(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798181
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】コリメータ結合構造及びコリメータ結合方法
(51)【国際特許分類】
H01J 31/50 20060101AFI20151001BHJP
H01L 27/14 20060101ALI20151001BHJP
H04N 5/369 20110101ALI20151001BHJP
【FI】
H01J31/50 D
H01L27/14 D
H04N5/335 690
【請求項の数】22
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-506312(P2013-506312)
(86)(22)【出願日】2011年4月21日
(65)【公表番号】特表2013-529356(P2013-529356A)
(43)【公表日】2013年7月18日
(86)【国際出願番号】US2011033496
(87)【国際公開番号】WO2012021182
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年4月17日
(31)【優先権主張番号】12/764,862
(32)【優先日】2010年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507310307
【氏名又は名称】インテヴァック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ケネス エイ コステロ
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン ジェイ ロデリック
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イン
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス フラワー
【審査官】
桐畑 幸▲廣▼
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−527122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 31/50
H01L 27/14
H04N 5/369
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面薄化画素アレイセンサを備えると共に不動態化シリコン表面を有し、該不動態化シリコン表面の一部は画素アレイ領域を含む固体半導体イメージャと、
シリコンコリメータと
を備えるイメージセンサであって、
前記固体半導体イメージャの前記不動態化シリコン表面を前記シリコンコリメータに接合する前記画素アレイ領域内の金属結合であり、前記固体半導体イメージャの前記表面に設けた複数のメタライズキャッチパッドを備え、該キャッチパッドは撮像アレイ全体に点在する金属結合を特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージセンサにおいて、前記キャッチパッドは、熱圧着メタライズキャッチパッドを含み、前記金属結合は、前記コリメータのシリコン壁に堆積した金属層をさらに含むイメージセンサ。
【請求項3】
請求項1に記載のイメージセンサにおいて、前記キャッチパッドは、ろう付けメタライズキャッチパッドを含み、前記金属結合は、前記コリメータのシリコン壁に堆積した金属層をさらに含むイメージセンサ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のイメージセンサにおいて、前記キャッチパッドはそれぞれ、上金属層、接着層、及び前記不動態化シリコン表面上のバリア層を含むイメージセンサ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のイメージセンサにおいて、前記複数のメタライズキャッチパッドは、前記画素アレイ領域の内外に点在するイメージセンサ。
【請求項6】
センサ陽極を備えると共に画素アレイ領域内に挿入した複数のメタライズキャッチパッドを有する固体半導体イメージャと、
前記センサ陽極に面したメタライズ層を有し、該メタライズ層は前記メタライズキャッチパッドに接合されて金属結合を形成するコリメータと
を備えるイメージセンサ。
【請求項7】
請求項6に記載のイメージセンサにおいて、前記メタライズキャッチパッドはそれぞれ、上金属層、接着層、及びバリア層を含むイメージセンサ。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のイメージセンサにおいて、前記メタライズ層は、上金属層及び接着層を含むイメージセンサ。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載のイメージセンサにおいて、前記メタライズキャッチパッドはそれぞれ、金層、チタン層、及びSiOxNy層を含むイメージセンサ。
【請求項10】
請求項6に記載のイメージセンサにおいて、前記コリメータは、該コリメータのコリメータ本体と前記メタライズ層との間に接着層をさらに含むイメージセンサ。
【請求項11】
請求項6に記載のイメージセンサにおいて、前記画素アレイ領域の4つの画素毎に1つのキャッチパッドが用いられるイメージセンサ。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれか一項に記載のイメージセンサにおいて、前記複数のメタライズキャッチパッドは、前記画素アレイ領域の内外に位置決めされるイメージセンサ。
【請求項13】
請求項6に記載のイメージセンサにおいて、前記固体半導体イメージャは、不動態化表面を有する背面薄化画素アレイセンサであるイメージセンサ。
【請求項14】
請求項6に記載のイメージセンサにおいて、前記金属結合は熱圧着プロセスにより形成されるイメージセンサ。
【請求項15】
請求項6に記載のイメージセンサにおいて、前記金属結合はろう付けプロセスにより形成されるイメージセンサ。
【請求項16】
イメージセンサを作製する方法であって、
複数のキャッチパッドを、固体半導体イメージャの撮像アレイ全体に点在させるよう半導体イメージアレイの背面薄化した不動態化表面に堆積するステップと、
金属層をコリメータに堆積するステップと、
前記コリメータを前記固体半導体イメージャと位置合わせするステップと、
前記コリメータを前記固体半導体イメージャと接合して前記コリメータと前記固体半導体イメージャとの間に金属結合を形成するステップであり、該金属結合は、前記固体半導体イメージャの画素アレイ領域内に位置決めされるステップと
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記コリメータを前記固体半導体イメージャと接合して前記金属結合を形成するステップは、熱圧着プロセスを行うステップを含む方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、前記コリメータを前記固体半導体イメージャと接合して前記金属結合を形成するステップは、ろう付けプロセスを行うステップを含む方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記コリメータを前記固体半導体イメージャと接合して前記金属結合を形成するステップは、はんだ付けプロセスを行うステップを含む方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、前記複数のキャッチパッドを堆積するステップは、 バリア層を固体半導体イメージャに堆積するステップと、
接着層を前記バリア層に堆積するステップと、
上金属層を前記接着層に堆積するステップと
をさらに含む方法。
【請求項21】
請求項16又は20に記載の方法において、
接着層を前記コリメータに堆積するステップと、
下金属層を前記接着層に堆積するステップと
を含む方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法において、前記固体半導体イメージャは金属キャッチパッドを含み、前記コリメータはメタライズ層を含み、前記コリメータを前記固体半導体イメージャと接合して前記金属結合を形成するステップは、前記金属キャッチパッドと前記メタライズ層とを接合するステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コリメータをイメージャに結合する分野に関し、特に撮像区域全体でのキャッチパッドの使用に関する。
【0002】
[政府支援]
本発明は、陸軍及びCACI Technologies, Inc.の外注契約番号S09−103910により認定された契約番号W15P7T−06−D−E402の下、政府の支援により行われた。政府は本発明に特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
焦点面撮像センサは、半導体ダイ上に実装したセンサアレイからの電子画像の取得を目的としたものとして既知である。例示的な撮像センサとして、CMOS撮像アレイ(以下、CMOSイメージャ)及び電荷結合デバイス(以下、CCD)が挙げられる。
【0004】
特にCCD用途では、背面薄化(backthinning:バックシニング)、つまり基板の背面からの材料の除去を用いて撮像センサを作製してきた。背面薄化したセンサの性能上の利点として、実効フィルファクタ向上による光感度の向上を挙げることができる。全体を参照により本明細書に援用する特許文献1に記載のような方法により適切に不動態化すると、背面薄化CMOSセンサは、UV光と低エネルギー(約0.5keV〜20keV)電子及び低エネルギーX線(約10keV未満)とに対して高感度を示すことができる。背面薄化CMOSセンサは、低エネルギー電子に対するその感度により、ビデオベースのイメージインテンシファイアとしての真空管での使用に特に適している。全体を参照により本明細書に援用する特許文献2は、電子衝撃構成での背面薄化CMOSセンサの使用を詳述している。背面薄化CMOSセンサは、近接集束構成で光電陰極に直接対向して取り付けられる。
【0005】
イメージインテンシファイアは、電子が管の陽極に衝突する際に電子の弾性散乱に関連したセンサ画像の変調伝達関数(MTF)劣化を生じる。近接集束管では、散乱(後方散乱を含む)電子は、管ギャップの約2倍に等しい半径の円内で陽極に引き付けられて再衝突する。多くの場合に「ハロー」と呼ばれるこの効果は、特に明るい光がイメージインテンシファイアの視野内に入る際の問題である。マイクロチャネルプレート(MCP)を組み込んだイメージ管におけるハローの影響を最小化するための従来の手法がいくつかある。特許文献3は、陰極−MPC間ギャップにおけるハローの最小化を試みており、特許文献4は、MPC−スクリーン間ギャップにおけるハローの最小化を試みており、上記文献の全体を参照により本明細書に援用する。しかしながら、マイクロチャネルプレートを有しない管では、コリメータで失われたイメージフラックス電子が管の感度を有意に減少させる。特許文献4に記載のガラス線引き技術は、通常は約80%の開口比に制限される。この推定値は、コリメータで損失した利得が印加電圧を6000Vから10000Vに増加させることにより取り戻され得るという記述と概ね一致する。
【0006】
MCP状構造の製造に用いられるガラスとCMOSダイのシリコンとの間の膨張率の差は、ガラスコリメータと電子衝撃能動画素イメージャとの間の画素レベルの位置合わせを通常の環境温度範囲にわたって維持することを不可能にする。現代のドライエッチング技術は、シリコンにおいて異方性の高いエッチング構造を作ることが可能である。このような構造を生成するのに用いられる方法の1つが、特許文献5に記載されており、当該文献の全体を参照により本明細書に援用する。全体を参照により本明細書に援用する特許文献6は、現代の半導体技術を用いて作製したコリメータ構造を記載している。異方性ドライエッチングを用いて作製したコリメータの開口比は、90%を超えることができる。シリコンコリメータと通常のCMOSイメージャのシリコンとの熱膨張率が正確に一致することにより、シリコンをコリメータ材料として通常は用いる。
【0007】
異方性エッチング手法及びそれに関連した大きな開口面積の結果の1つとして、コリメータにMCPで見られる構造剛性が欠如する。特許文献5は、スクリーンに近接したコリメータの配置を開示している。このコリメータは、縁部で支持され、蛍光スクリーンの表面から数ミクロン離間している。特許文献6は、モノリシックコリメータ、縁部支持コリメータ、及び有効面積全体で結合されたコリメータの使用を含む複数の手法を記載している。現代のイメージインテンシファイアは、多種多様な入力光レベルにわたるセンサ利得を制御する種々の手段を用いる。直視センサが、陰極−MCP間電圧のデューティサイクルゲーティングとMCP電圧制御との組み合わせを用いて、適当な出力光レベルを達成する。結果として、特許文献5に記載のコリメータが得るMCP及びスクリーンの出力間の静電環境は、通常動作中は一定である。MCPを用いない近接集束固体撮像センサでコリメータを用いる場合、利得制御は、陰極−陽極間電圧のデューティサイクルゲーティングにより主に達成される。結果として、コリメータは、ゲート電圧に関連した交流静電場を受ける。コリメータは、コリメータのチャネルにおけるドリフト電場を維持するために導電性である。同様に、コリメータは、デューティサイクルゲーティング中に陽極電位に維持される。コリメータ表面と光電陰極との間の電場は、2つの表面を相互に引き寄せる物理的な力をもたらす。
【0008】
近接集束固体撮像センサでは、最適な画像分解能は光電子飛行時間の最短化により達成される。飛行時間はさらに、陰極と陽極との間で狭い間隔を維持することにより最短化される。間隔は、センサの所要動作電圧(通常は500V〜8000V)により通常は制限される。密接した間隔及びコリメータの表面における比較的高い交流電場の正味の結果として、大きな移動が縁部支持コリメータで生じ得る。経験によれば、市販のEBAPSセンサで用いられる幾何学的形状では、この移動は100ミクロンを超え得る。センサギャップを100ミクロン増やすだけで、センサ性能を測定可能なほど低下させてしまう。縁部支持コリメータをゲート電場の陽極に近接して配置することで、コリメータ及び陽極の両方が物理的損傷を受け得る。同様に、移動中のコリメータからの運動量移行がセンサ真空外囲器の外側に伝達されることで、センサの変動高電圧ゲート条件と共に変化する測定可能な音響シグネチャが生じる。
【0009】
特許文献6は、物理的損傷問題及び音響シグネチャ問題の両方に対処することができる2つの手法を開示している。第1手法は、領域選択的背面薄化を用いてモノリシックコリメータを形成する。実際には、これは開発費用がかかるプロセスであり、高い歩留まりの実施が困難なプロセスである。費用は、確立された半導体法により個別のコリメータを製造し、その後、既知の良品コリメータを既知の良品背面薄化イメージャに結合することにより、最小化することができる。
【0010】
第2手法では、結合媒体を用いてセンサの有効撮像域全体でコリメータをその下の固体イメージャに結合する必要がある。GaAs、InGaAs、InP、又は他の半導体光電陰極を用いる近接集束固体イメージャの場合、超高真空(UHV)適合制約が、許容可能な結合媒体に適用される。結合媒体は、低蒸気圧材料のみで構成されなければならないと共に、UHV圧力の達成に必要な高温焼出しプロファイルに適合しなければならない。結合は、コリメータと背面薄化半導体イメージャの不動態化表面(不動態化層とも称する)との間で行われ、このパッシベーション層は、イメージャの背面付近で発生した電子の十分な回収を達成するのに必要である。最高の性能を達成するために、パッシベーション層は極めて薄い(通常は約500オングストローム未満)。結果として、UHV熱処理中の結合媒体の存在から生じる背面薄化イメージャの表面の相互作用又は汚染が、センサの性能劣化をもたらし得る。結合媒体とパッシベーション層との適合性は、結合媒体に対する付加的な制約を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,688,715号明細書
【特許文献2】米国特許第6,285,018号明細書
【特許文献3】米国特許第6,483,231号明細書
【特許文献4】米国特許第5,495,141号明細書
【特許文献5】米国特許第5,501,893号明細書
【特許文献6】米国特許第7,042,060号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記に鑑みて、これらの欠点を被らない、コリメータを固体イメージャに結合する方法及びシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の以下の概要は、本発明のいくつかの態様及び特徴の基本的理解を提供するために含まれる。この概要は、本発明の詳細な概説ではなく、したがって本発明の重要又は決定的な要素を特に特定することも本発明の範囲を定めることも意図しない。その唯一の目的は、本発明のいくつかの概念を、以下に示すより詳細な説明の前置きとして簡略化した形態で示すことである。
【0014】
本発明の一態様によれば、背面薄化画素アレイセンサを備えると共に不動態化シリコン表面を有し、不動態化シリコン表面の一部が画素アレイ領域を含む固体半導体イメージャと、シリコンコリメータと、固体半導体イメージャの不動態化シリコン表面をシリコンコリメータに接合する画素アレイ領域内の金属結合とを含む、イメージセンサを開示する。
【0015】
金属結合は、メタライズキャッチパッドと金属層との間の熱圧着結合であり得る。
【0016】
金属結合は、ろう付けメタライズキャッチパッド及び金属層であり得る。
【0017】
金属結合は、不動態化シリコン表面上に点在した複数の金属結合を含み得る。
【0018】
複数の金属結合は、画素アレイ領域の内外に点在し得る。
【0019】
本発明の別の態様によれば、センサ陽極を備えると共に画素アレイ領域内にメタライズキャッチパッドを有する固体半導体イメージャと、センサ陽極に面したメタライズ層を有し、メタライズ層がメタライズキャッチパッドに接合されて金属結合を形成するコリメータとを含む、イメージセンサを開示する。コリメータ上のメタライズ層は、連続していてもよく、又は結合が形成される区域にのみ金属を残すようパターニングされてもよい。
【0020】
メタライズキャッチパッドは、上金属層、接着層、及びバリア層を含み得る。メタライズキャッチパッドは、上金属層及びバリア層を含み得る。メタライズキャッチパッドは、金層、チタン層、及びSiO
xN
y層を含み得る。
【0021】
コリメータは、コリメータのコリメータ本体とメタライズ層との間に接着層をさらに含み得る。
【0022】
固体半導体イメージャは、画素アレイ領域をさらに含むことができ、複数のメタライズキャッチパッドは、画素アレイ領域内又は画素アレイ領域の内外両方に位置決めすることができる。
【0023】
固体半導体イメージャは、画素アレイ領域をさらに含むことができ、複数のメタライズキャッチパッドは、画素アレイ領域の内外に位置決めすることができる。
【0024】
固体半導体イメージャは、不動態化表面を有する背面薄化画素アレイセンサであり得る。
【0025】
金属結合は、熱圧着プロセスにより形成され得る。金属結合は、ろう付けプロセスにより形成され得る。金属結合は、はんだ付けプロセスにより形成され得る。
【0026】
本発明のさらに別の態様によれば、コリメータを固体半導体イメージャと位置合わせするステップと、コリメータを固体半導体イメージャと接合してコリメータと固体半導体イメージャとの間に金属結合を形成するステップとを含む、イメージセンサを作製する方法を開示する。
【0027】
コリメータを固体半導体イメージャと接合して金属結合を形成するステップは、熱圧着プロセスを行うステップを含み得る。
【0028】
コリメータを固体半導体イメージャと接合して金属結合を形成するステップは、ろう付けプロセスを行うステップを含み得る。
【0029】
コリメータを固体半導体イメージャと接合して金属結合を形成するステップは、はんだ付けプロセスを行うステップを含み得る。
【0030】
本方法は、バリア層を固体撮像センサに堆積するステップ、接着層をバリア層に堆積するステップ、及び上金属層を接着層に堆積するステップも含み得る。
【0031】
本方法は、接着層をコリメータに堆積するステップ、及び表面金属層を接着層に堆積するステップも含み得る。
【0032】
固体半導体イメージャは金属キャッチパッドを含むことができ、コリメータはメタライズ層を含むことができ、コリメータを固体半導体イメージャと接合して金属結合を形成するステップは、金属キャッチパッドとメタライズ層とを接合するステップを含み得る。
【0033】
本明細書に援用されその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、明細書の記載と共に本発明の原理を説明及び図示する役割を果たす。図面は、例示的な実施形態の主な特徴を概略的に示すことを意図したものである。図面は、実際の実施形態の全ての特徴を示すことも、図示の要素の相対寸法を示すことも意図するものではなく、一定の縮尺で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施形態によるイメージセンサを示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による位置合わせしたコリメータの動作を示す断面斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、コリメータをその下の固体半導体イメージャに接合する結合の場所を示す位置合わせしたコリメータアセンブリの上面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、固体半導体イメージャ上に形成した金属キャッチパッドを示す詳細図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、金属結合及びコリメータのメタライゼーションを示すコリメータ・イメージャアセンブリの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施形態によれば、金属結合を介してコリメータをその下の固体半導体イメージャに結合するシステム及び方法が提供される。金属結合は、センサ陽極に面したコリメータの表面上のメタライズ層と、固体半導体イメージャの表面上のメタライズキャッチパッドとの間に形成される。キャッチパッドは、撮像アレイ全体に点在する。
【0036】
金属結合は、酸化ホウ素含有ガラス等の一部の結合材料に関連した吸湿問題を回避するので有利である(すなわち、結合陽極アセンブリの貯蔵及びその後のUHV処理は、ガラスの吸湿性により問題となる)。
【0037】
センサの光学性能の劣化は、コリメータを確実に機械的に安定させるのに必要な面積にキャッチパッドの面積を制限することにより最小化することができる。像面面積の約0.2%の結合範囲があれば、動作中にセンサに存在する静電力に抵抗するのに必要な接着強度の10倍を超える強度を達成するのに十分である。当然ながら、像面面積の0.2%以外の結合範囲を用いてもよい。撮像アレイ内のキャッチパッド範囲は、像平面範囲の約0.002%〜約20%の範囲であり得る。
【0038】
さらに、コリメータと固体半導体イメージャとの間の間隔は、静電負荷時に予測される撓みを超えるべきである。一例では、絶縁されたキャッチパッド結合間のスパンにおけるコリメータの鉛直撓みが約0.1ミクロン未満である場合、金属結合厚さが約0.1ミクロンよりも大きいとコリメータの残留撓みが制限されるので、コリメータとその下の陽極との間に衝撃をもたらさない。中実の側縁をアセンブリに組み込んでコリメータの側部を強化することで、片持ち式のコリメータ縁部における鉛直撓みを制限することもできる。
【0039】
例示的な電子衝撃能動画素アレイコンポーネントを
図1に示す。
図1では、能動画素アレイコンポーネントは、特殊能動画素アレイセンサチップ13と近接集束形である光電陰極12を収容する真空外囲器3を含む。センサチップ13は、近接集束した光電子を光電陰極12から受け取る陽極を形成する。能動画素アレイセンサ13は、その背面を光電陰極12に対面させて取り付けられる。一実施形態では、能動画素アレイセンサ13の基板の背面は薄化される。基板の背面を薄化することで、光電子励起キャリアの回収効率を向上させ、拡散の結果としての画素間のクロストークを低減する。能動画素センサアレイ13は、不動態化表面又は層も含み得る。コリメータアセンブリ10が、画素アレイセンサチップ13の背面に取り付けられる。コリメータアセンブリ10は、センサチップ13からの散乱電子を空間フィルタリングすることにより、画像アーチファクトを最小化し、光電陰極ベースの電子衝撃能動画素センサの変調伝達関数(MTF)を改善する。
【0040】
真空デバイス3のベースは、透明な面板21である。光電陰極12は、面板21上に位置決めされる。真空外囲器側壁22が、透明な面板21とヘッダアセンブリ23との間に延在する。能動画素センサチップ13は、ヘッダアセンブリ23上に位置決めされる。ヘッダアセンブリ23は、能動画素アレイセンサチップ13に関連した制御電圧17、バイアス電圧18、及び信号出力線20を印加し読み返すための電気的フィードスルーも可能にする。制御エレクトロニクス(図示せず)を用いて、画素アレイを読み出し作動させる。
【0041】
光電陰極12は、GaAs、InP/InGaAs、遷移電子光電陰極、マルチアルカリ光電陰極、又は当業者に既知の任意の他の光電陰極とすることができる。電子加速電圧37が、光電陰極12に印加される。光電子15は、光学像9の形態の入射光に応答して光電陰極12から放出される。光学コンポーネント(図示せず)を通常は用いて、光電陰極12に光学像を形成する。投影系を用いて、光電陰極12に像を配置することができる。
【0042】
センサ13には陽極電圧18が印加される。光電子15は、加速電圧37と陽極電圧18との間の差により加速される。一実施形態では、加速電圧37は、陽極電圧18に対して負である。これにより、センサ13を接地電位近傍に(又は接地電位に)バイアスして他のコンポーネントとのインタフェースを単純化することができる。制御信号及びバイアス電圧17が能動画素センサ3に印加され、ビデオ出力信号20をセンサ13から取り出すことができる。
【0043】
電子衝撃能動画素アレイセンサ13は、カメラ、暗視イメージャ等の種々のシステムで有用に用いられる。その目的で、光学レンズ等が、光電陰極12と一致するよう通常配置される焦点面に実物体の像を形成する。十分な明るさの像の条件下では、焦点面は、画素アレイの背面薄化表面に形成され、バイアスは、光電子束15を妨げて従来の光学像方式で動作するよう調整され得る。例えば、全体を参照により本明細書に援用する米国特許第4,687,922号明細書を参照されたい。総合すると、光学系、電源、及び制御エレクトロニクスを備えた電子衝撃能動画素アレイコンポーネントをカメラシステムとみなすことができる。
【0044】
一実施形態では、イメージセンサ13は、中心間変位が約10ミクロンの公称10ミクロン四方画素のアレイと、50ミクロン(高さ)コリメータ10とを含む。当然ながら、イメージセンサ13及びコリメータ10の寸法をこれらの例示的な寸法よりも増減させることができる。
【0045】
図2は、背面薄化センサ13及びコリメータアセンブリ10の動作をさらに詳細に示す。
図2に示すように、コリメータ要素40(すなわち、コリメータアセンブリ10の一要素)が、4画素サブアレイである画素アレイ領域42と位置合わせされる。4画素サブアレイ42は、センサチップ13内にその前面に近接して配置される。コリメータは、画素の中心(又は画素群の中心)に対する法線が対応のコリメータの長軸と共線となると画素アレイと揃う。
【0046】
例示的な後方散乱電子軌道46が、コリメータ要素40の内壁43で終わることが示されている。コリメータ10がなければ、このような後方散乱電子は、近接集束電子の初期軌道44上の画素以外の画素を励起することで、分解能を低下させると共にハロー効果等のアーチファクトに寄与するようになる。したがって、コリメータ10は、後方散乱電子に対するバッフルとして機能する。後方散乱電子の効果は比較的小さく、ハロー効果そのものは非常に明るい像の特徴で有意となる。しかしながら、後方散乱電子は、イメージセンサにおけるバックグラウンドノイズ及びベイリンググレアの原因であり、MTF低下を招くので、抑制することが望ましい。
【0047】
固体半導体陽極のサーマルバジェットは、固体イメージャ13をシリコンコリメータアセンブリ10に接合するのに用いられる結合に制約を課す。標準的なCMOSイメージャは、ピーク処理温度が約450℃を超える場合に通常は損傷の兆候を示す。この450℃の温度限界は、多くの活性ろう材の使用を困難にする。熱圧着結合、ろう付け、及びはんだは、通常はシリコン表面に直接十分に結合しない。したがって、本発明の実施形態では、キャッチパッドを固体半導体イメージャに設けてイメージャ13とコリメータ10との間に高信頼性結合を形成する。
【0048】
図3は、キャッチパッドを用いて高信頼性結合を形成する実施形態を示す、露出させた背面薄化及び不動態化した半導体イメージアレイ表面45の詳細図である。キャッチパッド104は、半導体イメージアレイの背面不動態化表面
45に堆積させる。点線円で示すキャッチパッド104は、画素アレイ領域42の内外に設けられる。キャッチパッド104は、アレイ表面45にわたって点在する。
【0049】
図示の実施形態では、4つの画素毎に1つのキャッチパッドが用いられる。結果として、1つのメガ画素撮像センサは、約250,000個のキャッチパッドを用いる。
図3に示すキャッチパッドは、焦点面面積の約0.2%を覆う。当然ながら、これらの数は例示であり、撮像センサは、250,000個以外のキャッチパッドを含んでもよく、キャッチパッドは、焦点面面積の0.2%以外を覆ってもよい。一実施形態では、キャッチパッドは、単一画素につき約50%を超えて画素を覆わない。
【0050】
イメージアレイ表面の特徴に関する例示的な寸法は、画素ピッチが10ミクロン、コリメータピッチが40ミクロン、コリメータ壁厚が1ミクロン、キャッチパッド直径が4ミクロンである。当然ながら、これらの寸法は例示にすぎず、寸法は例示的な寸法以外であってもよい。キャッチパッド寸法は、既存のリソグラフィ技法の制限により制限され得る。例えば、現在利用可能なリソグラフィ技法は、キャッチパッドの寸法を約0.1ミクロンに制限する。当然ながら、キャッチパッドの幾何学的形状と数との間でトレードオフを行うことができる。一実施形態では、コリメータがその下の画素区域と位置合わせされていない場合でもコリメータ壁交点があるように、キャッチパッドは、コリメータピッチを超える線分の形態をとることができる。例えば、代替的なキャッチパッドの幾何学的形状は、画素アレイに対して45°の角度に位置合わせされた1ミクロン×28.3ミクロンの線分である。
【0051】
キャッチパッド104は、例えば、原子層堆積(ALD)、電気めっき、化学蒸着(CVD)プロセス及び物理蒸着(PVD)プロセス等、及びそれらの組み合わせ等の既知の堆積技法を用いて堆積することができる。
【0052】
メタライズ表面を含むコリメータアセンブリ10は、続いて位置合わせされてキャッチパッド104に押し込まれる。熱プロファイル及び圧力プロファイルを発生させて、コリメータ10とイメージセンサ13との間に確実な金属結合を発生させる。確実な結合を発生させるのに必要な圧力プロファイル及び温度プロファイルは、メタライゼーション手法の詳細に応じて変わる。一例では、金−金熱圧着結合(単数又は複数)を用いて、コリメータアセンブリ10とイメージセンサ3とを接合することができる。金−金熱圧着結合の場合、300℃の温度プロファイルで10分間、金全厚の約30%の圧縮を得るのに十分な圧力で、確実な結合が得られた。
【0053】
図4は、キャッチパッド層構造をさらに詳細に示す。キャッチパッド104は、上層105、接着層107、及びバリア層109を含む。接着層107は、上層105とバリア層109との間に位置決めされる。
【0054】
上層105を用いて、コリメータ10のメタライズ層との金属結合が形成される。
図4に示すキャッチパッドアセンブリ104は、例えば、金−金熱圧着結合と共に用いることができる。一実施形態では、上層105が金である。当然ながら、他の金属を上層として用いてもよい。例えば、銅又は銀を洗浄して確実な結合を得ることができる。しかし当然ながら、金の展性で比較的反応性の低い性質に、他の金属を凌ぐ一定の利点がある。上層105の例示的な寸法は、直径2ミクロンで厚さ2ミクロンである。しかし当然ながら、金属厚は約0.2ミクロン〜5ミクロン超えの任意の厚さとすることができる。特定の一実施形態では、厚さは2ミクロンであり、これは、リフトオフリソグラフィの使用を過度に困難にすることなく表面むらを克服するのに十分な厚さである。
【0055】
接着層107は、上層105とバリア層109との間の接着性を向上させるために設けられる。一実施形態では、接着層107はチタンである。当然ながら、接着層107は他の反応金属材料であってもよい。他の例示的な材料として、限定はされないが、クロム、タングステン、ニオブ、バナジウム等、及びそれらの合金(例えば、Ti−W)が挙げられる。一実施形態では、接着層107は厚さ約500オングストロームである。当然ながら、接着層107の厚さは500オングストローム以外であってもよい。
【0056】
バリア層109は、上にある金属層105、107が下にある不動態化及び背面薄化した半導体イメージアレイ13と反応するか又はこれを過度に圧迫することを防止するよう設けられる。バリア層109は、結合及びその後のUHV処理に必要な熱サイクル及び圧力サイクルにわたってセンサ表面を保護する。一実施形態では、バリア層109は、約1000オングストロームであり、SiO
2からなる。バリア層109に用いることができる他の例示的な材料として、限定はされないが、SiO、SiO
xN
y、Al
2O
3等、及び耐火金属、例えばタングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、白金等が挙げられる。当然ながら、バリア層109の厚さは1000オングストローム以外であってもよい。
【0057】
通常、別個の「接地」接点を必要とせずに光電陰極電荷を抜くのに十分な漏出がある。しかしながら、バリア層109の性質及び厚さが電気的に絶縁された結合をもたらす場合、コリメータがその下の陽極の電位にあり続けることを確実にするための経路が設けられる。このような経路の1つにより、撮像区域外にある結合用のバリア層109がなくなる(しかしながら、バリア層109は、撮像区域内にあるような結合では残っている)。
【0058】
当然ながら、バリア層109が耐火金属製である実施形態では、接着層107及びバリア層109を組み合わせてもよい(すなわち、単一の層を上層105の下に堆積させてもよい)。
【0059】
当然ながら、上層105、接着層107、及びバリア
層109は、例えば、原子層堆積(ALD)、電気めっき、化学蒸着(CVD)プロセス及び物理蒸着(PVD)プロセス等、及びそれらの組み合わせ等の既知の堆積技法を用いて堆積することができる。
【0060】
図5は、コリメータ40とイメージセンサ13との間の金属結合をさらに詳細に示す。2つの金属層をコリメータ40のシリコン壁に堆積するので、コリメータ40をキャッチパッド104と接合することができる。2つの金属層は、接着層62及び表面層65を含む。
【0061】
接着層62は、表面層65とシリコンコリメータ40との間の接着性を向上させる。一実施形態では、接着層62はチタンであり、厚さ500オングストロームである。当然ながら、接着層62は、任意の反応金属製とすることができる。他の適当な材料として、限定はされないが、クロム、タングステン、ニオブ、バナジウム等、及びそれらの合金(例えば、Ti−W)が挙げられる。当然ながら、接着層62の厚さは500オングストローム以外であってもよい。
【0062】
一実施形態では、下層65は金である。下層65の例示的な寸法は、幅(例えば、コリメータ壁の幅)が1ミクロンで厚さが2ミクロンである。当然ながら、これらの寸法は例示にすぎず、寸法はこれらの例示的な寸法以外であってもよい。一実施形態では、コリメータ40の全表面が表面層65でコーティングされ得る。
【0063】
図5には、コリメータの自由表面の上部(層65により画定される)とイメージャ13の自由表面との間に残存した分離が示されている。一実施形態では、2つの表面間の分離は約1ミクロンである。この分離は、ゲート制御された近接集束センサ動作下でのコリメータの余動がイメージャの損傷につながらないことを保証するのに十分なものである。熱圧縮結合の場合、幾何学的形状及び圧力は、キャッチパッド間の領域におけるコリメータ−センサ間の残存ギャップを制御する際の主な要因である。
【0064】
図5に示す実施形態では、熱圧縮結合を用いて、イメージセンサ13とコリメータ10との間に金属結合が形成される。300℃の温度で10分間、十分な圧力で、金全厚の約10%〜約50%の圧縮を得ることができ、その結果として確実な結合が得られる。
【0065】
上述のように、他の実施形態では、コリメータ10及びイメージセンサ13は、例えばろう付け及びはんだ付け等の他の結合技法を用いて結合され得る。コリメータ10及び撮像センサ13がろう付けを用いて結合される実施形態では、層107及び109を厚くして、コリメータ−センサ間の残存ギャップがキャッチパッド104間の領域で最小に維持されることを保証することができる。さらに、上層105は、代わりに例えばAu−Sn等のろう付け合金であり得る。上層105がAu−Snである例では、結合の時間及び温度は、撮像センサ13の上層105とコリメータ40の下層65との間の相互拡散を可能にして結合の融点を共融点よりも高めるよう設定され得る。金(Au)で終わるろう付けメタライゼーションは、表面酸化問題が回避されることによりろう付けの信頼性を向上させるので有利である。ろう付けの当業者であれば、開示した幾何学的形状を維持すると共にUHV処理により課される制約を満たしつつ、多種多様な材料系をこの結合に適用することができる。高弾性で融点の高いろう付け合金を用いる場合、キャッチパッドの幾何学的形状が小さいこと(幅約5ミクロン未満)が重要である。他の適当なはんだ/ろう付け合金として、限定はされないが、金−シリコン、金−ゲルマニウム、及び金−スズが挙げられる。過渡液相(TLP)ろう材配合物/熱プロファイルを用いることもできる。
【0066】
図面の全てが画素アレイと位置合わせしたキャッチパッドを示しているが、開示した技法及び構造は、位置合わせされていないコリメータ構造と共に用いることもできる。例えば、六角形でピッチが17ミクロン、厚さが50ミクロン、壁厚が約1ミクロンのコリメータ構造を、長さが20ミクロンで幅が2ミクロンのキャッチパッドと共に用いることができ、イメージセンサを、画素ピッチが10.8ミクロンの背面薄化した電子衝撃能動画素センサとすることができる。
【0067】
引張試験で、コリメータ接着強度が工学的限度内にあることを確認した。コリメータ/陽極衝撃に起因した陽極損傷の排除と反復ゲーティング負荷下での手法の信頼性とは、拡張したゲート高電圧信頼性試験により実証された。
【0068】
音響試験により、縁部結合コリメータから面結合コリメータへの切り替えが、高電圧ゲート動作中にセンサが発生させる音圧レベルの10倍を超える低下をもたらすことが確認された。縁部結合コリメータの音圧レベルは容易に特性化することができるが、上述のような金属結合を用いる面結合コリメータセンサは、測定システムのノイズフロアを超えるほどの測定可能な音圧レベルの上昇を引き起こさなかった。
【0069】
金属結合を介してキャッチパッドに結合したコリメータを組み込んだEBAPSセンサの画像試験によれば、コリメータ及びキャッチパッドの電子陰影がセンサの寿命にわたって非常に安定していることが分かった。キャッチパッド及びコリメータ壁厚は、個々の画素シャドウイングが0%〜40%の範囲となるよう設計した。画素シャドウイングをこの範囲に制限することと、シャドウイングの安定性とを組み合わせることで、影響を受けた画素における利得低下を確実に補正するための画像補正アルゴリズムが可能となる。コリメータの幾何学的形状を画素の幾何学的形状に一致させることで、最高のイメージセンサ性能が得られるが、固定パターンノイズの安定性を画像補正アルゴリズムと組み合わせると、一致しないキャッチパッド及びコリメータの幾何学的形状を最小限の性能劣化で用いることができ、これがさらに、結合したコリメータ陽極アセンブリの製造に必要な資本設備費を低減させる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に開示した結合技法を、前面電子感受性の読出し集積回路(ROIC)と共に用いることができる。これらの実施形態では、下にあるバリア層を省いてもよく、金属パッドは、これらのセンサにあるSiO
xN
yバリア層上に直接載ることができる。同様に、前面型イメージャ上のキャッチパッドを金属パッドから形成して、コリメータとの直接的な電気接続を提供することができる。
【0071】
本明細書に記載のプロセス及び技法は、本質的にいかなる特定の装置に関するものでもなく、コンポーネントの任意の適当な組み合わせにより実施できることを理解されたい。さらに、種々のタイプの汎用デバイスを本明細書に記載の教示に従って用いることができる。本発明は、あらゆる点で限定ではなく説明を目的とした特定の実施例に関して記載してある。当業者であれば、多くの異なる組み合わせが本発明の実施に適することを理解するであろう。
【0072】
さらに、本発明の他の実施態様は、本明細書の検討及び本明細書に開示した本発明の実施から当業者には明らかとなるであろう。記載した実施形態の種々の態様及び/又はコンポーネントは、単独で又は任意の組み合わせで用いることができる。本発明の真の範囲及び趣旨を添付の特許請求の範囲により示すことで、本明細書及び実施例を単なる例示とみなすことが意図される。