(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5797859
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、コンピュータの制御方法、および、コンピュータ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20151001BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20151001BHJP
A63F 13/57 20140101ALI20151001BHJP
A63F 13/211 20140101ALI20151001BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20151001BHJP
【FI】
A63F13/80 G
A63F13/80 Z
A63F13/45
A63F13/57
A63F13/211
A63F13/428
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-43046(P2015-43046)
(22)【出願日】2015年3月5日
(62)【分割の表示】特願2014-117611(P2014-117611)の分割
【原出願日】2014年6月6日
【審査請求日】2015年3月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】高峯 健志
【審査官】
宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3151503(JP,U)
【文献】
実開平07−012190(JP,U)
【文献】
"ソニック ヒーローズ",「電撃PlayStation Vol.264」,日本,メディアワークス,2004年 2月13日,第10巻,第6号,p.128-129
【文献】
"ピンボール",「週刊ファミ通 2012 12/20 増刊号」,日本,株式会社エンターブレイン,2012年12月 6日,第27巻,第51号,p.183
【文献】
Davihesoft,"ビンゴピンボールドラゴン Bingo Pinball",Google Play,日本,Google Inc.,2014年 1月26日,[2015年5月20日検索],URL,https://play.google.com/store/apps/details?id=com.davihesoft.android.bingo_pinball&hl=ja
【文献】
Chun,"「ソニック ロストワールド」が本日発売。Wii U版・3DS版それぞれに登場するステージ「スカイロード」の各ゾーンを紹介",4gamer.net,日本,Aetas株式会社,2013年10月24日,[2015年5月20日検索],URL,http://www.4gamer.net/games/216/G021674/20131022008/
【文献】
"アメリカン・アーケード",「電撃PlayStation Vo.137」,日本,メディアワークス,2000年 3月10日,第6巻,第7号,p.82
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
A63F 3/06, 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なゲームプログラムであって、コンピュータに、
前記ユーザによる所定の操作にしたがって、前記移動オブジェクトが前記ゲームフィールド内に射出されるように、当該移動オブジェクトを表示する表示情報を生成する表示情報生成機能と、
前記表示情報生成機能によって生成された表示情報に含まれる前記移動オブジェクトが、前記フィールド内に設置された複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つに収まったか否かを判定する配置領域判定機能と、
前記配置領域判定機能によって収まったと判定された場合であって、前記複数の移動オブジェクト配置領域のうちの少なくとも連続する二つに収まっている移動オブジェクトが所定の配列を形成するときに、当該所定の配列に応じて、前記ゲームにおける所定の効果を発生させる演出機能とを実現させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記複数の移動オブジェクト配置領域は、前記フィールド内に、格子状に配されていることを特徴とする請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記配置領域判定機能によって収まったと判定された場合であって、前記複数の移動オブジェクト配置領域のうちの少なくとも連続する二つに収まっている移動オブジェクトが所定の配列を形成するときに、当該移動オブジェクトにそれぞれ設定された属性、および当該複数の移動オブジェクトの配列が、所定の条件を満たしているか否かを判定する配列判定機能をさらに実現させ、
前記演出機能は、前記配列判定機能によって満たしていると判定された場合、前記所定の効果を発生させることを特徴とする請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記配列判定機能は、前記複数の移動オブジェクト配置領域のうちの少なくとも連続する二つに配されている移動オブジェクトに所定の属性が設定され、かつ、所定の方向に所定数だけ配列しているか否かを、前記所定の条件の1つとして判定することを特徴とする請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記属性は、前記移動オブジェクトの色、または当該移動オブジェクトに表示された文字もしくは記号によって、前記ユーザに認識可能に提示されていることを特徴とする請求項3または4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記コンピュータの傾きを示す加速度を、所定の加速度計測部から取得する取得機能をさらに実現させ、
前記表示情報生成機能は、前記取得機能によって取得された加速度の向きに応じて、射出した前記移動オブジェクトの軌道を変化させるように、前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記フィールド内に前記移動オブジェクトを射出する強さを指定する指定機能をさらに実現させ、
前記表示情報生成機能は、前記指定機能によって指定された強さに応じて前記移動オブジェクトが射出されるように、前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記演出機能は、前記フィールド内に存在する所定のキャラクタに、所定のダメージを与える効果を、前記所定の効果として発生させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記演出機能は、前記複数の移動オブジェクト配置領域のうちの少なくとも連続する二つに配されている移動オブジェクトにそれぞれ設定された属性に応じて、所定のエフェクトが伴うように、前記所定の効果を発生させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記配置領域判定機能は、射出された移動オブジェクトの移動先に、移動オブジェクトが配されている移動オブジェクト配置領域がある場合に、射出された移動オブジェクトに設定された属性と、当該移動オブジェクト配置領域に配されている移動オブジェクトに設定された属性とに基づいて、いずれの移動オブジェクトが当該移動オブジェクト配置領域に配されるかを判定することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なコンピュータの制御方法であって、
前記ユーザによる所定の操作にしたがって、前記移動オブジェクトが前記ゲームフィールド内に射出されるように、当該移動オブジェクトを表示する表示情報を生成する表示情報生成ステップと、
前記表示情報生成ステップにおいて生成された表示情報に含まれる前記移動オブジェクトが、前記フィールド内に設置された複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つに収まったか否かを判定する配置領域判定ステップと、
前記配置領域判定ステップにおいて収まったと判定された場合であって、前記複数の移動オブジェクト配置領域のうちの少なくとも連続する二つに収まっている移動オブジェクトが所定の配列を形成するときに、当該所定の配列に応じて、前記ゲームにおける所定の効果を発生させる演出ステップとを含むコンピュータの制御方法。
【請求項12】
複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なコンピュータであって、
前記ユーザによる所定の操作にしたがって、前記移動オブジェクトが前記ゲームフィールド内に射出されるように、当該移動オブジェクトを表示する表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部によって生成された表示情報に含まれる前記移動オブジェクトが、前記フィールド内に設置された複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つに収まったか否かを判定する配置領域判定部と、
前記配置領域判定部によって収まったと判定された場合であって、前記複数の移動オブジェクト配置領域のうちの少なくとも連続する二つに収まっている移動オブジェクトが所定の配列を形成するときに、当該所定の配列に応じて、前記ゲームにおける所定の効果を発生させる演出部とを含むコンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なゲームプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン・タブレット端末などの電子デバイスが普及するにつれて、家庭用ゲーム機用のゲーム以外にも、上記電子デバイス用のゲームが盛んに開発されている。
【0003】
一方、ピンボールは、ポピュラーなゲームの1つとして、古くから多くのユーザに楽しまれている。例えば、下記の特許文献1には、複数のプレイヤが同時に対戦することできるとともに、初心者であっても容易にゲームに参加することが可能なピンボール機が開示されている。一方で、ビンゴゲームも、多くのユーザに楽しまれている。下記の特許文献2には、ビンゴゲームをコンピュータ上で実現するゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−237412号公報(2008年10月9日公開)
【特許文献2】特開2014−004171号公報(2014年1月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記ピンボールは、傾斜した盤面に射出したボールをフリッパーで打ち返すことによって、所定のターゲットに当該ボールを当てて得点を得るゲームに過ぎず、ゲームとしての演出効果に乏しい。また、上記ビンゴゲームは、運のみに左右されるランダムな事象に応じてゲームの結果が決定されるに過ぎないため、ゲームとしての興趣性に乏しい。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣性・演出効果の高いゲームを実現可能なゲームプログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なゲームプログラムであって、コンピュータに、ユーザによる所定の操作にしたがって、ゲームのフィールド内に移動オブジェクトが射出されるように、当該移動オブジェクトを表示する表示情報を生成する表示情報生成機能と、表示情報生成機能によって生成された表示情報に含まれる移動オブジェクトが、フィールド内に設置された複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つを占有したか否かを判定する配置領域判定機能と、配置領域判定機能によって占有したと判定された場合、複数の移動オブジェクト配置領域をそれぞれ占有する複数の移動オブジェクトの配列に応じて、ゲームにおける所定の効果を発生させる。
【0008】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、配置領域判定機能によって占有したと判定された場合、複数の移動オブジェクト配置領域をそれぞれ占有する複数の移動オブジェクトにそれぞれ設定された属性、および当該複数の移動オブジェクトの配列が、所定の条件を満たしているか否かを判定する配列判定機能をさらに実現させ、演出機能は、配列判定機能によって満たしていると判定された場合、所定の効果を発生させてよい。
【0009】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、配列判定機能は、所定の属性がそれぞれ設定された複数の移動オブジェクトが、所定の方向に所定数だけ配列しているか否かを、所定の条件の1つとして判定してよい。
【0010】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、属性は、移動オブジェクトの色、または当該移動オブジェクトに表示された文字もしくは記号によって、ユーザに認識可能に提示されてよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、コンピュータの傾きを示す加速度を、所定の加速度計測部から取得する取得機能をさらに実現させ、表示情報生成機能は、取得機能によって取得された加速度の向きに応じて、射出した移動オブジェクトの軌道を変化させるように、表示情報を生成してよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、フィールド内に移動オブジェクトを射出する強さを指定する指定機能をさらに実現させ、表示情報生成機能は、指定機能によって指定された強さに応じて移動オブジェクトが射出されるように、表示情報を生成してよい。
【0013】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、演出機能は、フィールド内に存在する所定のキャラクタに、所定のダメージを与える効果を、所定の効果として発生させてよい。
【0014】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、演出機能は、複数の移動オブジェクトにそれぞれ設定された属性に応じて、所定のエフェクトが伴うように、所定の効果を発生させてよい。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータの制御方法は、複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なコンピュータの制御方法であって、ユーザによる所定の操作にしたがって、ゲームのフィールド内に移動オブジェクトが射出されるように、当該移動オブジェクトを表示する表示情報を生成する表示情報生成ステップと、表示情報生成ステップにおいて生成した表示情報に含まれる移動オブジェクトが、フィールド内に設置された複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つを占有したか否かを判定する配置領域判定ステップと、配置領域判定ステップにおいて占有したと判定した場合、複数の移動オブジェクト配置領域をそれぞれ占有する複数の移動オブジェクトの配列に応じて、ゲームにおける所定の効果を発生させる演出ステップとを含んでいる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータは、複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なコンピュータであって、ユーザによる所定の操作にしたがって、ゲームのフィールド内に移動オブジェクトが射出されるように、当該移動オブジェクトを表示する表示情報を生成する表示情報生成部と、表示情報生成部によって生成された表示情報に含まれる移動オブジェクトが、フィールド内に設置された複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つを占有したか否かを判定する配置領域判定部と、配置領域判定部によって収まったと判定された場合、複数の移動オブジェクト配置領域をそれぞれ占有する複数の移動オブジェクトの配列に応じて、ゲームにおける所定の効果を発生させる演出部とを備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係るゲームプログラム、コンピュータの制御方法、およびコンピュータは、複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つに移動オブジェクトが収まった場合、当該複数の移動オブジェクト配置領域にそれぞれ収まった複数の移動オブジェクトの配列に応じて、ゲームにおける所定の効果を発生させる。したがって、上記ゲームプログラム等は、興趣性・演出効果の高いゲームを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末の要部構成を示すブロック図である。
【
図2】上記携帯端末が備えた表示部に表示されるゲームの画面例を示す模式図であり、(a)は、4つのボールがポケットに収まった場合の一例を示し、(b)は、上記ボールの配列に応じて、上記ゲームにおける所定の効果が発生した場合の一例を示す。
【
図3】ボールデッキに含まれる各ボールが、フィールドに設置されたプランジャに順次装填される様子を示す模式図である。
【
図4】ボールの配列例を示す模式図であり、(a)は、上記「雷の属性」を有する5つのボールを横一列に配列させた例を示し、(b)は、上記ボールを縦一列に配列させた例を示し、(c)は、各ボールに記された数字が順番に並ぶように、互いに異なる属性を有するボールを斜め一列に配列させた例を示す。
【
図5】「炎の属性」を有するボールが横一列に配列されたことによって、フィールドにおいて炎が燃え上がる効果が、所定のエフェクトを伴って表示された例を示す模式図である。
【
図6】ユーザが上記携帯端末を傾けている様子を示す模式図である。
【
図7】上記携帯端末が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜
図7に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
〔携帯端末100の概要〕
携帯端末(コンピュータ)100は、複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なコンピュータである。上記携帯端末100は、以下で説明する処理を実行可能な機器でありさえすればよく、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器などであってもよい。
【0021】
図2は、上記携帯端末100が備えた表示部に表示されるゲームの画面例を示す模式図である。
図2の(a)は、4つのボール1がポケット2に収まった場合の一例を示し、(b)は、上記ボール1の配列に応じて、上記ゲームにおける所定の効果が発生した場合の一例を示す。
【0022】
図2の(a)および(b)に例示されるように、ユーザが入力面に所定のタッチ操作(所定の操作)を与えると、携帯端末100は、上記ゲームのフィールド3にボール(移動オブジェクト)1が射出されるように、当該ボール1を上記表示部に表示させる。そして、上記ボール1が上記フィールド3に設置された複数のポケット(移動オブジェクト配置領域)2のいずれか1つに収まった(いずれか1つを占有した)場合、携帯端末100は、複数のポケット2にそれぞれ収まった複数のボール1の配列に応じて、上記ゲームにおける所定の効果を発生させる。例えば、4つのボール1が横一列に配列した場合、携帯端末100は、当該4つのボール1を周囲に四散させる効果を発生させることができる。
【0023】
上記ユーザは、上記効果によって(例えば、上記の場合は周囲に四散したボール1の1つが敵キャラクタ7に衝突することによって)上記フィールド3に存在する敵キャラクタ(所定のキャラクタ)7にダメージを与えることができる。このように、携帯端末100は、興趣性・演出効果の高いゲームを実現できる。
【0024】
〔携帯端末100の構成〕
図1は、携帯端末100の要部構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、携帯端末100は、制御部10(強さ指定部11、加速度取得部12、表示情報生成部13、配置領域判定部14、配列判定部15、演出情報生成部16)、入力部40(入力面41、入力制御部42)、表示部50、加速度計測部20、および、記憶部30を備えている。
【0025】
制御部10は、携帯端末100が有する各種の機能を統括的に制御する。制御部10は、強さ指定部11、加速度取得部12、表示情報生成部13、配置領域判定部14、配列判定部15、および、演出情報生成部16を含む。
【0026】
強さ指定部(指定機能)11は、入力制御部42から入力された所定の操作(例えば、軌跡4c)に基づいて、フィールド内にボール1を射出する強さを指定する。また、強さ指定部11は、当該強さだけでなく、単位時間あたりに射出するボール1の個数も指定できる。
【0027】
例えば、強さ指定部11は、(1)ユーザの指(または、スタイラスなどの指示具)が入力面41に接触した時間に応じて、(2)ユーザが入力面41に指を接触させたまま、当該入力面41において当該指を滑らせるように移動させた距離(ドラッグした距離)に応じて、(3)ばねの強さが互いに異なるプランジャ8(ボール1をフィールド3に送り出す機能を有した部分をいう)を差し替えることによって、および/または(4)ユーザによって使用されたアイテムに応じて、上記強さおよび/または上記個数を指定できる。これにより、携帯端末100は、フィールド内にボール1を射出する強さをユーザに指定させることができる。
【0028】
なお、上記ボール1は、強く射出されるほど上記フィールド3を強く(速く)転動する。このため、当該ボール1が当該フィールド3を転動する速度(強さ)によっては、携帯端末100は、例えば、(1)ボール1がポケット2に収まり切らない(すなわち、ボール1の勢いが良すぎてポケット2に収まると同時に飛び出してしまう)、(2)フィールド3を囲う周壁に衝突した場合、当該周壁にダメージを与える(例えば、周壁にヒビが入るなど)、(3)すでにポケット2に収まっている他のボール1を、当該ポケット2からはじき出すなどの効果を発生させることができる。強さ指定部11は、設定した強さおよび/または個数を示す強さ情報5aを、表示情報生成部13に出力する。
【0029】
加速度取得部(取得機能)12は、携帯端末100の傾きを示す加速度5cを、加速度計測部20から取得する。加速度取得部12は、当該加速度5cを表示情報生成部13に出力する。
【0030】
表示情報生成部(表示情報生成機能)13は、ユーザによるタッチ操作にしたがい、強さ指定部11から入力された強さ情報5aが示す強さで、ゲームのフィールド内にボール1が射出されるように、当該ボール1を表示する表示情報5dを生成し、当該表示情報5dを配置領域判定部14および表示部50に出力する。これにより、表示情報生成部13は、ユーザによるタッチ操作にしたがって、ゲームのフィールド内にボール1(移動オブジェクト)が射出されるように、当該ボール1を表示部50に表示させることができる。また、表示情報生成部13は、配置領域判定部14によってボール1がポケット2に収まらないと判定された場合、例えば、当該ボール1がはじき出されるように、当該ボール1を表示部50に表示させることができる。
【0031】
配置領域判定部(配置領域判定機能)14は、表示情報生成部13によって生成された表示情報5dに含まれるボール1が、フィールド内に設置された複数のポケット2のいずれか1つに収まったか否かを判定する。具体的には、配置領域判定部14は、例えば、ボール1がポケット2の所定の割合(例えば、50%)以上に重なった場合に、当該ボール1が当該ポケット2に収まった(ボール1がポケット2を占有した)と判定してよい。
【0032】
また、配置領域判定部14は、例えば、ボール1が射出された強さが強すぎる(当該強さが所定のしきい値よりも大きい)場合、当該ボール1はポケット2に収まらないと判定できる。すなわち、配置領域判定部14は、例えば、(1)ボール1が射出された強さ、(2)当該ボール1に設定された属性(例えば、当該ボール1の弾性が高いか否かなど)、および/または(3)当該ボール1が射出された軌跡など、当該ボール1に付随する情報に基づいて、収まったか否かを判定することができる。配置領域判定部14は、当該判定した結果(判定結果5e)を、配列判定部15に出力する。
【0033】
配列判定部(配列判定機能)15は、配置領域判定部14によって収まったと判定された場合、複数のポケット2にそれぞれ収まった複数のボール1にそれぞれ設定された属性、および/または当該複数のボール1の配列が、所定の条件(
図4を参照して後述する)を満たしているか否かを判定する。例えば、配列判定部15は、所定の属性(
図3を参照して後述する)がそれぞれ設定された複数のボール1が、所定の方向に所定数だけ配列しているか否かを、上記所定の条件の1つとして判定する。配列判定部15は、当該判定した結果(判定結果5f)を、演出情報生成部16に出力する。
【0034】
演出情報生成部(演出機能、演出部)16は、配置領域判定部14によって収まったと判定され、さらに配列判定部15によって所定の条件を満たしていると判定された場合、複数のポケット2にそれぞれ収まった複数のボール1の配列に応じて、ゲームにおける所定の効果(
図5を参照して後述する)を発生させる。演出情報生成部16は、上記所定の効果を発生させることを示す演出情報5gを、表示部50に出力する。
【0035】
入力部40は、ユーザによるタッチ操作(所定の操作)4aを受け付ける。本実施の形態において、入力部40は、マルチタッチを検知可能なタッチパネルであってよい。入力部40は、入力面41および入力制御部42を含む。なお、携帯端末100に対して入力を与える方法は、上記タッチパネルを用いたタッチ操作に限定されない(例えば、所定の入力キーを押下することによって入力を与えることもできる)。
【0036】
入力面41は、ユーザによるタッチ操作(所定の操作)4aによって指定された位置を検知可能なデバイス(例えば、上記タッチパネルに含まれるタッチ面)である。入力面41は、上記指定された位置に対応する座標情報4bを入力制御部42に出力する。
【0037】
入力制御部42は、入力面41から座標情報4bを所定の時間間隔で取得し、一連の座標情報4bを軌跡4cとして強さ指定部11に出力する。
【0038】
表示部50は、表示情報生成部13から入力される表示情報5d、および演出情報生成部16から入力される演出情報5gに基づいて、ゲーム画面を表示するデバイスである。本実施の形態において、表示部50は、液晶ディスプレイであってよい。なお、
図1においては、入力部40および表示部50がそれぞれ有する機能を明示するために、両者を分離して示している。しかし、例えば、入力部40がタッチパネルであり、表示部50が液晶ディスプレイである場合、両者は一体として構成されることが好ましい。
【0039】
加速度計測部20は、携帯端末100に加わる加速度5c(大きさ・向きを含むベクトル量)を計測可能な機器である。
【0040】
記憶部30は、例えば、ハードディスク、SSD(silicon state drive)、半導体メモリ、DVDなど、任意の記録媒体によって構成される記憶機器であり、携帯端末100を制御可能なゲームプログラムおよびデータを記憶する。
【0041】
〔ボールデッキ6〕
図3は、ボールデッキ6に含まれる各ボール1が、フィールド3に設置されたプランジャ8に順次装填される様子を示す模式図である。
図3に示されるように、複数のボール1の組み合わせが、ボールデッキ6としてあらかじめ設定されている。当該ボールデッキ6は、ユーザに付与されたボール1の中から当該ユーザによって選択されたボール1から構成されてもよいし、ユーザに付与されたボール1の中から携帯端末100によって選択されたボール1から構成されてもよい。
【0042】
上記複数のボール1には所定の属性がそれぞれ設定されている。当該属性は、ゲームにおいてボール1の特徴を定める情報である。例えば、ボール1には、所定の条件を満たした場合に発生する効果を表す属性(例えば、「雷の属性」、「炎の属性」など)が設定されていてもよいし、当該ボール1の物理的な特性を規定する属性(例えば、大きさ、極性、重量、弾性、耐久度、材質など)が設定されていてもよい。
【0043】
そして、上記属性は、ボール1の色、または当該ボール1に表示された文字もしくは記号によって、ユーザに認識(識別)可能に提示されていてよい。例えば、上記「雷の属性」を有するボール1は黄色で表示され、表面に「1」が記されており、上記「炎の属性」を有するボール1は赤色で表示され、表面に「3」が記されていてよい。
【0044】
そして、ボールデッキ6に含まれるボール1が、1つずつ順番に、またはランダムに選択され、上記プランジャ8に装填される。前述したように、ユーザは、上記プランジャ8が当該ボール1をフィールド3に打ち出す強さをタッチ操作によって指定し、当該ボール1を当該フィールド3に射出できる。
【0045】
携帯端末100は、ボール1に設定された属性に応じて、例えば、(1)射出された後の当該ボール1の動き、および/または(2)射出方向に存在するポケット2に他のボール1が既に収まっていた場合における当該ボール1の動き(例えば、上記他のボール1を弾き飛ばして当該ボール1が当該ポケット2に収まるか、当該ボール1が当該他のボール1に弾き飛ばされるか)などを決定することができる。
【0046】
上記(1)については、例えば、ボール1に「炎の属性」が設定されている場合、携帯端末100は、当該ボール1が射出される軌跡に沿って炎が燃え上がるような「炎の跡」を描いてよい。または、ボール1に「破壊の属性」が設定されている場合、携帯端末100は、当該ボール1がフィールド3の周壁に衝突するたびに、当該周壁が破壊される過程を描いてよい。
【0047】
上記(2)については、例えば、ボール1の射出方向に存在するポケット2に、他のボール1が既に収まっていた場合であって、所定の条件が満たされた場合(例えば、所定の割合のポケット2が他のボール1で埋まっている場合)、携帯端末100は、上記他のボール1に代えて、上記ボール1を当該ポケット2に収めることができる。または、携帯端末100は、上記ボール1に設定されている属性と上記他のボール1に設定されている属性との関係に応じて、当該他のボール1に代えて、当該ボール1を上記ポケット2に収めてもよい。例えば、(1)他のボールに属性として設定されている重量よりも、当該ボール1に属性として設定されている重量の方が重い(重量に関する属性の値が大きい)場合、(2)他のボールに属性として設定されている材質よりも、当該ボール1に属性として設定されている材質の方が固い(材質に関する属性の値が大きい)場合など、携帯端末100は、当該他のボール1に代えて、当該ボール1を上記ポケット2に収めることができる。
【0048】
このように、携帯端末100は、ボール1に設定された属性に応じて、当該ボール1の動きを決定することができる。したがって、携帯端末100は、さらに興趣性・演出効果の高いゲームを実現できる。
【0049】
上記ゲームにおいては、複数種類のプランジャ8が存在してよい。この場合、プランジャ8には、(1)通常よりも強く射出できる、(2)連続して射出可能なボール1の数が多い、(3)ばねが固いため通常よりも強く射出する操作が必要になる、(4)射出したボール1に特殊な効果(例えば、敵キャラクタ7に命中した場合に通常よりも大きなダメージを与えたり、射出後にボール1が複数に分裂したりするなど)を与えるなど、当該プランジャ8の種類に応じた性質があらかじめ設定されていてよい。ユーザが1以上の種類のプランジャを保有している場合、当該ユーザは、ボール1をボールデッキ6に設定するたびに、上記ゲームにおいて使用するプランジャ8を、保有しているプランジャ8の中から選択することができる。これにより、携帯端末100は、バリエーションに富んだゲームをユーザに提供することができる。
【0050】
また、携帯端末100は、ユーザのレベルに応じて、使用可能なプランジャ8に制限を加えてよい。例えば、携帯端末100は、(1)所定のレベルより高いレベルを有しているユーザにしか、特定のプランジャ8が使用できないようにしたり、(2)ユーザのレベルが高いほどプランジャ8の性能が高くなる(例えば、より強くボール1を射出できる)ようにしたりすることができる。これにより、携帯端末100は、バリエーションに富んだゲームをユーザに提供することができる。
【0051】
〔ボール1の配列〕
図4は、ボール1の配列例を示す模式図であり、(a)は、上記「雷の属性」を有する5つのボール1を横一列に配列させた例を示し、(b)は、上記ボール1を縦一列に配列させた例を示し、(c)は、各ボールに記された数字が順番に並ぶように、互いに異なる属性を有するボール1を斜め一列に配列させた例を示す。
【0052】
前述したように、配列判定部15は、複数のポケット2にそれぞれ収まった複数のボール1にそれぞれ設定された属性、および/または当該複数のボール1の配列が、所定の条件を満たしているか否かを判定する。ここで、上記所定の条件は、
図4の(a)〜(c)にそれぞれ例示された配列でよい。すなわち、配列判定部15は、(1)同じ属性(例えば「雷の属性」)が設定された所定数(例えば、5つ)のボール1が、所定の方向(例えば、横一列)に配列しているか否か、(2)異なる属性(例えば、1〜5の数字であってもよいし、大・中・小の大きさであってもよいし、「炎の属性」、「雷の属性」などであってもよい)がそれぞれ設定された所定数のボール1が、所定の方向(例えば、斜め一列)に配列しているか否かなどを、上記所定の条件として判定する。
【0053】
このように、携帯端末100は、ポケット2に収まったボール1の属性および/または配列に基づいて、所定の効果を発生させることができる。したがって、携帯端末100は、興趣性・演出効果の高いゲームを実現できる。
【0054】
なお、任意の属性として解釈されることにより、上記所定の条件を緩和可能な特別なボール1(ワイルドカードとなるボール)が存在してもよい。例えば、
図4の(a)に示される例において、上記「雷の属性」を有する5つのボール1のうちの1つが上記特別なボール1であったとしても、携帯端末100は、当該5つのボール1が横一列に配列された場合と同じ効果を発生させることができる。
【0055】
〔ゲームにおける所定の効果〕
図5は、「炎の属性」を有するボール1が横一列に配列されたことによって、フィールド3において炎が燃え上がる効果が、所定のエフェクト(炎が燃え上がるアニメーション)を伴って表示された例を示す模式図である。演出情報生成部16によって実現される上記所定の効果は、例えば、(1)ポケット2に収まったボール1が周囲に飛び散り、敵キャラクタ7にダメージを与える(
図2の(b)参照、飛び散る軌跡が輝くなどのエフェクトを伴ってよい)、(2)雷光が敵キャラクタ7を直撃してダメージを与える(雷光が煌めくエフェクトを伴ってよい)、(3)炎が燃え上がって敵キャラクタ7を包み込み、ダメージを与える(
図5参照)、および/または(4)(敵キャラクタ7にボール1を直接当てるよりも)大きな得点をユーザが取得し得る(「得点ゲット」などの文字をエフェクトとして伴ってよい)などの効果でよい。
【0056】
なお、携帯端末100は、ボール1が敵キャラクタ7の所定の割合以上に重なった場合に、当該ボール1が当該敵キャラクタ7に衝突した(当たった)と判定できる。また、ボール1が衝突する可能性のあるキャラクタは、敵キャラクタに限定されない。例えば、味方キャラクタが表示されているゲーム設定においては、当該ボール1は当該味方キャラクタにも衝突し得る。
【0057】
このように、携帯端末100は、ポケット2に収まったボール1の属性および/または配列に基づいて、様々な種類の効果を発生させることができる。したがって、携帯端末100は、バリエーションに富んだゲームをユーザに提供することができる。
【0058】
なお、
図5に例示されるように、携帯端末100は、上記所定の効果を発生させる場合に、当該所定の効果を表す所定のエフェクトを表示させることができる。
【0059】
〔アイテム使用の効果〕
ユーザがアイテムを使用した場合、携帯端末100は、例えば、(1)揃えるボール1の個数が減少する、(2)揃えるボール1の種類数が減少する、(3)特定のボールを他属性に変更するなどによって、上記所定の効果を発生させる上記所定の条件を緩和させることができる。したがって、携帯端末100は、ユーザがゲームに取り組む敷居を下げ、当該ユーザのモチベーションを高く維持することができる。
【0060】
なお、上記アイテムは、(1)ゲーム内通貨および/またはポイントと交換することによって取得される、(2)本ゲームにおいて所定値以上の得点を得た場合に取得される、および/または(3)他のゲームにおいて所定のアクション(例えば、クエストを攻略したり、イベントに参加したり、敵キャラクタを討伐したりなど)を取った場合に取得されるものであってよい。
【0061】
〔携帯端末100の傾きによる軌道の変化〕
図6は、ユーザが携帯端末100を傾けている様子を示す模式図である。
図6に示されるように、表示情報生成部13は、加速度取得部12によって取得された加速度5cの向きに応じて、ボール1を転動させることができる。例えば、ユーザが携帯端末100を斜めに傾けることによって、上記ボール1が転動する軌跡に対して左方向を示す加速度5cが加速度取得部12から入力された場合、表示情報生成部13は、当該ボール1が左方向に逸れた軌跡を描いて転動するように、当該ボール1を表示することができる。このとき、表示情報生成部13は、フィールド3を移動するボール1の速度が速い(転動が強い)ほど、上記加速度5cに基づいて上記軌跡を逸らす度合いを小さくする(加速度5cの影響を小さくする)ことができる。
【0062】
これにより、携帯端末100は、直感的な入力方法をゲームに導入できるため、より興趣性・演出効果の高いゲームを実現できる。
【0063】
〔携帯端末100が実行する処理〕
図7は、携帯端末100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、カッコ書きの「〜ステップ」は、コンピュータの制御方法に含まれる各ステップを表す。
【0064】
表示情報生成部13は、ユーザによるタッチ操作にしたがい、強さ指定部11から入力された強さ情報5aが示す強さで、ゲームのフィールド内にボール1が射出されるように、当該ボール1を表示する表示情報5dを生成する(ステップ1、表示情報生成ステップ、以下では「ステップ」を単に「S」と略記する)。配置領域判定部14は、表示情報生成部13によって生成された表示情報5dに含まれるボール1が、フィールド内に設置された複数のポケット2のいずれか1つに収まったか否かを判定する(S2、配置領域判定ステップ)。
【0065】
収まったと判定する場合(S2においてYES)、配列判定部15は、複数のポケット2にそれぞれ収まった複数のボール1にそれぞれ設定された属性、および当該複数のボール1の配列が、所定の条件を満たしているか否かを判定する(S3)。満たしていると判定された場合(S3においてYES)、演出情報生成部16は、複数のポケット2にそれぞれ収まった複数のボール1の配列に応じて、ゲームにおける所定の効果を発生させる(S4、演出ステップ)。
【0066】
なお、上記制御方法は、
図7を参照して前述した上記処理だけでなく、制御部10に含まれる各部において実行される処理を任意に含んでよい。
【0067】
〔携帯端末100が奏する効果〕
前述したように、携帯端末100は、ボール1がフィールド内に射出され、フィールド内に設けられたポケット2に収まった場合、複数のポケット2にそれぞれ収まった複数のボール1の配列に応じて、ゲームにおける所定の効果を発生させる。したがって、携帯端末100は、興趣性・演出効果の高いゲームを実現することができる。
【0068】
〔サーバ装置が機能の一部または全部を提供する構成〕
以上では、複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なゲームプログラムが、主に携帯端末100において実行される構成を説明した。一方、上記ゲームプログラムの一部または全部がサーバ装置において実行され、当該実行された処理の結果が上記携帯端末100に返される構成であってもよい。本発明のコンピュータが、プレイヤ端末とネットワークを介して接続されたサーバ装置として機能する場合、ゲームの進行画面を上記サーバ装置が生成したデータに基づいて、上記プレイヤ端末において表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面などを当該プレイヤ端末にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とするなどの、上記サーバ装置と上記プレイヤ端末のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。これにより、サーバ装置は、上記携帯端末100が機能を提供する場合に、当該携帯端末100が奏する効果と同じ効果を奏する。
【0069】
〔ソフトウェアによる実現例〕
携帯端末100の制御ブロック(特に、制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、携帯端末100は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0070】
具体的には、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムは、複数の移動オブジェクトを用いたゲームをユーザに提供可能なゲームプログラムであって、コンピュータ(携帯端末100)に、指定機能、取得機能、表示情報生成機能、配置領域判定機能、配列判定機能、および、演出機能を実現させる。上記指定機能、取得機能、表示情報生成機能、配置領域判定機能、配列判定機能、および、演出機能は、上述した強さ指定部11、加速度取得部12、表示情報生成部13、配置領域判定部14、配列判定部15、および、演出情報生成部16によってそれぞれ実現され得る。詳細については上述した通りである。
【0071】
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、前記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各部を備えた携帯端末と、前記各機能とは異なる残りの機能を実現する各部を備えたサーバとを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
【0072】
〔付記事項〕
本発明は上述したそれぞれの実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、サーバ、ワークステーション、メインフレームなど、任意のコンピュータに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1:ボール(移動オブジェクト)、2:ポケット(移動オブジェクト配置領域)、3:フィールド(フィールド、フィールド内)、4a:タッチ操作(所定の操作)、5d:表示情報、7:敵キャラクタ(所定のキャラクタ)、11:強さ指定部(指定機能)、12:加速度取得部(取得機能)、13:表示情報生成部(表示情報生成機能)、14:配置領域判定部(配置領域判定機能)、15:配列判定部(配列判定機能)、16:演出情報生成部(演出機能、演出部)、20:加速度計測部、100:携帯端末(コンピュータ)
【要約】
【課題】興趣性・演出効果の高いゲームを実現する。
【解決手段】本発明は、コンピュータに、ユーザによる所定の操作にしたがって、ゲームのフィールド内に移動オブジェクトが射出されるように、移動オブジェクトを表示する表示情報を生成する表示情報生成機能と、表示情報生成機能によって生成された表示情報に含まれる移動オブジェクトが、フィールド内に設置された複数の移動オブジェクト配置領域のいずれか1つを占有したか否かを判定する配置領域判定機能と、配置領域判定機能によって占有したと判定された場合、複数の移動オブジェクト配置領域をそれぞれ占有する複数の移動オブジェクトの配列に応じて、ゲームにおける所定の効果を発生させる演出機能とを実現させる。
【選択図】
図1