(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被包装物を貯留する貯留部と、前記貯留部より被包装物投入口を介して供給された被包装物を容積計量する計量部と、前記計量部にて計量された被包装物を包装材料に充填する充填部とを具備してなる自動包装機の充填装置において、
前記計量部は、
前記被包装物投入口を介して前記貯留部内の被包装物が投入される分別マスが穿孔され、直線方向にスライド移動可能な分別基板と、
前記分別基板の下方位置に配置され、前記分別マス内の被包装物が投入される計量マスが前記被包装物投入口に対して垂直方向に重ならない位置に穿孔される計量基板と、
を有してなり、
前記計量マスは、前記分別マスの容積よりも小さくなるように形成され、
前記分別基板をスライド移動させることで、前記分別マスにて分別された所定量の被包装物を前記計量マスに投入して容積計量することを特徴とする自動包装機の充填装置。
前記分別基板は、前記分別マスが前記被包装物投入口と連通され前記計量マスと遮断される状態と、前記分別マスが前記計量マスと連通され前記被包装物投入口と遮断される状態とに切換移動される請求項1に記載の自動包装機の充填装置。
前記分別基板は、前記計量基板と摺接可能な下水平面が形成され、該下水平面に平面視山型に形成された溝部が凹設される請求項1又は請求項2に記載の自動包装機の充填装置。
前記貯留部と分別基板との離間を塞ぐように配設され、前記被包装物投入口が穿孔される連結基板が設けられる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自動包装機の充填装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、発明を実施するための形態を説明する。
【0018】
まず、本実施例の充填装置11を用いた自動包装機100の全体構成について、以下に概説する。なお、以下の実施例において、
図1の矢印X方向を自動包装機100の上下方向、矢印Z方向を自動包装機100の前後方向、
図2の矢印Y方向を自動包装機100の左右方向とする。
【0019】
図1及び
図2に示すように、本実施例の自動包装機100は、長尺状の包装材料1を供給経路Rに沿って間欠的に供給しながら、一度に複数のスティックタイプの包装体(製品)を得る多列式の自動包装機として構成されている。具体的には、包装材料1の送り出し速度を制御する送り出し装置10と、被包装物Mを貯留して計量充填する充填装置11と、包装材料1を複数本に切断するスリッター装置12と、包装材料1を長手方向に沿って二つ折り成形する成形シュート13と、二つ折り成形された包装材料1を縦シール及び横シールして充填装置11より供給される被包装物Mを密封包装する縦シール装置14及び横シール装置15と、被包装物Mが密封包装された包装材料1を裁断して包装体を得るカッター装置16等とで構成されている。
【0020】
自動包装機100の機体後方下部には、ロール状の包装材料1を支持するリール17が配設され、リール17に支持されたロール状の包装材料1は、送り出し装置10により送り出し量を制御されながら供給経路Rの下流方向へと送り出される。機体後方上部には、スリッター装置12が配設され、リール17より送り出された包装材料1が移動されながら成形シュート13の列数(本実施例では6列)に合わせて幅の狭い複数本(本実施例では6本)に切断される。
【0021】
スリッター装置12にて切断された包装材料1は、機体前方上部に配設された対応する成形シュート13へとそれぞれ移送される。成形シュート13は、切断された包装材料1を長手方向に沿って二つ折り成形するために、上部で広く、かつ下部では狭く絞った面部材として形成されており、表面に沿って包装材料1が連続的に通過されることで、包装材料1が水平断面視にてU字状に二つ折り成形される。
【0022】
成形シュート13の上方位置には、本実施例の充填装置11が配設されており、後述するように充填装置11にて容積計量された被包装物Mが、成形シュート13に落下供給され、成形シュート13を介して二つ折り成形された包装材料1内へと充填される。なお、充填装置11については、詳細を後述する(
図3等参照)。
【0023】
成形シュート13の下方位置には、二つ折り成形された包装材料1を縦シール及び横シールする縦シール装置14及び横シール装置15が配設されている。成形シュート13にて二つ折り成形された包装材料1は、縦シール装置14により合わせ縁部が縦シールされてチューブ状態とされ、縦シール装置14の下方位置に配設された横シール装置15により横シールされて有底状態とされる。そして、充填装置11から被包装物Mが断続的に成形シュート13を介して有底状態の包装材料1内へ供給され、さらに長手方向へと送り出された包装材料1の上辺が横シールされることで被包装物Mが密封包装される。
【0024】
本実施例の自動包装機100では、機体本体に対して横シール装置15が上下方向に昇降移動可能に設けられ、横シール装置15が包装材料1を横シールした状態で下降移動することで包装材料1が長手方向へと間欠的に送り出される。すなわち、横シール装置15にて横シールされた包装材料1は、成形シュート13を介して被包装物Mが充填され、同時に、横シール装置15にて把持された状態のままで包装体一個分に相当する距離だけ下方に移動されることで引き出しが行われる。そして、横シール装置15が上方に復帰作動されて再度包装材料1が横シールされることで、被包装物Mが密封包装される。
【0025】
横シール装置15の下方位置には、カッター装置16が配設されており、カッター装置16にて被包装物Mが密封包装された包装材料1が横シール箇所の中央部分で直線カット(切断)されることで、スティックタイプの包装体が連続的に得られる。なお、カッター装置16にて切断された包装体は、カッター装置16の下方位置に配設された排出シュート18を介して排出される。
【0026】
次に、本実施例の充填装置11の構成について、以下に詳述する。
図3乃至
図9に示すように、本実施例の充填装置11は、被包装物Mを貯留する貯留部としてのホッパー20と、ホッパー20より被包装物投入口23aを介して供給された被包装物Mを容積計量する計量部21と、計量部21にて計量された被包装物Mを包装材料1に充填する充填部としての接続シュート22等とを具備してなり、計量部21にてホッパー20内の被包装物Mを所定量分別した後に容積計量して、接続シュート22より包装材料1に充填するように構成されている。
【0027】
図3、
図5及び
図6に示すように、ホッパー20は、内部空間に被包装物Mを貯留するとともに、底部の開口部20aより被包装物Mが計量部21に落下供給される。本実施例のホッパー20は、成形シュート13の上方に左右方向に渡って一つの開口部20aが形成されており、内部に貯留された被包装物Mは、開口部20aより後述する連結基板23に穿孔された被包装物投入口23aを介して計量部21に供給される。
【0028】
図3乃至
図7に示すように、計量部21は、ホッパー20と連結され被包装物投入口23aが穿孔される連結基板23と、被包装物投入口23aを介してホッパー20内の被包装物Mが投入される分別マス24aが穿孔される分別基板24と、分別基板24の下方位置に配置され、分別マス24a内の被包装物Mが投入される計量マス25aが穿孔される計量基板25と、計量マス25aを開閉させるシャッター装置26と、分別基板24をスライド移動させるスライド移動装置27と、計量マス25aの容積V3を調整する計量マス調整装置28等と、を有してなり、分別基板24をスライド移動させることで、分別マス24aにて分別された所定量の被包装物Mを計量マス25aに投入して容積計量するように構成されている。
【0029】
連結基板23は、断面門型状に形成された長板状部材であって、ホッパー20と後述する分別基板24との離間を塞ぐようにして配設されており、具体的には、上面に開口部20aを塞ぐようにしてホッパー20が取り付けられ、内部空間に分別基板24が配設されている(
図6参照)。連結基板23は、両端部にて自動包装機100の支持フレーム101に配設された取付部材30と接続され、この連結基板23を介して充填装置11が自動包装機100に固定される。また、連結基板23の両端部には、上方及び側方を覆うようにしてカバー部材31・31が取り付けられており、カバー部材31によって後述する連結基板23の開口部23bやガイド機構32等が外部に露出しないように囲繞されている。
【0030】
連結基板23の長手方向略中央部には、成形シュート13の列数に合わせて複数(本実施例では6個)の被包装物投入口23a・23a・・・が長手方向に沿って所定の離間を隔てて等間隔に穿孔されている。各被包装物投入口23a・23a・・・は、平面視略矩形の同形状に形成され、連結基板23の上面にホッパー20が取り付けられた状態で、ホッパー20の開口部20aと連通されている。ホッパー20内の被包装物Mは、一つの開口部20aを介して各被包装物投入口23a・23a・・・へ振り分けられて投入される。
【0031】
分別基板24は、断面矩形状に形成された長板状部材であって、連結基板23の下方位置であって、連結基板23の内部空間に配設されている。具体的には、分別基板24には、連結基板23と摺接可能な上水平面24bと、後述する計量基板25と摺接可能な下水平面24dとが形成され、連結基板23の内側面に上水平面24bが当接され、かつ下水平面24dにて計量基板25と当接された状態で、連結基板23の内部空間に配設されている(
図6参照)。このように、分別基板24は、摺接面である上水平面24bを介して連結基板23に当接し、かつ下水平面24dを介して計量基板25に当接した状態で後述するスライド移動装置27により長手方向に沿って直線方向にスライド移動される。
【0032】
分別基板24の両端部には、分別基板24を移動方向に沿うようにガイドする一組のガイド機構32・32が設けられている。ガイド機構32は、分別基板24の上水平面24bに配設されたガイド部材32aと、連結基板23に形成された開口部23bに配置されたガイドレール32b等とで構成されている。ガイド部材32aは、分別基板24より上方に向けて突出され、ガイドレール32bと摺動可能に係合される。ガイドレール32bは、直線状に延出された棒状部材であって、開口部23bの上方を跨ぐようにして橋設された支持部材32cに取り付けられ、分別基板24の移動方向に沿うように配置される。
【0033】
このように本実施例の充填装置11では、計量部21にガイド機構32・32が設けられているため、スライド移動装置27により分別基板24がスライド移動される際に、ガイド部材32aがガイドレール32bに沿って摺動されて、分別基板24を安定して直線方向にスライド移動させることができる。
【0034】
分別基板24の長手方向略中央部には、被包装物投入口23a・23a・・・と対応する数(本実施例では6個)の分別マス24a・24a・・・が長手方向に沿って所定の離間を隔てて等間隔に穿孔されている。各分別マス24a・24a・・・は、平面視略矩形の同形状に形成され、被包装物投入口23aを介してホッパー20内の被包装物Mが投入される。分別マス24a内の被包装物Mは、後述するスライド移動装置27にて分別基板24がスライド移動されることで、計量基板25に穿孔される計量マス25aに投入される。
【0035】
分別マス24aは、容積V2が被包装物投入口23aの容積V1と同じか又は小さくなるように形成されている(V1≧V2)。このように、分別マス24aが被包装物投入口23aの容積と同じか又は小さくなるように形成されることで、被包装物投入口23aを介してホッパー20内の被包装物Mを分別マス24a内に充分に充填することができる。
【0036】
分別基板24の下水平面24dには、分別マス24aの開口部近傍位置に平面視山型に形成された溝部33・33・・・が凹設されている(
図7参照)。溝部33は、下水平面24dの長手方向に沿って所定の離間を隔てて凹設され、分別マス24a(の開口部)に対向する一方の側壁に、分別基板24の短手方向中央部に位置するように形成された一つの頂部33aと、頂部33aを中心に分別基板24の短手方向縁部に向けて延出されて平面視ハ字型に傾斜された一対の傾斜部33b・33bが形成されている。分別基板24が計量基板25に当接した状態では、分別基板24と計量基板25との離間に溝部33にて空間が形成される。
【0037】
計量基板25は、平面視略矩形状に形成された長板状部材であって、分別基板24の下方位置に配設され、連結基板23の内部空間を下方から塞ぐようにして連結基板23の下端部に取り付けられている。計量基板25は、連結基板23に取り付けられた状態で、連結基板23の内部空間に配設された分別基板24の下水平面24dが当接されている。
【0038】
計量基板25の長手方向略中央部には、被包装物投入口23a・23a・・・及び分別マス24a・24a・・・と対応する数(本実施例では6個)の計量マス25a・25a・・・が長手方向に沿って所定の離間を隔てて等間隔に穿孔されている。各計量マス25a・25a・・・は、平面視略矩形に形成され、後述するスライド移動装置27にて分別基板24がスライド移動されることで、分別マス24a内の被包装物Mが計量マス25aに投入される。計量マス25a内の被包装物Mは、後述するシャッター装置26にて計量マス25aが開口されることで接続シュート22へと投入される。
【0039】
計量マス25aは、容積V3が分別マス24aの容積V2より小さくなるように形成されている(V2>V3)。このように計量マス25aの容積V3が分別マス24aの容積V2より小さくなるように形成することで、分別マス24aより投入される被包装物Mを計量マス25aに確実に充填させることができる。なお、分別マス24aより計量マス25aに投入された被包装物Mの内、計量マス25aより溢れた余剰の被包装物Mは分別基板24がスライド移動される際に、分別基板24の下水平面24dによりマス切りされて取り除かれる(
図10参照)。
【0040】
本実施例の計量基板25は、計量マス25aが上述した被包装物投入口23aに対して垂直方向に重ならない位置、すなわち、計量マス25aの配置が被包装物投入口23aの配置に対して水平方向に位相がずれ、平面視において重複しない位置に穿孔される(
図4、
図5等参照)。具体的には、本実施例の充填装置11では、平面視において被包装物投入口23a・23a・・・と計量マス25a・25a・・・とが交互に相互の離間に位置するように穿孔され、平面視において隣接する被包装物投入口23aと計量マス25aとが重ならないように所定の離間を有するように位置されている。
【0041】
図3及び
図6に示すように、シャッター装置26は、計量基板25の下方位置に配設されるシャッター基板34と、シャッター基板34を直線方向に往復動させるシャッター移動装置35・35等とで構成されている。シャッター基板34は、平面視長板状の部材に形成され、計量基板25の下方位置であって計量基板25の下面に当接された状態で配設されている。シャッター移動装置35・35は、機体の左右方向に配設され、支持フレーム101に配設された取付部材30にそれぞれ固定されている。シャッター装置35には機体前後方向(
図1における矢印Z方向)に直線移動可能な連結リブ35aが接続されており、この連結リブ35aにシャッター基板34が取り付けられている。
【0042】
本実施例の充填装置11では、シャッター装置26にて、シャッター移動装置35の連結リブ35aが機体前後方向に往復動されることで、シャッター基板34が連動して移動され、シャッター基板34により計量マス25aが閉止された状態と開口された状態とに切り換えられる(
図6参照)。すなわち、シャッター基板34が計量マス25aの直下に位置して計量マス25aが閉止された状態で、上述した分別マス24a内の被包装物Mが計量マス25aに充填される(後述する
図10(b)参照)。一方、後述するように分別マス24aが計量マス25aと遮断され、シャッター移動装置35にてシャッター基板34が計量マス25aの直下を遮らない位置に移動されて計量マス25aが開口された状態で、計量マス25a内の被包装物Mが接続シュート22へと落下供給される(後述する
図10(d)参照)。
【0043】
図3乃至
図5及び
図8に示すように、スライド移動装置27は、棒状に延出された移動ロッド27aを直線方向に進退動させるシリンダ装置(エアシリンダ)として構成されており、移動ロッド27aの進退動により分別基板24を直線方向に往復動させるように構成されている。移動ロッド27aは、連結部材36を介して連結基板23に固定されたシリンダ27bより突出され、シリンダ27bに内設されたピストンが往復動されることで進退動される。移動ロッド27aの突出端部は、連結基板23より側方に突出された分別基板24の一方の端部(
図5において左側端部)に配設された連結ブロック27cに連結されている。
【0044】
本実施例の充填装置11では、スライド移動装置27にて移動ロッド27aが直線方向に往復動されることで、分別基板24が連動して移動され、具体的には、分別マス24aが被包装物投入口23aと連通され計量マス25aと遮断される状態(以下、かかる状態にあるときの分別基板24の停止位置を「充填位置」という)と、かかる充填位置に対して直線方向にスライド移動されて、分別マス24aが計量マス25aと連通され被包装物投入口23aと遮断される状態(以下、かかる状態にあるときの分別基板24の停止位置を「投入位置」という)とに連続して切換移動されるように構成されている。
【0045】
すなわち、
図5に示すように、分別基板24が機体右側位置(充填位置)で停止された状態で、被包装物投入口23aの下方位置に分別マス24aが位置されて被包装物投入口23a及び分別マス24aの間が内部連通可能とされるとともに、計量基板25(の上面)にて分別マス24aが閉止される。このとき、計量マス25aは、分別基板24の下水平面24d(及び溝部33)にて閉止される。かかる構成とすることで、ホッパー20内の被包装物Mが被包装物投入口23aを介して分別マス24aに充填され、分別マス24aに投入された被包装物Mが計量マス25aに漏出することはない。
【0046】
一方、
図8に示すように、分別基板24が充填位置より直線方向にスライド移動されて機体左側位置(投入位置)で停止された状態で、計量マス25aの上方位置に分別マス24aが位置されて分別マス24a及び計量マス25aの間が内部連通可能とされるとともに、分別基板24(の上水平面24b)にて被包装物投入口23aが閉止されるように構成される。このとき、被包装物投入口23aは、分別基板24(の上水平面24b)にて閉止される。かかる構成とすることで、分別マス24a内の被包装物Mが計量マス25aに投入され、被包装物投入口23a内の被包装物Mが分計量マス25aに漏出することがない。
【0047】
図9に示すように、分別マス24aは、長手方向開口幅L2が被包装物投入口23aの長手方向開口幅L1と同じか又は小さくなるように形成され(L1≧L2)、計量マス25aは、長手方向開口幅L3が分別マス24aの長手方向開口幅L2より小さくなるように形成される(L2>L3)。長手方向開口幅L1〜L3は、分別基板24の移動方向(
図2における矢印Y方向)に対応した各被包装物投入口23a、分別マス24a及び計量マス25aの開口寸法のことである。
【0048】
本実施例では、被包装物投入口23a、分別マス24a及び計量マス25aの長手方向開口幅L1〜L3がそれぞれ上述の関係となるように構成されるため、分別基板24において、充填位置と投入位置との間で往復動される(片道の)移動距離Dは、少なくとも被包装物投入口23aの長手方向開口幅L1の半分の長さL4と、計量マス25aの長手方向開口幅L3の半分の長さL5とを加えた長さよりも大きくなるように構成されている(D>(L4+L5))。
【0049】
図3、
図4及び
図6に示したように、計量マス調整装置28は、計量マス25aの容積V3を調節可能に構成され、計量基板25の外側面より計量マス25a内に挿入される調整ロッド37と、調整ロッド37の挿入量を調整するつまみ38等とで構成されている。調整ロッド37は、計量基板25に対して機体前方に突出される軸部37aと、軸部37aの先端部に形成され、計量マス25a内に挿入されるブロック部37bとで構成されている。ブロック部37bは、計量マス25a内で前後方向に移動されることで計量マス25aの開口面積が可変調整されて、計量マス25aの容積V3が変更される。
【0050】
つまみ38は、機体前方に突出された調整ロッド37の軸部37aが螺挿され、所定方向に回転操作されることで、調整ロッド37が前後方向(
図1における矢印Z方向)に沿って進退動される。具体的には、計量基板25に軸部37aが挿入される方向につまみ38が操作されると、計量マス25a内でブロック部37bが後方に移動されて計量マス25aの容積V3が減少され、一方、計量基板25より軸部37aが突出される方向につまみ38が操作されると、計量マス25a内でブロック部37bが前方に移動されて計量マス25aの容積V3が増大される。
【0051】
このように、本実施例の充填装置11では、計量マス25aの容積V3を調整可能とする計量マス調整装置28が設けられるため、被包装物Mの種類や包装材料1への充填量に応じて容積計量の際の設定値としての計量マス25aの容積V3を容易に変更して調整することができる。
【0052】
図3及び
図5に戻って、接続シュート22は、計量基板25と成形シュート13との離間に、長手方向に沿って所定の離間を隔てて等間隔に配設されている。接続シュート22は、成形シュート13の列数に合わせて複数(本実施例では6個)より構成され、各接続シュート22において、上部開口部が対応する計量マス25aの直下方に位置され、下方開口部が対応する成形シュート13内に挿入されている。計量部21にて容積計量された被包装物Mは、計量マス25aを介して接続シュート22に供給され、接続シュート22より成形シュート13に落下供給されて包装材料1に充填される。
【0053】
次に、
図10を参照しながら本実施例の充填装置11の動作方法について、以下に詳述する。
【0054】
本実施例の充填装置11では、まず、スライド移動装置27にて分別基板24が充填位置(
図5参照)に位置された状態では、分別マス24aが被包装物投入口23aと連通されるとともに計量マス25aとは遮断されるため、ホッパー20内の被包装物Mが連結基板23の被包装物投入口23aを介して分別マス24aに投入され、分別マス24a内に被包装物Mが充填される(
図10(a))。
【0055】
かかる状態から、スライド移動装置27にて分別基板24がスライド移動されて投入位置(
図8参照)に位置されると、分別マス24aが計量マス25aと連通されるとともに被包装物投入口23aと遮断されるため、分別マス24a内に充填された被包装物Mが計量マス25aに投入される。このとき、シャッター基板34により計量マス25aが閉止されるため、計量マス25a内に被包装物Mが充填される(
図10(b))。このようにして、ホッパー20内の被包装物Mが分別マス24aにて分別され、分別マス24a内の所定量の被包装物Mが計量マス25aに投入される。
【0056】
次いで、スライド移動装置27にて分別基板24がスライド移動されて充填位置(
図5参照)に戻されると、ホッパー20内の被包装物Mが連結基板23の被包装物投入口23aを介して分別マス24aに再び投入される。分別基板24が投入位置から充填位置に切換移動される際には、計量マス25aより溢れた余剰の被包装物Mが分別基板24の下水平面24dによりマス切りされ、計量マス調整装置28にて設定された計量マス25aの容積値にて被包装物Mが容積計量される(
図10(c))。このようにして、本実施例の充填装置11では、スライド移動装置27にて分別基板24が一往復スライド移動される間に計量マス25aにて被包装物Mが容積計量される。
【0057】
そして、計量マス25a内の被包装物Mは、シャッター基板34が移動されて計量マス25aが開口されることで、計量マス25aより接続シュート22へと落下供給されて、成形シュート13を介して包装材料1に充填される(
図10(d))。
【0058】
以上のように、本実施例の充填装置11は、被包装物Mを貯留するホッパー20と、ホッパー20より被包装物投入口23aを介して供給された被包装物Mを容積計量する計量部21と、計量部21にて計量された被包装物Mを包装材料1に充填する接続シュート22とを具備してなる自動包装機100の充填装置11において、計量部21は、被包装物投入口23aを介してホッパー20内の被包装物Mが投入される分別マス24aが穿孔され、直線方向にスライド移動可能な分別基板24と、分別基板24の下方位置に配置され、分別マス24a内の被包装物Mが投入される計量マス25aが被包装物投入口23aに対して垂直方向に重ならない位置に穿孔される計量基板25と、を有してなり、分別基板24をスライド移動させることで、分別マス24aにて分別された所定量の被包装物Mを計量マス25aに投入して容積計量するように構成されるため、被包装物Mの計量精度を高め、設定量の被包装物Mを包装材料1へと確実に充填できるのである。
【0059】
すなわち、本実施例の充填装置11は、ホッパー20内の被包装物Mを、分別マス24aに一旦供給して所定量に分別した後、かかる分別マス24aにて分別された所定量の被包装物Mを計量マス25aに投入して容積計量するものであり、ホッパー20内の被包装物Mを計量マス25aへと直接に落下投入する構成と比べて、計量マス25aに充填する際の被包装物Mの自重の影響を大幅に低減することができ、被包装物Mの計量精度を高めることができる。そのため、被包装物Mの種類や包装材料1への充填量(計量マスへの投入量)を変更しても、被包装物Mの自重の影響を低減して計量誤差をなくし、設定量の被包装物Mを正確に容積計量することができる。また、被包装物Mの計量精度が高められる結果、設定量の被包装物Mを包装材料1に確実に充填することができ、かかる充填装置11を用いた自動包装機100において高品質の包装体を得ることができる。
【0060】
特に、本実施例の充填装置11は、分別基板24が、分別マス24aが被包装物投入口23aと連通され計量マス25aと遮断される状態と、分別マス24aが計量マス25aと連通され被包装物投入口23aと遮断される状態とに切換移動されるため、分別基板24をスライド移動させるだけで、分別マス24aによる被包装物Mの分別と計量マス25aによる被包装物Mの容積計量とを連続して行うことができる。
【0061】
また、本実施例の分別基板24は、計量基板25と摺接可能な下水平面24dが形成され、該下水平面24dに平面視山型に形成された溝部33が凹設されるため、分別基板24がスライド移動される際に、分別マス24aにより分別された被包装物Mを計量マス25aへと確実に供給することができるとともに、計量マス25aより溢れた余剰の被包装物Mを確実にマス切りして容積計量の精度を向上できる。また、下水平面24dに溝部33が設けられることで、分別基板24と計量基板25との僅かな離間に入り込んだ被包装物Mも溝部33を介して取り除くことができ、被包装物Mの計量精度をより高めることができる。特に、溝部33において平面視山型に形成されることで、分別基板24がスライド移動される際に、溝部33の空間内で飛散する微小の被包装物Mも寄せ集めて計量マス25a内に充填できるため、被包装物Mの計量誤差をより低減することができる。
【0062】
また、本実施例の充填装置11は、ホッパー20と分別基板24との離間を塞ぐように配設され、被包装物投入口23aが穿孔される連結基板23が設けられるため、ホッパー20内の被被装物Mを機外に漏出することなく分別基板24の分別マス24aへと投入することができるため、被包装物Mの粉漏れによる装置汚染を低減して、メンテナンス作業を軽減することができる。また、分別基板24には、かかる連結基板23と摺接可能な上水平面24bが形成されるため、分別基板24がスライド移動される際に、分別マス24aにより分別された被包装物Mを計量マス25aへと確実に供給することができる。
【0063】
なお、充填装置11の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0064】
特に、上述した実施例では、被包装物投入口23aが穿孔された連結基板23が計量部21に設けられる構成について説明したが、かかる連結基板23の配置構成についてはこれに限定されず、例えば、充填部としてのホッパー20側に形成され、開口部20aと被包装物投入口23aとが連通されるように一体形成された充填部として構成されてもよい。かかる構成では、ホッパー20に設けられた被包装物投入口23aを介して、ホッパー20内の被包装物Mが計量部21の分別基板24(分別マス24a)へと供給される。
【0065】
また、上述した実施例では、被包装物投入口23a、分別マス24a及び計量マス25aの相互の関係について、長手方向開口幅に関する関係(L1≧L2>L3)に説明しているが(
図9参照)、短手方向開口幅についても同様の関係となるように形成される。ただし、被包装物投入口23a、分別マス24a及び計量マス25aの長手方向開口幅、短手方向開口幅、及び開口高さは、相互の容積に関する関係(V1≧V2>V3)を満たす範囲で適宜設定することができる。
【0066】
なお、上述した実施例の自動包装機100は、同時に6列にて充填包装可能に構成されているが(
図2等参照)、同時に充填包装可能な列数はこれに限定されず、包装材料1の幅に応じて任意に設定することが可能である。