特許第5798126号(P5798126)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798126
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】引出しのレール機構
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/04 20060101AFI20151001BHJP
   A47B 88/10 20060101ALI20151001BHJP
   A47B 88/14 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   A47B88/04 E
   A47B88/10 Z
   A47B88/14 Z
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-545006(P2012-545006)
(86)(22)【出願日】2010年11月8日
(65)【公表番号】特表2013-514842(P2013-514842A)
(43)【公表日】2013年5月2日
(86)【国際出願番号】AT2010000424
(87)【国際公開番号】WO2011075752
(87)【国際公開日】20110630
【審査請求日】2013年9月10日
(31)【優先権主張番号】A2028/2009
(32)【優先日】2009年12月23日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギャッサー,インゴ
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−517106(JP,A)
【文献】 特開2008−049093(JP,A)
【文献】 特開2010−259782(JP,A)
【文献】 特表2011−515169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出し用のレールシステム(4)であって、
家具枠体(2)に固定される枠体レール(6)と、
該枠体レール(6)に対して可動な少なくとも一本の引出しレール(7)と、
本レールシステム(4)のレール上に配置された少なくとも一つのラック(9)とを含んでおり、
前記ラック(9)は、前記レールに対して旋回又は屈曲し、
前記ラック(9)は、前記レールの延出方向に延伸する概念的軸(A)周囲で前記レールに固定されることで、高さ方向に制限されるように可動に取り付けられていることを特徴とするレールシステム。
【請求項2】
前記ラック(9)は、弾性を有する凹部分(15)によって高さ方向に制限されるように、可動に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のレールシステム。
【請求項3】
前記ラック(9)は、前記レールの一つに薄膜状のヒンジ(15a)によって接続されていることを特徴とする請求項1または2記載のレールシステム。
【請求項4】
前記ラック(9)は、アダプタ(19)上に配置または提供されており、前記アダプタ(19)は少なくとも一つの固定位置(21a、21b)によってレール(6、7、10)の一つに接続または着脱式に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレールシステム。
【請求項5】
前記アダプタ(19)は実質的にL形状体であり、該L形状体の脚部(19a)の取付位置で前記枠体レール(6)の垂直リムに接し、前記L形状体の他方の脚部(19b)は前記枠体レール(6)の水平リムに接することを特徴とする請求項4記載のレールシステム。
【請求項6】
前記アダプタ(19)は、本レールシステム(4)への適切な取付けのために枠体レール(6)と前記家具枠体(2)との間でネジ留めされることを特徴とする請求項4または5記載のレールシステム。
【請求項7】
前記ラック(9)に係合する少なくとも一つのピニオン(8)が提供されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のレールシステム。
【請求項8】
前記ラック(9)は前記枠体レール(6)上に配置されており、前記ピニオン(8)は前記引出しレール(7)または前記引出し(3)上に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載のレールシステム。
【請求項9】
前記ラック(9)は前記引出しレール(7)上に配置されており、前記ピニオン(8)は前記枠体レール(6)または前記家具枠体(2)上に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載のレールシステム。
【請求項10】
前記ラック(9)に対する前記ピニオン(8)の係合の深さを制限する制限装置(18)が提供されており、前記ピニオン(8)の歯部(8a)は前記ラック(9)の対応する歯部の間隙(9a)に部分的にのみ係合することを特徴とする請求項7または8記載のレールシステム。
【請求項11】
前記制限装置(18)は本レールシステムの長手方向に配置された部分(18b)の走行面上を走行する走行輪(18a)を有することを特徴とする請求項10記載のレールシステム。
【請求項12】
前記走行輪(18a)は前記ピニオン(8)の回転軸に対して共軸的に取り付けられていることを特徴とする請求項11記載のレールシステム。
【請求項13】
前記制限装置(18)は、前記ラック(9)の下で係合し、それによって前記ラック(9)に対する前記ピニオン(8)の上昇幅が制限できる少なくとも一つの延出部(18c)を有することを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載のレールシステム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の2つのレールシステムを含んだ構造体であって、
これら2つのレールシステム(4)は、家具(1)の両側壁にそれぞれ固定され、該レールシステム(4)は、同期バー(5)によって同期的動作の伝達のために連結されており、
少なくとも一つのそれぞれのピニオン(8)が、該レールシステム(4)のそれぞれのラック(9)に係合することを特徴とする構造体。
【請求項15】
請求項14記載の構造体を含んだ家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は引出しのレールシステムに関する。このレールシステムは、家具本体に固定される枠体レールと、その枠体レールに対して可動な少なくとも一本の引出しレールと、レールシステムのレール上に配置される少なくとも一つのラックとを含んでいる。
【0002】
本発明はさらに、以下で解説される種類の2つのレールシステムの構造体にも関する。これらレールシステムは家具の両側壁に取り付けられ、同期バーによって同期動作の伝達のために連結されている。
【背景技術】
【0003】
このようなレールシステムは通常、ラック・ピニオン構造体によって家具の両側に存在する2つの引出し延出ガイドの動作を同期化するために使用されている。これによって延出家具部(特に引出し)は正確に平行に案内(ガイド)される。この家具枠体に対する平行な案内は、特に、非常に狭いか、又は、非常に幅広い引出しが移動するときに有利である。そのような場合、引出しの横方向への傾斜がこの並行案内効果によってほぼ防止できる。この両側に配置されたレールシステムは延出方向に対して横方向に延出する同期バーによって頻繁に(高い頻度で)同期化される。同期バーの両端領域には、同期化されるレールシステムのラックにそれぞれ係合するピニオンが取り付けられている。本出願人のEP1036526B1は、ラック・ピニオン構造体を有するそのような平行ガイド(案内)構造体について開示している。公知のレールシステムでは、ラックとピニオンとの間のロック接続がレールシステムの動作不良につながるという問題が時々発生し、通常の使用における引出しの望まない動作阻害が生じる。
【0004】
DE4301326A1は引出し延出構造体について解説しており、そこでは枠体レールと引出レールに歯型ラックが可動式に取り付けられており、それぞれの固定端から全体の長さにわたって自由に突き出ることができるようになっている。この場合ラックの屈曲性の軸はレールの延出方向に対してほぼ直角に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許願1036526B1号
【特許文献1】ドイツ国特許願4301326A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、本明細書の当初部分で述べたような、改良された走行特性を有する一般的なレールシステムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、それは請求項1の特徴によって達成される。本発明のさらなる有利な形態は従属請求項において記載されている。
【0008】
このように、レールの延出方向に延びる概念的軸の周囲でレールに対して固定され、上下に制限式に可動に取り付けられた旋回可能または屈曲可能なラックが提供される。
【0009】
高さ方向に弾性的に取り付けられたラックは、動作不良状態になるとピニオンに対して凹むため、ラックを上下に制限して可動に取り付けることで、引出しを引き出すか押し込むときに、ピニオンとラックとの間の捩れを防止することができる。この場合にも、ピニオンとラックとの間のロック接続は維持される。したがってラックは自身の弾力性によって、またはバネの力によってピニオン側に弾力的に予圧が可能である。
【0010】
1実施態様では、ラックは弾性凹み部分によって高さ方向に制限されるように可動に取り付けられている。この弾性凹み領域は、垂直変形後にラックが自動的に元の開始位置に戻るようになっている。
【0011】
本発明の1実施態様では、ラックはレールの一方にフィルムヒンジによって接続されている。ラックと、静止状態または高さ方向に不動なレール部分との間のそのような一体型ヒンジ接続は、薄壁接続(例えばレールの延伸方向に延びる溝)によって実現できる。ラックを長手軸周囲で旋回させる屈曲性ヒンジを使用することは同様に有利であり可能である。
【0012】
本発明の応用実施態様では、ラックはアダプタ上に配置されており、アダプタは少なくとも一箇所の固定位置で、レールの一方に接続されているか、または解放可能に接続されている。この点で、アダプタがほぼL形であることが望ましく、取り付け位置では、L形の一本の脚部(リム)が枠体レールの垂直部に接し、L形のもう一本の脚部(リム)は枠体レールの水平部に接する。家具枠体へのレールシステムの取り付けと同時に固定されるアダプタによって簡易な固定が実行できる。
【0013】
少なくとも一つのピニオンがレールシステムのラックに係合する。ラックに係合するピニオンは、平行案内ピニオンとして、直接的にまたは間接的に同期バーに連結可能である。特に、ピニオンと同期バーとの間の非回転式接続が可能である。
【0014】
第1実施例では、ラックは枠体レールまたは家具枠体に配置されており、ピニオンは引出しレールまたは引出しに取り付けられている。別な実施例では、ラックは引出しレールまたは引出しに配置されており、ピニオンは枠体レールまたは家具枠体に取り付けられている。
【0015】
本発明のさらなる詳細と利点は後述する詳細な説明によって解説する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】両側に配置されたレールシステムによって家具枠体に対して移動可能に取り付けられた引出しを備えた家具を示す斜視図である。
図2a】引出し動作の同期化のために提供されたラックが枠体レール上に配置されているレールシステムと、引出しの上に配置されたラックの斜視図である。
図2b】引出し動作の同期化のために提供されたラックが枠体レール上に配置されているレールシステムと、引出しの上に配置されたラックの斜視図である。
図3a】ラックがフィルムヒンジによって枠体レールに接続されたレールシステムの断面図とその拡大詳細図である。
図3b】ラックがフィルムヒンジによって枠体レールに接続されたレールシステムの断面図とその拡大詳細図である。
図4a】レールシステムを後方から見た図とその斜視図である。
図4b】レールシステムを後方から見た図とその斜視図である。
図5a】ラックを運搬するアダプタを備えた本発明の1実施例の斜視分解図と、レールシステムの取付位置の断面図である。
図5b】ラックを運搬するアダプタを備えた本発明の1実施例の斜視分解図と、レールシステムの取付位置の断面図である。
図6a】家具枠体の両側の2本のレールシステムの動作の同期化のために提供された同期バーの1実施例の斜視図と断面図であり、同期バーはヒンジを有している。
図6b】家具枠体の両側の2本のレールシステムの動作の同期化のために提供された同期バーの1実施例の斜視図と断面図であり、同期バーはヒンジを有している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、引出し3がレールシステム4によって家具枠体2に対して移動可能に取り付けられたキャビネット形態の家具枠体2を有する家具1の斜視図である。引出し3の両側にはレールシステム4が配置されており、2つのレールシステムは家具枠体2の両側の側壁にそれぞれ固定されている。引出し3の延伸方向に対して横断するように延びるトーションシャフト形態の同期バー5が図示されている。2つのレールシステム4の動きは同期バー5によって互いに同期化され、この構成によって家具枠体2に対する引出し3の正確な平行な案内の提供が可能である。2つのレールシステム4はそれぞれ家具枠体2に取り付けられる枠体レール6と、枠体レール6に対して移動可能な少なくとも一本の引出しレール7とを有する。同期バー5の目的は、引出し3が横方向に傾斜することなく家具枠体2から引き出され、又は、枠体に押し込まれるよう、左側と右側の引出しレール7の動きを互いに同期化することである。端部領域で同期バー5は、少なくとも一つの回転式に取り付けられ、レールシステム4のラック9と噛合するピニオン8を有する。逆に、ラック9を引出し3または引出しレール7に取り付け、関連するピニオン8を枠体レール6または家具枠体2に取り付けることが可能であることも理解されよう。
【0018】
図2aは、家具枠体2に取り付けられる枠体レール6と、変位可能な引出しレール7とを備えたレールシステム4の斜視図である。引出し3が家具枠体2に対して完全に延伸するよう、枠体レール6と引出しレール7との間に中間レール10が知られた方法で移動式に取り付けられている。個別のレールシステム4のレール移動の同期化のため、中間レール10に回転式に取り付けられたピニオンを備えた同期装置11が提供されており、引出しレール7が中間レール10の約2倍の速度で移動するよう、スライドの進行に従って可動レール7と10とを互いに制御することができる。取付ブロック12が延伸可能な引出しレール7に固定式に接続されている。ラック9に係合する図1のピニオン8は取付ブロック12内に収容される。ラック9は引出し3の延伸方向に延伸し、実質的にレール6、7、10の全長にわたって延伸し、本実施例では枠体レール6の全長にわたって延伸する。ラック9をレール6、7、10の一部にわたってのみ延伸させることも可能であることは理解できよう。引出し3が延伸方向13に引き出されると、引出しレール7はその上に取り付けられた取付ブロック12と、同期バー5と共に前方にラック9に沿って移動し、ピニオン8もラック9に沿って移動する。2つのレールシステム4のピニオン8の家具枠体2の両側での移動は同期バー5によって同期化されることができる。
【0019】
図2bはその機構を反転した配置を示したものを示す。すなわちピニオン8を備えた取付ブロック12が枠体レール6(または家具枠体2)に取り付けられている状態と、ラック9が引出しレール7(または引出し3にも)に取り付けられている状態を概略的に示しているだけである。
【0020】
図3aは、静止枠体レール6と、静止枠体レールに対して可動な中間レール10と、引出しレール7とを有するレールシステム4の垂直断面図である。荷重伝達回転体を備えた移動可能な走行台車14aと14bはレール6、7、10との間に取り付けられている。図示の実施例では、ラック9は弾性領域15を介して枠体レール6の静止部分に接続されている。図3bは図3aの丸で囲んだ領域の拡大図である。弾性を有する凹み領域15は図示の実施例ではフィルム(薄い膜状の)ヒンジ15aであり、すなわち溝16の形態のレール6、7、10の縦方向に延びるレール6の局所的な弱体部によって具現化されており、これによってラック9に上方向の部分的な柔軟性を提供している。ピニオン8とラック9との間の動作不良のリスクはこの構成で実質的に減少する。ラック9の高さ方向に可動な取り付けも柔軟なヒンジによって可能であり、図示の双頭矢印で示すように、ラック9は高さ方向に制限式に可動となる。ラック9はこのようにレール6に対して延伸方向13(図2a)に延伸する概念的軸(A)の周囲で旋回可能か、折り曲げ可能であり、これにより高さ方向への移動が制限されるように可動(移動可能に)に取り付けられている。ヒンジまたは軸(A)は確定的な位置(例えばフィルムヒンジの弱体部)である必要はない。むしろ、ラック9は、それ自身が弾力的に折り曲げ可能な形態で、長手方向の自由端で下方に曲がることができるものでもよい。
【0021】
図4aはレールシステム4に接続された引出し3を後方から見た図である。取付ブロック12は引出しレール7に固定式に取り付けられており、ラック9に係合するピニオン8は枠体レール6に接続されている。家具枠体2の両側の2つのレールシステム4のピニオン8の回転運動は同期バー5によって互いに同期化される。図示の実施例では、同期バー5は2つの部材からなる構造であり、継手部17によって共に接続された2本のシャフト部5aと5bを含んでいる。同期バー5の継手部17は2つの両側に配置されたレールシステム4の設置誤差、高さ誤差および角度のずれを補正することができる。継手部17がこのような構造であるので、2本のシャフト部5aと5bの互いの回転運動が可能となる。
【0022】
図4bは閉位置にあるレールシステム4を後方から見た斜視図である。レールシステム4は、ピニオン8の歯部8aがラック9の対応する歯部の間隙9aに部分的のみ係合するように、ラック9に対するピニオン8の係合程度(係合の深さ)を制限する制限装置18を有する。制限装置18は、ピニオン8に対して共軸式に回転するように取り付けられた走行輪18a(好適には摩擦車の形態)を含んでいる。走行輪18aの直径はピニオン8の直径よりも小さい。ラック9のほぼ全長にわたって延びる(好適には弾性的に凹む)部材18bが図示されている。走行輪18aはプラスチック製の部材18bの走行面に沿って走行し、これにより、ピニオン8の歯部8aはラック9の歯部間隙9aに完全に係合することができない。これによってピニオン8とラック9との間の動作不良を効果的に阻止でき、通常の使用での引出し3の動作不良リスクも防止する。制限装置18は、ラック8の下で係合し、それによってラック9に対するピニオン8の上昇幅(上昇高)が制限できる延出部18cも含んでいる。図示の実施例では、延出部18cは取付けブロック12の一部であり、引出し3を動かすと、静止ラック9に沿って移動できる。プラスチック製の部材18bは本質的にピニオン8とラック9との間のクッションとして作用し、ピニオン8を遊びなし(play−free fashion)に低ノイズで案内する。
【0023】
図5aはレールシステム4の分解図であり、ラック9は略L形状のアダプタ(補助器具)19上に提供されている。アダプタ19は互いにほぼ直角に配置された2本の脚部19aと19bとを含んでいる。ラック9は脚部19bに取り付けられている。アダプタ19は、工場加工または後付けとして、引出し3用の商業的に入手可能な延出ガイド(枠体レール6とそれに対して移動可能な少なくとも一本の引出しレール7を含む)をラック9に装着するのに特に適している。アダプタ19はプラスチック製または金属製でよい。アダプタは、枠体レール6の固定部位6aと6bと整合する固定部位21aと21bを有している。したがって取付け作業では、ネジが枠体レール6の固定部位6aと6b、およびアダプタ19の固定部位21aと21bを貫通して家具枠体2にネジ留めされる。アダプタ19の固定部位21aと21bは実施可能な一例である。アダプタ19とレールシステム4との間にスナップ式接続部を提供することも可能である。
【0024】
図5bは、家具枠体2に固定される図5aの枠体レール6を示している。取付け作業において、アダプタ19の脚部19aは枠体レール6と家具枠体2との間にネジ留めされる。アダプタの下方脚部19bは、引出し2の移動中にピニオン8とラック9との間の動作不良を阻止するため、ラック9が高さ方向に制限式に取り付けられるように弾性を有する。
【0025】
図6aは、家具枠体2の両側の2つのレールシステム4の同期化のために提供される同期バー5の1実施例を示している。同期バー5は2つの部材からなる形態であり、継手部17によって接続される2本のシャフト部分5aと5bとを含んでいる。継手部17は2本のシャフト部5aと5bを互いに放射状に移動させる。継手部17は、特にカルダン継手(cardan joint)またはボール継手(ball joint)であるシャフト継手の形態でよい。このように、家具枠体2の両側のレールシステム4の相対的ずれの補正を可能にする。図6bは、図6aの2本のシャフト部5aと5bを備えた同期バー5の断面図である。シャフト部5aと5b上に配置され、継手部17の対応する歯構造体に係合するギヤヘッド20が図示されている。
【0026】
本発明は解説した実施例に限定されず、添付の請求の範囲内の全ての技術的均等物を含んでいる。上、下、横など、説明で採用した位置的関係は直接的に解説した図面に関するものであって、全体位置の変化に応じて新しい位置に適宜変更されるべきものである。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b