(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光ファイバ把持具に把持された光ファイバの先端から前記ハーフミラーまでの距離と前記ハーフミラーから前記拡大レンズまでの距離との合計が前記拡大レンズの焦点距離と等しいことを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ先端検査装置。
【背景技術】
【0002】
光ファイバコネクタなどの光ファイバ接続部品は、工場で作製されるものと現場で作製されるものの2種類がある。
【0003】
工場で作製される光ファイバコネクタは、光コネクタフェルールの中に光ファイバが接着固定され、光ファイバの先端は鏡面に近い状態まで研磨されている。現場では、この工場で作製された光ファイバコネクタを相手側の光ファイバコネクタと接続し、つまり、その研磨された光ファイバの先端どうしを密着させて接続することで、光信号の伝達を実現させている。もし、この光ファイバの先端に汚れや傷がついていた場合、そこで光信号の伝達が遮断され、通信ができなくなる。そのため、光ファイバコネクタの光ファイバ先端に汚れや傷がないかどうかを検査することは重要である。
【0004】
現場で作製される光ファイバ接続部品については、光ファイバを敷設する現場において、光ファイバカッタで光ファイバを切断し、2つの切断された光ファイバどうしを接続するメカニカルスプライス、切断された光ファイバを光ファイバコネクタに内蔵されている光ファイバに接続して作製する現場組立コネクタの2種類がある。これらの光ファイバの端面同士は屈折率整合剤が充填されている状態で突合せ接続されている。カットされた光ファイバの端面は、損傷がなく、かつ、きれいな鏡面のようでなければ、信号劣化や信号断が生じるので、カットされた光ファイバ先端の状態を検査することも重要である。
【0005】
現在、例えば、CCDカメラやビデオモニタを用いた光ファイバ先端検査装置で観察することにより検査される。
【0006】
このような検査において、カットされた光ファイバ端面に欠けや凹凸などの損傷が観察されると、光ファイバカッタの刃を交換して光ファイバの切断をやりなおし、光ファイバコネクタの光ファイバ端面に汚れが付着している場合は、専用クリーナーで清掃し、こうして品質が担保される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の光ファイバ先端検査装置は、特許文献1に記載のもののような、大がかりなものが多いため、屋外や高所といった現場では使用しにくい。このため、検査を例えば週1回の実施にし、光ファイバの先端不良は、接続後の光学特性の検査で見つけるようにすることがある。もっとも、光学特性の検査で不良が見つかれば、光コネクタのファイバ先端の汚れの場合、専用クリーナーで清掃し、再接続することが求められ、光ファイバ先端のカット不良の場合は光ファイバを再び切断し接続しなければならず、光ファイバの先端不良は接続前に見つけるのが好ましい。したがって、光ファイバの先端を目視で検査でき、かつ、現場で使用できるような光ファイバ先端検査装置が要望されている。
【0009】
また、光ファイバの先端は、その側面を見たときには正常のように見えても、端面を正面から見ると、実際には凹凸や汚れなどがあり、不良とわかることがある。現場では、光ファイバを側方から見ることと正面から見ることの両方が必要であり、光ファイバ先端検査装置としては、光ファイバを側方から見ることと同様の作業性で、端面を正面から見ることができるものが好ましい。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光ファイバの先端端面を正面から見ることができる光ファイバ先端検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、
第1の本発明は、光ファイバの先端を目視検査するための光ファイバ先端検査装置であって、光ファイバを把持する光ファイバ把持具が装着される光ファイバ把持具装着口を有し、かつ、拡大レンズが装着される筒状部を有する本体部と、ハーフミラーを有し、かつ、当該ハーフミラーに光ファイバの先端を向けて光ファイバを把持する光ファイバ把持具と、前記本体部内に設けられ、前記ハーフミラーの方向を照射する光源と
、光ファイバを把持する第2光ファイバ把持具とを備え、前記ハーフミラーは、前記拡大レンズを介して見え、かつ、光ファイバの方向と前記拡大レンズの方向の間の方向を向いて
おり、前記第2光ファイバ把持具は、光ファイバの先端の側面が前記拡大レンズを介して見えるように構成され、かつ、前記第2光ファイバ把持具に把持された光ファイバの先端から前記拡大レンズまでの距離は、前記光ファイバ把持具に把持された光ファイバの先端から前記ハーフミラーまでの距離と前記ハーフミラーから前記拡大レンズまでの距離との合計に等しいことを特徴とする。
第2の本発明は、光ファイバの先端を目視検査するための光ファイバ先端検査装置であって、光ファイバを把持する光ファイバ把持具が装着される光ファイバ把持具装着口を有し、かつ、拡大レンズが装着される筒状部を有する本体部と、ハーフミラーを有し、かつ、当該ハーフミラーに光ファイバの先端を向けて光ファイバを把持する光ファイバ把持具と、前記本体部内に設けられ、前記ハーフミラーの方向を照射する光源と
、光ファイバを内包し、かつ、把持する筐体を有する第2光ファイバ把持具とを備え、前記ハーフミラーは、前記拡大レンズを介して見え、かつ、光ファイバの方向と前記拡大レンズの方向の間の方向を向いて
おり、前記筐体は、装着方向回りの複数の角度につき、いずれの角度で回転させても、前記光ファイバ把持具装着口に装着でき、かつ、いずれの装着の状態であっても、前記筐体の前記拡大レンズと光ファイバの先端の間には開口部が構成されることを特徴とする。
【0012】
例えば、光ファイバ先端検査装置は、前記光ファイバ把持具に把持された光ファイバの先端から前記ハーフミラーまでの距離と前記ハーフミラーから前記拡大レンズまでの距離との合計が前記拡大レンズの焦点距離と等しいことを特徴とする。
【0015】
例えば、光ファイバ先端検査装置は、前記拡大レンズを介して光ファイバの先端を撮影するためのカメラを把持し、かつ、前記筒状部の先端に装着されるカメラ把持具を備え、前記カメラ把持具は、カメラの凸部に嵌合する凹部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光ファイバ先端検査装置によれば、光ファイバを把持する光ファイバ把持具が装着される光ファイバ把持具装着口を有し、かつ、拡大レンズが装着される筒状部を有する本体部と、ハーフミラーを有し、かつ、当該ハーフミラーに光ファイバの先端を向けて光ファイバを把持する光ファイバ把持具と、前記本体部内に設けられ、前記ハーフミラーの方向を照射する光源とを備え、前記ハーフミラーは、前記拡大レンズを介して見え、かつ、光ファイバの方向と前記拡大レンズの方向の間の方向を向いていることで、光源の光はハーフミラーを通過し、光ファイバの端面で反射し、ハーフミラーで反射し、拡大レンズを通過するので、拡大レンズを介して、光源の光に照らされた光ファイバの端面を正面から見ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1(a)は本実施の形態に係る光ファイバ先端検査装置1を構成する本体部2の断面図であり、
図1(b)は本体部2の側面図である。
【0020】
本体部2は、筐体21の上に筒状部22を設けた構成である。筐体21、筒状部22は共に金属などであり、筒状部22は円筒などである。筐体21には、ほぼ正方形の光ファイバ把持具装着口211が設けられている。また、筐体21内には、光ファイバ把持具装着口211の奥にある孔に挿入されて光ファイバ把持具装着口211の方向を照射する光源212と、光ファイバ把持具装着口211の下部にある孔に挿入されて筒状部22の方向を照射する光源213とが設けられている。光源212、213は共に、筐体21に装着される電池(図示せず)から電力を受けて、白色に発光する発光ダイオードなどである。
【0021】
筒状部22は、その下部で筐体21に接続され、下部の反対側にあたる筒状部22の先端部221の内部には、拡大レンズ3が装着されている。
【0022】
図2(a)は光ファイバ先端検査装置1を構成するカメラ把持具4の断面図であり、
図2(b)はカメラ把持具4の平面図であり、
図2(c)はカメラ把持具4の側面図である。
【0023】
カメラ把持具4は、共にプラスチック材からの切り出しなどにより作られたカメラ把持部41と取付部材42を有する構成である。カメラ把持部41は、板状の把持部材411、412で、撮影機能を備えた携帯電話機(カメラ)の両側面を把持するようになっている。把持部材412は、ねじ413の回転により、把持部材411との距離を縮め、カメラを安定的に把持する。
【0024】
取付部材42は、円筒状であり、その周囲にあるリング状の窪み421に、カメラ把持部41が嵌合し、こうして両者は接続されている。窪み421の下方には、取付部材42を筒状部22の先端部221に固定するためのねじ422が設けられている。
【0025】
また、取付部材42の上部のカメラ取り付け面には、カメラのレンズ周囲にある凸部に嵌合する凹部423が設けられている。
【0026】
図3は、光ファイバ先端を正面から検査する際に使用される光ファイバ把持具5を示す図であり、図(a)は光ファイバ把持具5の正面図であり、
図3(b)は光ファイバ把持具5の平面図であり、
図3(c)は光ファイバ把持具5の断面図である。
【0027】
光ファイバ把持具5は、ハーフミラー51を有し、かつ、ハーフミラー51に光ファイバ100の先端を向けて光ファイバ100を把持する構成である。光ファイバ把持具5は、プラスチック材などである筐体50を有し、その上部には、金属の付勢部材52(
図3(a)、(b)では省略)がねじで止められている。
【0028】
光ファイバ100の先端には、コネクタ110が取り付けられ、このとき光ファイバ100の先端の端面は、コネクタ110の先端面111と同位置にあり、露出している。
【0029】
光ファイバ把持具5は、コネクタ110を光ファイバ把持具5に装着することで、コネクタ110を介して、光ファイバ100を把持することになる。この状態で、コネクタ110の先端面111と光ファイバ100の端面は、ハーフミラー51の方向を向いている。
【0030】
ハーフミラー51は、筐体50に形成された傾斜面53に設けられている。筐体50には、ハーフミラー51の裏側から、光ファイバ100の延長線上を進み、外部に抜ける光案内孔54が設けられている。筐体50は、ハーフミラー51の上方に開口部55を有し、上方からハーフミラー51が見えるようになっている。
【0031】
図3(a)に示すように、筐体50の正面の形状は、光ファイバ把持具装着口211にに合わせ、ほぼ正方形であり、その大きさも光ファイバ把持具装着口211にほぼ隙間無く挿入できる程度の大きさになっている。光案内孔54は、その正方形の中心よりも少し上側に位置している。つまり、光ファイバ100は、正方形の中心よりも少し上側に位置するようになっている。
【0032】
図4は、光ファイバ先端を正面から検査する際に使用される光ファイバ把持具5aを示す図であり、
図4(a)は光ファイバ把持具5aの正面図であり、
図4(b)は光ファイバ把持具5aの平面図であり、
図4(c)は光ファイバ把持具5aの断面図である。
【0033】
光ファイバ把持具5aも、
図3に示す光ファイバ把持具5と同様に、ハーフミラー51を有し、かつ、コネクタ110内の光ファイバ(図示せず)の先端をハーフミラー51に向け、コネクタ110を介して光ファイバを把持する構成である。筐体50の上部には、付勢部材52がねじで止められている。ハーフミラー51は、筐体50に形成された傾斜面53に設けられ、筐体50には光案内孔54が設けられている。筐体50は、ハーフミラー51の上方に開口部55を有している。
【0034】
光ファイバの端面は、コネクタ110の先端面111と同位置にあり、露出している。また、光ファイバは、筐体50の正面の形状をなす正方形の中心よりも少し上側に位置するようになっている。
【0035】
図5は、光ファイバ先端を正面から検査する際に使用される光ファイバ把持具5bを示す図であり、
図5(a)は光ファイバ把持具5bの正面図であり、
図5(b)は光ファイバ把持具5bの平面図であり、
図5(c)は光ファイバ把持具5bの断面図である。
【0036】
光ファイバ把持具5bも、
図3に示す光ファイバ把持具5などと同様に、ハーフミラー51を有し、かつ、光ファイバ100の先端をハーフミラー51に向け、コネクタ110を介して光ファイバ100を把持する構成である。
【0037】
筐体50の上部には、付勢部材52がねじで止められている。ハーフミラー51は、筐体50に形成された傾斜面53に設けられ、筐体50には光案内孔54が設けられている。筐体50は、ハーフミラー51の上方に開口部55を有している。
【0038】
光ファイバ100の端面は、コネクタ110の先端面111と同位置にあり、露出している。また、光ファイバ100は、筐体50の正面の形状をなす正方形の中心よりも少し上側に位置するようになっている。
【0039】
図6は、光ファイバ先端を正面から検査する際に使用される光ファイバ把持具5cを示す図であり、
図6(a)は光ファイバ把持具5cの正面図であり、
図6(b)は光ファイバ把持具5cの平面図であり、
図6(c)は光ファイバ把持具5cの断面図である。
【0040】
光ファイバ把持具5cも、
図3に示す光ファイバ把持具5などと同様に、ハーフミラー51を有し、かつ、コネクタ110内の光ファイバ(図示せず)の先端をハーフミラー51に向け、コネクタ110を介して光ファイバを把持する構成である。筐体50の上部には、付勢部材52がねじで止められている。ハーフミラー51は、筐体50に形成された傾斜面53に設けられ、筐体50には光案内孔54が設けられている。筐体50は、ハーフミラー51の上方に開口部55を有している。
【0041】
光ファイバの端面は、コネクタ110の先端面111と同位置にあり、露出している。また、光ファイバは、筐体50の正面の形状をなす正方形の中心よりも少し上側に位置するようになっている。
【0042】
図7は、光ファイバ先端検査装置1の一態様を示す図であり、
図7(a)は本体部2にカメラ把持具4と光ファイバ把持具5とを装着した光ファイバ先端検査装置1の断面図であり、
図7(b)は本体部2にカメラ把持具4を装着した光ファイバ先端検査装置1の側面図である。
【0043】
光ファイバ先端検査装置1の一態様においては、筒状部22の先端部221にカメラ把持具4が装着され、ねじ422を回転させると、カメラ把持具4の取付部材42は、先端部221に固定される。また、取付部材42の上部のカメラ取り付け面にカメラが置かれ、このとき、取付部材42の凹部423は、カメラのレンズ周囲にある凸部に嵌合し、これにより、カメラを安定化させる。そして、把持部材412は、ねじ413の回転により、把持部材411との距離を縮め、カメラを把持する。こうして、カメラのレンズは、拡大レンズ3の中心の延長線上に安定的に配置される。
【0044】
また、かかる態様においては、光ファイバ把持具5は、光ファイバ100の先端に取り付けられたコネクタ110を把持し、光ファイバ把持具装着口211に装着される。このとき、付勢部材52は、光ファイバ把持具装着口211の上部に当接し、光ファイバ把持具5を下方に付勢することで、光ファイバ把持具5とコネクタ110の脱落を防止する。 また、光源212は、ハーフミラー51の方向を照射する。ハーフミラー51は、拡大レンズ3を介して見えるようになり、つまり、カメラで撮影できるようになる。傾斜面53および傾斜面53に設けられたハーフミラー51は光ファイバ100の方向と拡大レンズ3の方向の間の方向(本図では、右上略45度の方向)を向いている。
【0045】
また、光ファイバ100の先端からハーフミラー51までの距離とハーフミラー51から拡大レンズ3までの距離との合計は、拡大レンズ3の焦点距離に等しくなっている。
【0046】
かかる態様においては、光源212からの光は、光案内孔54を通り、まず、ハーフミラー51の裏側に達する。光はハーフミラー51を通過し、コネクタ110の先端面111およびその同位置にある光ファイバ100の端面で反射し、ハーフミラー51の表側に達する。光はハーフミラー51で反射し、拡大レンズ3の方へ進行する。拡大レンズ3は、光つまり光ファイバ100の端面の像を拡大し、拡大された像がカメラ把持具4に把持されたカメラ(図示せず)で撮影される。例えば、撮影された光ファイバ100の端面がきれいな鏡面のようであり、傷や汚れが見られなければ、その光ファイバ100とコネクタ110は、良品として扱われる。
【0047】
なお、カメラ把持具4とカメラを装着せず、筒状部22の先端部221から、目視により、光ファイバ100の端面を確認し、良品か否かを判断してもよい。
【0048】
また、光ファイバ把持具5a、5b、5cは、それぞれに対応するコネクタ110を使用する際、光ファイバ把持具5と同様に扱われる。その作用と効果は光ファイバ把持具5と同様である。
【0049】
図8は、光ファイバ先端を側面から検査する際に使用される第2光ファイバ把持具6を示す図であり、
図8(a)は第2光ファイバ把持具6の正面図であり、
図8(b)は第2光ファイバ把持具6の平面図であり、
図8(c)は第2光ファイバ把持具6の側面図である。
【0050】
第2光ファイバ把持具6は、光ファイバ100を挟み込んだホルダ120を内包するプラスチック材などの筐体61と、筐体61上部にねじで止められた付勢部材62とを有し、筐体61と付勢部材62でホルダ120を把持する構成である。
【0051】
図8(a)に示すように、筐体61の正面の形状は、光ファイバ把持具装着口211にに合わせ、ほぼ正方形であり、その大きさも光ファイバ把持具装着口211にほぼ隙間無く挿入できる程度の大きさになっている。光ファイバ100は、その正方形の中心に位置している。つまり、正方形の中心を通る軸回りに筐体61を回転させても、光ファイバ100の先端101の位置が変化しないようになっている。
【0052】
図8(c)に示すように、筐体61は、光ファイバ100の先端101の左側の位置に開口部61Lを有する。また、
図8(b)に示すように、筐体61は、光ファイバ100の先端101の上側の位置に開口部61Uを有する。また、図示しないが、筐体61は、光ファイバ100の先端101の右側、下側の位置にも開口部を有する。つまり、筐体61は、光ファイバ100の延びる方向に見て、その先端101の上下左右に開口部を有する。
図8(a)においては、開口部61Lと右側の開口部を介して、反対側まで見通すことができ、
図8(b)においては、開口部61Uと下側の開口部を介して、反対側まで見通すことができる。
【0053】
図9は、光ファイバ先端を側面から検査する態様を示す図であり、本体部2にカメラ把持具4と第2光ファイバ把持具6とを装着した光ファイバ先端検査装置1の断面図である。
【0054】
光ファイバ先端検査装置1の別な一態様においては、第2光ファイバ把持具6が使用される。カメラ把持具4とカメラの装着については、
図7と同様なので説明を省略する。
【0055】
第2光ファイバ把持具6は、光ファイバ100を挟み込んだホルダ120を把持し、光ファイバ把持具装着口211に装着される。このとき、付勢部材62は、光ファイバ把持具装着口211の上部に当接し、ホルダ120を下方に付勢することで、光ファイバ把持具5とホルダ120の脱落を防止する。
【0056】
この状態で、光ファイバ100の先端101は、拡大レンズ3を介して見える。また、先端101から拡大レンズ3までの距離は、拡大レンズ3の焦点距離に等しくなっている。つまり、先端101から拡大レンズ3までの距離は、
図7における光ファイバ100の先端からハーフミラー51までの距離とハーフミラー51から拡大レンズ3までの距離との合計に等しくなっている。
【0057】
すなわち、このように光ファイバ把持具5を使用するときの焦点距離と第2光ファイバ把持具6を使用するときの焦点距離とを等しくするために、第2光ファイバ把持具6では、光ファイバ100が、正方形の中心に位置するようになっており(
図8(a))、一方、光ファイバ把持具5などでは、ハーフミラー51で光が反射するため、光ファイバ100が、正方形の中心よりも少し上側に位置するようになっているのである(
図3(a)、
図4(a)、
図5(a)、
図6(a))。
【0058】
さて、光源213は、光ファイバ100の先端101を照射し、拡大レンズ3は、照射された光ファイバ100の先端101の側面の像を拡大し、拡大された像がカメラ把持具4に把持されたカメラ(図示せず)で撮影される。
【0059】
次に、第2光ファイバ把持具6は、光ファイバ把持具装着口211から一旦外され、開口部61Lが拡大レンズ3の上を向くように、つまり、時計回りに90度回転させた状態で、再び光ファイバ把持具装着口211に装着される。そして、同様に、先端101の側面の像が撮影される。このとき、先端101の位置は、
図9の先端101の位置と同じなので、先端101が同位置に映った画像を得ることができる。
【0060】
場合によっては、第2光ファイバ把持具6を、例えばさらに90度、180度と回転させ、こうして、光ファイバ100の先端101の側面が四方から撮影される。
【0061】
例えば、光ファイバ100の先端101の側面を見て、欠けなどが見られなければ、その光ファイバ100は、良品として扱われる。
【0062】
なお、カメラ把持具4とカメラを装着せず、筒状部22の先端部221から、目視により、光ファイバ100の側面を確認し、良品か否かを判断してもよい。
【0063】
したがって、本実施の形態に係る光ファイバ先端検査装置1によれば、光ファイバを把持する光ファイバ把持具5が装着される光ファイバ把持具装着口211を有し、かつ、拡大レンズ3が装着される筒状部22を有する本体部2と、ハーフミラー51を有し、かつ、ハーフミラー51に光ファイバの先端を向けて光ファイバを把持する光ファイバ把持具5と、本体部2内に設けられ、光ファイバ把持具5が装着された状態において、ハーフミラー51の方向を照射する光源212とを備え、ハーフミラー51は、光ファイバ把持具5が装着された状態において、拡大レンズ3と開口部55を介して見え、かつ、光ファイバの方向と拡大レンズ3の方向の間の方向を向いていることで、光源212の光はハーフミラー51を通過し、光ファイバの端面で反射し、ハーフミラー51で反射し、開口部55と拡大レンズ3を通過するので、拡大レンズ3を介して、光源212の光に照らされた光ファイバの端面を正面から見ることができる。その結果、光ファイバの端面の良否を判定することができる。また、光ファイバ先端を側方から見ることと同様の作業性で、光ファイバの端面を正面から見ることができ、屋外や高所といった現場での使用に好適である。また、光ファイバ先端の不良を接続前に見つけることができるので、接続後の光学特性の検査での不良と、これによる光ファイバの切断、接続のやり直しの回数を低減することができる。
【0064】
また、第2光ファイバ把持具6は、光ファイバ把持具装着口211に装着された状態において、光ファイバ100の先端101が拡大レンズ3を介して見えるように構成され、かつ、第2光ファイバ把持具6に把持された光ファイバ100の先端101から拡大レンズ3までの距離は、光ファイバ把持具5に把持された光ファイバの先端からハーフミラー51までの距離とハーフミラー51から拡大レンズまでの距離との合計に等しいので、光ファイバ把持具5と第2光ファイバ把持具6を交換したときに、焦点距離の調整が不要にすることができる。これにより、拡大レンズ3の位置を固定のままにすることができる。
【0065】
また、第2光ファイバ把持具6の筐体61は、装着方向回りの複数の角度につき、いずれの角度で回転させても、光ファイバ把持具装着口211に装着でき、かつ、いずれの装着の状態であっても、筐体61の拡大レンズ3と光ファイバ100の先端101の間には開口部61L等が構成されるので、光ファイバ100の先端101の側面を複数の方向から観察することができる。なお、本実施の形態では、光ファイバ100の側面を4方向から観察可能としたが、2方向、3方向、5方向以上から観察可能としてもよい。
【0066】
また、カメラ把持具4は、カメラの凸部に嵌合する凹部423を有するので、カメラを取り付けの際に安定化させることができる。