(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧電層と、前記圧電層の第1主面側に積層される第1電極と、前記圧電層の第2主面側に積層され前記圧電層を介して前記第1電極と重なる第2電極と、前記第1電極と接続される第1検出部と、前記第2電極と接続される第2検出部とを備える圧力検出装置であって、
前記第1電極は一の方向に配列された複数の帯状電極からなる帯状パターン電極を備え、
前記第2電極は、
複数の踏込み部と、前記踏込み部どうしを接続し、前記複数の前記帯状電極と一対一対応して交差する複数の段差部と、前記踏込み部の始点と前記段差部の終点を接続するL型の接続部とを備え、
第1検出部は、前記帯状パターン電極の各前記帯状電極と接続される帯状電極検出部を備え、
第2検出部は、複数の前記階段電極とそれぞれ接続される複数の帯状電極検出部を備える圧力検出装置。
前記圧電層が活性圧電部と不活性圧電部とからなり、前記第1電極と前記第2電極が前記活性圧電部の上に配置されている請求項1又は請求項2のいずれかの圧力検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の透明圧電センサでは、与えられた荷重を検出できるものの、透明圧電センサ内において位置検出をすることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0006】
本発明の圧力検出装置は、圧電層と、第1電極、第2電極と、第1検出部と、第2検出部とを備えている。第1電極は、圧電層の第1主面側に積層されている。第1電極は、パターン電極を備えている。パターン電極は、L型基準電極とL型電極を備えている。L型基準電極は2つの辺が組み合されたL字型の電極である。L型電極は、L型基準電極の2つの辺から内側の一の方向に間隔をあけて複数配置されたL字型の電極であり、L型電極の端辺は、L型基準電極の端辺の延長線上に配置されている。
【0007】
そうすると、L型基準電極とL型電極の配置される個数が、上記一の方向の位置によって異なる。また、L型基準電極とL型電極は、第1電極のL型基準電極検出部とL型電極に接続されている。従って、圧電層に荷重が与えられたとき、電荷を検出するL型基準電極検出部とL型電極検出部の個数は、荷重が与えられた上記一の方向の位置よって異なる。よって、電荷を検出した検出部の個数を特定することで、荷重が与えられた一の方向の位置を特定できるようになっている。
【0008】
また、第2電極は、圧電層の第2主面側に積層されている。第2電極は、上記一の方向と垂直な方向に配置され上記のパターン電極を覆う帯状電極を複数備えている。なお、第2検出部は、上記帯状電極とそれぞれ独立して接続される帯状電極検出部を備えている。
【0009】
そうすると、圧電層に荷重が与えられたとき、電荷を検出する帯状電極検出部の種類を特定することによって、荷重がかかった上記一の方向と垂直な方向における位置が特定できるようになっている。
【0010】
よって、第1電極検出部と第2電極検出部で得られた位置情報を組合せることにより、荷重が与えられた位置の特定が可能となっている。
【0011】
本発明の圧力検出装置は、圧電層と、第1電極、2電極と、第1検出部と、第2検出部とを備えている。第1電極は、圧電層の第1主面側に積層されている。第1電極は、一の方向に複数配置された帯状電極からなる帯状パターン電極を備えている。
前記第2電極は、踏込み部と段差部と接続部を備えている。踏込み部は帯状電極の間に配置されている。段差部は、踏込み部どうしを接続している。また段差部は、帯状電極と一対一対応で交差している。接続部は、踏込み部の始点と段差部の終点を接続している。なお、第1検出部は、帯状パターン電極の各帯状電極と接続される帯状電極検出部を備えている。第2検出部は、複数の階段電極とそれぞれ接続される複数の帯状電極検出部を備えている。
【0012】
そうすると、帯状電極と階段電極の重なる個数が、上記一の方向の位置によって異なる。また、帯状電極は、帯状電極検出部に接続されている。従って、圧電層に荷重が与えられたとき、電荷を検出する帯状電極検出部の数は、上記一の方向の位置よって異なる。よって、電荷を検出した検出部の個数を特定することで、荷重が与えられた一の方向の位置を特定できるようになっている。
【0013】
また、第2電極は、圧電層の第2主面側に積層されている。第2電極は、階段電極を備えている。なお、第2検出部は、上記階段電極とそれぞれ独立して接続される階段電極検出部を備えている。
【0014】
そうすると、圧電層に荷重が与えられたとき、圧電層から発生する電荷を検出する階段電極検出部の種類を特定することによって、荷重がかかった上記一の方向と垂直な方向における位置が特定できるようになっている。
【0015】
よって、第1電極検出部と第2電極検出部で得られた位置情報を組合せることにより、荷重が与えられた位置の特定が可能となっている。
【0016】
第1電極と第2電極の間には基準電極が設けられていてもよい。
【0017】
そうすると、上部電極と基準電極の間で発生した電荷や、下部電極と基準電極との間で発生した電荷を独立して検出できる。
【0018】
圧電層が活性圧電部と不活性圧電部とからなり、活性圧電部の上には第1電極と第2電極が積層されていてもよい。
【0019】
そうすると、クロストーク現象の発生を防止できる。その結果、圧電センサにかかった位置と荷重の検出精度が向上する。
【0020】
上部電極は、酸化インジウム錫、またはポリエチルジオキソチオフェンを含んでいてもよい。
【0021】
そうすると、上部電極の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
【0022】
下部電極は、酸化インジウム錫、またはポリエチルジオキソチオフェンを含でいてもよい。
【0023】
そうすると、下部電極の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
【0024】
圧電層は、有機圧電材料から構成されていてもよい。
【0025】
そうすると、圧電層の柔軟性が大きくなるので、圧電センサの耐屈曲性が向上する。その結果、上記圧電センサをR曲面などに配置できる。
【0026】
有機圧電材料は、ポリフッ化ビニリデンまたはポリ乳酸を含んでいてもよい。
【0027】
そうすると、圧電層の透明性が高くなるので、液晶や有機ELなどの表示装置の上に圧電センサを配置できる。
【0028】
圧電層は、無機材料から構成されていてもよい。
【0029】
そうすると、圧電層の圧電定数が大きくなるため、力を検出する検出感度が向上する。
【0030】
電子機器は、圧電センサとタッチパネルを備えていてもよい。
【0031】
そうすると、圧電センサに対し荷重がほとんどかからないような場合でも、荷重の位置検出ができる。
【0032】
上記タッチパネルは静電容量型のタッチパネルであってもよい。そうすると、圧力検出装置全体の透明性が向上する。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る圧電センサでは、圧電センサ内で位置検出ができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
下記で、本発明に係る実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明の実施例に記載した部位や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
【0036】
1. 第1実施形態
(1)圧力検出装置の全体構造
図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の全体構造を説明する。
図1は圧力検出装置の概略図である。
図2は圧電センサの断面図である。
【0037】
圧力検出装置は、与えられた荷重の量と位置を検出する機能を有している。
図1に示すように、圧力検出装置1は、圧電センサ10と、検出部20を備えている。圧電センサ10は、与えられた荷重に応じて電荷を発生させる装置である。検出部20は、圧電層11で発生した電荷を検出する装置である。以下で、圧力検出装置1の構成を詳細に説明する。
【0038】
(2)圧電センサ
図2に示すように、圧電センサ10は、圧電層11と、第1電極12と、第2電極13とから構成される。第1電極12は、圧電層11の第1主面側に配置され、第2電極13は、圧電層11の第1主面側とは反対側の第2主面側に配置されている。なお、図示しないが、第1電極12と第2電極13との間に基準電極が設けられていてもよい。
【0039】
図3に示すように、第1電極12は、第1パターン電極120と、第2パターン電極121と、第3パターン電極122を備えている。上記電極パターンは、Y軸方向に配置されている。なお、上記パターン電極は、それぞれL型基準電極123と、L型電極124を備えている。
L型基準電極123は、L型電極124の外側に配置され、2つの辺からなる。2つの辺のうち、短辺はY軸方向に配置され、長辺はY軸方向とは直交するX軸方向に配置されている。
【0040】
L型電極124は、L型基準電極123の内側に複数配置されている。L型電極124は、第1L型電極125と、第2L型電極126と、第3L型電極127を備えている。
【0041】
第1L型電極125から第3L型電極127の短辺はY軸方向に配置され、長辺はX軸方向に配置されている。また、L型電極124における短辺の端部は、L型基準電極123における短辺の端部の延長線上に配置され、長辺の端部はL型基準電極123における長辺の端部の延長線上に配置されている。
【0042】
なお、第1L型電極125は、L型基準電極123の内側に配置されている。第2L型電極126は、第1L型電極125の内側に配置されている。第3L型電極127は、第2L型電極126の内側に配置されている。
【0043】
図4に示すように、第2電極13は、複数の帯状電極を備えている。帯状電極は、Y軸方向に配列される第1帯状電極130、第2帯状電極131、第3帯状電極132から構成されている。帯状電極は、圧電層11を介して第1電極部12の電極パターンを覆っている。すなわち、第1帯状電極130は、第1パターン電極120を覆い、第2帯状電極131は、第2パターン電極121を覆い、第3帯状電極132は、第3パターン電極122を覆っている。
【0044】
なお、上記では、第1電極12は、第1パターン電極120から第3パターン電極122の3つのパターン電極を備えている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、第1電極は、n個(n=1,2,3…)のパターン電極を備えていてもよい。これは、L型電極、帯状電極についても同様である。
【0045】
(3)電極
第1電極12、第2電極13は、導電性を有する材料により構成できる。導電性を有する材料としては、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin−Oxide、ITO)、スズ−亜鉛酸化物(Tin−Zinc−Oxide、TZO)などのような透明導電酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylenedioxythiophene、PEDOT)などの導電性高分子、などを用いることができる。この場合、上記の電極は、蒸着やスクリーン印刷などを用いて形成できる。
【0046】
また、導電性を有する材料として、銅、銀などの導電性の金属を用いてもよい。この場合、上記の電極は、蒸着により形成してもよく、銅ペースト、銀ペーストなどの金属ペーストを用いて形成してもよい。
【0047】
さらに、導電性を有する材料として、バインダー中に、カーボンナノチューブ、金属粒子、 金属ナノファイバーなどの導電材料が分散したものを用いてもよい。
(4)圧電層
圧電層11を構成する材料としては、無機圧電材料や有機圧電材料が挙げられる。
【0048】
無機圧電材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどが挙げられる。
【0049】
有機圧電材料としては、フッ化物重合体又はその共重合体、キラリティーを有する高分子材料などが挙げられる。フッ化物重合体又はその共重合体としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。キラリティーを有する高分子材料としては、L型ポリ乳酸や、R型ポリ乳酸などが挙げられる。
【0050】
また、圧力検出装置1を、液晶装置や有機EL装置のような表示装置の上に配置する場合には、表示装置のディスプレイが見えるように、圧電層を透明な材料により構成するか、又は、光が十分に透過できる程度に薄く構成することが好ましい。
【0051】
(5)検出部
図1に示すように、検出部20は、第1検出部21と、第2検出部22からなる。再び
図3に示すように、第1検出部21は、L型基準電極検出部210と、第1L型電極検出部211と、第2L型電極検出部212と、第3L型電極検出部213からなる。L型基準電極検出部210は、各L型基準電極123と接続されている。同じように、第1L型電極検出部211は、各第1L型電極125と接続され、第2L型電極検出部212は、各第2L型電極126と接続され、第3L型電極検出部213は、各第3L型電極127と接続されている。
【0052】
上記のように構成すると、圧電層11が押圧されたときに、L型基準電極123の下に配置された圧電層11で発生する電荷については、L型基準電極検出部210で検出できる。第1L型電極125、第2L型電極126、第3L型電極127の下に配置された圧電層11で発生する電荷については、それぞれ第1L型電極検出部211、第2L型電極検出部212、第3L型電極検出部213で検出できる。
【0053】
再び、
図4に示すように、第2検出部22は、第1帯状電極検出部220と、第2帯状電極検出部221と、第3帯状電極検出部222を備えている。第1帯状電極検出部220は、第1帯状電極130と接続されている。同じように、第2帯状電極検出部221は、第2帯状電極131と接続され、第3帯状電極検出部222は、第3帯状電極132と接続されている。
【0054】
上記のように構成すると、圧電層11が押圧されたときに、第1帯状電極130の下に配置された圧電層11で発生する電荷については、第1帯状電極検出部220で検出できる。第2帯状電極131、第3帯状電極132の下に配置された圧電層11で発生する電荷については、それぞれ第2帯状電極検出部221、第3帯状電極検出部222で検出できる。
【0055】
上記のように、圧力検出装置1を構成すると、再び
図3に示すように、X軸方向のX1領域には、L型基準電極123と、第1L型電極125と、第2L型電極126と、第3L型電極127が配置される。X2領域には、L型基準電極123と、第1L型電極125と、第2L型電極126が配置され、X3領域には、L型基準電極123と第1L型電極125が配置される。X4領域には、L型基準電極123が配置される。なお、L型基準電極123は、L型基準電極検出部210と接続され、第1L型電極125は、第1L型電極検出部210と接続され、第2L型電極126は、第2L型電極検出部221と接続され、第3L型電極127は、第2L型電極検出部222と接続される。
【0056】
そのため、X1領域に荷重がかかった場合、荷重により発生した電荷は、L型基準電極123と、第1L型電極125と、第2L型電極126と、第3L型電極127を経由して、L型基準電極検出部210と、第1L型電極検出部211と、第2L型電極検出部212と、第3L型電極検出部213の4つの検出部で検出される。
【0057】
X2領域に荷重がかかった場合は、L型基準電極123と、第1L型電極125と、第2L型電極126を経由して、L型基準電極検出部210と、第1L型電極検出部211と、第2L型電極検出部212の3つの検出部で電荷が検出される。
【0058】
X3領域に荷重がかかった場合は、L型基準電極123と、第1L型電極125を経由して、L型基準電極検出部210と、第1L型電極検出部211の2つの検出部で電荷が検出される。
【0059】
X4領域に荷重がかかった場合は、L型基準電極123を経由して、L型基準電極検出部210の1つの検出部で電荷が検出される。
【0060】
すなわち、X軸方向については、荷重のかかった箇所によって電荷を検出する検出部の個数が異なる。この異なりを利用して、荷重がかかった位置におけるX軸方向の位置を特定できるようになっている。
【0061】
また、上記のように構成することで、
図4に示すように、Y軸方向のY1領域には第1帯状電極130が配置され、Y2領域には第2帯状電極131が配置され、Y3領域には第3帯状電極132が配置される。なお、第1帯状電極130、第2帯状電極131、第3帯状電極は132、それぞれ第1帯状電極検出部220、第2帯状電極検出部221、第3帯状電極検出部222と接続される。
【0062】
そのため、Y1領域に荷重がかかった場合、荷重により発生した電荷は、第1帯状電極130を経由して、第1帯状電極検出部220で検出される。Y2領域に荷重がかかった場合は、第2帯状電極131を経由して、第2帯状電極検出部221で検出され、Y3領域に荷重がかかった場合は、第3帯状電極132を経由して、第3帯状電極検出部222で検出される。
【0063】
すなわち、Y軸方向については、荷重のかかった箇所によって電荷を検出する検出部の種類が異なる。この異なりを利用して、荷重がかかった位置におけるY軸方向の位置を特定できるようになっている。
【0064】
最後に上記で検出したX軸方向とY軸方向の位置情報を組合せることによって、荷重がかかった位置を特定するのが可能となっている。
【0065】
なお、荷重量の検出は、検出された電荷の合計から求める。電荷量から荷重量を求める方法については、検出に予め変換方法をプログラムしておくことで達成できる。従って、圧電センサに荷重がかかった位置と荷重量を特定できる。
【0066】
このように、圧電センサ10を構成する第1電極11が、L型基準電極123とL型電極124を備え、L型電極124が、L型基準電極123の2つの辺から内側に間隔をあけて複数配置され、L型基準電極123の端辺の延長線上に端辺を有することで、L型基準電極123とL型電極124の配置される個数がX軸方向の位置によって異なるものとなっている。
すなわち、圧電センサ10の任意の箇所に荷重が与えられた場合、電荷を検出する第1検出部21の個数は、荷重が与えられたX軸方向の位置よって固有な数となるので、これを検出することで、与えられた荷重のX軸方向の位置を特定できるようになっている。
【0067】
また、圧電センサ10を構成する第2電極12は、L型基準電極123とL型電極124を覆う帯状電極を複数備え、その帯状電極が独立してそれぞれの帯状電極検出部と接続されている。これにより、荷重のかかったY軸方向の位置は、電荷を検出する帯状電極検出部の種類で特定することが可能となっている。
【0068】
よって、上記の第1電極と第2電極の検出結果を組合せることで、荷重が与えられた位置の特定を可能とするものである。
【0069】
また、与えられた荷重量の検出は、検出された電荷の合計から与えられた荷重を求める。電荷量から荷重量を求める方法については、検出に予め変換方法をプログラムしておくことで達成するものである。
【0070】
従って、上記のように構成することによって、本願の圧力検出装置は、荷重が与えられたとき、与えられた荷重の位置と荷重量を検出できるものである。
【0071】
2. 第2実施形態
第2実施形態では、圧電センサが圧電層と第1電極と第2電極を備えていた。第1電極は、パターン電極を有し、パターン電極はL型基準電極とL型電極を備えていた。第2電極は、帯状電極を備えていた。しかし、第1電極は帯状電極を備え、第2電極は階段電極を備えていてもよい。以下で、第1電極が備える帯状電極と、第2電極が備える階段電極について説明する。
【0072】
図5は、第2実施形態の圧力検出装置1の平面図である。
図6は、
図5におけるB-B’断面の断面図である。
【0073】
図5に示すように、圧力検出装置1は、圧電センサ10と、第1検出部21と、第2検出部22を備えている。圧電センサ10は、圧電層11と、第1電極12と、第2電極13を備えている。第1電極12は、圧電層11の第1主面側に配置され、第2電極13は、圧電層11の第1主面側とは反対側の第2主面側に配置されている。第1検出部21は、第1帯状電極検出部250と、第2帯状電極検出部251と、第3帯状電極検出部252を備えている。第2検出部22は、第1階段電極検出部260と、第2階段電極検出部261と、第3階段電極検出部262を備えている。
【0074】
図7に示すように、第1電極12は、Y軸方向に配置される第1帯状パターン電極200と、第2帯状パターン電極201と、第3帯状パターン電極202を備えている。上記帯状パターン電極は、Y軸方向に配列された第1帯状電極150と、第2帯状電極151と、第3帯状電極152を備えている。各帯状パターン電極の第1帯状電極150は、第1帯状電極検出部250に接続されている。各帯状パターン電極の第2帯状電極151、第3帯状電極152は、それぞれ第2帯状電極検出部251と、第3帯状電極検出部252に接続されている。
【0075】
図8に示すように、第2電極13は、Y軸方向に配列された階段状の階段電極を備えている。階段電極は、第1階段電極160と、第2階段電極161と、第3階段電極162とを備えている。各階段電極は、踏込み部163と、段差部164と、L型部165を備えている。踏込み部163は、平面視において上記帯状電極と平行な方向に配置される。すなわち、踏込み部163は第1帯状電極150の上方と、第1帯状電極150と第2帯状電極151の間と、第2帯状電極151と第3帯状電極152の間と、第3帯状電極152の下方に間隔をあけて配置されている。段差部164は、帯状電極と交差する方向に配置され、踏込み部163どうしを接続している。L型部165は、踏込み部163の始点と段差部164の終点とを接続するL型形状からなる。なお、第1階段電極160は第1階段電極検出部260と、第2帯状電極161は第2階段電極検出部261と、第3帯状電極162は第3階段電極検出部262と、それぞれ独立して接続されている。
【0076】
また、帯状電極と階段電極は、帯状電極の第1帯状電極150、第2帯状電極151、第3帯状電極152が、階段電極の段差部164と交差するように配置されている。
【0077】
図7に示すように、上記のように構成されると、X軸方向のX1領域では、各帯状パターン電極の第1帯状電極150と、第2帯状電極151と、第3帯状電極152とが、第1階段電極160、第2階段電極161、第3階段電極162と重なる。
X2領域では、各帯状パターン電極の第2帯状電極151と、第3帯状電極152とが、第1階段電極160、第2階段電極161、第3階段電極162と重なる。
X3領域では、各帯状パターン電極の第3帯状電極152が、第1階段電極160、第2階段電極161、第3階段電極162と重なる。
【0078】
そのため、X1領域に荷重がかかった場合、荷重により発生した電荷は、各帯状パターン電極の第1帯状電極150と、第2帯状電極151と、第3帯状電極152を経由して第1帯状電極検出部250、第2帯状電極検出部251、第3帯状電極検出部252で検出される。
【0079】
X2領域に荷重がかかった場合、電荷は、各帯状パターン電極の第2帯状電極151と、第3帯状電極152を経由して第2帯状電極検出部251、第3帯状電極検出部252で検出される。
【0080】
X3領域に荷重がかかった場合は、各帯状パターン電極の第3帯状電極152を経由して第3帯状電極検出部252で検出される。
【0081】
すなわち、X軸方向については、荷重のかかった箇所によって電荷を検出する検出部の個数が異なる。この異なりを利用して、荷重がかかった位置におけるX軸方向の位置を特定できるようになっている。
【0082】
また、
図8に示すように、Y軸方向のY1領域には第1階段電極160が配置され、Y2領域には第2階段電極161が配置され、Y3領域には第3階段電極162が配置されている。
【0083】
そのため、Y1領域に荷重がかかった場合、荷重により発生した電荷は、第1階段電極160を経由して、第1階段電極検出部260で検出される。Y2領域に荷重がかかった場合は、第2階段電極161を経由して、第2階段電極検出部261で検出され、Y3領域に荷重がかかった場合は、第3階段電極162を経由して、第3階段電極検出部262で検出される。
【0084】
すなわち、Y軸方向については、荷重のかかった箇所によって電荷を検出する検出部の種類が異なる。この異なりを利用して、荷重がかかった位置におけるY軸方向の位置を特定できるようになっている。
【0085】
最後に上記で検出したX軸方向とY軸方向の位置情報を組合せることによって、荷重がかかった位置を特定するのが可能となっている。
【0086】
このように、圧電センサ10が、圧電層11と、第1電極12と、第2電極13を備え、第1電極12と、第2電極13が、圧電層11の第1主面側と第2種面側に配置され、第1電極12が、Y軸方向に配列され複数の帯状電極(第1帯状電極150、第2帯状電極151、第3帯状電極152)からなる帯状パターン電極を備え、第2電極13が複数の踏込み部163と、踏込み部163どうしを接続し、上記帯状電極(第1帯状電極150、第2帯状電極151、第3帯状電極152)と一対一対応して交差する複数の段差部164と、踏込み部163の始点と段差部164の終点を接続するL型の接続部165とを有する階段状の階段電極(第1階段電極160、第2階段電極161、第3階段電極162)を備えることにより、X軸方向の位置によって、圧電層11を介して重なる帯状電極(第1帯状電極150、第2帯状電極151、第3帯状電極152)と、階段電極(第1階段電極160、第2階段電極161、第3階段電極162)との数が異なるものとなっている。
【0087】
すなわち、圧電センサ10の特定箇所に荷重が与えられた場合、電荷を検出する第1検出部21の個数は、荷重が与えられたX軸方向の位置よって固有な数となるので、これを検出することで、与えられた荷重のX軸方向の位置を特定できるようになっている。
【0088】
また、上記のように構成されることにより、階段電極はY軸方向に複数配列され、上記階段電極はそれぞれの階段電極検出部と独立して接続される。これにより、荷重のかかったY軸方向の位置は、電荷を検出する帯状電極検出部の種類で特定することが可能となっている。
【0089】
よって、上記の第1電極と第2電極の検出結果を組合せることで、荷重が与えられた位置の特定を可能とするものである。
【0090】
また、与えられた荷重量の検出は、検出された電荷の合計から与えられた荷重を求める。電荷量から荷重量を求める方法については、検出に予め変換方法をプログラムしておくことで達成するものである。
【0091】
従って、上記のように構成することによって、本願の圧力検出装置は、荷重が与えられたとき、与えられた荷重の位置と荷重量を検出できるものである。
3.第3実施形態
圧電層11は活性な部分と不活性な部分を有するようにパターニングされていてもよ。
【0092】
図9は、第3実施形態にかかる圧電センサの断面図である。
【0093】
図9に示すように、圧電層11は、活性圧電部110と不活性圧電部111からなる。 活性圧電部110は、圧電センサ10に荷重が与えられたときに電荷が発生する部分である。反対に不活性圧電部111は、荷重が与えられても電荷が発生しない部分である。
【0094】
図9の例では、活性圧電部110の上面にL型基準電極123と、L型電極124(第1L型電極125、第2L型電極126、第3L型電極127)が配置されている。活性圧電部110と不活性圧電部111の下面には、第1帯状電極130が配置されている。このように構成されていると、L型基準電極123付近で発生した電荷が漏れて、L型電極124に混入するのを防止できる(クロストーク現象を防止できる)。その結果、位置検出精度と荷重検出精度が向上する。なお、
図9では、活性圧電部110の上にL型基準電極123と、L型電極124が直接積層された例を示したが、活性圧電部110とL型基準電極123との間、または活性圧電部110とL型電極124の間には、接着剤やフィルムなどの絶縁材料が積層されていてもよい。
【0095】
4.その他の実施形態
上記では、与えられた荷重の位置と量を圧電センサ10で検出する例を示した。しかし、
図10に示すように、圧電センサ10の上にタッチパネル50を積層することで、与えられた荷重の位置と量を検出してもよい。
圧電センサ10の上にタッチパネル50を積層することにより、与えられた荷重が圧電センサ10で検出できないほど小さい場合(フェザータッチの場合)でも、圧電センサ10の上にタッチパネル50を積層することで荷重が与えられた箇所を検出できる。なお、タッチパネルの中でも、静電容量型タッチパネルを用いることが特に好ましい。
【解決手段】 本発明の圧力検出装置1は、圧電層11と、第1電極12、第2電極13と、第1検出部21と、第2検出部22とを備えている。第1電極12は、一の方向に複数配置された帯状電極150,151,152からなる帯状パターン電極を備えている。第2電極13は、踏込み部163と段差部164とL型の接続部165を備えている。踏込み部163は帯状電極150,151,152の間に配置されている。段差部164は、踏込み部163どうしを接続している。また段差部164は、帯状電極150,151,152と一対一対応で交差している。L型の接続部165は、踏込み部163の始点と段差部164の終点を接続している。