内において、Nstsフィールド109(
図1)を含むこともでき、当該フィールド109は、当該選択されたMUグループ106内のユーザ局104の各々が、各ユーザ局104のGMI 211に基づいて、MU−MIMO伝送105内における複数の空間ストリームから成る如何なる部分集合を復調すべきであるかを示すためのフィールドである。
【0024】
幾つかの実施形態では、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、チャネル特性に基づいてMUグループ106へ割り当てるためのユーザ局104を選択することができる。これらの実施例では、類似のチャネル特性を有するユーザ局104は、同じMUグループ106に割り当てられることが可能である。幾つかの実施形態では、MU−MIMO伝送と同時並行して、複数ユーザに対して効果的なトラフィック分配を実現するために、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、複数のユーザ局104をMUグループ106にグループ化することができる。MU−MIMOアクセス・ポイント200は、MU−MIMO伝送を生成する際に柔軟性を増加させるために、複数のユーザ局104をグループ化して他局との様々な組合せとなるようにすることが可能である。
【0025】
幾つかの実施形態では、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、MUグループ106に対してユーザ局104を追加することができ、MUグループ106からユーザ局104を除外することができ、さらには、トラフィック・パターンが変化するのに応じて、そして、チャネル特性が変化するのに応じて、MUグループ106を削除することができる。これらの実施例は、以下において更に詳細に記載されている。
【0026】
上述したように、幾つかの実施例においては、MU−MIMOアクセス・ポイント200は、GID管理フレーム103(
図1)を送信することによって、一つ以上のGID 207を単一のユーザ局104に割り当てるように構成されることが可能であり、または、単一のユーザ局104の一つ以上のGID 207を更新するように構成されることが可能である。GID管理フレーム103は、一つ以上のGID 207の割り当て、および、特定のユーザ局104に対して割り当てられた一つ以上の割り当済みGID 207の各々についてのGMI 211の割り当て含むことができる。GID管理フレーム103は、単一のユーザ局104を宛先アドレスとするユニキャスト・フレームであっても良い。幾つかの実施形態では、GID管理フレーム103は、例えばSID 205のように、GID管理フレーム103がどのユーザ局104を宛先とするかを指し示すステーション識別名を含むことができる。
【0027】
従って、単一のGID管理フレーム103は、複数のGID 207を一つのユーザ局104に割り当てるために用いることが可能であり(何故なら、ユーザ局104は、複数MUグループ106のメンバーとなっているかも知れないから)、同時に、単一のGID管理フレーム103は、割り当て済みGID 207の各々について、GMI 211を割り当てるために用いることが可能である。このようにして、個々のユーザ局104は、MUグループ106に属する他のユーザ局104のメンバーシップに影響を及ぼすことなく、MUグループ106に対して追加されたり削除されたりすることが可能である。
【0028】
幾つかの実施形態においては、物理層回路204は、例えばWi−Fi無線のようなIEEE 802.11acの物理層(PHY)であっても良く、ダウンリンク(DL)SDMA伝送のために構成されることもまた可能である。MU−MIMOアクセス・ポイント200を記述する用語として、『アクセス・ポイント』という用語が用いられたけれども、『基地局』という用語もまた適切な用語として用いられても良い。MU−MIMOアクセス・ポイント200は、幾つかの別個の機能要素を有するとして図示されているけれども、当該機能要素の一つ以上は、互いに組み合わされることが可能であり、ソフトウェアにより設定された構成要素(例えば、デジタル信号処理プロセッサ(DSP)を含む演算処理装置および/または他のハードウェア構成要素)の組合せによって実装されることもまた可能である。例えば、幾つかの構成要素は、一つ以上のマイクロ・プロセッサ、DSP、特定用途向けIC(ASIC)、無線周波数集積回路(RFICs)および少なくとも本明細書において記載されている機能を実行するための様々なハードウェアおよび論理回路の組合せを具備することが可能である。幾つかの実施形態では、MU−MIMOアクセス・ポイント200内の機能要素は、一つ以上の演算処理装置の上で動作している一つ以上のプロセスを指して言うことが可能である。
【0029】
幾つかの実施形態では、MU―MIMOアクセス・ポイント200は、固定されたバンド幅を有するプライマリ・アクセス・チャネルおよび可変的なバンド幅を有するセカンダリ・チャネルから成るチャネル帯域幅の上での伝送のためにMU―MIMO伝送105を構成することができる。最大時において160MHzとなる最大帯域幅を達成するために、プライマリ・アクセス・チャネルは、20MHzのバンド幅を有することができ、セカンダリ・チャネルは、各々のバンド幅が20MHzである最大で7個までの部分帯域から成るバンド幅を有することができる。
MU―MIMO伝送105のプリアンブルは、チャネル帯域幅内で各々20MHzの帯域幅を有する各部分帯域の上において送信されることが可能である。
【0030】
幾つかの実施形態では、MU―MIMOアクセス・ポイント200は、チャネル・アクセスのために、搬送波検知多重アクセス方式/衝突防止(CSMA/CA)プロトコルを利用することができる。これらの実施例では、伝送機会(TXOP)を勝ち取るアクセス・チャネルは、プライマリ・アクセス・チャネルであっても良い。幾つかの実施形態では、プライマリ・チャネルおよびセカンダリ・チャネルは、スペクトルの不連続部分から成る。他の実施態様においては、プライマリ・チャネルおよびセカンダリ・チャネルは、スペクトルの連続する部分から成る。
【0031】
図3は、幾つかの実施例に従うユーザ局300の機能ブロック図である。ユーザ局300は、
図1に図示されるユーザ局104のいずれかとして適切に使用され得る。ユーザ局300は、とりわけ、GIDテーブル302および物理層(PHY)回路304を含むことが可能である。物理層回路304は、例えば、MU―MIMOアクセス・ポイント102(
図1)のようなMU−MIMOアクセス・ポイントと通信するように構成されることができ、そして、複数の空間的に分離されたアンテナ301を使用することができる。ユーザ局300は、一つ以上の割り当て済みGID 117(
図1)の各々を識別するために、さらには、割り当て済みGID 117の各々と関連付けられたGMI 111(
図1)を識別するために、GIDテーブル302を自局の中に維持するように構成されることが可能である。GID管理フレーム103(
図1)を受信したことに応答して、ユーザ局300は、自身のGIDテーブル302内の情報を更新することができる。
【0032】
これらの実施例において、MU−MIMO伝送105(
図1)を受信した際に、ユーザ局300は、MU−MIMO伝送105の中から受信されるGID 117が当該GID 117の値によって指示されるMUグループ106のメンバーであるか否か決定するために、自局のGIDテーブル302内において当該GID 117に対してインデックスを付与するように構成されることが可能である。ユーザ局300がMU−MIMO伝送105において受信されたGID 117によって示されるMUグループ106のメンバーである場合、ユーザ局300は、GIDテーブル302の中から、GID 117と関連付けられたGMI 111を識別することが可能である。当該関連付けられたGMI 111に基づいて、ユーザ局300は、さらに、一つ以上の空間ストリーム115(
図1)から成る如何なる部分集合を復調するべきかについて決定することができ、これは受信されたMU−MIMO伝送105におけるNstsフィールド109(
図1)の値に従って行われる。
【0033】
このようにして、GIDテーブル302は、ユーザ局300が特定のMUグループのメンバーであるか否かを決定し、さらに、ユーザ局300がメンバーであるMUグループ106と関係付けられているGMI 111を検索するための検索テーブル(LUT: Look-Up Table)として使用されることが可能である。従って、ユーザ局300は、一つ以上の空間ストリーム115を含むMU−MIMO伝送105の後続する部分を自局が復調する必要があるか否かを決定することができる。さらにまた、ユーザ局104は、MU−MIMO伝送105における複数の空間ストリーム115から成る如何なる部分集合を復調するべきかについて決定することができる。このようにして、ユーザ局300は、自局を宛先としていないMU−MIMO伝送105の後続する部分を復調することによってエネルギーを費やす必要がない。
【0034】
幾つかの実施形態では、GID 107およびNstsフィールド109は、関連するユーザ局104の全てによって受信可能となるように構成されたMU−MIMO伝送105のプリアンブルの中に含まれる。これらの実施例では、Nstsフィールド109およびGID 107は、両者とも同一のシグナリング・フィールドの中に位置することが可能であるが、これは必須の要件ではない。
【0035】
ユーザ局300は幾つかの別個の機能要素を備えているように図示されているけれども、機能要素の一つ以上は、互いに組み合わされることが可能であり、ソフトウェアによって設定された構成要素(例えば、デジタル信号処理プロセッサ(DSP)を含む演算処理装置および/または他のハードウェア構成要素)の組合せによって実装することができる。例えば、幾つかの構成要素は、一つ以上のマイクロ・プロセッサ、DSP、特定用途向けIC(ASIC)、無線周波数集積回路(RFICs)、そして、少なくとも本明細書において記載されている機能を実行するための様々なハードウェアおよび様々な論理回路の組み合わせを具備することが可能である。幾つかの実施形態では、ユーザ局300の機能要素は、一つ以上の演算処理装置の上で動作している一つ以上のプロセスを指して言うことが可能である。
【0036】
図4は、幾つかの実施例に従うMU−MIMO伝送400の具体例である。MU−MIMO伝送400は、MU−MIMO伝送105(
図1)としての用途に適していてもよい。MU−MIMO伝送400は、自身のプリアンブルを具備することが可能な始端部分410および一つ以上の空間ストリーム115を含むことが可能な後続の部分412、を含むことが可能である。
図4にて図示したように、MU−MIMO伝送400のプリアンブルは、VHTシグナリング・フィールド(例えばVHT−SIG−Aフィールド406)を含むことができる。GID 107およびNstsフィールド109は、図に示すようにMU−MIMO伝送400のVHT―SIG―Aフィールド406の中に含まれることが可能である。
【0037】
MU−MIMO伝送400は、レガシー・トレーニング・フィールド(L−TFs)402、非HT信号フィールド(L−SIG)404、VHTトレーニング・フィールド(VHT−TFs)408、VHT−SIG Bフィールド414、サービス・フィールド415およびデータ・フィールド416をさらに含むことが可能である。各データ・フィールド416は、PPDUの空間ストリーム115のうちの一つに対応することができる。
【0038】
MU−MIMOアクセス・ポイント102(
図1)は、始端部分410を送信するように構成されることができ、始端部分410は、無指向性(例えば、実質的に全方向に向けた)の伝送態様で送信されるプリアンブルを備える。アクセス・ポイント102は、MU−MIMO伝送400の後続の部分412を送信するように構成されることができ、当該後続の部分412は、指向性の伝送態様で送信される複数の空間ストリーム115を含む。
【0039】
これらの実施例において、無指向性の伝送態様で送信され、VHT−SIG−Aフィールド406(それは、GID 107およびNstsフィールド109を含む)を含む始端部分410は、全ての関連するユーザ局104(
図1)によって受信されるように構成されることが可能である。複数の空間ストリーム115を含む後続の部分412は、指向性の伝送態様で送信される際に、ビームフォーミングされても良く、または、以下において詳しく述べるようにプリコーディングされても良い。
【0040】
Nstsフィールド109(
図1)のどの部分を読み出すべきかを決定するために、ユーザ局104は、(GIDテーブル302(
図3)から読み出される)MU−MIMO伝送400のGID 107(
図1)と関係付けられた割り当て済みGMI 111(
図1)を使用するように構成されることが可能である。Nstsフィールド109の当該部分は、ユーザ局104に、MU−MIMO伝送400内における複数の空間ストリーム115から成る如何なる部分集合を復調するべきかについて指し示すことができる。幾つかの実施形態では、ユーザ局104は、Nstsフィールド109内におけるどの3ビット部分を読み込むべきかについて決定するために割り当て済みGMI 111を使用するように構成されることが可能である。
【0041】
これらの実施例において、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、後続の部分412を伝送するためにビームフォーミング技術を適用することができる。空間ストリーム115毎のビームフォーミング係数は、MUグループ106内のユーザ局のうち、特定の空間ストリーム115を受信することになっているユーザ局104のチャネル特性に基づくことが可能である。空間ストリーム115毎に異なるビームフォーミング係数を使用することは、MUグループ106内の各ユーザ局104が信号処理技術を使用して異なる空間ストリーム115を分離すことを可能にする。
【0042】
幾つかの実施形態においては、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、ビームフォーミングのためのコードブック(例えば、プリコーディング行列)に基づく符号化ワードを使用して、後続の部分412をプリコーディングすることが可能である。これらの実施例では、チャネル推定は、MU−MIMOアクセス・ポイント102によって送信されるパイロット信号に基づいて実行されることが可能である。チャネル情報に基づいて、結果的に信号雑音比(SNR)が最大となる符号化ワードおよび符号化ワードに対応するチャネル品質インジケータ(CQI)の値がユーザ局104において決定されることが可能である。符号化ワードおよびCQI値は、MU−MIMOアクセス・ポイント102にフィードバックされることが可能であり、そして、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、選択されたMUグループ106に属するユーザ局104のために、符号化ワードおよびCQI値に基づいて、MU−MIMO伝送400を構成することができる。幾つかの実施形態では、システムの所定の性能指標が達成されるように、または最大となるような方法で、MU―MIMO伝送400は符号化ワードおよびCQI値に基づいて構成されることができる。これらの実施例においては、少なくとも、MU−MIMO伝送400の後続の部分412は、複数の空間的に分離されたアンテナ201(
図2)を使用して送信されることが可能である。
【0043】
幾つかの実施例においては、MU―MIMO伝送400に含まれるGID 107が、当該MU―MIMO伝送400を受信したユーザ局300に対して割り当てられない場合、ユーザ局(例えばユーザ局300(
図3))は、MU−MIMO伝送400の後続の部分412を復調しないようにすることが可能である。これらの実施例では、MU−MIMO伝送400が当該特定のユーザ局300を宛先としていない場合、当該MU−MIMO伝送400は放棄されることが可能である。
【0044】
幾つかの実施形態においては、MU−MIMOアクセス・ポイント102は、可能性として有り得るユーザ局104の組合せ毎に、一意のMUグループ106を生成することが可能である。MU―MIMOアクセス・ポイント102と関係付けられたユーザ局104の数が多い場合、結果として、MUグループ106の個数が多くなり、GIDテーブル302のサイズが大きくなる可能性がある(何故なら、ユーザ局104の各々は、多くのMUグループ106に属することとなるからである)。
【0045】
他の実施態様においては、GIDテーブル302のサイズを減らすために、ユーザ局104の複数の組合せについて、同一のGIDを使用することが可能である。ユーザ局の複数の組合せについて同一のGIDが使用されている場合、MU−MIMO伝送400を受信しているユーザ局104は、そのユーザ局104を宛先としない空間ストリーム115を復調することを終了する。これらのフレームは、破棄されることが可能である。ユーザ局の数多くの複数の組合せを使用するこれらの実施例は、GIDテーブル302のサイズを減少させるために消費電力が僅かに増加するようなトレードオフ関係を提供することができる。幾つかの実施形態では、MUグループ106は、単一のユーザ局104を含むことができる。
【0046】
複数の実施例に従うならば、MU−MIMO伝送400に含まれることが可能な空間ストリーム115の個数は、とりわけ、MU−MIMO伝送400を送信するためのMU−MIMOアクセス・ポイント102により使用されるアンテナ201(
図2)の本数に依存する可能性がある。例えば、8本のアンテナ201が用いられる場合、最大で8個の空間ストリーム115が送信される可能性がある。
【0047】
幾つかの実施形態では、MU−MIMO伝送400は、以下のパラメータを含むことができる。すなわち、使用されるチャネル帯域幅を示すチャネル帯域幅パラメータ418、時空間ブロック符号化パラメータ420、およびチャネル帯域幅の上で送信される際に、MU−MIMO伝送400の後続の部分を変調および符号化する方式を示す変調および符号化のパラメータ(別個に図示されない)等である。幾つかの実施形態では、MU−MIMO伝送400は、スペクトル中において、各々の帯域幅が20MHzである複数の部分帯域のいずれがMU−MIMO伝送400の帯域幅を構成するかについて指し示すことができる。
【0048】
図5は、幾つかの実施例に従うMU−GIDシグナリング手順を図示する。アクセス・ポイント502はMU−MIMOアクセス・ポイント102(
図1)に対応しても良く、そして、ユーザ局(STA)504はユーザ局104(
図1)のうちの1台に対応しても良い。上述した通り、アクセス・ポイント502は、一つ以上のGID 117(
図1)をユーザ局504に割り当てるかまたはユーザ局504の一つ以上のGID 117を更新するために、GID管理フレーム503を送信することができる。GID管理フレーム503は、GID管理フレーム103(
図1)に対応しても良い。GID管理フレーム503をユーザ局504に送信した後に、アクセス・ポイント502は、GID管理フレーム503によって割り当てられたGID 107、又はGID管理フレーム503によって更新されたGID 107(
図1)を含むMU―MIMO伝送505を送信するタイミングを遅延させるように構成されることが可能である。
【0049】
これらの実施例では、遅延させられるMU−MIMO伝送505は、ユーザ局504に割り当てられたGIDを含む(すなわち、ユーザ局504は、自局のGIDの1つが割り当てられるか又は更新される)。この遅延は、例えば、GID管理フレーム503を暗号化解除して、GIDテーブル302(
図3)内に更新内容をインストールする処理等に関連したユーザ局504のあらゆる処理遅延を吸収するために用いることが可能である。
【0050】
幾つかの実施形態では、当該遅延は、MUグループを追加することにより生じる遅延507でも良く、ユーザ局504から肯定応答(ACK)506を受信した後に生じる可能性がある。
ACK 506は、GID管理フレーム503を受信したことに対して肯定応答するために、ユーザ局504によって送信されることが可能である。幾つかの実施形態では、MUグループを追加することにより生じる遅延507は、固定遅延量であるか予め定められた遅延量でもよい。他の実施態様において、MUグループを追加することにより生じる遅延507は、(例えば、ユーザ局504が、VHT BSSに参加する際に)MU−MIMOアクセス・ポイント102と関係付けられた複数のユーザ局104によりもたらされる遅延量に基づいて決定されることが可能である。
【0051】
幾つかの実施形態においては、各ユーザ局104は、自局のGIDテーブル302をインストールするかまたは更新することに関連した遅延量をもたらす可能性がある。もたらされる遅延量は、ユーザ局にとっての処理遅延の上限であっても良い。アクセス・ポイント502は、MUグループを追加することにより生じる遅延507として、最も大きい遅延量(すなわち、最も大きな遅延を有するユーザ局からもたらされる遅延)を利用することが可能である。幾つかの実施形態においては、遅延量はアソシエーション要求フレームのフィールド内で記述されるアソシエーション動作の間、ユーザ局104によってもたらされることが可能であるが、これは必須の要件ではない。
【0052】
図5に示したように、幾つかの代替的な実施例においては、GID管理フレーム503をユーザ局504に送信した後に、アクセス・ポイント502は、GID管理フレーム503の宛先とされたユーザ局504からGID割り当て確認フレーム508を受信するまで、MU−MIMO伝送505を送信するタイミングを遅延させることが可能である。これらの実施例においては、受信したGID管理フレーム503に基づいて、ユーザ局504が自局のGIDテーブル302を成功裏にインストールしたか又は更新した場合に、ユーザ局504は、GID割り当て確認フレーム508をMU−MIMOアクセス・ポイント502に送信するように構成されることが可能である。
【0053】
幾つかの実施形態においては、アクセス・ポイント502は、GID管理フレーム503を送信した後に、自局のMUグループ割り当てテーブル206(
図2)にリストされる特定のユーザ局104に関するエントリを更新することが可能である。MU−MIMO伝送505をユーザ局504に対して送信するのに先立って、アクセス・ポイント502は、ユーザ局504からACK 506を受信するまで、待機することが可能であり、これは、ユーザ局504がGID管理フレーム503を受信したことを保証するために、更新済みとなったテーブル206を使用することにより達成される。幾つかの代替的な実施例において、MU−MIMO伝送505を送信するのに先立って、アクセス・ポイント502は、GID割り当て確認フレーム508をユーザ局504から受信するまで、待機することが可能であり、これは、ユーザ局504が自局のGIDテーブル302をインストールしたか又は更新したことを保証するために、更新済みとなったテーブル206を使用することにより達成される。
【0054】
幾つかの実施形態では、アクセス・ポイント502が自局のテーブル206を更新するのに先立って、アクセス・ポイント502は、ACK 506をユーザ局504から受信するまで、待機することが可能である。幾つかの実施形態では、アクセス・ポイント502が自局のテーブル206を更新するのに先立って、アクセス・ポイント502は、GID割り当て確認フレーム508をユーザ局504から受信するまで、待機することが可能である。
【0055】
図6は、幾つかの実施例に従って、GID管理フレーム603を固定長のフレーム・フォーマット600を使用して示した図である。GID管理フレーム603は、GID管理フレーム103(
図1)としての用途に適していても良く、固定長のフレーム・フォーマット600を有することが可能である。これらの実施例においては、GID管理フレーム603は、テーブルの完全な更新内容をユーザ局のGIDテーブル302(
図3)に提供するように構成されることが可能である。これらの実施例においては、GID管理フレーム603は、メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602およびGMI検索テーブル・フィールド604を含むことが可能である。メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602は、ユーザ局300(
図3)が対応するMUグループのメンバーであるか否かをビットマップ内の各ビットが表示しているビットマップを有することが可能である。メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602に含まれるビットマップ中の各ビットの位置は、GIDによってインデックスを付与されることが可能である。GMI検索テーブル・フィールド604は、関係付けられたGIDに関して(すなわち、対応するMUグループに関して)ユーザ局300についてのGMIを示すことができる。
【0056】
メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602に含まれるビットマップ内において、1がセットされたビットは、ユーザ局300がビットの位置によって示されるグループのメンバーであることを示すことが可能である。メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602内において1にセットされているビットの各々毎に、GMI検索テーブル・フィールド604内の対応するビットは、関連するGIDについてのGMI値を示す。GID管理フレーム603の受領に応答して、ユーザ局300は、メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602の情報、およびGMI検索テーブル・フィールド604の対応する情報に基づいて、自局のGIDテーブル302(
図3)を更新することが可能である。
【0057】
例えば、(
図6に示すように)メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602内の第4の位置において1にセットされたビットは、ユーザ局300(GID管理フレーム603の宛先とされたユーザ局)が第4のMUグループ(すなわち、GID=4となるグループ)のメンバーとして割り当てられることを示す。GMI検索テーブル・フィールド604内において対応するGMIの値=2は、復調すべき空間ストリーム115(
図1)の個数および順序に関して、Nstsフィールド109(例えば、VHT−SIG−Aフィールド406(
図4)内のB16〜B18)の第2部分をユーザ局300が参照しなければならないことを示している。GMI検索テーブル・フィールド604の2つずつのビットの各々は、対応するMUグループについて、ユーザ局のGMIを表示することが可能である。このようにして、ユーザ局300は、Nstsフィールド109の一部分に基づいて、複数の空間ストリーム115から成る如何なる部分集合を復調するべきかについて決定することが可能である。
【0058】
幾つかの実施形態においては、メンバーシップ・ビットマップ・フィールド602は8オクテットの長さであっても良く、GMI検索テーブル・フィールド604は16オクテットの長さであっても良いが、これは必須の要件ではない。64個のGID管理フィールドを設けることが可能であり、その各々は、対応するMUグループに属するユーザ局のメンバーシップ状態を示す1ビット、および対応するMUグループに属するユーザ局のグループ・メンバー・インデックス(GMI)を示す2ビットを含む。
【0059】
図7は、幾つかの実施例に従って、GID管理フレーム703を可変長フレーム・フォーマット700を使用して示す図である。GID管理フレーム703は、GID管理フレーム103(
図1)としての用途に適していても良く、可変長フレーム・フォーマット700を有することが可能である。これらの実施例において、可変長フレーム・フォーマット700に従って構成されるときに、GID管理フレーム703は、追加、削除または変更をユーザ局のGIDテーブル302(
図3)に提供することができる。GID管理フレーム703を受信したことに応答して、ユーザ局300(
図3)は、自局のGIDテーブル302を更新することが可能である。
【0060】
これらの可変長フレーム・フォーマットの実施例において、GID管理フレーム703は、どのエントリが追加されることになっているか(例えば、1エントリ毎に1オクテット)を指し示すために、GIDテーブル302に追加されるエントリの数を示すフィールド702およびそれに続く一つ以上のフィールド704を含むことが可能である。これらの実施例では、GID管理フレーム703は、どのエントリが削除されることになっているか(例えば、1エントリ毎に1オクテット)を指し示すために、削除されるエントリの数を示すフィールド706とそれに続く多くのフィールド708を含むことが可能である。これらの可変長フレーム・フォーマットの実施例において、フィールド704の追加されたエントリの各々は、ユーザ局300が追加されるべきMUグループのGID 710または当該GID 710と関係付けられた新たなGMI 712と共にユーザ局のGMIが変更されるべきMUグループのGID 710を含むことが可能である。フィールド708の削除エントリの各々は、ユーザ局300が除外されているMUグループのGIDを含むことが可能である。
【0061】
本発明に係る実施例は、ハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアのいずれか一つまたはこれらの組合せとして実装されることが可能である。実施例は、コンピュータ可読の記憶装置に格納される命令として実施されることもでき、それは本明細書において記載されている動作を実行するために少なくとも一つのプロセッサによって読み込まれ、実行されることが可能である。コンピュータ可読の記憶装置は、計算機械(例えば、コンピュータ)によって情報を読み込むことが可能な形式で保存するいかなる機構をも含むことが可能である。例えば、コンピュータ可読の記憶装置は、リード・オンリー・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶装置媒体、光記憶媒体、フラッシュ記憶装置、その他の記憶機器および記憶媒体を含むことが可能である。幾つかの実施形態においては、計算機械は、一つ以上のプロセッサを含むことが可能であり、コンピュータ可読の記憶装置に格納される命令によって設定されることが可能である。
【0062】
要約書は法定の方式要件を充足するために添付されている。法定の方式要件は、読者が技術的な開示の性質および主旨を確認することができる要約を要求している。それが請求項の範囲または意味を制限するかまたは解釈するために用いないという了解の下で、それは提出される。別々の実施例として単独で成立している各請求項に係る発明に関し、本明細書に添付した各請求項記載の発明は、本明細書中の詳細な説明に組み込まれる。