(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798173
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】側溝蓋の改修工法
(51)【国際特許分類】
E03F 5/04 20060101AFI20151001BHJP
E03F 7/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
E03F5/04 D
E03F5/04 E
E03F7/00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-250044(P2013-250044)
(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公開番号】特開2015-108217(P2015-108217A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2013年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】395015722
【氏名又は名称】株式会社カンケン
(74)【代理人】
【識別番号】100148792
【弁理士】
【氏名又は名称】三田 大智
(74)【代理人】
【識別番号】100077735
【弁理士】
【氏名又は名称】市橋 俊一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100070323
【弁理士】
【氏名又は名称】中畑 孝
(72)【発明者】
【氏名】石川 利勝
(72)【発明者】
【氏名】今泉 孝
(72)【発明者】
【氏名】福山 裕史
【審査官】
越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−231461(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3112401(JP,U)
【文献】
特開2011−231460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設側溝の対向する左側壁及び右側壁の各上部内側に断落ちして形成された左蓋受部及び右蓋受部により支持される側溝蓋の改修工法であって、以下のA乃至Fの工程を含む側溝蓋の改修工法。
A:既設側溝蓋を除去する、
B:上記既設側溝蓋よりも薄厚且つ幅狭の新設側溝蓋を用意する、
C:既設側溝の上記対向する左右側壁の上端面間に架橋する吊り下げ治具を上記新設側溝蓋の上面に長手方向に沿って間隔を置いて複数取り付ける、
D:上記各吊り下げ治具は該各吊り下げ治具の下面を上記新設側溝蓋の上面に密着した状態で固定して取り付ける、
E:上記各吊り下げ治具の左端部の下面を既設側溝の上記左側壁の上端面上に載置すると共に同吊り下げ治具の右端部の下面を既設側溝の上記右側壁の上端面上に載置して、該各吊り下げ治具を既設側溝の上記左右側壁の上端面間に架橋することにより上記新設側溝蓋の上面を上記左右側壁の上端面と面一にしつつ当該新設側溝蓋を上記左右蓋受部の立ち上がり面間で吊り下げて支持する、
F:上記吊り下げ状態の新設側溝蓋の左端面と上記左蓋受部の立ち上がり面間に画成される空間及び同新設側溝蓋の右端面と上記右蓋受部の立ち上がり面間に画成される空間に充填材を充填し当該新設側溝蓋を固定する。
【請求項2】
既設側溝の上記左右蓋受け部のそれぞれの底面と該各底面と対面する上記新設側溝蓋の下面間にシール材を配設し上記充填材の充填を行うことを特徴とする請求項1記載の側溝蓋の改修工法。
【請求項3】
上記新設側溝蓋の上面にボルト孔を形成し、該ボルト孔に螺合するボルトにより上記吊り下げ治具を取り付けることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の側溝蓋の改修工法。
【請求項4】
既設側溝の上記左側壁又は/及び上記右側壁の上端面に破損が生じている場合には、該破損している上端面と上記吊り下げ治具の端部下面間に楔を打ち込み上記新設側溝蓋のレベル調整を図ることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の側溝蓋の改修工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリート製の既設側溝に装着されているコンクリート製の側溝蓋の改修工法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設側溝に装着されている側溝蓋は、当該側溝の対向する左側壁及び右側壁のそれぞれの上部内側に断落ちして形成された左蓋受部及び右蓋受部に幅方向(短手方向)の両端部が支持されている状態で上記対向する左右側壁間の開口部を覆っており、荷重や振動が繰り返し加わることにより一部が欠けたり割れたりして、歩行者を危険にさらすと共にガタついて騒音の発生源ともなる。
【0003】
上記のように劣化した側溝蓋の改修方法としては、既設側溝蓋を新たな側溝蓋に架け替える方法や現場打ちコンクリートにより暗渠化する方法が既知である。
【0004】
然し乍ら、側溝蓋を新たに架け替えたとしても、荷重や振動により結局は新設した側溝蓋に欠けや割れが生じたり、ガタツキが生じたりする問題を抜本的に解決することはできない。
【0005】
又現場打ちによる改修方法では、打設したコンクリートが所定の強度まで硬化するためには数日の養生期間を要し、即日使用に供することができない。
【0006】
そこで、下記特許文献1に示すように、既設側溝の左右蓋受部にモルタル等の充填材を介してコンクリート二次製品たる新設側溝蓋(一次蓋)を固定し、既設側溝と新設側溝蓋とを一体化する改修方法が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−255612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1の改修方法によれば、既設側溝の左右蓋受部をそのまま利用して新設側溝蓋を配設し充填材により固定するだけの簡易作業で、短時間で作業を終えることができると共に新設側溝蓋が既設側溝と一体化しガタツキ等を有効に防止することができる利点を有する
【0009】
然し乍ら、特に既設側溝の蓋受部の底面(新設側溝蓋の支持面)が破損している場合には、新設側溝蓋の下面側でレベル調整を行い、新設側溝蓋の上面と既設側溝の左右側壁の上端面とを面一にする煩雑な作業を要することとなる問題点を有している。
【0010】
又蓋受部に破損がない場合でも、新設側溝蓋の厚さと除去した既設側溝蓋の厚さとを一致させなければ、新設側溝蓋の上面と既設側溝の左右側壁の上端面とを面一にすることができない問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記従来方法の問題点を適切に解決する側溝蓋の改修工法を提供する。
【0012】
要述すると、本発明に係る改修工法は、既設側溝の対向する左側壁及び右側壁の各上部内側に断落ちして形成された左蓋受部及び右蓋受部により支持される側溝蓋の改修工法であって、以下のA乃至
Fの工程を含み、蓋受部が破損していても容易且つ適切に側溝蓋を改修できる。
A:既設側溝蓋を除去する、
B:上記既設側溝蓋よりも薄厚且つ幅狭の新設側溝蓋を用意する、
C:既設側溝の上記対向する左右側壁の上端面間に架橋する吊り下げ治具を上記新設側溝蓋の上面に長手方向に沿って間隔を置いて複数取り付ける、
D:
上記各吊り下げ治具は該各吊り下げ治具の下面を上記新設側溝蓋の上面に密着した状態で固定して取り付ける、
E:上記各吊り下げ治具
の左端部の下面を既設側溝の上記左側壁の上端面上に載置すると共に同吊り下げ治具の右端部の下面を既設側溝の上記右側壁の上端面上に載置して、該各吊り下げ治具を既設側溝の上記左右側壁の上端面間に架橋することにより上記新設側溝蓋の上面を上記左右側壁の上端面と面一にしつつ当該新設側溝蓋を上記左右蓋受部の立ち上がり面間で吊り下げて支持する、
F:上記吊り下げ状態の新設側溝蓋の左端面と上記左蓋受部の立ち上がり面間に画成される空間及び同新設側溝蓋の右端面と上記右蓋受部の立ち上がり面間に画成される空間に充填材を充填し当該新設側溝蓋を固定する。
【0013】
ここで、本発明における上記新設側溝蓋は、既述のように、外形が既設側溝蓋よりも薄厚且つ幅狭であり上記吊り下げ治具にて吊り下げることができるものであれば、形状は実施に応じ任意である。即ち本発明における上記新設側溝蓋は、上面に集水用スリットが形成されている側溝蓋、上面に自動車に振動を与えドライバーに警告を促す凸部が形成されている側溝蓋、上面に滑り止め加工が施されている側溝蓋、二次蓋装着用の開口部を備える一次蓋等を含む。
【0014】
好ましくは、既設側溝の上記左右蓋受け部のそれぞれの底面と該各底面と対面する上記新設側溝蓋の下面間にシール材を配設し上記充填材の充填を行うことにより、該充填材の既設側溝内部への流出を有効に防止する。
【0015】
又上記新設側溝蓋の上面にボルト孔を形成し、該ボルト孔に螺合するボルトにより上記吊り下げ治具を取り付ける構成とし、該吊り下げ治具の脱着を容易にする。
【0016】
又既設側溝の上記左側壁又は/及び上記右側壁の上端面に破損が生じている場合には、該破損している上端面と上記吊り下げ治具の端部下面間に楔を打ち込み上記新設側溝蓋のレベル調整を図り、即ち露出している新設側溝蓋の上面側からレベル調整を図り、該レベル調整作業を確実且つ容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る側溝蓋の改修工法にあっては、既設側溝の左右側壁の上端面間に架橋する吊り下げ治具により新設側溝蓋を吊り下げて、該新設側溝蓋のレベル調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0018】
又既設側溝の左右蓋受部の何れか又は双方が破損していても、左右側壁の上端面が健全であれば、適切に改修作業を行うことができる。
【0019】
仮に上記左右側壁の上端面の何れか又は双方が破損している場合でも、新設側溝蓋の上面側、即ち外方に露出している側から新設側溝蓋のレベル調整を行うことができ、適切に改修作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】新設側溝蓋に吊り下げ治具を固定する状態を概示する斜視図。
【
図2】(A)は集水用スリットを形成した新設側溝蓋の例を示す斜視図、(B)は上面に複数の突起を形成した新設側溝蓋の例を示す斜視図、(C)は上面に小溝を多数形成した新設側溝蓋の例を示す斜視図、(D)は一次蓋としての新設側溝蓋の例を示す斜視図。
【
図3】新設側溝蓋と既設側溝との関係を示す斜視図。
【
図4】新設側溝蓋を吊り下げ治具を介して吊り下げ状態にした様子を概示する説明図。
【
図5】新設側溝蓋の左端面と既設側溝の左蓋受部の立ち上がり面間の空間及び新設側溝蓋の右端面と既設側溝の右蓋受部の立ち上がり面間の空間に充填材を充填した状態を概示する説明図。
【
図6】既設側溝の破損している側壁上端面と吊り下げ治具の下面間に楔を配した状態を概示する説明図。
【
図7】新設側溝蓋を固定した後、吊り下げ治具を除去した状態を概示する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の最良の形態を
図1乃至
図7に基づき説明する。
【0022】
本発明に係る側溝蓋の改修工法は、
図3乃至
図7に示すコンクリート製の既設側溝11における改修工法であり、該既設側溝11は、対向する左側壁12及び右側壁13を備え、該左側壁12の上部内側に断落ちして形成された断面L字状の左蓋受部14を有すると共に該右側壁13の上部内側に断落ちして形成された断面L字状の右蓋受部15を有する構成となっている。
【0023】
換言すると、本発明に係る側溝蓋の改修工法は、上記構成の既設側溝11の左右蓋受部14・15に嵌合して装着されていたコンクリート製の既設側溝蓋に欠けや割れ等の破損が生じた際に、該破損した既設側溝蓋を除去し、代わりにコンクリート製の新設側溝蓋を用いて改修を図る工法である。尚既設側溝11は現場打ちコンクリートにより形成されたもの及びコンクリート二次製品で形成されたものの双方を含む。
【0024】
まず、本発明に係る改修工法に使用する新設側溝蓋1について説明する。
図1に示す新設側溝蓋1は、既設側溝11の左右蓋受部14・15に嵌合していた既設側溝蓋より薄厚にし且つ幅狭にし成形したコンクリート二次製品で構成する。好ましくは新設側溝蓋1の厚さを既設側溝蓋の厚さよりも5mm以上薄く設定し、新設側溝蓋1の幅を既設側溝蓋の幅よりも20mm以上短く設定する。
【0025】
即ち、
図3に示すように、コンクリート製の新設側溝蓋1の厚さ(上面1aと下面1d間の長さ)H1は、既設側溝蓋が嵌合していた左右蓋受部14・15の立ち上がり面14b・15bの高さH2より5mm以上薄く設定し、確実に後記吊り下げ状態を形成する。又新設側溝蓋1の短手方向の幅(左端面1bと右端面1c間の長さ)T1は、同じく既設側溝蓋が嵌合していた左蓋受部14の立ち上がり面14bと右蓋受部15の立ち上がり面15bとの間隔T2よりも20mm以上短く設定し、後記する充填材17の充填工程において、左蓋受部14の立ち上がり面14bと新設側溝蓋1の左側面1b間に画成される空間の幅及び右蓋受部15の立ち上がり面15bと新設側溝蓋1の右側面1c間に画成される空間の幅をそれぞれ10mm以上確保し適切なる充填を図る。
【0026】
又新設側溝蓋1の上面1aに後記する吊り下げ治具2を取り付けるためのボルト孔1eを形成する。該ボルト孔1eは、例えば
図1に示すように、新設側溝蓋1の製造時にインバートハンガー4をコンクリート内に埋設して形成する。
【0027】
尚、本発明に係る改修工法に用いる新設側溝蓋1は、
図1に示す単なる平板状のものだけでなく、外形が既設側溝蓋よりも薄厚且つ幅狭であり、後記吊り下げ治具2にて吊り下げることができれば、形状は実施に応じ任意である。
【0028】
例えば、本発明に用いる新設側溝蓋1は、
図2(A)に示すような上面1aに集水用スリット7を形成した側溝蓋1、同図(B)に示すような上面1aに自動車に振動を与えドライバーに警告を促すための凸部8を形成した側溝蓋1、同図(C)に示すような上面1aに小溝9を多数刻設して滑り止めを図った側溝蓋1、同図(D)に示すような二次蓋1´挿着用の開口部10を備える側溝蓋(一次蓋)1等を含む。上記例示した各側溝蓋1の上面1aには該各側溝蓋1の機能に支障が生じない箇所に後記吊り下げ治具2取付用のボルト孔1eを形成することは勿論である。
【0029】
上記構成の本発明に用いる新設側溝蓋1の上面1aに上記ボルト孔1eを利用して、後記するように既設側溝11の左側壁12の上端面12aと同右側壁13の上端面13a間に架橋する鋼製の吊り下げ治具2を該新設側溝蓋上面1aの長手方向に沿って間隔を置いて複数取り付ける。
【0030】
詳述すると、吊り下げ治具2に穿設した貫通孔2bにボルト3を挿通しつつ新設側溝蓋1のボルト孔1eに螺合して上記吊り下げ治具2の下面2aを新設側溝蓋1の上面1aに密着した状態で固定して取り付ける。当該ボルト締めによる取付によって吊り下げ治具2の脱着を容易にする。
【0031】
上記吊り下げ治具2は、図示するように断面L形の棒状の鋼材にて形成したものであるが、本発明においては、上記のように新設側溝蓋1の上面1aに密着し既設側溝11の左右側壁12・13の上端面12a・13a間に架橋できる下面2aを有するものであれば、特に吊り下げ治具2の形状・材質は問わない。形状は例えば角柱状、多角柱状、断面U形の棒状、断面I形の棒状等でも良い。又取り付ける吊り下げ治具2の数は複数であれば良く、特に限定しない。
【0032】
好ましくは、図示するように、上記吊り下げ治具2に把手2cを設け、人力又はクレーンで新設側溝蓋1を容易に持ち上げられるようにする。
【0033】
又上記ボルト3の頭部に図示の如くT字型の回転操作部3aを設ければ、工具を使用せずとも容易にボルト3を締めたり緩めたりすることができる。
【0034】
次に上記のように吊り下げ治具2を取り付けた新設側溝蓋1を吊り下げ状態にする工程について説明する。
【0035】
図3に示すように、新設側溝蓋1を既設側溝11の左右蓋受部14・15間の開口に向けて吊り降ろす。又好ましくは上記左右蓋受部14・15のそれぞれの底面14a・15aの長手方向に沿って、例えばゴムパッキン等のシール材5、即ち後記する充填材17の漏れ止めを図る材を連続して配設する。上記底面14a・15aに破損個所がある場合には、当該破損個所の破損が微細なときにはシール材5で破損個所を覆いつつ配設し、当該破損個所の破損が大きなときには、
図6に示すように、当該破損個所18をモルタル等で修復した後にシール材5を配設する。
【0036】
又は新設側溝蓋1の下面1dの上記左右蓋受部14・15のそれぞれの底面14a・15aと対面する箇所に上記シール材5を貼付し長手方向に沿って配設する。
【0037】
次いで、
図4に示すように、吊り下げ治具2の左端部を既設側溝11の左側壁12の上端面12a上に載置すると共に同吊り下げ治具2の右端部を既設側溝11の右側壁13の上端面13a上に載置して、該吊り下げ治具2を既設側溝11の上記左右側壁12・13の上端面12a・13a間に架橋する。
【0038】
そして、上記架橋した吊り下げ治具2により新設側溝蓋1の上面1aと上記左右側壁12・13の上端面12a・13aとを面一にしつつ当該新設側溝蓋1を上記左右蓋受部14・15の立ち上がり面14b・15b間で吊り下げて支持する。従って上記左右蓋受部14・15に破損が生じている場合でも、上記左右側壁上端面12a・13aが健全であれば、適切に新設側溝蓋1を吊り下げ状態にし容易且つ適切にレベルを調整できる。
【0039】
この際には、好ましくはシール材5を左右蓋受部14・15の底面14a・15aと新設側溝蓋1の下面1d間に挾持し圧縮状態にし、該シール材5の弾性力により上記蓋受部の底面14a・15aと新設側溝蓋1の下面1d間を有効にシールする。尚本発明にあっては、上記のようにシール材5を圧縮せず、即ち該シール材5上面と新設側溝蓋下面1d又は該シール材5下面と蓋受部底面14a・15aとが軽く触れる程度にする場合、該シール材5上面と新設側溝蓋下面1d又は該シール材5下面と蓋受部底面14a・15aを1mmに満たない僅かな間隔を介して対面させることを排除しない。シール材5の厚さを適宜調整し現場に応じたシール作業を行う。
【0040】
次に充填材17を充填する工程について説明すると、
図5に示すように、上記吊り下げ状態の新設側溝蓋1の左端面1bと上記左蓋受部14の立ち上がり面14b間に画成される空間及び同新設側溝蓋1の右端面1cと上記右蓋受部15の立ち上がり面15b間に画成される空間に充填材17を充填し当該新設側溝蓋1を固定する。
【0041】
上記空間はそれぞれ既設側溝11の長手方向に延びる細長状の空間であり、該空間の長手方向に沿って充填材17を充填する。尚既設側溝11の左右蓋受部14・15の立ち上がり面14b・15bに欠けや割れ等の破損がある場合には、当該破損個所を同時に充填材17にて埋めて修復する。
【0042】
該充填材17としては例えば普通モルタル又は無収縮モルタルを使用し、好ましくは速硬性の無収縮モルタルを使用する。本発明に係る改修工法によれば、上記細長状の空間に充填する充填材17が硬化すれば、すぐに現場を開放することができる。
【0043】
尚、既述したように、新設側溝蓋1の下面1dとシール材5上面間又は蓋受部底面14a・15aとシール材5下面間に僅かな間隔が存していても、当該間隔は1mmに満たない程度であり、当該間隔から充填材17が既設側溝11の内部に漏れ出ることはない。
【0044】
図6は、既設側溝11の右側壁13の上端面13aが破損している場合の本工程の説明図である。このような場合には破損している上端面16と吊り下げ治具2の右端部の下面2a間に楔6を打ち込み新設側溝蓋1を嵩上げしてレベル調整を図る。既設側溝11の左側壁12の上端面12a、左側壁12の上端面12aと右側壁13の上端面13aの双方が破損している場合も同様である。又既述したように、蓋受部14・15の底面14a・15aが大きく破損している場合には、
図6に示すように、当該破損個所18をモルタル等で修復し、その上にシール材5を配設する。
【0045】
最後に、
図7に示すように、全ての吊り下げ治具2及び同吊り下げ治具2を固定しているボルト3を取り除けば、新設側溝蓋1の上面1aと既設側溝11の左右側壁12・13の上端面12a・13aが面一になった状態で新設側溝蓋1が配設され、改修工事が終了する。尚新設側溝蓋1の上面1aに形成されているボルト孔1eは必要に応じて充填材等により塞ぐ。又は蓄光機能や反射機能を有するキャップで塞ぐ。
【0046】
以上述べたように、本発明に係る改修工法にあっては、既設側溝11の左右側壁12・13の上端面12a・13a間に架橋する吊り下げ治具2により新設側溝蓋1を吊り下げ支持し、該新設側溝蓋1のレベル調整を容易且つ適切に行いながら改修工事を行うことができる。
【0047】
又既設側溝11の左右蓋受部14・15の何れか又は双方が破損していても左右側壁上端面12a・13aが健全であれば、左右蓋受部14・15の損傷状態を問わず改修作業を行うことができる。
【0048】
又上記左右側壁上端面12a・13aの何れか又は双方が破損している場合でも、新設側溝蓋1の上面1a側、即ち外方に露出している側から新設側溝蓋1のレベル調整を行うことができ、適切に改修作業が行える。
【符号の説明】
【0049】
1…新設側溝蓋、1´…二次蓋、1a…上面、1b…左端面、1c…右端面、1d…下面、1e…ボルト孔、2…吊り下げ治具、2a…下面、2b…貫通孔、2c…把手、3…ボルト、3a…回転操作部、4…インバートハンガー、5…シール材、6…楔、7…集水用スリット、8…凸部、9…小溝、10…開口部、11…既設側溝、12…左側壁、12a…上端面、13…右側壁、13a…上端面、14…左蓋受部、14a…底面、14b…立ち上がり面、15…右蓋受部、15a…底面、15b…立ち上がり面、16…破損した上端面、17…充填材、18…蓋受部底面の破損個所。