(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797897
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】タッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20151001BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20151001BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20151001BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20151001BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20151001BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20151001BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20151001BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/041 412
G06F3/044 127
G02F1/133 530
G02F1/1333
G02F1/1343
G02F1/1368
G09G3/36
G09G3/20 691D
G09G3/20 624D
G09G3/20 680H
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2010-291570(P2010-291570)
(22)【出願日】2010年12月28日
(65)【公開番号】特開2012-99081(P2012-99081A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2013年12月17日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0109165
(32)【優先日】2010年11月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 眞 佑
(72)【発明者】
【氏名】吉村 英雄
(72)【発明者】
【氏名】李 柱 亨
(72)【発明者】
【氏名】朴 商 鎭
(72)【発明者】
【氏名】金 哲 民
【審査官】
遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−233018(JP,A)
【文献】
特開2010−072743(JP,A)
【文献】
特開2010−218066(JP,A)
【文献】
特開平09−251152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G02F 1/133
G02F 1/1333
G02F 1/1343
G02F 1/1368
G06F 3/044
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタ及び画素電極をそれぞれ具備する複数の画素が形成された第1基板と、
前記第1基板に対向して位置し、前記画素電極に対応して第1方向に配列される複数の共通電極が内側に形成された第2基板と、
前記第2基板の外側に形成され、前記第1方向と交差する第2方向に配列される複数の検出電極と、
前記第1基板と前記第2基板との間に形成された液晶層と、
前記共通電極に順次に駆動信号を供給し、各共通電極に供給される駆動信号と反対の位相を有する補償信号を前記共通電極に供給する共通電極駆動部と、を備え、
前記共通電極駆動部は、
所定の画像を表示する第1フレーム期間には前記共通電極に同じ共通電圧を供給し、タッチ認識を行う第2フレーム期間には前記共通電極に前記駆動信号及び補償信号を供給し、
前記共通電圧は、前記駆動信号と前記補償信号との間の所定期間にも供給されることを特徴とするタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1フレーム期間と前記第2フレーム期間とは、交互に動作することを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項3】
前記補償信号は、
前記駆動信号と位相が反対であり、大きさが同じ電圧であることを特徴とする請求項1または2に記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項4】
前記共通電極駆動部は、
前記補償信号を、前記駆動信号の供給前または供給後に前記共通電極に供給することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項5】
前記共通電極駆動部は、
現在の共通電極に供給される駆動信号及び補償信号が、前の共通電極に供給される駆動信号及び補償信号に重畳しないように、前記駆動信号と前記補償信号を順次に前記共通電極に供給することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項6】
前記薄膜トランジスタは、
第1電極が前記第1基板に配列されたデータ配線に接続され、ゲート電極が前記第1基板に配列されたゲート配線に接続され、第2電極が前記画素電極に接続されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1基板及び第2基板の外側面にそれぞれ取り付けられる第1偏光板及び第2偏光板と、
前記第2偏光板の外側面に取り付けられるウィンドウと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項8】
前記検出電極は、
前記第2基板と前記ウィンドウとの間に形成されることを特徴とする請求項7に記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1基板の下部に位置し、光を提供するバックライトをさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【請求項10】
前記駆動信号は、
前記共通電圧より高い電圧であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルが内蔵された液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンパネルは、映像表示装置などの画面に現れた指示内容を人の手または物体で選択し、ユーザの命令を入力できるようにした入力装置である。
【0003】
このため、タッチスクリーンパネルは、映像表示装置の前面(front face)に備えられ、人の手または物体に直接接触した接触位置を電気的信号に変換する。これにより、接触位置で選択された指示内容が入力信号として受信される。
【0004】
このようなタッチスクリーンパネルは、キーボードやマウスのように、映像表示装置に接続して動作する別の入力装置を代替できるため、その使用範囲が次第に拡大する傾向にある。
【0005】
タッチスクリーンパネルを実現する方式としては、抵抗膜方式、光検出方式、及び静電容量方式などが知られている。このうち、静電容量方式のタッチスクリーンパネルは、人の手または物体が接触したとき、導電性検出パターンが周辺の他の検出パターンまたは接地電極などと形成する静電容量の変化を検出することにより、接触位置を電気的信号に変換する。
【0006】
このようなタッチスクリーンパネルは、一般的に、液晶表示装置、有機電界発光表示装置のような平板表示装置の外面に取り付けられて製品化される場合が多い。
【0007】
しかしながら、このように、タッチスクリーンパネルの平板表示装置の外面に取り付けられた場合、タッチスクリーンパネルと平板表示装置との間の粘着層が必要であり、平板表示装置とは別途にタッチスクリーンパネルを形成する工程が要求されるため、工程時間及び工程費用が増加するという欠点がある。
【0008】
また、従来の構造では、タッチスクリーンパネルが平板表示装置の外面に取り付けられることにより、平板表示装置の全厚が増加するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2009−50857号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2007−81717号明細書
【特許文献3】韓国特許出願公開第2009−19902号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の問題を解決するためになされた本発明の目的は、液晶表示装置に備えられる共通電極を相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルの駆動電極として用いるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置を提供するためのものである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、タッチ認識のために共通電極に駆動信号を供給することによってもたらされる画質の低下を除去するタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の特徴によれば、本発明は、薄膜トランジスタ及び画素電極をそれぞれ具備する複数の画素が形成された第1基板と、前記第1基板に対向して位置し、前記画素電極に対応して第1方向に配列される複数の共通電極が内側に形成された第2基板と、前記第2基板の外側に形成され、前記第1方向と交差する第2方向に配列される複数の検出電極と、前記第1基板と前記第2基板との間に形成された液晶層と、前記共通電極に順次に駆動信号を供給し、各共通電極に供給される駆動信号と反対の位相を有する補償信号を前記共通電極に供給する共通電極駆動部と
、を備え
、前記共通電極駆動部は、所定の画像を表示する第1フレーム期間には前記共通電極に同じ共通電圧を供給し、タッチ認識を行う第2フレーム期間には前記共通電極に前記駆動信号及び補償信号を供給し、前記共通電圧は、前記駆動信号と前記補償信号との間の所定期間にも供給される。
【0014】
また、前記第1フレーム期間と前記第2フレーム期間とは、交互に動作することを特徴とする。
【0015】
また、前記補償信号は、前記駆動信号と位相が反対であり、大きさが同じ電圧であることを特徴とする。
【0016】
また、前記共通電極駆動部は、前記補償信号を、前記駆動信号の供給前または供給後に前記共通電極に供給することを特徴とする。
【0018】
また、前記共通電極駆動部は、現在の共通電極に供給される駆動信号及び補償信号が、前の共通電極に供給される駆動信号及び補償信号に重畳しないように、前記駆動信号と前記補償信号を順次に前記共通電極に供給することを特徴とする。
【0019】
また、前記薄膜トランジスタは、第1電極が前記第1基板に配列されたデータ配線に接続され、ゲート電極が前記第1基板に配列されたゲート配線に接続され、第2電極が前記画素電極に接続されることを特徴とする。
【0020】
また、前記第1基板及び第2基板の外側面にそれぞれ取り付けられる第1偏光板及び第2偏光板と、前記第2偏光板の外側面に取り付けられるウィンドウとをさらに備える。
【0021】
また、前記検出電極は、前記第2基板と前記ウィンドウとの間に形成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記第1基板の下部に位置し、光を提供するバックライトをさらに備える。
【0023】
また、前記駆動信号は、前記共通電圧より高い電圧であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のような本発明によれば、液晶表示装置に備えられる共通電極を相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルの駆動電極として用いるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置を提供することができる。
【0025】
また、本発明によれば、タッチ認識のために共通電極に駆動信号を供給することによってもたらされる画質の低下を除去するタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置の一領域に関する断面図である。
【
図4】
図3における共通電極パターン(駆動電極)及び検出電極の構造を示す斜視図である。
【
図5】
図3における共通電極パターン(駆動電極)及び検出電極の構造を示す上面図である。
【
図6】一般的に共通電極に供給される信号を示すタイミングチャートである。
【
図7】本発明の第1実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
【
図8】本発明の第2実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
【
図9】本発明の第3実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
【
図10】本発明の第4実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
その他の実施形態の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【0028】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付した図面とともに詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるはずである。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現可能であり、以下の説明において、ある部分が他の部分に接続されているとする場合、これは、直接的に接続されている場合のみならず、その間に他の素子を挟んで電気的に接続されている場合をも含む。また、図面において、本発明と関係のない部分は本発明の説明を明確にするために省略し、明細書全体を通して類似の部分に対しては同じ図面符号を付してある。
【0029】
以下、添付した図面を参照して本発明について説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置を示すブロック図である。特に、
図1は、タッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置が画像を表示するための構成を中心に示している。
図2は、
図1における画素の等価回路図であり、
図3は、本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置の一領域に関する断面図である。
【0031】
図1に示すように、本発明の好ましい実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置は、第1方向(例えば、水平方向)に配列されたゲート配線G1〜Gnにゲート信号を供給するゲート駆動部3と、第1方向と交差する第2方向(例えば、垂直方向)に配列されたデータ配線D1〜Dmにデータ信号を供給するデータ駆動部4と、前記ゲート配線G1〜Gn及びデータ配線D1〜Dmと接続する薄膜トランジスタTrを具備する複数の画素P及び共通電極(Vcom)70に共通電圧などを供給する共通電極駆動部5とを備え、ゲート駆動部3、データ駆動部4、及び共通電極駆動部5を制御するためのタイミング制御部6をさらに備えることができる。
【0032】
液晶表示装置は、液晶の光学的異方性と分極性質を利用して画像を実現する表示装置であって、前記液晶は、分子構造が細長く、配列に方向性を持つ光学的異方性と、電場内に置かれた場合にその大きさによって分子配列方向に変化する分極性質を帯びる。
【0033】
これにより、液晶表示装置は、液晶層を挟んで互いに対向する面にそれぞれ画素電極と共通電極が形成された第1基板と、第2基板とを貼り合わせて構成された液晶パネルを必須構成要素とし、ゲート信号により選択された画素の画素電極と共通電極との間にそれぞれデータ信号及び共通電圧を印加して所定の電界を形成した後、これにより変化した液晶の配列角によってバックライトから供給される光の透過度を調整して映像を表示する。
【0034】
このため、
図2及び
図3に示す実施形態を参照すると、タッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置は、液晶層90を挟んで第1基板11と第2基板61とが対面して貼り合わされた構成を有するが、このうち、下部の第1基板11には、上面に縦横に交差されるゲート配線G1〜Gnとデータ配線D1〜Dmとが配列され、前記ゲート配線G1〜Gnとデータ配線D1〜Dmとの交差地点には薄膜トランジスタTrが具備され、各画素Pに形成された画素電極50と一対一対応で接続されている。
【0035】
図2に示すように、これを詳細に説明すると、i番目のゲート配線Gi及びj番目のデータ配線Djに接続された画素Pは、前記i番目のゲート配線Gi及びj番目のデータ配線Djに接続される薄膜トランジスタTrと、前記薄膜トランジスタTrに接続される画素電極50と、画素電極50及び共通電極70に接続される液晶キャパシタ(liquid crystal capacitor)Clcとを備える。
【0036】
前記薄膜トランジスタTrは、
図3に示すように、ゲート配線に接続されるゲート電極15及びソース/ドレイン電極33、35と、前記ゲート電極15とソース/ドレイン電極33、35との間に形成される半導体層23とから構成される。ここで、前記半導体層23は、アクティブ層23aと、オームコンタクト層23bとを含む。
【0037】
また、前記ゲート電極15の上部にはゲート絶縁膜20が形成され、ソース/ドレイン電極33、35の上部には保護層40が形成されており、前記保護層40は、ドレイン電極35を露出するコンタクトホール43を備える。
【0038】
また、前記保護層40の上部には前記画素電極50が形成されており、前記コンタクトホール43を介して前記ドレイン電極35に接続される。
【0039】
前記液晶キャパシタClcは、前記画素電極50と第2基板61の共通電極70とを2つの端子とし、2つの電極50、70間の液晶層90は誘電体として機能する。
【0040】
また、前記第1基板11に対向する上部の第2基板61は、その背面に前記ゲート配線G1〜Gn、データ配線D1〜Dm、及び薄膜トランジスタTrなどの非表示領域を遮るように、各画素P領域を取り囲む格子状のブラックマトリクス63と、前記ブラックマトリクス63の内部において、各画素Pに対応して順次に繰り返し配列された赤色、緑色、青色のカラーフィルタパターン66a、66b、66cと、前記カラーフィルタパターン66の下部に透明導電性物質(例えば、ITO)により透明な共通電極70が形成されている。
【0041】
ここで、前記カラーフィルタパターン66と前記共通電極70との間にはオーバーコート層(図示せず)がさらに形成されてもよい。また、ブラックマトリクス63及びカラーフィルタパターン66の位置は変更できるので、ブラックマトリクス63及びカラーフィルタパターン66が異なる位置に形成された場合、共通電極70は第2基板62の内側面に形成可能である。
【0042】
また、
図3に示すように、前記第1基板11及び第2基板61の外側面には、それぞれ第1偏光板80及び第2偏光板82が取り付けられ、画像が表示される方向に位置する偏光板上には、透明基板としてのウィンドウ190が取り付けられる。
【0043】
図3に示す実施形態は、バックライト300が第1基板11の下部に位置する構造であるため、画像が第2基板61の方向に表示され、これにより、前記ウィンドウ190は、粘着層192によって前記第2偏光板82上に取り付けられる。
図3に示す実施形態では、第1偏光板80が備えられているため、バックライト300が第1偏光板80の下部に位置している。
【0044】
以下、このような構造を有するタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置の画像表示動作を簡単に説明する。
【0045】
まず、各画素Pに備えられた薄膜トランジスタTrのゲート電極15にゲート信号が印加されると、前記アクティブ層23aが活性化され、これにより、ソース電極33は、前記ソース電極33に接続されたデータ配線30から印加されるデータ信号を、下部のアクティブ層23aを経て所定間隔離隔したドレイン電極35に伝達する。
【0046】
このとき、前記ドレイン電極35は、コンタクトホール43を介して画素電極50に電気的に接続されるため、前記データ信号の電圧は画素電極50に印加され、これは、各画素Pに備えられたストレージキャパシタ(図示せず)に格納される。
【0047】
これにより、前記画素電極50に印加された電圧と、前記共通電極70に印加された電圧との差に相当する電圧に対応して、それらの間の液晶分子の配列が調整されることにより、所定の画像が表示される。
【0048】
従来の一般的な液晶表示装置の場合、前記共通電極70は、第2基板61の下部全面に一体型に形成され、同じ電圧を受ける。
【0049】
これに対し、本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置は、前記共通電極70を分離された複数のパターンに形成し、これを相互静電容量(mutual capacitance)方式のタッチスクリーンパネルの駆動電極として活用することを特徴とする。
【0050】
例えば、前記共通電極70を、第1方向(例えば、X軸方向)に所定間隔離隔して配列される複数のパターン70aで実現(
図4参照)し、これをタッチスクリーンパネルの駆動電極として活用し、タッチスクリーンパネルの検出電極72は前記第2基板61の外側に形成される。
【0051】
第2偏光板82とウィンドウ190が設置された場合には、前記検出電極72が第2基板61とウィンドウ190との間に形成可能である。したがって、具体的な例として、
図3に示すように、検出電極72が第2偏光板82の上面に形成されてもよく、検出電極72がウィンドウ190の下面に形成されてもよく、検出電極72が第2基板61の上面または第2偏光板82の下面に形成されてもよい。
【0052】
このとき、前記検出電極72は、前記第1方向と交差する第2方向(例えば、Y軸方向)に所定間隔離隔して配列される複数のパターンで実現される。
【0053】
ここで、前記検出電極72は、透明導電性物質(例えば、ITO)で形成し、前記透明導電性物質がパターニングされたフィルムを前記第2偏光板82またはウィンドウ190などに取り付けることにより、これを実現することができる。
【0054】
以下、本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置の電極構造及び動作を、
図4〜
図6を用いてより詳細に説明する。
【0055】
図4は、
図3における共通電極パターン(駆動電極)及び検出電極の構造を示す斜視図であり、
図5は、
図3における共通電極パターン(駆動電極)及び検出電極の構造を示す上面図である。
【0056】
図4に示すように、前記共通電極70を第1方向(例えば、X軸方向)に所定間隔離隔して配列されるX
1〜X
nのパターン70aに形成し、これをタッチスクリーンパネルの駆動電極として用い、前記駆動電極70aに対応する検出電極72は、前述したように、前記第1方向と交差する第2方向(例えば、Y軸方向)に所定間隔離隔して配列されるY
1〜Y
nのパターンを第2基板61の外側に形成することにより実現される。
【0057】
このような駆動電極70aと検出電極72との配列により、互いに交差する地点に対しては、駆動電極と検出電極との間の相互静電容量が形成され、前記相互静電容量が形成される各交差点は、タッチ認識を実現する各々の検出セル100となる。
【0058】
図6は、一般的に、共通電極に供給される信号を示すタイミングチャートである。本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置に画像を表示すると同時に、外部で接触するタッチを検出するために、
図6のような信号を共通電極70に供給することができる。
【0059】
図6に示すように、画像を表示するために、ゲート配線G1〜Gnにゲート信号が順次供給される期間、すなわち、所定の画像を表示する第1フレーム期間T1には共通電極70の電圧が一定に維持されなければならないため、各共通電極70には同じ大きさの共通電圧が供給される。
【0060】
その後、タッチ認識を行う第2フレームT2期間には、各共通電極70に対してハイレベルの電圧を有する駆動信号が順次供給される。駆動信号は、タッチ位置を決定するためのものであって、前記共通電圧より高い電圧であることが好ましい。
【0061】
駆動信号が供給された検出セル100に指などがタッチされる場合には、相互静電容量の変化による電圧が検出されるため、タッチ位置を検出することができる。すなわち、X
1駆動電極とY
1検出電極とが重なる検出セル100に指が位置する場合を挙げると、X
1駆動電極に駆動信号が供給されたとき、指により相互静電容量が変化し、変化した相互静電容量による特定の電圧がY
1検出電極から検出されることにより、X
1駆動電極とY
1検出電極との交差点がタッチ位置に特定される。
【0062】
しかし、タッチ位置の認識のために、
図6のような方式により各共通電極70に駆動信号を供給すると、共通電極70の電圧が急激に変化することにより、液晶キャパシタClcにかかる画素電圧も異常変化し、画質異常(チラツキ現象、横線の発生など)をもたらすようになる。また、タッチをより良く検出するためには、共通電極70に印加される駆動信号の電圧の大きさを大きくし、駆動信号の供給回数を増やすことがよいが、これは、相対的に画素電圧に及ぼす影響が大きくなるので、画質問題はさらに悪化する。
【0063】
したがって、駆動信号の供給による画質問題を解決するために、本発明の実施形態によるタッチスクリーンパネル一体型液晶表示装置の共通電極駆動部5は、前記共通電極70に順次に駆動信号を供給するが、前記供給される駆動信号と反対の位相を有する補償信号をともに供給する。補償信号は、前記駆動信号と位相が反対となり、大きさが同じ電圧であり得る。
【0064】
図7は、本発明の第1実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
【0065】
図7に示すように、所定の画像を表示する第1フレーム期間T1には各共通電極70に同じ大きさの共通電圧を供給する。しかし、タッチ認識を行う第2フレーム期間T2には各共通電極70に対して駆動信号を印加し、前記駆動信号と位相が反対の補償信号を駆動信号に続けて供給する。
【0066】
したがって、共通電極70に駆動信号が供給されることによって発生する画素電圧の異常変化が前記補償信号により相殺されるため、画質問題は発生しない。
【0067】
このような第1実施形態は、下記の第2実施形態ないし第4実施形態に変更実施できる。
【0068】
図8は、本発明の第2実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
【0069】
図8に示すように、所定の画像を表示する第1フレーム期間T1には各共通電極70に同じ大きさの共通電圧を供給する。しかし、タッチ認識を行う第2フレーム期間T2には各共通電極70に対して駆動信号と位相が反対の補償信号を先に印加し、その後、補償信号に続けて駆動信号を供給する。
【0070】
図9は、本発明の第3実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
図9に示す第3実施形態は
図7と類似しているが、駆動信号と補償信号との間の所定期間T
bに共通電圧が印加される。
【0071】
図10は、本発明の第4実施形態により共通電極駆動部が共通電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。
図10に示す第4実施形態は
図8と類似しているが、駆動信号と補償信号との間の所定期間T
bに共通電圧が印加される。
【0072】
結局、第1実施形態及び第3実施形態のように、駆動信号が供給された後に補償信号が供給されてもよく、第2実施形態及び第4実施形態のように、補償信号が先に供給された後に駆動信号が供給されてもよい。
【0073】
また、第1実施形態及び第2実施形態のように、駆動信号と補償信号が続けて供給されてもよく、第3実施形態及び第4実施形態のように、駆動信号と補償信号との間に共通電圧が供給される所定期間T
bが存在してもよい。
【0074】
上述した実施形態では、駆動信号と補償信号が順次に各共通電極70に供給されるが、このとき、現在の共通電極X
i(iは自然数)に供給される駆動信号及び補償信号は、前の共通電極X
i−1に供給される駆動信号及び補償信号に重畳しないように供給されることが好ましい。また、第1フレーム期間T1と第2フレーム期間T2とは、交互に動作することが好ましい。
【符号の説明】
【0075】
3:ゲート駆動部、
4:データ駆動部、
5:共通電極駆動部、
6:タイミング制御部、
11:第1基板、
50:画素電極、
61:第2基板、
63:ブラックマトリクス、
66:カラーフィルタパターン、
70:共通電極、
70a:共通電極パターン(駆動電極)、
72:検出電極、
80、82:偏光板、
90:液晶層、
100:検出セル、
190:ウィンドウ、
192:粘着層、
300:バックライト、
Clc:液晶キャパシタ、
P:画素、
Tr:薄膜トランジスタ。