(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記塩が、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ビス(ベンゼンスルホン酸塩)、重硫酸塩、酪酸塩、ビス(マレイン酸塩)、フマル酸塩、ヘミフマル酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、桂皮酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、イタコン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、スルホン酸塩、ビス(メタンスルホン酸塩)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、またはウンデカン酸塩であり、
ここで前記化合物は哺乳類における乳癌の治療に使用される請求項3に記載の化合物。
前記塩が、ビス(メタンスルホン酸塩)、塩酸塩、ビス(マレイン酸塩)、ヘミフマル酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、またはビス(ベンゼンスルホン酸塩)である請求項4に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
特に明記しない限り、以下の定義は、本明細書および特許請求の範囲において用いられる技術的表現に適用される。
【0018】
本発明の目的に適した「塩」は、本発明による化合物の医薬的に許容される塩が好ましい。例えば、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.1977,66,1−19を参照されたい。
【0019】
「医薬的に許容される塩」としては、鉱酸、カルボン酸、およびスルホン酸の酸付加塩が挙げられ、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、および安息香酸の塩である。
【0020】
「医薬的に許容される塩」の例としては、好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)などの一般的な塩基の塩や、アンモニアもしくは1〜16個の炭素原子を有する有機アミン(例として、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジヒドロアビエチルアミン、アルギニン、リシン、エチレンジアミン、およびメチルピペリジン)から得られるアンモニウム塩が挙げられる。
【0021】
「アルキル」という用語は、炭素原子および水素原子だけからなり、不飽和を含まず、1〜8個の炭素原子を有し、かつ単結合により残りの分子に結合している、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、および1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)などの直鎖状または分枝状の炭化水素鎖ラジカルのことを言う。
【0022】
「アルコキシ」という用語は、残りの分子に酸素結合を介して結合している本明細書で定義されるアルキル基のことを指す。これらの基代表的な例は、−OCH
3、−OC
2H
5である。
【0023】
「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの約3〜12個の炭素原子の非芳香族単環または多環系のことを指し、多環シクロアルキル基の例としては、ペルヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基などの架橋環式基、または、スピロ(4,4)ノン−2−イルなどのスピロニ環式基が挙げられる。
【0024】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素のラジカルのことを言う。
【0025】
結合に隣接した「
*」の記号は、分子における結合点のことを指す。
【0026】
本明細書においては、簡素化のため、複数言語よりも単数言語の使用を優先するが、特に明記しない限り、複数言語を含むことを一般に意味する。例えば、「患者に有効量の式(I)の化合物を投与する工程を含む、患者内の疾患の治療方法」という表現は、2つ以上の疾患の同時治療のみならず、2つ以上の式(I)の化合物の投与も含むことを意味する。
【0027】
一般的な調製方法
本発明の実施形態で用いられる化合物の調製に利用される特定のプロセスは、所望の特定化合物による。特定置換基の選択などのかかる要因は、本発明の特定化合物の調製で従うべき経路において役割を果たす。これらの要因は、当業者によって容易に認識される。
【0028】
本発明の化合物は、周知の化学反応および手順を用いて調製され得る。それにもかかわらず、以下の一般的な調製方法について説明するのは、実施例を述べる以下の実験部分でより詳細で具体的な例を説明することで、読者が本発明の化合物を合成するのを助けるためである。
【0029】
本発明の化合物は、従来の化学的手法に従って、および/または、以下に開示するように、市販されているかもしくは従来の化学的常法に従って製造可能な出発物質から作製可能である。化合物を調製するための一般的方法を以下に示し、代表的な化合物の調製は実施例で具体的に説明する。
【0030】
本発明の化合物の合成、および、本発明の化合物の合成に関与する中間体の合成において用いられ得る合成変換は、当業者にとって周知であり利用可能である。合成変換の収集物は、以下の編集物に記載されている:
J.March.Advanced Organic Chemistry,4th ed.;John Wiley:New York(1992)
R.C.Larock.Comprehensive Organic Transformations,2nd ed.;Wiley−VCH:New York(1999)
F.A.Carey;R.J.Sundberg.Advanced Organic Chemistry,2nd ed.;Plenum Press:New York(1984)
T.W.Greene;P.G.M.Wuts.Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed.;John Wiley:New York(1999)
L.S.Hegedus.Transition Metals in the Synthesis of Complex Organic Molecules,2nd ed.;University Science Books:Mill Valley,CA(1994)
L.A.Paquette,Ed.The Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis;John Wiley:New York(1994)
A.R.Katritzky;O.Meth−Cohn;CW.Rees,Eds.Comprehensive Organic Functional Group Transformations;Pergamon Press:Oxford,UK(1995)
G.Wilkinson;F.G A.Stone;E.W.Abel,Eds.Comprehensive Organometallic Chemistry;Pergamon Press:Oxford,UK(1982)
B.M.Trost;I.Fleming.Comprehensive Organic Synthesis;Pergamon Press:Oxford,UK(1991)
A.R.Katritzky;C.W.Rees Eds.Comprehensive Heterocylic Chemistry,Pergamon Press:Oxford,UK(1984)
A.R.Katritzky;C.W.Rees;E.F.V.Scriven,Eds.Comprehensive Heterocylic Chemistry II;Pergamon Press:Oxford,UK(1996)
C Hansch;P.G.Sammes;J.B.Taylor,Eds.Comprehensive Medicinal Chemistry.Pergamon Press:Oxford,UK(1990)。
【0031】
さらに、合成方法論の繰り返しレビューや関連トピックとしては、Organic Reactions;John Wiley:New York;Organic Syntheses;John Wiley:New York;Reagents for Organic Synthesis:John Wiley:New York;The Total Synthesis of Natural Products;John Wiley:New York;The Organic Chemistry of Drug Synthesis;John Wiley:New York;Annual Reports in Organic Synthesis;Academic Press:San Diego CA;およびMethoden der Organischen Chemie(Houben−Weyl);Thieme:Stuttgart,Germanyが挙げられる。さらに、合成変換のデータベースとしては、CAS OnLineまたはSciFinderのいずれかを用いて検索可能なChemical Abstracts、SpotFireおよびREACCSを用いて検索可能なHandbuch der Organischen Chemie(Beilstein)が挙げられる。
【0032】
式(I)の化合物を作製する一般的方法は、反応スキーム1〜4に示す。経路は、反応スキーム1に示すように、式(II)の適切に置換した4−ニトロ安息香酸から出発する。酸は、一般に塩化チオニルまたは塩化オキサリルにより、酸塩化物に変換され、これは次にマロン酸エチルカリウム(III)のマグネシウム塩とカップリングされ、式(IV)のβ−ケトエステルを生成する。この化合物をN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールで凝縮させ、式(V)のα,β−不飽和ケトンを生成する。次にこれを酸(例えば、酢酸やトリフルオロ酢酸)の存在下で2−アミノマロンアミド(VI)と反応させ、加熱し、環化後に、式(VII)のピロールを生成することができる。式(VII)のピロールに見られる第一アミド基は、(例えば、オキシ塩化燐の存在下で)脱水させ、式(VIII)の5−シアノピロールを生成することができる。
【0034】
式(VIII)の5−シアノピロールは、反応スキーム2に示すように進めることができる。一変形例では、一般に、R
3がフルオロである、化合物(VIII)のニトロ基は、(例えば、塩化アンモニウムの存在下で鉄により、かつ、注意深く制御した加熱により)還元され、式(IX)のアニリンを得ることができる。化合物(IX)は、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下でアミノ化試薬(X)と反応させ、式(XI)のヒドラジンを得ることができる。次に、ヒドラジン(XI)を酢酸ホルムアミジンと反応させ、加熱して環化を誘発させ、式(XII)のピロロトリアジンを得ることができる。
【0036】
第2の変形例では、一般に、R
3がクロロである、式(VIII)のピロールを最初に水素化ナトリウムなどの塩基の存在下でアミノ化試薬(X)と反応させ、式(XIII)のヒドラジンを生成することができる。式(XIII)のヒドラジンを環化条件下で酢酸ホルムアミジンと反応させ、式(XIV)のピロロトリアジンを得ることができる。次に、これにラネーニッケル触媒による水素化条件を施し、式(XII)のアニリンを得ることができる。
【0037】
式(XII)のピロロトリアジンは、反応スキーム3に示すように式(I)の所望の生成物に進めることができる。一変形例では、化合物(XII)のアニリンを弱塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下で式(XV)のカルバメート試薬と反応させ、式(XVI)の尿素を得ることができる。クロロぎ酸フェニルを適当に置換された2−アミノピリジンと反応させることで、式(XV)のカルバメート試薬を生成することができる。化合物(XVI)のエステル基を塩基性条件下(例えば、メタノールおよびTHF中の1N水酸化ナトリウム水溶液)で加水分解させ、式(XVII)のカルボン酸を生成することができる。次に、この酸を標準ペプチドカップリング条件下で式(XVIII)のアミンと反応させ、式(I)の所望のアミドを生成することができる。
【0038】
第2の変形例では、化合物(XII)のエステル基を最初に塩基性条件下で加水分解させ、式(XIX)のカルボン酸を生成することができる、これにアミン(XVIII)によるペプチドカップリングを行い、式(XX)のアミドを得ることができる。次に、化合物(XX)のアニリン基を式(XV)のカルバミン酸塩で処理し、所望の化合物(I)を再び得ることができる。
【0040】
異なる反応シーケンスを伴う、上述の経路に対するさらなる変形例を反応スキーム4に示す。このシーケンスでは、一般にR
3がクロロである、式(XIV)のエステルを標準塩基性条件下で加水分解させ、式(XXI)のカルボン酸を得ることができる。酸(XXI)にアミン(XVIII)によるペプチドカップリング条件を施し、式(XXII)のアミドを得ることができる。化合物(XXII)のニトロ基を(例えば、ラネーニッケル触媒による水素化で)還元させ、式(XX)のアニリンを得ることができる。次に、この化合物に反応スキーム3に記載の尿素形成を起こし、所望の式(I)の化合物を得ることができる。
【0042】
式(I)の遊離塩基は、反応スキーム5に示すように、その対応する式(Ia)の共役塩に変換してもよい。式(I)の化合物は、THF、アセトニトリル、またはこれらの組み合わせなどの溶媒中の式(XXIII)の酸および水と反応させ、式(Ia)の共役塩を得る。酸(XXIII)は、塩酸などの鉱酸であっても、メタンスルホン酸またはシュウ酸などの有機酸であってもよい。酸(XXIII)の等価物の数は変わってもよく、得られた共役塩(Ia)の化学量論は、使用する特定の酸(XXIII)によって異なる。これらの共役塩(Ia)は、式(I)の遊離塩基に対して改善された分解動力学や経口暴露を提供し得る。
【0044】
本発明の化合物の医薬組成物
本発明は、本発明の1つ以上の化合物を含む医薬組成物にも関する。これらの組成物を利用して、それを必要とする患者に投与することで所望の薬理作用を達成することができる。本発明の目的において、患者は、特定の疾患または疾病の治療を必要とする哺乳類(例:ヒト)である。従って、本発明は、医薬的に許容される担体と、薬学的に有効量の化合物またはその塩とを含む医薬組成物を含む。医薬的に許容される担体は、担体に起因するあらゆる副作用が活性成分の有益な効果を損なうことはないよう、活性成分の効果的な活性と整合性のある濃度で患者に対して比較的非毒性かつ無害である担体が好ましい。化合物の薬学的に有効な量は、治療する特定の症状に結果をもたらす、もしくは、該症状に影響を及ぼす量が好ましい。本発明の化合物は、任意の効果的な従来の単位投与形態物を用いて当該技術分野で周知の医薬的に許容される担体と共に投与することができ、例えば、即時型、徐放型、および持続放出型の製剤を、経口、非経口、局所、鼻腔、眼科的、光学的(optically)、舌下、直腸、または膣に投与する。
【0045】
経口投与において、化合物は、カプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、メルト剤、粉末剤、溶液剤、懸濁剤、またはエマルジョンなどの固体または液体製剤に調合することができ、医薬組成物の製造のための当該技術分野に周知の方法に従って調製することができる。固形単位投与形態物は、例えば、界面活性剤、滑剤、ならびに乳糖、ショ糖、リン酸カルシウム、およびコーンスターチのような不活性充填剤を含有する通常のゼラチンタイプの硬もしくは軟カプセル剤であってもよい。
【0046】
別の実施形態では、本発明の化合物は、アカシア、コーンスターチもしくはゼラチンのような結合剤;ジャガイモ澱粉、アルギン酸、コーンスターチ、グアルゴム、トラガカントゴム、およびアカシアのような投与後の錠剤の分解および溶解を助けることを目的とする崩壊剤;錠剤造粒の流れを良くすることならびに錠剤金型およびパンチの表面への錠剤材料の付着を防ぐことを目的とする潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウム、カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛;色素;着色剤;ならびにペパーミント、ウィンターグリーン油もしくはサクランボ香料のような錠剤の美的品質を高めかつ患者にそれらをより受け入れやすくすることを目的とする香料と組み合わせて、乳糖、ショ糖およびコーンスターチのような通常の錠剤ベースで錠剤にすることができる。経口用液状投与形態物における使用に適当な賦形剤には、第二リン酸カルシウムと、医薬的に許容される界面活性剤、沈殿防止剤もしくはエマルジョンを加えたもしくは加えない、水およびアルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコールのような希釈剤とが包含される。様々な他の物質が、コーティング剤としてもしくはそうでなければ投与量単位の物理的形状を改変するために存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤もしくはカプセル剤は、シェラック、糖もしくは両方でコーティングすることができる。
【0047】
分散可能な粉末および顆粒は、水性懸濁剤の調製に適している。それらは、分散剤もしくは湿潤剤、沈殿防止剤および1つ以上の防腐剤と混合した活性成分を提供する。適当な分散剤もしくは湿潤剤および沈殿防止剤は、上記にすでに挙げたものにより例示される。追加の賦形剤、例えば、上記の甘味料、香料および着色剤もまた存在してもよい。
【0048】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、流動パラフィンのような植物油もしくは植物油の混合物であってもよい。適当なエマルジョンは、(1)アカシアゴムおよびトラガカントゴムのような天然に存在するゴム、(2)大豆およびレシチンのような天然に存在するリン脂質、(3)脂肪酸と無水ヘキシトールから得られるエステルもしくは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、(4)エチレンオキシドと前記部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。エマルジョンは、甘味料および香料を含有することもできる。
【0049】
油状懸濁剤は、例えば、アラキス油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油のような植物油に;または流動パラフィンのような鉱油に活性成分を懸濁することにより調合することができる。油状懸濁剤は、例えば、蜜蝋、固形パラフィンもしくはセチルアルコールのような増粘剤を含有することができる。懸濁剤は、1つ以上の防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはn−プロピル;1つ以上の着色剤;1つ以上の香料;およびショ糖もしくはサッカリンのような1つ以上の甘味料を含有することもできる。
【0050】
シロップ剤およびエリキシル剤は、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールもしくはショ糖のような甘味料で調合することができる。そのような製剤は、粘滑剤、メチルおよびプロピルパラベンのような防腐剤、香料および着色剤を含有することもできる。
【0051】
本発明の化合物は、石鹸もしくは洗剤のような医薬的に許容される界面活性剤、ペクチン、カーボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースのような沈殿防止剤、またはエマルジョンおよび他の医薬的アジュバントを加えたもしくは加えない水、食塩水、水性ブドウ糖および関連糖溶液;エタノール、イソプロパノールもしくはヘキサデシルアルコールのようなアルコール;プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールのようなグリコール;2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノールのようなグリセロールケタール、ポリ(エチレングリコール)400のようなエーテル;油;脂肪酸;脂肪酸エステルもしくは脂肪酸グリセリド;またはアセチル化脂肪酸グリセリドのような滅菌した液体もしくは液体の混合物であることができる薬学的担体で好ましくは生理学的に許容される希釈剤における化合物の注入可能な投与量として非経口的に、すなわち、皮下に、静脈内に、眼内に、滑液嚢内に、筋肉内にもしくは腹腔内に投与することもできる。
【0052】
本発明の非経口製剤において使用することができる油の例としては、石油、動物、植物もしくは合成起源から得られるもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱油である。適当な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸が挙げられる。適当な脂肪酸エステルは、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。適当な石鹸としては、脂肪酸アルカリ金属、アンモニウムおよびトリエタノールアミン塩が挙げられ、適当な洗剤としては、陽イオン洗剤、例えば、ハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム、ハロゲン化アルキルピリジニウムおよび酢酸アルキルアミン;陰イオン洗剤、例えば、スルホン酸アルキル、アリールおよびオレフィン、硫酸およびスルホコハク酸アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリド;非イオン洗剤、例えば、脂肪族アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)、またはエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドコポリマー;ならびに両性洗剤、例えば、アルキル−ベータ−アミノプロピオネートおよび2−アルキルイミダゾリン第四級アンモニウム塩、ならびに混合物が挙げられる。
【0053】
本発明の非経口組成物は、一般に、溶液中に約0.5重量%〜約25重量%の活性成分を含有する。防腐剤および緩衝剤も、都合よく用いることができる。注入の部位での刺激を最小限に抑えるかもしくはなくすために、かかる組成物は約12〜約17の親水性・親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含有してもよい。かかる製剤における界面活性剤の量は、約5重量%〜約15重量%であることが好ましい。界面活性剤は上記のHLBを有する単一の成分であってもよく、または所望のHLBを有する2つ以上の成分の混合物であってもよい。
【0054】
非経口製剤において使用する界面活性剤の例としては、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、例えば、ソルビタンモノオレエート、およびプロピレングリコールとプロピレンオキシドとの縮合により形成される、疎水性塩基とエチレンオキシドとの高分子量付加物である。
【0055】
医薬組成物は、無菌の、注射可能な水性懸濁剤の形態であってもよい。かかる懸濁剤は、適当な分散剤もしくは湿潤剤および例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムのような沈殿防止剤;レシチンのような天然に存在するリン脂質、脂肪酸とアルキレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような脂肪酸とヘキシトールから得られる部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、もしくは脂肪酸と無水ヘキシトールから得られる部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであり得る分散剤もしくは湿潤剤を用いて既知の方法に従って調合することができる。
【0056】
無菌の、注射可能な製剤は、無毒の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒における無菌の、注射可能な液剤もしくは懸濁剤であってもよい。用いることができる希釈剤および溶媒は、例えば、水、リンガー溶液、等張塩化ナトリウム溶液および等張グルコース溶液である。さらに、滅菌した不揮発性油を溶媒もしくは懸濁媒質として従来から用いている。この目的のために、合成モノもしくはジグリセリドを含む任意の無刺激性(bland)の不揮発性油を用いてもよい。さらに、オレイン酸のような脂肪酸を注入物質の製造において用いることができる。
【0057】
本発明の組成物は、薬剤の直腸投与のために座薬の形態で投与してもよい。これらの組成物は、常温で固体であるが直腸温度で液体であるため直腸において融解して薬剤を放出する適当な非刺激賦形剤と薬剤を混合することにより調製することができる。かかる物質は、例えば、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
【0058】
本発明の方法において用いる別の製剤は、経皮送達装置(「パッチ」)を使用する。かかる経皮パッチは、制御された量の本発明の化合物の連続もしくは不連続注入を与えるために用いることができる。医薬品の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該技術分野において周知である(例えば、引用することにより本明細書に組み込まれる、1991年6月11日発行の米国特許第5,023,252号を参照されたい)。かかるパッチは、医薬品の連続、パルスもしくはオンデマンド送達用に構築することができる。
【0059】
非経口投与の放出制御製剤としては、当該技術分野において周知のリポソーム、ポリマーミクロスフェアおよびポリマーゲル製剤が挙げられる。
【0060】
機械的送達装置によって患者に医薬組成物を導入することが望ましいかもしくは必要であり得る。医薬品の送達のための機械的送達装置の構築および使用は、当該技術分野において周知である。例えば、脳に直接薬剤を投与するための直接技術は、通常、血液脳関門を迂回するために患者の脳室系への薬剤送達カテーテルの配置を伴う。体の特定の解剖学的領域への薬剤の運搬に用いられる1つのかかる埋め込み可能な送達系は、1991年4月30日発行の米国特許第5,011,472号に記載されている。
【0061】
本発明の組成物は、必要もしくは所望に応じて、担体もしくは希釈剤と一般に呼ばれる、他の通常の医薬的に許容される配合成分を含有することもできる。適切な投与形態物のかかる組成物を調製するためには通常の手順を利用することができる。かかる成分および手順としては、以下の参照文献:Powell,M.F.ら、「Compendium of Excipients for Parenteral Formulations」PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1998,52(5),238−311;Strickley,R.G「Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in the United States(1999)−Part−1」PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1999,53(6),324−349;およびNema,S.ら、「Excipients and Their Use in Injectable Products」PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1997,51(4),166−171に記載されているものが挙げられ、これらの各々は引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0062】
その意図される投与経路の組成物を調合するために必要に応じて使用することができる一般に用いられる医薬成分としては、以下のものが挙げられる:
酸性化剤(例としては、限定的ではないが、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸が挙げられる);
アルカリ化剤(例としては、限定的ではないが、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンが挙げられる);
吸着剤(例としては、限定的ではないが、粉末セルロースおよび活性炭が挙げられる);
エアゾール噴射剤(例としては、限定的ではないが、二酸化炭素、CCl
2F
2、F
2ClC−CClF
2およびCClF
3が挙げられる);
空気置換剤(例としては、限定的ではないが、窒素およびアルゴンが挙げられる);
抗真菌性防腐剤(例としては、限定的ではないが、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムが挙げられる);
抗微生物性防腐剤(例としては、限定的ではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールが挙げられる);
酸化防止剤(例としては、限定的ではないが、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる);
結合剤(例としては、限定的ではないが、ブロックポリマー、天然および合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、ポリシロキサンならびにスチレン−ブタジエンコポリマーが挙げられる);
緩衝剤(例としては、限定的ではないが、メタリン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウム二水和物が挙げられる);
運搬剤(carrying agents)(例としては、限定的ではないが、アカシアシロップ、芳香族シロップ、芳香族エリキシル剤、チェリーシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、トウモロコシ油、鉱油、ピーナッツ油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射液および注射用静菌水が挙げられる);
キレート剤(例としては、限定的ではないが、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸が挙げられる);
着色剤(例としては、限定的ではないが、FD&C赤色3号、FD&C赤色20号、FD&C黄色6号、FD&C青色2号、D&C緑色5号、D&C橙色5号、D&C赤色8号、カラメルおよび酸化鉄赤が挙げられる);
清澄剤(例としては、限定的ではないが、ベントナイトが挙げられる);
乳化剤(例としては、限定的ではないが、アカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、グリセリルモノステアレート、レシチン、ソルビタンモノオレエート、ポリエチレン50ステアレートが挙げられる);
封入剤(encapsulating agents)(例としては、限定的ではないが、ゼラチンおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる);
香味料(例としては、限定的ではないが、アニス油、桂皮油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油およびバニリンが挙げられる);
湿潤剤(例としては、限定的ではないが、グリセリン、プロピレングリコールおよびソルビトールが挙げられる);
磨砕剤(levigating agents)(例としては、限定的ではないが、鉱油およびグリセリンが挙げられる);
油(例としては、限定的ではないが、アラキス油、鉱油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油および植物油が挙げられる);
軟膏ベース(例としては、限定的ではないが、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏およびローズ水軟膏が挙げられる);
浸透促進剤(経皮送達)(例としては、限定的ではないが、モノヒドロキシもしくはポリヒドロキシアルコール、一価もしくは多価アルコール、飽和もしくは不飽和脂肪アルコール、飽和もしくは不飽和脂肪エステル、飽和もしくは不飽和ジカルボン酸、精油、ホスファチジル誘導体、ケファリン、テルペン、アミド、エーテル、ケトンおよび尿素が挙げられる);
可塑剤(例としては、限定的ではないが、フタル酸ジエチルおよびグリセリンが挙げられる);
溶媒(例としては、限定的ではないが、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、グリセリン、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、ピーナッツ油、精製水、注射用水、注射用滅菌水および洗浄用滅菌水が挙げられる);
硬化剤(例としては、限定的ではないが、セチルアルコール、セチルエステルワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、白蝋および黄蝋が挙げられる);
座薬ベース(例としては、限定的ではないが、ココアバターおよびポリエチレングリコール(混合物)が挙げられる);
界面活性剤(例としては、限定的ではないが、塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オキシトキシノール(oxtoxynol)9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびソルビタンモノパルミテートが挙げられる);
沈殿防止剤(例としては、限定的ではないが、寒天、ベントナイト、カーボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびビーガムが挙げられる);
甘味料(例としては、限定的ではないが、アスパルテーム、ブドウ糖、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびショ糖が挙げられる);
錠剤接着防止剤(例としては、限定的ではないが、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクが挙げられる);
錠剤結合剤(例としては、限定的ではないが、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮可能な糖、エチルセルロース、ゼラチン、液状グルコース、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドンおよびアルファ化澱粉が挙げられる);
錠剤およびカプセル剤希釈剤(例としては、限定的ではないが、第二リン酸カルシウム、カオリン、乳糖、マンニトール、微晶質セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトールおよび澱粉が挙げられる);
錠剤コーティング剤(例としては、限定的ではないが、液状グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよびシェラックが挙げられる);
錠剤直接圧縮賦形剤(例としては、限定的ではないが、第二リン酸カルシウムが挙げられる);
錠剤崩壊剤(例としては、限定的ではないが、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微晶質セルロース、ポラクリリン(polacrillin)カリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム澱粉および澱粉が挙げられる);
錠剤流動促進剤(例としては、限定的ではないが、コロイドシリカ、コーンスターチおよびタルクが挙げられる);
錠剤潤滑剤(例としては、限定的ではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛が挙げられる);
錠剤/カプセル剤不透明化剤(opaquants)(例としては、限定的ではないが、二酸化チタンが挙げられる);
錠剤研磨剤(例としては、限定的ではないが、カルナバ蝋および白蝋が挙げられる);
増粘剤(例としては、限定的ではないが、蜜蝋、セチルアルコールおよびパラフィンが挙げられる);
等張化剤(例としては、限定的ではないが、ブドウ糖および塩化ナトリウムが挙げられる);
粘度増加剤(例としては、限定的ではないが、アルギン酸、ベントナイト、カーボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントが挙げられる);ならびに
湿潤剤(例としては、限定的ではないが、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、ソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートおよびポリオキシエチレンステアレートが挙げられる)。
【0063】
本発明の医薬組成物は、以下のように説明することができる:
【0064】
無菌静注溶液:本発明の所望の化合物5mg/mLの溶液が、無菌の注射用水を用いて作られ、必要に応じて、pHを調整する。この溶液は、1〜2mg/mLへと無菌の5%ブドウ糖を用いて投与用に希釈され、約60分間かけて静脈内注入として投与される。
【0065】
静注内投与用の凍結乾燥粉末:無菌の調製物は、(i)凍結乾燥粉末としての100〜1000mgの本発明の所望の化合物、(ii)32〜327mg/mLのクエン酸ナトリウムおよび(iii)300〜3000mgのデキストラン40を用いて調製することができる。この製剤は、無菌の、注射可能な生理食塩水またはブドウ糖5%溶液によって、10〜20mg/mLの濃度に復元され、さらに生理食塩水またはブドウ糖5%によって0.2〜0.4mg/mLへと希釈され、静脈内ボーラスまたは静脈内注入により、15〜60分かけて投与される。
【0066】
筋肉内懸濁剤:以下の溶液または懸濁剤を、筋肉内注射用に調製することができる:
50mg/mLの本発明の所望の水不溶性化合物
5mg/mLのカルボキシメチルセルロースナトリウム
4mg/mLのTWEEN80
9mg/mLの塩化ナトリウム
9mg/mLのベンジルアルコール
【0067】
硬カプセル剤:標準の2部分よりなる硬ゼラチンカプセルに100mgの粉末化した活性成分、150mgの乳糖、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することにより、多数の単位のカプセル剤が調製される。
【0068】
軟ゼラチンカプセル剤:活性成分100mgを含有する軟ゼラチンカプセル剤を形成するために、大豆油、綿実油またはオリーブ油のような消化性の油中に活性成分を入れた混合物を調製し、溶融ゼラチン内へ容量型ポンプにより注入される。カプセル剤は、洗浄され乾燥される。水混和性の薬物混合物を調製するために、活性成分を、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物中に溶解させることができる。
【0069】
錠剤:投与量単位が100mgの活性成分、0.2mgのコロイド状ニ酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275gの微結晶セルロース、11mgの澱粉、および98.8mgの乳糖となるように、慣用の手順により多数の錠剤が調製される。口当たりを良くし、洗練度および安定性を高めもしくは吸収を遅らせるために、適当な水性および非水性コーティングを塗布してもよい。
【0070】
即時放出錠剤/カプセル剤:これらは慣用のおよび新規のプロセスによって作られる固形の経口投与形態である。これらの単位は、即時の溶解と薬剤の送達のために、水なしで経口で服用される。活性成分は、糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味料などの成分を含んだ液体中に混合される。これらの液体は、凍結乾燥および固形状態抽出法によって固化させて固形の錠剤またはカプセル剤にされる。薬物化合物は、水を要しない即時放出を意図した多孔質のマトリクスを作るために、粘弾性および熱可塑性を有する糖類およびポリマーまたは発泡性成分と共に圧縮してもよい。
【0071】
疾患の治療方法
本発明は、哺乳類の疾患、特に、過剰増殖性疾患を治療するために本発明の化合物およびその組成物を使用するための方法に関する。化合物を利用して、細胞増殖および/または細胞分裂を阻害し、遮断し、減らし、減少させ、および/または、アポトーシスを生じさせることができる。本方法は、それを必要とするヒトを含む哺乳類に、疾患を治療するのに有効な本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、異性体、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステルのある量を投与することを含む。過剰増殖性疾患としては、限定的ではないが、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響を及ぼす他の過形成、前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍、例えば、乳腺、気管、脳、生殖器、消化管、尿管、眼、肝臓、皮膚、頭部および頸部、甲状腺、副甲状腺の癌およびそれらの遠隔転移が挙げられる。それらの疾患としては、リンパ腫、肉腫および白血病も挙げられる。
【0072】
乳癌の例としては、限定的ではないが、浸潤性乳腺癌、浸潤性小葉癌、上皮内乳腺癌、上皮内小葉癌が挙げられる。
【0073】
気管の癌の例としては、限定的ではないが、小細胞肺癌および非小細胞肺癌ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が挙げられる。
【0074】
脳の癌の例としては、限定的ではないが、脳幹およ視床下部神経膠腫、小脳および大脳の星状細胞腫、髄芽細胞腫、上衣細胞腫、ならびに神経外胚葉および松果体部腫瘍が挙げられる。
【0075】
男性生殖器の腫瘍としては、限定的ではないが、前立腺癌および睾丸癌が挙げられる。女性生殖器の腫瘍としては、限定的ではないが、子宮内膜癌、子宮頸部癌、卵巣癌、膣癌および外陰癌ならびに子宮の肉腫が挙げられる。
【0076】
消化管の腫瘍としては、限定的ではないが、肛門癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、膵臓癌、直腸癌、小腸癌、および唾液腺癌が挙げられる。
【0077】
尿路の癌としては、限定的ではないが、膀胱癌、陰茎癌、腎癌、腎盂癌、尿管癌、尿道口癌、およびヒトの乳頭状腎細胞癌が挙げられる。
【0078】
眼の癌としては、限定的ではないが、眼内黒色種および網膜芽細胞種が挙げられる。
【0079】
肝臓の癌としては、限定的ではないが、肝細胞癌(フィブロラメラ性の変型を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝臓内胆管癌)、および混合型の肝細胞性胆管癌が挙げられる。
【0080】
皮膚癌としては、限定的ではないが、扁平上皮癌、カポシ肉腫、悪性黒色種、メルケル細胞癌および非黒色種皮膚癌が挙げられる。
【0081】
頭頸部癌としては、限定的ではないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、口腔咽頭癌、口唇癌および口腔癌ならびに扁平上皮細胞癌が挙げられる。リンパ腫としては、限定的ではないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が挙げられる。
【0082】
肉腫としては、限定的ではないが、軟組織の肉腫、骨肉種、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉腫が挙げられる。
【0083】
白血病としては、限定的ではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、およびヘアリー細胞白血病が挙げられる。
【0084】
これらの疾患は、ヒトにおいてはよく特徴付けられているが、他の哺乳類においても類似の病因を伴って存在しており、本発明の医薬組成物を投与することによって治療することができる。
【0085】
本明細書で用いる「治療する」または「治療」という用語は、例えば、癌などの疾患または疾病の症状を退治する、緩和する、軽減する、和らげる、改善する等の目的において対象の管理またはケアに慣用的に使用される。
【0086】
化学療法抵抗性の治療におけるオーロラキナーゼの追加的使用
細胞周期調節においてオーロラキナーゼが果たす基本的な役割に加えて、化学療法抵抗性における使用を調べることに関心が集まっている。例えば、卵巣癌において、化学療法抵抗性の再発は深刻な臨床的問題であり、二次治療は限定的な効果しかもたないため、薬剤耐性を逆転するオーロラキナーゼ操作の潜在的な臨床的役割は臨床的に有用であり得る。
【0087】
いくつかの証拠により、オーロラキナーゼ発現/活性と化学療法抵抗性との関係は立証されている。例えば、オーロラAキナーゼを安定して過剰発現する細胞株は、タキサン誘発のアポトーシスに対する耐性が高いことが示された(Anand Sら、Cancer Cell 2003;3:51−62)。オーロラAのmRNA濃度が高い乳房腫瘍の患者は、オーロラAのmRNA濃度が低い乳房腫瘍の患者よりもドセタキセル治療に対し低い反応率(41%対71%)を示した(Noguchi Sら、Cancer Sci 2006;97:813−20)。また、低分子干渉RNAに基づく標的化を用いた膵臓癌細胞株におけるオーロラAキナーゼの下方調節により、パクリタキセルに対する感受性が増した(Hata Tら、Cancer Res 2005;65:2899−905)。
【0088】
上述の理由により、オーロラキナーゼ阻害剤を、限定的ではないが、タキサン類(パクリタキセル、ドセタキセル)などの標準化学療法剤とともに投与する併用療法は、これらの化学療法剤に対する薬剤耐性の軽減に効果的でなければならない。
【0089】
投与量および投与
過剰増殖性疾患および血管新生疾患の治療に有用な化合物を評価するための公知の標準の実験技術に基づいて、標準の毒性試験によって、哺乳類における上記で特定した状態の治療を決定するための標準の薬理学的アッセイによって、なおかつ、これらの結果を、それらの状態を治療するのに使用されている既知の医薬と比較することによって、各々の所望の適応症の治療のための本発明の化合物の有効投与量を容易に決定することができる。これらの状態の1つの治療において投与すべき活性成分の量は、用いられる特定の化合物や投与量単位、投与様式、治療期間、治療される患者の年齢や性別、および治療する状態の性質や程度の考慮に従って、広い範囲で変動しうる。
【0090】
投与される活性成分の総量は、一般に、約0.001mg/kg〜約200mg/kg体重/日、好ましくは、約0.01mg/kg〜約20mg/kg体重/日である。臨床上有用な投与スケジュールは、1日1〜3回の投与から4週間毎に1回の投与までに及ぶであろう。さらに、ある期間にわたって患者が投薬を受けない「薬物休日」は、薬理作用と耐用性との間の全体的なバランスにとって有益である場合がある。1単位の投与は、約0.5〜約1500mgの活性成分を含み、1日1回または2回以上、もしくは、1日1回よりも少なく投与することができる。静脈内、筋肉内、皮下および非経口注入を含む注射および注入技術を用いた平均の1日投与量は、好ましくは0.01〜200mg/kg全体重であろう。平均の1日の直腸投与法は、好ましくは0.01〜200mg/kg全体重であろう。平均の1日の経膣投与法は、好ましくは0.01〜200mg/kg全体重であろう。平均の1日の局所投与法は、好ましくは、1日1〜4回の0.1〜200mg/kgの投与であろう。経皮での濃度は、好ましくは、0.01〜200mg/kgの1日投与量を維持するのに必要な濃度であろう。平均の1日の吸入投与法は、好ましくは0.01〜100mg/kg全体重であろう。
【0091】
当然のことながら、各患者について特定の最初のおよび維持される投与法は、これに当たっている診断医によって決定された状態の性質および重篤度、用いる特定化合物の活性、患者の年齢および全身状態、投与の時間、投与経路、薬物の排泄速度、薬物の組み合わせに応じて変動するであろう。本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩またはエステルもしくは組成物の所望の治療様式および投与回数は、慣用の治療試験を用いて当業者により確認することができる。
【0092】
併用療法
本発明の化合物および組成物は、単独の医薬品として、あるいは、組み合わせが許容し得ない副作用を引き起こすものでない場合には、1つ以上の別の活性医薬品との組み合わせとして投与することができる。例えば、本発明の化合物および組成物は、既知の抗過剰増殖性または他の適応を有する薬剤ならびに、それらの混合物や組み合わせと組み合わせることができる。
【0093】
別の活性薬剤としては、アルデスロイキン、アレンドロン酸、インターフェロンα、アリトレチノイン、アロプリノール、アロプリン、アロキシ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミホスチン、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンズメット(anzmet)、アラネスプ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アロマシン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BCGまたはタイスBCG、ベスタチン、酢酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、ベキサロテン、硫酸ブレオマイシン、ブロクスウリジン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルシトニン、キャンパス、カペシタビン、カルボプラチン、カソデックス、セフェゾン、セルモロイキン、セルビジン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クラドリビン、クロドロン酸、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノキソーム、デカドロン、リン酸デカドロン、デレストロゲン、デニロイキンジフチトクス、デポメドロール、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ダイフルカン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロナビノール、DW−166HC、エリガード、エリテック、エレンス、エメンド、エピルビシン、エポエチンアルファ、エポジェン、エプタプラチン、エルガミゾール、エストレース、エストラジオール、リン酸エストラムスチンナトリウム、エチニルエストラジオール、エチヨル、エチドロン酸、エトポホス、エトポシド、ファドロゾール、ファルストン(farston)、フィルグラスチム、フィナステライド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルコナゾール、フルダラビン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、5−フルオロウラシル(5−FU)、フルオキシメステロン、フルタミド、ホルメスタン、ホステアビン、ホテムスチン、フルベストラント、ガンマガード、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グリベック、グリアデル、ゴセレリン、グラニセトロンHCl、ヒストレリン、ハイカムチン、ヒドロコルトン、エリスロ−ヒドリキシノニルアデニン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イフォスファミド、インターフェロンアルファ、インターフェロン−アルファ2、インターフェロンアルファ−2α、インターフェロンアルファ−2B、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1α、インターロイキン−2、イントロンA、イレッサ、イリノテカン、カイトリル、硫酸レンチナン、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロリド、酢酸リュープロリド、レバミゾール、レボホリン酸カルシウム塩、レボスロイド、レボキシル、ロムスチン、ロニダミン、マリノル、メクロレタミン、メコバラミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メネスト、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、メトビクス、ミルテホシン、ミノサイクリン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、モドレナル、ミオセット、ネダプラチン、ニューラスタ、ニューメガ、ニューポジェン、ニルタミド、ノルバデックス、NSC−631570、OCT−43、オクトレオチド、オンダンセトロンHCl、オラプレド、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペジアプレド、ペガスパルガーゼ、ペガシス、ペントスタチン、ピシバニール、ピロカルピンHCl、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレマリン、プロカルバジン、プロクリット、ラルチトレキセド、レビフ、エチドロン酸レニウム186、リツキシマブ、ロフェロン−A、ロムルチド、サラジェン、サンドスタチン、サルグラモスチム、セムスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソル・メドロール、スパルホス酸、幹細胞治療、ストレプトゾシン、塩化ストロンチウム−89、シントロイド、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、タストラクトン(tastolactone)、タキソテール、テセロイキン、テモゾロミド、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、テストレド(testred)、チオグアニン、チオテパ、サイロトロピン、チルドロン酸、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トレクサール、トリメチルメラミン、トリメトレキサート、酢酸トリプトレリン、パモ酸トリプトレリン、UFT、ウリジン、バルルビシン、ベスナリノン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビルリジン、ザインカード、ジノスタチンスチマラマー、ゾフラン、ABI−007、アコルビフェン、アクティミューン、アフィニタック、アミノプテリン、アルゾキシフェン、アソプリスニル、アタメスタン、アトラセンタン、BAY43−9006(ソラフェニブ)、アバスチン、CCI−779、CDC−501、セレブレックス、セツキシマブ、クリスナトール、酢酸シプロテロン、デシタビン、DN−101、ドキソルビシン−MTC、dSLIM、デュタステリド、エドテカリン、エフロミチン、エキサテカン、フェンレチニド、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリンヒドロゲルインプラント、ホルミウム−166DOTMP、イバンドロン酸、インターフェロンガンマ、イントロン−PEG、イクサベピロン、キーホールリンペットヘモシアニン、L−651582、ランレオチド、ラソフォキシフェン、リブラ、ロナファミブ、ミプロキシフェン、ミノドロン酸塩、MS−209、リポソームMTP−PE、MX−6、ナファレリン、ネモルビシン、ネオバスタット、ノラトレキシド、オブリメルソン、オンコ−TCS、オシデム、ポリグルタメート化パクリタキセル、パミドロン酸二ナトリウム、PN−401、QS−21、クアゼパム、R−1549、ラロキシフェン、ランピルナーゼ、13−シス−レチノイン酸、サトラプラチン、セオカルシトール、T−138067、タルセバ、タクサオプレキシン、チモシンアルファ1、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、TLK−286、トレミフェン、TransMID−107R、バルスポダル、バブレオチド、バタラニブ、ベルテポルフィン、ビンフルニン、Z−100、ゾレドロン酸またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0094】
別の活性薬剤として使用できる任意の抗過剰増殖剤としては、引用することにより本明細書に組み込まれるMerck Indexの第11版(1996)中の癌化学療法の薬物療法に掲げられた化合物、すなわち、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシ尿素、イフォスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビンデシンのような化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
別の活性薬剤として使用するのに適した他の抗過剰増殖剤としては、引用することにより本明細書に組み込まれるGoodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(Ninth Edition),editor Molinoffら、publ.by McGraw−Hill,pages 1225−1287,(1996)において腫瘍性疾患の治療に用いると認められている、アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジン クラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、リン酸フルダラビン、フルオキシメステロン、フルタミド、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジン、およびビノレルビンのような化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
本発明の化合物または組成物と共に別の活性薬剤として使用するのに適した他の抗過剰増殖剤としては、エポチロンおよびその誘導体、イリノテカン、ラロキシフェンおよびトポテカンのような他の抗癌剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
実施例
略語および頭字語
当該技術分野において通常の技量の有機化学者により利用される略語の包括的リストは、The ACS Style Guide(第3版)またはGuidelines for Authors for the Journal of Organic Chemistryに記載されている。前記リストに含まれる略語および当該技術分野における通常の技量の有機化学者により利用される全ての略語は、引用することにより本明細書に組み込まれる。本発明の目的のために、化学元素は元素周期表(Periodic Table of the Elements),CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,67th Ed.,1986−87に従って同定される。
【0098】
より詳細には、以下の略語を本開示を通して使用する場合、それらは下記の意味を有する:
atm 雰囲気
br s 広幅一重項
C 摂氏
Celite 珪藻土濾過剤(Celite Corp社製)
d 二重項
dd 二重項の二重項
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMF−DMA N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMSO ジメチルスルホキシド
ES−MS エレクトロスプレイ質量分析
g グラム
h 時間(単数または複数)
1H NMR 陽子核磁気共鳴
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
J カップリング定数(NMR分光法)
L リットル
M mol L
−1(モル)
m 多重項
MHz メガヘルツ
min 分(単数または複数)
ml ミリリットル
mM マイクロモル
mol モル
MS 質量スペクトル、質量分析
m/z 質量電荷比
N 等量L
−1(正規)
NMR 核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)
pH 水素イオン濃度の負の対数
q 四重項
RT 滞留時間 (HPLC)
rt 室温
s 一重項
t 三重項
THF テトラヒドロフラン
【0099】
以下の実施例で報告された収率は、最も少ないモル量で用いた出発成分に基づくものである。空気や湿気を嫌う液体および溶液をシリンジまたはカニューレ経由で移し、ゴム隔膜を通じて反応槽に導入した。商用グレードの試薬および溶媒をさらに精製することなく用いた。「減圧下の濃縮」という用語は、約15mmHgにおけるBuchiロータリエバポレーターの使用のことを言う。全ての温度は未補正の摂氏(℃)で報告される。薄層クロマトグラフィー(TLC)はプレコートガラスバックシリカゲル60A F−254の250μmプレート上で行った。
【0100】
本発明の化合物の構造は、以下の1つ以上の手順を用いて確認した。
【0101】
NMR
NMRスペクトルは各化合物について取得し、示された構造と一致していた。
【0102】
通常の一次元NMR分光法を300/400MHzのどちらかのバリアン(登録商標)マーキュリー−プラス分光計上で行った。試料を重水素化溶媒に溶解させた。化学シフトはppmスケールで記録し、
1HスペクトルではDMSO−d
6の2.49ppm、CD
3CNの1.93ppm、CD
3ODの3.30ppm、CD
2Cl
2の5.32ppm、およびCDCl
3の7.26ppmような適切な溶媒シグナルを基準とした。
【0103】
GC/MS
電子衝撃質量スペクトル(EI−MS)は、J&WHP−5カラム(0.25μMコーティング;30m×0.25mm)を有するヒューレットパッカード6890ガスクロマトグラフを備えたヒューレットパッカード5973質量分析計により得られた。イオン源は250℃で維持し、スペクトルはスキャン当たり0.34秒で50〜550amuから走査した。
【0104】
LC/MS
特に指定のない限り、全ての滞留時間は、LC/MSから得られ、分子イオンに対応する。高圧液体クロマトグラフィーエレクトロスプレイイオン化質量分析(LC/MS)は、以下のいずれかを用いて得られた:
【0105】
方法A(LCQ)
クォータナリポンプ、254nmに設定した可変波長検出器、Waters Sunfire C18カラム(2.1×30mm、3.5μm)、Gilsonオートサンプラー、およびエレクトロスプレーイオン化を有するFinnigan LCQイオントラップ質量分析計を備えたヒュレット−パッカード1100HPLC。スペクトルは、ソースにおけるイオンの数に従って可変イオン時間を用いて120〜1200amuから走査した。溶離液は、A:0.02%のTFAを有する水中2%のアセトニトリル、およびB:0.018%のTFAを有するアセトニトリル中2%の水であった。1.0mL/分の流速で3.5分にわたる10%〜95%Bの勾配溶出を0.5分の初期保持および0.5分の95%Bでの最終保持とともに用いた。全実行時間は、6.5分であった。
【0106】
方法B(LCQ5)
Agilent1100HPLCシステム。Agilent1100HPLCシステムは、Agilent1100オートサンプラーと、クォータナリポンプと、254nmに設定した可変波長検出器とを備えていた。用いたHPLCカラムは、Waters Sunfire C−18カラム(2.1×30mm、3.5μm)であった。HPLC溶離液は、分けることなく、エレクトロスプレーイオン化を有するFinnigan LCQ DECAイオントラップ質量分析計に直接結合させた。スペクトルは、陽イオンモードを用いてソースのイオン数に従って可変イオン時間を用いて140〜1200amuから走査した。溶離液は、A:0.02%のTFAを有する水中2%のアセトニトリル、およびB:0.02%のTFAを有するアセトニトリル中2%の水であった。1.0mL/分の流速で3.0分にわたる10%〜95%Bの勾配溶出を1.0分の初期保持および1.0分の95%Bでの最終保持とともに用いた。全実行時間は、7.0分であった。
【0107】
方法C(LTQ)
Agilent1100HPLCシステム。Agilent1100HPLCシステムは、Agilent1100オートサンプラーと、クォータナリポンプと、ダイオードアレイとを備えていた。用いたHPLCカラムは、Waters Sunfire C18カラム(2.1×30mm、3.5μm)であった。HPLC溶離液は、1:4に分けて、エレクトロスプレーイオン化を有するFinnigan LTQイオントラップ質量分析計に直接結合させた。スペクトルは、陽または陰イオンモードを用いてソースのイオン数に従って可変イオン時間を用いて50〜800amuから走査した。溶離液は、A:0.1%のギ酸を有する水、およびB:0.1%のギ酸を有するアセトニトリルであった。1.0mL/分の流速で3.0分にわたる10%〜90%Bの勾配溶出を2.0分の初期保持および1.0分の95%Bでの最終保持とともに用いた。全実行時間は、8.0分であった。
【0108】
調製用HPLC:
調製用HPLCは、一般に、二つのGilson322ポンプ、Gilson215オートサンプラー、Gilsonダイオードアレイ検出器、C−18カラム(例:YMC Pro20×150mm、120A)が備わったGilson HPLCシステムを用いて逆相モードで行った。0.1%TFA水溶液としての溶媒Aと、0.1%TFAのアセトニトリル溶液としての溶媒Bによる勾配溶出を用いた。溶液としてカラムに注入後、化合物は、通常、25mL/分の流速にて15分間かけて溶媒A中10〜90%溶媒Bのような混合溶媒勾配により溶出した。254nmまたは220nmのUVモニタリングにて所望の生成物を含む画分(単数または複数)を回収した。
【0109】
調製用MPLC:
標準のシリカゲル「フラッシュ・クロマトグラフィー」技術(例:Still,W.C.ら、J.Org.Chem.1978,43,2923−5)、または、Biotage FLASHシステムなどのシリカゲルカートリッジおよび装置を用いて、調製用中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)を行った。実験的プロトコルに記載したように、種々の溶出溶媒を用いた。
【0110】
本発明をより良く理解するために以下の実施例を示す。これらの実施例は、説明のためだけに記載されるものであり、本発明の範囲をどのような形においても限定すると解釈すべきものではない。本明細書に引用された全ての出版物は、その内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0112】
塩化チオニル(96.4g、810mmol)を1,2−ジクロロエタン(500mL)およびDMF(1mL)中の3−フルオロ−4−ニトロ安息香酸(100g、540mmol)の溶液に(30分)滴下した。反応液を4時間(70℃)で温め、室温に冷却した。揮発性物質を減圧下蒸発させ、中間体の酸塩化物を得た。この物質をTHF(500mL)に溶解させ、濾過し、固形残留物を除去した。
【0113】
THF(1500mL)中のマロン酸エチルカリウム(276g、1620mmol)およびトリエチルアミン(164g、1620mmol)の冷却懸濁液(10℃)に塩化マグネシウムを加えた。この混合物を室温で12時間激しく攪拌し(オーバーヘッド攪拌機)、冷却(0℃)した。濾過したTHF中の酸塩化物溶液を滴下した(30分)。反応液を室温に温め、12時間攪拌し、冷却(10℃)した。反応液の温度を20℃よりも低く保ちながら、4N塩酸(1L)をゆっくり加えた。急冷した反応液を水(1L)で希釈し、酢酸エチル(3×1L)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を飽和ジカルボン酸ナトリウム水溶液(2×1L)、水(1L)、およびブライン(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下蒸発させ、互変異性体の混合物として所望の生成物(134g、97%)を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6)互変異性体1:δ 12.24(s、1H)、7.85〜8.32(m、3H)、6.22(s、3H)、4.25(q、J=7.0Hz、2H)、1.26(t、J=7.0Hz、3H);互変異性体2:δ 7.90〜8.38(m、3H)、4.30(s、2H)、4.11(q、J=7.1Hz、2H)、1.17(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 254.1(M−H)
−;HPLC RT(方法C)3.14分。
【0115】
トルエン(540mL)中の中間体A(138g、540mmol)の冷却溶液(0℃)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(100g、810mmol)を滴下した(10分)。反応液を2.5時間温め(50℃)、揮発性物質を減圧下蒸発させ、所望の生成物(167g、100%)を得た。これは十分に純粋(NMRにより>95%)であり、さらに精製することなく用いた。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.24〜8.29(m、1H)、7.92(s、1H)、7.60〜7.74(m、1H)、7.58〜7.62(m、1H)、3.97(q、J=7.0Hz、2H)、3.44(s、3H)、2.81(s、3H)、0.99(t、J=7.0Hz、3H);ES−MS m/z 310.9(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.87分。
【0117】
酢酸(300mL)中の中間体B(74.4g、240mmol)の攪拌溶液に2−アミノマロンアミド(36.5g、312mmol)を加えた。懸濁液を2時間温め(80℃)、酢酸を減圧下蒸発させた。残渣をトリフルオロ酢酸(300mL)に溶解させ、得られた溶液を4時間温めた(60℃)。トリフルオロ酢酸を減圧下蒸発させ、冷却エタノール(2×50mL)、ジエチルエーテル(3×50mL)で固体を洗浄し、所望の生成物(58.8g、76%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 12.35(s、1H)、8.12(dd、J=8.3、8.3Hz、1H)、7.63(s、1H)、7.52(d、J=12.3Hz、1H)、7.25〜7.50(m、2H)、6.74(s、1H)、4.06(q、J=7.1Hz、2H)、1.11(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 322.0(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.79分。
【0119】
オーバーヘッド攪拌機を備えたトルエン(750mL)中の中間体C(121g、377mmol)の懸濁液にオキシ塩化リン(87.0g、565mmol)を加えた。懸濁液を加熱し(80℃)、トルエン(全量200mL)を断続的に加えながら6時間攪拌し、フラスコの側部から固形物をすすぎ、揮発性物質を減圧下蒸発させた。トルエン(500mL)中に残渣を懸濁させ、これを蒸発させて、残りのオキシ塩化燐を除去した(この作業を2回行った)。冷水(750mL)を加え、5N水酸化ナトリウム水溶液を用いて混合物のpHを8に調整した。固形物を濾過により回収し、乾燥させ、所望の生成物(110g、96%)を得た;
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 12.90(s、1H)、7.75(s、1H)、7.07(dd、J=8.2、8.2Hz、1H)、7.77(dd、J=12.4、1.8Hz、1H)、7.51〜7.62(m、1H)、4.16(q、J=7.1Hz、2H)、1.19(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 304.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)3.19分。
【0121】
オーバーヘッド攪拌機を備えたエタノール(540mL)および水(180mL)中の中間体D(45.0g、148mmol)の懸濁液に鉄(Alrich cat番号20930−9、24.9g、445mmol)および塩化アンモニウム(4.80g、89.7mmol)を加えた。反応液を2時間温め(70℃)、室温に冷却した。混合物をメタノール(500mL)で希釈し、Celiteの充填パッドを通じて濾過した。濾過ケーキをメタノール(1L)およびアセトニトリル(2L)で十分にすすぎ、組み合わせた濾液を蒸発させた。残渣を酢酸エチル(1.5L)に溶解させ、水(500mL)およびブライン(500mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下蒸発させ、微量不純物(<5%)を含有する所望の生成物(38.0g、94%)を得た。その物質を次の工程でさらに精製することなく用いた。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 13.36(s、1H)、8.25(dd、J=12.8、2.0Hz、1H)、6.92〜6.97(m、1H)、6.72〜6.79(m、1H)、5.35(s、2H)、4.10(q、J=7.0Hz、2H)、1.16(t、J=7.0Hz、3H);ES−MS m/z 274.3(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.62分。
【0123】
DMF(290mL)中の中間体E(9.0g、33mmol)の溶液に水素化ナトリウム(60%油中分散液、1.7g、43mmol)を数回に分けて加えた。懸濁液を30分間攪拌し、(アミノオキシ)(ジフェニル)ホスフィンオキシド(9.9g、43mmol)を加えた。反応液を4時間温め(60℃)、室温に冷却した。水(10mL)をゆっくり加えて反応液を急冷し、溶媒を減圧下蒸発させた。残渣を酢酸エチル(500mL)に溶解させ、飽和ジカルボン酸ナトリウム水溶液(2×250mL)およびブライン(250mL)で溶液を洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。ジエチルエーテルで残渣を練和させ、所望の生成物(7.8g、82%)を得た;
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 7.57(s、1H)、7.05(dd、J=12.7、2.0Hz、1H)、6.91〜6.95(m、1H)、6.75(dd、J=9.5、8.4Hz、1H)、6.57(s、2H)、5.36(s、2H)、4.09(q、J=7.0Hz、2H)、1.16(t、J=7.0Hz、3H);ES−MS m/z 289.0(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.61分。
【0125】
n−ブタノール(100mL)中の中間体F(6.2g、21.5mmol)の懸濁液に酢酸ホルムアミジン(22.4g、215mmol)を加えた。反応液を16時間加熱し(100℃)、室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去し、エタノール(50mL)および水(200mL)を加えた。混合物を30分間攪拌し、得られた沈殿物を濾過により回収した。固形物を水(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ、所望の生成物(5.80g、85%)を得た;
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.08(s、1H)、8.00〜8.10(br s、1H)、7.90(s、1H)、7.03(dd、J=12.3、1.9Hz、1H)、6.77〜6.88(m、2H)、5.36(s、2H)、5.21〜5.31(br s、1H)、4.06(q、J=7.1Hz、2H)、1.11(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 316.4(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.39分。
【0126】
【化14】
DMF(50mL)中の(6−メチルピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニル(10.1g、44.4mmol)およびトリエチルアミン(9.3mL、66.6mmol)の溶液に中間体G(7.00g、22.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌し、水(300mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、組み合わせた有機抽出物を水(2×200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。得られた固形物をジエチルエーテルで練和させ、所望の生成物(8.8g、88%)を得た;
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.94(s、1H)、8.36(dd、J=8.5、8.5Hz、1H)、8.14(s、1H)、7.95〜8.09(br s、1H)、7.94(s、1H)、7.66(dd、J=7.8、7.8Hz、1H)、7.35(dd、J=11.9、2.0Hz、1H)、7.16(dd、J=8.5、1.8Hz、1H)、6.95〜7.03(m、1H)、6.90(dJ=7.4Hz、1H)、5.26〜3.34(br s、1H)、4.08(q、J=7.2Hz、2H)、2.46(s、3H)、1.10(t、J=7.2Hz、3H);ES−MS m/z 450.2(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.86分。
【0127】
【化15】
THF(35mL)およびエタノール(35mL)中の中間体H(4.50g、10.0mmol)の懸濁液に1N水酸化ナトリウム水溶液(20mL、20mmol)を加えた。反応混合物を16時間加熱し(65℃)、室温に冷却した。塩化水素(1,4−ジオキサン中4N、7.5mL、30mmol)を加え、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を水で洗浄し、アセトンおよびジエチルエーテルで練和させ、所望の生成物(3.0g、71%)を得た;
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 12.32〜12.49(br s、1H)、9.93(s、1H)、8.34(dd、J=8.5、8.5Hz、1H)、8.06(s、1H)、7.95〜8.03(br s、1H)、7.91(s、1H)、7.66(dd、J=7.8、7.8Hz、1H)、7.34(dd、J=12.0、1.9Hz、1H)、7.15(dd、J=8.5、1.8Hz、1H)、6.96〜7.03(m、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、5.25〜3.34(br s、1H)、2.46(s、3H);ES−MS m/z 422.3(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.13分。
【0128】
【化16】
中間体Iの調製に用いた手順を用いて、中間体Hの代わりに中間体Gを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 12.20〜12.30(br s、1H)、8.03(s、1H)、7.94〜8.05(br s、1H)、7.89(s、1H)、7.02(dd、J=12.4、2.0Hz、1H)、6.73〜6.92(m、2H)、5.22〜5.47(br s、1H)、5.12〜5.25(br s、1H);ES−MS m/z 288.0(MH)
+;HPLC RT(方法A)1.13分。
【0129】
【化17】
DMF(500mL)中の2,2,2−トリフルオロ−1−アミノエタン(42.4g、428mmol)、ベンゾトリアゾリルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムPF6(56.8g、128mmol)および4−メチルモルホリン(43.3g、428mmol)の混合物に中間体J(24.6g、85.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。得られた沈殿物を濾過によって単離し、アセトンおよびジエチルエーテルで洗浄し、所望の生成物(22g、70%)を得た;
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.37(dd、J=8.5、8.5Hz、1H)、8.12(s、1H)、7.94(s、1H)、7.92〜8.03(br s、1H)、7.89(s、1H)、6.99(dd、J=12.2、1.8Hz、1H)、6.85(dd、J=12.2、1.8Hz、1H)、6.74〜6.82(m、1H)、5.35(s、2H)、5.13〜3.22(br s、1H)、3.87〜4.01(m、2H);ES−MS m/z 369.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.05分。
【0130】
【化18】
中間体Kの調製に用いた手順を用いて、2,2,2−トリフルオロ−1−アミノエタンの代わりにt−ブチルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 7.96(s、1H)、7.87(s、1H)、7.07(dd、J=12.3、1.9Hz、1H)、6.92(dd、J=8.1、1.9Hz、1H)、6.81〜6.89(m、1H)、5.44(s、2H)、1.16(s、9H);ES−MS m/z 343.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.11分。
【0131】
【化19】
中間体Aの調製に用いた手順を用いて、3−フルオロ−4−ニトロ安息香酸の代わりに3−クロロ−4−ニトロ安息香酸を用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6)互変異性体1:δ 12.47(s、1H)、8.21(d、J=1.8Hz、1H)、8.16(d、J=8.6Hz、1H)、8.04(dd、J=8.5、1.9Hz、1H)、6.24(s、1H)、4.25(q、J=7.1Hz、2H)、1.26(t、J=7.1Hz);互変異性体2:δ 8.27(d、J=1.8Hz、1H)、8.22(d、J=6.6Hz、1H)、8.09(dd、J=8.4、1.9Hz、1H)、4.32(s、2H)、4.11(q、J=7.1Hz、2H)、1.17(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 270.0(m−H)
−;HPLC RT(方法C)4.80分。
【0132】
【化20】
中間体Bの調製に用いた手順を用いて、中間体Aの代わりに中間体Mを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.09(d、J=8.5Hz、1H)、7.83(s、1H)、7.77(s、1H)、7.65(dd、J=8.2、1.7Hz、1H)、3.87(q、J=7.1Hz、2H)、3.32(s、3H)、2.71(s、3H)、0.89(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 326.8(MH)
+;HPLC RT(方法A)3.00分。
【0133】
【化21】
中間体Cの調製に用いた手順を用いて、中間体Bの代わりに中間体Nを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 12.25(s、1H)、8.00(d、J=8.5Hz、1H)、7.59〜7.63(m、2H)、7.42(dd、J=8.5、1.8Hz、1H)、7.25〜7.38(br s、1H)、6.68〜7.79(br s、1H)、4.02(q、J=7.1Hz、2H)、1.07(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 337.9(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.89分。
【0134】
【化22】
中間体Dの調製に用いた手順を用いて、中間体Cの代わりに中間体Oを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 13.30(s、1H)、8.14(d、J=8.4Hz、1H)、7.91(s、1H)、7.87(d、J=2.0Hz、1H)、7.65(dd、J=8.4、1.8Hz、1H)、4.12(q、J=7.1Hz、2H)、1.14(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 318.1(MH)
−;HPLC RT(方法A)4.88分。
【0135】
【化23】
DMF(230mL)中の中間体P(8.34g、26.1mmol)の溶液に15分かけて3回に分けて水素化ナトリウム(鉱油中の60%油中分散液、1.36g、33.9mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。(アミノオキシ)(ジフェニル)ホスフィンオキシド(8.51g、37.3mmol)を一度に加えた。混合物を一晩加熱した(60℃)。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(500mL)、飽和ジカルボン酸ナトリウム水溶液(250mL)および水(500mL)で希釈した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮し、定量的収率の粗生成物を得た。これを次の工程で精製することなく用いた。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.14(d、J=8.3Hz、1H)、7.85(d、J=1.7Hz、1H)、7.72(s、1H)、7.62(dd、J=8.5、1.9Hz、1H)、6.72(s、2H)、4.11(q、J=7.1Hz、2H)、1.14(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 335.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)3.40分。
【0136】
【化24】
n−ブタノール(120mL)中の中間体Q(8.70g、26.0mmol)の溶液に酢酸ホルムアミジン(27.1g、260mmol)を加えた。反応液を16時間加熱し(100℃)、その後室温に冷却した。溶媒を減圧下蒸発させた。溶離液としてヘキサン中10〜50%の酢酸エチルの勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製し、所望の生成物(4.10g、44%)を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.20(s、1H)、8.08(d、J=8.2Hz、1H)、7.97(s、1H)、7.79(d、J=1.8Hz、1H)、7.54(dd、J=1.7、8.4Hz、1H)、4.08(q、J=7.1Hz、2H)、1.09(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 362.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)3.06分。
【0137】
【化25】
中間体R(0.74g、2.05mmol)、ラネーニッケル(約300〜500mg)およびエタノール(20mL)の混合物を水素下で(1atm)一晩攪拌した。懸濁液をエタノール(500mL)で希釈し、Celiteのパッドを通して濾過し、エタノールを用いてすすいだ。濾液を濃縮して、減圧下乾燥させた。水中35〜60%のアセトニトリルの勾配を用いたHPLCによって残渣を精製し、所望の生成物(0.36g、53%)を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.11(s、1H)、8.00〜8.09(br s、1H)、7.93(s、1H)、7.24(d、J=2.0Hz、1H)、7.04(dd、J=8.2、2.0Hz、1H)、6.85(d、J=8.3Hz、1H)、5.59(s、2H)、5.20〜5.30(br s、1H)、4.10(q、J=7.1Hz、2H)、1.13(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 332.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.64分。
【0138】
【化26】
中間体Hの調製に用いた手順を用いて、中間体Gの代わりに中間体Sを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.03(s、1H)、8.43(d、J=8.5Hz、1H)、8.15(s、1H)、7.99〜8.11(br s、1H)、7.94(s、1H)、7.62〜7.70(m、1H)、7.54(d、J=1.9Hz、1H)、7.32(dd、J=8.6、1.9Hz、1H)、6.91〜7.02(br s、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、5.37〜5.48(br s、1H)、4.08(q、J=7.1Hz、2H)、2.47(s、3H)、1.11(t、J=7.1Hz、3H);ES−MS m/z 466.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)3.13分。
【0139】
【化27】
中間体Iの調製に用いた手順を用いて、中間体Hの代わりに中間体Tを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.03(s、1H)、8.41(d、J=8.6Hz、1H)、8.12(s、1H)、8.00〜8.16(br s、1H)、7.95(s、1H)、7.62〜7.70(m、1H)、7.53(d、J=2.1Hz、1H)、7.32(dd、J=8.5、2.0Hz、1H)、6.92〜7.04(br s、1H)、6.90(d、J=7.3Hz、1H)、5.42〜5.54(br s、1H)、2.47(s、3H);ES−MS m/z 438.2(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.57分。
【0140】
【化28】
中間体Iの調製に用いた手順を用いて、中間体Hの代わりに中間体Rを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 12.47〜12.56(br s、1H)、8.15(s、1H)、8.07(d、J=8.2Hz、1H)、7.96(s、1H)、7.77(d、J=1.8Hz、1H)、7.55(dd、J=8.3、1.8Hz、1H);ES−MS m/z 334.1(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.45分。
【0141】
【化29】
中間体Kの調製に用いた手順を用いて、中間体Jの代わりに中間体Vを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.79(t、J=6.3Hz、1H)、8.28(s、1H)、8.06(d、J=8.3Hz、1H)、7.97(s、1H)、7.68(d、J=1.8Hz、1H)、7.48(dd、J=8.2、1.9Hz、1H)、3.91〜4.01(m、2H);ES−MS m/z 415.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.83分。
【0142】
【化30】
中間体Sの調製に用いた手順を用いて、中間体Rの代わりに中間体Wを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 8.44(t、J=6.3Hz、1H)、8.13(s、1H)、7.91〜8.02(br s、1H)、7.89(s、1H)、7.17(d、J=2.0Hz、1H)、6.99(dd、J=8.2、2.0Hz、1H)、6.80(d、J=8.5Hz、1H)、5.54(s、2H)、5.08〜5.24(br s、1H)、3.88〜4.00(m、2H);ES−MS m/z 385.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.27分。
【0143】
【化31】
THF(1.6L)中の2−アミノ−6−ピコリン(200g、1.84mol)およびピリジン(448mL、5.55mol)の冷却溶液(0℃)にクロロぎ酸フェニル(232mL、1.84mol)を滴下した(1.5時間)。反応液を連続的に冷却しながら15時間攪拌した。水(500mL)をゆっくりと加え(30分)、混合物を酢酸エチル(2L)で希釈した。層を分離させ、有機層を1N塩酸(3×1L)、1N水酸化ナトリウム水溶液(500mL)およびブライン(500mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮してた。残渣をヘキサン(500mL)中に30分間懸濁させ、濾過し、微量不純物を多少含む所望の生成物(220g、52%)を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.68(s、1H)、6.93〜7.74(m、8H)、2.42(s、3H);ES−MS m/z 229.4(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.94分。
【0144】
【化32】
中間体Yの生成に用いた手順を用いて、2−アミノ−6−ピコリンの代わりに2−アミノ−6−エチルピリジンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.60(s、1H)、6.67〜7.73(m、8H)、2.64(q、J=7.5Hz、2H)、1.24(t、J=7.5Hz、3H);ES−MS m/z 243.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.46分。
【0145】
【化33】
DMF(2mL)中の塩酸メチルアミン(60mg、0.89mmol)、ベンゾトリアゾリルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムPF6(118mg、0.27mmol)および4−メチルモルホリン(90mg、0.89mmol)の混合物に中間体I(75mg、0.18mmol)を加えた。反応液を室温で16時間攪拌し、濾過した。水中25%〜85%のアセトニトリルの勾配溶出を用いたHPLC精製を濾液に施し、所望の生成物(25mg、32%)を得た;
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.93(s、1H)、8.32(dd、J=8.4、8.4Hz、1H)、8.07(s、1H)、7.90(s、1H)、7.88〜7.97(br s、1H)、7.66(dd、J=7.8、7.8Hz、1H)、7.30(dd、J=11.9、1.9Hz、1H)、7.12(dd、J=8.4、1.8Hz、1H)、6.93〜7.03(br d、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、2.63(d、J=4.6Hz、3H)、2.46(s、3H);ES−MS m/z 435.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)1.80分。
【0146】
【化34】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりに塩酸エチルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.93(s、1H)、8.32(dd、J=8.4、8.4Hz、1H)、8.09(s、1H)、7.90(s、1H)、7.84〜7.95(br s、1H)、7.66(dd、J=7.7、7.7Hz、1H)、7.30(dd、J=12.0、1.8Hz、1H)、7.12(dd、J=8.4、1.7Hz、1H)、6.96〜7.05(br d、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、3.06〜3.19(m、2H)、2.46(s、3H)、1.08(t、J=7.2Hz、3H);ES−MS m/z 449.1(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.44分。
【0147】
【化35】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりにプロピルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.93(s、1H)、8.32(dd、J=8.5、8.5Hz、1H)、8.09(s、1H)、7.90(s、1H)、7.86(dd、J=5.7、5.7Hz、1H)、7.66(dd、J=7.8、7.8Hz、1H)、7.30(dd、J=12.2、2.0Hz、1H)、7.12(dd、J=8.3、1.7Hz、1H)、6.95〜7.04(br d、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、3.05(q、J=6.5Hz、2H)、2.45(s、3H)、1.33〜1.44(m、2H)、0.79(t、J=7.4Hz、3H);ES−MS m/z 463.1(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.59分。
【0148】
【化36】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりに2,2,2−トリフルオロ−1−アミノエタンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.94(s、1H)、8.58(dd、J=6.4、6.4Hz、1H)、8.33(dd、J=8.4、8.4Hz、1H)、8.20(s、1H)、7.93(s、1H)、7.66(dd、J=7.9、7.9Hz、1H)、7.30(dd、J=12.2、1.9Hz、1H)、7.12(dd、J=8.4、1.8Hz、1H)、6.96〜7.04(br d、1H)、6.91(d、J=7.5Hz、1H)、3.90〜4.01(m、2H)、2.46(s、3H);ES−MS m/z 503.2(MH)
+;HPLC RT(方法A)3.00分。
【0149】
【化37】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりにイソブチルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.93(s、1H)、8.33(dd、J=8.5、8.5Hz、1H)、8.09(s、1H)、7.91(s、1H)、7.81(dd、J=5.7、5.7Hz、1H)、7.66(dd、J=7.8、7.8Hz、1H)、7.30(dd、J=12.1、1.9Hz、1H)、7.13(dd、J=8.2、1.6Hz、1H)、6.96〜7.04(br d、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、2.92(t、J=6.4Hz、2H)、2.45(s、3H)、1.61〜1.72(m、2H)、0.78(d、J=7.6Hz、3H);ES−MS m/z 477.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)3.02分。
【0150】
【化38】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりにシクロプロピルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.95(s、1H)、8.34(dd、J=8.3、8.3Hz、1H)、8.09(s、1H)、7.98(d、J=4.1Hz、1H)、7.92(s、1H)、7.68(dd、J=7.9、7.9Hz、1H)、7.31(dd、J=12.2、1.8Hz、1H)、7.13(dd、J=8.4、1.7Hz、1H)、6.98〜7.08(br d、1H)、6.92(d J=7.4Hz、1H)、2.62〜2.71(m、2H)、2.48(s、3H)、0.58〜0.65(m、2H)、0.40〜0.47(m、2H);ES−MS m/z 461.2(MH)
+; HPLC RT(方法A)2.56分。
【0151】
【化39】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりにN−エチル−N−メチルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.93(s、1H)、8.36(dd、J=8.5、8.5Hz、1H)、7.91(s、1H)、7.87(s、1H)、7.66(dd、J=7.4、7.4Hz、1H)、7.28〜7.37(m、1H)、7.10〜7.15(m、1H)、6.95〜7.03(br d、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、3.05〜3.37(m、2H)、2.81および2.60(2s、3H)、2.44(s、3H)、0.78〜0.96(m、3H);ES−MS m/z 463.1(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.90分。
【0152】
【化40】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりにN,N−ジメチルエチレンジアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.94(s、1H)、8.37(dd、J=8.4、8.4Hz、1H)、8.06(s、1H)、7.90(s、1H)、7.66(dd、J=7.7、7.7Hz、1H)、7.30〜7.40(m、1H)、7.13〜7.19(m、1H)、6.96〜7.03(br d、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、3.17(q、J=6.6Hz、2H)、2.45(s、3H)、2.21(t、J=6.6Hz、2H)、2.03(s、6H);MS[M+H]
+=492.1;LCMS RT=1.97分(方法B);ES−MS m/z 492.1(MH)
+;HPLC RT(方法B)1.97分。
【0153】
【化41】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、塩酸メチルアミンの代わりにtert−ブチルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.94(s、1H)、8.37(dd、J=8.4、8.4Hz、1H)、8.05(s、1H)、7.89(s、1H)、7.66(dd、J=8.0、8.0Hz、1H)、7.33(dd、J=12.0、1.9Hz、1H)、7.13(dd、J=8.5、1.7Hz、1H)、6.97〜7.04(br d、1H)、6.93(s、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、2.45(s、3H)、1.20(s、9H);ES−MS m/z 477.2(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.67分。
【0154】
【化42】
中間体Hの調製に用いた手順を用いて、中間体Gの代わりに中間体Lを、(6−メチルピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニルの代わりに(6−エチルピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニルを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.93(s、1H)、8.35(dd、J=8.4、8.4Hz、1H)、8.05(s、1H)、7.89(s、1H)、7.68(dd、J=8.2、7.5Hz、1H)、7.32(dd、J=11.8、2.0Hz、1H)、7.15(dd、J=8.5、1.8Hz、1H)、6.98〜7.06(br d、1H)、6.89〜6.95(m、2H)、2.73(q、J=7.4Hz、2H)、1.26(t、J=7.4Hz、3H)、1.21(s、9H);ES−MS m/z 491.3(MH)
+;HPLC RT(方法A)3.10分。
【0155】
【化43】
中間体Hの調製に用いた手順を用いて、中間体Gの代わりに中間体Kを、(6−メチルピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニルの代わりに(6−エチルピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニルを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.93(s、1H)、8.58(dd、J=6.4、6.4Hz、1H)、8.32(dd、J=8.4、8.4Hz、1H)、8.20(s、1H)、7.93(s、1H)、7.68(dd、J=7.8、7.8Hz、1H)、7.29(dd、J=12.0、1.9Hz、1H)、7.12(dd、J=8.5、2.0Hz、1H)、6.98〜7.05(br d、1H)、6.91(d、J=7.5Hz、1H)、3.89〜4.00(m、2H)、2.72(q、J=7.6Hz、2H)、1.25(t、J=7.6Hz、3H);ES−MS m/z 517.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.89分。
【0156】
【化44】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、中間体Iの代わりに中間体Uを、塩酸メチルアミンの代わりに塩酸エチルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.01(s、1H)、8.38(d、J=8.6Hz、1H)、8.10(s、1H)、7.95(dd、J=5.5、5.5Hz、1H)、7.91(s、1H)、7.62〜7.70(m、1H)、7.49(d、J=2.1Hz、1H)、7.28(dd、J=8.6、2.0Hz、1H)、6.91〜7.00(br s、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、5.27〜5.38(br s、1H)、3.07〜3.17(m、2H)、2.47(s、3H)、1.11(t、J=7.2Hz、3H);ES−MS m/z 465.2(MH)
+;HPLC RT(方法A)2.90分。
【0157】
【化45】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、中間体Iの代わりに中間体Uを、塩酸メチルアミンの代わりにn−プロピルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.01(s、1H)、8.38(d、J=8.5Hz、1H)、8.10(s、1H)、7.89〜7.96(m、2H)、7.62〜7.70(m、1H)、7.49(d、J=1.8Hz、1H)、7.28(dd、J=8.5、2.0Hz、1H)、6.91〜6.99(br s、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、5.24〜5.37(br s、1H)、3.06(q、J=6.5Hz、2H)、2.47(s、3H)、1.35〜1.46(m、2H)、0.80(t、J=7.4Hz、3H);ES−MS m/z 479.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.79分。
【0158】
【化46】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、中間体Iの代わりに中間体Uを、塩酸メチルアミンの代わりにシクロプロピルアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.02(s、1H)、8.38(d、J=8.5Hz、1H)、8.08(s、1H)、8.01(d、J=3.8Hz、1H)、7.90(s、1H)、7.62〜7.70(m、1H)、7.49(d、J=2.1Hz、1H)、7.29(dd、J=8.5、2.1Hz、1H)、6.91〜7.01(br s、1H)、6.90(d、J=7.5Hz、1H)、5.21〜5.39(br s、1H)、2.62〜2.69(m、1H)、2.47(s、3H)、0.56〜0.63(m、2H)、0.38〜0.45(m、2H);ES−MS m/z 477.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.89分。
【0159】
【化47】
実施例1の調製に用いた手順を用いて、中間体Iの代わりに中間体Uを、塩酸メチルアミンの代わりにN,N−ジメチルエチレンジアミンを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.03(s、1H)、8.42(d、J=8.5Hz、1H)、8.07(s、1H)、7.91(s、1H)、7.62〜7.70(m、1H)、7.51(d、J=2.0Hz、1H)、7.45〜7.51(br s、1H)、7.31(dd、J=8.5、1.9Hz、1H)、6.91〜7.00(br s、1H)、6.90(d、J=7.4Hz、1H)、5.21〜5.34(br s、1H)、3.18(q、J=6.1Hz、2H)、2.47(s、3H)、2.20〜2.27(m、2H)、2.06(s、6H);ES−MS m/z 508.1(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.17分。
【0160】
【化48】
中間体Hの調製に用いた手順を用いて、中間体Gの代わりに中間体Xを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.01(s、1H)、8.63(t、J=6.4Hz、1H)、8.39(d、J=8.4Hz、1H)、8.21(s、1H)、7.93(s、1H)、7.62〜7.70(m、1H)、7.48(d、J=1.8Hz、1H)、7.28(dd、J=8.6、2.0Hz、1H)、6.91〜6.99(br s、1H)、6.90(d、J=7.3Hz、1H)、5.31〜5.42(br s、1H)、3.91〜4.01(m、2H)、2.47(s、3H);ES−MS m/z 519.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)2.87分。
【0161】
【化49】
中間体Hの調製に用いた手順を用いて、中間体Gの代わりに中間体Xを、(6−メチルピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニルの代わりに(6−エチルピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニルを用いることによって表題の化合物を調製した。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.02(s、1H)、8.63(t、J=6.3Hz、1H)、8.36(d、J=8.7Hz、1H)、8.21(s、1H)、7.93(s、1H)、7.65〜7.72(m、1H)、7.48(d、J=2.0Hz、1H)、7.28(dd、J=8.5、2.0Hz、1H)、6.97〜7.06(br s、1H)、6.91(d、J=7.4Hz、1H)、5.29〜5.39(br s、1H)、3.90〜4.01(m、2H)、2.75(q、J=7.6Hz、2H)、1.23(t、J=7.6Hz、3H);MS[M+H]
+=533.2;LCMS RT=3.02分(方法B);ES−MS m/z 533.2(MH)
+;HPLC RT(方法B)3.02分。
【0162】
【化50】
4−アミノ−5−(3−フルオロ−4−{[(6−メチルピリジン−2−イル)カルバモイル]アミノ}フェニル)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(5.9g)にTHF(650mL)を加えた。溶解が起こるまで混合物を加熱した(80℃まで)。別のフラスコにて、メタンスルホン酸(2.5 mL)をTHF(25mL)で希釈した。THF中の4−アミノ−5−(4−{[(6−メチルピリジン−2−イル)カルバモイル]アミノ}フェニル)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミドの溶液に、THF中のメタンスルホン酸溶液17mLを加えた。混合物を16時間攪拌した。0.2uMの薄膜フィルターを用いて固形物を濾過した。固形物を乾燥させ、表題の化合物7.91g(97%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.95(s、1H)、8.68(t、1H)、8.60(br s、1H)、8.38(t、1H)、8.30(s、1H)、8.03(s、1H)、7.70(t、1H)、7.30(d、1H)、7.18(d、1H)、7.02(bd、1H)、6.85(d、1H)、3.98(m、2H)、2.54(s、3H)、2.32(s、6H);ES−MS m/z 503.30(MH)
+、HPLC RT(方法A)2.64分。DSC mp.=249.97℃(MeOH中で1週間攪拌後に乾燥させた、mp.=258.99℃)。C
22H
18F
4N
8O
2・2(CH
4O
3S)に対する分析計算値:C、41.50%;H、3.77%;F、10.94%;N、16.13%;O、18.43%;S、9.23%。実測値:C、41.21%;H、3.51%;N、15.69%。カール・フィッシャー滴定:0.96%水。
【0163】
【化51】
実施例18の調製に用いた手順を用いて、メタンスルホン酸の代わりに塩酸を用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 10.03(s、1H)、9.08(br s、1H)、8.75(t、1H)、8.47(m、2H)、8.17(s、1H)、7.68(t、1H)、7.34(d、1H)、7.15(d、1H)、7.05 (bd、1H)、6.93(d、1H)、3.98(m、2H)、2.54(s、3H);ES−MS m/z 503.10(MH)
+、HPLC RT(方法A)2.80分。DSC mp.=248.84℃(mp=251.43℃、メタノール中で1週間攪拌後に乾燥させた)。C
22H
18F
4N
8O
2・HClに対する分析計算値:C、49.03%;H、3.55%;N、20.79%。実測値:C、48.89%;H、3.55%;N、20.46%。
【0164】
実施例20
4−アミノ−5−(3−フルオロ−4−{[(6−メチルピリジン−2−イル)カルバモイル]アミノ}フェニル)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミドジ[(2Z)−ブタ−2−エンジオ酸塩]の調製
【化52】
THF(480mL)中の4−アミノ−5−(3−フルオロ−4−{[(6−メチルピリジン−2−イル)カルバモイル]アミノ}フェニル)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(3.7g、7.36mmol)の溶液に、マレイン酸溶液(THF25mL中に22mL、22mol、2.9gを溶解させ、1M溶液を生成した)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。0.2uMの薄膜フィルターを用いて固形物を濾過し、高真空オーブンで乾燥させ、表題の化合物(4.87g、90%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.95(s、1H)、8.60(t、1H)、8.36(t、1H)、8.21(s、1H)、7.94(s、1H)、7.66(t、1H)、7.30(d、1H)、7.11(d、1H)、6.96(bd、1H)、6.89(d、1H)、6.25(s、4H)、3.98(m、2H)、2.50(s、3H);ES−MS m/z 503.30(MH)
+、HPLC RT(方法A)2.64分。DSC mp.=201.29℃。C
22H
18F
4N
8O
2・2(C
4H
4O
4)に対する分析計算値:C、49.05%;H、3.57%;N、15.25%。実測値:C、49.19%;H、3.63%;N、15.06%。
【0165】
【化53】
溶解が起こるまで、THF(800mL)中の4−アミノ−5−(3−フルオロ−4−{[(6−メチルピリジン−2−イル)カルバモイル]アミノ}フェニル)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(8.0g)の溶液を加熱した(80℃まで)。反応混合物を室温に冷却し、フマル酸(1.38g、11.9mmol)を加えた。混合物を16時間攪拌した。0.2uMの薄膜フィルターを用いて固形物を濾過した。固形物を乾燥させ、表題の化合物6.35g(71%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.95(s、1H)、8.68(t、1H)、8.35(t、1H)、8.23(s、1H)、7.95(s、1H)、7.65(t、1H)、7.32(d、1H)、7.17(d、1H)、7.05(bd、1H)、6.95(d、1H)、6.61(s、1H)、3.98(m、2H)、2.54(s、3H);ES−MS m/z 503.30(MH)
+、HPLC RT(方法A)2.63分。DSC mp.=229.54℃。C
22H
18F
4N
8O
2・0.5(C
4H
4O
4)に対する分析計算値:C、51.43%;H、3.60%;F、13.56%;N、19.99%;O、11.42%;実測値:C、50.90%;H、3.78%;N、19.67%。
【0166】
【化54】
実施例18の調製に用いた手順を用いて、メタンスルホン酸の代わりに臭化水素酸(酢酸中30%)を用いることによって表題の化合物を調製した。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.95(s、1H)、8.68(t、1H)、8.60(br s、1H)、8.38(t、1H)、8.30(s、1H)、8.03(s、1H)、7.70(t、1H)、7.30(d、1H)、7.18(d、1H)、7.02(bd、1H)、6.85(d、1H)、3.98(m、2H)、2.54(s、3H);ES−MS m/z 503.26(MH)
+、HPLC RT(方法A)2.74分。DSC mp.=249.18℃。C
22H
18F
4N
8O
2・HBrに対する分析計算値:C、45.30%;H、3.28%;Br、13.70%;F、13.03%;N、19.21%;O、5.49%。実測値:C、45.30%;H、3.28%;N、19.21%。
【0167】
【化55】
THF(5mL)中の4−アミノ−5−(3−フルオロ−4−{[(6−メチルピリジン−2−イル)カルバモイル]アミノ}フェニル)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミド(100mg、0.2mmol)の溶液に、1Mのシュウ酸溶液(THF2.5mL中に0.2mL、0.2mmol、225mgを溶解させ、1M溶液を生成した)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。0.2uMの薄膜フィルターを用いて固形物を濾過し、高真空オーブンで乾燥させ、表題の化合物(60mg、51%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.95(s、1H)、8.60(t、1H)、8.36(t、1H)、8.21(s、1H)、7.94(s、1H)、7.66(t、1H)、7.30(d、1H)、7.11(d、1H)、6.96(bd、1H)、6.89(d、1H)、3.98(m、2H)、2.50(s、3H);ES−MS m/z 503.30(MH)
+、HPLC RT(方法A)2.64分。DSC mp.=210.36℃。C
22H
18F
4N
8O
2・C
2H
2O
4に対する分析計算値:C、48.66%;H、3.40%;N、18.91%。実測値:C、48.62%;H、3.24%;N、18.69%。
追加の実験において、シュウ酸の量は、モノシュウ酸塩が単離された全ての場合において1〜10等量に変化させた。
【0168】
【化56】
実施例18の調製に用いた手順を用いて、メタンスルホン酸の代わりにベンゼンスルホン酸(1等量)を用いることによって表題の化合物を調製した。1等量しか使用しなかったにもかかわらず、ビス(ベンゼンスルホン酸塩)が単離された(収率45%)。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6) δ 9.95(s、1H)、8.68(t、1H)、8.60(br s、1H)、8.38(t、1H)、8.30(s、1H)、8.03(s、1H)、7.70(t、1H)、7.60(m、4H)、7.30(m、7H)、7.18(d、1H)、7.02(bd、1H)、6.92(d、1H)、3.98(m、2H)、2.54(s、3H);ES−MS m/z 503.32(MH)
+、HPLC RT(方法A)2.67分。DSC mp.=232.60℃。単パルスの600MHz NMRにより、遊離塩基のベンゼンスルホン酸塩に対する比を確認した。
【0169】
生理学的活性
本発明の化合物の有用性は、例えば、前述した、オーロラ1および2の生化学アッセイ、および、オーロラ1の自己リン酸化アッセイにおけるin vitro活性によって示すことができる。マウスのヒト腫瘍異種移植片モデルにおけるオーロラキナーゼ阻害と活性間の関連については確立されている(Harringtonら、Nature Medicine 2004,10(3),262)。さらに、ヒト腫瘍異種移植片モデルの活性が臨床の場において抗腫瘍活性と関連していることは、当該技術分野において十分に確立されている。例えば、タキソール(Silvestriniら、Stem Cells 1993,11(6),528−35)、タキソテール(Bisseryら、Anti Cancer Drugs 1995,6(3),339)およびトポイソメラーゼ阻害剤(Edelmanら、Cancer Chemother.Pharmacol.1996,37(5),385−93)の治療的有用性は、腫瘍異種移植片モデルのin vivo使用によって実証されている。
【0170】
本発明による化合物のin vitro効果は、以下のアッセイで実証することができる:
【0171】
シンチレーション近接アッセイ(SPA)形式を用いて、マウスオーロラキナーゼ1(mAur1)と、マウスオーロラキナーゼ2(mAur2)の生化学アッセイにより、mAur2が基質であるビオチン化ペプチド830(DRT、Protein Sciences)をリン酸化する能力を測定する。酵素によって放射性標識したら、ストレプトアビジンを被覆したSPAビーズ上でビオチン化基質を捕捉し、SPAビーズの近傍で放射能を測定する。IC
50曲線を生成するために、96ウエルisoplate(Wallac 1450−514)で反応を以下の条件下で行った:化合物(100%ジメチルスルホキシド;DMSO中)の10mM原液を100%DMSOで10倍に希釈した。その後、8点の線量曲線を得るために化合物を100%DMSO中で1:5に倍々希釈した。25mMのHEPES(pH7.5)、1mMのMnCl
2、1mMのMgCl
2、1mMのDTT、0.01%のTween20からなる反応緩衝液に容積1μLの希釈化合物を加えた。1ウエル当たり、最終濃度が1μMの非標識ATP、0.1μCiの
33P−ATP(Amersham AH9968)、および1μMのビオチン化ペプチド830の混合物を添加した。最終濃度が12nMのヒトINCENP(アミノ酸704〜919)(DRT、Protein Sciences)と共発現したGST標識mAur1(アミノ酸67〜345)、または、最終濃度が20nMのN末端のHis標識mAur2(アミノ酸98〜395;DRT、Protein Sciences)と共発現したGST標識mAur1(アミノ酸67〜345)のいずれかの組み換え体を加えることで反応を開始させた。各ウエルの最終反応容積は100μLであり、最終化合物の濃度は、1%DMSO中で10μM〜128pMの範囲であった。25℃で穏やかに攪拌しながら反応混合物を1〜2時間インキュベートさせた。反応を停止させるため、ストレプトアビジン被覆のSPAビーズ(Amersham RPNQ0007;50μLの0.5mgビーズを165mMのEDTAに溶解させた)を各ウエルに添加し、25℃でさらに15分間インキュベーションを行った。その後、プレートを2000rpmで10分間遠心分離した。液体シンチレーションカウンター(Wallac 1450 Microbeta Plus)を用いてペプチド基質のリン酸化を測定した。これらの手順を用いて、全ての実施例は、オーロラ1およびオーロラ2両方のマウス生化学アッセイにおいてIC50が0.1μM未満であることを実証した。
【0172】
化合物が細胞内でオーロラキナーゼ1活性を阻害する能力を判断するため、オーロラキナーゼ1の自己リン酸化を測定する捕捉ELISAをHT29結腸癌細胞(Yasui Yら、2004)内で発現させた。簡潔に言えば、15,000細胞/ウエルをRPMI+10%FBSの96ウエルコラーゲンコートプレートで播種させ、5%CO
2で37℃にて一晩インキュベートした。翌日、24時間37℃にて166nMのノコダゾール化合物で細胞を処理した。同調細胞を化合物でさらに2時間処理した。1.1μLの各希釈物を添加して、対数減衰率1/3で最終濃度が10μM〜13nMの範囲になるように、0.1mMのDMSO原液から化合物の希釈物を調製した。化合物の処理後、プレートを1000rpmで2分間遠心分離し、100μLの冷却滅菌TBSで2回洗浄した。細胞を4℃で1時間振ることによって、(100μLの150mM NaCl、20mMのTris(pH7.5)、1mMのEDTA、1mMのEGTA、1%のトリトン−x−100、さらに、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤)に溶解させた。抗リンmAur1(Rockland、600−401−677)でプレコートしたプレートに細胞溶解物を移し、メソスケールディスカバリーからTBS中の5%遮断薬Aで遮断した。室温で1時間インキュベート後、プレートを300μLのTBSTで合計3回洗浄した。上清を除去し、TBS中の2%遮断薬Aで1:1000の希釈プライマリ抗体(抗オーロラキナーゼ1、Pharmingen、611083)50μLと交換し、室温で1時間インキュベートした。抗体緩衝液を各ウエルから除去し、300μLの冷却TBS−T(50μMのTris(pH8.0)、138mMのNaCl、2.7mMのKCL、0.05%のTween20)で3回洗浄した。洗浄緩衝液を2%遮断薬A中で1:1000の二次抗体(Sulfa TAG抗マウス、メソスケールディスカバリー)50μLと交換し、室温で1時間インキュベートした。Sector6000で最終読出しをするため、150μLの読出し用緩衝液Tを添加し、プレートを直ちに読み取った。これらの手順を用いて、全ての実施例の化合物は、IC50が0.1μM未満であることを実証した。
【0173】
A.
医薬組成物に関する具体例
本発明による化合物を、下記の方法で、医薬組成物に変換し得る:
【0174】
錠剤:
組成:
100mgの実施例1の化合物、50mgの乳糖(一水和物)、50mgのトウモロコシ澱粉(天然)、10mgのポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF、Ludwigshafen、Germanyから)、および2mgのステアリン酸マグネシウム。
錠剤重量212mg、直径8mm、曲率半径12mm。
【0175】
製剤:
活性成分、乳糖および澱粉の混合物を水中のPVPの5%溶液(m/m)で造粒する。顆粒を乾燥させた後、ステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。慣用の錠剤プレス機(錠剤型は上を参照)を用いてこの混合物を成形する。印加する成形力は、通常、15kNである。
【0176】
経口投与用懸濁剤:
組成:
1000mgの実施例1の化合物、1000mgのエタノール(96%)、400mgのロジゲル(FMC、Pennsylvania、USAからのキサンタンガム)、および99gの水。
本発明による化合物100mgの単回投与量は、10mLの経口懸濁剤によって提供される。
【0177】
製剤:
ロジゲルをエタノール中に懸濁させ、活性成分を懸濁液に加える。攪拌しながら水を加える。ロジゲルの膨張が完了するまで約6時間攪拌を続ける。