特許第5797834号(P5797834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5797834単一ファイバ双方向光モジュール、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797834
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】単一ファイバ双方向光モジュール、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/25 20130101AFI20151001BHJP
   H04B 10/40 20130101ALI20151001BHJP
【FI】
   H04B9/00 250
   H04B9/00 400
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-508668(P2014-508668)
(86)(22)【出願日】2011年5月5日
(65)【公表番号】特表2014-514878(P2014-514878A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】CN2011073695
(87)【国際公開番号】WO2011120460
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2013年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ワン ソンピン
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−227225(JP,A)
【文献】 特開2007−28539(JP,A)
【文献】 特開2007−104625(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/056020(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一ファイバ双方向光モジュールであって、
送信選択回路受信選択回路、及びタイマにそれぞれ接続された自己サーチ回路を備え、ここで、
前記自己サーチ回路は、チャネルをサーチし、チャネルサーチ結果に従って、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信するよう前記送信選択回路に指示するように構成され、
ここで、光信号を送信するための前記少なくとも2つのチャネルの光波長は異なり、
前記自己サーチ回路は、チャネルサーチ結果に従って、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信するよう前記受信選択回路に指示するように更に構成され、
ここで、光信号を受信するための前記少なくとも2つのチャネルの光波長は、光信号を送信するための前記少なくとも2つのチャネルの前記光波長に一致し、
前記自己サーチ回路は、前記受信選択回路が前記光信号を受信する際に何らかの例外が発生したかどうかを検出するように更に構成され、
前記タイマは、基準クロック信号に従って前記自己サーチ回路にタイミング信号を提供するように構成され、
ここで、現在のモード状態において、前記タイマのタイミングが所定の値に達した、かつ、シフトレジスタの検出点が、現在のモードの切り換え指示である場合、又は信号が正常に受信されている場合、前記自己サーチ回路は、前記現在のモード状態を維持するよう前記送信選択回路及び前記受信選択回路に指示し、前記タイマを再始動させるように更に構成され、
ここで、前記現在のモード状態において、前記タイマのタイミングが所定の値に達した、かつ、前記シフトレジスタの前記検出点が、別のモードの切り換え指示である場合、かつ、信号の受信中に損失が発生した場合、前記自己サーチ回路は、別のモード状態に切り換えるよう前記送信選択回路及び前記受信選択回路に指示し、前記タイマを再始動させるように更に構成され、
ここで、前記現在のモード状態において、送信のために第1のチャネルが使用され、受信のために第2のチャネルが使用される場合、前記別のモード状態において、受信のために前記第1のチャネルが使用され、送信のために前記第2のチャネルが使用され、
ここで、前記現在のモード状態において、受信のために前記第1のチャネルが使用され、送信のために前記第2のチャネルが使用される場合、前記別のモード状態において、送信のために前記第1のチャネルが使用され、受信のために前記第2のチャネルが使用される、
単一ファイバ双方向光モジュール。
【請求項2】
前記送信選択回路は、送信駆動回路と、少なくとも2つの送信ユニットとを備え、ここで、前記少なくとも2つの送信ユニットによって送信される光信号の波長は異なり、
ここで、
前記送信駆動回路は、前記自己サーチ回路の指示に従って、光信号を送信するための前記少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信するように、前記少なくとも2つの送信ユニットのうちの1つを選択及び駆動するように構成される、
請求項1に記載の単一ファイバ双方向光モジュール。
【請求項3】
前記送信駆動回路は、第1の選択回路を介して前記少なくとも2つの送信ユニットに接続され、
前記送信駆動回路は、前記自己サーチ回路の前記指示に従って、光信号を送信するための前記少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信するように、前記少なくとも2つの送信ユニットのうちの1つを前記第1の選択回路を介して選択及び駆動するように構成される、
請求項2に記載の単一ファイバ双方向光モジュール。
【請求項4】
前記受信選択回路は、受信駆動回路と、少なくとも2つの受信ユニットとを備え、ここで、前記少なくとも2つの受信ユニットによって受信される光信号の波長は異なり、
ここで、
前記受信駆動回路は、前記自己サーチ回路の前記指示に従って、光信号を受信するための前記少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信するように、前記少なくとも2つの受信ユニットのうちの1つを選択及び駆動するように構成される、
請求項2に記載の単一ファイバ双方向光モジュール。
【請求項5】
前記受信駆動回路は、第2の選択回路を介して前記少なくとも2つの受信ユニットに接続され、
前記受信駆動回路は、前記自己サーチ回路の前記指示に従って、光信号を受信するための前記少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信するように、前記少なくとも2つの受信ユニットのうちの1つを前記第2の選択回路を介して選択及び駆動するように構成される、
請求項4に記載の単一ファイバ双方向光モジュール。
【請求項6】
前記送信ユニットは、電気/光変換器であり、前記受信ユニットは、光/電気変換器である、請求項4又は5に記載の単一ファイバ双方向光モジュール。
【請求項7】
単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムであって、
第1の単一ファイバ双方向光モジュールと、
第2の単一ファイバ双方向光モジュールとを備え、ここで、
前記第1の単一ファイバ双方向光モジュールは、請求項1〜のいずれか一項に記載の前記単一ファイバ双方向光モジュールであり、
前記第2の単一ファイバ双方向光モジュールは、請求項1〜のいずれか一項に記載の前記単一ファイバ双方向光モジュールであり、
光信号が、通信ファイバを介して、前記第1の単一ファイバ双方向光モジュールと、前記第2の単一ファイバ双方向光モジュールとの間を移送され、ここで、
前記第1の単一ファイバ双方向光モジュールの送信選択回路は、前記第2の単一ファイバ双方向光モジュールの受信選択回路に光信号を送信するように構成され、
前記第1の単一ファイバ双方向光モジュールの受信選択回路は、前記第2の単一ファイバ双方向光モジュールの送信選択回路によって送信された光信号を受信するように構成される、
単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システム。
【請求項8】
単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法であって、
前記単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路によって、チャネルをサーチすることと、
チャネルサーチ結果に従って、前記単一ファイバ双方向光モジュールによって、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信することと、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信することと、
こで、光信号を送信するための前記少なくとも2つのチャネルの光波長は異なり、光信号を受信するための前記少なくとも2つのチャネルの光波長は、光信号を送信するための前記少なくとも2つのチャネルの前記光波長に一致し、
前記光信号を受信する際に何らかの例外が発生したかどうかを、前記単一ファイバ双方向光モジュールの前記自己サーチ回路によって検出することと、
前記単一ファイバ双方向光モジュールのタイマによって、基準クロック信号に従って前記単一ファイバ双方向光モジュールの前記自己サーチ回路にタイミング信号を提供することと、
現在のモード状態において、前記単一ファイバ双方向光モジュールの前記タイマのタイミングが所定の値に達した、かつ、シフトレジスタの検出点が、現在のモードの切り換え指示である場合、又は信号が正常に受信されている場合、前記単一ファイバ双方向光モジュールによって、前記現在のモード状態を維持し、前記単一ファイバ双方向光モジュールの前記自己サーチ回路によって、前記タイマを再始動させることと、
前記現在のモード状態において、前記単一ファイバ双方向光モジュールの前記タイマのタイミングが所定の値に達した、かつ、前記シフトレジスタの前記検出点が、別のモードの切り換え指示である場合、かつ、信号の受信中に損失が発生した場合、前記単一ファイバ双方向光モジュールの前記自己サーチ回路によって、別のモード状態に切り換え、前記タイマを再始動させることと、
を含み、
ここで、前記現在のモード状態において、送信のために第1のチャネルが使用され、受信のために第2のチャネルが使用される場合、前記別のモード状態において、受信のために前記第1のチャネルが使用され、送信のために前記第2のチャネルが使用され、
ここで、前記現在のモード状態において、受信のために前記第1のチャネルが使用され、送信のために前記第2のチャネルが使用される場合、前記別のモード状態において、送信のために前記第1のチャネルが使用され、受信のために前記第2のチャネルが使用される、
単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信技術の分野に関し、特に、単一ファイバ双方向光モジュール、並びにこれに基づく移送システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信技術の発達に伴い、光モジュールは、ますます広範に適用されている。一般的な光モジュールは、スモールフォームファクタ(Small Form Factor、略称:SFF)、スモールフォームファクタプラガブル(Small Form−factor Pluggable、略称:SFP)、エンハンストスモールフォームファクタプラガブル(Enhanced Small Form−factor Pluggable、略称:ESFP)、及び単一ファイバ双方向光モジュールを含む。
【0003】
機能的には、SFFはSFPに類似している。図1aは、移送システムにおける既存のSFP、ESFP、及びSFF光モジュールの適用手法を示す概略図である。図1aに示すように、送信ファイバは受信ファイバから分離され、ルーセントコネクタ(Lucent connector、LC)ファイバが使用される。違いは、SFFが、固定され、そのピンが固定された後に使用され、ホットプラギングをサポートしないのに対して、SFPが、ホットプラギングをサポートするという点にある。ESFPの基本機能は、SFPの基本機能に類似している。しかし、SFPと比較して、ESFPは、光モジュールの電流及び電圧などの、性能に関する監視機能を有する。
【0004】
送信ファイバと受信ファイバとが分離されているため、前述のいくつかの光モジュールは、全て、ファイバリソースを浪費し、更に、送信ファイバと受信ファイバとが分離されているため、時間同期適用例において、ファイバの非対称性補償が必要とされる。
【0005】
SFP、ESFP、及びSFF光モジュールと比較して、単一ファイバ双方向(Single Fiber Bi−directional、SFP)光モジュールは、はるかに少ないファイバリソースを占有する。単一ファイバ双方向光モジュールは、送信及び受信の両方のために1本のLCファイバを使用し、ホットプラギングをサポートし、光モジュールの電流及び電圧などの、性能に関する監視機能をサポートする。図1bは、移送システムにおける既存の単一ファイバ双方向光モジュールの適用手法を示す概略図である。図1bに示すように、単一ファイバ双方向光モジュールは、同じファイバ内で異なる波長を使用して、相互に干渉しない2つのチャネル(チャネル_1及びチャネル_2)を確立してもよい。
【0006】
しかし、単一ファイバ双方向光モジュールでは、送信エンド及び受信エンドにおける光モジュールは、ペアで使用されなければならない。例えば、ローカル光モジュールAの送信チャネルの波長は、1310nmであり、その受信チャネルの波長は、1490nmであり、ピア光モジュールBが、ローカル光モジュールAとペアで使用される場合、ピア光モジュールBでは、送信チャネルの波長は、1490nmである必要があり、受信チャネルの波長は、1310nmである必要がある。
【0007】
従って、既存の単一ファイバ双方向光モジュールは、いくつかの問題を有する場合がある。例えば、相互に通信している2つの光モジュールは、一般に、同じ場所にはないため、ポートファイバ設置の間、光モジュールをペアリングし、ペアリング及び相互接続が成功したかどうかを確認する必要がある。光モジュールペアが多くなればなるほど、設置はより複雑になり、より容易にエラーが発生する。従って、設置の信頼性が減少し、設置及び保守コストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、従来技術における単一ファイバ双方向光モジュールの設置における、複雑な設置、及び数の多さという欠点を解決し、これにより、容易な設置を実施し、装置数、及び保守コストを減少させるための、単一ファイバ双方向光モジュール、並びにこれに基づく移送システム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、送信選択回路及び受信選択回路にそれぞれ接続された、自己サーチ回路を含む、単一ファイバ双方向光モジュールを提供し、ここで、
自己サーチ回路は、チャネルをサーチし、チャネルサーチ結果に従って、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信するよう送信選択回路に指示するように構成され、ここで、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は異なり、
自己サーチ回路は、チャネルサーチ結果に従って、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信するよう受信選択回路に指示するように更に構成され、ここで、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長に一致する。
【0010】
本発明の一実施形態は、第1の単一ファイバ双方向光モジュールと、第2の単一ファイバ双方向光モジュールとを含む、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムを更に提供し、ここで、
第1の単一ファイバ双方向光モジュールは、本発明の実施形態によって提供される単一ファイバ双方向光モジュールのうちの任意の1つであり、第2の単一ファイバ双方向光モジュールは、本発明の実施形態によって提供される単一ファイバ双方向光モジュールのうちの任意の1つであり、光信号が、通信ファイバを介して、第1の単一ファイバ双方向光モジュールと、第2の単一ファイバ双方向光モジュールとの間を移送され、ここで、
第1の単一ファイバ双方向光モジュールの送信選択回路は、第2の単一ファイバ双方向光モジュールの受信選択回路に、光信号を送信するように構成され、
第1の単一ファイバ双方向光モジュールの受信選択回路は、第2の単一ファイバ双方向光モジュールの送信選択回路によって送信された光信号を受信するように構成される。
【0011】
本発明の一実施形態は、
単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路によって、チャネルをサーチし、
チャネルサーチ結果に従って、単一ファイバ双方向光モジュールによって、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して、光信号を送信し、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して、光信号を受信すること
を含み、ここで、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は異なり、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長に一致する、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態における、単一ファイバ双方向光モジュール、並びにこれに基づく移送システム及び方法では、単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路が、ローカル単一ファイバ双方向光モジュールと、ピア単一ファイバ双方向光モジュールとの間の光通信チャネルの選択を制御してもよい。従って、光ラインのローカルエンド及びピアエンドにおける単一ファイバ双方向光モジュールは、同じ構成を有してもよく、単一ファイバ双方向光モジュールはペアで使用される必要はなく、従って、装置数、及び保守コストが減少する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施形態における、又は従来技術における技術的解決法をより明確に説明するために、以下では、実施形態又は従来技術を説明するために必要とされる添付の図面について簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、当業者は、これらの添付の図面から、創造的な活動を行うことなく、その他の図面を更に導き出すことが可能である。
図1a】移送システムにおける既存のSFP、ESFP、及びSFF光モジュールの適用手法を示す概略図である。
図1b】移送システムにおける既存の単一ファイバ双方向光モジュールの適用手法を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である。
図3】本発明の別の実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である。
図4】本発明の別の実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である。
図5】本発明の別の実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である。
図6】本発明の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムの概略構成図である。
図7】本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムのチャネル関係を示す概略図である。
図8】本発明の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法のフローチャートである。
図9】本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法のフローチャートである。
図10】本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法におけるシフトレジスタの概略状態図である。
図11】本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法における状態マシンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の目的、技術的解決法、及び利点をより理解しやすくするために、以下では、本発明の実施形態における技術的解決法について、本発明の実施形態における添付の図面を参照して、明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく、一部にすぎない。当業者によって、本発明の実施形態に基づいて、創造的な活動を行うことなく取得される全てのその他の実施形態は、本発明の保護範囲内に入る。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である。図2に示すように、単一ファイバ双方向光モジュールは、送信選択回路31及び受信選択回路35にそれぞれ接続された、自己サーチ回路33を含む。
【0016】
自己サーチ回路33は、チャネルをサーチし、チャネルサーチ結果に従って、送信選択回路31に、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信するよう指示するように構成され、ここで、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は異なる。
【0017】
自己サーチ回路33は、チャネルサーチ結果に従って、受信選択回路35に、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信するよう指示するように更に構成される。
【0018】
光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長に一致する。
【0019】
この実施形態では、単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路は、ローカル単一ファイバ双方向光モジュールと、ピア単一ファイバ双方向光モジュールとの間の光通信チャネルの選択を制御してもよい。従って、光ラインのローカルエンド及びピアエンドにおける単一ファイバ双方向光モジュールは、同じ構成を有してもよく、各単一ファイバ双方向光モジュールのポートに現場で接続される必要があるファイバは1本のみであり、従って、設置の信頼性が向上し、設置及び保守のコストが減少する。
【0020】
必要に応じて、本発明の別の実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である図3に示すように、送信選択回路31は、送信駆動回路313と、少なくとも2つの送信ユニット311とを含んでもよく(説明を容易にするために、図3及び後続の関連する図面では、2つの送信ユニットの場合のみを示す)、ここで、少なくとも2つの送信ユニット311によって送信される光信号の波長は異なる。送信駆動回路313は、自己サーチ回路33の指示に従って、少なくとも2つの送信ユニットのうちの1つを、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信するために、選択及び駆動するように構成される。
【0021】
必要に応じて、送信駆動回路313は、第1の選択回路312を介して、少なくとも2つの送信ユニット311に接続されてもよい。送信駆動回路313は、自己サーチ回路33の指示に従って、第1の選択回路312を介して、少なくとも2つの送信ユニット311のうちの1つを、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信するために、選択及び駆動するように構成される。少なくとも2つの送信ユニット311は、通信ファイバに外部接続され、送信駆動回路313によって、通信ファイバを介して光信号を送信するために駆動される。
【0022】
必要に応じて、図3に示すように、受信選択回路35は、受信駆動回路353と、少なくとも2つの受信ユニット351とを含んでもよい(説明を容易にするために、図3及び後続の関連する図面では、2つの受信ユニットの場合のみを示す)。少なくとも2つの受信ユニットによって受信される光信号の波長は異なる。受信駆動回路353は、自己サーチ回路33の指示に従って、少なくとも2つの受信ユニット351のうちの1つを、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信するために、選択及び駆動するように構成される。
【0023】
必要に応じて、受信駆動回路353は、第2の選択回路352を介して、少なくとも2つの受信ユニット351に接続されてもよい。受信駆動回路353は、自己サーチ回路33の指示に従って、第2の選択回路352を介して、少なくとも2つの受信ユニット351のうちの1つを、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信するために、選択及び駆動するように構成される。少なくとも2つの受信ユニット351は、通信ファイバに外部接続され、受信駆動回路353によって、通信ファイバを介して光信号を受信するために駆動される。
【0024】
少なくとも2つの送信ユニット311の波長は、それぞれ、少なくとも2つの受信ユニット351の波長と、相応じて等しい。
【0025】
自己サーチ回路33は、送信選択回路31及び受信選択回路35にそれぞれ接続され、チャネルサーチ結果に従って、送信選択回路31に、光信号を送信するよう指示し、受信選択回路35に、光信号を受信するよう指示して、単一ファイバ双方向光モジュールを、ピア単一ファイバ双方向光モジュールとの異なる波長の光通信チャネルを確立するよう制御するように構成される。
【0026】
この実施形態では、単一ファイバ双方向光モジュールは、チャネル自己サーチ機能を有し、そして、自己サーチ回路を介して、ローカル単一ファイバ双方向光モジュールと、ピア単一ファイバ双方向光モジュールとの間の光通信チャネルの選択を制御してもよい。従って、単一ファイバ双方向光モジュールはペアで使用される必要はなく、設置の信頼性が向上し、設置及び保守のコストが減少する。
【0027】
図4は、本発明の別の実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である。図4に示すように、単一ファイバ双方向光モジュールは、標準ピンを使用してもよく、ここで、各ピンの特定の意味は以下の通りである。
【0028】
ピン16は、送信パワーサプライであり、ピン1、17、及び20は、送信グラウンドであり、ピン18は、送信正データ入力であり、ピン19は、送信負データ入力であり、ピン3は、送信ディセーブルであり、ピン2は、送信障害であり、ピン5は、MOD_DEF(1)I2Cクロック線であり、ピン4は、MOD_DEF(2)I2Cデータ線であり、ピン8は、LOS信号出力であり、ピン6は、MOD_DEF(0)であり、ピン7は、非接続であり、ピン12は、受信負データ出力であり、ピン13は、受信正データ出力であり、ピン15は、受信パワーサプライであり、ピン9、10、11、及び14は、受信グラウンドである。
【0029】
図4に示す単一ファイバ双方向光モジュールでは、送信駆動回路313の入力端は、送信正データ入力ピン18、及び送信負データ入力ピン19に相応じて接続され、送信駆動回路313の出力端は、第1の選択回路312を介して少なくとも2つの送信ユニットに接続される。この例では、送信ユニットは、電気/光変換器である。
【0030】
第1の電気/光変換器41、及び第2の電気/光変換器43の入力端は、それぞれ、第1の選択回路312に接続され、第1の電気/光変換器41、及び第2の電気/光変換器43の出力端は、それぞれ、通信ファイバに接続される。第1の電気/光変換器41、及び第2の電気/光変換器43は、異なる波長を使用する。2つの波長の信号が相互に干渉しない限り、波長選択範囲は、本発明の実施形態によって限定されない。例えば、第1の電気/光変換器の波長は、1310nmであり、第2の電気/光変換器43の波長は、1490nmである。
【0031】
送信駆動回路313は、自己サーチ回路の選択指示に従って、ホストの信号に対して電気/光変換を実行し通信ファイバを介して光信号を送信するように電気/光変換器41又は第2の電気/光変換器43を第1の選択回路312を介して選択及び駆動するように構成される。もちろん、必要に応じて、送信ディセーブル信号が有効である場合、第1の電気/光変換器41、及び第2の電気/光変換器43は、オフにされる。この例では、送信駆動回路313は、自動温度制御(Automatic Temperature Control、ATC)、自動パワー制御(Automatic Power Control、APC)、及びドライブの組であってもよく、そして、2−to−1選択回路、すなわち、第1の選択回路312を更に含んでもよい。もちろん、第1の選択回路312、及び送信駆動回路313は、別個に配置されてもよい。通常の動作では、送信駆動回路313は、第1の電気/光変換器41、及び第2の電気/光変換器43のうちの一方を、送信状態であるように、そして、他方を、オフ状態であるように、選択及び駆動する。外部送信ディセーブル信号が有効である場合、2つの電気/光変換器は、両方ともオフにされてもよい。
【0032】
図4に示す単一ファイバ双方向光モジュールでは、受信駆動回路353の2つの出力端は、受信負データ出力ピン12、及び受信正データ出力ピン13に相応じて接続され、受信駆動回路353の入力端は、第2の選択回路352を介して、少なくとも2つの受信ユニットに接続される。この例では、受信ユニットは、光/電気変換器である。
【0033】
第1の光/電気変換器51、及び第2の光/電気変換器53の入力端は、それぞれ、通信ファイバに接続される。第1の光/電気変換器51、及び第2の光/電気変換器53は、光信号を受信し、光/電気変換を実行してもよい。第1の光/電気変換器51、及び第2の光/電気変換器53は、異なる波長を使用する。第1の光/電気変換器51の波長は、第1の電気/光変換器41の波長に一致し、第2の光/電気変換器53の波長は、第2の電気/光変換器43の波長に一致する。例えば、第1の光/電気変換器51の波長は、1310nmであり、第2の光/電気変換器53の波長は、1490nmである。
【0034】
受信駆動回路353は、自己サーチ回路の選択指示に従って、通信ファイバを介して受信された光信号に対して光/電気変換を実行するように第1の光/電気変換器51又は第2の光/電気変換器53を、第2の選択回路352を介して選択及び駆動するように構成される。この例では、受信駆動回路353は、光/電気変換器によって変換された信号を増幅してもよく、そして、2−to−1選択回路、すなわち、第2の選択回路352を更に含んでもよい。もちろん、第2の選択回路352、及び受信駆動回路353は、別個に配置されてもよい。通常の動作では、受信駆動回路353は、第1の光/電気変換器51、又は第2の光/電気変換器53の信号を選択して、増幅を実行する。
【0035】
必要に応じて、自己サーチ回路33は、受信選択回路35が光信号を受信する際に何らかの例外が発生したかどうかを検出するように更に構成されてもよく、更に、受信選択回路35が光信号を受信する際に例外が発生した場合、自己サーチ回路33は、送信選択回路31及び受信選択回路35に、光信号を受信するための現在のチャネル及び光信号を送信するための現在のチャネルを切り換えるよう指示するように構成される。例えば、光信号の受信中、損失又は劣化が発生したことが検出された場合、自己サーチ回路33は、送信選択回路31及び受信選択回路35に、受信のための現在のチャネル、及び送信のための現在のチャネルを切り換えるための再選択を行うよう指示する。
【0036】
加えて、更に、本発明の別の実施形態による単一ファイバ双方向光モジュールの概略構成図である図5に示すように、単一ファイバ双方向光モジュールは、基準クロック信号に従って自己サーチ回路33にタイミング信号を提供するように構成されたタイマ36と、タイマ36に基準クロック信号を提供するように構成されたクロック回路37とを更に含んでもよい。
【0037】
この実施形態では、単一ファイバ双方向光モジュールは、チャネル自己サーチ機能を有し、そして、自己サーチ回路を介して、ローカル単一ファイバ双方向光モジュールと、ピア単一ファイバ双方向光モジュールとの間の光通信チャネルの選択を制御してもよい。従って、ローカル及びピア単一ファイバ双方向光モジュールは、同じ構成を有してもよく、各単一ファイバ双方向光モジュールのポートに現場で接続される必要があるファイバは1本のみである。設置は単純であり、モジュールはペアで使用される必要はなく、従って、装置数、及び保守コストが減少する。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムの概略構成図である。図6に示すように、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムは、第1の単一ファイバ双方向光モジュールAと、第2の単一ファイバ双方向光モジュールBとを含んでもよい。
【0039】
光信号が、通信ファイバを介して、第1の単一ファイバ双方向光モジュールAと、第2の単一ファイバ双方向光モジュールBとの間を移送される。
【0040】
第1の単一ファイバ双方向光モジュールA、及び第2の単一ファイバ双方向光モジュールBは、本発明の実施形態によって提供される任意の構成の単一ファイバ双方向光モジュールである。
【0041】
光信号が、通信ファイバを介して、第1の単一ファイバ双方向光モジュールAと、第2の単一ファイバ双方向光モジュールBとの間を移送される。
【0042】
第1の単一ファイバ双方向光モジュールAの送信選択回路は、第2の単一ファイバ双方向光モジュールBの受信選択回路に、光信号を送信するように構成される。
【0043】
第1の単一ファイバ双方向光モジュールAの受信選択回路は、第2の単一ファイバ双方向光モジュールBの送信選択回路によって送信された光信号を受信するように構成される。
【0044】
図7は、本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムの別の概略図である。図7に示すように、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムでは、第1の単一ファイバ双方向光モジュールA内の少なくとも2つの送信ユニットは、電気/光変換器であり、第1の単一ファイバ双方向光モジュールA内の少なくとも2つの受信ユニットは、光/電気変換器である。第2の単一ファイバ双方向光モジュールB内の少なくとも2つの送信ユニットは、電気/光変換器であり、第2の単一ファイバ双方向光モジュールB内の少なくとも2つの受信ユニットは、光/電気変換器である。
【0045】
この実施形態における、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく移送システムでは、単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路が、第1の単一ファイバ双方向光モジュールと、第2の単一ファイバ双方向光モジュールとの間の光通信チャネルの選択を制御してもよい。従って、第1の単一ファイバ双方向光モジュール、及び第2の単一ファイバ双方向光モジュールの構成は同じであってもよく、単一ファイバ双方向光モジュールはペアで使用される必要はなく、従って、装置数、及び保守コストが減少し、現場設置の信頼性が向上する。更に、少なくとも2つの送信ユニット、及び少なくとも2つの受信ユニットが使用されるため、それらのうちの1つのチャネルが、送信又は受信部品の障害により利用できない場合、チャネル自己サーチ機能が再始動されて、切り換えが実施されてもよく、これにより、チャネルレベルの保護が実施され、信頼性が向上する。
【0046】
図8は、本発明の一実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法のフローチャートである。図8に示すように、この方法は以下を含む。
【0047】
100.単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路が、チャネルをサーチする。
【0048】
単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路による、チャネルのサーチは、
光信号の受信中、何らかの例外が発生したかどうかを検出し、
光信号の受信中、例外が発生した場合、光信号を受信するための現在のチャネル、及び光信号を送信するための現在のチャネルを切り換えることを特に含んでもよい。
【0049】
101.チャネルサーチ結果に従って、単一ファイバ双方向光モジュールは、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を送信し、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルのうちの1つを介して光信号を受信する。
【0050】
光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は異なり、光信号を受信するための少なくとも2つのチャネルの光波長は、光信号を送信するための少なくとも2つのチャネルの光波長に一致する。
【0051】
この実施形態では、単一ファイバ双方向光モジュールは、チャネル自己サーチ機能を有し、そして、自己サーチ回路を介して、ローカル単一ファイバ双方向光モジュールと、ピア単一ファイバ双方向光モジュールとの間の光通信チャネルの選択を制御してもよい。従って、ローカル及びピア単一ファイバ双方向光モジュールは、同じ構成を有してもよく、各単一ファイバ双方向光モジュールのポートに現場で接続される必要があるファイバは1本のみである。設置は単純であり、モジュールはペアで使用される必要はなく、従って、装置数及び保守コストが減少する。
【0052】
必要に応じて、本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法のフローチャートである図9に示すように、前述の方法におけるチャネルサーチプロセスは、以下を含んでもよい。
【0053】
200.プロセスを開始し、光モジュールのチャネル自己サーチを始動する。
【0054】
201.第1のモードA_MODE状態に入り、A_MODE状態において、光信号を送信するために第1のチャネルを選択し、光信号を受信するために第2のチャネルを選択する。
【0055】
202.A_MODE状態において、チャネル切り換えが必要とされる場合、第2のモードB_MODE状態に切り換え、B_MODE状態において、光信号を送信するために第2のチャネルを選択し、光信号を受信するために第1のチャネルを選択する。
【0056】
例えば、光信号の受信中、損失又は劣化が発生した場合、チャネル切り換えが必要とされる。実際の適用例では、チャネル切り換えは、他の理由により必要とされる可能性もあり、これについては本明細書中では網羅的には説明しない。
【0057】
203.B_MODE状態において、チャネル切り換えが必要とされる場合、A_MODE状態に切り換えて戻し、光信号を送信するために第1のチャネルを選択し、光信号を受信するために第2のチャネルを選択する。
【0058】
必要に応じて、B_MODE状態において、チャネル切り換えが必要とされる場合、第3のモードC_MODE状態に切り換えることも許可され、C_MODE状態において、光信号を送信するために第3のチャネルを選択し、光信号を受信するために第4のチャネルを選択する。
【0059】
信号の受信が正常になるまで、ステップ201〜203が繰り返される。
【0060】
204.光モジュールは、チャネル自己サーチを終了する。
【0061】
必要に応じて、両エンドにおける単一ファイバ双方向光モジュールの自己サーチ回路がチャネルを正しく選択することを保証するために、アルゴリズムが、両エンドにおける単一ファイバ双方向光モジュールのチャネル切り換えを制御するために使用されてもよい。例えば、11ビットのリニアフィードバックシフトレジスタS[10:0]が、疑似ランダム系列を生成するために使用されてもよい。図10は、本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法におけるシフトレジスタの概略状態図であり、ここで、シフトレジスタのS[10]が検出点であり、S[10]及びS[8]の値に対してXNOR演算が実行されて、S[0]が取得される。表1は、異なるクロック周期におけるシフトレジスタS[10:0]の特定の内容を示す例である。
【表1】
【0062】
表1を参照すると、第1の単一ファイバ双方向光モジュールA、及び第2の単一ファイバ双方向光モジュールBは、シフトレジスタを使用して、チャネル切り換えが必要とされるかどうかを決定してもよい。例えば、自己サーチ回路が、信号が失われていないことを検出した場合、現在選択されている送信及び受信チャネルが維持される。信号が失われた場合、シフトレジスタの検出点のS[10]の値に従って、チャネル切り換えが必要とされるかどうかが決定されてもよい。各モードの切り換え指示は、S[10]の異なる値に対応してもよい。例えば、S[10]=0は、第2のモードに切り替えることを意味し、S[10]=1は、第1のモードに切り替えることを意味する。
【0063】
上記の表1を参照して、以下では、チャネル自己サーチ状態マシンの特定の動作原理について説明する。図11は、本発明の別の実施形態による、単一ファイバ双方向光モジュールに基づく光信号移送方法における状態マシンの概略図である。具体的には、以下が含まれてもよい。
【0064】
(1)光モジュールが電源投入された後、外部入力された送信ディセーブルTX_Disableが有効である場合(例えば、TX_Disable=true、これは送信がディセーブルされることを示す)、第1の電気/光変換器、及び第2の電気/光変換器をオフにし、(1)の実行に戻る。それ以外の場合、(2)を実行して、チャネル自己サーチ状態に入る。(1)は省略可能なステップである。TX_Disableを使用して光モジュールの自己サーチの始動を制御する代わりに、光モジュールのチャネル自己サーチは、デフォルトで、又は他の手法で始動されてもよい。
【0065】
(2)光モジュールの外部入力された送信ディセーブルTX_Disableが無効である場合(例えば、TX_Disable=false、これは送信が許可されることを示す)、第1のモードA_MODE状態に入り、第1のチャネルを送信のために選択し、第2のチャネルを受信のために選択し、Sample_timerタイマを始動させる。
【0066】
(3)A_MODE状態において、Sample_timerタイマのタイミングがその所定の値に達した(例えば、Sample_timer_doneが有効)、かつ、シフトレジスタの検出点が、第1のモードの切り換え指示である(例えば、S[10](Det_point)=0の場合)、又は、LOS_Det=trueが検出された(すなわち、信号が正常に受信されている)場合、現在のチャネル自己サーチを終了し、現在のA_MODE状態を維持し、同時に、Sample_timerタイマを再始動させる。従って、チャネル自己サーチ結果は、A_MODE状態において、第1のチャネルを送信のために選択し、第2のチャネルを受信のために選択する、ということである。Sampling_timerタイマは、信号が正しく検出されることを保証するのに十分な長さのサンプリングウィンドウを提供してもよい。この時間は、チャネルサーチ時間に直接影響を及ぼす。この時間は、最長の送信距離の状況下で、実際の測定及び検証によって調節されることが推奨される。タイマ期間は約50msであることが推奨される。Sample_timer_doneは、Sample_timerタイマのタイミングがその所定の値に達した場合に有効になる。
【0067】
(4)A_MODE状態において、Sample_timerタイマのタイミングがその所定の値に達した(Sample_timer_doneが有効)、かつ、シフトレジスタの検出点が、第2のモードの切り換え指示である(例えば、S[10](Det_point)=1の場合)、かつ、LOS_Det=falseが検出された(すなわち、信号の受信中に損失が発生した)場合、第2のモードB_MODE状態に切り換え、第2のチャネルを送信のために選択し、第1のチャネルを受信のために選択し、Sample_timerタイマを再始動させる(すなわち、Start Sample_timer)。
【0068】
(5)B_MODE状態において、Sample_timerタイマのタイミングがその所定の値に達した(例えば、Sample_timer_doneが有効)、かつ、シフトレジスタの検出点が、第2のモードの切り換え指示である(例えば、S[10](Det_point)=1の場合)、又は、LOS_Det=trueが検出された(すなわち、信号が正常に受信されている)場合、現在のチャネル自己サーチを終了し、現在のB_MODE状態を維持し、同時に、Sample_timerタイマを再始動させる。従って、チャネル自己サーチ結果は、B_MODE状態において、第2のチャネルを送信のために選択し、第1のチャネルを受信のために選択する、ということである。
【0069】
(6)B_MODE状態において、Sample_timerタイマのタイミングがその所定の値に達した(Sample_timer_doneが有効)、かつ、シフトレジスタの検出点が、第1のモードの切り換え指示である(例えば、S[10](Det_point)=0の場合)、かつ、LOS_Det=falseが検出された(すなわち、信号の受信中に損失が発生した)場合、再度A_MODE状態に切り換え、第1のチャネルを送信のために選択し、第2のチャネルを受信のために選択する。信号が正常に受信されるまで、これを繰り返す。次に、チャネル自己サーチは終了する。
【0070】
(7)A_timeタイマのタイミングがその所定の値に達した(A_time_doneが有効)、かつ、LOS_Det=false、すなわち、信号の受信中に損失が発生した場合、A_Mode状態に入り、第1のチャネルを送信のために選択し、第2のチャネルを受信のために選択し、Sample_timeタイマを始動させる。信号が正常に受信されるまで、(3)〜(6)を繰り返す。次に、チャネル自己サーチは終了する。A_timerは、初期状態に戻るための状態マシンとして使用されるフリーランタイマである。このタイマは、2つのノードが同じ送信及び受信チャネルを同時に選択した場合にチャネルサーチがデッドロック状態に入る可能性を減少させるために使用される。タイマ期間は約1.3sであることが推奨される。A_timerタイマのタイミングがその所定の値に達した場合、A_Time_doneが有効になる。
【0071】
好ましくは、本発明の実施形態における、両エンドにおける単一ファイバ双方向光モジュールのために追加されるチャネル自己サーチ機能のイネーブル及びディセーブルは、外部から制御されてもよい。機能は、デフォルトでイネーブルにされる。第1のチャネル及び第2のチャネルの送信エンドは、オフにされ、別個に照会されてもよい。外部光モジュールによって送信される送信ディセーブル制御信号TX_Disableが、最高の優先度を有する。従って、外部ターンオフ制御信号が、送信がイネーブルにされることを示す場合、TX_Disableレジスタが、送信エンドのターンオフを独立して制御してもよい。外部ターンオフ制御信号が、送信がイネーブルにされないことを示す場合、2つのチャネルの送信エンドは両方ともオフにされる。加えて、送信チャネルが選択されてもよい。異なる送信チャネルの出力光インタフェースインジケータがテストされる前に、対応する送信チャネルが選択されてもよい。動作の前に、チャネルサーチ機能をディセーブルにする必要がある。現在選択されている送信及び受信チャネルが照会されてもよい。
【0072】
この実施形態における単一ファイバ双方向光モジュールは、光通信チャネルの選択を制御してもよい。従って、2つの通信エンドの単一ファイバ双方向光モジュールの構成は同じであってもよく、単一ファイバ双方向光モジュールはペアで使用される必要はなく、従って、装置数、及び保守コストが減少し、現場設置の信頼性が向上する。
【0073】
最後に、前述の実施形態は、本発明を限定することではなく、本発明の技術的解決法を説明することを意図するものにすぎない、ということに留意されたい。本発明について、前述の実施形態を参照して詳細に説明したが、当業者は、本発明の実施形態の技術的解決法の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態で説明された技術的解決法に対して更に修正を行うこと、又は、そのいくつかの技術的特徴に対して等価な置換を行うことが可能である、ということを理解するであろう。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11