(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エネルギー消費推定値の計算が、エクササイズの種類についての代謝当量(MET:metabolic equivalent of task)表を利用して求められる、請求項1記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
様々な態様の以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本開示が実施され得る様々な態様を例として示す添付の図面を参照する。本開示の範囲および趣旨を逸脱することなく、他の態様が利用されてもよく、構造的、機能的改変が加えられてもよいことを理解すべきである。さらに、本開示内の見出しは、本開示を限定する局面とみなすべきではない。本開示の恩典を有する当業者は、例示的態様が見出しの例のみに限定されないことを理解するであろう。
【0013】
I.個人用トレーニングシステムの例
A.例示的コンピュータ処理機器
図1Aに、例示的態様による個人用トレーニングシステム100の例を示す。システム例100は、コンピュータ102のような一つまたは複数の電子機器を含み得る。コンピュータ102は、電話機、音楽プレーヤ、タブレット、ノートブック、任意の携帯用機器といった移動端末を含み得る。別の態様では、コンピュータ102は、セットトップボックス(STB)、デスクトップコンピュータ、(1台もしくは複数の)ディジタルビデオレコーダ(DVR)、(1台もしくは複数の)コンピュータサーバ、および/または他の任意の所望のコンピュータ処理機器を含み得る。ある構成では、コンピュータ102は、例えば、Microsoft(登録商標)XBOXのゲームコンソール、Sony(登録商標)PlayStationのゲームコンソール、および/またはNintendo(登録商標)Wiiのゲームコンソールといったゲームコンソールを含み得る。当業者は、これらが単に説明のためのコンソールの例にすぎず、本開示はいかなるコンソールにも機器にも限定されないことを理解するであろう。
【0014】
簡単に
図1Bを見ると、コンピュータ102はコンピュータ処理ユニット104を含んでいてよく、コンピュータ処理ユニット104は少なくとも一つのプロセッシングユニット106を含んでいてよい。プロセッシングユニット106は、例えば、マイクロプロセッサ装置といった、ソフトウェア命令を実行するための任意の種類のプロセッシングユニットとすることができる。コンピュータ102は、メモリ108といった、様々な非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。メモリ108は、それだけに限らないが、RAM110といったランダムアクセスメモリ(RAM)、および/またはROM112といった読取り専用メモリ(ROM)を含み得る。メモリ108は、電気的消去書込み可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、ディジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶、磁気記憶装置、または、所望の情報を記憶するのに使用することができ、コンピュータ102からアクセスすることのできる任意の他の媒体のうちのいずれかを含んでいてよい。
【0015】
プロセッシングユニット106およびシステムメモリ108は、バス114または代替の通信構造を介して一つもしくは複数の周辺機器に直接または間接的に接続され得る。例えば、プロセッシングユニット106またはシステムメモリ108は、ハードディスクドライブ116、取り外し可能磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ118、フラッシュメモリカードといった追加の記憶装置に、直接または間接的に接続されていてよい。またプロセッシングユニット106およびシステムメモリ108は、一つまたは複数の入力機器120および一つまたは複数の出力機器122にも直接または間接的に接続されていてよい。出力機器122には、例えば、ディスプレイ機器136、テレビ、プリンタ、ステレオ、スピーカなどが含まれ得る。いくつかの態様においては、一つまたは複数の表示機器がアイウェアに組み込まれてもよい。アイウェアに組み込まれた表示機器はユーザにフィードバックを提供し得る。また、一つまたは複数の表示機器が組み込まれたアイウェアが携帯用表示装置に備えられてもよい。入力機器120には、例えば、キーボード、タッチスクリーン、リモートコントロールパッド、ポインティングデバイス(マウス、タッチパッド、スタイラス、トラックボール、ジョイスティックなど)、スキャナ、カメラ、マイクロフォンなどが含まれ得る。この点に関して、入力機器120は、
図1Aに示すユーザ124などのユーザから運動動作を感知し、検出し、かつ/または測定するように構成された一つまたは複数のセンサを含んでいてよい。
【0016】
図1Aに戻って、撮像機器126および/またはセンサ128は、ユーザ124の運動動作を検出し、かつ/または測定するのに利用され得る。一態様では、撮像機器126またはセンサ128から得られるデータは、撮像機器126またはセンサ128から得られるデータが動作パラメータと直接相関するように、運動動作を直接検出し得る。例えば、
図4を参照すると、撮像機器126からの画像データはセンサ位置402gとセンサ位置402iとの距離が縮んだことを検出し、それにより、撮像機器126が単独でユーザ124の右腕が動いたことを検出するように構成される。さらに別の態様では、撮像機器126および/またはセンサ128からのデータは、動きを検出し、かつ/または測定するために、互いと共に、または他のセンサと組み合わせて利用され得る。よって、ある測定は2台以上の機器から得られたデータの組み合わせから判定され得る。撮像機器126および/またはセンサ128は、一つまたは複数のセンサを含み、または一つもしくは複数のセンサに動作可能に接続されていてよく、これらのセンサには、それだけに限らないが、加速度計、ジャイロスコープ、位置決定機器(GPSなど)、光センサ、温度センサ(周囲温度および/または体温を含む)、心拍数モニタ、撮像センサ、水分センサおよび/またはこれらの組み合わせが含まれる。例示的センサ126、128の使用例は、以下の「例示的センサ」という見出しのセクションI.のCに示す。またコンピュータ102は、グラフィカルユーザインターフェースからの選択を行うためにユーザがどこを指し示しているか判定するタッチスクリーンまたは撮像機器も使用し得る。一つまたは複数の態様において、一つまたは複数の有線技術および/または無線技術を単独で、または組み合わせて利用してよく、無線技術の例には、Bluetooth(登録商標)技術、Bluetooth(登録商標)低エネルギー技術、および/またはANT技術が含まれる。
【0017】
B.例示的ネットワーク
またさらに、コンピュータ102、コンピュータ処理ユニット104、および/または他の任意の電子機器は、ネットワーク132のようなネットワークと通信するために、(
図1Bに示す)インターフェース例130のような一つまたは複数のネットワークインターフェースに直接または間接的に接続され得る。
図1Bの例では、ネットワークインターフェース130は、伝送制御プロトコル(TCP:Transmission Control Protocol)、インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP:User Datagram Protocol)といった一つまたは複数の通信プロトコルに従って、コンピュータ処理ユニット104からのデータおよび制御信号をネットワークメッセージへ変換するように構成されたネットワークアダプタまたはネットワークインターフェースカード(NIC:network interface card)を含み得る。これらのプロトコルは当技術分野で周知であり、よってここではこれ以上詳細に論じない。インターフェース130は、例えば、無線送受信機、電力線アダプタ、モデム、イーサネット接続を含む、ネットワークに接続するための任意の適切な接続エージェントを用いてよい。しかし、ネットワーク132は、(一つまたは複数の)インターネット、(一つまたは複数の)イントラネット、(一つまたは複数の)クラウド、(一つまたは複数の)LANといった、単独または組み合わせとしての、任意の(一つもしくは複数の)種類または(一つもしくは複数の)トポロジーの任意の一つまたは複数の情報流通ネットワークとすることができる。ネットワーク132は、ケーブル、ファイバ、衛星、電話、セルラ、無線などのうちの任意の一つまたは複数とすることができる。ネットワークは当技術分野で周知であり、よってここではこれ以上詳細に論じない。ネットワーク132は、例えば、一つもしくは複数の場所(学校、企業、住宅、顧客住居、ネットワークリソースなど)を1台もしくは複数のリモートサーバ134へ、またはコンピュータ102と同様もしくは同一の他のコンピュータへ接続する一つまたは複数の有線または無線の通信チャネルを有するといったように、様々に構成されていてよい。実際には、システム100は、各構成要素の複数の実体(例えば複数のコンピュータ102、複数のディスプレイ136など)を含み得る。
【0018】
ネットワーク132内のコンピュータ102または他の電子機器が携帯用であるか、それとも固定された場所にあるかにかかわらず、上記で具体的に挙げた入力、出力および記憶の各周辺機器に加えて、コンピュータ処理機器は、直接、またはネットワーク132を介して、入力機能、出力機能、および記憶機能、またはこれらのある組み合わせを果たし得るものを含む様々な他の周辺機器にも接続されていてよい。ある態様では、1台の機器が
図1Aに示す一つまたは複数の構成要素を組み込んでいてよい。例えば、1台の機器が、コンピュータ102、撮像機器126、センサ128、ディスプレイ136、および/またはさらに別の構成要素を含んでいてもよい。一態様では、センサ機器138が、ディスプレイ136、撮像機器126、および一つまたは複数のセンサ128を有する移動端末を含み得る。さらに別の態様では、撮像機器126および/またはセンサ128は、例えばゲームシステムやメディアシステムなどを含むメディア機器に動作可能に接続されるように構成された周辺機器とすることができる。よって以上より、本開示は固定されたシステムおよび方法のみに限定されるものではないことがわかる。そうではなく、ある態様は、ユーザ124によってほとんどあらゆる場所で実行され得る。
【0019】
C.例示的センサ
コンピュータ102および/または他の機器は、ユーザ124の少なくとも一つのフィットネスパラメータを検出し、かつ/またはモニタするように構成された一つまたは複数のセンサ126、128を含み得る。センサ126および/またはセンサ128には、それだけに限らないが、加速度計、ジャイロスコープ、位置決定機器(GPSなど)、光センサ、温度センサ(周囲温度および/または体温を含む)、睡眠パターンセンサ、心拍数モニタ、撮像センサ、水分センサ、および/またはこれらの組み合わせが含まれ得る。ネットワーク132および/またはコンピュータ102は、例えば、ディスプレイ136、撮像機器126(1台または複数のビデオカメラなど)、赤外線(IR)機器などのセンサ128などを含む、システム100の1台または複数の電子機器と通信状態にあってよい。一態様では、センサ128はIR送受信機を含み得る。例えば、センサ126、および/またはセンサ128は、ユーザ124の方向へ送ることを含めて、環境へ波形を送信し、それらの放出された波形の「反射」を受信し、またはそれらの変化を別の形で検出してもよい。さらに別の態様では、撮像機器126および/またはセンサ128は、レーダ、ソナー、および/または可聴情報といった他の無線信号を送信し、かつ/または受信するように構成され得る。多数の異なるデータスペクトルに対応する信号が様々な態様に従って利用され得ることを当業者は容易に理解するであろう。この点に関して、センサ126および/またはセンサ128は、(例えばシステム100ではない)外部ソースから発せられた波形を検出してもよい。例えば、センサ126および/またはセンサ128は、ユーザ124および/または周囲環境から発せられている熱を検出してもよい。よって、撮像機器126および/またはセンサ128は、1台または複数の熱画像機器を含んでいてよい。一態様では、撮像機器126および/またはセンサ128は、レンジフェノメノロジ(range phenomenology)を行うように構成されたIR機器を含んでいてよい。非限定的な例として、レンジフェノメノロジを行うように構成された撮像機器は、米国オレゴン州ポートランド所在のFlir Systems, Inc.から市販されている。撮像機器126およびセンサ128およびディスプレイ136はコンピュータ102と直接(無線または有線で)通信するものとして図示されているが、いずれかがネットワーク132と直接(無線または有線で)通信してもよいことを当業者は理解するであろう。
【0020】
1.多目的電子機器
ユーザ124は、感覚機器138、140、142、および/または144を含む、任意の台数の電子機器を所持し、持ち運び、かつ/または装着し得る。ある態様では、一つまたは複数の機器138、140、142、および/または144は、フィットネス目的または運動目的で特に製造されなくてもよい。実際には、本開示の各局面は、そのうちのあるものがフィットネス機器ではない複数の機器からのデータを利用して運動データを収集し、検出し、かつ/または測定することに関するものである。一態様では、機器138は、米国カリフォルニア州クパチーノ所在のApple, Inc.から入手できるブランド機器であるiPod(登録商標)、iPad(登録商標)、またはiPhone(登録商標)、あるいは米国ワシントン州レドモンド所在のMicrosoftから入手できるZune(登録商標)またはMicrosoft(登録商標)Windows機器を含む電話やディジタル音楽プレーヤといった携帯用電子機器を含み得る。当技術分野で公知のように、ディジタルメディアプレーヤは、(例えばサウンドファイルからの音楽や画像ファイルからの写真を出力する)コンピュータ用の出力機器としても、記憶装置としても使用することができる。一態様では、機器138はコンピュータ102とすることができ、さらに別の態様では、コンピュータ102を機器138と完全に別個のものとすることができる。機器138がある出力を提供するように構成されているかどうかにかかわらず、機器138は、感覚情報を受け取るための入力機器として使用されてよい。機器138、140、142、および/または144には、それだけに限らないが、加速度計、ジャイロスコープ、位置決定機器(GPSなど)、光センサ、温度センサ(周囲温度および/または体温を含む)、心拍数モニタ、撮像センサ、水分センサ、および/またはこれらの組み合わせを含む一つまたは複数のセンサが含まれ得る。ある態様では、センサは、(特に)撮像機器126および/またはセンサ128によって検出され得る反射材料などのように、受動的なものとすることができる。ある態様では、センサ144は、運動服などの衣料品に組み込まれ得る。例えばユーザ124は一つまたは複数の身体上のセンサ144a〜144bを装着してよい。センサ144は、ユーザ124の衣服に組み込まれていてもよく、かつ/またはユーザ124の身体の任意の所望の位置に配置されていてもよい。センサ144は、コンピュータ102、センサ128、138、140、および142、ならびに/またはカメラ126と(無線などで)通信し得る。対話式ゲーム用衣料品の例が、2002年10月30日に出願され、米国特許出願公開第2004/0087366号として公開された、米国特許出願第10/286396号明細書に記載されており、これらの内容は参照によりあらゆる非限定的目的においてその全体が本明細書に組み入れられる。ある態様では、受動感知面が、撮像機器126および/またはセンサ128によって発せられる、赤外光などの波形を反射し得る。一態様では、ユーザ124の衣料品上に位置する受動センサは、波形を反射し得るガラスまたは他の透明もしくは半透明の表面でできたおおむね球状の構造体を含み得る。様々な種類の衣料品が利用されてよく、そこでは、所与の種類の衣料品が、正しく装着されたときにユーザ124の身体の特定の部分の近くに位置するように構成された特定のセンサを有する。例えば、衣料品上に第1の構成で位置決めされた一つまたは複数のセンサがゴルフウェアに含まれていてもよく、さらに衣料品上に第2の構成で位置決めされた一つまたは複数のセンサがサッカーウェアに含まれていてもよい。
【0021】
機器138〜機器144は、直接、またはネットワーク132などのネットワークを介して相互に通信し得る。機器138〜機器144のうちの1台または複数の間の通信は、コンピュータ102を介して行われてよい。例えば、機器138〜機器144のうちの2台以上が、コンピュータ102のバス114に動作可能に接続された周辺機器であってもよい。さらに別の態様では、機器138などの第1の機器は、コンピュータ102などの第1のコンピュータとも機器142などの別の機器とも通信し得、また一方、機器142は、コンピュータ102に接続するように構成されていないが機器138と通信してもよい。他の構成も可能であることを当業者は理解するであろう。
【0022】
例示的態様のいくつかの実施態様は、代替的にまたは追加的に、デスクトップやラップトップのパーソナルコンピュータといった、多種多様な機能を果たし得ることが意図されているコンピュータ処理機器を用いてもよい。これらのコンピュータ処理機器は、所望するとおりに周辺機器または追加構成要素の任意の組み合わせを備えていてよい。また、
図1Bに示す構成要素は、サーバ134、他のコンピュータ、装置などにも含まれ得る。
【0023】
2.例示的衣料品/付属センサ
ある態様では、感覚機器138、140、142および/または144は、腕時計、アームバンド、リストバンド、ネックレス、シャツ、シューズなどを含む、ユーザ124の衣服またはアクセサリ内に形成されるか、または別の方法でこれらと関連付けられ得る。シューズ搭載式機器および手首装着式機器の例(それぞれ機器140と機器142)については次に説明するが、これらは単なる例示的態様にすぎず、本開示はこれらのみに限定されるべきではない。
【0024】
i.シューズ搭載式機器
ある態様では、感覚機器140は、それだけに限らないが、加速度計、GPSなどの位置感知構成要素、および/または力覚センサシステムを含む一つまたは複数のセンサを含み得るフットウェアを含んでいてよい。
図2Aに、センサシステム202の一つの例示的態様を示す。ある態様では、システム202はセンサアセンブリ204を含み得る。アセンブリ204は、例えば、加速度計、位置決定構成要素、および/または力覚センサなどの一つまたは複数のセンサを含み得る。図示の態様では、アセンブリ204は複数のセンサを組み込んでおり、その中には、感圧抵抗(FSR:force-sensitive resistor)センサ206が含まれ得る。さらに別の態様では、他の(一つまたは複数の)センサが利用され得る。ポート208は、シューズの靴底構造209内に位置決めされていてよい。ポート208は、任意で、電子モジュール210(ハウジング211内にあってよい)およびFSRセンサ206をポート208に接続する複数のリード212と通信するように設けられていてよい。モジュール210は、シューズの靴底構造内のくぼみまたは空洞内に含まれていてよい。ポート208およびモジュール210は、接続および通信のための補足的インターフェース214、216を含む。
【0025】
ある態様では、
図2Aに示す少なくとも一つの感圧抵抗器206は、第1および第2の電極または電気接点218、220と、電極218、220を相互に電気的に接続するために電極218、220間に配置された感圧抵抗材料222を含み得る。感圧材料222に圧力が加えられると、感圧材料222の抵抗率および/または導電率が変化し、それが電極218、220間の電位を変化させる。抵抗の変化は、センサ216に加えられた力を検出するセンサシステム202によって検出することができる。感圧抵抗材料222は、圧力下でその抵抗を様々に変化させ得る。例えば、感圧材料222は、以下でさらに詳細に説明する量子トンネリング複合体(quantum tunneling composite)と同様に、この材料が圧縮されると減少する内部抵抗を有し得る。この材料をさらに圧縮すると抵抗がさらに減少し、定量的測定、ならびに2値(オン/オフ)測定が可能になり得る。状況によっては、この種の感圧抵抗挙動を「体積ベースの抵抗」として記述してもよく、この挙動を呈する材料を「スマート材料」と呼んでもよい。別の例として、材料222は、表面間接触の度合いを変化させることによって抵抗を変化させてもよい。これは、例えば、非圧縮条件で表面抵抗を上昇させる表面上のマイクロプロジェクション(microprojection)(マイクロプロジェクションが圧縮されるときに表面抵抗が減少する)を使用することによって、あるいは、別の電極との表面間接触の増加を生じさせるように変形させることができる柔軟な電極を使用することによってなど、いくつかのやり方で実現することができる。この表面抵抗は、材料222と電極218、220、222との間の抵抗、および/または多層材料222の導電層(炭素/黒鉛など)と感圧層(半導体など)との間の表面抵抗とすることができる。圧縮が大きいほど表面間接触も大きくなり、抵抗がより低くなり、定量的測定が可能になる。状況によっては、この種の感圧抵抗挙動を「接触ベースの抵抗」として記述してもよい。感圧抵抗材料222は、本明細書で定義する場合、ドープまたは非ドープ半導体材料とすることができ、またはこれを含み得る。
【0026】
FSRセンサ216の電極218、220は、金属、炭素/黒鉛の繊維もしくは複合材料、他の導電性複合材料、導電性ポリマーもしくは導電材料を含むポリマー、導電性セラミック、ドープ半導体、または他の任意の導電材料を含む任意の導電材料で形成することができる。リード212は、溶接、はんだ付け、ろう付け、接着接合、ファスナ、または他の任意の一体型もしくは非一体型の接合法によって電極218、220に接続させることができる。あるいは、電極218、220およびこれらと関連付けられる(一つまたは複数の)リード212は、同じ材料の単一部分で形成されていてもよい。
【0027】
ii.手首装着式機器
図2Bに示すように、機器226(
図1Aに示す感覚機器142に類似したもの、または感覚機器142とすることができる)は、ユーザ124が、手首、腕、足首などの周りなどに装着するように構成されていてよい。機器226は、ユーザ124の終日の活動を含む、ユーザの運動動作をモニタし得る。これに関して、機器アセンブリ226は、ユーザ124とコンピュータ102との対話の間に運動動作を検出し、かつ/またはコンピュータ102から独立して動作し得る。例えば一態様では、機器226は、ユーザがコンピュータ102と近接しているかや対話しているかに関わりなく活動を測定する終日活動モニタとすることもできる。機器226は、ネットワーク132ならびに/または、機器138および/もしくは機器140といった他の機器と直接通信してよい。他の態様では、機器226から得られた運動データは、どのエクササイズプログラムがユーザ124に提示されるかに関連した判定といった、コンピュータ102によって行われる判定に利用され得る。また一態様では、機器226は、ユーザ124に付随する機器138などのモバイル機器、またはフィットネスや健康関連の内容を目的としたサイトといったリモートウェブサイトと無線で対話してもよい。ある所定の時点で、ユーザは、機器226から別の場所へデータを転送しようとしてよい。
【0028】
図2Bに示すように、機器226は、機器226の動作を支援する押し下げ入力ボタン228などの入力機構を含み得る。入力ボタン228は、コントローラ230および/または、
図1Bに示すコンピュータ102に関連して論じた(一つまたは複数の)要素の一つまたは複数といった他の任意の電子構成要素に動作可能に接続された押し下げ可能な入力部とすることができる。コントローラ230は埋め込まれていてもよく、別の形でハウジング232の一部となっていてもよい。ハウジング232は、エラストマー成分を含む一つまたは複数の材料で形成され、ディスプレイ234などの一つまたは複数のディスプレイを含んでいてよい。ディスプレイは機器226の照明可能な部分とみなされ得る。ディスプレイ234は、例示的態様では、LED灯234のような、一連の個別の照明要素または光部材を含み得る。LED灯はアレイとして形成され、コントローラ230に動作可能に接続されていてよい。機器226はインジケータシステム236を含んでいてよく、インジケータシステム236はディスプレイ234全体の一部分または構成部品ともみなされ得る。インジケータシステム236は、ディスプレイ234(画素部材235を有し得る)と連動して動作して照明することもでき、ディスプレイ234とは完全に別個に動作して照明することもできることが理解される。またインジケータシステム236は、複数のさらに別の照明要素または光部材238も含んでいてよく、これらの照明要素も例示的態様ではLED灯の形をとり得る。ある態様では、インジケータシステムは、例えば、一つまたは複数の目標へ向けた達成を表すために照明部材238の一部分を照明することによる、目標の視覚表示を提供し得る。
【0029】
留め機構240は外すことができ、これにより機器226をユーザ124の手首の周りに位置決めすることができ、続いて留め機構240をラッチ位置に置くことができる。ユーザは望めばいつでも機器226を装着することができる。一態様では、留め機構240は、コンピュータ102および/もしくは機器138、140との操作的対話のための、USBポートを含むがそれだけに限らないインターフェースを含み得る。
【0030】
ある態様では、機器226は(
図2Bには示していない)センサアセンブリを含み得る。センサアセンブリは複数の異なるセンサを含んでいてよい。例示的態様では、センサアセンブリは、加速度計(多軸加速度計の形のものを含む)、心拍数センサ、位置決定センサ(GPSセンサなど)、ならびに/または他のセンサを含んでいてよく、あるいは操作のためのこれらへの接続を可能とし得る。機器142の(一つまたは複数の)センサから検出される動きまたはパラメータには、それだけに限らないが、速度、距離、進んだ歩数、およびカロリー、心拍数、汗検出、労力、酸素消費、および/または酸素反応速度といったエネルギー消費を含む多種多様なパラメータ、メトリックまたは生理特性が含まれていてよい(またはそれらを形成するのに使用されてよい)。またそのようなパラメータは、ユーザの活動に基づく活動ポイントまたはユーザが獲得した通貨として表されてもよい。
【0031】
I.例示的な運動モニタリング方法
システム100はユーザに、一つもしくは複数のエクササイズを行うよう促し、エクササイズを行っている間のユーザ動作をモニタし、ユーザの動作に基づいてユーザにエネルギー消費推定値を提供し得る。システム100は、ユーザのフォームを分析してユーザがエクササイズをより困難にしているか、それともより容易にしているか判定し、エネルギー消費推定値をそれに応じて調整し得る。エネルギー消費推定値は、ユーザが燃焼したカロリーの推定値とすることができ、またはこれを含んでいてよい。ある態様では、エネルギー消費判定は、ポイントシステムに基づくものとすることができ、かつ/またはポイントシステムとして伝えられ得る。一態様では、カロリーがポイントシステムに変換され、他の態様では、測定値が一つもしくは複数のポイントシステムにおいて直接獲得され得る。一実施態様では、活動ポイントは、ある活動のフォーム、身体動作、および/または完了に基づくものとすることができる。別の態様では、エネルギー消費計算は、ユーザの労力、消費された酸素、および/または酸素動態に関連した判定を含み得る。一態様では、コンピュータ102、カメラ126、センサ128、およびディスプレイ136は、ユーザの住居の範囲内で実施され得るが、体育館および/または企業を含む他の場所も企図されている。さらに、前述のように、コンピュータ102は、携帯電話などの携帯用機器とすることができ、したがって、本明細書で論じる一つもしくは複数の局面は、ほとんどどんな場所でも実行され得る。この点において、本開示の例示的態様は、システム100の例示的構成要素のうちの一つもしくは複数を用いて実施されているというコンテキストで論じている。コンピュータ102などの特定の構成要素に(1回もしくは複数回)言及する場合、それは限定のためではなく、多くの可能な実施態様のうちの一つの説明例を示すためのものであることを、当業者は理解するであろう。よって、ある特定の構成要素が言及され得るが、明示的に否認されない限り、または物理的に不可能でない限り、システム100の他の構成要素も利用され得るものと想定すべきである。さらに、本明細書で開示する局面は例示的システム100だけに限定されるものではない。
【0032】
A.ユーザの動きのモニタリング
エクササイズが行われている間、システム100は一つまたは複数の技術を使用してユーザの動きをモニタし得る。
図3に、例示的態様による、推定の一部としてエクササイズを行っている間の、ユーザのフォームの原因となるユーザのエネルギー消費推定値を算出するための方法の流れ図の例を示す。方法は、例えば、コンピュータ102、機器138、140、および/もしくは142、同様に他の装置によって実施されてよい。
図3に示す各ブロックは並べ替えられてよく、あるブロックが削除されてもよく、追加のブロックが加えられてもよく、各ブロックが1回または複数回繰り返されてもよく、流れ図が1回または複数回繰り返されてもよい。流れ図はブロック302から開始し得る。
【0033】
1.ユーザ評価を行う
ブロック302において、方法は、ユーザの初期評価を行うことを含み得る。ユーザ124などのユーザは撮像機器126および/またはセンサ128の前といったセンサの範囲内に位置決めされてよく、センサは赤外線送受信機を含み得る。ディスプレイ136は、「鏡像」とすることのできるユーザ124の表現を提示し、またはユーザの動きと一致して動くユーザアバタなどの仮想アバタを描写し得る。コンピュータ102は、ユーザに、ユーザがフレームおよび/または範囲内に入るように、撮像機器126に対して、かつ/または赤外線送受信機128に対してある一定の領域内へ移動するよう促し得る。正しく位置決めされると、システム100はユーザの動きを処理する。「初期」という語が使用されているが、この評価は、ユーザがシステム100を開始する度に、特定の動作を行う度に、時間の経過時に、あるいは他の任意の理由で、行われてよい。よって、本明細書でいう評価は1回の評価のみに限定されるものではない。
【0034】
a.感覚位置を特定する
システム100は、感覚データを処理してユーザの動きのデータを特定し得る。一態様では、ユーザの身体上の感覚位置が特定され得る。
図4を参照すると、感覚位置402a〜402oはユーザ124の身体上の関心対象の位置(例えば、足首、肘、肩など)に対応する。例えば、カメラ126などからの記録されたビデオ映像中の画像が、感覚位置402a〜402oの特定に際して使用されてもよい。例えば、ユーザはカメラ126からある距離のところに立っており、その距離は既定であっても既定でなくてもよく、システム100は、例えば、視差マッピング法などを使用して、画像を処理してビデオ映像内のユーザ124を特定してもよい。一例では、撮像機器126は、互いに空間的にオフセットされ、ユーザの2つ以上の画像を同時に取得する2つ以上のレンズを有するステレオカメラとすることができる。システム100は、同じ瞬間に撮られた2つ以上の画像を、座標系(デカルト座標など)を使用してビデオ映像内の各画像(または画像のうちの少なくともいくつか)におけるユーザの身体のある特定の部分の位置を決定するための視差マップを生成するように処理し得る。視差マップは、各オフセットレンズによって取得された画像間の差を表示し得る。
【0035】
第2の例では、一つまたは複数のセンサが、感覚位置402a〜402oでユーザ124の身体上またはその近くに位置していてもよく、ユーザ124が、様々な位置に配置されたセンサを有するスーツを装着してもよい。さらに別の態様では、センサ位置が、機器138、140、および/または142といった他の感覚機器から決定され得る。この点に関して、センサはユーザの衣服上に位置する物理センサとすることもでき、さらに別の態様では、センサ位置402a〜402oは、2つの動く身体部分間の関係の特定に基づくものとすることができる。例えば、センサ位置402aは、ユーザ124の動きを特定することによって決定されてもよい。この点に関しては、ユーザの身体の全体の形またはその一部が、ある身体部分の特定を可能にし得る。カメラ126などのカメラが利用されるかどうか、ならびに/または機器138、140、142内のセンサなどのユーザ124上に位置する物理センサが利用されるかどうかにかかわらず、各センサは身体部分の現在の位置を感知し、かつ/または身体部分の動きを追跡し得る。
【0036】
ある態様では、収集されたデータにタイムスタンプが付加され、身体部分がある位置にあった特定の時刻を示される(例えば
図3のブロック302の一部で収集されるなど)。センサデータは、無線または有線伝送によってコンピュータ102(または他の機器)で受け取られ得る。コンピュータ102などのコンピュータおよび/または機器138、140、142は、ビデオ映像内の画像の各々(またはその少なくとも一部)内で座標系(デカルト座標など)を使用して身体部分の位置を決定するようにタイムスタンプを処理し得る。カメラ126から受け取られたデータは、訂正され、変更され、かつ/または一つまたは複数の他の機器138、140、および142から受け取られたデータと組み合わされてよい。
【0037】
第3の例では、システム100は、ユーザの動きおよびユーザ124の身体部分の位置を検出するために赤外線パターン認識を使用し得る。例えば、センサ128は、赤外線信号を使用してユーザ124の身体を照射する赤外線信号を発し得る、カメラ126または別の機器の一部とすることのできる赤外線送受信機を含んでいてもよい。赤外線送受信機128はユーザ124の身体からの赤外線信号の反射を取得し得る。反射に基づき、システム100は個々の瞬間の座標系(デカルト座標など)を使用してユーザの身体のある部分の位置を特定し得る。どの身体部分がどのようにして特定されるかは、ユーザが行うよう要求されるエクササイズの一つまたは複数の種類に基づいて事前に決定されてよい。
【0038】
ワークアウトルーチンの一部として、システム100は、
図3のブロック302の初期ユーザ評価の一部としてユーザ124の初期姿勢評価を行ってもよい。
図5を参照すると、システム100は、ユーザの肩、上背部、腰部、臀部、膝、および足首のうちの一つまたは複数の位置を決定するために、ユーザ124の正面画像および側面画像を分析し得る。また身体上のセンサおよび/または赤外線技術も、姿勢評価において様々な身体部分の位置を決定するのに、単独で、またはカメラ126と併せて使用され得る。例えばシステム100は、例えば、足首、膝、臀部、上背部、腰部、肩といったユーザの身体上の様々な点の位置を決定するために評価線124a〜124gおよび/または評価領域502〜512を決定してもよい。
【0039】
b.感覚領域を特定する
別の態様では、システム100は感覚領域を特定し得る(ブロック302などを参照)。一態様では、評価線124a〜124gがユーザの身体を各領域へ分割するのに利用され得る。例えば、線124b〜124fは横軸とすることができる。例えば「肩」領域502はユーザの肩(線124b参照)の周りに下限を有する身体部分に相関していてよく、領域504は肩(線124b)と臀部までの距離の約半分(線124c参照)との間の身体部分に相関し、よって「上背部」領域とすることができ、領域506は、「腰部領域」を含むように線124cから臀部(線124d参照)までの領域にわたっていてよい。同様に領域508は、「臀部」(線124d)と「膝」(線124e参照)との間の領域にわたっていてよく、領域510は、線124eと線124fとの間にわたっていてよく、領域512(「足首」参照)は線124fの辺りに上限を有していてよい。領域502〜512は、例えば、軸124aおよび軸124gを使用することによって象限へ分割するなど、さらに分割されてよい。一つもしくは複数の感覚領域の特定に役立つように、システム100はユーザに、一つもしくは複数の特定の動作を行うよう促してよい。例えばシステム100は、システム100(赤外線送受信機128から受け取られる情報を処理するコンピュータアルゴリズムなど)がどの身体部分または領域が座標系内の特定の位置にあるか判定するのに役立つように、ユーザに、特定の身体部分または領域を動かす(例えば、特定のパターンで右腕を振る、左腕を振るなど)よう促してもよい。
【0040】
c.位置または領域を分類する
ある態様において、相互に近接していない身体部分または領域が、それにもかかわらず同じ動作カテゴリに分類される場合もある(ブロック302c参照)。例えば、
図5に示すように、「上背部」領域504、「臀部」領域508、および「足首」領域512は、「可動性」カテゴリに属するものとして分類され得る。別の態様では、「腰部」領域506および「膝」領域510が、「安定性」カテゴリに属するものとして分類され得る。これらの分類は単なる例にすぎず、別の態様では、位置または領域が複数のカテゴリに属していてもよい。例えば、「重心」領域が、領域504および領域506から形成されていてもよい。一態様では、「重心」は、領域504および領域506の部分を含み得る。別の態様では、「モーメントの中心」カテゴリが、独立に、あるいは、少なくとも別の一つのカテゴリの一部分を含むものとして設けられ得る。一態様では、一つの位置が、例えば、「安定性」カテゴリで10%重み付けされ、「可動性」カテゴリで90%重み付けされるなど、2つ以上のカテゴリで重み付けされ得る。
【0041】
またシステム100は、ユーザをその周囲環境と差別化するために、ユーザの衣服の色または他の識別特徴を決定するように画像を処理してもよい。処理の後、システム100はユーザの身体上の複数の点の位置を特定し、
図4の位置402などのそれらの点の位置を追跡し得る。またシステム100は、ユーザに、例えば年齢、体重などといった、姿勢評価を補足するための質問に答えるよう促してもよい。ここでもブロック302は任意であり、様々な態様において必須ではない。
【0042】
2.フォームの提供
図3に戻って、ブロック304で、様々な態様は、エクササイズの正しいフォームを実演すること、およびユーザにエクササイズを行うよう促すことを含み得る。例えば、最初の姿勢評価の後で、またはこれに加えて、システム100は(例えばコンピュータ102を用いて)、ユーザに正しいフォームについて指示するために、ディスプレイ136にエクササイズを実演している仮想トレーナを提示させてもよく、かつ/または、エクササイズの正しいフォームを実演している実際の人の描写および/または実際のビデオ映像を提示してもよい。システム100は次いでユーザに、エクササイズの実技を開始するよう促してよい。
【0043】
図3を参照すると、ブロック306で、様々な態様は、エクササイズを行っているユーザのフォームをモニタすることを含み得る。
図6に示すように、システム100は、例えばコンピュータ102によって、ディスプレイ136にユーザの仮想アバタ602を提示させてよい。仮想アバタ602はユーザ124と同期して動いてよい。またディスプレイ136は、アバタ602ではなく、実際のユーザのビデオ映像を提示してもよい。システム100は、感覚位置402の少なくともいくつかを決定するようにビデオ映像内の一つもしくは複数のフレームを処理してもよく、ユーザが身体に装着したセンサからデータを受け取ってもよい。
図6に示すように、感覚位置402は、仮想アバタ上に表示され得る。
【0044】
多くのエクササイズルーチンの間、正しいフォームでは、ユーザはエクササイズの1反復の間に次々に複数の姿勢をとり得る。本明細書で開示するある局面は、一つもしくは複数の測定姿勢および/または一つもしくは複数の感覚位置402の望ましい位置を定義することに関するものである。例えば、ある測定姿勢は、反復の間の様々な身体部分間の特定の関係を指し得る。例えば測定姿勢は、ユーザの身体部分の望ましい位置(ユーザの左ひじの望ましい位置など)を表示してもよく、複数の身体部分間の望ましい関係(ユーザの胴体と大腿との角度など)を表示してもよい。ある動作または一連の動作(エクササイズルーチンなど)について、システム100は、一つもしくは複数の測定姿勢および/または測定姿勢の感覚位置402の一つもしくは複数についての望ましい位置を定義し得る。様々な実施態様において、エクササイズの各反復を、一つもしくは複数の測定姿勢に分解することができる。
【0045】
システム100は、例えばコンピュータ102によって、ユーザの身体がいつ測定姿勢に達したか判定するように、エクササイズを行っているユーザのビデオ映像またはセンサデータを処理し得る。測定姿勢ごとに、システム100は、エクササイズを行っている間のユーザのフォームをモニタするために、測定された感覚位置を望ましい感覚位置と比較し得る。例えば、
図6のフレーム1は第1の測定姿勢に対応し、フレーム2は第2の測定姿勢に対応し得る。システム100は、各測定姿勢における感覚位置402cと感覚位置402dとの距離を測定し得る。感覚位置間の他の関係(ある特定の角度、ある特定の位置など)が指定されてもよい。
【0046】
図3に戻って、ブロック308で、様々な態様は、ユーザのエネルギー消費推定値を計算することを含み得る。計算は、エクササイズの種類および/またはユーザのフォームに基づくものとすることができる。エネルギー消費推定値は、例えば、ユーザが燃焼したカロリーの推定値とすることができ、またはこれを含んでいてよい。ある態様では、エネルギー消費計算は、ユーザの労力、消費された酸素、および/または酸素動態に関連した判定を含む。ワークアウトセッションの間に、またはその完了時に、システム100はユーザに消費されたエネルギーを知らせてよい。一態様では、システム100は、ユーザが燃焼したカロリー量の表示を提供し得る。より正確な燃焼カロリー推定値を提供するために、システム100は、行われたエクササイズの種類と共に、エクササイズを行っている間のユーザのフォームも根拠とし得る。別の態様は、ユーザが燃焼したカロリー数をより正確に特定するためにユーザ属性を利用し得る。ユーザ属性の例は、身長、体重、年齢などとすることができる。一つもしくは複数のセンサがユーザ属性を判定してもよく、ユーザがインターフェースを介してコンピュータ102などのコンピュータにユーザ属性を入力してもよい。
【0047】
システム100は、一つもしくは複数の既知の値と組み合わせてエクササイズの各測定姿勢で検出された各感覚位置402からの情報を使用して、燃焼カロリーのより正確な判定を得てよい。一態様では、既知の値は、MET(Metabolic Equivalent of Task:代謝当量)表を含んでいてよく、またはその一部とすることができる。MET表は、例えば、特定のエクササイズ(スクワット、ランジなど)について定義され、ユーザがワークアウトの間に何カロリー燃焼したか求めるのに使用され得る。システム100は、異なるエクササイズ(スクワット、ランジ、縄跳び、プッシュアップ、ランニングなど)に対応する複数のMET表を記憶するか、またはこれらのMET表にアクセスし得る。システム100は、ビデオ映像および/またはセンサからのデータを処理して、ユーザが行ったエクササイズの反復回数またはエクササイズの持続期間を求め、反復回数および/または持続期間情報と、MET表から獲得され得るような一つもしくは複数の既知の値とに基づいてユーザが燃焼したカロリー数を推定し得る。
【0048】
しかしMET表は統計的平均値であり、さほど正確ではない。よって、MET表に依拠した従来のカロリー測定システムは、ユーザに、ユーザがワークアウトの間に何カロリー燃焼したかのおおまかな推定値を提供するにすぎない。本開示の態様はMET表からの一つもしくは複数の値を利用し得るが、本開示の局面は、従来の測定システムの欠陥によって制限されるものではない。例えば一態様では、ユーザのフォームが根拠とされ得る。システム100は、検出された感覚位置情報に基づいて燃焼カロリー推定値に倍率を適用し得る。倍率は、ユーザがどれほど適切にエクササイズを行ったかを反映してよく、ある態様では、ユーザの属性を考慮し得る。例えば倍率は、感覚位置情報、ユーザがエクササイズを行った持続期間、ユーザが報告した情報(年齢、体重など)、心拍数モニタが測定したユーザの心拍数、圧力測定値、および/または他のデータのうちの一つもしくは複数の関数とすることができる。圧力測定値は、例えば、動作中にユーザがどれほどの力を出すか測定するために、シューズ内に位置決めされた圧力センサ140から得られてよい。例えば、ユーザが両手にウエイトを保持していて、圧力センサ140がシューズでの圧力をモニタしてもよい。また圧力センサ140は、ユーザがどれほど素早く方向を変えるか(例えばユーザがどれほど激しいカットを行ったか)や、ジャンプしたときにどれほどの力を出したかも表示し得る。
【0049】
倍率を決定するために、システム100は、1反復のエクササイズの間の一つもしくは複数の測定姿勢における一つもしくは複数の身体部分間の関係をモニタし得る。これらの関係を変更すると、エクササイズがより行いやすくなる、または行いにくくなり得る。倍率は、ユーザがエクササイズの完了をより困難にしているか、それともより容易にしているか示す要因を考慮し、燃焼カロリー推定値をそれに応じて調整し得る。例えばスクワットでは、ユーザの胴体と大腿との第1の角度と、スクワットを行っている間のユーザの大腿と脛との第2の角度について、関係が定義され得る。システム100は、望ましい第1の角度および第2の角度と比較するために、感覚位置情報を処理してある期間にわたるユーザの第1の角度および第2の角度を測定し得る。
【0050】
一例では、
図7A〜
図7Bを参照すると、スクワットを行っているユーザの仮想アバタ702が表示される。仮想アバタ702は、棒線画として描写されており、エクササイズの正しい技法が陰影領域704として示されている。(例えば
図7Aに示されている)スクワットの最も低い部分では、望ましいフォームは、ユーザの大腿と脛との関係、ユーザの背中と腕との関係、および/またはユーザの他の任意の2つの部分もしくは位置間の関係を指定し得る。一態様では、望ましいフォームは、ある位置または部分の間の第1の所定の角度を指定し得る。例えば、ユーザの上腿と下腿、および/またはユーザの背中と腕との第2の所定の角度である。システム100は、感覚位置情報を処理してユーザのフォームを望ましいフォームと比較し得る。例えばシステム100は、感覚位置情報を処理して、スクワットを行っているときのユーザの大腿と脛との角度、およびユーザの背中と腕との角度を求めてもよい。
【0051】
システム100は、倍率を調整するために様々な身体部分間の関係についての閾値を定義し得る。閾値は、ユーザのフォームが望ましいフォームとある一定の量だけ異なることを許容し得る。好ましい閾値では、システム100は、ユーザが、倍率の調整を全く必要としない良いフォームをしていると判定し得る(例えば、ユーザの上腿と下腿の角度と望ましい角度との差が5%未満であるなど)。許容できる閾値では、システム100は、通常、ユーザによる労力の増加または低減を反映するように、倍率を上方または下方へわずかに調整し得る(例えば、ユーザの上腿と下腿の角度と望ましい角度との差が5%〜15%であるなど)。許容できない閾値では、システム100は、ユーザのフォームがエクササイズを行うための労力の量を低減させていると判定し、倍率を下方へ調整し得る(ユーザの上腿と下腿との角度と望ましい角度との差が15%超であるなど)。
【0052】
またシステム100は、エクササイズを行っているときにユーザが行う省略または追加に基づいて倍率を調整してもよい。例えば、ユーザが、腕と脚両方の動作を必要とするエクササイズで腕の動作を行っていないこともある。また、ユーザがエクササイズに指定されているもの以外の追加の動作を行っている場合には、システム100はカロリー推定値を増加させるように倍率を調整してもよい。
【0053】
倍率を決定すると、システム100は、燃焼カロリーの量を、(一つもしくは複数の)倍率とカロリー推定値との関数として求めることができる。関数は、カロリー推定値と倍率との乗算とすることができ、他の関係によるものとすることもできる。例えば、倍率は、乗算、加算、および減算の一つもしくは複数により燃焼カロリーを調整するための数式内のいくつかの変数に対する調整とすることができる。別の態様では、システム100は、ユーザが閾値からはずれている場合に、カロリー消費に関連した判定を中止し得る。例えばユーザは、ワークアウトルーチンの間に中断され、判定を「一時停止する」ことを忘れる、またはあまりに注意を逸らされて判定を「一時停止する」ことができないことがあり、よってある態様は、ユーザがエクササイズを行っていないことを検出し次第、カロリー消費の判定を中止し得る。別の態様は、一つもしくは複数の変動閾値を超える場合に、例えば、ユーザが身体の領域または部分を伸ばし過ぎている場合、またはその伸ばし方が足りない場合などに、カロリー消費の判定を中止するかあるいは変更し得る。ある態様では、ユーザの動作がけがを引き起こしやすい場合に、カロリー消費に関連した測定および/または判定が停止され得る。一実施態様では、システム100は、ユーザの欠陥または誤った動作を修正するよう求める合図および/または指示を与え得る。
【0054】
以下に、ワークアウトの間にユーザが燃焼したカロリーの量を計算する式の例を示す。
式(1):燃焼カロリー=BMR
*(活動モディファイア)
*(完全性モディファイア)
式(1)において、BMRは基礎代謝率(Basal Metabolic Rate)の頭字語である。システム100は、Mifflin-St. Jeor方程式、BMR=(10
*w)+(6.25
*h)-(5.0
*a)+(男性は5、女性は-161)を使用してBMRを計算してよく、式中、「
*」は乗算記号であり、「w」=体重(キログラム)、「h」=身長(センチメートル)、「a」=年齢(歳)である。またシステム100は、Mifflin-St. Jeor方程式の代わりに、またはこれに加えて、Harris-Benedict方程式も使用してよい。
【0055】
活動モディファイアは、ユーザによって行われているエクササイズの種類に対応する調整とすることができる。活動モディファイアは、より激しいエクササイズではより大きく、あまり激しくないエクササイズではより小さくすることができる。システム100は活動モディファイアを含むファイルを記憶していてよく、各活動モディファイアは特定のエクササイズの種類についての値を有していてよい。2つ以上のエクササイズが同じ値の活動モディファイアを有していてもよく、あるエクササイズが活動モディファイアに一意の値を有していてもよい。活動モディファイアはデフォルト値を有し得る。一例示的態様では、デフォルト値を0.1とすることができる。第2の態様では、デフォルト値を1.0とすることができる。デフォルト値は0.0を含む任意の値とすることができる。システム100はデフォルト値を、ユーザによって現在行われているエクササイズの活動モディファイアに対応するように更新し得る。ワークアウトの持続期間にわたって、システム100は、式(1)を使用し、ユーザが行うよう促される異なるエクササイズに対応する活動モディファイアのうちの異なるものを使用して燃焼カロリーを計算してよい。一つもしくは複数の要因が活動モディファイアおよび/またはモディファイアの調整に寄与し得る。例には、それだけに限らないが、ペース、エクササイズの種類、持続期間、およびこれらの組み合わせが含まれる。さらに、活動モディファイアおよび/または活動モディファイアの変動が、所定の値(ユーザが行うよう促されるエクササイズまたは動作に割り当てられた値など)、ユーザの実技、特定のエクササイズに関するMET表からの情報、およびこれらの組み合わせから決定されてもよい。
【0056】
完全性モディファイアは、エクササイズを行っているときにユーザのフォームが望ましいフォームにどれほど合致するかに基づいてBMRを調整するのに使用され得る。一例では、完全性モディファイアは、エクササイズを行っているときに、各反復ごとに完全動作の何パーセントが達成されたか(例えば、望ましい角度と対比した、エクササイズの特定の反復についてのユーザの胴体と大腿との測定された角度のパーセンテージを求めるなど)を表示してもよく、所定の反復回数(例えば、最後3回のエクササイズ、最後5回のエクササイズ、全エクササイズなど)での完全動作のパーセンテージの平均値としてもよい。完全性モディファイアはデフォルト値を有し得る。一例示的態様では、デフォルト値を0.1とすることができる。第2の態様では、デフォルト値を1.0とすることができる。デフォルト値は0.0を含む任意の値とすることができる。システム100は、ユーザのフォームが望ましいフォームにどれほど一致するかに基づき、経時的に完全性モディファイアを更新し得る。一つもしくは複数の要因が活動モディファイアおよび/またはモディファイアの調整に寄与し得る。例には、それだけに限らないが、ペース、エクササイズの種類、持続期間、およびこれらの組み合わせが含まれる。さらに、活動モディファイアおよび/または活動モディファイアの変動が、所定の値(ユーザが行うよう促されるエクササイズまたは動作に割り当てられた値など)、ユーザの実技、およびこれらの組み合わせから決定されてもよい。
【0057】
以下に示す式(2)は別の態様で利用され得る。
式(2):燃焼カロリー=BMR
*(活動モディファイア)
*(完全性モディファイア)
*(乗算モディファイア)+(加算モディファイア)
式(2)のBMR、活動モディファイア、および/または完全性モディファイアの値は、式(1)を参照して前述した一つもしくは複数の態様に従って決定され得る。一態様では、乗算モディファイアの値は、エクササイズの種類ごとに定義され得る。一例示的態様では、デフォルト値を0.1とすることができる。第2の態様では、デフォルト値を1.0とすることができる。デフォルト値は0.0を含む任意の値とすることができる。システム100は、ワークアウトの間にユーザが行うよう促されるエクササイズの種類に対応するように、乗算モディファイアを更新し得る。ある態様では、活動モディファイアは、(一部が、または全部が)経験的データから獲得され得る。
【0058】
ある態様では、加算モディファイアの値は、エクササイズの種類ごとに定義され得る。一例示的態様では、デフォルト値を0.1とすることができる。第2の態様では、デフォルト値を1.0とすることができる。デフォルト値は0.0を含む任意の値とすることができる。システム100は、ワークアウトの間にユーザが行うよう促されるエクササイズの種類に対応するように、加算モディファイアを更新し得る。ある態様では、活動モディファイアは、(一部が、または全部が)経験的データから獲得され得る。
【0059】
システム100は、ワークアウトの持続期間にわたる燃焼カロリーを計算してよく、この計算は式(1)または式(2)の利用を組み込み得る。システム100はディスプレイ136に、燃焼カロリーの現在までの合計を表示させてよい。ある態様では、合計は、各エクササイズの一つもしくは複数の完了した反復および一つもしくは複数の完了したセットについて求められ得る。またシステム100は、行われたエクササイズの種類ごとに燃焼カロリーを計算し、表示させてもよい。また、例えば、ワークアウトごと、反復ごと、セットごと、またはエクササイズの種類ごとのピーク/最小/平均カロリー燃焼率などといった他の情報も計算され、表示されてよい。システム100は、式(1)を使用して、エクササイズを行っている間にユーザが燃焼したカロリーの量を定期的に求めることができる。システム100は、ワークアウト全体にわたって絶えず更新される現在の燃焼カロリーの量(現在までの合計など)を表示してもよく、所定の時々に(例えば、ユーザが第1の種類のエクササイズのセットを完了し、第2の種類のエクササイズのセットを開始するとき、ワークアウトセッションの終了時などに)燃焼カロリー量を更新してもよい。またシステム100はユーザに、エクササイズの各セットにおいてのみならず、各反復の間に何カロリーが燃焼されたか知らせてもよい。
【0060】
(例えば式(1)を用いた)カロリー消費の判定で使用される入力および/または変数の一つもしくは複数は、ユーザによって行われているエクササイズの種類にかかわらず同じままであり、しかし他のものは変動し得る。例えばBMRは、ユーザの体重、身長、および年齢はワークアウトの間にさほど変化しないため、ワークアウト全体にわたって同じとすることができる。さらに、活動モディファイア、完全性モディファイア、乗算モディファイア、および加算モディファイアの一つもしくは複数は、ワークアウト全体にわたって変動し得る。これらの値(および/または値の変動)は、ユーザによって現在行われているエクササイズの種類に依存し得る。
【0061】
完全性モディファイアは反復ごとに変動し得る。前述のように、システム100は、ユーザがエクササイズを行っている間のユーザのフォームをモニタすることに基づいて完全性モディファイアを生成し得る。一般に、エクササイズは1反復を行うための一続きの動きを含み、ユーザは通常、2回以上の反復を含むセットを行う。ユーザのフォームは反復ごとに変動する可能性があり、したがって完全性モディファイアも変動し得る。
【0062】
システム100は、反復ごとに変動する完全性モディファイアに基づき、または完全性モディファイアのフィルタリングバージョンに基づき、式(1)を使用して燃焼カロリーを求めることができる。完全性モディファイアをフィルタリングするために、システム100は、例えば、1回もしくは複数回の反復についての完全性モディファイアを求め、完全性モディファイアの一部または全部を平均し、その平均を式(1)で使用してもよい。またシステム100は、完全性モディファイアを加重平均として生成してもよく、その場合、ある反復の完全性モディファイアに別の反復より大きい重みが与えられ得る。例えば、システム100は、平均を生成するときに、より新しい完全性モディファイアが新しくない完全性モディファイアよりも重く重み付けされる減衰関数を適用してもよい。
【0063】
またシステム100はユーザに望ましい動作を行わせ、そのような動作の燃焼カロリーの量を計算してもよい。一態様では、すべての検出される動作が計算で利用され得る。他の態様では、ある(例えばシステムでサポートされる、かつ/または行うよう促される)動作だけが考慮され得る。システム100は、撮像機器126からの、かつ/または様々なセンサからのデータを処理して、ユーザの動作を分類しようとし得る。例えばシステム100は、ユーザの動作を、MET表が定義されている他の既知の動作と比較してもよい。ユーザの動作が、MET表が定義されている他の既知の動作に合致する場合には、システム100は、燃焼カロリーの量を計算するのに特定されたMET表を使用してよい。
【0064】
ユーザの動作がMET表によって定義されたエクササイズと一致しない場合、システム100は、ユーザによって行われている動作に類似した動作を含む一つもしくは複数のエクササイズを特定し得る。例えばシステム100は、ユーザの下半身がスクワットに似た動きをしており、上半身がプッシュアップに似た動きをしていると判定してもよい。システム100は、ユーザが燃焼したカロリー量の近似として、あたかもユーザがスクワットを行っていたかのように、また、あたかもユーザがプッシュアップを行っていたかのように、特定されたMET表を使用してユーザが燃焼したであろうカロリー数を計算し得る。別の態様では、新しいエントリが作成され得る。これに関して、ある態様は、エントリを可能にし、後で、新しい動作および/またはエクササイズの特定を可能にし得る。ある態様では、ユーザは、特定されていない動作/エクササイズについてのおおよそのカロリー消費に関する入力を提供し得る。他の態様では、システム100は、例えば本明細書で論じた一つもしくは複数のセンサから、カロリー消費を計算し得る。別の態様では、システム100は、以前に知られていない動作またはエクササイズについての、カロリー消費といった属性を判定する際に、ユーザ(および/または第三者)からの入力のみならず、一つもしくは複数のセンサ読取値も利用し得る。MET表なしでカロリー消費を推定する例には、それだけに限らないが、位置エネルギーの変化を求めることが含まれ得る。位置エネルギーの変化を使用する例を次項で示す。
【0065】
システム100は、燃焼カロリー推定値をソーシャル・ネットワーキング・ウェブサイトに送信するように構成されていてよい。ユーザは、所望の時間間隔についてのユーザの合計燃焼カロリー数に基づいてランク付けされ得る(1日、1週間、1ヵ月、1年ごとのランクなど)。
図3に戻って、方法は終了してもよく、前の各ブロックのいずれかに戻ってもよい。
【0066】
i.位置エネルギーの変化に基づくエネルギー消費推定値
またシステム100は、MET表で定義されていない身体活動についてのユーザのエネルギー消費推定値も計算し得る。例えばシステム100は、任意の所望の動作の組み合わせを行っているユーザが燃焼したカロリー量を計算してもよい。ワークアウトの間、ユーザはユーザ自身の体重および重力の作用を受け得る。ユーザの質量中心、または特定の身体部分の質量中心の位置が、運動活動を行っているユーザが燃焼したカロリー量を推定する際に利用され得る。
【0067】
図8に、例示的態様による、位置エネルギーの変化をモニタすることに基づいて、運動活動を行っている間のユーザのエネルギー消費推定値を計算する方法の流れ図の例を示す。方法は、例えばコンピュータ102などのコンピュータ、機器138、140および/または142、ならびに他の装置によって実施され得る。
図8に示す各ブロックは、並べ替えられてもよく、あるブロックが除去されてもよく、追加のブロックが加えられてもよく、各ブロックが1回もしくは複数回繰り返されてもよく、流れ図が1回もしくは複数回繰り返されてもよい。流れ図はブロック802から開始し得る。
【0068】
ブロック802で、様々な態様は、ある時間間隔にわたって運動活動を行っているユーザの取得データを処理することを含み得る。一例では、システム100はユーザに、ランジを10反復行うよう促し、ランジを行っているユーザの取得データを処理し得る。データは、カメラ126によって取得されたビデオ映像とすることもでき、赤外線送受信機128によって、かつ/またはその他の機器センサ138、140、および142によって取得されてもよい。
【0069】
ブロック804で、様々な態様は、時間間隔内の第1の瞬間と第2の瞬間とにおけるユーザの身体部分、身体領域、または全身の質量中心の位置を決定することを含み得る。他の態様では、動作の中心が利用され得る。しかし簡潔にするために、質量中心を論じる。一例では、システム100はユーザに、ユーザの一つもしくは複数の身体部分の質量中心に対応する位置にセンサを配置するよう指示し得る。
図9を参照すると、質量中心位置の一つもしくは複数は、位置例904A〜904Dおよび位置906にあってもよく、ユーザの身体上の他の位置にあってもよい。任意の数の位置がモニタされ得る。少なくとも一つのセンサは、時間およびセンサの位置(またはセンサによって検出される身体部分の位置)を表示するセンサデータを無線で送信し得る。位置は、座標系(デカルト座標系など)の座標とすることができ、センサが特定の座標にあった時間を示すタイムスタンプと関連付けられていてよい。ある態様では、システム100は、センサデータを処理して、位置904A〜904Dおよび位置906を定期的に決定し得る。例えばシステム100は、機器センサ138、140および/または142などから、センサデータを受信してもよい。コンピュータ102(またはシステム100の別の構成要素)は、位置(位置904A〜904Dおよび位置906など)を決定することの一部としてデータを処理し得る。一態様では、データは、1秒当たり4回など、ルーチン進行(routine ongoing)に基づいて処理され得る。別の例では、コンピュータ102(またはシステム100の別の構成要素)は、撮像機器126からのデータを処理して位置904A〜904Dおよび/または位置906を決定し得る。
【0070】
ブロック806で、様々な態様は、第1の瞬間から第2の瞬間までの質量中心の位置の変化を特定することを含み得る。前述のように、システム100は、ある時間と、後続のある時間とにおける位置904A〜904Dおよび位置906を決定し得る。例えば、
図10A〜
図10Bを参照すると、ランジを行っているユーザが示されている。
図10Aは第1の瞬間に対応し、
図10Bは第2の瞬間に対応する。
図10Aでは、ユーザの質量中心の位置906は、地面から高さ「h1」(908Aで指示される)のところにある。
図10Bでは、ユーザの質量中心の位置906は、地面から高さ「h2」(908Aで指示される)のところにある。システム100の一つもしくは複数の構成要素は、質量中心の位置906の変化を求めるために、高さ「h1」と高さ「h2」との差を求めることができる。またシステム100は、他の身体部分についての質量中心の位置904A〜904Dに対する変化、またはユーザの身体部分もしくは身体領域の他の位置に対する変化も計算してよい。またシステム100は、
図11に示すように、異なる角度から撮られたユーザのビデオ映像を処理して、位置904A〜904Dおよび位置906を決定してもよい。例えばシステム100は、斜視図で位置906の高さ「h1」を求め、ユーザの正面図で位置906の高さ「h2」を求めてもよい。システム100は、異なる高さ測定値を平均してもよく、一方または他方を使用してもよい。
【0071】
図8に戻って、ブロック808で、様々な態様は、変化に起因するユーザのエネルギー消費推定値を計算し得る。一例では、位置エネルギーの物理的概念を使用して、ユーザが行った仕事の量が推定され、仕事に基づいて燃焼カロリーが計算され得る。
【0072】
一例では、ユーザが行った仕事の量を求めるために、システム100の一つもしくは複数の構成要素がある瞬間から別の瞬間までの位置906の変化を求めてもよい。位置エネルギー(PE)=m
*g
*hであり、式中、m=ユーザ(または身体部分)の質量、g=重力による加速度、およびh=地面からの高さである。仕事(W)=-ΔPEであり、式中、Δは位置エネルギーの変化を表す。m
*g
*hを代入すると、仕事(W)=-m
*g
*Δhになる。上記の
図10A〜
図10Bの例に基づけば、W=-m
*g
*(h1-h2)である。システム100は燃焼カロリー量を、仕事を人間の効率の生理(physiology of human efficiency)で乗じた関数として求めてもよい。システム100は燃焼カロリー量を、仕事量と人間の効率の生理(PHE)倍率とに基づいて求めてもよい。システム100はPHE倍率を、ユーザの心拍数、圧力センサデータ、およびユーザが入力した他の情報(例えば年齢、体重など)の関数として求めてもよい。
【0073】
システム100は、後続の時点間の燃焼カロリーの現在までの合計を保持し、かつ/または送信し、エクササイズセッション内のその時点までの合計燃焼カロリー量をユーザに知らせてよい。例えばシステム100は、ある一定の頻度(例えば1秒当たり2回など)で位置906の高さhを求め、高さhの各測定値間の燃焼カロリーの差に基づいて燃焼カロリーを計算してもよい。またシステム100は、1回もしくは複数回のワークアウトをカバーする所定の時間範囲にわたる合計燃焼カロリー数を追跡してもよい。時間範囲は、1週間、1ヵ月、1年、ユーザがワークアウトを開始してからの累積時間、または他の定義されたメトリックを含み得る。一つまたは複数のメトリックは、デフォルト値、既定値、ユーザ選択可能値、および/またはユーザ定義の値を含み得る。例えばシステム100は、1日、1週間、1ヵ月、および/または1年といった指定された期間においてユーザが何カロリー燃焼したかユーザに知らせてもよい。またシステム100は、1ワークアウト当たりの平均燃焼カロリー数、ワークアウトの種類に基づく平均燃焼カロリー数、1回のワークアウトにおける、もしくは所定の時間間隔における最大燃焼カロリー数(最高のカロリー量が燃焼された月など)に関するデータ、または他の種類のデータを維持してもよい。
【0074】
別の例では、システム100は、特定の身体部分の動作による、または身体部分の集合による燃焼カロリーを求めることができる。例えば、ユーザが、自分の右脚の動作によって何カロリーが燃焼されたか知りたいとする。仕事と位置エネルギーとの上記関係を使用して、再度
図9を参照すると、システム100は、ある瞬間から別の瞬間までのユーザの右脚の質量中心の位置904A(高さ908Bなど)の変化をモニタして、仕事を計算してよい。システム100はユーザの右脚の質量をユーザの体重およびプロポーションに基づいて推定し得る。次いでシステム100は燃焼カロリー量を、前述のように、仕事を人間の効率の生理で乗じた関数として求めることができる。エクササイズセッションの間に、システム100は、例えばディスプレイ136によって、ユーザの右脚の動作に帰せられる燃焼カロリーの現在までの合計を表示し得る。システム100は同様に、ユーザのその他の肢の位置904B〜904Dに基づく燃焼カロリーを求めてもよい。エクササイズセッションの間に、システム100は、各肢が燃焼したカロリーのみならず、ユーザの全身が燃焼したカロリーの現在までの合計も表示してよい。
【0075】
またシステム100はユーザに、ある時点で何カロリーが燃焼されたか判定するためにエクササイズセッションを見直させてもよい。例えば、エクササイズは、反復動作を行うことを含み得る(プッシュアップなど)。システム100は、各反復における燃焼カロリー数のみならず、セット内の各反復(例えば10回のセット内の各プッシュアップ)も特定し得る。1セット全体にわたって、システム100の一つもしくは複数の構成要素は、ユーザが最高カロリー数を燃焼した反復、ならびに最低カロリー数を燃焼した反復を特定し得る。別の態様では、システム100は平均カロリー数を推定し得る。これらは単なる例示的統計にすぎず、本開示の範囲を逸脱することなく他の分析も行われ得ることを当業者は容易に理解するであろう。
【0076】
エクササイズセッションが異なる種類のエクササイズを含む場合、システム100は、種類ごとの燃焼カロリー量に基づいてエクササイズの種類にランク付けし得る。例えば、エクササイズセッションが、3つの異なる種類のエクササイズ(プッシュアップ、シットアップ、スクワットなど)を含むとする。エクササイズセッションを完了した後で、システム100は、各種類のエクササイズによって何カロリーが燃焼されたか求め(例えば、プッシュアップでは10カロリー、シットアップでは13カロリー、スクワットでは18カロリーなど)、燃焼カロリー数に基づいて各種類のエクササイズをランク付けし得る(例えば、第1がスクワット、第2がシットアップ、第3がプッシュアップなど)。別の態様では、エネルギー消費(燃焼カロリーの量など)は、エクササイズまたはルーチンの理想値または理想範囲に対するパーセンテージとしてランク付けされ得る。例えば、エクササイズを完璧に行うことにより約100カロリーが燃焼されるはずである場合に、約90カロリー燃焼した第1のユーザには、同じエクササイズで85カロリーしか燃焼しなかった第2のユーザよりもよいランク付けが付与されてよい。各ユーザは異なる理想値または理想範囲を有する可能性があるはずであり、よって判定は、当該ユーザの理想値についてのパーセンテージとして検出値および/または推定値のパーセンテージを利用してよい。別の態様では、その理想値の100%により近いユーザが、理想の燃焼カロリー量の100%を超えるユーザよりも高いランク付けを付与され得る。これに関して、活動(エクササイズなど)について推定され、または計算されたエネルギーよりも多くのエネルギーを消費するユーザは、誤った動作、非効率性、けがの可能性の増大、および/またはこれらの組み合わせを示し得る。ある実施態様では、
図8の方法は次いで終了してもよく、前のブロックのいずれかおよび/または他のプロセスへ戻ってもよい。
【0077】
またシステム100は、事前に記録されたビデオ映像から消費カロリーを求めてもよい。例えばユーザは、プロのバスケットボール選手がバスケットボールをダンクシュートするビデオ映像をシステム100にアップロードしてもよい。システム100の一つもしくは複数の構成要素は、ビデオ映像を処理して、様々な時点における選手の、または特定の身体部分の質量中心の位置を決定し、前述の仕事ベースのカロリー判定を使用して身体活動の間に(例えばダンクシュートの間に選手によって)消費されたカロリーの量を求めることができる。
【0078】
結論
本明細書で説明した特徴のうちの一つまたは複数を有する活動環境を提供することにより、運動活動に取り組み、健康を増進するよう奨励し動機付けすることになる没入型体験が、ユーザに対して提供され得る。各ユーザは、さらに、ソーシャルコミュニティを介してやりとりし、相互にチャレンジし合って様々なフィットネスレベルに到達し、各ユーザのフィットネスレベルおよび活動を確認することもできる。
【0079】
以上、各態様の局面をそれらの例示的態様に関して説明した。添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨に含まれる多数の他の態様、改変、および変形が、本開示を考察すれば当業者には想起されるであろう。例えば、各例示図に図示されている各段階は、記載された以外の順序で行われてもよいこと、および例示の一つまたは複数の段階は、各態様の局面に従って任意であり得ることを当業者は理解するであろう。