特許第5797793号(P5797793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5797793高速構造化マルチレート低密度パリティチェックコードのための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797793
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】高速構造化マルチレート低密度パリティチェックコードのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H03M 13/19 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   H03M13/19
【請求項の数】32
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-23393(P2014-23393)
(22)【出願日】2014年2月10日
(62)【分割の表示】特願2011-531151(P2011-531151)の分割
【原出願日】2009年10月7日
(65)【公開番号】特開2014-140175(P2014-140175A)
(43)【公開日】2014年7月31日
【審査請求日】2014年3月12日
(31)【優先権主張番号】61/103,533
(32)【優先日】2008年10月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/496,464
(32)【優先日】2009年7月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】イズメイル・ラッキス
【審査官】 岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0149840(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/091327(WO,A1)
【文献】 Ismail Lakkis,TensorCom Physical Layer Proposal,IEEE 802.15-0760-00-003c,2006年 7月 9日
【文献】 Ming Lei et al.,Fixed Point Decoding Performance of Short-Length Structured LDPC Codes for SC-FDE Based 60-GHz WPAN (IEEE 802.15.3c),Vehicular Technology Conference, 2008. VTC Spring 2008. IEEE,2008年 5月14日
【文献】 Kuang-Hao Lin et al.,Construction of the cyclic block-type LDPC codes for low complexity hardware implementation,Electronics, Circuits and Systems, 2008. ICECS 2008. 15th IEEE International Conference on,2008年 9月 3日,pp.1187-1190
【文献】 森 佑介 他,LDPC符号の設計に関する一考察 : 柔軟なLDPC符号の設計方法,電子情報通信学会技術研究報告,2007年 3月 8日,Vol.106, No.594,pp.99-103,IT2006-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 13/19
IEEE Xplore
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信のための方法において、
複数の正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列を得ることを含み、
前記複数の正方小行列のうちの少なくとも1つは、複数のブロックの複数の行および複数の列を含み、
さらに、前記複数の正方小行列のうちの前記少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含み、
エンコードされたデータのパケットを生成するために、前記少なくとも1つのLDPC行列を用いて1つ以上のレートでデータをエンコードすることと、
前記パケットを送信することとを含み、
前記LDPC行列は、前記1つ以上のレートの第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、同じ正方小行列に属していないブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記1つ以上のレートの第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成され、前記第2のレートは前記第1のレートとは異なる方法。
【請求項2】
前記LDPC行列は、2分の1のレートである請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第2のレートは、A/Bであり、AおよびBは、正の整数であり、AはBより小さい請求項記載の方法。
【請求項4】
各ブロックは、ゼロの正方行列、または、単位行列の循環シフトを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
各正方小行列は、3×3ブロック、4×4ブロック、5×5ブロックのうちの1つの次元を有する請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記正方小行列のうちのいくつかは、すべてゼロブロックで構成される請求項1記載の方法。
【請求項7】
サイズR×Cのブロックの前記LDPC行列のうちの少なくとも1つは、サイズR×C1のブロックの第1の部分と、サイズR×C2のブロックの第2の部分とで構成され、
1+C2=Cであり、
前記第1の部分は、ブロックの列毎に1つだけの非ゼロブロックを含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
サイズKbase×Nbaseの正方小行列の別のLDPC行列から、前記1つ以上のLDPC行列を生成させることをさらに含み、
前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記生成は、前記非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えることを含む請求項記載の方法。
【請求項10】
前記生成は、
前記別のLDPC行列のブロックの少なくとも2つの行を結合して、前記別のLDPC行列のレートよりも高いレートの第2のLDPC行列を取得することと、
前記より高いレートの第2のLDPC行列の非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えることとを含む請求項記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信のための装置において、
複数の正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列を得るように構成され、前記複数の正方小行列のうちの少なくとも1つは、複数のブロックの複数の行および複数の列を含み、さらに、前記複数の正方小行列のうちの前記少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む回路と、
エンコードされたデータのパケットを生成するために、前記少なくとも1つのLDPC行列を用いて1つ以上のレートでデータをエンコードするように構成されているエンコーダと、
前記パケットを送信するように構成されている送信機とを具備し、
前記LDPC行列は、前記1つ以上のレートの第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、同じ正方小行列に属していないブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記1つ以上のレートの第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成され、前記第2のレートは前記第1のレートとは異なる装置。
【請求項12】
前記LDPC行列は、2分の1のレートである請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記第2のレートは、A/Bであり、AおよびBは、正の整数であり、AはBより小さい請求項11記載の装置。
【請求項14】
各ブロックは、ゼロの正方行列、または、単位行列の循環シフトで構成される請求項11記載の装置。
【請求項15】
各正方小行列は、3×3ブロック、4×4ブロック、5×5ブロックのうちの1つの次元を有する請求項11記載の装置。
【請求項16】
前記正方小行列のうちのいくつかは、すべてゼロブロックで構成される請求項11記載の装置。
【請求項17】
サイズR×Cのブロックの前記LDPC行列のうちの少なくとも1つは、サイズR×C1のブロックの第1の部分と、サイズR×C2のブロックの第2の部分とで構成され、
1+C2=Cであり、
前記第1の部分は、ブロックの列毎に1つだけの非ゼロブロックを含む請求項11記載の装置。
【請求項18】
サイズKbase×Nbaseの正方小行列の別のLDPC行列から、前記1つ以上のLDPC行列を生成させるように構成されている生成器をさらに具備し、
前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む請求項11記載の装置。
【請求項19】
前記生成器は、前記非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えるように構成されている置換回路を備える請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記生成器は、
前記別のLDPC行列のブロックの少なくとも2つの行を結合して、前記別のLDPC行列のレートよりも高いレートの第2のLDPC行列を取得するように構成されている結合器と、
前記より高いレートの第2のLDPC行列の非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えるように構成されている置換回路とを備える請求項18記載の装置。
【請求項21】
ワイヤレス通信のための装置において、
複数の正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列を得る手段を含み、
前記複数の正方小行列のうちの少なくとも1つは、複数のブロックの複数の行および複数の列を含み、
さらに、前記複数の正方小行列のうちの前記少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含み、
エンコードされたデータのパケットを生成するために、前記少なくとも1つのLDPC行列を用いて1つ以上のレートでデータをエンコードする手段と、
前記パケットを送信する手段とを具備し、
前記LDPC行列は、前記1つ以上のレートの第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、同じ正方小行列に属していないブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記1つ以上のレートの第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成され、前記第2のレートは前記第1のレートとは異なる装置。
【請求項22】
前記LDPC行列は、2分の1のレートである請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記第2のレートは、A/Bであり、AおよびBは、正の整数であり、AはBより小さい請求項21記載の装置。
【請求項24】
各ブロックは、ゼロの正方行列、または、単位行列の循環シフトで構成される請求項21記載の装置。
【請求項25】
各正方小行列は、3×3ブロック、4×4ブロック、5×5ブロックのうちの1つの次元を有する請求項21記載の装置。
【請求項26】
前記正方小行列のうちのいくつかは、すべてゼロブロックで構成される請求項21記載の装置。
【請求項27】
サイズR×Cのブロックの前記LDPC行列のうちの少なくとも1つは、サイズR×C1のブロックの第1の部分と、サイズR×C2のブロックの第2の部分とで構成され、
1+C2=Cであり、
前記第1の部分は、ブロックの列毎に1つだけの非ゼロブロックを含む請求項21記載の装置。
【請求項28】
サイズKbase×Nbaseの正方小行列の別のLDPC行列から、前記1つ以上のLDPC行列を生成させる手段をさらに具備し、
前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む請求項21記載の装置。
【請求項29】
前記生成させる手段は、前記非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換える手段を備える請求項28記載の装置。
【請求項30】
前記生成させる手段は、
前記別のLDPC行列のブロックの少なくとも2つの行を結合して、前記別のLDPC行列のレートよりも高いレートの第2のLDPC行列を取得する手段と、
前記より高いレートの第2のLDPC行列の非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換える手段とを備える請求項28記載の装置。
【請求項31】
命令を記録した、ワイヤレス通信のためのコンピュータ読み取り可能記憶媒体において、
複数の正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列を得させることと
前記複数の正方小行列のうちの少なくとも1つは、複数のブロックの複数の行および複数の列を含み、
さらに、前記複数の正方小行列のうちの前記少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含み、
エンコードされたデータのパケットを生成させるために、前記少なくとも1つのLDPC行列を用いて1つ以上のレートでデータをエンコードさせることと
前記パケットを送信させこととをコンピュータに実行させる命令を記録したコンピュータ読み取り可能媒体を具備
前記LDPC行列は、前記1つ以上のレートの第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、同じ正方小行列に属していないブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記1つ以上のレートの第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成され、前記第2のレートは前記第1のレートとは異なる
コンピュータ読み取り可能記憶媒体
【請求項32】
ワイヤレスノードにおいて、
少なくとも1つのアンテナと、
複数の正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列を得るように構成され、前記複数の正方小行列のうちの少なくとも1つは、複数のブロックの複数の行および複数の列を含み、さらに、前記複数の正方小行列のうちの前記少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む回路と、
エンコードされたデータのパケットを生成するために、前記少なくとも1つのLDPC行列を用いて1つ以上のレートでデータをエンコードするように構成されているエンコーダと、
前記少なくとも1つのアンテナにより、前記パケットを送信するように構成されている送信機とを具備
前記LDPC行列は、前記1つ以上のレートの第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、同じ正方小行列に属していないブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記1つ以上のレートの第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成され、前記第2のレートは前記第1のレートとは異なる
ワイヤレスノード。
【発明の詳細な説明】
【合衆国法典第35部第119条に基づく優先権の主張】
【0001】
特許に対する本出願は、2008年10月7日に出願され、本出願の譲受人に譲渡され、参照により明白にここに組み込まれている仮出願第61/103,533号に対する優先権を主張する。
【分野】
【0002】
本開示のいくつかの観点は一般に、ワイヤレス通信に関連し、より詳細には、構造化された、マルチレートの低密度パリティチェック(LDPC)コードを設計するための方法および装置に関連する。
【背景】
【0003】
誤り訂正コードが、ワイヤレス通信において広く利用されている。誤り訂正コードは、データストリームに冗長を導入することにより、送信される情報の、本来備わっている信頼性の欠如を補償する。低密度パリティチェック(LDPC)コードとして知られているコードのクラスにおいて、かなりの関心が最近高まってきている。LDPCコードは、チャネル容量に近い誤りレート性能を提供することが実証されている。チャネル容量は、ワイヤレス送信に対する下限を表す。
【0004】
LDPCコードのエンコーディングは、ある数の冗長ビットを組み込むことにより、1組の情報からコードワードを生成させる手続きを指す。LDPCコードのレートは、情報ビットの数と、エンコードされたビット(すなわち、情報ビットおよび冗長ビット)の総数との比として定義される。
【0005】
新生のワイヤレス通信標準規格は、絶えず進化している。そのため、送信機側でマルチレートエンコーディングをサポートするようにフレキシブルなLDPCコードを設計することが重要である。さらに、高データレート通信を可能にするために、手軽な計算の複雑さにより高速エンコーディングを達成することも重要な考慮事項である。
【0006】
それゆえに、高速エンコーディングプロセスをサポートする構造を有する、フレキシブルなマルチレートLDPCコードを生成させる方法に対する必要性が技術的に存在する。
【概要】
【0007】
いくつかの観点は、ワイヤレス通信のための方法を提供する。方法は一般に、データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させることと、パケットを送信することとを含み、データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む。
【0008】
いくつかの観点は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は一般に、データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させるように構成されているエンコーダと、パケットを送信するように構成されている送信機とを備え、データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む。
【0009】
いくつかの観点は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は一般に、データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させる手段と、パケットを送信する手段とを備え、データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む。
【0010】
いくつかの観点は、ワイヤレス通信のためのコンピュータプログラムプロダクトを提供する。コンピュータプログラムプロダクトは、データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させ、パケットを送信するように実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体を備え、データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む。
【0011】
いくつかの観点は、ワイヤレスノードを提供する。ワイヤレスノードは一般に、少なくとも1つのアンテナと、データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させるように構成されているエンコーダと、少なくとも1つのアンテナにより、パケットを送信するように構成されている送信機とを備え、データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
詳細な説明、より特定の記述、先に述べた簡潔な概要において、先に列挙した本開示の特徴を理解できる方法を、観点への参照により有することができるように、観点のいくつかは、添付図面により説明されている。しかしながら、添付図面は、本開示のいくつかの典型的な観点だけを説明し、それゆえに、その範囲の限定と考えるべきではなく、記述に対して、他の同様に効果的な観点を認めてもよいことに注目すべきである。
図1図1は、本開示のいくつかの観点にしたがった、例示的なワイヤレス通信システムを図示する。
図2図2は、本開示のいくつかの観点にしたがった、ワイヤレスデバイス中で利用してもよいさまざまなコンポーネントを図示する。
図3図3は、本開示のいくつかの観点にしたがった、低密度パリティチェック(LDPC)エンコーダの例示的なブロック図を図示する。
図4図4は、本開示のいくつかの観点にしたがった、構造化されたパリティチェック行列(PCM)により特徴付けられるLDPCコードのエンコーディングに対する動作を説明する。
図4A図4Aは、図4中で説明されている動作を実行できる、例示的なコンポーネントを図示する。
図5図5は、本開示のいくつかの観点にしたがった、構造化されたPCM内の小行列の例を図示する。
図6図6は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート1/2のLDPCコードの例示的なPCMを図示する。
図7図7は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート1/2のLDPCコードの別の例示的なPCMを図示する。
図8図8は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート5/6のLDPCコードの例示的なPCMを図示する。
図9図9は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート2/3のLDPCコードの例示的なPCMを図示する。
図10図10は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート1/2のLDPCコードの効率的なエンコーディングに適した、PCM構造の例を図示する。
図11図11は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート1/2のLDPCコードの効率的なエンコーディングに適した、PCM構造の別の例を図示する。
図12図12は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート5/6のLDPCコードの効率的なエンコーディングに適した、PCM構造の別の例を図示する。
図13図13は、本開示のいくつかの観点にしたがった、効率的なLDPCエンコーディング方法を図示する。
【詳細な説明】
【0013】
添付図面を参照して、本開示のさまざまな観点を以下でより十分に記述する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現でき、本開示全体を通して与えられる、何らかの特定の構造または機能に限定されるものとして解釈すべきでない。むしろ、これらの観点は、本開示が完全かつ徹底的であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。ここで開示したいくつかの観点が、独自に実現されようと、本開示の他の何らかの観点と組み合わされようと、ここでの教示に基づいて、本開示の範囲が、そのような観点をカバーするように向けられていることを当業者は理解するはずである。例えば、ここで示した任意の数の観点を使用して、装置を実現してもよく、方法を実施してもよい。さらに、ここで示したさまざまな観点に加えて、または、それらの観点以外に、他の構造、機能、または、構造および機能を使用して実施されるような、装置または方法をカバーするように、本開示の範囲は向けられている。ここで開示した開示の任意の観点を、請求項の1つ以上の要素により具現してもよいことを理解すべきである。
【0014】
語“例示的な”は、ここでは、“例、事例、または、例示として役割を果たす”ことを意味するように使用される。“例示的な”としてここで説明する何らかの観点は、必ずしも、他の観点より好ましい、あるいは、他の実施形態より利点があるものとして解釈すべきではない。
【0015】
特定の観点をここでは記述しているが、これらの観点の、多くのバリエーションおよび並べ換えは、本開示の範囲に入る。好ましい観点の、いくつかの利益および利点を述べているが、本開示の範囲は、特定の利益、使用、または、目的に限定されるように向けられていない。むしろ、本開示の観点は、異なるワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および、送信プロトコルに広く適用可能であるように向けられており、それらのいくつかは、図において、および、好ましい観点の以下の記述において、一例として説明されている。詳細な説明および図面は、限定ではなく、本開示の実例にすぎず、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物により規定されている。
【0016】
例示的なワイヤレス通信システム
ここで記述した技術は、単一搬送波送信に基づいている通信システムを含む、さまざまなブロードバンドワイヤレス通信システムに対して使用してもよい。ここで開示した観点は、電気電子技術者協会(IEEE)802.15.3cプロトコルおよびVery High Throughput(VHT)60プロトコルにより規定されているような、ミリメートル波システム中で使用される単一搬送波信号および直交周波数分割多重化(OFDM)信号を用いるシステムに有利であるかもしれない。しかしながら、他のアプリケーションが同様の恩恵を受けることができることから、本開示は、そのようなシステムに限定されるように向けられていない。
【0017】
ここでの教示は、さまざまなワイヤードまたはワイヤレスの装置(例えば、ノード)に組み込まれてもよい(例えば、そのような装置内で実現されるか、または、そのような装置により実行されてもよい)。いくつかの観点において、ここでの教示にしたがって実現されるワイヤレスノードは、アクセスポイントまたはアクセス端末またはピコネット制御装置または他のタイプのワイヤレスデバイスを備えていてもよい。
【0018】
アクセスポイント(“AP”)は、ノードB、無線ネットワーク制御装置(“RNC”)、eノードB、基地局制御装置(“BSC”)、基地トランシーバ局(“BTS”)、基地局(“BS”)、トランシーバ機能(“TF”)、無線ルータ、無線トランシーバ、基本サービスセット(“BSS”)、拡張サービスセット(“ESS”)、無線基地局(“RBS”)、または他の何らかの用語、を備えていてもよく、そのようなものとして実現されてもよく、または、そのようなものとして知られていてもよい。
【0019】
アクセス端末(“AT”)は、アクセス端末、加入者局、加入者ユニット、移動局、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、ユーザ機器、または、他の何らかの用語、を備えていてもよく、そのようなものとして実現されてもよく、または、そのようなものとして知られていてもよい。いくつかの構成において、アクセス端末は、セルラ電話機、コードレス電話機、セッション開始プロトコル(“SIP”)電話機、ワイヤレスローカルループ(“WLL”)局、パーソナルデジタルアシスタント(“PDA”)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、またはワイヤレスモデムに接続される他の何らかの適切な処理デバイスを備えていてもよい。したがって、ここで教示される1つ以上の観点は、電話機(例えば、セルラ電話機またはスマート電話機)、コンピュータ(例えば、ラップトップ)、ポータブル通信デバイス、ポータブル計算デバイス(例えば、パーソナルデータアシスタント)、エンターテイメントデバイス(例えば、音楽デバイス、ビデオデバイス、または衛星ラジオ)、グローバルポジショニングシステムデバイス、あるいは、ワイヤレスまたはワイヤード媒体により通信するように構成されている他の何らかの適切なデバイス、に組み込まれていてもよい。いくつかの観点において、ノードはワイヤレスノードである。そのようなワイヤレスノードは、例えば、ワイヤードまたはワイヤレスの通信リンクにより、ネットワーク(例えば、インターネットのようなワイドエリアネットワークまたはセルラネットワーク)に対する、または、ネットワークへの接続性を提供してもよい。
【0020】
図1は、本開示の観点を用いてもよいワイヤレス通信システム100の例を図示する。ワイヤレス通信システム100は、ブロードバンドワイヤレス通信システムであってもよい。ワイヤレス通信システム100は、多数のセル102に対して通信を提供してもよく、セル102のそれぞれは、基地局104により担当されている。基地局104は、ユーザ端末106と通信する固定局であってもよい。基地局104は、代わりに、アクセスポイント、ノードB、または、他の何らかの用語で呼ばれることもある。
【0021】
図1は、システム100全体にわたって分散されている、さまざまなユーザ端末106を描写している。ユーザ端末106は、固定型(すなわち、静止したもの)であってもよく、または、移動型であってもよい。ユーザ端末106は、代わりに、リモート局、アクセス端末、端末、加入者ユニット、移動局、局、ユーザ機器などと呼ばれることもある。ユーザ端末106は、セルラ電話機や、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)や、ハンドヘルドデバイスや、ワイヤレスモデムや、ラップトップコンピュータや、パーソナルコンピュータなどのような、ワイヤレスデバイスであってもよい。
【0022】
基地局104とユーザ端末106との間の、ワイヤレス通信システム100における送信に対して、さまざまなアルゴリズムおよび方法を使用してもよい。例えば、60GHzあたりの帯域において、単一搬送波技術またはOFDM技術にしたがって、基地局104とユーザ端末106との間で信号を送受信してもよい。この場合、ワイヤレス通信システム100は、超広帯域無線(UWB)システムと呼ばれることもある。
【0023】
基地局104からユーザ端末106への送信を容易にする通信リンクは、ダウンリンク(DL)108と呼ばれることもあり、ユーザ端末106から基地局104への送信を容易にする通信リンクは、アップリンク(UL)リンク110と呼ばれることもある。代わりに、ダウンリンク108は、フォワードリンクまたはフォワードチャネルと呼ばれることもあり、アップリンク110は、リバースリンクまたはリバースチャネルと呼ばれることもある。
【0024】
セル102は、複数のセクタ112に分割されていてもよい。セクタ112は、セル102内の物理的なカバレッジエリアである。ワイヤレス通信システム100内の基地局104は、セル102の特定のセクタ112内に電力のフローを集中させるアンテナを利用する。そのようなアンテナは、指向性アンテナと呼ばれることがある。
【0025】
図2は、ワイヤレス通信システム100内で用いてもよいワイヤレスデバイス202中で利用してもよい、さまざまなコンポーネントを図示する。ワイヤレスデバイス202は、ここで記述するさまざまな方法を実現するように構成されていてもよいデバイスの例である。ワイヤレスデバイス202は、基地局104またはユーザ端末106であってもよい。
【0026】
ワイヤレスデバイス202は、ワイヤレスデバイス202の動作を制御するプロセッサ204を含んでいてもよい。プロセッサ204はまた、中央処理ユニット(CPU)と呼ばれることもある。読み出し専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含んでいてもよいメモリ206が、命令およびデータをプロセッサ204に提供する。メモリ206の一部は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでいてもよい。プロセッサ204は通常、メモリ206内に記憶されているプログラム命令に基づいて、論理演算および算術演算を実行する。メモリ206中の命令は、ここで記述する方法を実現するように実行可能であってもよい。
【0027】
ワイヤレスデバイス202はまた、筐体208を備えていてもよく、筐体208は、ワイヤレスデバイス202と遠隔地との間でデータの送信および受信を可能にする送信機210および受信機212を含んでいてもよい。送信機210および受信機212を組み合わせて、トランシーバ214にしてもよい。アンテナ216が筐体208に取り付けられて、トランシーバ214に電気的に結合されていてもよい。ワイヤレスデバイス202はまた、(示していない)複数の送信機、複数の受信機、複数のトランシーバ、および/または、複数のアンテナを含んでいてもよい。
【0028】
ワイヤレスデバイス202はまた、信号検出器218を含んでいてもよく、信号検出器218を使用して、トランシーバ214により受信した信号のレベルを検出および定量化してもよい。信号検出器218は、総エネルギーや、シンボル当たりの副搬送波毎のエネルギーや、電力スペクトル密度のような信号、および、他の信号を検出してもよい。ワイヤレスデバイス202はまた、信号を処理する際に使用するデジタル信号プロセッサ(DSP)220を含んでいてもよい。
【0029】
ワイヤレスデバイス202のさまざまなコンポーネントを、バスシステム222により互いに結合してもよく、バスシステム222は、データバスに加えて、電力バスと、制御信号バスと、ステータス信号バスとを含んでいてもよい。
【0030】
UWBワイヤレスシステム100は、ミリメートル波通信(例えば、約60GHzの搬送波周波数による通信)に対して使用してもよい。単一搬送波変調およびOFDM変調の両方をサポートする、デュアルモードUWB物理レイヤ(PHY)は、共通モードのシグナリングを用いてもよい。共通モードは、ビーコニング、ネットワーク制御シグナリング、および、基本レートのデータ通信に対して、単一搬送波デバイスおよびOFDMデバイスの両方により使用される単一搬送波モードである。共通モードは通常、異なるデバイスおよび異なるネットワークの間における相互運用性のために必要とされる。それゆえに、システム100は、単一搬送波技術およびOFDM技術の両方をサポートしてもよい。
【0031】
IEEE802.15.3c標準規格は、既存の802.15.3ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)標準規格802.15.3−2003に対する代替として、デュアルモードUWB PHYをサポートするように向けられている。この代替のIEEE802.15.3cミリメートル波WPANは、連邦通信委員会(FCC)により指定される、57GHzないし64GHzの無免許の帯域を含む、新規かつクリアな帯域で動作してもよい。ミリメートル波WPANは、WPANのIEEE802.15ファミリにおける、他のすべてのマイクロ波システムとの高い共存(すなわち、接近した物理間隔)を可能にしてもよい。さらに、ミリメートル波WPANは、高速インターネットアクセス、ストリーミングビデオなどのような、高データレートアプリケーション(すなわち、少なくとも1Gbpsのデータレート)をサポートしてもよい。
【0032】
高品質のサービスを提供するために、低密度パリティチェック(LDPC)コードのような誤り訂正コードを提案して、IEEE802.15.3cシステム中で利用してもよい。LDPCコードは、チャネル容量に非常に近い誤りレート性能を提供し得る、順方向誤り訂正コードを表し、チャネル容量は、ワイヤレス送信に対する下限を表す。
【0033】
低密度パリティチェックエンコーディング
図3は、本開示のいくつかの観点にしたがった、送信機210の一部分であってもよい、LDPCエンコーディングの例示的なブロック図を図示する。LDPCエンコーダ304は、アクセス端末106へのダウンリンク送信108に対して、アクセスポイント104で実現してもよい。さらに、エンコーダ304は、アクセスポイント104へのアップリンク送信に対して、アクセス端末106で実現してもよい。
【0034】
情報ビット302は、サイズK×1のベクトルdの形態で表してもよい。K個の情報ビットのエンコーディング後に、合計Nビットから成るLDPCコードワード306を生成させてもよく、ここで、NビットのうちMビットは、冗長であってもよい。LDPCエンコーディングは一般に、次のように表すことができる:
【数1】
【0035】
ここで、cは、サイズN×1のコードワードベクトルであり、Gは、サイズN×Kの生成行列である。生成行列Gは、等式(1)により指定されているとおり、情報ビットのエンコーディングに対して使用してもよい行列である。
【0036】
等式(1)からのコードワードcは、次のように表してもよい:
【数2】
【0037】
ここで、pは、M=N−Kの冗長パリティチェックビットのベクトルである。
【0038】
LDPCコードを、サイズM×Nのパリティチェック行列(PCM)により、完全に規定してもよい。送信機における情報のエンコーディングに対してだけでなく、ワイヤレスチャネルにより送信される、受信されるコードワードのデコーディングに対しても、PCMを使用してもよい。PCM Hとコードワードcとの間で次の関係を満たす必要がある。
【数3】
【0039】
ここで0は、サイズM×1のゼロベクトルである。等式(3)は、M=N−K個のパリティチェック方程式の行列形態を表し、M個の、結果として生じるゼロは、すべてのパリティチェック方程式のパリティが満たされることを確認する。等式(2)と併用される等式(3)を、送信機におけるエンコーディング(すなわち、冗長パリティチェックビットpをコードワードcに配置すること)に対してだけでなく、受信機におけるデコーディング(すなわち、コードワードcから情報ビットdを抽出すること)に対しても利用してもよい。
【0040】
構造化マルチレートパリティチェック行列
本開示のいくつかの観点は、構造化されたパリティチェック行列(PCM)の設計をサポートする。これらのPCM(すなわち、LDPC行列)は、複数のLDPCコードレートに対して共通の構造を有していてもよい。
【0041】
図4は、本開示のいくつかの観点にしたがった、1つ以上の構造化されたLDPC行列に基づくLDPCエンコーディングのための動作400を説明する。410において、データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させてもよい。データは、1つ以上の構造化されたLDPC行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされてもよい。LDPC行列は、正方小行列を含んでいてもよく、正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む。420において、エンコードされたデータの、生成されたパケットを送信してもよい。
【0042】
構造化PCMは、Kbase×Nbase個の正方小行列から構成されてもよい。各正方小行列は、それ自体、Nb×Nb個の正方ブロックに区分されていてもよい。すべてのブロックは、Nperm×Npermの同じサイズを有していてもよい。各ブロックは、ゼロ行列、または、単位行列の循環シフト(左または右)のいずれであってもよい。単位行列Iを左にpの位置まで循環シフトすることにより取得されるブロックをJPとして表してもよく、ここで、
【数4】
【0043】
である。
【0044】
構造化PCMの各小行列は、そのような小行列の、ブロックの行毎に1つだけの非ゼロブロックと、ブロックの列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含んでいてもよい。図5は、本開示のいくつかの観点にしたがった、Nb=3による、構造化PCM内の小行列502の例を図示する。図5中で図示した小行列は、3、7および8に等しい、等式(4)からの指数pを使用してもよいことが観察できる。
【0045】
構造化PCM内で互いに垂直である複数の小行列(すなわち、PCMのブロックの同じ列に属しているが、ブロックの異なる行に属している小行列)は、同じ組の指数または異なる組の指数を使用してもよい。同じ組の指数が使用される場合、非ゼロブロックの特定のパターンは、複数の小行列からの対応する小行列がどのように非ゼロブロックにより満たされるかを決定してもよい。
【0046】
例えば、Nb=4のとき、Nb×Nb個のブロックに区分される正方小行列内に、非ゼロブロックの、4!=4×3×2×1=24の別個のパターンが存在し得る。Nb=3に対しては、6の別個のパターンが存在し得り、Nb=5に対しては、120のパターンが存在し得る。一般に、所定のNbに対して、Nb!=Nb×(Nb−1)×(Nb−2)×・・・×1の可能性のあるパターンが存在し得る。図6は、レート1/2のLDPCコードの例示的なPCMを図示し、ここで、Nb=3、Nperm=21であり、同じ組の指数を有する、異なるパターンを使用して、ブロックの同じ列と、ブロックの異なる行とに沿って、PCMの小行列を満たしてもよい。
【0047】
一般に、PCMのブロックの、同じ組の列に沿って位置しているが、ブロックの異なる組の行に沿って位置している小行列は、同じ組の指数を使用する必要はない。図7は、レート1/2のLDPCコードの例示的なPCMを図示しており、ここで、異なる組の指数を、PCMのブロックの、同じ組の列および異なる行に沿って使用してもよい。
【0048】
本開示の1つの観点において、図6中で図示されているPCMのブロックの各組の3つの行からの非ゼロブロックを、ブロックの単一の列に結合することにより、レート5/6のLDPCコードの構造化PCMを取得してもよい。図8は、レート5/6のLDPCコードの、生成された構造化PCMを図示する。
【0049】
さらに、レート1/2のLDPCコードの構造化PCMのブロックの、異なる数の行を結合して、異なるレートのPCMを取得することが可能である。例えば、図6からのPCMのブロックの最初の2つの行を結合して、ブロックの単一の行にしてもよいが、図6からのPCMのブロックの第3の行は、ブロックの他のいずれの行とも結合しなくてもよい。このようにして、図9中で図示されているように、レート2/3の構造化PCMを生成させてもよい。一般に、同じ正方小行列に属しているか、または、属していない、ブロックの任意の数の行を結合して、共通の構造化PCMから、さまざまなコードレートを生成させてもよい。
【0050】
効率的にエンコード可能なパリティチェック行列
本開示のいくつかの観点は、手軽な計算の複雑さによる高速エンコーディングに適したLDPCコードのための構造化パリティチェック行列をサポートする。効率的なエンコーディングを可能にするために、いくつかの非ゼロブロックを同じサイズのゼロブロックに置き換えることにより、以前に構成されたPCMを修正してもよい。本開示のいくつかの観点に対して、これらの修正されたPCMに基づくエンコーディングプロセスは、冗長なパリティチェックビットをコードワードに組み込むために、情報ビットに適用される、限定された数の排他的論理和(XOR)の論理演算を用いることにより、効率的に実現されてもよく、一方、処理の待ち時間は短いものとなる可能性がある。
【0051】
本開示の1つの観点において、PCMの構造は、効率的な高速LDPCエンコーディングに適していてもよい、(例えば、右側において、または、左側において、あるいは、他の任意の方向において)ブロック三角形またはブロック階段であってもよい。図10は、図6からのPCMの右側にある、いくつかの非ゼロブロックを、同じサイズのゼロブロックに置き換えることにより、図6からのPCMの修正後に取得される、レート1/2のLDPCコードの例示的なブロック三角形PCMを図示する。
【0052】
図11は、階段構造を有する、レート1/2のLDPCコードの例示的なPCMを図示し、この例示的なPCMは、図6からのPCMの右側にある、いくつかの非ゼロブロックを、同じサイズのゼロブロックに置き換えることにより、図6からのPCMの修正後に取得されてもよい。ブロック4、5および6の行を、それぞれ、ブロック1、2および3の行に交換することにより、ブロック三角構造を取得してもよいことから、図11からのPCMは、ブロック三角行列として特徴付けられてもよい。
【0053】
図12は、本開示のいくつかの観点にしたがった、レート5/6のLDPCコードの効率的なエンコーディングに適したPCM構造の例を図示する。このPCMは、図8からのPCMの右側にあるいくつかの非ゼロブロックを同じサイズのゼロブロックに置き換えることにより、図8からのPCMを修正することにより取得してもよい。
【0054】
サイズM×Nのブロック三角PCM Hは、それぞれ、PCM Hの情報部分と冗長部分とに対応する、サイズM×Kの小行列Hdと、サイズM×Mの小行列Hpとに区分されてもよい:
【数5】
【0055】
等式(3)は、これから、次のように書き直してもよい。
【数6】
【0056】
等式(7)にしたがって、等式(3)を次のように表してもよい:
【数7】
【0057】
ここで、vは、パリティチェックベクトルpを計算するために用いてもよい、サイズK×1の中間ベクトルである。パリティチェックベクトルpは、v=Hd・dにより定義されるベクトルvを最初に計算することにより解かれてもよく、ここで、dおよびHdは知られていてもよい。次に、Hp・p=vを使用して、pを解いてもよい。
【0058】
本開示の1つの観点において、図13中で図示されているように、Hpは、小行列A、B、C、D、E、F、Q、R、SおよびTの配置を含み、非ゼロの値を有する三角行列で構成され、次のように示される:
【数8】
【0059】
ここで、vおよびpを、次のようにサブベクトルにより表してもよい:
【数9】
【0060】
等式(8)からの関係Hp・p=vは、次のように、等式(9)にしたがって表してもよい:
【数10】
【0061】
パリティチェック行列Hpの三角構造を活用して、効率的に解かれ得る、一連の等式を生成させることにより、パリティチェックベクトルpを計算してもよい:
【数11】
【0062】
小行列A、C、FおよびTの逆のバージョンを事前に計算して、あらかじめ記憶させてもよい。逆行列A-1、C-1、F-1、および、T-1の各成分は、単位行列の循環シフトの合計に基づいて、低い計算の複雑さにより計算してもよい。
【0063】
本開示のいくつかの観点に対して、エンコーダおよびエンコーディング方法は、対応するPCM Hを、サイズM×Kの情報行列Hdと、サイズM×Mの冗長行列Hpとに区分することにより、任意のさまざまなコーディングレートを提供するように構成されていてもよい。
【0064】
本開示のいくつかの観点は、サイズM×Mの冗長小行列Hp内に非ゼロブロックの二重の対角構造を有するPCMをサポートする。PCMのこの特定の構造は、等式(11)ないし(18)により与えられる方法に基づく、手軽な計算の複雑さによる高速LDPCエンコーディングに適していてもよい。
【0065】
上述した方法のさまざまな動作を、対応する機能を実行できる任意の適切な手段により実行してもよい。手段は、さまざまな、ハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント、ならびに/あるいは、モジュールを含み、回路に限定されないが、特定用途向け集積回路(ASIC)またはプロセッサを含む。一般に、図中で説明されている動作がある場合、それらの動作は、同じナンバリングを有する、対応するミーンズプラスファンクションのコンポーネントを有してもよい。例えば、図4中で説明されているブロック410ないし420は、図4A中で説明されている回路ブロック410Aないし420Aに対応する。
【0066】
ここで使用するとき、用語“決定すること”は、幅広いさまざまな動作を包含する。例えば、“決定すること”は、計算することと、コンピュータで計算することと、処理することと、導出することと、調査することと、調べること(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造中で調べること)と、確認することと、これらに類似することとを含んでいてもよい。さらに、“決定すること”は、受信すること(例えば、情報を受信すること)と、アクセスすること(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)と、これらに類似することとを含んでいてもよい。さらに、“決定すること”は、解決することと、選択することと、選ぶことと、確立することと、これらに類似することとを含んでいてもよい。
【0067】
上述した方法のさまざまな動作は、さまざまなハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント、回路、ならびに/あるいは、モジュールのような、動作を実行できる任意の適切な手段により実行してもよい。一般に、図中で説明されているいくつかの動作は、動作を実行できる、対応する機能手段により実行してもよい。
【0068】
本開示に関連して説明した、さまざまな実例となる論理的ブロック、モジュール、および、回路を、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、あるいは、ここで説明した機能を実行するために設計されたこれらの何らかの組み合わせにより、実現または実行してもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替実施形態では、プロセッサは、何らかの商業的に利用可能なプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、または、状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアを備えた1つ以上のマイクロプロセッサ、あるいは、他の任意のそのような構成として実現してもよい。
【0069】
本開示に関連して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールで、あるいは、2つを組み合わせたもので、直接的に具現化してもよい。ソフトウェアモジュールは、技術的に知られている何らかの形態の記憶媒体中に存在していてもよい。使用できる記憶媒体のいくつかの例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーブバルディスク、CD−ROMなどを含む。ソフトウェアモジュールは、単一の命令、または、多くの命令を含んでいてもよく、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム中に、および、多数の記憶媒体にわたって、分散していてもよい。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されていてもよい。代替実施形態では、記憶媒体はプロセッサに一体化していてもよい。
【0070】
ここで開示した方法は、記述した方法を達成するための、1つ以上のステップまたは動作を含む。方法のステップおよび/または動作は、特許請求の範囲から逸脱することなく、相互に交換してもよい。言い換えれば、ステップまたは動作の特定の順序を指定しない限り、順序、ならびに/あるいは、特定のステップおよび/または動作の使用を、特許請求の範囲から逸脱することなく修正してもよい。
【0071】
説明した機能は、ハードウェアで、ソフトウェアで、ファームウェアで、または、これらの任意の組み合わせで実現してもよい。ソフトウェアで実現した場合、機能は、1つ以上の命令として、コンピュータ読取可能媒体上に記憶してもよい。記憶媒体は、コンピュータによりアクセスできる何らかの利用可能な媒体であってもよい。例として、これらに限定されないが、このようなコンピュータ読み取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは、コンピュータによりアクセスでき、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを運ぶまたは記憶するために使用できる他の何らかの媒体を含むことができる。ここで使用するようなディスク(diskおよびdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、および、ブルーレイ(登録商標)ディスクを含むが、一般的に、ディスク(disk)は、データを磁気的に再生する一方で、ディスク(disc)はデータをレーザによって光学的に再生する。
【0072】
したがって、いくつかの観点は、ここで与えられた動作を実行するコンピュータプログラムプロダクトを含んでいてもよい。例えば、そのようなコンピュータプログラムプロダクトは、記憶されている(および/またはエンコードされている)命令を有するコンピュータ読み取り可能媒体を備え、命令は、ここで記述した動作を実行する1つ以上のプロセッサにより実行可能である。いくつかの観点に対して、コンピュータプログラムプロダクトは、包装材料を含んでいてもよい。
【0073】
ソフトウェアまたは命令を、送信媒体によって送信してもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブルや、光ファイバケーブルや、撚り対や、デジタル加入者回線(DSL)や、あるいは、赤外線、無線、および、マイクロ波のような、ワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または、他の遠隔ソースから送信される場合には、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚り対、DSL、あるいは、赤外線、無線、および、マイクロ波のような、ワイヤレス技術は、送信媒体の定義に含まれる。
【0074】
さらに、ここで記述した方法および技術を実行するための、モジュールおよび/または他の適切な手段は、適用可能な場合には、ユーザ端末および/または基地局により、ダウンロードでき、および/または、さもなければ、取得できることを理解すべきである。例えば、そのようなデバイスを、ここで記述した方法を実行する手段の転送を容易にするサーバに結合できる。代わりに、ここで記述したさまざまな方法は、記憶手段(例えば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクのような物理記憶媒体、など)により提供でき、それにより、ユーザ端末および/または基地局は、記憶手段をデバイスに結合または提供することにより、さまざまな方法を取得できる。さらに、ここで記述した方法および技術を提供する、他の任意の適切な技術をデバイスに対して利用できる。
【0075】
特許請求の範囲は、先に説明した、厳密な構成およびコンポーネントに限定されないことを理解すべきである。特許請求の範囲から逸脱することなく、上述した方法および装置の構成、動作、および、詳細において、さまざまな修正、変更、および、バリエーションを実施してもよい。
【0076】
ここで提供した技術を、さまざまなアプリケーションにおいて利用してもよい。いくつかの観点に対して、ここで与えた技術は、アクセスポイント局、アクセス端末、または、ここで提供した技術を実行する処理ロジックおよびエレメントを有する他のタイプのワイヤレスデバイス中に組み込まれていてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]ワイヤレス通信のための方法において、
データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させることと、
前記パケットを送信することとを含み、
前記データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む方法。
[2]前記LDPC行列は、2分の1のレートである上記[1]記載の方法。
[3]前記LDPC行列は、第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、ブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記第1のレートとは異なる第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成される上記[1]記載の方法。
[4]前記第2のレートは、A/Bであり、AおよびBは、正の整数であり、AはBより小さい上記[3]記載の方法。
[5]各ブロックは、ゼロの正方行列、または、単位行列の循環シフトを含む上記[1]記載の方法。
[6]各正方小行列は、3×3ブロック、4×4ブロック、5×5ブロックのうちの1つの次元を有する上記[1]記載の方法。
[7]前記正方小行列のうちのいくつかは、すべてゼロブロックで構成される上記[1]記載の方法。
[8]サイズR×Cのブロックの前記LDPC行列のうちの少なくとも1つは、サイズR×C1のブロックの第1の部分と、サイズR×C2のブロックの第2の部分とで構成され、
1+C2=Cであり、
前記第1の部分は、ブロックの列毎に1つだけの非ゼロブロックを含む上記[1]記載の方法。
[9]サイズKbase×Nbaseの正方小行列の別のLDPC行列から、前記1つ以上のLDPC行列を生成させることをさらに含み、
前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む上記[1]記載の方法。
[10]前記生成は、前記非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えることを含む上記[9]記載の方法。
[11]前記生成は、
前記別のLDPC行列のブロックの少なくとも2つの行を結合して、前記別のLDPC行列のレートよりも高いレートの第2のLDPC行列を取得することと、
前記より高いレートの第2のLDPC行列の非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えることとを含む上記[9]記載の方法。
[12]ワイヤレス通信のための装置において、
データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させるように構成されているエンコーダと、
前記パケットを送信するように構成されている送信機とを具備し、
前記データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む装置。
[13]前記LDPC行列は、2分の1のレートである上記[12]記載の装置。
[14]前記LDPC行列は、第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、ブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記第1のレートとは異なる第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成される上記[12]記載の装置。
[15]前記第2のレートは、A/Bであり、AおよびBは、正の整数であり、AはBより小さい上記[14]記載の装置。
[16]各ブロックは、ゼロの正方行列、または、単位行列の循環シフトで構成される上記[12]記載の装置。
[17]各正方小行列は、3×3ブロック、4×4ブロック、5×5ブロックのうちの1つの次元を有する上記[12]記載の装置。
[18]前記正方小行列のうちのいくつかは、すべてゼロブロックで構成される上記[12]記載の装置。
[19]サイズR×Cのブロックの前記LDPC行列のうちの少なくとも1つは、サイズR×C1のブロックの第1の部分と、サイズR×C2のブロックの第2の部分とで構成され、
1+C2=Cであり、
前記第1の部分は、ブロックの列毎に1つだけの非ゼロブロックを含む上記[12]記載の装置。
[20]サイズKbase×Nbaseの正方小行列の別のLDPC行列から、前記1つ以上のLDPC行列を生成させるように構成されている生成器をさらに具備し、
前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む上記[12]記載の装置。
[21]前記生成器は、前記非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えるように構成されている置換回路を備える上記[20]記載の装置。
[22]前記生成器は、
前記別のLDPC行列のブロックの少なくとも2つの行を結合して、前記別のLDPC行列のレートよりも高いレートの第2のLDPC行列を取得するように構成されている結合器と、
前記より高いレートの第2のLDPC行列の非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換えるように構成されている置換回路とを備える上記[20]記載の装置。
[23]ワイヤレス通信のための装置において、
データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させる手段と、
前記パケットを送信する手段とを具備し、
前記データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む装置。
[24]前記LDPC行列は、2分の1のレートである上記[23]記載の装置。
[25]前記LDPC行列は、第1のレートのLDPC行列であり、
前記LDPC行列のうちの1つ以上の、ブロックの少なくとも2つの行は、結合されて、前記第1のレートとは異なる第2のレートの、他の1つ以上のLDPC行列が生成される上記[23]記載の装置。
[26]前記第2のレートは、A/Bであり、AおよびBは、正の整数であり、AはBより小さい上記[25]記載の装置。
[27]各ブロックは、ゼロの正方行列、または、単位行列の循環シフトで構成される上記[23]記載の装置。
[28]各正方小行列は、3×3ブロック、4×4ブロック、5×5ブロックのうちの1つの次元を有する上記[23]記載の装置。
[29]前記正方小行列のうちのいくつかは、すべてゼロブロックで構成される上記[23]記載の装置。
[30]サイズR×Cのブロックの前記LDPC行列のうちの少なくとも1つは、サイズR×C1のブロックの第1の部分と、サイズR×C2のブロックの第2の部分とで構成され、
1+C2=Cであり、
前記第1の部分は、ブロックの列毎に1つだけの非ゼロブロックを含む上記[23]記載の装置。
[31]サイズKbase×Nbaseの正方小行列の別のLDPC行列から、前記1つ以上のLDPC行列を生成させる手段をさらに具備し、
前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記Kbase×Nbaseの正方小行列のそれぞれは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含む上記[23]記載の装置。
[32]前記生成させる手段は、前記非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換える手段を備える上記[31]記載の装置。
[33]前記生成させる手段は、
前記別のLDPC行列のブロックの少なくとも2つの行を結合して、前記別のLDPC行列のレートよりも高いレートの第2のLDPC行列を取得する手段と、
前記より高いレートの第2のLDPC行列の非ゼロブロックのうちの少なくともいくつかを、同じサイズのゼロブロックに置き換える手段とを備える上記[31]記載の装置。
[34]ワイヤレス通信のためのコンピュータプログラムプロダクトにおいて、
データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させ、
前記パケットを送信するように実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体を具備し、
前記データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含むコンピュータプログラムプロダクト。
[35]ワイヤレスノードにおいて、
少なくとも1つのアンテナと、
データをエンコードして、エンコードされたデータのパケットを生成させるように構成されているエンコーダと、
前記少なくとも1つのアンテナにより、前記パケットを送信するように構成されている送信機とを具備し、
前記データは、正方小行列を有する、1つ以上の低密度パリティチェック(LDPC)行列に基づいて、1つ以上のレートでエンコードされ、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、ブロックの行および列を含み、さらに、前記正方小行列のうちの少なくとも1つは、行毎に1つだけの非ゼロブロックと、列毎に1つだけの非ゼロブロックとを含むワイヤレスノード。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
図13