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特許5798110リーダライタ、通信方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798110
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】リーダライタ、通信方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20151001BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20151001BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   G06K7/10 148
   G06K7/10 144
   H04M11/00 302
   H04M1/00 U
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-508845(P2012-508845)
(86)(22)【出願日】2011年12月1日
(86)【国際出願番号】JP2011077860
(87)【国際公開番号】WO2012046885
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年8月20日
(31)【優先権主張番号】特願2010-270924(P2010-270924)
(32)【優先日】2010年12月3日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】513148255
【氏名又は名称】株式会社ビー・ユー・ジーSST
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】須釜 達雄
【審査官】 岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−268383(JP,A)
【文献】 特開2010−140092(JP,A)
【文献】 特開2006−339708(JP,A)
【文献】 特表平10−508161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00 − 7/14
H04M 1/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段と、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段と、
を備えることを特徴とするリーダライタ。
【請求項2】
通信端末の近接の有無を判別する第1の近接判別手段と、
前記第1の近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記第1の近接判別手段による通信端末の近接の検出感度よりも低い検出感度で通信端末の近接の有無を判別する第2の近接判別手段と、
前記第2の近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段と、
を備えることを特徴とするリーダライタ。
【請求項3】
前記近接判別手段は近接センサ又は加速度センサを備え、
前記近接判別手段は、該近接センサ又は加速度センサの検出結果に基づいて、通信端末の近接の有無を判別する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリーダライタ。
【請求項4】
前記音声通信手段は、前記非接触IC通信手段が送信する所定情報を音声信号に変換し、変換した所定の音声情報を前記通信端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のリーダライタ。
【請求項5】
前記音声通信手段は、前記通信端末から受信した所定の音声信号から前記所定情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のリーダライタ。
【請求項6】
通信端末の近接の有無を判別する近接判別ステップと、
前記近接判別ステップで通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記近接判別ステップが近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項7】
通信端末の近接の有無を判別する第1の近接判別ステップと、
前記第1の近接判別ステップで通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記第1の近接判別ステップにおける通信端末の近接の検出感度よりも低い検出感度で通信端末の近接の有無を判別する第2の近接判別ステップと、
前記第2の近接判別ステップで近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項8】
コンピュータを、
通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
通信端末の近接の有無を判別する第1の近接判別手段、
前記第1の近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記第1の近接判別手段による通信端末の近接の検出感度よりも低い検出感度で通信端末の近接の有無を判別する第2の近接判別手段、
前記第2の近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダライタ、通信方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカード機能を有する通信端末と非接触通信を行い、当該通信端末に様々な情報やサービスを提供するリーダライタがある。
【0003】
特許文献1には、近接された携帯端末と非接触通信を行い、近接された際の状況に応じた各種の処理を携帯端末に実行させることを特徴とするリーダライタについて記載されている。
【0004】
また、音声信号を送受信することにより近接された通信端末と音声通信を行い、情報やサービスを提供することができる装置も知られている。
【0005】
例えば、特許文献2には、通報装置と汎用装置とが、DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号や音階信号を送受信する。これにより、通報装置におけるシステムデータの登録を効率的に行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−053790号公報
【特許文献2】特開2006−114963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非接触通信に対応した通信端末及び音声通信に対応した通信端末のどちらに対しても情報やサービスを供給したい場合、それぞれの通信方式に対応したリーダライタ等の装置を別々に設ける必要があり、設置スペースやコストの面で問題があった。
【0008】
また、非接触通信と音声通信との両方の機能を備えるようにリーダライタを構成することも考えられる。しかし、その場合であっても、それぞれの通信に対応した非接触面(タッチ面)を別々に設ける必要があることから装置が大型化してしまい、依然として、設置スペースやコストの面で問題があった。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、省スペース且つ低コストで、非接触ICカード機能による非接触通信と音声通信との両方の通信に対応することができるリーダライタ、通信方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るリーダライタは、
通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段と、
非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段と、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、該通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るリーダライタは、
非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した際に、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段と、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、該通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るリーダライタは、
通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段と、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るリーダライタは、
通信端末の近接の有無を判別する第1の近接判別手段と、
前記第1の近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段と、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記第1の近接判別手段による通信端末の近接の検出感度よりも低い検出感度で通信端末の近接の有無を判別する第2の近接判別手段と、
前記第2の近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
前記近接判別手段は近接センサ又は加速度センサを備え、
前記近接判別手段は、該近接センサ又は加速度センサの検出結果に基づいて、通信端末の近接の有無を判別してもよい。
【0015】
前記音声通信手段は、前記非接触IC通信手段が送信する所定情報を音声信号に変換し、変換した所定の音声情報を前記通信端末に送信してもよい。
【0016】
前記音声通信手段は、前記通信端末から受信した所定の音声信号から前記所定情報を取得してもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係る通信方法は、
通信端末の近接の有無を判別する近接判別ステップと、
非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別ステップと、
前記近接判別ステップで通信端末の近接が有ると判別した際に、該通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る通信方法は、
非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した際に、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、通信端末の近接の有無を判別する近接判別ステップと、
前記近接判別ステップで通信端末の近接が有ると判別した際に、該通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第7の観点に係る通信方法は、
通信端末の近接の有無を判別する近接判別ステップと、
前記近接判別ステップで通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記近接判別ステップが近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第8の観点に係る通信方法は、
通信端末の近接の有無を判別する第1の近接判別ステップと、
前記第1の近接判別ステップで通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信ステップと、
前記非接触通信判別ステップで非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記第1の近接判別ステップにおける通信端末の近接の検出感度よりも低い検出感度で通信端末の近接の有無を判別する第2の近接判別ステップと、
前記第2の近接判別ステップで近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明の第9の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段、
非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、該通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段、
として機能させることを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の第10の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した際に、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、該通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段、
として機能させることを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明の第11の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
通信端末の近接の有無を判別する近接判別手段、
前記近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段、
として機能させることを特徴とする。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の第12の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
通信端末の近接の有無を判別する第1の近接判別手段、
前記第1の近接判別手段が通信端末の近接が有ると判別した際に、非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末の有無を判別する非接触通信判別手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が有ると判別した場合、該通信端末と非接触ICカード機能により所定情報を送信又は/及び受信する非接触IC通信を行う非接触IC通信手段、
前記非接触通信判別手段が非接触ICカード機能による非接触通信が可能である通信端末が無いと判別した際に、前記第1の近接判別手段による通信端末の近接の検出感度よりも低い検出感度で通信端末の近接の有無を判別する第2の近接判別手段、
前記第2の近接判別手段が近接が有ると判別した通信端末と所定の音声情報を送信又は/及び受信する音声通信を行う音声通信手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、1つのリーダライタに非接触IC機能による通信を行う非接触通信部と音声信号による通信を行う音声通信部とを有するため、省スペース且つ低コストで、非接触ICカード機能による非接触通信と音声通信との両方の通信に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の各実施形態に係るリーダライタを備えたシステムの構成を示す図である。
図2】本発明の各実施形態に係るリーダライタの構成を示すブロック図である。
図3A】非接触通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
図3B】音声通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
図4A】音声通信処理の送信時の動作を説明するためのフローチャートである。
図4B】音声通信処理の受信時の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態に係るリーダライタによる通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の第3の実施形態に係るリーダライタによる通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の第4の実施形態に係るリーダライタによる通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で下記の実施形態及び図面に変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0028】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係るリーダライタ10を備えたシステムの構成を図1に示す。本発明の実施形態に係るリーダライタ10は、例えば、スーパーマーケットや飲食店などの店舗の店頭に設置される。リーダライタ10は、近接されたユーザ(顧客)の通信端末20と非接触ICカード機能による非接触通信、又は音声通信を行い、クーポン情報や店舗サイトのURL等を送信したり、通信端末20からユーザのID情報を受信する。なお、通信端末20は、非接触ICカード機能を備えているものと、マイクやスピーカを備えて音声通信可能なものとの2種類がある。本実施形態では、非接触ICカード機能を備える通信端末20を通信端末20、音声通信機能を備える通信端末20を通信端末20として区別する。また、通信方式を問わないときは、単に通信端末20とする。
【0029】
図2を参照して、リーダライタ10の構成を説明する。リーダライタ10は、近接検知部11と、非接触ICチップ12と、放音部13と、集音部14と、計時部15と、記憶部16と、制御部17とを備える。
【0030】
近接検知部11は、リーダライタ10の非接触面(タッチ面)に設けられる。タッチ面は、例えば、リーダライタ10の筐体における平面状の領域である。近接検知部11は、例えば、高周波発振型の近接センサによって構成され、通信端末20等の物体の近接を検知する。近接検知部11は、制御部17の制御によって少なくとも2段階の検出感度を設定することができる。近接検知部11による物体の検出可能範囲は、検出感度が高い場合には、検出感度が低い場合よりも広くなる。なお、本発明では、物体がリーダライタ10に「衝突」することも、「近接」の一種として扱われる。具体的には、近接検知部11は、近接センサにより通信端末20等の金属物体が近接したことや衝突したことを検知し、検知したことを示す検知信号を制御部17に出力する。
【0031】
非接触ICチップ12は、アンテナ、変調回路、復調回路、高周波増幅回路などを備え、制御部17の指示に基づいて、近接された非接触ICカード機能を有する通信端末20と非接触通信を行い、各種の情報を送受信する。
具体的には、非接触ICチップ12は、送信時の動作として、搬送波を生成し、制御部17より供給されたデータを用いてこの搬送波を公知の手法により変調した変調波を生成する。そして、非接触ICチップ12は、生成した変調波を増幅して、アンテナを介して、近接された通信端末20へと無線送信する。また、非接触ICチップ12は、受信時の動作として、アンテナを介して、近接された通信端末20から送信された変調波を受信する。そして、非接触ICチップ12は、受信した変調波を増幅して復調し、復調により得られたデータを制御部17に供給する。
【0032】
放音部13は、スピーカ等によって構成され、制御部17の指示に基づいて、各種の音声信号を出力する。制御部17は、送信データ162を音声信号に変換し放音部13に供給する。放音部13は、制御部17の制御のもと、音声信号を出力する。
【0033】
集音部14は、集音マイク等によって構成され、制御部17の制御のもと、周囲の音声信号を集音し、制御部17に供給する。制御部17は、集音部14から供給された音信号に対して、所定の方式で復調及び復号し、データを取得する。
【0034】
計時部15は、タイマ等によって構成される。計時部15は、制御部17の制御のもと、現在時刻の計時や、所定時間のカウント等を行う。
【0035】
記憶部16は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等によって構成される。記憶部16は、制御部17が動作するためのメインメモリ及びワークメモリとして機能する。また、記憶部16は、制御部17によって実行される動作プログラム161と、送信データ162と、ポーリング信号163とを記憶する。
【0036】
送信データ162は、近接された非接触ICカード機能を有する通信端末20に送信するデータである。送信データ162は、例えば、店舗のホームページへのアクセス先を示すURL情報等であり、リーダライタ10の管理者等によって適宜設定される情報である。
【0037】
ポーリング信号163は、非接触ICチップ12から送信され、近接された非接触ICカード機能を有する通信端末20を認識するためのテスト用の信号である。通信端末20は、ポーリング信号163を受信すると、そのレスポンス信号を送信元であるリーダライタ10に返信する。従って、リーダライタ10は、レスポンス信号の有無を確認することにより、非接触ICカード機能を有する通信端末20の近接の有無を判別することが可能となる。
【0038】
制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。制御部17は、記憶部16に記憶されている動作プログラム161を実行することで動作し、リーダライタ10の各部を制御する。
【0039】
また、制御部17は、機能的に、非接触通信部と音声通信部とを備える。非接触通信部171と音声通信部172とは、互いに独立して動作する。
【0040】
非接触通信部171は、非接触ICチップ12を制御して、送信データ162を通信端末20に送信したり、所定情報を受信する非接触通信を行う。非接触通信部の行う処理の詳細については後述する。
【0041】
音声通信部172は、放音部13及び集音部14を制御して、近接された通信端末20と音声情報の送受信を行う。音声通信部172の行う処理の詳細については後述する。
【0042】
続いて、リーダライタ10の非接触通信部171と音声通信部172とにより実施される通信処理の動作について説明する。
【0043】
(非接触通信処理)
始めに、非接触通信部171が実施する非接触通信処理について、図3Aのフローチャートを参照して説明する。
【0044】
リーダライタ10に電源が投入された場合又は処理開始の指示入力を受信した場合等に、非接触通信処理は開始される。まず、非接触通信部171は、非接触ICチップ12から非接触ICカードを捕捉するためのポーリング信号163を送信させる(ステップS101)。そして、非接触通信部171は、ポーリング信号163を送信してから所定時間内に、レスポンス信号を非接触ICチップ12が受信したか否かを判別する(ステップS102)。
【0045】
レスポンス信号を受信していないと判別された場合(ステップS102;No)、非接触ICカード機能を有している通信端末20は、リーダライタ10に近接していないとみなされる。従って、非接触通信部171は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS103)、ポーリング信号163を送信する処理を繰り返す(ステップS101)。
【0046】
レスポンス信号を受信したと判別された場合(ステップS102;Yes)、非接触ICカード機能を有している通信端末20は、リーダライタ10に近接しているとみなされる。従って、非接触通信部171は、非接触ICチップ12を制御して、通信端末20と非接触通信を行う(ステップS104)。具体的には、非接触通信部171は、通信端末20に送信データ162を送信したり、通信端末20から所定情報を受信する。
【0047】
非接触通信が終了すると、非接触通信部171は、所定時間待機し(ステップS102)、ポーリング信号163を送信する処理(ステップS101)を繰り返す。
【0048】
(音声通信処理)
続いて、音声通信部172が実施する音声通信処理について、図3Bのフローチャートを参照して説明する。
【0049】
リーダライタ10に電源が投入された場合又は処理開始の指示入力を受信した場合等に、音声通信処理は開始される。まず、音声通信部172は、通信端末20の近接の有無を判別する(ステップS201)。具体的には、音声通信部172は、近接検知部11から近接信号が入力されたか否かを判別する。
【0050】
近接が無いと判別された場合(ステップS201;No)、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS202)、再度通信端末20の近接の有無を判別する(ステップS201)。
【0051】
近接が有ると判別された場合(ステップS201;Yes)、音声通信部172は、近接された通信端末20と音声情報を送受信する音声通信を行う(ステップS203)。
【0052】
ここで、音声通信(ステップS203)の動作の詳細について、図4を参照して説明する。図4Aは音声通信の送信時の処理、図4Bは音声通信の受信時の処理を示したフローチャートである。
【0053】
最初に、音声通信の送信時の処理について、図4Aを参照して説明する。まず、音声通信部172は、所定の変換ルールに基づいて、送信データ162を音声信号に変換する(ステップS301)。例えば、記憶部16に、文字(アルファベット)毎に、各文字に対応した周波数を記憶するテーブルを記憶しておく。そして、送信データ162が文字列で有る場合、音声通信部172は、該テーブルを参照して、送信データ162が示す各文字を対応する周波数の音声信号に変換すればよい。
【0054】
続いて、音声通信部172は、変換した音声信号を放音部13から放音させる(ステップS302)。例えば、音声通信部172は、変換した文字列を示す各周波数の音声信号を、1文字毎に一定の時間間隔で、放音部13から放音させればよい。以上で、音声通信の送信時に処理は終了する。
【0055】
なお、予め記憶部16に音声信号を記憶させておき、音声通信の送信時の処理として、音声通信部172は、その音声信号を放音部13から放音させてもよい。また、記憶部16に記憶させる音声信号は、送信データ162を音声変換したもので無くてもよい。このようにすることで、送信データ162を音声信号に変換する処理が不要となるため、処理をより高速化することが可能となる。
【0056】
続いて、音声通信の受信時の処理について、図4Bを参照して説明する。まず、音声通信部172は、集音部14を制御して、音声信号を収音する(ステップS401)。
【0057】
続いて、音声通信部172は、集音した音声信号を所定の変換ルールに基づいて変換し、所定の情報(例えば、ユーザのID情報等)を取得し(ステップS203)、処理はステップS101に戻る。例えば、制御部17は、集音部14が連続的に集音した周波数が異なる音声信号を、上述のテーブルを参照して変換して、文字列を取得すればよい。以上で、音声通信の受信時に処理は終了する。
【0058】
なお、音声通信部172は、音声情報を送信する処理(図4A)と受信する処理(図4B)とを、通信内容に応じて繰り返し行ってもよい。
【0059】
図3Bに戻り、音声通信(ステップS203)が終了すると、音声通信部172は、所定時間待機し(ステップS202)、通信端末20の近接を判別する処理(ステップS201)を繰り返す。
【0060】
このように、本実施形態では、非接触通信部171による非接触通信処理と、音声通信部172による音声通信処理とが独立した別々の処理として、リーダライタ10で実施される。従って、非接触ICカード機能を有している通信端末20および音声通信機能を有している通信端末20のどちらであっても、通信(情報の送受信)を行うことが可能となる。また、非接触通信部171による非接触通信処理と音声通信部172による音声通信処理とで、タッチ面に設けられた同じ近接検知部11を併用することができる。従って、省スペース且つ低コストで、非接触ICカード機能による非接触通信と音声通信との両方に対応した通信を行うことが可能となる。
【0061】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態に係るリーダライタ10について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、非接触通信部171と音声通信部172とが連携して動作することを特徴とする。なお、第2の実施形態に係るリーダライタ10は、第1の実施形態と同様の構成を有するため、構成の説明については省略する。
【0062】
第2の実施形態に係るリーダライタ10で行われる通信処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
リーダライタ10に電源が投入された場合又は処理開始の指示入力を受信した場合等に、通信処理は開始される。まず、非接触通信部171は、ポーリング信号163を送信させる(ステップS501)。そして、非接触通信部171は、ポーリング信号163を送信してから所定時間内に、レスポンス信号を非接触ICチップ12が受信したか否かを判別する(ステップS502)。
【0064】
レスポンス信号を受信したと判別された場合(ステップS502;Yes)、非接触ICカード機能を有している通信端末20は、リーダライタ10に近接しているとみなされる。従って、非接触通信部171は、非接触ICチップ12を制御して、通信端末20と非接触通信を行う(ステップS503)。非接触通信が終了すると、非接触通信部171は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS504)、ステップS501に処理は戻る。
【0065】
レスポンス信号を受信していないと判別された場合(ステップS502;No)、音声通信部172は、通信端末20の近接の有無を判別する(ステップS505)。具体的には、音声通信部172は、近接検知部11から近接信号が入力されたか否かを判別する。
【0066】
近接が無いと判別された場合(ステップS505;No)、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS503)、ステップS501に処理は戻る。
【0067】
近接が有ると判別された場合(ステップS505;Yes)、音声通信部173は、音声通信部172は、近接された通信端末20と音声情報を送受信する音声通信を行う(ステップS506)。音声通信が終了すると、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS504)、ステップS501に処理は戻る。
【0068】
このように、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、非接触通信部171と音声通信部172とが連携して一連の通信処理を行う。具体的には、第2の実施形態では、非接触通信部171がレスポンス信号を検出しなかったときに、音声通信部172が通信端末20の近接の有無を判別する。従って、本実施形態に係るリーダライタ10は、非接触通信部171と音声通信部172とがそれぞれ独立してレスポンス信号の有無と近接の有無とを常時判別している第1の実施形態に係るリーダライタ10よりも、消費電力を少なくすることが可能となる。
【0069】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態に係るリーダライタ10について説明する。第3の実施形態でも、第2の実施形態と同様に、非接触通信部171と音声通信部172とが連携して動作することを特徴とする。なお、第3の実施形態に係るリーダライタ10は、第1の実施形態と同様の構成を有するため、構成の説明については省略する。
【0070】
第3の実施形態に係るリーダライタ10で行われる通信処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0071】
リーダライタ10に電源が投入された場合又は処理開始の指示入力を受信した場合等に、通信処理は開始される。まず、音声通信部172は、通信端末20の近接の有無を判別する(ステップS601)。具体的には、音声通信部172は、近接検知部11から近接信号が入力されたか否かを判別する。
【0072】
近接が無いと判別された場合(ステップS601;No)、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS602)、ステップS601に処理は戻る。
【0073】
近接が有ると判別された場合(ステップS601;Yes)、非接触通信部171は、ポーリング信号163を送信させる(ステップS603)。そして、非接触通信部171は、ポーリング信号163を送信してから所定時間内に、レスポンス信号を非接触ICチップ12が受信したか否かを判別する(ステップS604)。
【0074】
レスポンス信号を受信したと判別された場合(ステップS604;Yes)、非接触ICカード機能を有している通信端末20は、リーダライタ10に近接しているとみなされる。従って、非接触通信部171は、非接触ICチップ12を制御して、通信端末20と非接触通信を行う(ステップS605)。非接触通信が終了すると、非接触通信部171は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS602)、ステップS601に処理は戻る。
【0075】
レスポンス信号を受信していないと判別された場合(ステップS604;No)、音声通信部172は、ステップS601で近接有りと判別された通信端末20と音声情報を送受信する音声通信を行う(ステップS606)。非接触通信が終了すると、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS602)、ステップS601に処理は戻る。
【0076】
このように、第3の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、非接触通信部171と音声通信部172とが連携して一連の通信処理を行う。具体的には、第3の実施形態では、音声通信部172が通信端末20の近接を検知したときに、非接触通信部171がポーリング信号を送信して当該通信端末20が非接触ICカード機能を有するか否かを判別する。従って、本実施形態に係るリーダライタ10は、非接触通信部171と音声通信部172とがそれぞれ独立してレスポンス信号の有無と近接の有無とを常時判別している第1の実施形態に係るリーダライタ10よりも、消費電力を少なくすることが可能となる。
【0077】
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態に係るリーダライタ10について説明する。第4の実施形態でも、第2の実施形態と同様に、非接触通信部171と音声通信部172とが連携して動作することを特徴とする。なお、第4の実施形態に係るリーダライタ10は、第1の実施形態と同様の構成を有するため、構成の説明については省略する。
【0078】
第4の実施形態に係るリーダライタ10で行われる通信処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0079】
リーダライタ10に電源が投入された場合又は処理開始の指示入力を受信した場合等に、通信処理は開始される。まず、音声通信部172は、通信端末20の近接の有無を判別する(ステップS701)。具体的には、音声通信部172は、近接検知部11から近接信号が入力されたか否かを判別する。この際、制御部17は、近接検知部11の検出感度が高くなるように制御する。このため、近接検知部11による通信端末20の検出可能範囲は、検出感度が低い場合よりも広くなる。
【0080】
近接が無いと判別された場合(ステップS701;No)、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS702)、ステップS701に処理は戻る。
【0081】
近接が有ると判別された場合(ステップS701;Yes)、非接触通信部171は、ポーリング信号163を送信させる(ステップS703)。そして、非接触通信部171は、ポーリング信号163を送信してから所定時間内に、レスポンス信号を非接触ICチップ12が受信したか否かを判別する(ステップS704)。
【0082】
レスポンス信号を受信したと判別された場合(ステップS704;Yes)、非接触ICカード機能を有している通信端末20は、リーダライタ10に近接しているとみなされる。従って、非接触通信部171は、非接触ICチップ12を制御して、通信端末20と非接触通信を行う(ステップS705)。非接触通信が終了すると、非接触通信部171は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS702)、ステップS701に処理は戻る。
【0083】
レスポンス信号を受信していないと判別された場合(ステップS704;No)、音声通信部172は、通信端末20の近接の有無を判別する(ステップS706)。具体的には、音声通信部172は、近接検知部11から近接信号が入力されたか否かを判別する。この際、制御部17は、近接検知部11の検出感度が低くなるように制御する。このため、近接検知部11による通信端末20の検出可能範囲は、ステップS701における検出感度が高い場合よりも狭くなる。
【0084】
近接が無いと判別された場合(ステップS706;No)、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS702)、ステップS701に処理は戻る。
【0085】
近接が有ると判別された場合(ステップS706;Yes)、音声通信部172は、ステップS706で近接有りと判別された通信端末20と音声情報を送受信する音声通信を行う(ステップS707)。非接触通信が終了すると、音声通信部172は、計時部15を制御して所定時間待機し(ステップS702)、ステップS701に処理は戻る。
【0086】
このように、第4の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、非接触通信部171と音声通信部172とが連携して一連の通信処理を行う。具体的には、第4の実施形態では、音声通信部172が通信端末20の近接を検知したときに、非接触通信部171がポーリング信号を送信して当該通信端末20が非接触ICカード機能を有するか否かを判別する。従って、本実施形態に係るリーダライタ10は、非接触通信部171と音声通信部172とがそれぞれ独立してレスポンス信号の有無と近接の有無とを常時判別している第1の実施形態に係るリーダライタ10よりも、消費電力を少なくすることが可能となる。
【0087】
なお、上記各実施形態は、種々の変形、および、応用が可能である。例えば、リーダライタ10の近接検知部11は、加速度センサによって構成されてもよい。そして、通信端末20がリーダライタ10と通信をする場合、通信端末20とリーダライタ10とが衝突し、近接検知部11が閾値以上の加速度を検知した場合、近接検知部11は、近接があったものとして、その検知信号を制御部17に出力するようにしてもよい。また、近接検知部11は、近接センサと加速度センサと組み合わせて構成されて、両センサの検知信号を制御部17に出力してもよい。
【0088】
また、送信時の音声通信の処理(図4(A))として、リーダライタ10は、送信データ162を音声信号に変換して送信した。しかし、リーダライタ10は、送信データ162を音声化した音声信号を予め記憶部16に記憶しておき、音声信号送信時には予め記憶されている音声信号を送信するようにしてもよい。
【0089】
また、リーダライタ10は、インターネットを介してサーバと接続し、通信端末20に送信するデータをサーバから取得したり、通信端末20から受信したデータをサーバに送信してもよい。
【0090】
また、本実施形態のリーダライタ10は、専用のハードウェアに限られるものではなく、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
【0091】
具体的には、上記実施形態では、リーダライタ10が実行する動作プログラム161が、記憶部16に予め記憶されているものとして説明した。しかし、上述の処理動作を実行させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよい。この場合、プログラムがコンピュータにインストールされることにより、上述の処理を実行するリーダライタ10が構成される。
【0092】
本願は、2010年12月3日に出願された日本国特許出願2010−270924号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2010−270924号の明細書、特許請求の範囲、及び図面全体を参照として取り込むものとする。
【符号の説明】
【0093】
10 リーダライタ
11 近接検知部
12 非接触ICチップ
13 放音部
14 集音部
15 計時部
16 記憶部
161 動作プログラム
162 送信データ
163 ポーリング信号
17 制御部
171 非接触通信部
172 音声通信部
20 通信端末
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7