特許第5798237号(P5798237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サノバス, インク.の特許一覧

<>
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000004
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000005
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000006
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000007
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000008
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000009
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000010
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000011
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000012
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000013
  • 特許5798237-導電性のバルーンカテーテル 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798237
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】導電性のバルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20151001BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   A61M25/10 510
   A61B1/00 300B
【請求項の数】26
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-504072(P2014-504072)
(86)(22)【出願日】2012年4月9日
(65)【公表番号】特表2014-516293(P2014-516293A)
(43)【公表日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】US2012032747
(87)【国際公開番号】WO2012154358
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2013年12月7日
(31)【優先権主張番号】61/472,950
(32)【優先日】2011年4月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/440,824
(32)【優先日】2012年4月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513220872
【氏名又は名称】サノバス, インク.
【氏名又は名称原語表記】SANOVAS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100116263
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 琢也
(72)【発明者】
【氏名】エルハン エイチ. ガンデイ
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス ジェイ. ジェラン
(72)【発明者】
【氏名】ロン チュウ
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0009746(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0034912(US,A1)
【文献】 特表2006−518638(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0087782(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0121270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
A61B 1/00
A61B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンに取付けられるメッシュを具備し、前記メッシュが、前記バルーンの周りで、長手方向と円周方向に、それぞれ列と行に、伸長する部材を有し、前記メッシュの各部材が、該部材が長さ(L)を具備するときに、該部材が長さ(L1)を具備してL1がLより大きいときと比較して、被測定抵抗またはインピーダンスが異なるように、前記部材が変形されるにつれて変化する抵抗またはインピーダンスを有し、前記列と行が、ノードで、互いに交差しており、各ノード間の抵抗またはインピーダンス変化が決定され得ることを特徴とするバルーンカテーテル。
【請求項2】
前記ノードが、結び目を具備することを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記列と行の端部に接続されるピンを有する集積回路を、さらに、具備することを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記集積回路が、前記カテーテルに取付けられるチューブの中に成形され得ることを特徴とする請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記集積回路が、前記チューブを介して外に伸長して前記列と行の端部につながる可撓性の接続リードを有することを特徴とする請求項4に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記集積回路は、バルーン膨張媒体がそれを介して通過し得るように、穴を具備することを特徴とする請求項4に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
前記集積回路が、タイミング制御装置と、ドライバーとを具備することを特徴とする請求項4に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
前記集積回路が、アナログ/デジタル変換器とシリアライザーを、さらに、具備することを特徴とする請求項7に記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
前記バルーンが、ラテックス、クロノプレーン、ユレックス、シリコン、ポリウレタン、C−フレックスおよびそれらの組合せから成るグループから選択された物質から選択されることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項10】
前記メッシュが、前記バルーンの外表面に取付けられることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項11】
前記メッシュが、前記バルーンと一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項12】
前記抵抗またはインピーダンスの変化が、R=f(Δl)によって演算されることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項13】
各部材が、放射線不透過性物質を具備することを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項14】
前記メッシュを形成するステップと、
前記メッシュを前記バルーンカテーテルに取付けるステップと、
を具備することを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテルを構築する方法。
【請求項15】
前記ノードが、結び目として形成されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記列と行の端部を集積回路のピンに接続するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記集積回路を、カテーテルに取付けられ得るチューブ中に成形するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記集積回路が、前記チューブを介して外に伸長する可撓性の接続リードを有し、そして、前記方法が、前記列と行の端部を前記可撓性の接続リードに接続するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
バルーン膨張ルーメンが、それを介して、通過できるように、前記集積回路に穴を形成するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
タイミング制御装置とドライバーを前記集積回路内に位置決めするステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記集積回路内にアナログ/デジタル変換器とシリアライザーを位置決めするステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ラテックス物質から前記バルーンを形成するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記メッシュを前記バルーンの外表面に取付けるステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記メッシュを前記バルーンと一体的に形成するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項25】
抵抗またはインピーダンスの変化を式:R=f(Δl)を使用して演算するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項26】
各部材を放射線不透過性物質から形成するステップを、さらに、具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔の内部をビジュアル化して測定するシステムおよび方法に関し、さらに具体的には、体腔内の膨張されたバルーンの電気特性を測定することによる、バルーンカテーテルを用いた体腔のビジュアル化および測定に関する。
【背景技術】
【0002】
バルーンカテーテルは、種々の医学的手技のために使用されている。肺ガンと、しばしば、これに伴って生じる気道閉塞の治療のための介入気管支内視鏡検査法にて使用されているように、例えば、通路の膨張のために、通路内へバルーンカテーテルを挿入することが知られている。従って、バルーンカテーテルは、出血を止めるためのタンポン挿入として、また、適所に道具を保持するための干渉固定装置として、種々の内視鏡とともに、また、膨張のための可撓性で硬い気管支内視鏡とともに、定期的に使用されてきており、逆流圧力下でそれら道具の後方突進を防止する。
【0003】
体腔内の望ましくない生物学的な物質を除去するために、バルーンカテーテルを使用することも知られている。例えば、膨張可能なバルーンカテーテルは、肺臓学、心臓病学、泌尿器学、婦人科学、胃腸病学、神経学、耳鼻咽喉学および一般的な外科学の介入医療分野のような種々の適用において、管腔内障害物や腫瘍や血管内閉塞のような望まれない物質の切除や除去のための介入用具として採用されるだろう。そのような装置の例が、カラコカ氏のヨーロッパ特許出願No.EP1913882に開示されている。この装置は、体腔内に挿入できる、硬化表面を有するバルーンカテーテルを採用している。その装置が挿入された後に、バルーンが膨張されて、該バルーンは、その硬化表面が望まれない生物学的な物質を切除するように、腔内にて前後に移動される。例えば、バルーンを引き出すことによって、懐死組織片を除去できる。
【0004】
参照することでここにて組み込まれている、「切除器バルーン方式」の表題を有するガンディ氏の米国出願公開No.2010/0121270(’270出願)は、カラコカ氏特許を越えた数多くの改良を提供しており、目標物質を最小限の外傷で剃るために、パルシング形式で動作される、テクスチャ加工表面を有するバルーンカテーテルに関する。’270出願は、バルーンシステムが、「ルーメン内の直径を決定するために、生理的なフィードバックを提供できる」ことを開示している。これは、一実施態様においては、「バルーンへの流体出力の圧力を決定するセンサーおよびバルーンへの流体出力の流量を決定するセンサー」の提供によって達成される。最後に、’270出願は、「複数で独立して膨張可能な膀胱または鼻腔を採用することによって...誰でも、もっと選択的で正確に...ルーメン内の直径を...測定できる...」ことを開示している。
【0005】
しかしながら、’270出願は、圧力を測定することでルーメン内の直径を測定することと、それに応じて切除するためにバルーンカテーテルのパルシングを調整することを教えている。この方法(例えば、バルーンカテーテルのパルシングと結合した圧力測定)が、最小限の外傷にて目標物質を切除するために非常に効果的である一方で、腔の内表面の正確なレンダリングを提供するために、バルーンカテーテルを利用することが有利であろう。従って、ポンプのパルシングを制御する関連した制御システムとともに、切除のために’270出願で教えられているようなバルーンカテーテル内への流体のパルシングは、そのような応用には必要とされないだろう。
【0006】
内部構造をビジュアル化する種々の撮像システムが、例えば、磁気共鳴画像(MRI)、核磁気共鳴画像(NMRI)か磁気共鳴断層撮影(MRT)、および、コンピュータ体軸断層撮影(CAT)か時々コンピュータ断層撮影(CT)スキャンと短縮されるものを含めて、知られている。これらの方法は、内部構造をビジュアル化することで、非常に効果的であり得るものの、これらの機械の購入および使用に関連したコストは、相対的に高い。
【0007】
整形外科の分野では、関節面間の空間的動態を算定することは、特に、その関節面が、それらの動作範囲全体でお互いに向かい合って並進動作するので、不可能ではなくても、しばしば、むずかしいことである。関節形成処理中、一般に解剖学的修復および関節運動学を完成させる努力にて、関節面の幾何学的形状や関節内の空間を理解することは、特に、有利であろう。
【0008】
骨の髄内管内で、導電性のバルーンカテーテルを使用することは、また、有利であろう。整形外科と外傷の科学は、骨の内面を、リアルタイムで、ビジュアル化して測定することに長い間苦労してきた。骨の解剖をマッピングできないことは、関節形成インプラント(例えば、股関節置換や大腿および寛骨臼のインプラント)を適切にサイズして、インプラントする外科医の能力を妨害してきた。それは、また、骨折転位を算定して、骨折管理システム(例えば、脛骨のロッド通しおよび板金システム)を適切にサイズしインプラントする外科医の能力を妨害してきた。
【0009】
腔内のマッピングは、また、米国特許No.7,654,997(マコーワー氏・他)に開示されているようなものが、知られている。しかしながら、マコーワー氏・他の特許は、カテーテル装置を使用してはいるが、腔をマッピングして3次元図を提供するのに、(そのバルーンから離れた)外部センサーの使用を必要としている(第40欄、64行目〜第41欄、24行目、図7D〜7Eを参照して下さい)。これは、比較的小さい腔にとって(例えば、血管内測定)、操作が面倒で難しいし、実用的でない。
【0010】
米国特許No.5,752,522(マーフィー氏)は、血管の直径のような生体管腔の断面寸法を決定する器具を開示している(要約書)。しかしながら、マーフィー氏特許は、バルーン周辺で抵抗が変動する伝導バンドを有するカテーテル(第9欄、13〜15行目)を含む設計を開示してはいるが、マーフィー氏特許は、開示している「伝導バンド」に限定される。これは、腔内部の3次元図を提供しないで、むしろ、腔の断面周辺を提供するだけであろう(図7を参照して下さい)。
【0011】
したがって、望まれるものは、生体の内部構造を測定してレンダリングするための、コスト効果があって信頼できるシステムおよび方法である。さらに望まれることは、構造を測定するプロセシングの期間中に、内部構造から物質を必ずしも切除しないであろう、生体の内部構造をビジュアル化して測定するシステムおよび方法を提供することである。
【発明の開示】
【0012】
従って、本発明の1つの目的は、生体の内部構造をビジュアル化して測定するためのバルーンカテーテルシステムおよび方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、生体、および/または、該生体の内部構造間の空間の内部構造の3次元画像を生成するためのバルーンカテーテルシステムおよび方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、非常に小さい腔内の内部構造を効果的にビジュアル化(例えば、血管内測定)するためのバルーンカテーテルシステムおよび方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、非常に小さい腔の内部構造の間および/またはその中での空間を効果的にビジュアル化して測定(例えば、関節内測定、体腔内測定)するためのバルーンカテーテルシステムおよび方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、頑強でコスト効率の良い方法で処理され得る信号フォーマットを有する信号を生成する、単純でコスト効率の良い信頼できるセンサーを提供する、内部構造をビジュアル化するためのバルーンカテーテルシステムおよび方法を提供することである。
【0017】
本発明のまた1つの目的は、内部構造を切除しないであろう、体腔の内部構造をビジュアル化するためのバルーンカテーテルシステムおよび方法を提供することである。
【0018】
これらおよび他の目的は、バルーンカテーテルに取付けられる導電性のメッシュの提供によって、1つの有利な実施態様にて達成される。バルーンカテーテルは、腔の内部を測定して3次元画像を提供するために、その腔に挿入されるだろう。バルーンカテーテルが、膨張されて腔の内表面領域に適合するにつれて、導電性のメッシュは、腔の内表面領域に基づいて伸長される。導電性のメッシュのこの伸長(腔に対して横および長手方向の双方)は、それにより、バルーンカテーテルに取付けられるメッシュの電気特性(例えば、インピーダンスまたは抵抗)の変化を引き起こすであろう。電気特性のこの変化は、それから、腔の内部構造の3次元レンダリングを生成するのに使用されるだろう。
【0019】
正確なインピーダンス測定は、広く利用可能でコスト効率が良いことが理解される。例えば、相対的に低い製品コストで高い測定精度を達成するために、離散フーリエ変換(DFT)の信号処理技術を、インピーダンス測定への誤り訂正とともに、使用することができる。ソフトウエアが、信号処理と誤り訂正を制御するのに効果的に使用され得る。
【0020】
バルーンカテーテルの表面に取付けられるメッシュは、例えば、ファイバーメッシュを具備するだろう。メッシュは、バルーンカテーテルの外面または内面のどちらかに取付けられてもよいと考えられる。どちらの構造においても、バルーンは、腔の内表面の形状にマッチするように膨張するであろう。
【0021】
ファイバーメッシュは、ライクラ、ポリウレタン、複合スプリング、または、その他の適切な物質を具備するだろうし、メッシュの伸長または変位に依存して電気特性が変動するであろう電線(またはストリング)を、そこに、含むであろう。一実施例において、測定される電気特性がインピーダンスのときには、メッシュの各部分が、外へ向かって伸長して、カテーテルバルーンが測定することになる腔の内面へと膨張するにつれて、メッシュの種々の部分のインピーダンスが変化するであろう(例えば、メッシュの伸長が大きければ大きいほどインピーダンスの変化も大きい)。このように、メッシュは、バルーンカテーテルの周りで、長手方向および円周方向に伸長する部分を有するので、この装置は、システムがメッシュの各部分のインピーダンスを測定するにつれて、腔の内部の完全な3次元図を提供することができる。また、バルーンカテーテル自体から分離された、追加の測定装置が、何も必要とされないので、この装置は、特に、相対的に小さい(例えば、血管内の)腔での使用によく適している。
【0022】
またさらに、別の実施態様において、腔に挿入されてバルーンカテーテルが膨張される際に、被膨張バルーンカテーテルの外観が撮像装置を経由して生成されてもよいように、メッシュが、放射線不透過性物質を具備してもよいと考えられている(例えば、この放射線不透過性物質は、カテーテルバルーンの現状構造の詳細図を提供する外部スキャンで、はっきりと姿を見せるであろう)。メッシュの電気測定と放射線不透過性物質を有するメッシュの画像化の双方が、高解像度3次元レンダリングまたは腔の内部の画像化を提供するのに使用できるだろうと考えられる。
【0023】
本出願については、以下の用語および定義が適用されることとする。
【0024】
ここにて使用される用語「データ」は、永続的または一時的であろうとなかろうと、可視、可聴、音響、電気、磁気、電磁気、または、そうでなければ明示されているであろうとなかろうと、任意の兆候、信号、マーク、記号、ドメイン、シンボルセット、表現、および、情報を表現している任意のその他の物理的な形(単数)または形(複数)を意味している。1つの物理的な形で所定の情報を表現するのに使用される用語「データ」は、同じ所定の情報の任意および全ての表現を、異なる物理的な形(単数)または形(複数)で、網羅すると見なされることとする。
【0025】
ここにて使用される用語「ネットワーク」は、インターネットを含む全ての種類の、ネットワークおよびネットワーク間双方を含み、任意の特別なネットワークまたはネットワーク間に限定されない。
【0026】
用語「第1」および「第2」は、1つのエレメント、セット、データ、対象、または、ものを他方から区別するのに使用されており、時間に関する相対的な位置または配置を指定するのに使用されてはいない。
【0027】
ここにて使用される用語「coupled:結合される」、「coupled
to:〜に結合される」、「coupled with:〜と結合される」、「connected:接続される」、「connected
to:〜に接続される」、および、「connected with:〜と接続される」の各々は、(a)直接か、または、1以上のその他の装置、器具、ファイル、プログラム、媒体、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム、または、手段を介した接続、(b)直接か、または、1以上のその他の装置、器具、ファイル、プログラム、媒体、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム、または、手段を介した通信関係、および/または、(c)任意の1以上の装置、器具、ファイル、プログラム、媒体、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム、または、手段の動作が、全部か一部において、それらの任意の1以上のその他の動作に依存している、機能的な関係、の任意の1以上を構成する、2以上の装置、器具、ファイル、プログラム、媒体、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム、または、手段の間またはその中での関係を意味する。
【0028】
ここにて使用される用語「process:プロセス」、および、「processing:プロセシング」の各々は、限定ではないが、例えば、連続または非連続であり、同期または非同期である、データの管理、データの修正、データのフォーマット化および/または変換、データのタギングまたは注釈付け、データの測定や比較および/または再検討を含む行動または一連の行動を意味しており、プログラムを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0029】
1つの有利な実施態様において、腔の内部の3次元画像を提供する撮像システムが、バルーンカテーテルと該バルーンカテーテルに取付けられるメッシュとを具備し、前記メッシュが、前記バルーンカテーテルの周りで、長手方向および円周方向に伸長する部材を有して、提供される。前記撮像システムは、さらに、前記バルーンカテーテルに結合されて、前記バルーンカテーテルの膨張を制御するコントローラーを具備している。前記撮像システムは、前記メッシュの各部材が、該部材が長さ(L)を具備するときに、該部材が長さ(L1)を具備してL1がLより大きいときと比較して、被測定電気特性が異なるように、前記部材が伸長されるにつれて変化する少なくとも1つの電気特性を有するように、提供される。前記撮像システムは、さらに、前記コントローラーが、各部材からの前記少なくとも1つの電気特性を測定し、腔の内表面の3次元レンダリングを生成するために、前記被測定電気特性を利用するように、提供される。
【0030】
別の有利な実施態様において、バルーンカテーテルは、バルーンに取付けられるメッシュを具備して提供される。前記メッシュは、前記バルーンの周りで、長手方向と円周方向に、それぞれ列と行に、伸長する部材を有する。前記メッシュの各部材は、該部材が長さ(L)を具備するときに、該部材が長さ(L1)を具備してL1がLより大きいときと比較して、被測定抵抗またはインピーダンスが異なるように、前記部材が変形されるにつれて変化する抵抗またはインピーダンスを有する。
【0031】
さらに別の有利な実施態様において、バルーンカテーテルを構築する方法が、列と行を形成するために、部材を長手方向と円周方向に伸長してメッシュを形成するステップを具備して提供される。前記メッシュの各部材は、前記部材が変形されるにつれて変化する抵抗またはインピーダンスを有する。前記メッシュは、部材が長さ(L)を具備するときに、前記部材が長さ(L1)を具備してL1がLより大きいときと比較して、被測定抵抗またはインピーダンスが異なるようにして提供される。前記方法は、さらに、前記メッシュをバルーンに取付けるステップを具備する。
【0032】
本発明のその他の目的と、その特別な特徴および利点は、以下の図面および添付の詳細な説明書の考察からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
さて、図面を参照すると、図1は、体腔150(図3(a)、図3(b))の内部の3次元画像を生成するシステム100の1つの有利な実施態様のブロックダイアグラムである。
【0034】
システム100は、コントローラー102と通信する電線130を有するカテーテル118によって、そこに取付けたバルーン104の膨張および収縮を制御するための、当該技術において知られている任意のタイプのコントローラーを具備し得る、コントローラー102を有する。コントローラー102は、例えば、限定ではないが、キーボード、マウス、タッチスクリーンかタッチパッド、音声稼動制御の入力装置などを含む実質的に任意のタイプのインターフェースを具備し得る入力装置106に結合されている。入力装置106は、図1において点線および無線送信信号表示の使用で図解されているように、有線または無線のどちらかでよいことが理解される。またさらに、入力装置は、携帯ワイヤレス装置を具備てもよいと考えられる。
【0035】
ディスプレイ108は、記憶装置110に記憶されるであろう、膨張された状態でのバルーンカテーテル104のビジュアル・レンダリングを提出するだろうコントローラーに結合される。コンピュータ112(例えば、パソコン)が、ネットワーク接続114を経由してコントローラー102に結合されているのが、また、示されている。コンピュータ112、112’、112’’は、単独のコンピュータか複数コンピュータのネットワーク(例えば、複数の病院コンピュータと関連する記憶装置など)、または、(例えば、医師の事務所か現場から離れた場所にある)遠隔コンピュータを具備してもよく、そこでは、バルーンカテーテル104の変形によって生成される画像が、表示されて、記憶装置116、116’、116’’に記憶されるであろうと考えられる。
【0036】
レンダリングは、腔の容積の3次元レンダリングである。一実施態様において、ユーザーは、入力装置によって、表示される3次元レンダリングを回転させて異なる視野角を得るだろう。これは、例えば、医者が腔の内部の非常に正確な図を得ることを可能にする。腔の内部をレンダリングし、それから、腔から物質を切除して、切除後に腔の第2レンダリングを生成させることが望まれるだろう。このプロセスは、数多くのステージにおいて、実行され得るだろう。しかしながら、このシステムは、レンダリングを自由に回転させて、ユーザーが実質的に任意の視野角と倍率から腔の容積表面を眺めることを可能にする、能力を提供している。
【0037】
さて、図2を参照すると、カテーテル118によってコントローラー102に接続されたバルーン104が、より詳細に示されている。カテーテル118は、例えば、ポリエチレン物質を具備して、0.5〜2mmの外径と約1.2〜3メートルの長さを有するだろう。カテーテルは、腔に挿入され得て、腔に害を生じさせることなく腔の進路に自由に追従し得るように、一般的に可撓性である(例えば、自由に折り曲げ可能で、腔の進路に追従するが、腔に挿入され得るように、軸方向には、非圧縮性である)。細長い体腔の一例は、患者の大腿部内の大腿動脈への挿入であろうし、カテーテルは、患者の心臓に向かって進むように、そこへ挿入されるだろう。
【0038】
カテーテル118は、安全な先端として奉仕するだろうカテーテルの先端の先端に、約5〜10mmの長さを有する折り曲げ可能な部分120を、さらに、有するだろう。これは、有利な特徴である、なぜならば、体腔の利用可能な開口を介してカテーテルが挿入されるときに、それが、腔の壁を突き刺さずに、折り曲がるであろうからである。
【0039】
バルーン104は、ラテックス、クロノプレーン、ユレックス、シリコン、ポリウレタン、C−フレックス、または、任意のその他の適切な物質のような柔軟物質を具備するだろうし、一般的に、カテーテル118の先端122の近くか、カテーテル118に沿ったそのほかの所定の距離のところに位置決めされる。バルーン104は、この装置が使用されるための特別な適用に適合するように選択され得る、様々な長さと直径にて出現するだろう。一般的に、そのようなバルーン104は、5mm、10mm、15mm、20mm、30mm、50mm、または、それ以上から選択された長さを有するであろう。そのようなバルーン104は、また、2.5mm、5mm、10mm、15mm、20mm、30mmまたは50mm、または、それ以上から選択された直径を一般的に有するであろう。この様々な利用可能なバルーンサイズは、バルーン104を、関節ジョイント(例えば、膝)か臓器(例えば、膀胱)以内、または、異なる幾何学的形状および/または治療すべき腫瘍と組織のタイプを有する大小の気管支枝や鼻腔や血管以内のような種々の直径と寸法の体腔内にて、使用され得るようになす。コントローラー102(図1のように、ポンプ124を含んでもよい)は、バルーン104を2.5mmlから50mmlまでの範囲の最大サイズに膨張させ得るように、約1/2気圧から約6気圧までの範囲の圧力にて、流体(例えば、空気など)を供給する。バルーンを膨張させるのに使用される圧力は、適用例に依存するであろうことが理解される。例えば、骨腔の内部をレンダリングすることは、血管か動脈の内部腔をレンダリングすることよりも、より高い膨張圧力を必要とするだろう。柔らかい組織がレンダリングされるときは、この柔らかい組織が変形するのを回避するように、膨張圧力はより低いであろう。
【0040】
ある有利な実施態様においては、バルーン104は、放射線不透過性の物質かリングのような、バルーン104上に設置される、画像化マーカー126’を有するだろう。そのようなマーカーは、このシステムが、腔の内部の3次元レンダリングを生成できるように、そのような様式の使用がデータを提供し得るようにするために、選択され得て、種々の画像化様式の適切な波(例えば、X線)を反射するために適切に位置決めされ得る。3次元レンダリングを生成するために、異なる視野からの複数のX線画像が、取込まれて組み立てられるべきであろうことが理解される。
【0041】
バルーンは、また、バルーンの表面128(外表面か内表面のいずれか)に取付けられる(または、バルーンと一体でもよい)ファイバーメッシュ126で被覆されるだろう。ある有利な実施態様において、表面128は、成形プロセス期間中に、そこにて、組み込まれている、バルーン104の一体部分である、テクスチャ加工表面約0.2mm厚を具備する。これらの場合、ある実施態様で、ライクラ、ポリウレタン、複合スプリングまたはその他の適切な物質を含む、細かいファイバーメッシュ126を、バルーン物質内に一体化することで、表面128が作成される。
【0042】
さて、図3(a)と図3(b)を参照すると、バルーン104とカテーテル118が、腔150内に挿入されて、腔150の内表面152へと膨張されるのが図解されている。メッシュ126、126’は、バルーン104の伸長の際に、メッシュ126、126’が腔150の内表面に適合して伸長されるように、設けられている。メッシュ126’が放射線不透過性の物質かリングを具備するときは、一旦、挿入されて膨張されると、撮像装置は、腔の内部の3次元レンダリングを生成するために、使用されるだろう。例えば、もし、撮像装置がX線ならば、放射線不透過性の物質は、X線波長を反射して腔の内表面の3次元図を生成するであろう。
【0043】
メッシュ126が、可変の電気特性(例えば、インピーダンスまたは抵抗)を有するメッシュを具備する際には、メッシュ126の膨張時に、この可変の電気特性は、メッシュ126が伸長して内表面152に適合する程度に基づいて、変化するであろう。従って、図3(a)と図3(b)に示されるように、メッシュは、(長手方向および円周方向の双方において)いくつかの箇所ではより多く、その他の箇所ではより少なく伸長するであろう。コントローラー102は、メッシュ126内の電気特性変化を監視するであろうし、メッシュ126の被測定電気特性における変化に基づいて、腔150の内表面の画像154レンダリングを生成するであろう。
【0044】
撮像装置(図示せず)が、また、膨張されるバルーン104の画像を生成するのに使用されてもよく、それが、腔150の内表面152の3次元レンダリングを生成するために、単独で、または、変化した電気特性により生成されるデータとともに使用され得るだろうことが、さらに、理解される。
【0045】
図4は、膨張された柔軟バルーン上にある、弾性の導電性物質(弾性の導電性糸)で作られているメッシュを表現している。伸長されるにつれて、メッシュ126の抵抗が変化する。こうして、伸長された物質の長さは、その抵抗の関数である。この関数は、線形、指数関数、対数、または、その他であり得る。特定された変形に基づいた抵抗および抵抗の変化は、そこに付加される導電ファイバー(すなわち、鉄)の量を含む物質の構成に基づいている。反復可能な関数が、あらかじめ、知られている。
【0046】
導電性物質の行が、バルーン104に対して円周に走行するとして図解されており、他方では、列が、バルーン104上で横方向に走行する導電性物質である。
【0047】
また、図4に図解されているものは、Rnとして指定される抵抗であり、それらは既知の抵抗と等価として導電性物質の各セグメントを表現しているボックスとして図解されて示されている。抵抗は、それらがその間に接続されるノード156に従ってラベル付される。各セグメントの電気抵抗値は、導電性物質セグメントが伸長された量、従って、セグメントの長さの関数である。
【0048】
各ノード(例えば、ドットによって表現される)は結び目158(図7)であり、そこでは、導電性物質が交差するだろう。膨張されたバルーン104(例えば、図3(a)、図3(b)および図5)の上で、ノード156は、バルーンが膨張される際に導電性物質が互いに触れ合って列と行の間に閉回路を作り出す、唯一の個所である。
弾性の導電性糸
【0049】
弾性の導電性糸は、種々のソースから利用可能であり、導電性物質(重合体または金属)で弾性の糸を被覆すること、または、エラストマーに金属粒子加えることを含む多くの異なる方法にて生産できる。どちらの場合でも、電気導電率、または、糸の単位長さの抵抗は、伸長された量の関数である。抵抗は次の式から演算できる、すなわち、
R=f(Δl) ・・・・・・ 式1
【0050】
この関数は、線形、指数、対数などとすることができるが、糸のセグメントの抵抗とその特別なセグメントの長さが決定されるだろうことは、既知で与えられている。例えば、種々の抵抗測定および関連した長さを含むルックアップテーブルが、記憶装置110、116、116’、116’’内に設けられるだろうと考えられる。一旦、特別なセグメントの抵抗が決定されると、実際の抵抗が、ルックアップテーブルからセグメントの長さを決定するのに使用されるだろう。あるいは、長さは、抵抗測定が取込まれる毎に演算されてもよい。弾性の導電性糸を生成する一つの方法の実施例は、2010年9月29日付のクリストフ‐ジセット氏・他による表題「織られた電子織物:衣服における保健医療監視の実現技術」の論文から見ることができる。
導電糸からバルーン・スリーブメッシュを形成すること
【0051】
多くの技術が、抵抗器のネットワークを作り出している、平編みと同様に、横糸、縦糸の円形または平らな編物を含む、織物生産に使用される技術と類似して、導電性糸を使用したメッシュ126を生産するのに使用できる。平編み技術の場合、糸は、2つの横端でより合わされ、縦トップとボトム終端に持ってくることができる。図7において、形成されるXYマトリクスの各端部は、XX’とYY’によって表される。
集積回路
【0052】
さて、図4図8を参照すると、弾性の導電性糸の各端部160は、集積回路162のピンに接続されている。集積回路162の各ピンには3種類の状態があり、それは、次のように駆動され得る、すなわち、1)高:ピンが高電圧(すなわち、5V)で、電流を調達する、2)低:ピンが低電圧(すなわち、0V/接地)で、電流を排出する、あるいは、3)高インピーダンス:ピンの入力インピーダンスが非常に高い値にある(電流を調達または排出しない)かである。
【0053】
図4に図解されている集積回路162がある。集積回路162は、シリアルデータ入力170、シリアルデータ出力172、クロック174、電源176および接地178を経由してコンピュータ112、112’、112’’に接続される、マルチプレクサーとデマルチプレクサーを含むだろう。
【0054】
集積回路162は、カテーテル管(図5図6)に組み込まれるのに適切な非常に小さいパッケージとして提供される。弾性の導電性糸は、有利な実施態様においては、導電接着剤によって集積回路162に接続されるか、または、結合されるだろうと考えられる。
【0055】
タイミングコントローラー164は、基端にて集積回路162に接続されるシリアル通信線を経由してコンピュータ112、112’、112’’からのコマンドを受信する。タイミングコントローラー164は、ドライバー166とスキャナー167用のタイミング情報を提供する。
【0056】
受信されたデータに基づいて、ドライバー166が使用可能とされ、駆動信号(高)がI/Oピンに与えられ、それから、全てのその他のピンがスキャンされて、アナログ/デジタル(A/D)変換器168に入力される。
【0057】
A/D変換器168のデジタル出力は、シリアライザー170に入力され、シリアル方式でコンピュータ112、112’、112’’に送信される。
メッシュ抵抗器ネットワークをスキャニングするアルゴリズム
【0058】
ドライバー166を制御するソフトウエアは、全てのその他の線を高インピーダンスに保持しながら、弾性の導電性糸の単線を順次的に活性化させるだろう。各直交線は、一実施態様においては、それから、スキャンされ得て、測定された電圧が、それから、デジタル値へと変換され得る。
【0059】
なお、種々の機能および方法が記述されて、複数ステップのシーケンスにて提示されてきたけれど、そのシーケンスは、単に1つの有利な実施態様の説明として提供されてきており、説明される特定の順序でこれらの機能を実行する必要はない。さらに、任意のこれらのステップが、任意のその他のステップに関連して移動、および/または、組み合わされてもよいと、考えられる。加えて、またさらに、応用に応じて、ここにて記述されている機能の全ての、または、任意の部分を利用することが有利だろうと、考えられる。
【0060】
例えば、列1が駆動される際は、行Rに対する等価回路は、
R(12,RR)+R(23,RR)+R(34,RR)+…+R(C−1 C−1,RR) ・・・・・・(式1)
となり、
列1が駆動される際は、行R−1に対する等価回路は、
R(11,R R−1)+R(12,R−1 R−1)+R(23、R−1 R−1)+…+R(C−1 C,R−1 R−1) ・・・・・・(式2)
となり、以下同様である。
【0061】
列2が駆動される際は、行Rに対する等価回路は、
R(23,RR)+R(34,RR)+・・・・・・+R(C−1 C−1,RR) ・・・・・・(式3)
となり、
列2が駆動される際は、行R−1に対する等価回路は、
R(22,R R−1) + R(23、R−1 R−1) + ・・・・・・+ R(C−1 C,R−1 R−1) ・・・・・・(式4)
となり、以下同様である。
【0062】
抵抗器R(12,RR)の値は、式1と2間の差であろう。同様に、R(12、R−1 R−1)+R(11、R R−1)は、式3と4間の差であろう。
【0063】
スキャニングがIC水平の第2セットでなされる際に、R(12、R−1 R−1)+R(11、R R−1)が分解され、各抵抗器の値が知られる(図4)。
【0064】
メッシュ抵抗器ネットワークが、各セグメントの抵抗を決定するかまたは概算するためにスキャンされ得る、多くの異なる方法があることが理解される。これらの方法のいくつかは、キルヒホッフの法則の利用、セグメントの削除、伝達マトリクス、グリーン関数抵抗距離などを含んでいる。
表面マッピング
【0065】
以下の記号が表面マッピングに使用される
(x,y,t):時刻tでの(x,y)格子
R(x,y,t):時刻tでの測定された抵抗器の値
G(x,y,t):時刻tにて格子内で測定された4個のR値
Diff(x,y,t):時刻tとt−1間のG値の差
T(x,y,t):G(x,y,t)から得られた変換マトリクス
T’(x,y,t):Tからの誤り訂正された変換マトリクス
G’(x,y,t):T’(x,y,t−1)からの予測G値
E(x,y,t):時刻tでのGとG’間の差
【0066】
R(<x−1 x>,<y,y>)が、ポイント<x−1,y>とポイント<x,y>間の測定された抵抗器の値を表すこととします。
【表1】
【0067】
G(x,y)が、ポイント<x−1,y−1>とポイント<x−1,y>とポイント<x,y−1>とポイント<x,y>の間で測定された4つの抵抗器の値を表すこととします。
【表2】
【0068】
G(x、y)={R(<x−1,x−1>,<y−1,y>),R(<x−1,x>,<y−1、y−1>)、R(<x−1,x>,<y,y>),R(<x,x>,<y−1,y>)} ・・・・・・(式5)
【0069】
G(x,y,t)が、時刻tにて測定されたG(x,y)として、表されることとします。Diff(x,y,t)が、G(x,y,t)とG(x,y,t−1)間の抵抗値の差として、表されることとします。
Diff(x,y,t)=SQRT((G(x,y,t)−G(x,y,t−1))**2) ・・・・・・(式6)
【0070】
T(x,y,t)が、G(x,y,t)とG(x,y,t−1)間の5x5変換マトリクスを表すこととします。
G(x,y,t)=G(x,y,t−1)*T(x,y,t) ・・・・・・(式7)
【0071】
G(x,y,t)とG(x,y,t−1)の双方が既知の値である。
INVERSE(G(x,y,t−1))*G(x,y,t)=INVERSE(G(x,y,t−1))*G(x,y,t−1)*T(x,y,t) ・・・・・・(式8)
INVERSE(G(x,y,t−1))*G(x,y,t)=I*T(x,y,t) ・・・・・・(式9)
T(x,y,t)=INVERSE(G(x,y,t−1))*G(x,y,t) ・・・・・・(式10)
表面マッピングアルゴリズム
1.t=t0にて
a.[x=1…m]と[y=1…n]に対して全てのG(x,y,t0)を保存する
2.t=t1からtnまで
a.各G(x,y,t)に対して
i.Diff(x,y,t)を計算する、
ii.XとYへの最小Diff(x,y,t)値に対するxとyの場所を保存する、
iii.特異値分解(SVD)アルゴリズムを使用するか、または、T(x,y t)を以下から解く、すなわち、
G(x−2,y−2,t) G(x−1,y−2,t) G(x,y−2,t) G(x+1,y−2,t) G(x+2,y−2,t)
G(x−2,y−1,t) G(x−1,y−1,t) G(x,y−2,t) G(x+1,y−2,t) G(x+2,y−2,t)
G(x−2,y,t) G(x−1,y,t) G(x,y,t) G(x+1,y,t) G(x+2,y,t)
G(x−2,y+1,t) G(x−1,y+1,t) G(x,y+1,t) G(x+1,y+1,t) G(x+2,y+1,t)
G(x−2,y+2,t) G(x−1,y+2,t) G(x,y+2,t) G(x+1,y+2,t) G(x+2,y+2,t)
iV.(t>t1)ならば、
1.T’(x,y,t−1)を使用して、予測G’(x,y,t)を計算する
2.E(x,y,t)として、G(x y,t)とG’(x,y,t)間の差を計算する
3.最小二乗モデル(LSM)適合アルゴリズムを使用し、[x−9…x+9、y−9…y+9]のメッシュ格子以内にE(x,y,t)を適合させる
3.t=t3〜tnにて
a.G(x,y,t−1)とT’(x,y,t−1)とE(x,y,t−1)を使用して、3D表面を以下のように描く、すなわち、
ビューポートにて、G(x,y,t)=G(x,y,t−1)*T’(x,y,t−1)+E(x,y,t−1)。
これは、異なる視野角からレンダリングを生成するために使用される式である。
可撓性の電子回路および導電性糸に接続する方法
【0072】
織物、糸およびトレッドとインターフェースする適切な可撓性の電子機器184(集積回路162を含む)を作る方法が利用可能である。1つのそのような方法が、特許すなわち米国特許No.6,493,933に開示されている。
【0073】
図5および6は、可撓性の接続リード182が管180の外部に伸長されるように、そのような電子機器184を、管180内部に、成形する一方法を示している。
【0074】
管180の各端部186は、それから、メッシュスリーブを有するバルーン104の前と後にて、カテーテル管に挿入される。
【0075】
なお、集積電子回路184が中に取付けられる成形構造188は、バルーン膨張媒体が通り抜けできるように、穴190を有する。
【0076】
バルーン104が膨張収縮されるにつれて、これらの可撓性の接続リード182が、拡大縮小する。
【0077】
望ましい弾性の糸部材(メッシュ126)が、縫う、(導電性の)接着を行なう、機械的に結合する(折り重ねる、絞る、その他)またはそれらの組合せを含む種々の方法によって、リード182に取り付けられる。
【0078】
図9および図10は、抵抗器の値の測定により腔の3次元レンダリングを生成する方法を図解しているフロー図である。ステップ200にて、システムが、G(x,y,t)における抵抗器の値を測定し、t=t0かどうかを決定するために、ステップ202へ進む。t=t0ならば、それから、システムが、全ての測定された抵抗器の値204を、メモリー206に保存する。t≠t0ならば、システムが、ステップ208にてt>t1かどうかを決定する。t≠t1ならば、それから、システムが、ステップ210にてG(x,y,t)とG(x,y,t−1)からDIFF(x,y,t)を演算し、ステップ212にて最小のDIFF値に対する<x,y>をメモリー206に保存する。システムは、それから、ステップ214にて、[x=x−2〜x+2]と[y=y−2〜y+2]の場所でG(x,y,t)からT(x,y,t)を解き始め、それはまた、メモリー206に保存される。
【0079】
ステップ208にてt>t1ならば、それから、システムは、t>t2かどうかを決定するためにステップ216へ進む。加えて、図9および10を参照することにより、システムが、t>t2かどうかを決定するために、ステップ214からステップ216まで、二者択一的に進むであろうことが、見てとれる。
【0080】
ステップ216にてt≦t2ならば、それから、システムが、ステップ218にてT’(x,y,t−1)を使用して予測G’(x,y,t)を計算し、それが、メモリー206に保存される。システムは、それから、ステップ220にて、G(x,y,t)とG’(x,y,t)間の差を、E(x,y,t)として、計算し始める。この時点において、システムは、最小二乗モデル(LSM)適合アルゴリズムを使用して、ステップ222にて[x−9 … x+9、y−9 … y+9]のメッシュ格子のメッシュ窓以内に、E(x,y,t)を適合させ、そして、ステップ210に戻って、G(x,y,t)とG(x,y,t−1)からDIFF(x,y,t)を演算する。
【0081】
ステップ216にてt>t2ならば、それから、システムは、G(x,y,t−1)とT’(x,y,t−1)とE(x,y,t−1)を使用して、ステップ224のビューポートにて、G(x,y,t)=G(x,y,t−1)*T’(x,y,t−1)+E(x,y,t−1)として、3D表面を描き、それが、それから、ディスプレイ226に送信される。
【0082】
本発明は、特別な部品の配置や特徴などを参照して、記述されてきたが、これらは、全ての可能な配置または特徴を言い尽くすことを意図しておらず、実際に、当業者にとっては、多くのその他の修正と変形が、確かめられるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1図1は、本発明の1つの有利な実施態様のブロックダイアグラムである。
図2図2は、図1によるメッシュを含むバルーンカテーテルの説明図である。
図3(a)】図3の(a)および(b)は、腔の3次元レンダリングを提供するために、腔に挿入される図2のバルーンカテーテルの説明図である。
図3(b)】図3の(a)および(b)は、腔の3次元レンダリングを提供するために、腔に挿入される図2のバルーンカテーテルの説明図である。
図4図4は、図1のシステムに関連して使用されるメッシュの描写である。
図5図5は、図1の実施態様によるバルーンとモジュールの説明図である。
図6図6は、図5の実施態様によるチューブに挿入されるモジュールの成形モジュール説明図である。
図7図7は、図1によるメッシュ構造の一実施態様の説明図である。
図8図8は、図6の実施態様による集積回路ブロックダイアグラムである。
図9図9は、図1の実施態様による方法のフロー図である。
図10図10は、図9によるフロー図の続きである。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10