特許第5798192号(P5798192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798192
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】可動家具部分のための排出装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/619 20150101AFI20151001BHJP
   A47B 88/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   E05F15/619
   A47B88/00 H
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-525078(P2013-525078)
(86)(22)【出願日】2011年6月15日
(65)【公表番号】特表2013-538955(P2013-538955A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】AT2011000263
(87)【国際公開番号】WO2012024701
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2014年3月20日
(31)【優先権主張番号】A1424/2010
(32)【優先日】2010年8月26日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボーレ,ウォルフガング
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−518293(JP,A)
【文献】 特表2008−509760(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0273262(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0180654(US,A1)
【文献】 特開2003−185333(JP,A)
【文献】 特開2003−003746(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/152537(WO,A2)
【文献】 特開2008−050789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00
E05F 15/00−15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動家具部分(2)のための排出装置(1)であって、
前記可動家具部分(2)を排出させるため、第1の位置(図4)と第2の位置(図5)との間で可動な排出器(3)と、
前記排出器(3)を駆動させるための電動駆動ユニット(5)と、該電動駆動ユニット(5)と前記排出器(3)との間に配置され、前記排出器(3)に作用する駆動出力部(20)を有する伝達装置(19)とを有する駆動列(4)と、
前記電動駆動ユニット(5)を制御または調節するための制御または調節装置(7)と、
を含んでおり、
力保存手段(6)は、前記電動駆動ユニット(5)と前記駆動出力部(20)との間で前記伝達装置(19)内に一体化されており、
前記力保存手段(6)の荷重除去は、前記駆動列に接続されたモニター装置(8)によって検出でき、前記制御または調節装置(7)へ信号を送信でき、
前記力保存手段(6)の荷重除去の検出後、前記制御または調節装置(7)が、前記排出器(3)を前記第1の位置(図4)へと戻すように前記電動駆動ユニット(5)を作動させることを特徴とする排出装置。
【請求項2】
前記排出器(3)は、並進動作で可動であることを特徴とする請求項1記載の排出装置。
【請求項3】
前記排出器(3)は、前記伝達装置(19)の前記駆動出力部(20)と一体化していることを特徴とする請求項1または2記載の排出装置。
【請求項4】
前記電動駆動ユニット(5)は、電動モータを含んでいることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の排出装置。
【請求項5】
前記伝達装置は、制限的に相対移動可能な二つの歯車(10、11)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の排出装置。
【請求項6】
前記二つの歯車(10、11)は、相互に共軸関係に配置されていることを特徴とする請求項5記載の排出装置。
【請求項7】
前記第1の歯車(10)は、ワーム(12)によって前記電動駆動ユニット(5)に接続されており、前記第2の歯車(11)は、前記排出器(3)に接続されていることを特徴とする請求項5または6記載の排出装置。
【請求項8】
前記力保存手段(6)は、前記二つの歯車(10、11)の間に存在することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の排出装置。
【請求項9】
前記モニター装置(8)は、測定ポテンショメータを有することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の排出装置。
【請求項10】
前記モニター装置(8)は、少なくとも一つのモニターギヤ(13)によって前記駆動列(4)に接続されていることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の排出装置。
【請求項11】
前記モニターギヤ(13)は、前記排出器(3)に接続されている前記歯車(11)と係合することを特徴とする請求項10記載の排出装置。
【請求項12】
前記力保存手段(6)は、コイルバネである少なくとも一つのバネ(6a)を含んでいることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の排出装置。
【請求項13】
前記力保存手段(6)は、流体圧力保存手段(6b)または磁石を含んでいることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の排出装置。
【請求項14】
前記力保存手段の荷重除去は、前記排出器(3)が、前記力保存手段(6)に対して作用する作用力(K)の除去によって、前記第2の位置(図5)に到達した後に実行されることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の排出装置。
【請求項15】
前記作用力(K)の除去は、前記可動具家具部分(2)を前記排出器(3)から離れるように移動させることによって実行され、それによって前記力保存手段(6)は、前記排出器(3)を前記第3の位置(図6)へと移動させることを特徴とする請求項14記載の排出装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の排出装置(1)を有しており、それによって前記可動家具部分(2)を排出できることを特徴とする可動家具部分を有する家具(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に扉または引出しである可動家具部分のための排出装置に関する。この排出装置は、可動排出部分を排出させるため、第1の位置と第2の位置との間で可動な排出器と、排出器を駆動させるための電動駆動ユニットと、電動駆動ユニットと排出器との間に配置され、排出器に作用する駆動出力部を有する伝達装置とを有する駆動列と、電動駆動ユニットを制御または調節するための制御または調節装置とを含んでいる。
【背景技術】
【0002】
電気的に駆動される排出装置は、既に知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、可動家具部分のための排出器について解説しており、駆動ユニットは、排出装置に引張り力および/または押込み力を適用することによって起動される。排出器が、一方が他方の中に伸縮式に配置された2つの部分を含んでいる特定実施態様では、排出器から離れる方向の可動家具部分の動作は、排出動作の終了後に検出され、排出器の引き込み過程はそれへの反応として起動される。この場合の欠点は、その検出に必要な力保存手段が排出押し出しロッド自体に配置されており、よって検出性が排出押し出しロッドの形態に依存することである。
【0004】
特許文献2は、可動家具部分のための排出装置に関し、第1のローラは、自由レバー端に配置されており、第2のローラは、自由レバー端から離れて配置されている。ここで解説されている1実施態様では、旋回式に取り付けられたレバーが、バネによって互いにプレストレスされている二つのレバー部分を含んでおり、これらのレバー部分の一方の位置を検出することができる。この場合もまた、バネは、伝達装置の駆動出力後に提供され、よって実際の排出器の部材であり、それによってこの場合も、力保存手段の荷重除去の検出性は、排出器のための所定の形態を前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】オーストリア国実用新案出願公開第007158U1号明細書
【特許文献2】国際公開第2006/017864A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、従来技術に勝る、改良された排出装置の提供である。特に本発明は、力保存手段の荷重除去の検出が、排出器の形態とは無関係に実行されることを目的とする。換言すれば、本発明は、排出器が本質的にあらゆる所望の形態であることができ、それでもなお、伝達装置からの、排出器の位置についての結論を導くことが可能な排出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
力保存手段が電動駆動ユニットと駆動出力部との間で伝達装置内に一体化されることで達成される本発明による排出装置では、力保存手段の荷重除去は、駆動列に接続されたモニター装置によって検出でき、制御または調節装置に信号が送信され、力保存手段の荷重除去の検出後、制御または調節装置が、排出器を第1の位置へ戻すように電動駆動ユニットを作動させる。
【0008】
本発明による排出装置では、その荷重除去が検出され、排出器の引き込み運動のための起動として使用できる力保存手段は、電動駆動ユニットと駆動出力部との間に配置されている。すなわち、駆動列の伝達装置の内部に配置されている。伝達装置の駆動出力部は、排出器に作用するため、排出器の形態は、力保存手段の荷重除去の検出性とは無関係である。従って、伝達装置は、構造的ユニットの形態で製造でき、その後、排出装置にあらゆる所望の形状または形態の排出器を後付けできる。

【0009】
好適な実施態様では、排出器は、並進動作と共に可動である。特にこれは、排出器による可動家具部分への力作用のシンプルな形態を提供する。しかしながら、原則的には、排出器は、別の形態で旋回可能または可動であることもできる。
【0010】
好適には、排出器は、伝達装置の駆動出力部と一体型であることができる。これは、排出器の複雑性を低減させ、それをきわめてシンプルに製造させる。しかしながら、排出器を伝達装置部材とは独立的に作らせるため、排出器と駆動出力部は別体の形態にすることも可能である。
【0011】
電動駆動ユニットが電動モータを含んでいることが好適である。これで延伸方向と引き込み方向での排出器の駆動された自動的運動が可能になる。
【0012】
本発明の特に好適な実施態様では、駆動列は、伝達装置が互いに制限的に可動である二つの歯車を有するような設計である。この制限された相対的運動性は、それらの間での力保存手段の間置を許容し、その荷重除去を引き続く結果として検出させる。
【0013】
二つの歯車が相互に共軸関係に配置されている場合、これは特にコンパクトな構造を可能にする。
【0014】
別の実施態様では、第1の歯車は、ワームによって電動駆動ユニットに接続されており、第2の歯車は、排出器に接続されている。この実施態様は、駆動列のためのコンパクトな構造を可能にすると同時に伝達装置部品の数を減らすことができる。しかしながら、原則的には、歯車は、あらゆる数の伝達装置部品に接続することができる。
【0015】
力保存手段が二つの歯車の間に存在することが特に有利であることが証明されている。二つの歯車の相対的な運動のために、力保存手段は、制限された動作範囲内でのみ荷重されることも荷重除去されることもできる。これは、力保存手段の過剰な応力、特に意図した作動範囲を越えることを防止する。
【0016】
本発明の特に好適な実施態様は、歯車が力保存手段によって互いにプレストレスされることができることである。これは特にモニター装置が、力保存手段が荷重除去されると同時に移動される歯車に接続されている限りにおいて、力保存手段の荷重除去の容易な検出を可能にする。
【0017】
本発明のさらに有利な実施態様は、モニター装置が測定ポテンショメータを有する設計であることである。原則的に、モニター装置は、それによって力保存手段の荷重除去が検出できる、その他の動作検出器またはその他のセンサも含むことができる。
【0018】
さらに、モニター装置は、少なくとも一つのモニターギヤによって駆動列に接続されることもできる。この結果、モニター装置は、駆動列の伝達装置に直接的に接続できるので、伝達装置内の動作を整えることができる。
【0019】
モニターギヤが、排出器に接続されている歯車と係合する場合は、特に有利であることが証明されている。この場合、排出器の動作、特に排出器の延伸した第2の位置での可動家具部分の除去後の移動が直接的に検出される。しかしながら、モニターギヤを別の位置で伝達装置に連結することも可能である。
【0020】
排出装置の別な好適な実施態様では、力保存手段は、好適にはコイルバネである少なくとも一つのバネを含むように設計できる。この種の力保存手段は、特にシンプルで安価である。しかしながら、同様に、力保存手段は、流体圧力保存手段または磁石を含むこともできる。
【0021】
本発明の好適な実施態様では、力保存手段の荷重除去は、荷重された力保存手段に対して作用する力の除去によって、排出器が第2の位置(図5)へ到達した後に実行される。作動力の除去が、可動家具部分を排出器から離すことによって実行されれば、それによって、力保存手段は、排出器を第3の位置(図6)へと移動させ、例えば、可動家具部分の開動作は、排出後に検出され、電動駆動ユニットは、制御または調節装置によって排出器を第1の位置(図7)へと戻すように作動される。よって、例えば、家具が開いているときに、延伸した状態の排出器で、誰かが自身を傷つけることを防止できる。
【0022】
本発明の保護範囲は、可動家具部分を有する家具にも及ぶ。家具は、それによって可動家具部分が排出される、請求項1から16のいずれかに記載の排出器を有する。
【0023】
本発明のさらなる詳細と利点は、図面の実施例によって説明される実施例に関連する詳細な説明によって以下でさらに詳細に解説される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、排出装置を組み込んだ家具の斜視図である。
図2図2は、排出装置の斜視図である。
図3図3は、排出装置の分解図である。
図4図4は、家具部分が閉じた状態の第1の引き込み位置にある排出装置の側面図である。
図4A図4Aは、家具部分が閉じた状態の第1の引き込み位置にある排出装置の詳細拡大図である。
図5図5は、家具部分が接触した状態の第2の延伸位置にある排出装置の側面図である。
図5A図5Aは、家具部分が接触した状態の第2の延伸位置にある排出装置の拡大詳細図である。
図6図6は、家具部分が除かれた状態(第3の位置)の排出装置の側面図である。
図6A図6Aは、家具部分が除かれた状態(第3の位置)の排出装置の拡大詳細図である。
図7図7は、排出器が第1の位置に再び引き込まれた状態の排出装置の側面図である。
図7A図7Aは、排出器が第1の位置に再び引き込まれた状態の排出装置の拡大詳細図である。
図8図8は、相対的に制限的に可動である、伝達装置の二つの組み立てられた歯車の斜視図である。
図9図9は、コイルバネの形態の荷重された力保存手段の斜視図である。
図10図10は、コイルバネの形態の荷重除去された力保存手段の斜視図である。
図11図11は、流体圧力保存手段の形態の荷重された力保存手段の側面図である。
図12図12は、流体圧力保存手段の形態の荷重除去された力保存手段の側面図である。
図13図13は、荷重された力保存手段を備えた排出装置の必須部材の概略的ブロック回路図である。
図14図14は、荷重除去された力保存手段を備えた排出装置の必須部材の概略的ブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、家具枠体14と、二つのヒンジ15によって家具枠体14に可動に固定された可動家具部分2とを含んだ家具9を示している。排出装置1は、家具枠体14の底部右角に取り付けられており、特にこの図では、ハウジング16と排出器3は、排出装置が引き込まれた第1の位置に示されている。
【0026】
図2は、排出器3が引き込まれた第1の位置にある排出装置1を示している。本発明のこの実施例では、排出器3は、伝達装置19の駆動出力部20と一体化されている。モニター装置8は、ここではモニターギヤ13によって伝達装置部材11に連結された測定ポテンショメータによって形成されている。
【0027】
図3は、ハウジング16と、電動駆動ユニット5と、電動駆動ユニット5の駆動シャフトに接続されたワーム12と、第1の歯車10と、第2の歯車11と、第1の歯車10と第2の歯車11との間に配置されており、二つのコイルバネ6aの形態である力保存手段6と、モニターギヤ13と、それに接続されたモニター装置8と、伝達装置19の駆動出力部20と、排出器3とを含んでいる。
【0028】
図4図4Aは、可動家具部分2が閉位置にあり、排出器3がその第1の引き込み位置にあるときの排出装置1の側面図である。この場合、図4Aは、特に、二つの歯車10と11、およびこの場合は、二つのコイルバネ6aの形態である力保存手段6の拡大部分を示している。電動駆動ユニット5は、伝達装置19の第1の部材に接続されており、ここでは、ワーム12の形態である。ワーム12が第1の歯車10を反時計回り方向に移動させる排出過程において、それによって力保存手段6aが、第1の歯車10の第2の受け具18が第2の歯車11のフック形状部に接触する点にまで荷重され、よって第2の歯車11もまた反時計回り方向に移動される。第2の歯車11は、伝達装置19の駆動出力部20に接続されており、よって排出器3は、並進動作(右側に)でハウジング16から延伸され、このようにして可動家具部分2が開方向に移動される。モニターギヤ13に接続されたモニター装置8も示されている。モニターギヤ13は、第2のギヤ11に連結されており、よってその回転運動もモニターされる。従って、特に、受け具17と18によって制限的にのみ可能となる力保存手段6aの荷重除去も検出される。
【0029】
図5図5Aは、可動家具部分2を対応して開方向に移動させた、排出器3が延伸した第2の位置にある排出装置1の側面図である。この場合、図5Aは、5Aの詳細部分の拡大図を示している。この図では、可動家具部分2は、排出器3によって開方向に排出されているが、まだそこに留まっており、図示の矢印に対応する力作用Kが排出器3に対して作用する。力作用Kのため、荷重された力保存手段6aを荷重除去することができない。力作用Kは、排出器3を介して駆動出力部20の左側に向かって並進動作方向に作用し、よって力保存手段6aの荷重除去とは反対方向に作用する力が第2の歯車11で後者に作用する。
【0030】
図6図6Aは、排出装置1の側面図であり、可動家具部分2は、排出器3によって排出作用が実行された後、開方向へとさらに移動している。その第2の延伸位置にある排出器3からの可動家具部分2の除去は、排出器3に対抗して作用する力作用Kもまた除去されることを意味する(×印された矢印)。駆動出力部20による第2の歯車11のため、荷重された力保存手段6aに対抗して、それとともに消滅する力作用のため、荷重された力保存手段6aは、荷重除去されることができる。この荷重除去は、第2の歯車11が反時計回り方向に制限的に移動するという結果を招く。特に、力保存手段6aの荷重除去以前に第2の受け具18に接する第2の歯車11のフック形状部が、第2の歯車11のフック形状部の後部が第1の受け具17に接するまで、荷重された力保存手段6aの荷重除去によって反時計回り方向へ移動するという結果を招く。伝達作用による、第2の歯車11の反時計回り方向への制限された回転運動は、駆動出力部20によって、その第3の位置へとさらに対応して延伸している排出器3の右側への並進運動へと変換される。第2の歯車11へのモニターギヤ13の連結のおかげで、伝達作用による力保存手段6aのその荷重除去は、モニターギヤ13に接続されているモニター装置8によるモニターギヤ13の時計回り方向への回転運動として整合され、よって、本発明によれば、電動駆動ユニット5は、制御または調節装置7(図示せず)によって、排出器3を第1の引き込み位置へと戻すように移動させるよう作動される。
【0031】
図7図7Aは、電動駆動ユニット5による力保存手段6aの荷重除去の検出後、排出器3がその第1の引き込み位置へと再び戻された後の排出装置1の側面図である。排出器3の第1の位置への引き込みは、伝達作用によって第1の歯車10を時計回り方向に回転させる電動駆動ユニット5によって達成される。力保存手段6aの荷重除去が達成された後、第2の歯車11のフック形状部が第1の受け具17に接触するので、第2の歯車11もまた時計回り方向に回転運動される。第2の歯車11は、伝達装置19の駆動出力部20に作用し、よって排出器3の左側への、その第1の引き込み位置への並進運動を導く。
【0032】
図8は、第1の歯車10中の空洞スペース(図示せず)と第2の歯車11に提供されたフック形状部(図示せず)によって、制限的に相対移動する、二つの組み立てられた歯車10と歯車11の斜視図である。
【0033】
図9は、力保存手段6aが荷重されているときの、二つの歯車10と11の相対的な位置を示している。この場合、第2の歯車11のフック形状部11は、第1の歯車10の第2の受け具18に接する。
【0034】
図10は、力保存手段6aが荷重除去されているときの、二つの歯車10と11の相対的な位置を示している。この場合、第2の歯車11のフック形状部の後部は、第1の歯車10の第1の受け具17に接する。
【0035】
図11は、力保存手段6の別実施例を示しており、ここでは流体圧力保存手段6bの形態である。この力保存手段6bは、二つの歯車10と11の図示された相対的位置で荷重されている。
【0036】
図12は、ここでは流体圧力保存手段6bの形態である二つの力保存手段6が荷重除去されているときの、二つの歯車10と11の相対的位置を示している。
【0037】
図13は、排出装置1の最も重要な部材を示しており、電動駆動ユニット5と、ワーム12の形態である伝達装置19の駆動部材と、第1の歯車10と、力保存手段6と、第2の歯車11と、伝達装置19の駆動出力部20と排出器3と、第2の歯車11に連結されたモニターギヤ13と、それに接続されたモニター装置8と、制御または調節装置7とを含んでいる。この図では、排出器3は、その第2の延伸位置にあり、可動家具部分2は、排出器3に接したままであり、よって力作用Kは、排出器3の延伸方向とは反対方向に作用する。駆動列4の力作用Aは、原則として、力作用Kが駆動列4の力作用Aに対して反対に作用することを概略的に示している。排出器3は、その第2の延伸位置にあり、力保存手段6は荷重されている。
【0038】
図14は、排出器3のその第2の位置への延伸後で、排出器3からの可動家具部分2の開方向への除去後の、排出装置1の最も重要な部材を示している。可動家具部分2の除去によって、排出器3と伝達部材20と11とによって、荷重された力保存手段6に対して作用する力作用Kは、消滅し、力保存手段6は、荷重除去されることができる。この結果、排出器3は、伝達部材11と20によって、その第3の位置にさらに延伸方向に移動され、伝達装置19内の動作は、モニターギヤ13によって、モニター装置8により検出される。この検出によって、制御または調節装置7が電動駆動ユニット5を起動させ、伝達装置19によって、排出器3をその第1の引き込み位置へと再び戻す。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図5A
図6
図6A
図7
図7A
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14