【文献】
厚生労働省,平成22年度診療報酬改定,日本,2010年 3月 5日,URL,http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken12/index.html
【文献】
厚生労働省,本文,平成22年厚生労働省告示第69号,日本,2010年 3月 5日,URL,http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-007.pdf
【文献】
厚生労働省,画像診断,平成22年厚生労働省告示第69号,日本,厚生労働省,2010年 3月 5日,URL,http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-014.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について
図1〜
図9に基づいて説明する。
図1に示す医用情報システム100は、本発明における医用情報システムの実施の形態の一例であり、本発明に係る読影レポートシステムを含む。
【0012】
前記医用情報システム100は、HIS(Hospital Infomation System)1とRIS(Radiology Information System)サーバ(Server)2とがゲートウェイ(Gateway)装置3を介して接続されている。前記RISサーバ2は、読影端末4、読影レポートサーバ5、医用画像サーバ6及びモダリティ(Modality)7とネットワーク(Network)8を介して接続されている。
【0013】
前記HIS1は、特に図示しないがHIS端末を有し、このHIS端末により、主治医は医用画像の撮影を依頼(検査依頼)しようとする案件(撮影依頼案件)の情報、すなわち撮影依頼情報を入力する。例えば、撮影依頼情報には、患者の氏名、ID、依頼医の氏名、撮影モダリティ等の情報が含まれる。また、前記HIS端末において、主治医は撮影依頼を行なうことができ、医用画像について作成された読影レポートを見ることができる。
【0014】
前記RISサーバ2には、前記HIS1から前記ゲートウェイ装置3を介して入力される撮影依頼情報等が記憶される。
【0015】
前記RISサーバ2に記憶された撮影依頼情報は、前記ネットワーク8を介して前記読影レポートサーバ5及び前記医用画像サーバ6に記憶される。また、この医用画像サーバ6には、前記モダリティ7で撮影された医用画像のデータが、前記撮影依頼情報と対応付けて記憶される。
【0016】
ちなみに、前記RISサーバ2、前記読影レポートサーバ5及び前記医用画像サーバ6は、サーバとして公知の構成を有しており、前記読影レポートサーバ5のみについて後述する。
【0017】
前記モダリティ7としては、例えば核医学診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、一般X線撮影装置などが前記ネットワーク8に接続されている。
【0018】
前記読影端末4は、汎用型のパーソナルコンピュータ(Personal Computer)であり、
図2に示すように、入力部41、CPU(Central Processing Unit)42、モニタ(monitor)43、通信インターフェース44を有している。ただし、
図2においては、本実施例において主要な構成のみが図示され、コンピュータとして公知の構成については説明を省略する。
【0019】
前記入力部41は、キーボード(keyboard)やマウス(mouse)などからなる。前記CPU42は、図示しない記憶部に記憶されたプログラムを読み出して、前記読影端末4における各種の機能を実行する。このCPU42は、
図2に示すように、表示制御部421を有する。この表示制御部421は、前記CPU42が実行する機能の一例として、前記モニタ43に画像を表示させる機能を実行する(表示制御機能)。前記表示制御部421による表示制御機能としては、例えば後述の判定部521による判定結果(
図9のカラー表示CG)を前記モニタ43に表示させる機能などが挙げられる。前記表示制御部421は、本発明における表示制御部の実施の形態の一例である。また、前記表示制御機能は、本発明における表示制御部の実施の形態の一例である。
【0020】
前記モニタ43には、例えば読影レポートを作成する際に、後述するように撮影依頼案件のリストL(
図6参照)や、読影レポート作成画面(
図7参照)などが表示される。前記モニタ43は、本発明におけるモニタの実施の形態の一例である。
【0021】
また、前記読影レポートサーバ5は、
図3に示すように、記憶部51、CPU52及び通信インターフェース(Interface)53とを有している。前記記憶部51は、本発明における記憶部の実施の形態の一例であり、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリなどで構成される。
【0022】
前記記憶部51には、医用画像の撮影依頼案件についての情報が記憶される。この撮影依頼案件についての情報としては、前記撮影依頼情報のほか、読影レポートのステータス情報や医用画像の撮影日の情報などの読影レポートに関わる情報が含まれる。これら読影レポートのステータス情報や医用画像の撮影日の情報は、診療報酬を得るために必要な条件に関する情報であり、具体的には、医用画像に対する読影レポートと関わる診療報酬である上述の「画像診断管理加算2」の施設基準の条件に関する情報である。
【0023】
ちなみに、読影レポートのステータス情報とは、例えば読影レポート作成中、読影レポートの承認待ち、読影レポートの承認済み(最終確定済み)などの情報である。
【0024】
また、前記記憶部51には、撮影依頼案件のリストLや読影レポートが記憶される。撮影依頼案件のリストLと読影レポートとは対応付けて記憶される。
【0025】
さらに、前記記憶部51には、前記読影レポートサーバ5における各種の機能を実行させるプログラムが記憶されている。
【0026】
前記CPU52は、前記記憶部51に記憶されたプログラムを読み出して、前記読影レポートサーバ5における各種の機能を実行する。前記CPU52は、
図3に示すように判定部521を有する。この判定部521は、前記CPU52が実行する機能の一例として、前記記憶部51に記憶された情報に基づいて、撮影依頼案件について診療報酬を得るために必要な条件を満たすか否かを判定する(判定機能)。前記判定部521は、本発明における判定部の実施の形態の一例であり、前記判定機能は、本発明における判定機能の実施の形態の一例である。
【0027】
前記判定部521において判定される前記条件は、診療報酬のうち、医用画像の診断の業務に関する条件である。本例では、診療報酬の加算を得るために必要な条件であり、上述の「画像診断管理加算2」の施設基準の条件である。詳細は後述する。
【0028】
次に、前記医用情報システム100における作用について
図4に基づいて説明する。先ず、
図4に示すステップS1において、前記HIS1から前記ゲートウェイ装置3を介して、前記RISサーバ2へ撮影依頼情報が出力される。撮影依頼情報は、主治医が前記HIS端末において撮影依頼の操作を行なうことにより出力される。そして、ステップS2では、前記RISサーバ2に記憶された撮影依頼情報が、前記読影レポートサーバ5及び医用画像サーバ6に記憶される。より詳細には、前記撮影依頼情報は、前記ネットワーク8を介して先ず前記読影レポートサーバ5の前記記憶部51に記憶される。そして、前記読影レポートサーバ5において、前記撮影依頼情報に基づいて、撮影依頼案件のリストLが作成され前記記憶部51に記憶される。
【0029】
さらに、前記記憶部51に記憶された前記撮影依頼情報は、前記通信インターフェース53から前記ネットワーク8を介して前記医用画像サーバ6に出力され、この医用画像サーバ6の記憶部(図示省略)に記憶される。ただし、前記撮影依頼情報は、前記RISサーバ2から前記医用画像サーバ6に直接記憶されてもよい。
【0030】
次に、ステップS3では、撮影依頼案件について、前記モダリティ7において医用画像の撮影を行なう。得られた医用画像のデータは、前記ネットワーク8を介して前記医用画像サーバ6に記憶される。この医用画像サーバ6において、前記医用画像のデータは、前記撮影依頼情報と関連付けて記憶される。前記医用画像サーバ6には前記医用画像のデータと関連付けて撮影日の情報も記憶される。撮影日の情報は、前記読影レポートサーバ5の記憶部51にも記憶される。
【0031】
次に、ステップS4では、前記読影端末4において読影医による読影レポートの作成が行なわれる。このステップS4の処理について、
図5のフローチャートに基づいて説明する。
図5のステップS41においては、読影医により、読影レポート作成開始の操作が前記読影端末4の入力部41においてなされると、
図6に示すように、前記読影端末4の表示制御部421が、前記モニタ43に撮影依頼案件のリストLを表示させる。このリストLは、前記読影レポートサーバ5の記憶部51から前記通信インターフェース53及び前記ネットワーク8を介して前記読影端末4に入力される。
【0032】
前記リストLにおいては、一行につき、一件分の撮影依頼案件の情報が表示される。撮影依頼案件の情報としては、読影レポートの作成状況を示すレポートステータス、撮影日時、患者ID、患者名、撮影のモダリティなどの情報が表示される。
【0033】
前記ステップS41で表示される前記撮影依頼案件のリストLとしては、例えば撮影日などを絞ったリストが表示できるようになっている。従って、読影医によって、表示させたい撮影日などが入力されると、入力された撮影日における撮影依頼案件のリストLが表示される。このリストLにおいては、診療報酬を得るために必要な条件が満たされているか否かが分かる表示がされる。詳細は後述する。
【0034】
次に、ステップS42では、読影医は、前記撮影依頼案件のリストLの中から読影レポートの作成対象を選択する。具体的には、読影医が前記入力部41のマウス等を用いて前記モニタ43に表示されたカーソル(図示省略)を移動させ、所望の撮影依頼案件を指示することにより、読影レポートの作成対象の選択が行なわれる。
【0035】
前記ステップS42において読影レポートの作成対象が選択されると、ステップS43では、
図7に示すように、前記表示制御部421は、選択された撮影依頼案件についての読影レポートの作成画面G1を前記モニタ43に表示させる。
【0036】
前記読影レポートの作成画面G1において、X11は患者の氏名、IDなどの患者情報や撮影モダリティ、撮影日などの情報が表示される欄、X12は所見を記入する所見欄、X13は診断内容を記入する診断欄である。また、X14は診断においてキーとなる画像が添付される画像欄、X15は患者の氏名、身長、体重、血液型などの患者情報、撮影部位などの撮影情報、過去の読影レポートを選択するための画面が表示される欄である。
【0037】
次に、ステップS44では、前記読影端末4において、読影医が読影レポートの作成を行なう。具体的には、先ず前記表示制御部421は、前記医用画像サーバ6に記憶された医用画像を前記モニタ43に表示させる。次に、読影医は、前記入力部41を用いて、読影レポートの作成画面G1において、所見欄X12や診断欄X13の内容を記入したり、診断においてキーとなる画像を画像欄X14に添付したりして、読影レポートを作成する。作成された読影レポートは、前記読影レポートサーバ5の記憶部51に記憶される。
【0038】
ちなみに、前記記憶部51には、前記読影レポートのステータス情報も適宜記憶される。
【0039】
次に、ステップS45では、読影レポートの最終確定の操作を行なう。例えば、読影レポートを作成した担当の読影医とは異なる読影医により、別の読影端末4において承認操作がされることにより、読影レポートが最終確定される。読影レポートの最終確定の操作がなされると、前記読影レポートサーバ5の記憶部51において、前記読影レポートのステータス情報が最終確定のステータスに更新される。
【0040】
次に、ステップS46では、読影レポートの最終確定が主治医に通知される。具体的には、前記読影端末4において最終確定の操作がされると(前記ステップS45)、読影レポートの最終確定の情報が、前記読影レポートサーバ5から前記RISサーバ2及び前記ゲートウェイ装置3を介して前記HIS1に入力される。これにより、前記HIS1における端末を用いて、主治医は前記読影レポートサーバ5にアクセスし、前記記憶部51に記憶された読影レポートを見ることができるようになる。
【0041】
ステップS46において読影レポートの最終確定が主治医に通知されると、ステップS4の処理が終了し、ステップS5の処理へ移行する。ステップS5では、主治医が前記HIS1の端末に読影レポートを表示させて内容を確認する。そして、主治医は治療方針の決定等を行なう。
【0042】
次に、ステップS42で、前記リストLにおいて、診療報酬を得るために必要な条件が満たされているか否かが分かる表示をするための処理について、
図8に基づいて説明する。ここでは、診療報酬を得るために必要な条件は、「画像診断管理加算2」の施設基準である「核医学診断及びコンピュータ断層撮影診断のうち、少なくとも八割以上のものの読影結果が、画像診断を専ら担当する常勤の医師により遅くとも撮影日の翌診療日までに主治医に報告されていること」の条件であるものとする。そして、この条件が満たされているか否かが分かる表示として、
図9に示すように、前記リストLにカラー(color)表示CGが表示される。このカラー表示CGは、読影レポートが最終確定されていない撮影依頼案件の行を色づけした表示である。以下、具体的な処理について詳細に説明する。
【0043】
先ず、ステップS411では、前記読影レポートサーバ5の判定部521が、前記記憶部51に記憶された撮影依頼案件の中から、撮影日が、読影レポートの作成を行なっている日の一日前の診療日(前診療日)であり、なおかつ撮影モダリティが核医学診断又はコンピュータ断層診断である撮影依頼案件を抽出する。前記判定部521は、前記記憶部51に記憶された撮影日の情報と撮影モダリティの情報とを参照して、ステップS411の抽出を行なう。このステップS411で抽出された撮影依頼案件の数をAとする。
【0044】
次に、ステップS412では、前記判定部521は、前記ステップS411において抽出された撮影依頼案件の中から読影レポートが最終確定されていないもの(前記ステップS45の処理が終了していないもの)を抽出する。前記判定部521は、前記記憶部51に記憶された読影レポートのステータス情報を参照して、ステップS412の抽出を行なう。このステップS412で抽出された撮影依頼案件の数をBとする。
【0045】
次に、ステップS413では、前記判定部521は、前記ステップS411で抽出された撮影依頼案件の数Aに対する前記ステップS412で抽出された撮影依頼案件の数Bの割合C、すなわちC=B/A(ちなみに、C≦1.0)を算出する。そして、ステップS414では、前記判定部521は、前記割合Cが0.2を超えているか否かを判定し、前記ネットワーク8を介して判定結果を前記読影端末に出力する。
【0046】
前記ステップS414において前記割合Cが0.2を超えている場合(C>0.2)、ステップS415の処理へ移行する。前記割合Cが0.2を超えている場合、「画像診断管理加算2」の前記条件が満たされていない状態である。
【0047】
一方、前記ステップS414において前記割合Cが0.2以下である場合(C≦0.2)、ステップS416の処理へ移行する。前記割合Cが0.2以下である場合、「画像診断管理加算2」の前記条件が満たされている状態である。
【0048】
前記ステップS415では、前記判定部521の判定結果が入力された前記読影端末4の表示制御部421は、前記リストLにおいて、読影レポートが最終確定されていない撮影依頼案件の行に、前記カラー表示CGを表示させる。このカラー表示CGは、前記「画像診断管理加算2」の前記条件が満たされていないことを示す表示であり、前記判定部521による判定結果の表示の一例である。読影医は、前記カラー表示CGが表示された撮影依頼案件を選択して読影レポートを作成する。
【0049】
前記ステップS415においてカラー表示CGが表示されると、再びステップS414へ戻る。そして、所定のタイミングでこのステップS414の判定処理が行なわれた後、前記ステップS415又は前記ステップS416の処理へ移行する。所定のタイミングとは、例えば予め設定された所定時間毎でもよいし、上述のステップS45において読影レポートの最終確定が行なわれたタイミングであってもよい。
【0050】
一方、前記ステップS416では、前記表示制御部421は前記カラー表示CGを表示させず、前記リストLをそのままの表示とする。
【0051】
以上説明した本例によれば、前診療日に撮影された撮影依頼案件のうち、読影レポートの最終確定がなされていないものが八割に満たない場合、前記読影端末4のモニタ43に前記カラー表示CGが表示される(前記ステップS415)。従って、読影医は「画像診断管理加算2」の施設基準のうち、日々の業務の中で注意することが求められる条件である、翌診療日までの読影結果の報告件数が八割以上になっていることが満たされているか否かを容易に把握することができる。また、前記カラー表示CGにより、読影医は、読影レポートを作成すべき撮影依頼案件を直感的に把握することができる。
【0052】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、前記表示制御部421は、診療終了時間の所定時間前になった時に、前記カラー表示CGの色を変えてもよい。例えば、前記表示制御部421は、前記カラー表示CGを黄色で表示させておき、診療終了時間の2時間前になると、赤色で表示させてもよい。これにより、読影医は、診療終了時間が近づいているにも拘わらず、前記「画像診断管理加算2」の施設基準を満たしていないことを認識することができる。
【0053】
ちなみに、前記カラー表示CGの色を変えるタイミングは、前記読影端末4などにおいて入力して設定することができるようになっていてもよい。
【0054】
また、前記表示制御部421は、診療終了時間の所定時間前になった時に、診療終了時間が迫っていることを認識させるためのメッセージを前記モニタ43に表示させてもよい。
【0055】
さらに、前記判定部521は、前診療日に撮影が行なわれた撮影依頼案件の数Aに対する読影レポートが最終確定されている撮影依頼案件の数D(D=A−B)の割合E(E=D/A)を算出してもよい。そして、前記表示制御部421が、
図10に示すように、割合Eの百分率(%)を、前記モニタ43の割合表示欄X16に表示させるようにしてもよい。
【0056】
前記割合Eは、撮影依頼案件のリストLが表示された画面に表示されてもよい。