(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態のうち例示的な実施形態を詳細に開示する。しかし、本明細書において開示される特定の構造及び機能の詳細は、実施形態を説明するために種々の構造及び機能を代表するものとして示されるにすぎない。しかし、実施形態は多くの代替形態で実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態のみに限定されると解釈されてはならない。
【0009】
本明細書において種々の要素を説明するために「第1の」、「第2の」などの用語が使用されるが、それらの要素はそれらの用語により限定されてはならないことが理解されるだろう。それらの用語は単に1つの要素を別の要素と区別するために使用されるだけである。例えば、本発明の範囲から逸脱せずに第1の要素は第2の要素と呼ばれてもよく、同様に第2の要素は第1の要素と呼ばれてもよい。本明細書において使用される場合の用語「及び/又は」は、関連して挙げられている項目のうち1つ以上の項目のあらゆる組み合わせを含む。
【0010】
1つの要素が別の要素「に接続される」、「に結合される」、「と嵌合する」、「に装着される」又は「に固定される」と説明される場合、その要素は他方の要素に直接接続又は結合されてもよいが、それら2つの要素の間に介在する要素が存在してもよいことが理解されるだろう。これに対し、1つの要素が別の要素「に直接接続される」又は「に直接結合される」と説明される場合、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉も同様に解釈されるべきである(例えば、「の間に」と「の間に直接」、「に隣接する」と「に直接隣接する」など)。
【0011】
本明細書において使用される用語は特定の実施例を説明するために便宜上使用され、実施形態を限定することを意図しない。本明細書における単数形は、特に明示して指示のない限り複数形も含むことを意図する。更に、本明細書において使用される場合の用語「具備する」及び/又は「含む」は、そこに挙げられている特徴、数字、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの集合の存在又は追加を除外しないことが理解されるだろう。
【0012】
尚、いくつかの代替実現形態において、そこに挙げられている機能/動作は図中に示される順序以外の順序で実行されてもよい。例えば、続けて示される2つの図は、関連する機能/動作に応じて、実際には実質的に同時に実行されてもよいし、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。
【0013】
図1は、本発明の実施形態及び方法の実施例と共に使用可能な従来の原子炉圧力容器10を示した図である。原子炉圧力容器10は、世界中で発電のために従来使用されている少なくとも100MWeの商業軽水炉において使用されてもよい。原子炉圧力容器10は、事故が起こった場合に放射能を格納し且つ動作中の原子炉圧力容器10へのアクセスを防止する働きをする格納構造411の中に配置されてもよい。ドライウェル20として周知である原子炉圧力容器10の下方の空胴は、ポンプ、ドレイン、計装管及び/又は制御棒駆動機構などの容器の動作に関わる機器を収納するために使用される。
図1に示されるように、少なくとも1つの計装管50は原子炉圧力容器10の中へ垂直に延出し、炉心15の内部まで到達するか又は炉心15を貫通する。炉心15は核燃料及び動作中に発生する相対的に大量の中性子束を収納する。計装管50は一般に円筒形であり、原子炉圧力容器10の高さに沿って幅が広がっていてもよいが、原子炉においては他の構造の計装管も一般に見られる。計装管50は、例えば、約0.3インチの内径及び/又は空隙を有してもよい。
【0014】
計装管50は原子炉圧力容器10の下方のドライウェル20の中で終端してもよい。従来、計装管50は、ドライウェル20にある計装管の下端の開口を通して中性子検出器及び他の種類の検出器を挿入するために使用されてもよい。それらの検出器は、炉心15内部の状態を監視するために計装管50を通って上方へ延出してもよい。従来のモニタの種類は、例えば、広範囲領域検出器(WRNM)、中性子源領域モニタ(SRM)、中間領域モニタ(IRM)及び/又は局所出力領域モニタ(LPRM)などを含む。
【0015】
原子炉圧力容器10は商業沸騰水型軽水炉で一般に見られる構成要素と共に示されるが、本発明の実施形態及び方法は、原子炉の中へ延出する計装管50又は他の進入管を有するいくつかの異なる種類の原子炉において使用可能であってもよい。例えば、100MW以下〜数GWまでの出力定格を有し且つ
図1に示される位置とは異なるいくつかの位置に計装管50を有する加圧水型軽水炉、重水炉、黒鉛減速炉などが実施形態及び方法と組み合わされて使用されてもよい。従って、実施例の方法において使用可能な計装管50は、炉心15の周囲にあって、封入された状態で種々の種類の原子炉の炉心の中性子束に接近できる任意の形状の任意の突起構造であればよい。
【0016】
化学的分離又は同位体分離の必要なく且つ/又は商業炉の動作停止を待つ必要なく所望の同位体を迅速且つ継続的に大量に生成するために計装管50を使用可能であると出願人は認識した。実施例の方法は、照射ターゲットを計装管50に挿入することと、動作中に照射ターゲットを炉心15に暴露することにより、動作中の炉心15において一般に発生する中性子束に照射ターゲットを暴露することとを含んでもよい。炉心の中性子束は、医療分野で使用可能な短期間放射性同位体を含む有用な放射性同位体に照射ターゲットの大部分を変換してもよい。その後、炉心15の動作が継続中であっても、照射ターゲットは、医療用及び/又は工業用として計装管50から引き抜かれ、取り出されてもよい。
送り出しシステムの実施例
後に詳細に説明される送り出しシステムと共に使用可能な照射ターゲットの実施形態と関連させて、送り出しシステムの実施例を以下に説明する。以下に説明される送り出しシステムとは異なる種類の送り出しシステムと組み合わせても、実施形態の照射ターゲットが使用可能であることが理解される。
【0017】
図2〜
図6は、本出願と同日に出願され、全内容が参考として本出願に取り入れられている名称「CABLE DRIVEN ISOTOPE DELIVERY SYSTEM」の同時係属出願第XX/XXX,XXX号に記載されている実施形態の照射ターゲットを原子炉内部へ送り込むための関連システムを示した図である。実施形態の照射ターゲット保持装置は、
図2〜
図6に示される関連システムと共に使用可能であるが、実施形態の照射ターゲット保持装置と組み合わせて他の送り出しシステムが使用されてもよいことが理解される。
【0018】
図2は、実施形態の照射ターゲットを原子炉圧力容器10(
図1)の中へ送り込むために計装管50を使用してもよい関連するケーブル駆動同位体送り出しシステム1000を示す。ケーブル駆動同位体送り出しシステム1000は、照射ターゲットを挿入/取り出し領域2000から原子炉圧力容器10の計装管50へ搬送し且つ/又は原子炉圧力容器10の計装管50を挿入/取り出し領域2000へ搬送することが可能であってもよい。
図2に示されるように、ケーブル駆動同位体送り出しシステム1000はケーブル1000、管200a、200b、200c及び200d、駆動機構300、第1のガイド400及び/又は第2のガイド500を含んでもよい。管200a、200b、200c及び200dは、ケーブル100をそれらの管の中に滑り込ませることができるような大きさ及び構成を有してもよい。従って、管200a、200b、200c及び200dは、ケーブル駆動同位体送り出しシステム1000の1つの場所からケーブル駆動同位体送り出しシステム1000の別の場所へケーブル100を案内するように機能してもよい。例えば、管200a、200b、200c及び200dは、格納構造411(
図1)の外側のある場所から格納構造411の内側の計装管50の中のある場所までケーブル100を案内してもよい。
【0019】
ケーブル100の一実施例が
図3及び
図4に示される。実施例のケーブル100は、1)相対的に長い駆動部分110及び2)ターゲット部分120の少なくとも2つの部分を有してもよい。ケーブル100の駆動部分110は、アルミニウム、ケイ素及び/又はステンレス鋼などの核反応断面積が小さい材料から製造されてもよい。ケーブル100の屈曲を更に容易にし且つリールなどにケーブル100を巻き付けられるようにケーブル100の可撓性及び/又は強度を向上するために、ケーブル100の駆動部分110は編組ケーブルであってもよい。ケーブル100を曲げるのは容易であるが、ケーブル100を座屈させずに管200a、200b、200c及び/又は200dに挿入できるように、ケーブル100は更に軸方向に十分な剛性を有してもよい。
【0020】
図4に示されるように、実施例のケーブル100のターゲット部分120は、複数の実施形態の照射ターゲット122を含んでもよい。ターゲット部分120は駆動部分110の第1の端部114に装着されてもよい。照射ターゲットの材料、実施形態の照射ターゲット122の大きさ及び形状、ターゲットが暴露される放射線の量及び/又は計装管50の構造を含むいくつかの要因に応じて、ターゲット部分120は種々の長さを有してよい。一例として、ターゲット部分120は約12フィートの長さであってもよい。
【0021】
図3及び
図4を参照すると、ターゲット部分120は、ターゲット部分120の第1の端部127に第1のエンドキャップ126を含み且つターゲット部分120の第2の端部129に第2のエンドキャップ128を含んでもよい。第1のエンドキャップ126は駆動部分110の第1の端部114に装着されるように構成されてもよい。第1のエンドキャップ126及び駆動部分110の第1の端部114は、急速脱着接続部を形成してもよい。例えば、第1のエンドキャップ126は雌ねじ126aを有する中空部分を含んでもよい。駆動部分110の第1の端部114は、第1のエンドキャップ126の雌ねじ126aと嵌合するように構成された雄ねじを有するコネクタ113を含んでもよい。
図3及び
図4に示される実施例の接続部は螺合接続部として説明されるが、当業者には、ケーブル100のターゲット部分120をケーブル100の駆動部分110に接続する他の種々の方法が実現可能だろう。
【0022】
操作員は、ケーブル100を所望の目的場所、例えば、挿入/取り出し領域2000と計装管50との間の場所まで進めるように第1のガイド400及び第2のガイド500を構成してもよい。
【0023】
第1のガイド400及び第2のガイド500を構成した後、ケーブル100の駆動部分110の第1の端部114を挿入/取り出し領域200に配置するために、操作員は、管200a、第1のガイド400及び第2の管200bを通してケーブル100を進入させるように駆動システム300を操作してもよい。操作員は、ケーブル100と嵌合する駆動システム300のウォーム歯車を制御することにより、ケーブル100を進入させてもよい。ケーブル100に付されたマーク116によって、ケーブル100の駆動部分110の第1の端部114の場所を追跡してもよい。あるいは、駆動システム300に接続された変換器から収集される情報に基づいて、ケーブル100の駆動部分110の第1の端部114の位置を知ってもよい。
【0024】
ケーブル100が挿入/取り出し領域2000に位置決めされた後、以下に実施形態の照射ターゲットに関連して説明されるように、実施形態の照射ターゲット122はケーブル100に接続されてもよい。操作員は、ケーブルを挿入/取り出し領域2000から管200b及び第1のガイド400を通して引っ張るように駆動システム300を操作してもよい。次に、ケーブル100及び実施形態の照射ターゲット122を原子炉圧力容器100へ送り込むために、操作員は第1のガイド400を再構成してもよい。第1のガイド400が再構成された後、操作員は第3の管200c、第2のガイド500及び第4の管200dを通してケーブル100を所望の計装管50の中へ進入させてもよい。ケーブル100に付されたマーク116によって、ケーブル100の駆動部分110の第1の端部114の場所を追跡してもよい。あるいは、例えば、ウォーム歯車に接続された変換器から収集される情報に基づいて、ケーブル100の駆動部分110の第1の端部114の場所を知ってもよい。
【0025】
実施形態の照射ターゲット122が装着されたケーブル100が計装管50の中の適切な場所に進入した後、操作員は計装管50の中でケーブル100を停止してもよい。この時点で、照射ターゲット122は原子炉の中で適正な時間照射されてもよい。照射後、計装管50、第4の管200d、第2のガイド500、第3の管200c及び/又は第1のガイド400からケーブル100を引き抜くために、操作員は駆動システム300を操作してもよい。
【0026】
ケーブル100の駆動部分110の第1の端部114及び実施形態の照射ターゲット122を挿入/取り出し領域2000に挿入するために、操作員は、第1のガイド400及び第2の管200bを通してケーブル100を進めるように駆動システム300を操作してもよい。実施形態の照射ターゲット122はケーブル100から取り外され、搬送用キャスク又は別の所望の場所に格納されてもよい。照射済みターゲット122を適切に遮蔽するために、搬送用キャスクの一実施例は鉛、タングステン及び/又は劣化ウランから製造されてもよい。操作員が動作中に機器を目視検査できるように挿入/取り出し領域2000に配置されるカメラを使用することにより、実施形態の照射ターゲット122の脱着を容易にしてもよい。
【0027】
別の送り出しシステムは、従来のトランスバースインコアプローブ(TIP)システムの使用を含む。従来のTIPシステム3000は
図5に示される。
図5に示されるように、TIPシステム3000は、ケーブル3100を駆動する駆動システム3300、駆動システム3300とチャンバシールド3400との間の管3200a、チャンバシールド3400と弁3600との間の管3200b、弁3600とガイド3500との間の管3200c及びガイド3500と計装管50との間の管3200dを含んでもよい。ケーブル3100は、先に
図2〜
図4を参照して説明したケーブル100に類似していてもよい。従来のTIPシステム3000のガイド3500は、TIPセンサを所望の計装管50の中へ案内してもよい。チャンバシールド3400は、鉛ペレットで充填された樽に類似していてもよい。チャンバシールド3400は、TIPセンサが原子炉圧力容器10で利用されない場合にTIPセンサを格納してもよい。弁3600はTIPシステムと共に利用される安全機能である。
【0028】
TIPシステムはケーブル100を計装管50の中まで案内する管系3200a、3200b、3200c及び3200d及び/又はガイド3500を含むので、それらのシステムは実施形態の照射ターゲット122の送り出し機構として使用されてもよい。
【0029】
図6は、変形TIPシステム4000を含む送り出しシステムの一実施例を示す。
図6に示されるように、変形TIPシステム4000は
図5に示される従来のTIPシステム300に類似し、従来のTIPシステム3000のチャンバシールド壁3400と弁3600との間にガイド4100が挿入される。ガイド4100は、例えば、ケーブル100などのケーブルを変形TIPシステム4000に挿入するための導入場所として機能してもよい。
図6に示されるように、変形TIPシステム4000の駆動機構3300と平行に駆動機構300(
図2)が配置されてもよい。駆動機構300は、ケーブル100が巻き付けられるケーブル保管リール320を含んでもよい。管200aは、駆動機構3300から、ケーブル100を所望の場所へ誘導するガイド400まで延出してもよい。変形TIPシステム4000の第1のガイド400は、ケーブル100を第2のガイド500(
図2)まで誘導する取り出し場所を有するのではなく、ケーブル100をガイド4100まで誘導するように構成されてもよい。従って、第1のガイド400は、ガイド4100を介してケーブル100を変形TIPシステム4000の管まで誘導してもよい。
【0030】
ケーブル100は、実施例の送り出しシステムの既存の管と共に機能し且つ実施形態の照射ターゲット122の通過を可能にするような大きさに形成される。例えば、管3200a、3200bなどの内径は約0.3インチであってもよい。従って、ケーブル100は、ケーブル100の横方向寸法が0.3インチを超えないような大きさに形成されてもよい。
照射ターゲットの実施形態
送り出しシステムの実施例を説明したので、次に送り出しシステムと共に使用可能な照射ターゲットの実施形態を説明する。実施例のターゲット装置は先に説明した実施例の送り出しシステムと相互に作用するように構成され/大きさを規定され/形状を規定されるなどしてもよいが、実施形態のターゲットを原子炉内部で照射するために、ターゲットが他の送り出しシステム及び他の方法において使用されてもよいことが理解される。
【0031】
図7は、実施形態の照射ターゲット122a、122b及び122cを示した図である。
図7に示されるように、照射ターゲット122a、122b及び122cは、先に説明した実施例の送り出し装置と関連して
図4に示されるいくつかの特徴を伴って使用可能であり且つ/又は
図4に示されるいくつかの特徴と置き換えられてもよい。特に、ターゲット部分120は、ターゲット部分120の一端の第2のエンドキャップ128の代わりに実施形態の照射ターゲット122aを含んでもよい。ターゲット部分120は、駆動部分110(
図3)に接続するための雌ねじ126aが形成されたエンドキャップ126を有する第1の端部127の代わりに、実施形態の照射ターゲット122cを更に含んでもよい。あるいは、第2のエンドキャップ128及び/又は第1のエンドキャップ126が設けられ、実施形態の照射ターゲット122a、122b及び122cと共に使用可能であってもよい。
【0032】
図8〜
図10を参照して、実施形態の照射ターゲット122a、122b及び122cを以下に個別に説明する。種々の実施形態の照射ターゲット122a、122b、122cは、中性子束に暴露された場合に所望の娘生成物に変換する1つ以上の材料からそれぞれ製造されるか又はそのような材料を含んでもよい。照射ターゲットは放射性同位体を生成する目的で照射されるターゲットである。従って、原子炉により照射され且つ放射性同位体を生成する場合もあるセンサは、放射性同位体の生成ではなく原子炉の状態を検出することを目的としているので、本明細書において使用される場合の用語「ターゲット」の範囲内に含まれない。
【0033】
生成される放射性同位体の種類及び濃度を判定するために、照射ターゲット122a、122b及び122cの材料及び計装管50内部における暴露時間の長さが選択されてもよい。すなわち、動作中の原子炉内部における軸方向中性子束レベルはわかっており、実施形態では、実施例の送り出し装置で使用される照射ターゲット122の軸方向位置を精密に制御できるので、生成される放射性同位体及びその濃度を判定するために、照射ターゲット122の種類及び大きさ並びに暴露時間が使用されてもよい。従来の崩壊及び断面積のグラフを参照することにより、特定の量の中性子束に暴露された場合にどの種類の照射ターゲット122が所望の放射性同位体を生成するかは当業者には周知である。更に、動作中の商業炉の炉心内部の既知の軸方向位置で発生する中性子束に有益な影響を及ぼすように又は中性子束を妨害しないように、中性子吸収断面積に基づいて照射ターゲット122が選択されてもよい。
【0034】
例えば、特定の量の中性子束に暴露された場合、モリブデン‐98は約2.7日の半減期を有するモリブデン‐99に変換することが知られている。更に、モリブデン‐99は、約6時間の半減期を有するテクネチウム‐99mに崩壊する。テクネチウム‐99mは、医療分野で撮像及び癌診断を含むいくつかの特殊な用途に使用され、半減期は短期間である。モリブデン‐98から製造され且つ照射ターゲット122の大きさに基づいて動作中の原子炉の中で中性子束に暴露された照射ターゲット122を使用して、Mo‐98を含む照射ターゲットの質量、動作中の原子炉の炉心におけるターゲットの軸方向位置、動作中の炉心の軸方向プロファイル及び照射ターゲットの暴露時間の長さを判定することにより、実施形態の構体及び方法においてモリブデン‐99及び/又はテクネチウム‐99mが生成され且つ回収されてもよい。更に、Mo‐98及びTc‐99mは共に固体であるので、液体又は気体状のターゲット及び娘生成物の場合に必要とされるような追加の格納構造を必要とせずに、実施形態のターゲット全体がMo‐98又は天然モリブデンから製造されてもよい。例えば、イリジウム/プラチナを含めて他の固体ターゲット/固体娘生成物の組み合わせも、追加の格納構造を必要とせず且つ最大限のターゲット/娘生成物質量を実現できるという利点を有する。
【0035】
図8は、一実施形態の照射ターゲット122aを示した図である。実施形態の照射ターゲット122aは、従来の原子炉で使用される計装管50(
図1)に挿入可能であり且つ/又は送り出しシステムで使用される任意の管を通り抜けられる寸法を有する。例えば、照射ターゲット122aは1インチ以下の最大外径を有してもよい。同様に、一定の最大外径/周長を有するターゲット部分120(
図7)を形成するように、照射ターゲット122aは他の照射ターゲット122b及び122cとほぼ等しい最大外径/周長を有してもよい。実施形態の照射ターゲット122aは円筒形であってもよい。あるいは、実施形態の照射ターゲット122aは、球体、六面体、円錐及び/又は三角柱を含む種々の適正に寸法を規定された形状であってもよい。
【0036】
実施形態の照射ターゲット122aは、穴123a及び先細部分125aを含む。穴123aは照射ターゲット122aを貫通し、実施例の保持装置のワイヤ124(
図7)又は別の接合機構が穴を貫通して照射ターゲット122aを保持できるような位置及び直径を有する。穴123aの大きさは、捕捉されたワイヤ124に沿って実施形態の照射ターゲット122aが自在に摺動可能であるか又は静止位置で捕捉されたワイヤ124に照射ターゲット122aが摩擦によって接合するように規定されてもよい。
【0037】
先細部分125aは、ターゲット部分120(
図7)に関して実施形態の照射ターゲット122aの前端に配置される。先細部分125aは滑らかであり、ターゲット部分120の前端が楔形になるように穴123aまで又は穴123aの手前まで所望の角度で傾斜していてもよい。先細部分125aは、実施例の送り出しシステムの管及び計装管50にターゲット部分120を通しやすいような形状に形成され且つターゲット部分120の前端に配置される。先細部分125aは、ターゲット部分120が管又は計装管50を通って進入する間に管及び計装管50に引っかかるか又は挟まる危険を軽減又は防止してもよい。
【0038】
実施形態の照射ターゲット122aは1つ以上の丸形縁部又は面取り縁部121aを更に含んでもよい。縁部121aは、実施例の送り出し装置の管を強く屈曲させたような場合に縁部又は突起部が外側の管又は計装管50に引っかかるか又は擦れ合うと思われる任意の場所で丸形に形成されるか、面取りされるか又は他の方法により滑らかな形状に形成されてもよい。実施形態の照射ターゲット122aは、実施例の送り出し装置及び/又は計装管50の管の屈曲部を通る動きを更に容易にするような全長を有してもよい。引っかからずに屈曲部を通り抜けるために、照射ターゲット122aは、例えば、約1/2〜1インチの全長を有してもよい。
【0039】
図7に示されるように、実施形態の照射ターゲット122aはワイヤ124の前端に配置されてもよい。前端の先細部分125aの形状を維持し且つ任意の管及び計装管50を通り抜けるターゲット部分120の動きを容易にするために、例えば、穴123aで照射ターゲット122aを捕捉し且つワイヤ124に対する照射ターゲット122aの動きを摩擦によって阻止することにより、実施形態の照射ターゲット122aはこの位置でワイヤ124に静止接合されてもよい。あるいは、ターゲット部分120の前端の先細部分125aの形状を維持するために、実施形態の照射ターゲット122aは他の照射ターゲット122b/c及び/又は駆動部分110に接合されてもよい。更に、以下に説明するように、ターゲット部分120の前端の先細部分125aの形状を維持するために、実施形態の照射ターゲット122aを固着する別の機構が使用されてもよい。
【0040】
図9は、照射ターゲット122bの一実施形態を示した図である。実施形態の照射ターゲット122bは、従来の原子炉で使用される計装管50(
図1)に挿入可能であり且つ/又は送り出しシステムで使用される任意の管を通り抜けられる寸法を有する。例えば、照射ターゲット122bは0.3インチ以下の最大外径を有してもよい。同様に、一定の最大外径/周長を有するターゲット部分120(
図7)を形成するように、照射ターゲット122bは他の照射ターゲット122a及び122cとほぼ等しい最大外径/周長を有してもよい。実施形態の照射ターゲット122bは円筒形であってもよい。あるいは、実施形態の照射ターゲット122bは球体、六面体、円錐及び/又は三角柱を含む種々の適正に寸法を規定された形状であってもよい。
【0041】
実施形態の照射ターゲット122bは1つ以上の丸形縁部又は面取り縁部121bを更に含んでもよい。実施例の送り出し装置の管を強く屈曲させたような場合に縁部又は突起部が外側の管又は計装管50に引っかかるか又は管と擦れ合う任意の場所で、縁部121bは丸形に形成されるか、面取りされるか又は他の方法により滑らかな面に形成されてもよい。実施形態の照射ターゲット122bは、実施例の送り出し装置の管及び/又は計装管の屈曲部を通る動きを更に容易にするような全長を有してもよい。引っかからずに屈曲部を通り抜けるために、照射ターゲット122bは、例えば、約1/2〜1インチの全長を有してもよい。
【0042】
実施形態の照射ターゲット122bは穴123bを含む。穴123bは照射ターゲット122bを貫通し、実施例の保持装置のワイヤ124(
図7)又は別の接合機構が穴を貫通して照射ターゲット122bを保持できるような位置及び直径を有する。穴123bの大きさは、捕捉されたワイヤ124に沿って実施形態の照射ターゲット122bが自在に摺動可能であるか又は静止位置で捕捉されたワイヤ124に照射ターゲット122bが摩擦によって接合できるように規定される。
【0043】
図10は、照射ターゲット122cの一実施形態を示した図である。実施形態の照射ターゲット122cは、従来の原子炉で使用される計装管50(
図1)に挿入可能であり且つ/又は送り出しシステムで使用される任意の管を通り抜けられる寸法を有する。例えば、照射ターゲット122cは約0.3インチ以下の最大外径を有してもよい。同様に、一定の最大外径/周長を有するターゲット部分120(
図7)を形成するように、照射ターゲット122cは他の照射ターゲット122a及び122b又は第1のエンドキャップ126とほぼ等しい最大外径/周長を有してもよい。実施形態の照射ターゲット122cは円筒形であってもよい。あるいは、実施形態の照射ターゲット122cは、球体、六面体、円錐及び/又は三角柱を含む種々の適正に寸法を規定された形状であってもよい。
【0044】
実施形態の照射ターゲット122cは、1つ以上の丸形縁部又は面取り縁部121cを更に含んでもよい。実施例の送り出し装置の管が強く屈曲されたような場合に縁部又は突起部が外側の管又は計装管50に引っかかるか又は管と擦れ合う危険を防止又は軽減するために、縁部121cは任意の場所で丸形に形成されるか、面取りされるか又は他の方法により滑らかな面に形成されてもよい。実施形態の照射ターゲット122cは、実施例の送り出し装置の管及び/又は計装管50の屈曲部を通る動きを更に容易にするような全長を有してもよい。引っかからずに屈曲部を通り抜けるために、照射ターゲット122cは例えば、約1/2〜1インチの全長を有してもよい。
【0045】
実施形態の照射ターゲット122cは穴123cを含む。穴123cは照射ターゲット122cを貫通してもよく、実施例の保持装置のワイヤ124(
図7)又は別の接合機構が穴を貫通して照射ターゲット122cを保持できるような位置及び直径を有する。実施形態の照射ターゲット122cは、照射ターゲット122cの駆動部分110(
図3)への接続を可能にする雌ねじ126a又は他の接合機構を更に含んでもよい。更に、雌ねじ126a又は接着剤、溶接、雄ねじファスナなどの他の接合機構を使用して照射ターゲット122cが駆動部分110に接合された場合、照射ターゲット122cがターゲット部分120を実施例の送り出しシステムの駆動部分110に固着できるように、穴123cからワイヤ124が引き出されて、穴123cに固着されてもよい。ワイヤ124自体が照射ターゲット材料から製造されている場合、照射後、所望の娘生成物に変換された時点で、実施例の照射ターゲット122a、122b及び122c並びにワイヤ124を含むターゲット部分全体が駆動部分110から取り外され、回収されてもよい。
【0046】
図7に示されるように、1つ以上の実施形態の照射ターゲット122a/b/cがワイヤ124に通されてもよい。
図7において、管及び計装管50を介する照射ターゲット122の挿入及び取り出しの際の引っかかり及び摩擦の軽減を容易にするために、実施形態は前端にターゲット122aを有し、中央部分に1つ以上のターゲット122bを有し且つ後端で駆動部分110に接合されたターゲット122cを有するものとして示され且つ説明されているが、実施形態の照射ターゲット122a/b/cの他の順序、組み合わせ及び追加構造の介在も全て同等に可能であることが理解される。
【0047】
ターゲット部分120における照射ターゲットの位置を維持するために、実施形態の照射ターゲット122a/b/cはワイヤ124に通されるものとして示される。実施形態の照射ターゲット122の位置及び/又は順序を確保するために、いくつかの他の代替接合機構が実現されてもよいことが理解される。例えば、実施形態の照射ターゲット122a/b/cに示される穴123a/b/cは、雌ねじ126aにより螺合されてもよいし、あるいは照射ターゲット122a/b/cにワイヤ124を接合し且つ/又は照射ターゲット122a/b/cにワイヤ124を通すことを可能にする他の内側形状を有してもよい。あるいは、動作中の原子炉の計装管50の内部の条件にさらされた場合に接着特性を維持するように調製された接着剤により、実施形態のターゲット122a/b/cが一体に保持されてもよい。
【0048】
図11に示されるように、ワイヤ124は1つ以上の保持部分124aを更に含んでもよい。保持部分124aは、保持部分124aの場所でワイヤ124の横断面を拡張させるワイヤ124中の座金又は節を含んでもよい。実施形態の照射ターゲット122a/b/cは、ワイヤ124に関して照射ターゲット122a/b/cを静止状態で保持するように保持部分124aを実施形態の照射ターゲット122a/b/cの中に捕捉させる穴123a/b/cの拡大部分を更に含んでもよい。照射ターゲット122a/b/cをワイヤ124に関して静止状態で保持するために、保持部分124aは照射ターゲット122a/b/cの間に配置されてもよい。
【0049】
このように、1つ以上の照射ターゲット122は、
図2〜
図6に示される照射ターゲットのように、送り出しシステムに挿入/接合され、計装管50の中へ順次送り出されて照射されてもよい。実施形態の照射ターゲット122の場合、計装管50にいくつかの種類の異なる照射ターゲット122を挿入可能である。いくつかの実施形態の照射ターゲット122は計装管50の中の厳密な軸方向高さに挿入されてもよいので、計装管50の中のある特定の軸方向高さで照射ターゲット122の量/種類を更に厳密に規定できる。動作中の原子炉の軸方向中性子束プロファイルはわかっているので、実施形態の照射ターゲット保持装置に挿入された照射ターゲット122において、有用な放射性同位体を更に精密に生成し且つ測定することが可能になる。本発明の実施形態及び方法において、いくつかの異なる放射性同位体が生成されてもよい。本発明の実施形態及び方法は、商業炉の動作停止、高価な処理、並びに危険で長時間を要する同位体処理及び/又は化学的抽出処理の必要なく、生成される放射性同位体の半減期と比較して相対的に迅速に短期間のうちに放射性同位体を生成し且つ収集できるという独自の利点を有する。本発明の装置及び方法によって、診断及び/又は治療に応用される短期間放射性同位体を生成可能であるが、工業用放射性同位体及び/又は半減期の長い放射性同位体が生成されてもよい。
【0050】
本発明の実施形態を説明したが、日常的な実験作業を通して、更なる発明的活動の必要なく実施形態が変形されてもよいことは当業者には理解されるであろう。変形は実施形態の精神及び範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、当業者には自明であると考えられるそのような全ての変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図する。