(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798488
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】棚システム
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20151001BHJP
A47F 1/12 20060101ALI20151001BHJP
A47B 96/02 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
A47F5/00 B
A47F1/12
A47B96/02 D
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-542630(P2011-542630)
(86)(22)【出願日】2009年12月23日
(65)【公表番号】特表2012-513259(P2012-513259A)
(43)【公表日】2012年6月14日
(86)【国際出願番号】AU2009001699
(87)【国際公開番号】WO2010071943
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年12月20日
(31)【優先権主張番号】2008906648
(32)【優先日】2008年12月24日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】511153943
【氏名又は名称】グローバル プロキュアメント ソルーションズ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】デスモンド,ブレット,ジョン
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−521504(JP,A)
【文献】
特開2005−237706(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3126771(JP,U)
【文献】
特開2005−073898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
A47B 96/02
A47F 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの棚モジュールと一つのパーティションとを含む棚システムであって、
棚モジュールは、
一対の実質的に平行な、長手方向に延びる縁部と、一対の実質的に平行な端縁部とを画定し、前記棚モジュールの幅方向に間隔を空けられて並んだ、長手方向に延びるスラットの配列と、前記棚モジュールの長手方向に間隔を空けられて並んだ、これらのスラットに交差して幅方向に延びる、リブの配列とを含み、
前記スラットは、前記リブの上に出て位置しリブが作る高さよりも上方の高さを画定し、
前記スラットの隣り合った少なくとも一対が、その上縁部に、またはその近くに、スラットから生えた、対向して向き合ったパーティション保持連結手段であって、スラットの長さ方向に間隔を設けて配列された前記パーティション保持連結手段を有するものであり、
パーティションは、底面縁部を備える壁部分、および前記底面縁部またはその近傍の連結手段の列とを含み、連結手段は、間隔を設けてパーティションの長さ方向に配列されているものであって、隣り合うスラットから生えた一対の前記パーティション保持連結手段の配列と協働して脱着可能に固定することができ、固定されたパーティションは棚モジュールの長手方向に延びるものである、前記棚システム。
【請求項2】
使用に際しては、パーティションの各連結手段を、間隔を設けて配列されたパーティション保持連結手段の配列の間隔の部分に挿入し、そしてパーティションを脱着可能な固定が達成されるまで長手方向に動かすことによって、パーティションが棚モジュールに固定されるものである、請求項1に記載の棚システム。
【請求項3】
パーティション保持連結手段の配列が、スラットの上縁部またはその近傍のフランジ構成体を含み、各フランジ構成体は、いずれの隣接スラット上のフランジ構成体とも分離されている、請求項1または2に記載の棚システム。
【請求項4】
棚モジュールのすべてのスラットが、その長さに沿って長手方向に間隔を空けられたフランジ構成体の配列を有する、請求項3に記載の棚システム。
【請求項5】
棚モジュールの少なくとも1つの端縁部が、それに沿って延びる直立リップを有し、前記棚モジュールの前面縁部をそれによって形成する、請求項1に記載の棚システム。
【請求項6】
棚モジュールの後方縁部に、またはその近くに端部係合手段を含む、請求項1に記載の棚システム。
【請求項7】
棚モジュールが、その長手方向縁部に沿った、横方向係合手段を含み、この横方向係合手段によって、前記棚モジュールを別の棚モジュールの長手方向縁部に連結することを可能にする、請求項1に記載の棚システム。
【請求項8】
棚モジュールの一方の横方向縁部に雄横方向係合手段が組み込まれており、他方の横方向縁部に雌横方向係合手段が組み込まれている、請求項7に記載の棚システム。
【請求項9】
棚モジュールが、該棚モジュールを通って延びる弱化面によって、長手方向に少なくとも2つのセクションに分割されており、使用に際して、前記弱化面において前記セクションを分離することができる、請求項1に記載の棚システム。
【請求項10】
棚モジュールが、3つの弱化面によって、長手方向に4つのセクションに分割されている、請求項9に記載の棚システム。
【請求項11】
パーティションのそれぞれの連結手段が、壁部分の最下端縁部またはその近傍に位置する足部を含む、請求項4に記載の棚システム。
【請求項12】
足部の間隔が、棚モジュールのスラットに沿ったフランジ構成体の間隔と一致する、請求項11に記載の棚システム。
【請求項13】
パーティションの各足部が、それを保持する一対のフランジ構成体と相互結合される、請求項11に記載の棚システム。
【請求項14】
パーティションの各足部が、その中に形成された一対の対向するスロットを有し、該スロットのそれぞれが、対応するフランジ構成体の1つのフランジを受け入れるように寸法決めされて適合されている、請求項11に記載の棚システム。
【請求項15】
パーティションが、該パーティションを通って延びる弱化ラインによって、長手方向に少なくとも2つのセクションに分割されており、使用に際して、弱化ラインにおいて前記セクションを破断分離することができる、請求項1に記載の棚システム。
【請求項16】
パーティションが、4つの弱化ラインによって長手方向に5つのセクションに分割されている、請求項15に記載の棚システム。
【請求項17】
少なくとも二つの棚モジュールが長手方向縁部において結合されている、請求項7に記載の棚システム。
【請求項18】
互いに横方向に離れて脱着可能に固定された、少なくとも2つの縦方向に延びるパーティションが、それらの間に、棚の上のパーティションの間に載置された商品のための移動経路を画定する、請求項1に記載の棚システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には棚システムまたは棚組立体、およびそのための棚モジュール、パーティションおよび表示ストリップのそれぞれに関する。
より具体的には、本発明は、小売り店陳列に使用される種類の重力送り式棚システムに関し、このような陳列においては、棚は、その前部よりも後部において高くなるように傾斜がつけられており、これによって棚の上の商品が、棚の前方縁部に向かって、またはそこまですべるようになっている。
【背景技術】
【0002】
この種類の知られている棚システムは、様々な幅の商品を収容するように、選択された場所に設置することのできる(すなわち、配置可能な)、縦方向に延びる複数のパーティションを使用することが多い。このような配置可能なパーティションは、それらがもたらす安定性、より具体的にはそれらがもたらす横方向または側方への安定性の観点から、必要とされるものであることがわかっている。また、これらのパーティションは容易に取り外して再配置を可能として、知られているシステムと比較して、棚レイアウトの再配列をより容易にすることが望ましい。
この種類の知られている棚についての別の問題は、棚または複数の棚の前縁部が、下向きの小領域となり、このために商品や価格の情報をその上に配置するのに理想的ではないことである。
【0003】
したがって、本開示の目的は、上記の問題点の1つまたは2つ以上を実質的に改善すること、または、少なくとも、上記の種類の知られている棚システムに対して有用な代替となる棚システムおよびそのための構成部品を提供することである。
本発明のその他の目的および利点は、説明と例示のために本発明の一態様を開示する添付の図面と合わせて、以下の記載から明白になるであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一観点においては、前面縁部を有する棚モジュールと、この棚モジュールの前面縁部に実質的に直角な方向に延びるように、棚モジュールに固定されるように適合されたパーティションと、棚モジュールの前面縁部において、またはその近傍で棚モジュールに固定されるように適合された表示ストリップとの組合せを含む、棚組立体、または棚組立体用の部品キットが提案される。
さらに別の観点では、本発明は、棚システム用の棚モジュールを含めることができる。棚モジュールは、一対の実質的に平行な、長手方向に延びる縁部と、一対の実質的に平行な端縁部とを有する、ストリップである。1つのモジュールで独立した棚を形成するか、または複数の棚モジュールを用い、横並びに配置して、それらの連続する縁端に沿って連結することができる。
【0005】
棚モジュールの少なくとも1つの端縁部は、棚モジュールの前面縁部をそれによって形成するように、端縁部に沿って延びる直立リップを有する。一形態においては、1つの選択肢において、モジュールの反対向きの両端部に、それに沿って延びる直立リップを備えて、それによってこれらの端部のいずれかが棚モジュールの前面縁部を形成するようにしてもよい。
棚モジュールは、モジュールの幅
方向全体
に間隔を空け
て並べられた、長手方向に延びるスラットの配列と、これらのスラット
に交差して延びる、
モジュールの長さ方向に間隔を空け
て並べられたリブの配列とを含む。一形態において、スラットは、リブの高さより上方の高さを画定するように、リブの上に出て位置している。
【0006】
少なくとも一部のスラットは、その上端部、またはその近傍にフランジ構成体(flange formations)を備え、フランジ構成体のそれぞれは、任意の隣接するスラット上のフランジ構成体から分離されている。フランジ構成体を備えるスラットは、スラットの長さに沿って長手方向に間隔を空けられたフランジ構成体の配列を有する。
棚モジュールは、その端部に、またはそれの近くに端部係合手段を含み、この端部係合手段は、その棚モジュールを別の棚モジュールの端部に連結することを可能にする。一形態において、これらの端部係合手段は、棚モジュールの後方端部に、またはそれの近くにある。1つの選択肢において、棚モジュールの両端に、端部係合手段があってもよい。
【0007】
棚モジュールは、その長手方向縁部に沿った、横方向係合手段をさらに含み、この横方向係合手段は、その棚モジュールを別の棚モジュールの長手方向縁部に連結することを可能にする。
さらに別の観点において、本発明には、棚システム用のパーティションを含めることができる。このパーティションは、底面縁部、および底面縁部またはその近傍に、連結手段を含み、この連結手段は、壁パネルを棚モジュールに固定するためのものである。
【0008】
一形態において、パーティション用の連結手段は、壁部分の最下端縁部に、またはその近傍に位置する、足部分を含む。この足部分は、一対のスラットの間、より詳細には一対の隣接スラットの間に固定されるように適合されており、パーティションの足部がその対のフランジ構成体と相互結合している。
パーティションの足部分は、その中に形成された、一対の反対向きのスロットを有し、このスロットは、スラットのフランジを受け入れるように寸法決めされて適合されている。パーティションは、その長手方向に沿って間隔を空けられた、これらの足部分の配列を備えてもよい。これらの足部分の間隔は、好ましくは、棚モジュールのスラットの長さに沿って、フランジ構成体の間隔と一致している。
【0009】
ここで、パーティションを棚モジュールに連結するための上記の配設は、逆にしてもよいことがわかるであろう。すなわち、パーティションがフランジ構成体を有し、棚モジュールのスラットがこれらのフランジ構成体を受け入れるためのスロットを有してもよい。
さらに別の観点において、本発明には、棚システム用の表示ストリップを含めることができる。この表示ストリップは、棚モジュールの直立リップに固定されるように適合された後部部分と、それらの間に角度が形成するように基部部分と公差する翼部とを含む。使用に際して、翼部には、商品および価格の情報などの標示が付けられる。
【0010】
一形態において、表示ストリップの部分によって形成される角度は、表示ストリップがそれに固定される、棚モジュールの傾斜の角度以上である。一形態において、その角度は鋭角である。
一形態において、棚モジュール、パーティションおよび表示ストリップのそれぞれは、必ずしも同一の型ではないが、単一のプラスチック成型工程で、型内でプラスチック材料で形成される。
【0011】
さらなる観点において、本発明には、一対の実質的に平行な、長手方向に延びる縁部と一対の実質的に平行な端縁部、モジュールの幅
方向全体
に間隔を空け
て並べられた、長手方向に延びるスラットの配列、および
、これらのスラットに交差して延びる、モジュールの長さ
方向に沿って間隔を空け
て並んだリブの配列を含み、これらのスラットの少なくとも一対が、その上縁部に、またはそれの近くにパーティション保持連結手段を有する、棚システム用の棚モジュールを含めることができる。
【0012】
さらに別の観点において、本発明には、その長さを延長する目的で、上記の棚モジュールに連結されるように適合された、別個の構造的に異なる棚モジュールをさらに含めることができる。さらに別の観点において、本発明には、互いに連結された、上記の構造的に異なる棚モジュールの2つ以上を、組み合わせて含めることができる。
【0013】
さらに別の観点において、本発明には、底面縁部、および底面縁部またはその近傍に連結手段を含み、この連結手段が、前段落に記載したように、壁パネルを棚モジュールに固定するためのものである、棚システム用のパーティションを含めることができる。
さらに別の観点において、本発明には、上記のような棚モジュール、および上記のような少なくとも2つのパーティションを組み合わせて含めて、このパーティションを、互いに横断方向に分離されるように棚モジュールに固定して、その間に、棚の上でパーティションの間に載置される商品のための移動経路を画定することができる
【0014】
一形態において、この組合せは、上記のような表示ストリップを含む。
さらに別の観点において、本発明には、上記のような棚モジュール、および上記のような表示ストリップを組み合わせて含めることができる。一形態において、この組合せは、少なくとも2つの上記のようなパーティションを含み、このパーティションは、互いに横断方向に分離されて、その間に、棚の上でパーティションの間に載置される商品のための移動経路を画定するように、棚モジュールに固定される。
【0015】
この点において、本発明の少なくとも1つの態様を詳細に説明する前に、本発明は、その応用において、以下の説明に記載されるか、または図面に示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、記載されたものに加えた態様の能力があり、様々な方法で実現し、実行することができる。また、本明細書に加えて要約書において用いる語法および用語は、説明のためのものであり、限定とみなすべきではないことを理解されたい。
組み入れられた、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の特定の態様を示しており、明細書と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0016】
本開示がその基礎とする概念は、本発明のいくつかの目的を実施するための、その他の構造、方法およびシステムを設計する基礎として容易に利用できることを、当業者は理解するであろう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の趣旨と範囲を逸脱しない限りにおいて等価な構造も含むものとみなすべきであることを認識することが重要である。
本発明のより詳細な理解のために、次に、本明細書においては図面を補助として記載される、例示的な態様について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、例示的な棚モジュールの斜視図である。
【
図2】
図2、は
図1における棚モジュールの端部の詳細図である。
【
図3】
図3は、
図1および2に示された棚モジュールを使用する棚システム用の、例示的なパーティションの斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3におけるパーティションの端部の詳細図である。
【
図5】
図5は、
図1および2における棚モジュールを横切る部分断面図であって、そこに固定された
図3および4におけるパーティションを示す図である。
【0018】
【
図6】
図1および2に示された棚モジュールを使用する棚システム用の例示的な表示ストリップの斜視図である。
【
図7】
図1および2における棚モジュールに沿って見た部分断面図であって、そこに固定された
図3および4のパーティションと、
図6の表示ストリップとを示す図である。
【
図8】
図1および2における棚モジュールと、棚連結モジュールとの連結端部部分を示す詳細図である。
【
図9】棚組立体またはその他の部品キットを構成することのできる、複数の部品の斜視図である。
【0019】
詳細な説明
以下の説明においては、図面のいくつかの図を通して、同一の参照記号は、同一または対応する部品を表わす。
図1を参照すると、例示的な棚システム用の棚モジュール1が示されている。棚モジュール1は、一対の実質的に平行な、長手方向に延びる縁部2と、一対の実質的に平行な端縁部4とを有する、成型プラスチックストリップである。
【0020】
棚モジュールの一方の端縁部4には、棚モジュール1の前面縁部がそれによって形成されるように、端縁部に沿って延びる直立リップ6が備えられている。
棚モジュール1は、棚モジュール1の幅を横断して間隔を空けられた、長手方向に延びるスラット8の配列と、これらのスラット8の間に延びる、棚モジュール1の長さに沿って、間隔を空けられたリブ10の配列とで構成され、スラット8がリブ10の上に位置するようにされている。
【0021】
各スラット8は、その自由な最上端部またはその近傍にフランジ構成体12を備える。フランジ構成体12は一対のフランジを含み、ここで1つのフランジがスラット8のそれぞれの側から延びている。これらのフランジ構成体12が複数、スラット8の長さに沿って間隔を空けて配置されている。フランジ構成体12のそれぞれは、いずれの隣接するスラット8上のフランジ構成体12からも分離されている(すなわち、間隔を空けられている)。
次に
図3〜7を参照すると、例示的な棚システム用の成型プラスチックのパーティション50が示されている。パーティション50は、壁部分52と、壁部分52の長さに沿って、間隔を空けられた足部分54の一体型配列を含む。これらの足部分54の間隔は、棚モジュール1のスラット8に沿った、フランジ構成体12の間隔と一致している。これらの足部分54は、それらの上に延びる壁部分52よりも厚みがある。
【0022】
壁部分52の両端部は、そこから横断方向に延びる端面壁56を備えており、どちらかの端部が、パーティション50の前面縁部の役割をすることができる。使用に際しては、一対の間隔を空けられた壁パーティション50の間に画定されたシュート(chute)内に配置された、在庫商品が、間隔を空けられた壁パーティション50の端面壁56に当たって止まるまで、シュートをすべり落ちることになる。
前記パーティション50または各パーティション50の各足部分54は、その中に構成された、一対の対向するスロットを備えており、これらのスロットは、スラット8のフランジ構成体12をその中に受け入れるように寸法決めされて適合されている。
【0023】
使用に際しては、足部分54の配列を、互いに整列されたフランジ構成体12の配列の後方、かつ下方の位置に配置して、反対向きのフランジ構成体12が、足部分54内の対向するスロット58内にスナップ嵌めされるまで、隣接する一対の棚メンバ1のスラット8のフランジ構成体12の互いに整列された配列の間の位置に、パーティションを前方にスライドさせることによって、パーティション50を確実に、しかし取外し可能に棚モジュール1に連結することができる。
【0024】
パーティション50を棚モジュール1に連結するためのこのシステムの利点は、棚モジュール1に対するパーティション50の配置を迅速かつ容易に変更することが可能であり、このことは、異なる寸法の商品を収容するために一対のパーティション50の間の間隔(すなわち、シュート幅)を変更しなくてはならない場合に有用である。また、この設計では、足部分54の一部を、フランジ構成体12の異なる一対、または隣接する一対内に配置することは事実上、不可能であり、それによってパーティション50の意図しない位置ずれを防止することができる。
この連結のさらなる利点は、一対の隣接する棚部材1のスラット8のフランジ構成体12の間に確実に保持されることによって、パーティション50に与えられる高度な横方向または側方への安定性である。その結果、壁パーティション50は、比較的重い商品および/または高い重心を有する商品を崩れることなく支持することができる。
【0025】
壁パーティション50は、
破断分離式(breakaway)後部セクション60、および(パーティション50の最も長いセクションであることが特徴である)前部セクション69と後部セクション60とを連結する、相互連結された一連の
破断分離式中間セクション62、64、66および68をさらに含む。この
破断分離機能は、通常、その延長方向に直角にパーティション50を通って延びる、YYの位置に示す
弱化ライン(a line of weakness)を設けることによって実現される。これらの
破断分離式セクション60〜68の内の1つまたは2つ以上を
破断分離させると、パーティション50の長さを適合させるように調節することができる。複数対の隣接する
弱化ラインが設けられており、これによって、パーティション50のいずれかの端部を棚モジュール1の前部に配置することができる
【0026】
端面壁56は、2本の
弱化ライン57を有し、これによって、必要な場合には、片側の端面壁56を
除去することが可能となる。これは、側面壁、または棚モジュール1がその中で使用されるキャビネットのその他の構造特徴の近傍、またはそれに当接させて、パーティション50を配置するときに必要となることがある。
次に
図6および7を参照すると、例示的な棚システム用の成型プラスチック表示ストリップ70が示されている。表示ストリップ70は、棚モジュール1の直立リップ6に確実に、しかし取外し可能に固定されるように適合された後部部分72、および基部部分72と交叉する翼部74を含み、これらがその間で鋭角を形成するようにされている。使用に際しては、翼部74には、商品や価格の情報などの標示(indicia)が付けられる。
【0027】
表示ストリップ70の後部部分72は、一対の脚部77の間にチャネル76を画定する。このチャネル76は、棚モジュール1の直立リップ6上に確実な嵌め合いで配置されるように寸法決めされている。表示ストリップ70の上方縁部75は、パーティション50の壁部56の端部上の突起79の下方に位置する。これによって、表示ストリップ70が偶発的に外れるのが防止される。この場合に、表示ストリップ70は、透明なプラスチックで成型されており、翼部74は、宣伝および/または価格の情報を記した印刷物を表示のためにその中に挿入することのできる、スロット78を画定している。
この例示的な表示ストリップ70の重要な利点は、翼部74の前部表面が、商品および価格の情報を消費者に見えるようにするのに好適な角度で提示されることである。
【0028】
さらなる利点は、商品および価格の情報を、スロット78内部に位置する印刷ストリップを別のもの置き換えることによって、容易に変更できることである。代替的に、商品および価格の情報がステッカー上に印刷されており、これがさらに表示ストリップ70の翼部74に添付されている場合には、表示ストリップ70全体を、迅速かつ容易に動かして、適当に交換することができ、ステッカーを標示ストリップ70から取り外す必要をなくすことができる。このことも、価格が変化する場合には有利である。
【0029】
使用に際しては、複数の棚モジュール1を用いて、横に並べて、(それらの横方向係合手段16を用いて)連続するその縁部2に沿って連結して、陳列棚を形成してもよい(棚モジュール1を連結する機構については、以下により詳細に考察する)。次いで、複数のパーティション50を、上記の方法で棚に連結して、棚に沿って長手方向に延びる、間隔を空けられたパーティション50の配列とすることができる。これらのパーティション50は、それらの間に、在庫商品をすぐ販売できるように配置することのできる、シュートを画定する。
【0030】
この陳列棚は、支持表面(すなわち、カウンタ、テーブル天板または冷蔵トレイ)の全深さが無駄なスペースなしに棚に占拠されるのに、十分な深さ(すなわち、その前部からその後部までの長さ)がなくてはならない。陳列棚が、全深さを占拠しない場合には、陳列棚の前方の支持表面に載置された物体が、陳列棚上に陳列しようとする商品を隠すことなり、一方で、陳列棚の背後の支持表面上に載置された物体が、少なくとも部分的に顧客の視野から隠されて、有望な顧客に対して容易にアクセスすることができなくなる。
【0031】
図5および7を参照すると、パーティション50の側面壁には、パーティション50の両側に3つの隆起峰部(raised ridge)80が設けられている。各パーティション50間の棚モジュール1上に位置する商品は、峰部80だけに当接する。この結果として、商品収納容器との接触が減少し、これによって、パーティション50と商品との間のすべり摩擦が減少する。
再び棚モジュール1を参照すると、棚モジュール1は、前部セクション100(これは、棚モジュール1の最も長いセクションであることが特徴である)、離脱式後部セクション102、および前部セクション100と後部セクション102とを連結する、相互連結された一連の離脱式中間セクション104、106、および108をさらに含む。
【0032】
後部セクション102は、直前セクション108から分離させることを可能にする、従来型
破断分離機能を有する。この
破断分離機能は、通常、モジュール1の主要長手寸法に直角に棚モジュールを通って延びる、
弱化面を設けることによって実現される。この
破断分離式後部機能は、本質的に従来式であり、したがって本明細書においてはさらに詳細には説明しない。前部セクション100と後部セクション102とを連結する、相互連結された一連の中間セクション104、106および108はまた、
破断分離機能を含み、これによって、中間セクションのそれぞれを、必要に応じて、
1つずつ順番に、または中間セクションの
1つまたは2つ以上の群として、
破断分離されることが可能になる。
【0033】
破断分離式後部セクション102は、その後方端部に雌連結部の形態で端部係合手段15を含み、この係合手段15は、さらなる棚連結モジュール200を、それに取り付けられた雄連結部202を介して連結することを可能にする。
図8および9を参照すると、棚連結モジュール200が示されている。この棚連結モジュールは、棚モジュール1に対して別個で異なる部品である。棚連結モジュール200は、直立リップ6の代わりに、棚連結モジュールが、棚モジュール1の雌端部連結部15との連結に適合された、雄端部連結部202を備えること(および棚モジュール1よりも短いこと)を除いて、棚モジュール1とほとんど同一の構造のものである。
【0034】
再び
図9を参照すると、棚端部モジュール300が示されている。この棚端部モジュール300は、棚モジュール1および棚連結モジュール200の両方に対して別個で異なる部品である。棚端部モジュール300は、その一端における雌端部連結部15の代わりに、棚端部モジュール300は、棚連結モジュール200と同じ雄連結部分302を備えること、(および棚モジュール1よりも短いが、棚連結モジュール200よりも長いこと)を除いて、棚モジュール1とほとんど同一の構造のものである。
【0035】
この例示的態様においては、雄端部連結部202および302は、反対向きの鉤付き端部(barbed ends)206を備える、一対の上向きの突起(prong)204を含み、この鉤付き端部は、下から、および棚モジュール1の非断絶端部または、その中間セクション104、106または108の断絶端部のいずれかの一対のリブの間から挿入することを意図している。棚モジュール1のリブ10の選択された対が、反対向きの鉤付き端部206をその中に捕捉するように寸法決めされた切込み部をその中に形成することによって、この雄端部連結部分202または302をその間に受容するように特別に適合されている。これらの特別に適合されたリブ10の間に延びるモジュールの後方縁部4も、雄端部連結部202および302がアクセスできるようにするために、凹まされている。
【0036】
棚モジュール1の
破断分離式セクション(すなわち、セクション102〜108のいずれか1つ)が棚モジュール1から
除かれるときに、中間セクション104、106または108の
破断端部が形成される。
破断分離式セクションのいずれかが取り外されると、雄端部連結部202または302を受け入れるように適合されている、雌端部連結部15へのアクセスが可能になる。
このようにして、所望の長さの棚ストリップを、棚モジュール1から形成するか、または棚モジュール1、複数の棚連結モジュール200、および(任意選択の)棚端部モジュール300の組合せから形成することができる。
【0037】
必要な棚ストリップが棚モジュール1よりも短い場合には、必要でない棚モジュール1の部分を単に折り外すだけで十分である場合もある。必要な棚ストリップが棚モジュールよりも長い場合には、1つまたは2つ以上の棚結合モジュール200を、第1の棚モジュール1の長さに追加することが可能であり、望ましい場合には、棚ストリップを棚端部モジュール300で仕上げることができる。
図10を参照すると、この場合には、2つ以上の棚ストリップが棚表示を備えており、これらは、上述の技法を用いて、所望の長さに組み立てて、次いで、その連続する縁部2に沿って連結して、表示棚400を形成しなくてはならない。この連続する連結を可能にするために、棚モジュール1は、その長手方向縁部2に沿って、間隔を空けられた横方向係合手段16の配列をさらに含み、この横方向係合手段16によって棚モジュール1を、別の棚モジュール1の長手方向縁部2に連結することが可能になる。
【0038】
同様に、棚連結モジュール200および棚端部モジュール300は、それぞれ、これらの横方向係合手段16の少なくとも1つを含む。
この例示的態様においては、これらの横方向係合手段16は、一対のスラット8の間に延びるブリッジ要素16aと、このブリッジ部材から延びる雄連結部分16bとを含む。
【0039】
これらの雄横方向連結部分16bは、(雄端部連結部分202とまったく同様の)反対向きの鉤付き端部を備える、一対の上向き突起を含み、この突起は、下方から、および棚モジュール1の長手方向縁部(または側部)2の一対のスラット8の間に挿入することを意図したものである。棚モジュール1の選択されたスラット8の対は、マッチング距離だけ間隔を空けること(すなわち、反対向きの鉤付き端部を備える、上向きの突起の間隔に一致させること)によって、この雄横方向連結部分16bを、その間に受け入れるように特別に適合されている。
【0040】
上記の種類の横方向連結手段16の利点は、棚ストリップ1および/またはモジュール200および300の間に生成される剛性のある確実な連結である。
図9を参照すると、棚モジュール1、棚連結モジュール200および棚端部モジュール300を、それらのすべてが1、200および300よりも、かなり幅が広い1a、200aおよび300aにおけるように、様々な幅で製作できることがわかる。
図9に示すように、棚モジュール構成要素1、1a、200、200a、300および300aは、どのような店頭アプリケーションに対しても完全に寸法が合って適合する、棚組立体を構築することを可能にしなくてはならないと考えられる。
1つまたは2つ以上のパーティション50および表示ストリップ70を陳列棚400に固定する場合に、機能的で美的に好ましい棚組立体が作成される。
【0041】
本明細書において使用される場合には、用語「含む(comprise)」およびその派生語(例えば、comprises、 comprising)は、それが参照する特徴を包含するものと解釈すべきであり、特に明記または暗示しない限り、追加の特徴の存在を除外することを意味するものではないことを理解されたい。
本明細書における従来技術の参照は、そのような従来技術が共通の一般知識の一部を形成することの、なんらかの形態で示唆することの認知として解釈されるものではなく、またされるべきではない。
【0042】
本開示を、最も実用的で好ましい態様であると考えられる態様において、本明細書で示して説明したが、本発明の範囲内で逸脱をすることは可能であり、本発明は、本明細書に記載した詳細に限定されるものではなく、任意かつすべての等価な考案および装置を含むように、添付の特許請求の範囲の全範囲が授与されるものであると認識されたい。