【文献】
鷲野 浩之,デジタルメディアを支える先進技術,三菱電機技報,日本,三菱電機エンジニアリング株式会社,2008年12月25日,82巻12号,pp. 43-46
【文献】
鷲野 浩之,複数点検出可能なアナログタッチパネル,ヒューマンインタフェースシンポジウム2007 論文集 みんなのインタフェース みんなでデザイン [DVD−ROM],日本,特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会,2007年 9月 3日,pp. 255-258
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1、第2、第3端子と、一辺が前記第1端子と接続され、それと対向する辺が前記第2端子と接続される第1抵抗膜と、前記第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、その一辺が前記第3端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルの制御回路であって、
前記第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加する電圧生成部と、
前記第3端子に生ずるパネル電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1端子、前記第1抵抗膜、前記第2端子を含む経路に流れるパネル電流を検出する電流検出部と、
前記パネル電圧および前記パネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した座標を判定する座標判定部と、
を備え、
前記電圧生成部は、
前記第1端子、前記第1抵抗膜、前記第2端子を含む経路の前記第1端子側の延長上に設けられた出力トランジスタを有し、前記第1端子に前記第1バイアス電圧を印加するレギュレータを含み、
前記電流検出部は、
前記出力トランジスタとカレントミラー回路を形成するように接続された検出トランジスタと、
当該検出トランジスタの経路上に設けられた検出抵抗と、
前記検出抵抗の電圧降下に応じた検出電圧を受ける入力端子を有し、前記検出電圧と所定の電圧との差分を増幅し、前記パネル電流を示す値として出力する増幅回路と、
前記増幅回路の前記入力端子とその出力端子の間に設けられたスイッチと、
を含み、
キャリブレーション時に前記スイッチをオンとし、前記タッチパネルに接触しない状態において前記増幅回路の出力電圧を測定し、測定された電圧にもとづいて、前記所定の電圧が設定されることを特徴とする制御回路。
第1、第2、第3、第4端子と、その一辺が前記第1端子と接続され、それと対向する辺が前記第2端子と接続される第1抵抗膜と、前記第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、その一辺が前記第3端子と接続され、それと対向する辺が前記第4端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルの制御回路であって、
第1状態において前記第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、前記第3、第4端子をハイインピーダンス状態とし、第2状態において前記第3、第4端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、前記第1、第2端子をハイインピーダンス状態とする電圧生成部と、
前記第1状態において、前記第3、第4端子の一方に生ずるパネル電圧を検出し、前記第2状態において、前記第1、第2端子の一方に生ずるパネル電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1状態において、前記第1端子、前記第1抵抗膜、前記第2端子を含む経路に流れるパネル電流を検出し、前記第2状態において、前記第3端子、前記第2抵抗膜、前記第4端子を含む経路に流れるパネル電流を検出する電流検出部と、
前記パネル電圧および前記パネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した座標を判定する座標判定部と、
を備え、
前記電圧生成部は、
出力トランジスタを有し、前記第1バイアス電圧を生成するレギュレータと、
その入力端子に前記第1バイアス電圧を受け、その第1出力端子に前記第1端子が接続され、その第2出力端子に前記第3端子が接続され、前記第1状態において前記第1出力端子側にオンし、前記第2状態において前記第2出力端子側にオンするセレクタと、
を含み、
前記電流検出部は、
前記出力トランジスタとカレントミラー回路を形成するように接続された検出トランジスタと、
当該検出トランジスタの経路上に設けられた検出抵抗と、
前記検出抵抗の電圧降下に応じた検出電圧を受ける入力端子を有し、前記検出電圧と所定の電圧との差分を増幅し、前記パネル電流を示す値として出力する増幅回路と、
前記増幅回路の前記入力端子とその出力端子の間に設けられたスイッチと、
を含み、
キャリブレーション時に前記スイッチをオンとし、前記タッチパネルに接触しない状態において前記増幅回路の出力電圧を測定し、測定された電圧にもとづいて、前記所定の電圧が設定されることを特徴とする制御回路。
第1、第2、第3、第4端子と、その一辺が前記第1端子と接続され、それと対向する辺が前記第2端子と接続される第1抵抗膜と、前記第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、その一辺が前記第3端子と接続され、それと対向する辺が前記第4端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルの制御回路であって、
第1状態において前記第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、前記第3、第4端子をハイインピーダンス状態とし、第2状態において前記第3、第4端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、前記第1、第2端子をハイインピーダンス状態とする電圧生成部と、
前記第1状態において、前記第3、第4端子それぞれに生ずるパネル電圧を個別に検出し、前記第2状態において、前記第1、第2端子それぞれに生ずるパネル電圧を個別に検出する電圧検出部と、
前記第1状態において、前記第1端子、前記第1抵抗膜、前記第2端子を含む経路に流れるパネル電流を検出し、前記第2状態において、前記第3端子、前記第2抵抗膜、前記第4端子を含む経路に流れるパネル電流を検出する電流検出部と、
前記パネル電圧および前記パネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した座標を判定する座標判定部と、
を備え、
前記電圧生成部は、
出力トランジスタを有し、前記第1バイアス電圧を生成するレギュレータと、
その入力端子に前記第1バイアス電圧を受け、その第1出力端子に前記第1端子が接続され、その第2出力端子に前記第3端子が接続され、前記第1状態において前記第1出力端子側にオンし、前記第2状態において前記第2出力端子側にオンするセレクタと、
を含み、
前記電流検出部は、
前記出力トランジスタとカレントミラー回路を形成するように接続された検出トランジスタと、
当該検出トランジスタの経路上に設けられた検出抵抗と、
前記検出抵抗の電圧降下に応じた検出電圧を受ける入力端子を有し、前記検出電圧と所定の電圧との差分を増幅し、前記パネル電流を示す値として出力する増幅回路と、
前記増幅回路の前記入力端子とその出力端子の間に設けられたスイッチと、
を含み、
キャリブレーション時に前記スイッチをオンとし、前記タッチパネルに接触しない状態において前記増幅回路の出力電圧を測定し、測定された電圧にもとづいて、前記所定の電圧が設定されることを特徴とする制御回路。
前記電流検出部は、前記第1状態と前記第2状態において、前記出力トランジスタと前記検出トランジスタのミラー比を切りかえ可能に構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の制御回路。
前記座標判定部は、前記パネル電流の値が所定の値より大きいとき、ユーザが複数の点を接触しているものと判定することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の制御回路。
ユーザがパネルに接触していないときに測定された前記パネル電流と、接触したときの前記パネル電流の差分にもとづいて、前記2点の座標間隔を決定することを特徴とする請求項9に記載の制御回路。
第1、第2、第3端子と、一辺が前記第1端子と接続され、それと対向する辺が前記第2端子と接続される第1抵抗膜と、前記第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、その一辺が前記第3端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルと、
前記タッチパネルを制御する請求項1から12のいずれかに記載の制御回路と、
を備えることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、マルチタッチに対応したタッチパネルが要求されているが、それは静電センサ型のタッチパネルでのみ実現されており、抵抗膜方式のタッチパネルでは実現されていない。なぜなら抵抗膜方式のタッチパネルにおいては、パネルから出力される電圧にもとづいてユーザがタッチした位置(座標)が決定されるところ、2点をタッチした場合(マルチタッチ)のパネルの出力電圧と、1点をタッチした場合(シングルタッチ)のパネルの出力電圧を区別することができないからである。
【0005】
特許文献1には、マルチタッチの検出が可能なタッチパネル入力装置が開示されているが、マルチタッチを誤入力として扱っており、積極的にマルチタッチを有効な入力としては扱っておらず、したがってマルチタッチにともなう複数の点の座標を特定する技術は開示されていない。
【0006】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、マルチタッチに対応可能なタッチパネルの制御技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、タッチパネルの制御回路に関する。タッチパネルは、第1、第2、第3端子と、一辺が第1端子と接続され、それと対向する辺が第2端子と接続される第1抵抗膜と、第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、その一辺が第3端子と接続される第2抵抗膜と、を有する。制御回路は、第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加する電圧生成部と、第3端子に生ずるパネル電圧を検出する電圧検出部と、第1端子、第1抵抗膜、第2端子を含む経路に流れるパネル電流を検出する電流検出部と、パネル電圧およびパネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した座標を判定する座標判定部と、を備える。電圧生成部は、第1端子、第1抵抗膜、第2端子を含む経路の第1端子側の延長上に設けられた出力トランジスタを有し、第1端子に第1バイアス電圧を印加するレギュレータを含む。電流検出部は、出力トランジスタとカレントミラー回路を形成するように接続された検出トランジスタと、当該検出トランジスタの経路上に設けられた検出抵抗と、検出抵抗の電圧降下と所定の電圧との差分を増幅し、パネル電流を示す値として出力する増幅回路と、を含む。
【0008】
ユーザがタッチパネルの複数の点にタッチすると、第1端子から第2端子に至る経路の合成抵抗値が減少し、それに応じたパネル電流が変化する。この態様によると、パネル電流をモニタすることにより、マルチタッチを好適に検出でき、さらに複数点の座標を決定することができる。また、パネル電流を検出するための検出抵抗が、第1端子、第1抵抗膜、第2端子を含む経路ではなく、それとは別の経路に設けられているため、パネル電圧に影響を与えることなく、パネル電流を検出できる。また所定の電圧を最適化することにより、増幅回路の出力電圧は、タッチパネルの接触に応じたパネル電流の変化量に比例した値となる。そしてタッチパネルの第1抵抗膜と第2抵抗膜の接触抵抗が大きい場合にも、マルチタッチを検出できる。
【0009】
本発明の別の態様もまた、制御回路である。この制御回路は、第1状態において第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、第3、第4端子をハイインピーダンス状態とし、第2状態において第3、第4端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、第1、第2端子をハイインピーダンス状態とする電圧生成部と、第1状態において、第3、第4端子の一方に生ずるパネル電圧を検出し、第2状態において、第1、第2端子の一方に生ずるパネル電圧を検出する電圧検出部と、第1状態において、第1端子、第1抵抗膜、第2端子を含む経路に流れるパネル電流を検出し、第2状態において、第3端子、第2抵抗膜、第4端子を含む経路に流れるパネル電流を検出する電流検出部と、パネル電圧およびパネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した座標を判定する座標判定部と、を備える。電圧生成部は、出力トランジスタを有し、第1バイアス電圧を生成するレギュレータと、その入力端子に第1バイアス電圧を受け、その第1出力端子に第1端子が接続され、その第2出力端子に第3端子が接続され、第1状態において第1出力端子側にオンし、第2状態において第2出力端子側にオンするセレクタと、を含む。電流検出部は、出力トランジスタとカレントミラー回路を形成するように接続された検出トランジスタと、当該検出トランジスタの経路上に設けられた検出抵抗と、検出抵抗の電圧降下と所定の電圧との差分を増幅し、パネル電流を示す値として出力する増幅回路と、を含む。
【0010】
この態様によると、X方向とY方向の両方についてマルチタッチおよび複数点の座標を決定できる。また、パネル電流を検出するための検出抵抗が、タッチパネルに直接接続されていないため、パネル電圧に影響を与えることなく、パネル電流を検出できる。また所定の電圧を最適化することにより、増幅回路の出力電圧は、タッチパネルの接触に応じたパネル電流の変化量に比例した値となる。そしてタッチパネルの第1抵抗膜と第2抵抗膜の接触抵抗が大きい場合にも、マルチタッチを検出できる。
【0011】
本発明のさらに別の態様もまた、制御回路である。この制御回路は、第1状態において第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、第3、第4端子をハイインピーダンス状態とし、第2状態において第3、第4端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、第1、第2端子をハイインピーダンス状態とする電圧生成部と、第1状態において、第3、第4端子それぞれに生ずるパネル電圧を個別に検出し、第2状態において、第1、第2端子それぞれに生ずるパネル電圧を個別に検出する電圧検出部と、第1状態において、第1端子、第1抵抗膜、第2端子を含む経路に流れるパネル電流を検出し、第2状態において、第3端子、第2抵抗膜、第4端子を含む経路に流れるパネル電流を検出する電流検出部と、パネル電圧およびパネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した座標を判定する座標判定部と、を備える。電圧生成部は、出力トランジスタを有し、第1バイアス電圧を生成するレギュレータと、その入力端子に第1バイアス電圧を受け、その第1出力端子に第1端子が接続され、その第2出力端子に第3端子が接続され、第1状態において第1出力端子側にオンし、第2状態において第2出力端子側にオンするセレクタと、を含む。電流検出部は、出力トランジスタとカレントミラー回路を形成するように接続された検出トランジスタと、当該検出トランジスタの経路上に設けられた検出抵抗と、検出抵抗の電圧降下と所定の電圧との差分を増幅し、パネル電流を示す値として出力する増幅回路と、を含む。
【0012】
増幅回路は、検出抵抗の電圧降下を受けるバッファと、演算増幅器と、バッファの出力と演算増幅器の第1入力端子との間に設けられた第1抵抗と、演算増幅器の第1入力端子と固定電圧端子の間に設けられた第2抵抗と、その一端に所定の電圧を受け、その他端が演算増幅器の第2入力端子と接続された第3抵抗と、演算増幅器の第2入力端子と演算増幅器の出力端子の間に設けられた第4抵抗と、を含んでもよい。
【0013】
電圧検出部は、パネル電圧を受けるバッファと、バッファの出力電圧をサンプルホールドし、サンプルホールドした値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、を含んでもよい。
バッファを設けない場合、A/Dコンバータの入力段のキャパシタがパネルの接触抵抗を介して充電されることになり、パネルの接触抵抗が大きいとサンプルホールドに要する時間が長くなる。そこで出力インピーダンスの小さなバッファを設けることにより、パネルの接触抵抗にかかわらず、サンプルホールド時間を短縮できる。
【0014】
電流検出部は、第1状態と第2状態において、出力トランジスタと検出トランジスタのミラー比を切りかえ可能に構成されてもよい。
電流検出部は、第1状態と第2状態において、検出抵抗の抵抗値を切りかえ可能に構成されてもよい。
タッチパネルの縦の長さと横の長さ(つまりアスペクト比)が大きく異なる場合、縦方向の合成抵抗と横方向の合成抵抗が異なり、パネル電流のレンジがX方向とY方向とで異なる場合が想定される。この場合に、ミラー比や検出抵抗の値を切りかえることにより、検出抵抗の電圧降下の範囲を揃えることができる。
【0015】
座標判定部は、パネル電流の値が所定の値より大きいとき、ユーザが複数の点を接触しているものと判定してもよい。
【0016】
ユーザが2点に接触しているとき、パネル電流の値にもとづいて2点の座標間隔を決定してもよい。パネル電流が大きいほど、2点の座標間隔が大きいと判定してもよい。
ユーザが2点に接触すると、その2点の間は、第1抵抗膜と第2抵抗膜が並列に接続されるため、第1から第2端子に至る経路の合成抵抗が低下し、したがってパネル電流が増大する。2点の距離が離れるほど、第1抵抗膜と第2抵抗膜が並列に接続される距離が長くなるため、合成抵抗は小さくなり、パネル電流は大きくなる。したがって、パネル電流にもとづいて2点の座標間隔を決定することができる。
【0017】
ユーザがパネルに接触していないときに測定されたパネル電流と、接触したときのパネル電流の差分にもとづいて、2点の座標間隔を決定してもよい。
【0018】
座標判定部は、パネル電圧にもとづいて2点の中心座標を決定し、当該中心座標に2点の座標間隔に応じた値を加算することで、2点の一方の座標を決定し、中心座標から2点の座標間隔に応じた値を減算することで、2点の他方の座標を決定してもよい。
【0019】
本発明のさらに別の態様は、タッチパネル入力装置である。この入力装置は、タッチパネルと、タッチパネルを制御する上述のいずれかの制御回路と、を備える。
【0020】
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、上述のタッチパネル入力装置を備える。
【0021】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0022】
本発明のある態様によれば、接触抵抗が大きなタッチパネルについても、マルチタッチ入力を正確に検出できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0025】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0026】
図1は、実施の形態に係るタッチパネル入力装置(単に入力装置という)2を備える電子機器1の構成を示すブロック図である。入力装置2は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)8の表層に配置され、タッチパネルとして機能する。入力装置2は、ユーザが指やペンなど(以下、指6)でタッチしたポイント(点)のX座標およびY座標を判定する。
【0027】
入力装置2は、タッチパネル4、制御回路100を備える。タッチパネル4は4線式(4端子)の抵抗膜方式タッチパネルである。タッチパネル4の構成は一般的なものであるためここでは簡単に説明する。
【0028】
タッチパネル4は、第1端子P1x〜第4端子P2y、第1抵抗膜RF1、第2抵抗膜RF2を備える。
第1抵抗膜RF1および第2抵抗膜RF2は、X軸およびY軸に対して垂直なZ軸方向にギャップを隔ててオーバーラップして配置される。第1抵抗膜RF1のX軸と垂直な一辺E1は、第1端子P1xと接続される。辺E1と対向する辺E2は、第2端子P2xと接続される。第3端子P1yは、第2抵抗膜RF2のX軸と平行な一辺E3と接続され、第4端子P2yは、第2抵抗膜RF2の辺E3と対向する一辺E4と接続される。
以上がタッチパネル4の構成である。
【0029】
制御回路100は、X方向の座標を検出する第1状態φxと、Y方向の座標を検出する第2状態φyを時分割的にスイッチしながら、ユーザが接触した点の位置を判定する。
【0030】
制御回路100は、第1端子Pc1x〜第4端子Pc2y、電圧生成部10、電圧検出部20、電流検出部30、演算部40を備える。
第1端子Pc1x〜第4端子Pc2yはそれぞれ、タッチパネル4側の対応する第1端子P1x〜第4端子P2yと接続される。
【0031】
はじめに、X方向の座標(X座標)を検出するための構成を説明する。
電圧生成部10は、第1状態φxにおいて、第1端子P1x、第2端子P2xそれぞれに所定の第1バイアス電圧Vb1、第2バイアス電圧Vb2を印加する。ここではVb1>Vb2とする。好ましくは第2バイアス電圧Vb2は接地電圧(0V)である。また第1状態において、電圧生成部10は第3端子P1y、第4端子P2yをハイインピーダンス状態とする。
【0032】
電圧検出部20は、第1状態φxにおいて第3端子P1yに生ずるパネル電圧VPxを検出する。電圧検出部20は、A/Dコンバータ24を含み、検出したパネル電圧VPxをデジタル信号VPx’に変換する。
【0033】
電流検出部30は、第1状態φxにおいて第1端子P1x、第1抵抗膜RF1、第2端子P2xを含む経路に流れるパネル電流IPxを検出する。電流検出部30は、パネル電流IPxを電圧信号に変換するI/V変換部32と、その電圧信号をデジタル信号VPx’に変換するA/Dコンバータ34を含む。
【0034】
演算部(座標判定部)40は、パネル電圧VPx’およびパネル電流IPx’の値にもとづき、ユーザが接触した点PUのX座標を判定する。
【0035】
続いてY方向の座標(Y座標)を検出するための構成を説明する。
電圧生成部10は、第2状態φyにおいて、第3端子P1y、第4端子P2yそれぞれに所定の第1バイアス電圧Vb1、第2バイアス電圧Vb2を印加する。また第2状態φyにおいて、電圧生成部10は第1端子P1x、第2端子P2xをハイインピーダンス状態とする。第1状態および第2状態それぞれにおける第1バイアス電圧Vb1は同じ値であってもよいし、異なっていてもよい。以下では、同じ値の場合を説明する。第2バイアス電圧Vb2も同様である。
【0036】
電圧検出部20は、第2状態φyにおいて第1端子P1xに生ずるパネル電圧VPyを検出する。A/Dコンバータ24は検出したパネル電圧VPyをデジタル信号VPy’に変換する。電圧検出部20には2入力のセレクタ22が設けられており、第1入力(0)は第3端子P1yと接続され、第2入力(1)は第1端子P1xと接続される。セレクタ22は、第1状態φxにおいて第1入力(0)側にオンし、第2状態φxにおいて第2入力(1)側にオンする。
【0037】
なお、電圧検出部20は、第1状態φxにおいて、第3端子P1yに代えて、あるいはそれに加えて、第4端子P2yに生ずる電圧をパネル電圧VPxとして測定してもよい。同様に電圧検出部20は、第2状態φyにおいて、第1端子P1xに代えて、あるいはそれに加えて、第2端子P2xに生ずる電圧をパネル電圧VPyとして測定してもよい。
【0038】
電流検出部30は、第2状態φyにおいて第3端子P1y、第2抵抗膜RF2、第4端子P2yを含む経路に流れるパネル電流IPyを検出する。I/V変換部32はパネル電流IPyを電圧信号に変換し、A/Dコンバータ34はデジタル値IPy’に変換する。
【0039】
演算部(座標判定部)40は、パネル電圧VPy’およびパネル電流IPy’の値にもとづき、ユーザが接触した点PUのY座標を判定する。
【0040】
つまり第3端子P1yは、第1状態φxにおいて、パネル電圧VPxを検出するための端子として機能し、第2状態φyにおいて、バイアス電圧Vb2を第2抵抗膜RF2に印加するための端子として機能する。同様に第1端子P1xは、第2状態φyにおいて、パネル電圧VPyを検出するための端子として機能し、第1状態φxにおいて、バイアス電圧Vb1を第1抵抗膜RF1に印加するための端子として機能する。なお、第3端子P1yに代えて第4端子P2yをパネル電圧VPxを検出するための端子としてもよいし、第1端子P1xに代えて第2端子P1yをパネル電圧VPyを検出するための端子としてもよい。
【0041】
以上が制御回路100の全体構成である。続いて、制御回路100による座標検出の原理を説明する。ここでは第1状態φxにおいてX座標を検出する際の原理について説明するが、Y座標についても同様である。
【0042】
図2(a)、(b)は、それぞれシングルタッチ状態およびマルチタッチ状態における等価回路図を示す。なお等価回路に示される各抵抗は、実際には分布定数として生ずるものであるが、ここでは説明を簡潔にするため、個別の抵抗素子として示している。
【0043】
(シングルタッチ状態)
図2(a)を参照する。ユーザが1点PUで接触すると、第1抵抗膜RF1は、第1端子P1xと点PU間の抵抗R1
1と、点PUと第2端子P2x間の抵抗R1
2に分割される。第1抵抗膜RF1と第2抵抗膜RF2は、点PUにおいて接触し、その接触抵抗はRcである。第2抵抗膜RF2の点PUから第3端子P1yに至る経路の抵抗はR2である。
【0044】
点PUの電位は、バイアス電圧Vb1とVb2を抵抗R1
1、R1
2で分圧したものであるから、点PUのX座標を示す。PUの電位は、第3端子P1yの電圧とほぼ等しい。つまり、第3端子P1yに生ずるパネル電圧VPxは、点PUのX座標を示す。
【0045】
パネル電圧VPxからX座標を導出するアルゴリズムは、公知の技術を利用すればよく、本発明において特に限定されるものではない。
【0046】
第3端子P1yから制御回路100側をみたインピーダンスは十分に高いため、パネル電流IPxは、第1端子P1x、抵抗R1
1、R1
2、第2端子P2xの経路を流れる。つまり第1端子P1xと第2端子P2xの間のインピーダンスZsは、
Zs=R1
1+R1
2
で与えられ、接触点PUの位置によらずに一定と考えられ、さらにはユーザが接触していないときのインピーダンスZoともほぼ同じ値となる。
Zs≒Zo
以下、非接触状態とシングルタッチ状態のインピーダンスは特に区別せずに、基準インピーダンスZoと称す。
【0047】
シングルタッチ状態もしくは非接触状態において、第1端子P1xから第2端子P2xに流れるパネル電流IPxは、
IPxo=(Vb1−Vb2)/Zo
で与えられる。このパネル電流IPxoを、基準パネル電流と称する。
【0048】
(マルチタッチ状態)
図2(b)を参照する。ユーザが2点PU1、PU2で接触すると、第1抵抗膜RF1は、第1端子P1xと点PU1間の抵抗R1
1と、点PU1と点PU2の間の抵抗R1
2と、点PU2と第2端子P2x間の抵抗R1
3に分割される。第1抵抗膜RF1と第2抵抗膜RF2は、点PU1、PU2において接触し、それぞれの接触抵抗はRc
1、Rc
2である。
第2抵抗膜RF2上において、点PU1とPU2の間の抵抗はR2
1であり、点PU1から第3端子P1yに至る経路の抵抗はR2
2であり、点PU2から第3端子P1yに至る経路の抵抗はR2
3である。
【0049】
マルチタッチ状態におけるパネル電流IPxは、第1端子P1xと第2端子P2xの間の合成インピーダンスZmによって定まる。この合成インピーダンスZmと、非接触状態もしくはシングルタッチ状態のインピーダンスZoは、
Zm<Zo
が成り立つ。
【0050】
したがって、マルチタッチ状態におけるパネル電流IPxmと基準パネル電流IPxoの間には、
IPxm>IPxo
の関係が成り立つ。
【0051】
つまり、パネル電流IPxを監視し、基準パネル電流IPxoと比較することにより、マルチタッチ状態とシングルタッチ状態(非接触状態)を区別することができる。
【0052】
点PU1、PU2の電位は、バイアス電圧Vb1とVb2を抵抗R1
1、R1
2、R1
3およびその他の抵抗成分で分圧したものであるから、点PU1、PU2それぞれのX座標と相関を有する。そして、第3端子P1yに生ずるパネル電圧VPxも、2点PU1、PU2と相関を有しているから、マルチタッチ状態であることが既知であれば、パネル電圧VPxにもとづいて、点PU1、PU2の座標を推定することができる。
【0053】
さらに言えば、パネル電圧VPxにもとづき、シングルタッチ状態と同様のアルゴリズムによって決定したひとつのX座標X3は、ユーザが接触した点PU1、PU2の間のいずれかの点の座標を示す。つまり点PU1、PU2の真のX座標をX1、X2と書くとき、
X1<X3<X2
が成り立つ。
【0054】
つまり、パネル電圧VPxにもとづいて導出された座標X3を利用すれば、点PU1、PU2の座標を推定することができる。推定アルゴリズムについては後述する。
【0055】
このように、実施の形態に係る制御回路100によれば、パネル電圧VPxに加えて、パネル電流IPxを監視し、それらを組み合わせて処理することにより、シングルタッチのみでなくマルチタッチ状態におけるユーザの接触点の座標を決定することができる。
【0056】
続いて、演算部40の具体的な構成例および処理について説明する。
【0057】
演算部40は、マルチタッチ判定部42、距離演算部44、テーブル46、座標生成部48を備える。
【0058】
図3は、
図1の制御回路100における処理のフローチャートである。
図3のフローは、X座標を判定する第1状態φxを示す。なお、各ステップは、処理に支障を来さない範囲において入れ換えることが可能であり、あるいはいくつかのステップを同時並列的に処理してもよい。
【0059】
まず、電圧生成部10によって第1端子P1x、第2端子P2xにバイアス電圧Vb1、Vb2が印加される(S100)。その状態で電圧検出部20はパネル電圧VPxを測定し(S102)、電流検出部30は、パネル電流IPxを測定する(S104)。
演算部40は、こうして得られたパネル電圧VPx、パネル電流IPxに対応するデジタル値VPx’、IPx’を受ける。
【0060】
続いて、ユーザのタッチの有無が判定される(S106)。ユーザがX座標が小さい点(辺E1付近)に接触するとパネル電圧VPxは高くなり、X座標が大きい点(辺E2付近)に接触するとパネル電圧VPxは低くなる。非接触状態においては、第3端子P1yには電圧が印加されないため、パネル電圧VPxは0V付近となる。
そこで座標生成部48は、パネル電圧VPxを所定のしきい値電圧Vthと比較することで、タッチの有無を判定する。しきい値電圧Vthは、0V付近の値に設定される。
【0061】
VPx>Vthのとき(S106のY)、接触状態と判定される。続いてマルチタッチ判定部42によってマルチタッチの有無が判定される(S110)。マルチタッチの有無は、上述のようにパネル電流IPxを所定の基準電流IPxoと比較することで判定される。
【0062】
マルチタッチ判定部42は、IPx<IPxoのとき(S110のN)、シングルタッチと判定し、その判定結果を座標生成部48へと通知する。座標生成部48は、パネル電圧VPxにもとづいてX座標を決定する(S118)。
【0063】
マルチタッチ判定部42は、IPx>IPxoのとき(S110のY)、マルチタッチと判定し、その判定結果を距離演算部44および座標生成部48へと通知する。
【0064】
マルチタッチと判定されると、距離演算部44は2点PU1、PU2の距離ΔXを決定する(S112)。
【0065】
本発明者は、2点PU1とPU2の距離ΔXとパネル電流IPxには相関関係があることを認識するに至った。すなわち、2点間の距離ΔXがゼロのときは、シングルタッチと同じであるから、パネル電流IPxは基準電流IPxoとほぼ同じである。
図4(a)、(b)は、マルチタッチ状態におけるパネル電流と点の関係を示す図である。
【0066】
2点間の距離ΔXが大きくなるに従い、抵抗R1
2とR2
1が並列接続される距離が長くなるため、第1端子P1xと第2端子P2xの間の合成インピーダンスZmは低下し、それにともないパネル電流IPxは大きくなっていく。2点間の距離ΔXが、パネルのX軸方向の長さLxに達したとき、パネル電流IPxは最小値IPxminとなる。
【0067】
つまり、パネル電流IPxと2点の距離ΔXは1対1で対応する。言い換えれば、パネル電流IPxと基準電流IPxoの差分(IPx−IPxo)は距離ΔXと1対1で対応する。
図4(a)は、差分電流(IPx−IPxo)と距離ΔXの関係を示す図である。
【0068】
図4(a)に示す特性は、タッチパネル4ごとに予め測定しておけばよく、あるいはシミュレーションによって導出してもよい。テーブル46は、差分電流(IPx−IPxo)と距離ΔXの関係を格納する。
距離演算部44は、パネル電流IPxにもとづいて、テーブル46を参照することで、対応する距離ΔXを決定し、座標生成部48へと出力する。なお、テーブル46に代えて、
図4(a)の特性の近似式を格納しておき、演算によって距離ΔXを算出してもよい。
【0069】
座標生成部48は、距離ΔXを示すデータと、パネル電圧VPxを受ける。座標生成部48は、パネル電圧VPxに対応するX座標X3を、シングルタッチと同様のアルゴリズム、あるいはそれと異なるアルゴリズムで算出する。そして、そのX座標X3を、2点の中心座標とする(S114)。
【0070】
座標生成部48は、中心座標X3に2点の座標間隔ΔXに応じた値(ここでは半分)ΔX/2を加算することで、2点の一方の座標PU2を決定し、中心座標X3から2点の座標間隔ΔXに応じた値ΔX/2を減算することで、2点の他方の座標PU1を決定する(S116)。
図4(b)はこの処理を示す。その後、ステップS100に戻る。
【0071】
ステップS106を再度参照すると、VPx<Vthのとき(S106のN)、座標生成部48は非接触状態と判定する。続いてステップS104において、マルチタッチ判定部42は測定したパネル電流IPxを用いて基準パネル電流IPxoを更新する(S108)。その後、ステップS100に戻る。
【0072】
以上が制御回路100による具体的な処理のフローである。
【0073】
入力装置2によれば、シングルタッチ、マルチタッチを好適に判別することができ、それぞれの状態における点の座標を生成することができる。さらに実施の形態に係る入力装置2は、以下の利点を有する。
【0074】
ステップS108において、基準パネル電流IPxoを更新することにより、タッチパネル4の経年劣化や温度変動の影響を低減することができる。すなわち、劣化や温度変動に応じて第1抵抗膜RF1、第2抵抗膜RF2およびそれらの接触抵抗の値が変化すると、それに応じて基準電流IPxoが変化する。したがって基準電流IPxoを固定的に用いると、マルチタッチの誤検出の原因となったり、あるいは2点間の距離ΔXに誤差が生ずる。これに対して、処理の途中において、基準電流IPxoを更新することにより、こうした問題を好適に解決できる。
【0075】
また、マルチタッチ状態において、2点間の距離ΔXを決定する際に、差分電流(IPx−IPxo)を用いることには以下のメリットがある。上述のようにパネルのインピーダンスは経時的、あるいは温度変動にともなって変化するため、同じ座標にタッチしたときのパネル電流IPxの値も変化する。そこで、差分電流を算出すれば、経年劣化や温度変動の影響を低減することができ、正確な座標検出が可能となる。
【0076】
図5は、
図1の電流検出部30の構成例を示す回路図である。電流検出部30は、検出抵抗Rsx、Rsy、バイパススイッチSW1x、SW1yおよびセレクタ36、A/Dコンバータ34を含む。検出抵抗Rsx、Rsyは、
図1のI/V変換部32に対応する。
【0077】
検出抵抗Rsx、バイパススイッチSW1xは、X軸方向の座標検出に利用され、検出抵抗Rsy、バイパススイッチSW1yは、Y軸方向の座標検出に利用される。X軸とY軸に関して、同様に構成されるため、ここではX軸方向について説明する。
【0078】
検出抵抗Rsxは、第1端子P1x、第1抵抗膜RF1、第2端子P2xを含む経路の延長上に設けられる。具体的には、検出抵抗Rsxの一端は接地されて電位が固定され、他端は第2端子Pc2xに接続される。
バイパススイッチSW1xは、対応する検出抵抗Rsxと並列に設けられる。具体的には、バイパススイッチSW1xの一端は接地され、その他端は第2端子Pc2xと接続される。
【0079】
電圧検出部20によりパネル電圧VPxを検出するとき、バイパススイッチSWxをオンする。このとき、検出抵抗Rsがタッチパネル4の合成インピーダンスに影響を与えないため、正確なパネル電圧VPxを測定できる。
【0080】
電流検出部30によりパネル電流IPxを検出するとき、バイパススイッチSWxをオフする。そうすると、検出抵抗Rsxには、パネル電流IPxに比例した電圧降下(Rsx×IPx)が発生する。セレクタ36は、X軸方向の座標を検出するとき、端子(0)側にオンし、Y軸方向の座標を検出するとき、端子(1)側にオンする。A/Dコンバータ34によって検出抵抗Rsxの電圧降下が、デジタル値に変換される。このデジタル値は、パネル電流IPxに応じた値をとる。
【0081】
なお、第2バイアス電圧Vb2が接地電圧であるとき、バイパススイッチSW1xを、電圧生成部10として機能させることができる。すなわち、第2端子P2xに第2バイアス電圧Vb2を印加するとき、バイパススイッチSW1xをオンすればよい。バイパススイッチSW1yも同様である。
【0082】
図6は、
図1の制御回路の一部の別の構成例を示す回路図である。
制御回路100aの電圧生成部10aは、レギュレータ11、第1セレクタSEL1、第2セレクタSEL2を備える。
【0083】
レギュレータ11および第1セレクタSEL1は、第1バイアス電圧Vb1を生成し、第1状態φxにおいて第1端子P1xに、第2状態φyにおいて第3端子P1yへと印加する。
【0084】
レギュレータ11は、基準電圧Vrefに応じた第1バイアス電圧Vb1を生成する。レギュレータ11は、演算増幅器12、出力トランジスタ14、第1抵抗R1、第2抵抗R2を含む一般的なリニアレギュレータであるため、構成および動作の説明は省略する。第1バイアス電圧Vb1は、
Vb1=Vref×(R1+R2)/R2
で与えられる。第1状態φxと第2状態φyとで、基準電圧Vrefの値を切りかえてもよい。
【0085】
第1セレクタSEL1は、その入力端子に第1バイアス電圧Vb1を受ける。第1セレクタSEL1の第1出力端子(0)には第1端子Pc1xが接続され、その第2出力端子(1)には第3端子Pc1yが接続される。第1セレクタSEL1は、第1状態φxにおいて第1出力端子(0)側にオンし、第2状態φyにおいて第2出力端子(1)側にオンする。たとえば第1セレクタSEL1は、相補的にオン、オフするスイッチSWa1、SWa2を含む。
【0086】
第2セレクタSEL2は、第2バイアス電圧Vb2をタッチパネル4に与えるために設けられる。第2バイアス電圧Vb2は接地電圧であり、第2セレクタSEL2は、相補的にオン、オフするスイッチSWb1、SWb2を含む。第1状態φxにおいてスイッチSWb1がオンし、第2状態φyにおいてスイッチSWb2がオンする。
【0087】
電流検出部30aは、検出トランジスタ38、検出抵抗Rs、A/Dコンバータ34を含む。検出トランジスタ38は、レギュレータ11の出力トランジスタ14とカレントミラー回路を形成するように接続される。検出トランジスタ38には、出力トランジスタ14に流れる電流、つまりパネル電流に比例した検出電流Isが流れる。カレントミラー回路のミラー比をK1と書くとき、
Is=K1×IP
が成り立つ。
【0088】
検出抵抗Rsは、検出トランジスタRsの経路上に設けられる。検出トランジスタRsには、検出電流Isに比例した電圧降下Vsが生じ、これはパネル電流IPに比例する。
Vs=Rs×Is=Rs×K1×IP
【0089】
A/Dコンバータ34は、検出抵抗Rsに生ずる電圧降下Vsを、デジタル値に変換し、パネル電流IPを示す信号IPx’、IPy’として出力する。
【0090】
図6の制御回路100aは、
図5の電流検出部30を利用した制御回路に比べて以下の利点を有する。
【0091】
図6の制御回路100aでは、パネル電流IPを電圧に変換するための検出抵抗Rsが、タッチパネル4に直接接続されていないため、パネル電圧VPに影響を与えることなく、パネル電流IPを検出できる。
【0092】
一方、
図5の電流検出部30を利用する場合、バイパススイッチSW1x(またはSW1y)をオンしてパネル電圧VPx(またはVPy)を測定する状態と、バイパススイッチSW1x(またはSW1y)をオフしてパネル電流IPx(またはIPy)を測定する状態を切りかえる必要があり、座標検出に時間がかかる場合がある。また対応するパネル電圧VPxとパネル電流IPx(またはVPyとIPy)が異なるタイミングで測定されるため、座標の測定精度が劣化する。
これに対して、
図6の制御回路100aは、パネル電圧とパネル電流を同時並列的に測定できるため、処理を高速化でき、高速性が要求されるアプリケーションに適している。また座標を確定するために必要な2つのパラメータ、すなわち電圧と電流を同時に取得できるため、高精度に座標を確定することができる。
【0093】
また、1点で接触したときのパネル電流と2点で接触したときのパネル電流の差分ΔIが、パネルによっては非常に小さい場合がある。この場合、
図5の制御回路100において検出抵抗Rsに生ずる電圧降下の変化ΔVは、たとえば電流差がΔI=200μA、検出抵抗Rsが200Ωのとき、わずかΔV=40mVとなる。これは、A/Dコンバータ34として高分解能が要求されることを意味し、設計が困難となり、あるいはコストアップの要因となる。
【0094】
これに対して
図6の制御回路100aでは、ミラー比K1を最適化することにより、検出抵抗Rsの電圧降下Vsの変化量ΔVを十分に確保でき、A/Dコンバータ34に要求される精度を下げることができる。
【0095】
電流検出部30aは、第1状態φxと第2状態φyにおいて、出力トランジスタ14と検出トランジスタ38のミラー比K1を切りかえてもよい。検出抵抗Rsを可変抵抗とし、ミラー比の切りかえに代えて、あるいはそれに加えて、電流検出部30aは、第1状態φxと第2状態φyにおいて、検出抵抗Rsの抵抗値を切りかえてもよい。
【0096】
タッチパネル4の縦の長さと横の長さ(つまりアスペクト比)が大きく異なる場合、縦方向の合成抵抗と横方向の合成抵抗が異なり、X方向のパネル電流IPxのレンジと、Y方向のパネル電流IPyのレンジが異なる場合が想定される。この場合に、ミラー比K1や検出抵抗Rsの値を、第1状態φxと第2状態φyで切りかえることにより、検出抵抗Rsの電圧降下Vsの電圧レンジを揃えることができ、共通のA/Dコンバータ34によって高精度に処理することが可能となる。
【0097】
図6の出力トランジスタ14および検出トランジスタ38はカレントミラー回路を形成するが、これをカスコード型のカレントミラー回路としてもよい。この場合、電流を複製する精度、つまりミラー比の精度を高めることができる。
【0098】
図7は、
図1の制御回路の変形例を示す回路図である。
図7の制御回路100bは、パネル電圧VPの処理が
図1のそれと異なっている。すなわち
図1の電圧検出部20は、第1状態φxにおいて第3端子P1yに生ずるパネル電圧VPxを検出し、第2状態φyにおいて第1端子P1xに生ずるパネル電圧VPyを検出する。これに対して
図7の電圧検出部20bは、第1状態φxにおいて、第3端子P1y、第4端子P2yそれぞれに生ずるパネル電圧VPx_1、VPx_2を個別に検出し、第2状態φ2において、第1端子P1x、第2端子P2xそれぞれに生ずるパネル電圧VPy_1、VPy_2を個別に検出する。
【0099】
電圧検出部20bは、スイッチSW4〜SW7およびA/Dコンバータ24を含む。スイッチSW4〜SW7は、
図1のセレクタ22に対応する。
第1状態φxにおいて、まずスイッチSW4がオン、残りがオフする。この状態において第3端子P1yのパネル電圧VPx_1が測定される。続いて、スイッチSW5がオン、残りがオフする。この状態において第4端子P2yのパネル電圧VPx_2が測定される。後段の演算部40(不図示)は、2つのパネル電圧VPx_1、VPx_2およびパネル電流IPxの値にもとづき、ユーザが接触した点PUのX座標を判定する。
【0100】
同様に第2状態φyにおいて、まずスイッチSW6がオン、残りがオフする。この状態において第1端子P1xのパネル電圧VPy_1が測定される。続いて、スイッチSW7がオン、残りがオフする。この状態において第2端子P2xのパネル電圧VPy_2が測定される。後段の演算部40(不図示)は、2つのパネル電圧VPy_1、VPy_2およびパネル電流IPyの値にもとづき、ユーザが接触した点PUのY座標を判定する。
【0101】
この変形例によれば、第1状態φx、第2状態φyそれぞれにおいて、2端子のパネル電圧を測定し、X座標、Y座標の決定に反映させることができ、座標の検出精度を高めることができる。
【0102】
また
図7の変形例の特徴は
図6の制御回路と組み合わせてもよい。
【0103】
制御回路100の制御対象となるタッチパネル4の特性はさまざまである。そしてタッチパネル4の第1抵抗膜RF1と第2抵抗膜RF2の接触抵抗は、タッチパネル4の種類に応じて大きく変動する。特に安価なタッチパネル4は接触抵抗が大きくなる傾向にあり、接触抵抗が小さいものでは、数百Ω以下であるのに対して、接触抵抗が大きなものでは数10kΩにも及ぶ。
【0104】
図8は、マルチタッチ状態における2点間の距離ΔXと、タッチパネル4に流れる検出電流Ipの関係を示す図である。(I)は接触抵抗が小さい場合、(II)は接触抵抗が大きい場合を示す。
図2(a)から明らかなように、マルチタッチにより第2抵抗膜RF2の抵抗成分が、端子P1
XとP2
Xの間の合成抵抗に寄与する度合いは、接触抵抗Rc
1、Rc
2が小さいほど、高くなる。したがって接触抵抗が大きなパネルでは、マルチタッチを行ったときに流れるパネル電流Ipは小さくなる。つまり、2点間の距離ΔXの変化に対するパネル電流Ipの変化が小さくなるため、2点間の距離ΔXの検出が困難となる。
【0105】
以下では、接触抵抗が大きなタッチパネル4に対しても、2点間の距離ΔXを検出可能な制御回路について説明する。
図9は、
図6の制御回路の変形例を示す回路図である。
図9の制御回路100cは、
図6の構成に加えて、増幅回路50、スイッチSW8、およびバッファ60を備える。
【0106】
増幅回路50は、電流検出部30cに設けられる。増幅回路50は、検出抵抗Rsに生ずる電圧降下(検出電圧)Vsと、所定のオフセット電圧V
OFSとの差分を利得Aで増幅し、パネル電流Ipを示す電圧値V_Ipとして出力する。
V_Ip=A×(Vs−V
OFS) …(1)
【0107】
具体的には増幅回路50は、バッファ52、演算増幅器54、第1抵抗R11〜第4抵抗R14、電圧源(D/Aコンバータ)56を含む。電圧源56は、入力されたデジタル値に応じた所定の電圧Vaを生成する。バッファ52は、検出抵抗Rsに生ずる検出電圧Vsを受けるボルテージフォロアである。第1抵抗R11は、バッファ52の出力と演算増幅器54の第1入力端子との間に設けられる。第2抵抗R12は、演算増幅器54の第1入力端子と固定電圧端子(接地端子)の間に設けられる。第3抵抗R13は、その一端に所定の電圧Vaを受け、その他端が演算増幅器54の第2入力端子と接続される。第4抵抗R14は、演算増幅器54の第2入力端子と演算増幅器54の出力端子の間に設けられる。
【0108】
この増幅回路50においては、利得Aおよびオフセット電圧V
OFSはそれぞれ、式(2)、(3)で与えられる。
A=R12・(R13+R14)/(R13・(R11+R12)) …(2)
V
OFS=R14・(R11+R12)/(R12・(R13+R14))×Va …(3)
【0109】
ここでR11=R13=R1、R12=R14=R2のとき、式(2a)、(3a)、(4)が成り立つ。
A=R2/R1 …(2a)
V
OFS=Va …(3a)
V_Ip=R2/R1×(Vs−Va) …(4)
【0110】
電流検出部30cは、A/Dコンバータ24の前段に設けられたバッファ60を備える。バッファ60は、セレクタ22を介してパネル電圧VPを受けるボルテージフォロアである。A/Dコンバータ24は、バッファ60の出力電圧VXをサンプルホールドし、サンプルホールドした値をデジタル値に変換する。A/Dコンバータ24の入力段には、一般的にスイッチと、キャパシタが設けられる。
【0111】
スイッチSW8は、増幅回路50の入力と出力の間に設けられる。スイッチSW8のオン状態において、増幅回路50はバイパスされる。
【0112】
以上が制御回路100cの構成である。続いてそのキャリブレーション動作の一例を説明する。まず、タッチパネル4の抵抗値に応じて、言い換えればパネル電流IPに応じて検出抵抗Rsの抵抗値が最適化される。これにより、検出電圧Vsのレンジが最適化される。
【0113】
また電圧Vaすなわちオフセット電圧V
OFSが最適化される。タッチパネル4に接触しない状態においてタッチパネル4に初期電流I
initが流れるとき、検出抵抗Rsには、式(5)の初期電圧V
initが発生する。
V
init=Rs×K1×I
init …(5)
このときスイッチSW8はオンし、V_Ip=V
initとなり、A/Dコンバータ34により初期電圧V
initに対応するデジタル値が測定され、Va=V
initとなるように電圧源56にデジタル値が与えられる。
【0114】
スイッチSW8をオンする代わりに、Va=0に設定してもよい。この場合、A/Dコンバータ34により式(6)の電圧値V_Ipが測定される。
V_Ip=R2/R1×V
init …(6)
測定された電圧値V_Ipから初期電圧V
initを算出でき、Va=V
initとなるように電圧源56にデジタル値を与えてもよい。
【0115】
実動作状態において、タッチパネル4にユーザが接触したときの検出電圧Vsは、
Vs=(I
init+ΔI)・Rs=V
init+ΔV …(7)
となり、式(8)を得る。
V_Ip=A×(Vs−Va)=A×(V
init+ΔV−V
init)=A×ΔV
…(8)
つまり、V_Ipは、ユーザがタッチパネル4に接触したことによる電流の変化分ΔIに比例した電圧となる。
【0116】
ユーザが接触したことによる電流変化量ΔIは、接触抵抗が大きいほど小さくなる。この実施の形態では、電流変化量ΔIに応じた電圧変化量ΔVを、増幅回路50によって増幅することにより、接触抵抗が大きなタッチパネル4であっても、2点間の距離ΔXをより正確に検出することができる。
【0117】
またタッチパネル4の接触抵抗が大きい状況において、バッファ60が設けられていない場合、A/Dコンバータ24の入力段のキャパシタが、タッチパネル4の抵抗成分を介して充電されることになる。したがって接触抵抗が大きい場合、充電速度が遅くなりサンプルホールドに要する時間が長くなる。サンプルホールド時間が長くなると、座標検出の応答速度が遅くなる。
【0118】
これに対して
図9の制御回路100cでは、出力インピーダンスが小さなバッファ60を設けることにより、充電速度を速めることができる。これによりサンプルホールド時間を短くでき、ひいては座標検出の応答速度を速めることができる。
【0119】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0120】
マルチタッチ状態において、座標生成部48はパネル電圧VPxに応じた座標X3を、2点PU1、PU2の中点であると推定して、もとの座標X1、X2を決定したが、本発明はそれに限定されず、さらに複雑なアルゴリズムを用いてもよい。
【0121】
実施の形態では、第1状態φxと第2状態φyにおいて、
図1の制御回路100の一部を共有する構成としたが、完全に別個に設けてもよい。また、X方向、Y方向のみのいずれか一方のみに本発明を適用してもよい。
【0122】
実施の形態では、4端子のタッチパネル4を制御する場合を説明したが、本発明はそれに限定されず、その他のタッチパネル4にも適用することが可能である。
【0123】
また、実施の形態ではマルチタッチとして2点を例に説明したが、当業者であればそれを3点以上に拡張でき、それも本発明に含まれる。
【0124】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。