特許第5798188号(P5798188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798188
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】投与装置用の置換可能キャップ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20151001BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20151001BHJP
   A61J 7/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   A61M5/32 510D
   A61M5/24
   A61J7/00 L
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-517569(P2013-517569)
(86)(22)【出願日】2011年6月29日
(65)【公表番号】特表2013-530004(P2013-530004A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】IB2011001517
(87)【国際公開番号】WO2012001493
(87)【国際公開日】20120105
【審査請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】2005017
(32)【優先日】2010年7月1日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512326687
【氏名又は名称】ペイシャンツ ペンディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】パー ヨーン ショルンド
(72)【発明者】
【氏名】マルセル ボータ
(72)【発明者】
【氏名】パー アンドレアス ショルンド
【審査官】 小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−509426(JP,A)
【文献】 特表2000−506030(JP,A)
【文献】 特表2006−507856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00− 5/50
A61J 7/04
G04G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮的液体投与装置(12)用の置換可能キャップ(10)であり、液体が投与される前記経皮的液体投与装置の前部(26)を覆うように配置することができる開いた第1の端部(16)と、前記第1の端部の反対側の閉じた第2の端部(18)とを有する細長い中空のボディ(14)を備え、前記経皮的液体投与装置(12)上に解放可能に受け取られ、前記ボディ(14)が、スイッチ機構(56)に結合されたタイマ・ユニット(54)と、前記タイマ・ユニット(54)によってカウントされた時間を前記置換可能キャップ(10)の前記ボディ(14)の外面に表示するタイマ表示ユニット(58)とを収容した空洞(48)を含み、前記置換可能キャップ(10)が前記経皮的液体投与装置(12)上に配置されたときに、前記スイッチ機構(56)が、前記経皮的液体投与装置(12)の前部(26)の表面の存在によって開かれまたは閉じられ、前記置換可能キャップ(10)が前記経皮的液体投与装置(12)から取り外されたときに、前記スイッチ機構(56)が閉じられまたは開かれ、前記スイッチ機構(56)のこの動作によって、前記タイマ・ユニット(54)が、前記経皮的液体投与装置(12)が最後に使用されてから経過した時間を知らせる前記タイマ・ユニット(54)が最後にリセットされてからの時間を、即時にまたは所定の時間の後にリセットする置換可能キャップ(10)であって、前記置換可能キャップ(10)の前記ボディ(14)が、一体に接続して前記置換可能キャップ(10)を形成する射出成形されたプラスチック製の2つの主部品(40、42)を含み、該2つの主部品間に少なくとも部分的に前記空洞(48)が画定されており、前記2つの主部品(40、42)が、それらの間に、前記タイマ・ユニット(54)および前記スイッチ機構(56)を保持し、前記タイマ表示ユニット(58)が、大量生産される4桁ディジタル液晶ディスプレイ(LCD)であり、前記タイマ・ユニット(54)が、ゼロからカウントアップするように構成されており、前記スイッチ機構(56)の解放によってタイマがゼロにリセットされ、前記タイマ・ユニット(54)が、前記経皮的液体投与装置(12)が最後に使用されてから最初の59分59秒の経過時間の間は、分をカウントするために最初の2桁を使用し、秒をカウントするために最後の2桁を使用し、その後は、時間をカウントするために最初の2桁を使用し、分をカウントするために次の2桁を使用するように構成されている置換可能キャップ(10)。
【請求項2】
前記スイッチ機構(56)が、前記経皮的液体投与装置(12)の外面と協働するために前記ボディ(14)の内部へ突き出た電気機械式スイッチ(76)の形態を有する、請求項1に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項3】
前記2つの主部品(40、42)が、前記タイマ表示ユニット(58)が見える窓(44)と前記第1の端部(16)に向かって延びてポケット用クリップを形成する自由端を備えるフランジ(46)とを有するキャップ・トップ(40)、および前記ボディ(14)の長さの大部分を構成するキャップ・ボトム(42)である、請求項1または請求項2に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項4】
前記第2の端部(18)に電池室(60)が形成されており、前記電池室(60)が、所定の位置にぴったりとはまって前記電池室内に電池(80)をしっかりと保持するカバー(64)を有する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項5】
異なる複数の投与装置を見分けるために、前記カバー(64)の使用者が前記置換可能キャップ(10)を特定の投与装置と照合することを可能にするため、前記カバー(64)が色分けされている、請求項4に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項6】
前記電池(80)と、関連する電池電気接点との間に、除去可能な非導電性フィルム(78)が予め配置されており、前記非導電性フィルム(78)が、前記ボディの溝穴(84)を通り抜け、任意選択で前記タイマ表示ユニット(58)の外面を横切って延び、末端に、突き出た舌状部分(86)を有し、前記置換可能キャップ(10)の使用前に、使用者が前記舌状部分(86)をつまんで前記電池室(60)から前記非導電性フィルム(78)を引き抜いて、前記電池(80)が前記電池電気接点と係合することを可能にすることができる、請求項4または請求項5に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項7】
前記タイマ・ユニット(54)がプリント回路板(PCB)(51)上に電子回路を含み、前記タイマ・ユニット(54)、前記タイマ表示ユニット(58)および前記スイッチ機構(56)が、前記空洞(48)に単一の制御ユニット(52)として一緒に取り付けられている、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項8】
前記空洞(48)が、特定のタイプの投与装置にぴったり合うように決められた内面寸法をそれぞれが有する複数の異なるキャップに同じ制御ユニットがぴったりとはまるような標準サイズを有し、それによって前記制御ユニット(52)を全てのキャップ向けに大量生産することができる、請求項に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項9】
前記スイッチ機構(56)が、前記ボディ(14)の内部へ突出し、前記電気機械式スイッチ(76)に当接するように取り付けられた板ばね(70)を含み、そのため、前記板ばね(70)が前記空洞(48)の方へ曲げられたときに前記板ばね(70)が前記電気機械式スイッチ(76)を作動させる、請求項に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項10】
前記板ばね(70)が、前記ボディ(14)の前記第1の端部(16)に近い方に固定端を有し、前記ボディ(14)の前記第2の端部(18)に近い方に自由端(74)を有する向きに配置されており、そのため、前記経皮的液体投与装置(12)の前部(26)を前記置換可能キャップ(10)に挿入する行為によって、前記経皮的液体投与装置(12)の前部(26)のどのフィーチャにも前記自由端(74)が引っ掛かることなく、前記板ばね(70)が前記空洞(48)の方へ曲がる、請求項に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項11】
前記板ばね(70)がばね鋼から作られており、異なる装置の異なる形状のどの前部でも前記電気機械式スイッチ(76)を作動させるのに十分な程度に前記板ばね(70)と係合する十分な屈曲性を前記板ばね(70)が有する、請求項または請求項10に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項12】
前記タイマ・ユニット(54)が、5秒から12秒の間である所定の時間の経過後にリセットされ、それによって、使用者が少しの間キャップを取り外しただけである場合に、前記タイマ・ユニット(54)がリセットされることを防ぐ、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項13】
前記ボディ(14)の内部寸法が、前記経皮的液体投与装置(12)とともに予め提供された既存のキャップの内部寸法と一致するように選択されており、それによって、前記置換可能キャップ(10)が、前記既存のキャップと同じかまたは前記既存のキャップに非常によく似た前記経皮的液体投与装置上への押込みばめまたはスナップばめを提供する、請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の置換可能キャップ(10)。
【請求項14】
前記経皮的液体投与装置(12)が、タンクと前記経皮的液体投与装置(12)の前部(26)に配置された皮下針とを含む使い捨てのインスリン・ペンであり、前記置換可能キャップ(10)も使い捨てではあるが、少なくとも幾つかの使い捨てのインスリン・ペンに対して引き続いて使用することができる、請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の置換可能キャップ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投与装置用の置換可能キャップに関し、より具体的には、インスリン・ペンなどの経皮的液体投与装置用の置換可能キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
インスリン依存性糖尿病の患者は、その糖尿病を管理するために、液体インスリン注射の厳格な処方計画を忠実に守ることが求められる。インスリンを投与する一般的な1つの方法は、通常「インスリン・ペン」と呼ばれる再使用可能な経皮的液体投与装置を使用する方法であり、この経皮的液体投与装置は、インスリン・タンクを備えるプラスチック製の注射器と、皮下針によってそこからインスリンが送達される注射器の近位端を覆うキャップとを含む。
【0003】
糖尿病患者はインスリンを毎日複数回注射する必要があるため、注射手順がすぐにルーチン化し、そのために1回1回の用量を忘れてしまうことが容易に起こりうることが、発表された幾つかの研究から知られている。一般に、一般的に処方されているインスリン・ペンを使用して、または注射域を調べることによって、所与の用量が投与されたか否かを言い当てる単純で信頼性の高い方法はない。処方されたインスリン用量を投与し忘れたり、または不注意から短時間のうちにあまりに何度も用量を投与したりすると、短期または長期の深刻な健康リスク、ならびに高血糖症および低血糖症を含む糖尿病患者に対する合併症が生起しうる。
【0004】
この問題を解決するため、これまでにも幾つかの試みがなされている。例えば、Nielsenの特許文献1は、最後の注射からの経過時間を知らせる点滅灯信号を発することができる注射装置を記載している。この点滅灯は、注射装置のボディの表面に提供される。特許文献1は、本発明と同じ問題を解決しようとしているが、新たなシステムを使用するために、好んで使用しているインスリン送達システムまたは処方されたインスリン送達システムの使用を止め、廃棄することを糖尿病患者に強いるという欠点を有し、このことは、多くの使用者にとって経済的に大きな負担になりうる。特許文献1に開示されている注射装置の他の欠点は、最後の注射からの経過時間を知らせるために使用される特定の点滅灯配列の意味を使用者が覚えなければならないことである。このことは、一部の糖尿病患者、特に幼年者または高年者にとって重大な障害である。
【0005】
Skyggebjergの特許文献2は、互いに分離しており、合体すると携帯可能な単一のユニットを形成する2つの装置部分を含むタイマ装置を開示している。一方の装置部分にインスリン・ペンが配置されており、ペンを使用していないときにはこれらの2つの装置部分は一体に保持される。装置部分を分離することによって制御動作が作動する。この解決策は、好ましい実施形態が複雑であり、装置を使用する際には、使用者の素養および訓練がある程度必要であるという欠点を有し、さらに、より大きな別個の専用の装置を持ち運ぶ必要もある。記載されている他の実施形態では、一方の装置部分が、第1の装置の遠位部分を覆うように適合されたキャップと一体である。この開示は、記載された実施形態において、装置部分の分離を検出する実際的な手段もしくは費用対効果の高い手段、またはキャップと第1の装置の遠位部分との間の適切な協働を保証する実際的な手段または費用対効果の高い手段については何も記載していない。
【0006】
制御装置および指示装置として機能するドッキング・ステーションと位置合せされた投薬装置が配置されたシステムが、例えば特許文献3および特許文献4で提案されている。特許文献4は、注射ペンの後端に取り付けることができるスリーブ状の指示装置を開示している。これらの装置は、追加の装置部品をインスリン・ペンと一緒に使用しなければならないという欠点を有し、一般的に複雑で高価である。
【0007】
特許文献5は、インスリン投与の用量を監視する携帯可能な制御装置を開示している。開示された幾つかの実施形態では、制御装置が、注射ペンの従来のキャップに固定することができる別個の部片として提供され、ペンのボディが、キャップの取外しの検出を可能にする共振回路を含む。この制御装置は、遠隔コンソールと通信して、投薬を実施することを患者に思い出させる送信器を含み、ある有色灯のシステムを使用して、用量を投与すべきであることを知らせる。開示されている実施形態は、複雑で使用および理解がしづらく、好んで使用しているまたは処方された既存のインスリン送達システムを廃棄しまたは適合させることを要求することがあり、多くの使用者にとって非常に高価なものになりうる。
【0008】
上述の問題は、少なくとも部分的には、現在使用されている大部分のインスリン・ペンが、所与の用量を投与したかどうかを使用者が判定するのに役立つと思われる手段とともに使用されていないことが原因であると本出願の出願人は考えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0076458号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0062148号明細書
【特許文献3】国際公開第03/063754号
【特許文献4】国際公開第99/43283号
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0096543号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述の問題のうちの幾つかの問題を少なくとも部分的に軽減し、比較的に高い費用対効果で製造することができ、簡単に使用できる、経皮的液体投与装置用の置換可能キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、経皮的液体投与装置用の置換可能キャップであり、液体が投与される経皮的液体投与装置の前部を覆うように配置することができる開いた第1の端部と、第1の端部の反対側の閉じた第2の端部とを有する細長い中空のボディを備え、経皮的液体投与装置上に解放可能に受け取られボディが、ボディの内部へ開いた空洞を含み、この空洞が、ボディの内部へ突き出ており、スイッチに結合されたタイマ・ユニットと、タイマ・ユニットによってカウントされた時間をボディの外面に表示するタイマ表示ユニットとを収容し、置換可能キャップが経皮的液体投与装置上に配置されたときに、スイッチが、経皮的液体投与装置の前部の表面の存在によって閉じ、置換可能キャップが経皮的液体投与装置から取り外されたときに、スイッチが開かれ、スイッチのこの解放動作によって、タイマ・ユニットが、経皮的液体投与装置が最後に使用されてから経過した時間を知らせるタイマ・ユニットが最後にリセットされてからの時間を、即時にまたは所定の時間の後にリセットする置換可能キャップであって、置換可能キャップのボディが、一体に接続して置換可能キャップを形成する射出成形されたプラスチック製の2つの主部品を含み、2つの主部品間に少なくとも部分的に空洞が画定されており、2つの主部品が、それらの間に、タイマ・ユニットおよびスイッチを保持している置換可能キャップが提供される。
【0012】
本発明の他の特徴は、スイッチが、液体投与装置の外面と協働するためにボディの内部へ突き出た電気機械式スイッチの形態を有すること、2つの主部品が、射出成形されたプラスチック材料から製作されたキャップ・トップおよびキャップ・ボトムであること、キャップ・トップが、タイマ表示ユニットが見える窓を有すること、およびキャップ・ボトムが、ボディの長さの大部分を構成していることである。
【0013】
本発明の他の特徴は、キャップ・トップが、開いた第1の端部に向かって延びポケット用クリップを形成する自由端を有するフランジを含むことである。
【0014】
本発明の他の特徴は、閉じた第2の端部に電池室が形成されていること、電池室が、キャップ・トップに形成されていること、および電池室が、所定の位置にぴったりとはまって電池室内に電池をしっかりと保持するカバーを有することである。異なる複数の投与装置を見分けるために、カバーの使用者が置換可能キャップを特定の投与装置と照合することを可能にするため、カバーを色分けすることができる。
【0015】
本発明の他の特徴は、置換可能キャップが、電池と、関連する電池電気接点との間に予め配置された除去可能な非導電性フィルムを含み、この非導電性フィルムが、ボディの溝穴を通り抜けて延びて、突き出た舌状部分を形成し、置換可能キャップの使用前に、使用者が舌状部分をつまんで電池室から非導電性フィルムを引き抜いて、電池が電池電気接点と係合することを可能にすることができ、それによって、非導電性フィルムが、置換可能キャップの使用前に電池が消費されることを防ぐことである。溝穴は、キャップ・トップの窓に隣接して形成することができ、非導電性フィルムは最初は、この非導電性フィルムがさらにタイマ表示ユニットに対する保護層として機能するように、タイマ表示ユニットを横切って延びるように配置することができる。さらに、LCDの表示を模擬的に示すため、非導電性フィルムのタイマ表示ユニットを覆う部分に数字を印刷することができ、そのため、使用者は、電池がLCDに電力を供給したときに表示がどのように見えるのかを知ることができる。
【0016】
本発明の他の特徴は、タイマ・ユニットがプリント回路板(PCB)上に電子回路を含むこと、ならびにタイマ・ユニット、タイマ表示ユニットおよびスイッチが、空洞にぴったりとはまる単一の制御ユニットとして一緒に取り付けられていることである。
【0017】
本発明の他の特徴は、タイマ表示ユニットが、低コストの4桁ディジタル液晶ディスプレイ(LCD)であること、タイマ・ユニットが、ゼロからカウントアップすること、スイッチの解放によってタイマがゼロにリセットされること、およびタイマ・ユニットが、最初の59分59秒の経過時間の間は、分をカウントするために最初の2桁を使用し、秒をカウントするために最後の2桁を使用し、その後は、時間をカウントするために最初の2桁を使用し、分をカウントするために次の2桁を使用するように構成されていることである。
【0018】
本発明の他の特徴は、空洞が、特定のタイプの投与装置にぴったり合うように決められた内面寸法をそれぞれが有する複数の異なるキャップに同じ制御ユニットがぴったりとはまるような標準サイズを有し、それによって制御ユニットを全てのキャップ向けに大量生産することができ、それに付随して規模の経済性(economies of scale)が高まることである。
【0019】
本発明の他の特徴は、スイッチが、ボディの内部へ突き出た板ばねを含むこと、この板ばねが、ボディの開いた第1の端部に近い方に固定端を有し、ボディの閉じた第2の端部に近い方に自由端を有する向きに配置されており、そのため、経皮的液体投与装置の前部を置換可能キャップに挿入する行為によって、経皮的液体投与装置の前部のどのフィーチャ(feature)にも自由端が引っ掛かることなく、板ばねが空洞の方へ曲がること、および板ばねが空洞の方へ曲げられたときに電気機械式スイッチを作動させるように、板ばねが、電気機械式スイッチに当接するように取り付けられていることである。この板ばねはばね鋼から製作することができ、この板ばねは、異なる装置の異なる形状のどの前部でもスイッチを作動させるのに十分な程度に板ばねと係合する十分な屈曲性を有することができる。
【0020】
本発明の他の特徴は、タイマ・ユニットが、所定の時間が経過した後になって初めてリセットされること、この所定の時間が5秒から12秒の間であること、それによって、経皮的液体投与装置内の液体の量を使用者が調べるときなどのように使用者が少しの間置換可能キャップを取り外しただけである場合、または不注意から使用者が置換可能キャップを短時間取り外したときに、タイマ・ユニットがリセットされることを防ぐことである。
【0021】
本発明の他の特徴は、ボディの内部寸法が、経皮的液体投与装置とともに予め提供された既存のキャップの内部寸法と一致するように選択されており、それによって、置換可能キャップが、既存のキャップと同じかまたは既存のキャップに非常によく似た経皮的液体投与装置上への押込みばめまたはスナップばめを提供することである。
【0022】
本発明の他の特徴は、経皮的液体投与装置が使い捨て式であり、置換可能キャップも使い捨てではあるが、少なくとも幾つかの経皮的液体投与装置に対して引き続いて使用することができることである。
【0023】
本発明の他の特徴は、タイマ表示ユニットが、電池レベル指示器、または電池の電圧が低下したことに関する指示を提供する警報機構を含むことである。置換可能キャップは、電池がきれた後に廃棄するものとすることができ、または、使用者が電池を交換することができるように、電池室のカバーを取外し可能とすることができる。
【0024】
本発明の他の特徴は、経皮的液体投与装置が、タンクと、経皮的液体投与装置の前部に配置された皮下針とを含むインスリン・ペンであることである。
【0025】
本発明は、経皮的液体投与装置用の置換可能キャップであり、液体が投与される経皮的液体投与装置の前部を覆うように配置することができる開いた第1の端部と、第1の端部の反対側の閉じた第2の端部とを有する細長い中空のボディを備える置換可能キャップであって、ボディが、一体に接続してボディを形成する射出成形されたプラスチック製の2つの主部品を有し、これらの2つの部品間に画定された空洞内において、これらの2つの部品が、それらの間に、制御ユニットを保持し、制御ユニットが、タイマ・ユニットと、タイマ・ユニットによってカウントされた時間をボディの外面に表示するタイマ表示ユニットと、スイッチとを含み、スイッチが、置換可能キャップが経皮的液体投与装置上に配置されたとき、および/または置換可能キャップが経皮的液体投与装置から取り外されたときに作動するように構成されており、スイッチのこの作動によって、タイマ・ユニットが、経皮的液体投与装置が最後に使用されてから経過した時間を知らせるタイマ・ユニットが最後にリセットされてからの時間を、即時にまたは所定の時間の後にリセットする置換可能キャップに拡張される。
【0026】
次に、添付図面を参照して、本発明を、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】本発明に基づく置換可能キャップおよび投与装置の透視図であり、キャップが投与装置から分離された図である。
図1B】投与装置上の置換可能キャップを示す、図1Aと同様の図である。
図2図1の置換可能キャップの構成部品の分解図である。
図3】投与装置上の置換可能キャップの上面図である。
図4図3の線A−Aに沿った立断面図である。
図5】置換可能キャップの制御ユニットがとりうるさまざまな状態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1Aは、本発明に基づく置換可能キャップ(10)および関連する投与装置(12)の透視図を示す。この置換可能キャップは、開いた第1の端部(16)と第1の端部の反対側の閉じた第2の端部(18)とを有する細長い中空のボディ(14)を備える。本実施形態では、投与装置が使い捨てのインスリン・ペンであり、このインスリン・ペンは、液体インスリンが保持されたタンク(20)と、インスリン・ペンの後端(24)のプランジャ(plunger)(22)と、インスリン・ペンの前部(26)の先端のインスリンがそこから投与される皮下針(図示せず)とを含む。皮下針は、針を覆う取外し可能なシース(sheath)(28)を有する。インスリン・ペンのボディに沿って、インスリン・ペンの前部に隣接して、1つまたは複数の透明な部分(30)が形成されており、この部分を使用して、液体インスリンの量を目視によって確認することができる。このインスリン・ペンは、既存のキャップと一緒に提供される一般的に市販されている既存の使い捨てインスリン・ペンとすることができ、この既存のキャップは、単純に廃棄し、本発明の置換可能キャップに置換することができる。
【0029】
置換可能キャップが投与装置上に示されている図1Bに示すように、置換可能キャップの開いた第1の端部(16)は、置換可能キャップが投与装置にぴったりとかぶさり投与装置の前部を覆うように、投与装置の前部(26)の上に配置することができる。置換可能キャップは、投与装置上に解放可能に保持され、特定のタイプの投与装置にぴったり合うように決められた内部寸法(図示せず)を有し、この内部寸法は、投与装置と一緒に最初に提供された既存のキャップの内部寸法と一致するように選択され、そのため、本発明の置換可能キャップは、既存のキャップと同じかまたは既存のキャップに非常によく似た投与装置上への押込みばめまたはスナップばめを提供する。
【0030】
図2は、置換可能キャップ(10)の構成部品の分解図を示す。置換可能キャップは、一体に接続して置換可能キャップを形成する2つの主部品、すなわちキャップ・トップ(40)およびキャップ・ボトム(42)を含む。キャップ・トップおよびキャップ・ボトムは、射出成形されたプラスチック製の構成部品であり、クリップ、超音波溶接、接着剤または他の適当な手段によって一体に接続することができる。キャップ・ボトムは、細長い置換可能キャップのボディの長さの大部分を構成し、キャップ・トップには、長方形の窓(44)が形成されている。キャップ・トップ(40)の上面に沿って、開いた第1の端部(16)に向かってフランジ(46)が延びてポケット用クリップを形成する。
【0031】
組み立てると、キャップ・トップとキャップ・ボトムとの間に空洞(48)が形成される。この空洞は、ボディの内部(50)へ開き、窓(44)と整列する。空洞は、空洞にぴったりとはまり、キャップ・トップおよびキャップ・ボトムによって保持される制御ユニット(52)を収容し、制御ユニットは、タイマ・ユニット(54)、スイッチ機構(56)およびタイマ表示ユニット(58)が取り付けられたプリント回路板(PCB)(51)を含む。幾つかの実施形態ではこのPCBを単層PCBとすることができ、0.5mmほどの薄いPCBとすることができる。この実施形態では、タイマ表示ユニット(58)が、タイマ・ユニットによってカウントされた時間を表示する低コストの4桁ディジタル液晶ディスプレイ(LCD)であり、このタイマ表示ユニットは窓(44)と整列し、そのため、キャップ・トップの上面からタイマ表示ユニットが見える。このタイマ表示ユニットは、低電池残量警告指示器を含むことができ、電力を節約するためバックライト式でないことが好ましい。タイマ・ユニットは、マイクロコントローラ・カウンタおよび発振結晶からなり、内蔵LCDドライバを含む4ビットの低電圧(例えば0.9〜1.7V)マスクROMマイクロコントローラであることが好ましい。この目的に対してディジタル時計用の集積回路を使用することもできる。
【0032】
置換可能キャップの閉じた第2の端部(18)には、キャップ・トップに電池室(60)が形成されている。電池室が第2の端部に配置されているのは、投与装置の液体インスリン・タンクからできるだけ遠ざけるためであり、インスリン・ペンのインスリン・タンクに貯蔵されたインスリンが電池漏れによって汚染される危険を最小化するため、電池室は独立した区画として形成されている。この電池は、12か月を優に超える期間、最長36か月など、少なくとも数か月の間制御ユニットに電力を供給するのに十分な蓄積電荷を有する再充電のできない1.5Vの酸化銀電池とすることができ、それによって、この置換可能キャップを、多くの使い捨てインスリン・ペンに対して引き続いて使用することができる。
【0033】
電池は、所定の位置にぴったりとはまるカバー(64)によって、一組の電気接点(図示せず)に対して所定の位置に保持される。同時に使用される可能性がある複数のインスリン・ペンを使用者が見分けることを可能にするため、カバーは、色分けされていることが好ましい。幾つかの実施形態では、置換可能キャップが使い捨て式であり、電池がきれた後は廃棄されることが意図されている。この場合には、接着、超音波溶接またはクリップ構造物の変形によってカバーをその場に恒久的に貼り付けることができる。他の実施形態では、こじあけるかまたはねじ式のカバーを回転させるかすることによってカバーを開いて、電池を交換することができる。
【0034】
図3は、置換可能キャップが投与装置上にある、置換可能キャップ(10)および投与装置(12)の上面図を示す。図4は、図3の線A−Aに沿った立断面図を示す。図4に示すように、スイッチ機構は、制御ユニット(52)が取り付けられた空洞内へ部分的に張り出し、ボディの内部(50)へ突き出た板ばね(70)を含む。板ばねは、ボディの開いた第1の端部(16)に近い方に固定端(72)を有し、ボディの閉じた第2の端部(18)に近い方に自由端(74)を有する向きに配置されている。板ばねは、空洞の方へ曲げられたときに、PCB上の電気機械式スイッチ(76)に当接してスイッチを作動させるように取り付けられている。インスリン・ペン(12)の前部(26)を置換可能キャップの開端に挿入する行為によって、インスリン・ペンの前部の表面が板ばねに当接し、それによって板ばねが空洞の方へ曲がり、スイッチ(76)を押し下げる。板ばねは、ボディの閉じた端部に近い方に自由端がくる向きに配置されるため、自由端は、リッジ、ショルダなど、投与装置の前部(26)に存在するどのフィーチャにも引っ掛からない。この引っ掛かりは、板ばねを反対向きに配置した場合には起こる可能性がある。板ばねは、ばね鋼から作られていることが好ましく、異なるインスリン・ペンの異なる形状のどの前部でも、スイッチを作動させるのに十分な程度に板ばねと係合する十分な屈曲性を有することが好ましい。
【0035】
制御ユニット(52)がはまる空洞(48)は、特定のタイプの投与装置にぴったり合うように決められた内面寸法をそれぞれが有する本発明に基づく複数の異なるキャップに同じ制御ユニットがぴったりとはまるような標準サイズを有するように選択されることが重要である。それぞれのタイプのキャップの内面寸法が、そのタイプのインスリン・ペンと一緒に最初に提供された既存のキャップの内面寸法と一致するように選択され、それによって、本発明の置換可能キャップは、既存のペンと一緒に提供された既存のキャップと同じかまたは既存のキャップに非常によく似たスナップばめを提供することが好ましい。空洞が標準サイズを有することによって、異なるあらゆる種類のキャップに同じ制御ユニットがぴったりとはまることが可能になり、それによって制御ユニットを大量生産することができ、それに付随して規模の経済性が高まる。この点に関しては、上述したとおり、異なるインスリン・ペンの異なる形状のどの前部でもスイッチを作動させるのに十分な程度に板ばねと係合する十分な屈曲性を板ばねが有することも重要である。したがって、全ての制御ユニットに対して同じスイッチ機構を使用することができる。
【0036】
図4にも示されているように、電池(80)とその関連電気接点のうちの1つの接点(図示せず)との間に、除去可能な非導電性のフィルム(78)が提供される。この非導電性フィルムは、キャップ・トップの窓に隣接して形成された溝穴(84)を通り抜け、タイマ表示ユニット(58)を横切って延び、末端に、突き出た舌状部分(86)を有する。この除去可能な非導電性フィルムは、製造時に所定の位置に配置され、患者によって置換可能キャップが実際に使用されるまでその場に留まることが意図されている。患者が置換可能キャップを使用するときには、親指と人差し指とで舌状部分をつまみ、非導電性フィルムをタイマ表示ユニットから引き剥がし、電池室から引き抜く。これによって電池が電気接点と係合する。それによって、この非導電性フィルムは、使用前に電池が消費されることを防ぎ、本発明の置換可能キャップの保管寿命を大幅に延ばす。さらに、LCDの表示を模擬的に示すため、非導電性フィルムのタイマ表示ユニットを覆う部分に数字を印刷することができ、そのため、使用者は、電池がLCDに電力を供給したときに表示がどのように見えるのかを知ることができる。
【0037】
使用時、インスリン・ペンに置換可能キャップを完全にかぶせると電気機械式スイッチ(76)が作動し、インスリン・ペンから置換可能キャップを取り外すとスイッチが解放される。スイッチのこの係合または解放によって、タイマ・ユニットは、所定の時間が経過した後にタイマをリセットする。この所定の時間は、5秒から12秒の間であることが好ましく、約8秒であることが最も好ましい。タイマをリセットするとすぐに、タイマ表示ユニットがLCDをゼロにリセットする。この後に、タイマ・ユニットは、タイマが最後にリセットされてから経過した時間を表示し始める。このようにして、本発明の置換可能キャップは、インスリン・ペンが最後に使用されてから経過した時間を患者に知らせる。
【0038】
スイッチの係合または解放の直後にタイマをリセットしない方が好ましい理由は、インスリン・ペンの使用者は、単に透明な部分(30)を使用して液体インスリンの量を確認するためだけにインスリン・ペンのキャップを短時間、取り外し、インスリン注射を実行しないことが時にあるためである。この動作は一般に2、3秒しかかからない。一方、インスリンを注射する動作は一般に少なくとも12秒かかる。さらに、使用者は、ボールペンまたは他の器具をもてあそんでいるときなどのように、不注意からキャップを短時間取り外しまたは途中まで取り外すことがある。したがって、所定の時間よりも長くキャップが取り外されている場合、使用者が処方された用量のインシュリンを投与したとみなし、タイマがリセットされる。このように、単にディジタル・タイマ表示ユニットを見ることによって、患者は、最後の投薬を実施してから経過した時間を確認することができ、それによって、直前の投与を忘れたのではないか、または直前の投与を実施したばかりではないかとの不安を回避することができ、偶発的な過剰投与または投与不足が起こる危険を小さくすることができる。
【0039】
この好ましい実施形態では、4桁LCDがゼロからカウントアップし、タイマがリセットされた最後の時刻に続く最初の59分59秒の間は、最初の2桁を使用して分をカウントし、最後の2桁を使用して秒をカウントする。タイマが60分に到達すると、最初の2桁は時間をカウントするために使用され、次の2桁は分をカウントするために使用される。このように、より高価な6桁LCDではなく、4桁LCDだけを使用することが可能であり、それでも依然として、最後のインスリン投薬後の最初の1時間の間は、使用者に秒数を知らせることができる。
【0040】
図5は、制御ユニットがとりうる状態を示す状態図である。包装されているとき、制御ユニットは、電池が接続されていないためLCDに何も表示されていない包装状態(100)にある。フィルムが除去されると、制御ユニットは、タイマがリセットされ、ゼロに維持され、LCDの全てのセグメント(segment)が点滅するリセット状態(102)に入る。インスリン・ペンに置換可能キャップを初めてはめたときに起こるスイッチの押し下げによって、制御ユニットは、タイマが作動し、LCD上に作動時間が表示される「キャップ・オン」状態(104)に入る。この「キャップ・オン」状態の間、この4桁タイマは、上述したとおり、最初の59分59秒の経過時間の間は最初の2桁を分に対して使用し、最後の2桁を秒に対して使用し、その後は、最初の2桁を時間に対して使用し、最後の2桁を分に対して使用する。タイマは、99時間59分までカウントするように構成することができる。「キャップ・オン」状態の後にスイッチが解放された場合、制御ユニットは、所定の時間の間タイマが作動し続ける中間状態(106)に入る。このスイッチの解放は置換可能キャップが取り外されたときに起こり、この所定の時間は例えば8秒とすることができる。この所定の時間が終わる前にスイッチが再び押し下げられた場合(例えば置換可能キャップを取り外した後すぐに置換可能キャップが元の位置に戻されたされた場合)、制御ユニットは再び「キャップ・オン」状態(104)に入る。しかしながら、この所定の時間のうちに置換可能キャップが元の位置に戻されない場合、制御ユニットはリセット状態(102)に入り、上述したとおりタイマがリセットされ、ゼロに維持され、LCDの全てのセグメントが点滅する。
【0041】
本発明は、最後に投薬を実施してから経過した時間を患者が確認することができる、簡単に使用でき費用対効果の高い投与装置用の置換可能キャップを提供する。この置換可能キャップは単に、投与装置とともに提供される既存のキャップを置き換えるだけなので、本発明は、追加の機器を使用者が携帯することを要求しない。特別な指示に従う必要はなく、点滅灯または他の非数値式の指示器を使用する計時方式を学習し、記憶する必要もなく、投与装置を使用する手順を患者が変更する必要もない。ディジタル時計に慣れた人なら誰でもこの置換可能キャップを容易に使用することができる。そのような人には、年齢の非常に低い人や、非常に虚弱な人も含まれるはずである。さらに、置換可能キャップの内部寸法は、置換される本来のキャップの内部寸法と一致するように選択されるため、本発明の置換可能キャップは、本来のキャップと同じスナップばめまたは押込みばめの感触を有し、スイッチ機構は、置換可能キャップが投与装置にしっかりとはまることを一切妨げない。キャップ・トップおよびキャップ・ボトムは、基本的な2部品射出成形によって製作することができ、キャップ内に可動部品を成形する必要がないため、非常に高い費用対効果でキャップを成形することができる。制御ユニットがはめ込まれる空洞は、異なる全てのタイプのキャップに対して標準であるため、制御ユニットを大量生産することができ、このことはキャップのコストのさらなる削減につながる。
【0042】
特定の実施形態に関して本発明を説明したが、本発明が説明した実施形態だけに限定されないこと、および本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えることができる。例えば、スイッチ機構が板ばねを含む必要はなく、スイッチ機構は、ドーム・スイッチまたは導電性エラストマー・スイッチを含むことができる。他の実施形態では、物理的な接触または可動部品を必要とすることなしに、容量センサが、インスリン・ペンの前部の存在を検出することができる。このことは、電子構成部品の密閉を容易にするであろう。インスリン・ペンによって遮られるビームをキャップの内面から反射させることによって、または周囲光を感知することによって、光センサを使用することもできる。本発明の置換可能キャップは、エピネフリン自動注射器、抗レトロウイルス薬ペン、置換可能キャップを利用する他の投与装置など、他の種類の投与装置と一緒に使用することができる。タイマ・ユニットがカウントアップする必要は必ずしもなく、タイマ・ユニットがカウントダウンし、それによって次の投薬をすべき時刻までの残り時間を知らせることもできる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5