【課題を解決するための手段】
【0013】
この要求には、独立請求項に従った、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース、グラフィカル対話システム、コンピュータ・システム、データ処理プログラム、およびコンピュータ・プログラムを介する、タグの対話型視覚化に関する方法によって対処することができる。
【0014】
一実施形態によれば、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介したタグの対話型視覚化のための方法が提供される。この方法は、
−現行のストレージを備えた現行のコンピュータ・システムを提供すること、
−第2のストレージを備えた第2のコンピュータ・システムを提供すること、
−対話側グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に、現行のコンピュータ・システムを表す中央円形ディスクを備えた球体と、中央円形ディスクの上または下に平行に配置され、第2のコンピュータ・システムを表す、球体の一部としての第2の円形ディスクとを、表示すること、
−対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に、現行のストレージ内に格納されたリソースを表す現行のタグを表示することであって、現行のタグは中央円形ディスクの表面上に表示可能である、現行のタグを表示すること、
−対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に、第2のストレージ内に格納されたリソースを表す第2のタグを表示することであって、第2のタグは第2の円形ディスクの表面上に表示可能である、第2のタグを表示すること、
を含むことができる。
【0015】
他の実施形態によれば、グラフィカル対話システムが提供される。グラフィカル対話システムは、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に、現行のストレージを備える現行のコンピュータ・システムを表す、中央円形ディスクを備えた球体を表示するように適合され、ならびに、第2のストレージを備える第2のコンピュータ・システムを表す、第2の円形ディスクを球体の一部として表示するように適合された、表示ユニットを備えることが可能であり、第2の円形ディスクは中央円形ディスクの上または下に平行に配置することが可能であり、表示ユニットは、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に、現行のストレージ内に格納されたリソースを表す現行のタグを表示するようにさらに適合することが可能である。現行のタグは中央円形ディスクの表面上に表示することが可能であり、表示ユニットは、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に、第2のストレージ内に格納されたリソースを表す第2のタグを表示するようにさらに適合することが可能であって、第2のタグは第2の円形ディスクの表面上に表示可能である。
【0016】
特に、グラフィカル対話システムはコンピュータ・システムの一部とすることができる。
【0017】
詳細な説明
対話型視覚化のための方法において、タグという用語は、具体的にはカテゴリ用語として使用することができる。加えて、この方法は2つの円形ディスクに限定されるものではない。2つより多くのディスクを、2つより多くのコンピュータ・システムを表す球体の一部として表示することができる。1つの同じコンピュータの異なる部分を、円形ディスクで表すことが可能な場合もある。仮想マシンなどの論理システムを、円形ディスクで表すことが可能な場合もある。したがって、物理コンピュータ・システムと円形ディスクとの間に1対1の関係が存在しなければならないという意味での制限は、存在しないものとしてよい。
【0018】
対話型視覚化のためのこの方法を、従来の階層型ファイル・システムの表示を時代遅れなものとし、これを前述のような視覚化に置き換える、スマートフォン向けのユーザ・インターフェースとして使用することが可能な場合もある。特に前述のタグは、コンピュータ・システム、スマートフォン、あるいは他の携帯または固定のコンピュータまたはストレージ・システム上で、テキスト・ファイル、写真ファイル、任意の種類のグラフィック・ファイル、音楽ファイル、ビデオ・ファイルなどのリソースを表すことができる。タグは、手動で、あるいは、リソースの名前、たとえばテキスト文書のタイトルなどのリソース内のタイトル、またはリソースの意味解析によって生成されたタグを使用するような、自動タグ付け方法によって、生成することができる。
【0019】
球体上に表示されるタグをクリックして、ユーザをリソースへ誘導し、リソースを表示することができる。
【0020】
特に現行システムは、ユーザによって実際に使用されるコンピュータ・システム、または、ユーザがログイン可能な、たとえば電子コンテンツ管理システムなどのコンピュータ・システムとすることができる。したがって、ユーザの前にある物理システムは、シン・クライアントまたは移動デバイスとすることもできる。
【0021】
より具体的に言えば、グラフィカル・ユーザ対話システム上に表示される球体は、異なる円形ディスクに対して異なる色または陰影付けを使用すること、および、完全な球体または単なる単一の円形ディスクを陰影付けすることが可能である。
【0022】
本明細書との関連においては、以下の表現規則に従っている。
【0023】
タグ− タグという用語は、コンピュータに格納されたリソースを示すことができる。ストレージは、情報を格納できるいかなるデバイスであってもよい。タグは、通常、ワールド・ワイド・ウェブの概念におけるハイパーリンクを表す。したがって、個人の関心領域を表すクラウド・タグ、すなわち専用タグ・クラウドが存在可能である。あるいは他方で、タグ・クラウドが、あるユーザ・グループにとって関心のあるキーワードのジョイント・プールを表すことができるように、ユーザ・コミュニティによってタグ・クラウド、すなわち公開タグ・クラウドを生成することができる。この異なるタグは、たとえばネットワークに接続されたストレージまたは仮想マシンなどの、異なるコンピュータまたはストレージ・システム上の異なるリソースを表すことができる。
【0024】
球体− 球体とは、ボール、球、または単に球形物体とも呼ばれる、3次元の物体を示すことができる。そのいずれかの軸を中心に、対称に回転可能である。しかしながら、楕円形物体も、球体という用語の分類に入れることができる。
【0025】
円形ディスク− 円形ディスクという用語は、球体を、球体の垂直対称軸に対して水平にスライスすることによって生成可能な、ディスクを示すことができる。円形ディスクは、それらそれぞれの高さで球体のより上またはより下の極に配置されるほど、小さくなる可能性がある。論理的には、球体が極近くに位置するほど、その高さはゼロ高さに近づくという意味で、極は特異性(singularities)があるものとすることができる。
【0026】
リソース− リソースと言う用語は、たとえば、コンピュータ・システム、ストレージ・システム、ネットワーク・デバイスなどの、コンピュータ・ネットワークのノード内に格納された、任意の情報リソースを示すことができる。リソースは、情報を格納するように配置構成された、コンピュータ・システム、スマートフォン、あるいは、他の携帯または固定のコンピュータまたはシステム上で、格納されたテキスト・ファイル、写真ファイル、任意の種類のグラフィック・ファイル、音楽ファイル、ビデオ・ファイルの形を有することができる。
【0027】
擬似回転(quasi-rotating)とは、ユーザに実際の回転を錯覚させることができるような、表示された要素の動きを示すことができる。しかしながら、要素は球体の表面上を移動することができる。実世界の幾何学規則は適用できない。これは特に、球体が表示システムを水平に通るx軸を中心に回転しているという印象を生じさせるが、円形ディスクは、スライスド球体の円形ディスクの法線ベクトルに関して、それらの向きを維持することができる、擬似回転の場合に当てはまる。したがって円形ディスクは、単にy軸として法線ベクトルの位置合わせを失うことなく、垂直軸に対して「単に」上または下に移動することができる。
【0028】
対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェースおよび関連付けられたグラフィカル対話システムを介した、ユーザ関心モデルの対話型視覚化に関する前述の方法は、何らかの利点を与えることができる。利点の1つは、ユーザに対する単一タグの異なる関連性を差別化するために、単に色およびフォント・サイズを使用するクラウド・タグの2次元表現の制限を克服することにあるものとすることができる。
【0029】
ネットワーク内のコンピュータおよびストレージ・システムなどの相互に関連するストレージ・リソース、ならびにストレージ・リソース上に格納された情報リソースの球形表現により、ユーザは、ますます増加するタグ・クラウドを介したより良いナビゲーション、ならびに、ストレージ・リソースを介して分散された情報のより良い管理およびアクセス最適化を実行することができる。
【0030】
一実施形態では、この方法は、中央円形ディスクの回転対象軸を通る第1の軸を中心に球体を回転させること、および、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に、中央円形ディスクの表面上の現行ストレージ内に格納されたリソースを表す1つまたは複数のタグを表示すること、を含むことが可能であり、1つまたは複数のタグは、第1の軸を中心とした球体の回転によって可視となる。
【0031】
特に、この回転は、コンピュータ・キーボード上での特別なキー・ストロークによって、またはポインティング・デバイスを使用することによって、達成可能である。たとえば、コンピュータ・マウスなどのポインティング・デバイスのポインタを、球体縁部の左側または右側に配置することで、球体を左回転または右回転させることができる。回転速度も調節可能である。
【0032】
他の実施形態では、この方法は、第1の軸に対して垂直に球体の中心を通る第2の軸を中心に球体を擬似回転させること、ならびに、この擬似回転によって中央円形ディスクおよび第2の円形ディスクを球体上で上または下に移動すること、それによって、中央円形ディスクおよび第2の円形ディスクを水平に整列させ、第1の軸に対して垂直に維持することを、含むことができる。
【0033】
このように、円形ディスクの表面は可視ゾーンを離れることがない。円形ディスクの可視表面は、球体の極方向に上または下に移動するだけである。これによって、円形ディスクの高さを低くすることができる。その結果、特に、円形ディスクの表面上に表示されるタグのフォント・サイズが小さくなる。一定のしきい値未満では、タグはこれ以上表示されない場合がある。さらに、円形ディスクを球体の極方向へ移動させるほど、隣接する円形ディスクに関して視覚的にもはや差別化されなくなる。各極、すなわち球体の北極および南極は、極を超えて円形ディスクを移動できないという点で、数学的特異性を表すことができると言えよう。回転対称軸は、常に、ディスプレイの上から下へ通るy虚軸(imaginary y-axis)に対して平行である。
【0034】
特に、中央円形ディスクは、球体の可視部分上で上および下に移動する。中央円形ディスクより下または上の円形ディスクは、中央円形ディスクに応じて移動することができる。
【0035】
さらに他の実施形態では、この方法は、第3のストレージを有する第3のコンピュータ・システムを表す第3の円形ディスクを、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示すること、および、第3のストレージ内に格納されたリソースを表す第3のタグを、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示することを含むことが可能であり、第3のタグは第3の円形ディスクの表面上に表示される。この方法は、第4のストレージを有する第4のコンピュータ・システムを表す第4の円形ディスクを、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示すること、および、第4のストレージ内に格納されたリソースを表す第4のタグを、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示することをさらに含むことが可能であり、第4のタグは第4の円形ディスクの表面上に表示される。
【0036】
すべての円形ディスクは互いに平行に配置構成可能であり、それらの平面上のそれらの法線ベクトルは、すべて平行とすることができる。しかしながら、この上下運動によって、「回転運動のようなもの」すなわち擬似回転の錯覚が生み出される。
【0037】
球体の代わりに、他の形状も使用することができる。たとえば、球体の代わりに直方体(cuboid)を使用することができる。この場合、正面図を使用して、現行のコンピュータ・システムおよび公開タグ・クラウドを表すタグを表示することができる。これに対して、直方体の右側を使用して、専用タグ・クラウドのタグを表示することができる。
【0038】
他の実施形態では、特に、第2の軸を中心とする擬似回転によって、球体の赤道から球体の上部または下部方向へと移動した場合、円形ディスクはその高さを低くすることができる。しかしながら前述のように、円形ディスクは特に、互いに平行に、y軸に対して垂直の状態を維持することができる。特に円形ディスクの高さは、球体の赤道からの距離に応じて低くなり、球体の極で理論上のゼロに達する。
【0039】
請求項5に従った方法では、第2、第3、および第4の円形ディスクのうちの1つの、中央円形ディスクまでの距離は、事前に定義された距離関数に基づくものである。
【0040】
特に、この距離は、コンピュータ・システムの位置間の物理的距離として定義するか、または論理的距離の関数とすることもできる。
【0041】
一実施形態では、事前に定義された距離関数を、第2、第3、および第4のコンピュータ・システム上に格納されているリソースを表すタグのアクセス頻度の関数とすることができる。したがって、特に論理的距離は、タグによって表される個々のリソースのアクセス頻度にリンク付けすることができる。1つのコンピュータ・システムまたはストレージ上のあるタグが、タグ・クラウド内のすべてのタグの中で最も使用される可能性がある場合、現行のコンピュータ・システムと関連するコンピュータ・システムとの間の論理的距離は短い可能性がある。この場合、関連するコンピュータ・システムは、現行のシステムを表す円形ディスクの上または下の、最も近い円形ディスクとして表すことができる。
【0042】
他のコンピュータのリソースへのアクセス頻度が少ないほど、現行のコンピュータ・システムを表す円形ディスクまでの距離は大きくなる可能性がある。また、第2、または第3、または第4のいずれかのコンピュータ上のリソースのタグのアクセス頻度を組み合わせることも可能である。したがって、タグによって表されているリソースへの組み合わせられたアクセス頻度が最も高いコンピュータを表す円形ディスクを、現行のコンピュータを表す円形ディスクの最も近くに表示することができる。
【0043】
さらに他の実施形態では、距離関数は、球体の赤道上または赤道の近隣に表示される円形ディスクの頻度の関数を含むこともできる。
【0044】
特に近隣とは、球体の赤道に近い領域を言い表すことができる。これは、赤道から離れた第2または第3の位置を意味することができる。これは、ユーザが関心のあるリソースを、赤道ゾーンに対してより頻繁に擬似回転させることができるためである。
【0045】
他の実施形態では、この方法は、ユーザから受信した入力変数に基づいて、第2、第3、または第4の円形ディスクの距離を再構成することを含むことができる。これは特に、ポインティング・デバイスによって達成可能である。たとえば円形ディスク上を右クリックすることで、ポインティング・デバイスのポインタに円形ディスクを固定し、球体上を上または下へと移動させることができるため、現行のシステムを表す円形ディスクに近づけることができる。
【0046】
さらにコンピュータ・システムは、対話型グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介したタグの対話型視覚化に関する方法について前述し、言及したような、グラフィカル対話システムを備えることができる。
【0047】
諸実施形態は、ハードウェア実装全体、ソフトウェア実施形態全体、またはハードウェアおよびソフトウェアの両方の要素を含む実施形態の形を取ることができることに留意されたい。好ましい実施形態では、本発明は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、およびマイクロコードを含むソフトウェア内で実装されるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
一実施形態では、プログラムがデータ処理システム上で実行された場合に前述のような方法を実行するためのソフトウェア・コード部分を備える、データ処理システム内で実行するためのデータ処理プログラムが提供される。
【0049】
さらに諸実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって、またはこれらに関連して使用するための、プログラム・コードを提供する、コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能媒体からアクセス可能な、コンピュータ・プログラムの形を取ることができる。この説明のために、コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、あるいはそれらに関連して使用するためのプログラムを、包含、格納、通信、伝搬、または移送することが可能な、任意の装置とすることができる。
【0050】
この媒体は、媒体を伝搬するための、電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体のシステムとすることができる。コンピュータ読み取り可能媒体の例には、半導体またはソリッド・ステート・メモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、および光ディスクが含まれる。光ディスクの現行例には、コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクト・ディスク読み取り/書き込み(CD−R/W)、DVD、およびブルーレイ・ディスクが含まれる。
【0051】
本発明の諸実施形態について、様々な主題を参照しながら説明してきたことにも留意されたい。特に、いくつかの諸実施形態については方法タイプの請求項を参照しながら説明してきたが、他の諸実施形態については、装置タイプの請求項を参照しながら説明してきた。しかしながら、当業者であれば、上記および以下の説明から、特に通知されていない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の、特に、方法タイプの請求項の特徴と装置タイプの請求項の特徴との間の、任意の組み合わせも、本文書内で開示されるものとみなされることを推測するであろう。
【0052】
本発明の上記で定義された諸態様および他の諸態様は、以下で説明する実施形態の例から明らかであり、実施形態の説明を参照しながら説明されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
次に、本発明の好ましい諸実施形態について、以下の図面を参照しながら単なる例として説明する。