(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797846
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】緩衝装置
(51)【国際特許分類】
F16F 7/00 20060101AFI20151001BHJP
B60R 7/06 20060101ALI20151001BHJP
F16B 19/10 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
F16F7/00 G
B60R7/06 G
F16B19/10 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-529249(P2014-529249)
(86)(22)【出願日】2013年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2013002823
(87)【国際公開番号】WO2014024353
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2014年9月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-175242(P2012-175242)
(32)【優先日】2012年8月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】中曽称 寿
【審査官】
保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−210001(JP,A)
【文献】
特開2008−143250(JP,A)
【文献】
特開2003−214470(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1300290(EP,A2)
【文献】
実開平4−016054(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R3/00−7/14
F16B17/00−19/14
F16F7/00−7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付孔に取り付けられ、被緩衝部材に当接した場合に緩衝する緩衝装置であって、
本体部と、前記本体部の一端に形成されたフランジ部と、前記本体部の他端に形成された底部とを有するケース部材と、
前記フランジ部に形成された開口部から張り出して被緩衝部材に当接可能な頭部と、一端が前記頭部に連結し、他端に抜け止め部が形成された軸部とを有するピン部材と、
前記軸部を囲んで前記ケース部材に収容され、一端が前記ピン部材に当接し、他端が前記ケース部材に当接して前記ピン部材を前記開口部から出る方向に付勢するバネ部材と、を備え、
前記底部は、前記軸部の前記他端が挿入されて前記抜け止め部を抜け止めする保持孔を有し、
前記本体部は、側面に径方向外向きに突出するよう形成され、径方向内向きに撓み可能であって、前記取付孔の縁を前記フランジ部と挟むための係止爪を有することを特徴とする緩衝装置。
【請求項2】
所定の取付孔に取り付けられ、被緩衝部材に当接して緩衝する緩衝装置であって、
本体部と、前記本体部の一端に形成されたフランジ部と、前記本体部の他端に形成された底部とを有するケース部材と、
前記フランジ部に形成された開口部から張り出して被緩衝部材に当接可能な頭部と、一端が前記頭部に連結し、他端に抜け止め部が形成された軸部とを有するピン部材と、
前記軸部を囲んで前記ケース部材に収容され、一端が前記ピン部材に当接し、他端が前記ケース部材に当接して前記ピン部材を前記開口部から出る方向に付勢するバネ部材と、を備え、
本体部は、取付孔に取り付けられる係止部を有し、
前記底部は、前記軸部の前記他端が挿入されて前記抜け止め部を抜け止めする保持孔を有し、
前記保持孔は、前記抜け止め部を挿入する際に拡径することを特徴とする緩衝装置。
【請求項3】
前記本体部は、軸方向に沿って前記保持孔に繋がる複数のスリットによって形成される複数の脚片を有することを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝装置。
【請求項4】
前記底部は、前記保持孔の外周に沿って形成された空隙部を有し、
前記保持孔は、前記抜け止め部を挿入する際に前記空隙部を変形させて拡径することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記係止爪の係止面と前記フランジ部の根元部分とを連続的に連結する連結部を有することを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被緩衝部材に当接した場合に緩衝する緩衝装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には箱と蓋により構成される開閉機構、例えばグローブボックスなどが設けられる。グローブボックスの箱の縁には緩衝装置が設けられ、グローブボックスの蓋を閉じる際に蓋に当接して弾性力により蓋と箱の衝突を和らげる機能を有する。
【0003】
特許文献1に記載される緩衝部品は、有底円筒状のケーシングと、ケーシングに収容される有底円筒状のリテーナと、ケーシングの底部およびリテーナの底部に当接してリテーナをケーシングの開口部から出る方向に付勢するスプリングとを備える。リテーナは側面に形成された抜け止め突起を、ケーシングの側面に形成された係止窓に係止させて、スプリングの付勢に抗してリテーナの抜け止めをする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−210001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、リテーナの抜け止め突起を係止窓に入れ込む際、抜け止め突起は径方向内向きに撓むため、リテーナの内側に配置されたスプリングと所定の間隔を確保する必要があり、所定の間隔だけ緩衝部品の外径が大きくなる。また、リテーナの抜け止めを側面に配置したことで、スプリングをリテーナの径方向内側に配置しており、リテーナおよびケーシングの外径がスプリングに対して大きく形成され、緩衝部品の外径が大きくなる。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外径を小型化した緩衝装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、取付孔に取り付けられ、被緩衝部材に当接した場合に緩衝する緩衝装置であって、本体部と、本体部の一端に形成されたフランジ部と、本体部の他端に形成された底部とを有するケース部材と、フランジ部に形成された開口部から張り出して被緩衝部材に当接可能な頭部と、一端が頭部に連結し、他端に抜け止め部が形成された軸部とを有するピン部材と、軸部を囲んでケース部材に収容され、一端がピン部材に当接し、他端がケース部材に当接してピン部材を開口部から出る方向に付勢するバネ部材と、を備える。底部は、軸部の他端が挿入されて抜け止め部を抜け止めする保持孔を有する。本体部は、側面に径方向外向きに突出するよう形成され、径方向内向きに撓み可能であって、取付孔の縁をフランジ部と挟むための係止爪を有する。
【0008】
この態様によると、ピン部材の抜け止めをケース部材の底部に配置することで、ピン部材の抜け止めをケース部材の側面に配置する場合と比べて、ケース部材の外径を小さくすることができる。また、バネ部材の内側にピン部材を配置しているため、ケース部材の外径をバネ部材の外径に近づけて小さくすることができる。これにより緩衝装置10を小型化できる。
【0009】
本発明の別の態様もまた、緩衝装置である。この装置は、所定の取付孔に取り付けられ、被緩衝部材に当接して緩衝する緩衝装置であって、本体部と、本体部の一端に形成されたフランジ部と、本体部の他端に形成された底部とを有するケース部材と、フランジ部に形成された開口部から張り出して被緩衝部材に当接可能な頭部と、一端が頭部に連結し、他端に抜け止め部が形成された軸部とを有するピン部材と、軸部を囲んでケース部材に収容され、一端がピン部材に当接し、他端がケース部材に当接してピン部材を開口部から出る方向に付勢するバネ部材と、を備える。本体部は、取付孔に取り付けられる係止部を有する。底部は、軸部が挿入されて抜け止め部を抜け止めする保持孔を有する。保持孔は、抜け止め部を挿入する際に拡径する。
【0010】
この態様によると、ピン部材の抜け止めをケース部材の底部に配置することで、ピン部材の抜け止めをケース部材の側面に配置する場合と比べて、ケース部材の外径を小さくすることができる。また、保持孔にピン部材の抜け止め部に押し込めば、保持孔が拡径するため緩衝装置の組み付け作業が容易である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、緩衝装置の外径を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る緩衝装置の組み付け図である。
【
図4】第2変形例〜第4変形例のケース部材を説明するための図である。
【
図5】第5変形例の緩衝装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、実施形態に係る緩衝装置10の組み付け図である。車両のグローブボックスの箱の開口縁に取付孔が形成され、その取付孔に緩衝装置10が取り付けられる。緩衝装置10は、グローブボックスの蓋を閉じる途中で、蓋の接触面に当接して衝突を抑える。また、グローブボックスの蓋を閉じた場合に蓋の縁の接触面に当接して蓋を開き方向に付勢する付勢手段として機能する。グローブボックスの箱は、車体に固定される固定体であり、蓋は、箱の開口を開閉可能な開閉体であって被緩衝部材である。
【0014】
緩衝装置10は、コイル状のバネ部材40と、バネ部材40に挿入されるピン部材20と、バネ部材40を収容するケース部材50とを含んで構成され、これらの部材により組み立てられて1ユニットになる。
【0015】
ピン部材20は、被緩衝部材に当接可能な頭部22と、頭部22に連結し、先端に抜け止め部28が形成された棒状の軸部24と、軸部24の頭部22側にフランジ状に形成されたバネ受け部26とを有する。
【0016】
頭部22はゴム材で形成され、プラスチック材で形成されたピン部材20の本体と別体である。頭部22は結合部30によりピン部材20の本体に結合する。軸部24は、抜け止め部28を有する小径部24aと、バネ受け部26を有する大径部24bとを有する。大径部24bは、抜け止め部28を含む小径部24aより大径である。抜け止め部28は、小径部24aの先端が径方向に膨出するように形成される。
【0017】
ケース部材50は、カップ状に形成され、本体部52と、本体部52の一端に開口部56が形成されたフランジ部54と、本体部52の他端に形成された底部64とを有する。ケース部材50は、取付孔の縁に固定される。本体部52の内側には、ピン部材20およびバネ部材40を収容する空間が形成され、その収容空間と開口部56は連通する。
【0018】
バネ部材40は、軸部24を囲んでケース部材50に収容され、第1端部42がバネ受け部26に当接し、第2端部44がケース部材50に当接する。バネ部材40は、ピン部材20の頭部22が開口部56から張り出すように、ピン部材20を開口部56から出る方向に付勢する。この緩衝装置10について
図2を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
図2は、緩衝装置10の構成を説明するための図である。
図2(a)および(b)は、それぞれ異なる角度から見た緩衝装置10の側面図であり、
図2(c)は、
図2(b)に示す線分A−Aの緩衝装置10の断面図であり、
図2(d)は、緩衝装置10の底面図である。ここで各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。なお、
図2(c)では、取付孔が形成された取付部材に緩衝装置10を取り付けた状態を示す。
【0020】
図2(a)に示すように、バネ部材40はケース部材50に収容されており、ピン部材20は軸部24がケース部材50に収容され、頭部22が外部へ張り出している。ケース部材50は、本体部52、フランジ部54、開口部56、スリット58、係止爪60、内方突起部62、底部64、薄肉部66および保持孔68を有する。
【0021】
本体部52の側面には取付孔の縁をフランジ部54と挟むための係止爪60が複数形成される。係止爪60は、径方向外向きに突出するよう形成される。
図1(c)に示すようにフランジ部54の裏面54aと係止爪60の係止面60aとが取付部材12に形成された取付孔の縁を挟んでいる。
【0022】
係止爪60は、径方向内向きに撓み可能に形成される。これは、
図2(b)に示すように係止爪60の下部以外の周囲、すなわち係止爪60の両側および上方が非常に薄肉に形成された薄肉部66であるため、係止爪60の周囲が弾性を有するからである。
図2(c)に示すように係止爪60の係止面60aとフランジ部54の根元部分とを連続的に連結する連結部も薄肉部66である。薄肉部66は係止爪60の厚さ平均より薄肉であり、本体部52の厚さ平均より薄肉である。緩衝装置10を取付部材12の取付孔に押し込めば、係止爪60が撓んで取り付けられるため、取付作業が容易である。
【0023】
ここで、緩衝装置10を取付部材12に取り付ける場合、係止爪60が取付孔を通過するときに係止爪60が径方向内向きに撓む。このとき係止爪が自由端を有している場合、取付不良により係止爪が内側に撓んだ状態で復帰しない可能性がある。実施形態の係止爪60は薄肉部66により係止爪60に自由端が形成されていないため、係止爪60が撓んでバネ部材40などに引っかかることを避けることができる。なお、係止爪60の内壁60bとバネ部材40の外周の間隔は、取付孔の挿入時に係止爪60が内側に撓める距離を離される。
【0024】
図2(c)に示すように抜け止め部28は、底部64の中央に形成された保持孔68に保持される。保持孔68は自由状態において抜け止め部28より小径に形成され、軸部24の先端が挿入されて抜け止め部28を抜け止めする。ピン部材20の抜け止めをケース部材50の底部64に配置することで、ピン部材20の抜け止めをケース部材50の側面に配置する場合と比べて、ケース部材50の外径を小さくすることができる。なお、バネ部材40は所定の弾性力を得るため所定のコイル径を確保する必要がある。
【0025】
このように棒状の軸部24、軸部24を囲むバネ部材40、バネ部材40を囲むケース部材50というシンプルな形状であるため、緩衝装置10の本体部52の外径を小さくすることができ、緩衝装置10を小型化できる。緩衝装置10を小型化することで、グローブボックスの箱に緩衝装置10を取り付けるスペースを小さくすることができ、箱の容量を増すことができる。
【0026】
図2(a)および(d)に示すように本体部52には保持孔68から軸方向に沿ってフランジ部54の近傍まで伸びるスリット58が複数形成される。これにより本体部52は、軸方向に沿って保持孔68に繋がる複数のスリットによって形成される複数の脚片52aを有する。脚片52aの先端部は自由端であり、保持孔68が形成されている。
【0027】
組み付ける際にピン部材20の軸部24を保持孔68に押し込むと、抜け止め部28が係止爪60より大径であるため、脚片52aが押し広げられて拡開する。脚片52aが拡開すると、脚片52aの先端にある保持孔68が拡径する。抜け止め部28が保持孔68を通過すると脚片52aが閉じ、保持孔68が縮径して元に戻る。このように、ピン部材20を位置合わせの必要なく保持孔68に押し込むだけで容易に組み付けることができる。
【0028】
図2(c)に示すようにバネ部材40の第2端部44は底部64の内面に当接する。これにより、バネ長を十分に確保することができる。底部64が拡開した場合に第2端部44が底部64から外れる可能性を抑えるため、
図1に示すように本体部52の内面に内方突起部62が形成され、第2端部44の径方向のずれを抑えている。内方突起部62は周方向に複数形成される。
【0029】
図3は、第1変形例のケース部材150の側面図である。第1変形例のケース部材150は、
図2(b)に示すケース部材50と比べて、係止爪160の周囲の形状が異なり、他の構成は同じである。
【0030】
係止爪160の係止面160aとフランジ部54の根元部分が薄肉部166により連続的に連結されているものの、係止爪160の両側に、係止爪160に沿って切り欠き170がそれぞれ形成される。薄肉部166により係止爪160の上端が連結されているため、係止爪160が内側に撓んだ後、復帰しないということを避けることができる。また係止爪160の自由度は高まるため係止爪160は内側に撓みやすくなる。
【0031】
図4は、変形例のケース部材を説明するための図である。
図4(a)〜(c)は、ケース部材の一部であって、底部を主に示す。
図4(a)に示す第2変形例の保持孔168は、保持孔168の周囲に円弧状の空隙部172が形成されている点で
図2(d)に示す緩衝装置10の態様と異なる。空隙部172は、保持孔168を囲むように底部164に形成される。
図4(a)に示す2つ脚片152aの軸方向長さは、
図2(a)に示す脚片52aの半分程度と短く、脚片152aの拡開を抑えるように形成されているため、空隙部172により保持孔168を形成する底部64自体に拡径方向の弾性を付与する。
【0032】
図4(b)は、4つのスリット258により4つの脚片252aが形成されている。第3変形例の脚片252aの軸方向長さは、
図2(a)に示す脚片52aの半分程度と短いが、スリット258の数を増加させて脚片252aが拡開しやすくしており、保持孔268が適度な力で拡径するように形成されている。
【0033】
図4(c)は、第4変形例のケース部材ではスリットや脚片は形成されておらず、保持孔368の周囲に円弧状の空隙部374を形成することで保持孔368を拡径可能にしている。空隙部372は、保持孔368を囲むように保持孔368の外周に沿って底部364に複数形成される。保持孔368は、抜け止め部28を挿入する際に空隙部374を変形させて拡径する。すなわち空隙部374は、抜け止め部28を挿入する際に内周が抜け止め部28によって径方向外向きに押し込まれて変形する。これにより保持孔368が拡径できる。保持孔368は、円形の保持孔368aと、保持孔368aから径方向に伸びる切れ目部368bとを有する。切れ目部368bは対角線上に2つ形成され、2つの空隙部374の間に形成される。切れ目部368bにより、保持孔368aが拡径しやすくできる。底部364が拡開しないため、底部364の内面に支持されるバネ部材40の第2端部44が外れることを避けることができる。
【0034】
図5は、第5変形例の緩衝装置510を説明するための図である。
図5(a)は、緩衝装置510の側面図であり、
図5(b)は、
図5(a)に示す緩衝装置510の線分B−Bの断面図であり、
図5(c)は、緩衝装置510の底面図である。
【0035】
第5変形例のケース部材550は、
図2(a)に示すような脚片52aおよびスリット58は本体部552に形成されていない。底部564の中央に形成された保持孔568は、抜け止め部28と同径である。ピン部材20の抜け止めは、軸部24の先端を保持孔568に挿入した後、Eリング580を抜け止め部28の根元の小径部24aに嵌め込んでなされる。これにより、底部564に形成された保持孔568にピン部材20を抜け止めすることができ、ピン部材20を棒状に形成して小径に形成できる。したがって、ピン部材20を囲む緩衝装置510の本体部552の外径も小さくすることができ、緩衝装置510を小型化できる。
【0036】
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施例も本発明の範囲に含まれうる。また各変形例を組み合わせることも可能である。
【0037】
実施形態において、グローブボックスの箱に緩衝装置10を取り付ける態様を説明したが、これに限られにない。たとえば、蓋に緩衝装置10を取り付けて、蓋を閉じた場合に箱の縁に当接して、緩衝するように構成してもよい。
【0038】
また、
図2では頭部22がピン部材20と別体のゴム材料で形成される構成を説明したが、この態様に限られない。たとえば頭部22は軸部24と一体にプラスチック材料で形成されてよい。また頭部22は、軸部24と別体でプラスチック材料で形成されてよい。
【0039】
実施形態において、本体部52の側面に、径方向内向きに撓み可能な係止爪60を形成する態様を説明したが、この態様に限られない。たとえば本体部52の側面に径方向外向きに突出する係止突起が形成されるが、係止突起が径方向内向きに撓まない態様であってよい。取付部材12に形成された取付孔は本体部52および係止突起が通過可能に、本体部52の係止突起上の径断面と同じ形状に形成される。すなわち、取付孔は本体部52の形状に応じた円形に加えて、係止突起の形状に応じた切り欠きが形成される。作業者は、取付孔に変形例の係止突起を有する緩衝装置10を挿入した後、緩衝装置10を軸中心のまま回転させる。緩衝装置10を回転させると、係止突起が取付孔の下縁に係止し、フランジ部と係止突起とにより取付孔の縁を挟み込むことができる。この態様によれば、係止突起の内面とバネ部材40との間隔を小さくすることができ、本体部52の外径をより小さくできる。なお、係止部は、係止突起や係止爪60を含む係止手段をいう。
【符号の説明】
【0040】
10 緩衝装置、 12 取付部材、 20 ピン部材、 22 頭部、 24 軸部、 24a 小径部、 24b 大径部、 26 バネ受け部、 28 抜け止め部、 30 結合部、 40 バネ部材、 42 第1端部、 44 第2端部、 50 ケース部材、 52 本体部、 52a 脚片、 54 フランジ部、 56 開口部、 58 スリット、 60 係止爪、 62 内方突起部、 64 底部、 66 薄肉部、 68 保持孔、 580 Eリング。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、被緩衝部材に当接した場合に緩衝する緩衝装置に関する。