【実施例】
【0016】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1〜
図3に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤12を着脱可能に保持する本体枠としての中枠13が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤12の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠13の前面側には、前記遊技盤12を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透明部材で前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠19が開閉可能に組み付けられる。前枠19の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球受け皿20および下球受け皿21が上下に離間して前枠19と一体的に開閉可能に設けられている。また前枠19には、下球受け皿21の側方に、前記中枠13に配設された打球発射装置22を作動する操作ハンドル23が設けられ、該操作ハンドル23の回動操作によって打球発射装置22が作動されて、前記上球受け皿20に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤12に向けて発射されるようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
【0017】
(外枠11について)
前記外枠11は、
図2および
図3に示す如く、上縁を構成する外上枠部11aと、下縁を構成する外下枠部11bと、左縁(一方の縁)を構成する外第1側枠部11cと、右縁(他方の縁)を構成する外第2側枠部11dとから基本的に構成され、これら上下左右の枠部11a,11b,11c,11dを組み付けることで外枠11が縦長の矩形枠体として構成される。そして、外枠11に対して中枠13は、後述する中第1側枠部16側が、ヒンジ機構24を介して開閉および着脱自在に支持され、外枠11に対して中枠13を閉成することで、該外枠11の内側に中枠13が収容されるよう構成される。また、中枠13の後述する中第2側枠部17に設けた施錠装置25によって、該中枠13は外枠11に対して閉成状態に保持されるようになっている。実施例では、外上枠部11aおよび外下枠部11bが合成樹脂製で、外第1側枠部11cおよび外第2側枠部11dはアルミ等の金属材により成形されている。
【0018】
(中枠13について)
図2および
図3に示すように、前記中枠13は、上縁をなす中上枠部14と、下縁をなし、スピーカ26、打球発射装置22、各種制御装置36,37,38およびインターフェース基板43等を設置する設置部として機能する中下枠部(固定部材)15と、左縁(一方の側縁)をなす中第1側枠部16と、右縁(他方の側縁)をなす中第2側枠部17とから構成されて、これら上下左右の枠部14,15,16,17を組み付けた際に、全体が外枠11の開口領域に整合する大きさに形成される。そして、前述したように外枠11に対して中枠13の中第1側枠部16側が、ヒンジ機構24を介して回動自在に支持されて、中第2側枠部17側が施錠装置25により施錠されるようになっている。また、中枠13には、上下左右の枠部14,15,16,17を組み付けることで前後に開口する遊技盤保持部27が画成され、該遊技盤保持部27に遊技盤12が着脱自在にセット保持される。実施例では、中上枠部14および中下枠部15が合成樹脂材で成形されると共に、中第1側枠部16および中第2側枠部17はアルミ等の金属材により成形されて、中枠13全体としての剛性を確保しつつ軽量化が図られている。
図1,
図3において、遊技盤12の前面に配設されている各種の遊技部品は、後述する案内レール44を除いて図示省略してある。
【0019】
前記遊技盤保持部27を画成する中第1側枠部16の内面には、前端から後側に所定長さ離間した位置に、内側に突出する段部16a(
図4参照)が上下方向の全長に亘って延在するよう形成される。また、遊技盤保持部27を画成する中上枠部14の下面および中下枠部15の上面には、各枠部14,15の左端部における中第1側枠部16の前記段部16aの前面から前側に遊技盤12の厚みと略同寸法だけ離間する位置に、内側に突出する前固定突部28(
図10,
図11に下側の前固定突部28のみ図示)が夫々が突設されている。更に、中上枠部14の下面における右端部に、下側に向けて後固定突部29が突設されると共に、中下枠部15の上面における右端部に、上側に向けて後固定突部29が突設されており(
図6に中下枠部15に設けられた下側の後固定突部29のみ図示)、両後固定突部29の前面は、前記中第1側枠部16に設けた前記段部16aの前面と揃う位置に臨むよう設定される。また、中上枠部14および中下枠部15には、対応する後固定突部29との間で遊技盤12の右側上下端部を挟持する固定部材30が夫々設けられている。すなわち、中枠13に対して遊技盤12は、遊技盤保持部27に対して前側から斜めに遊技盤12を臨ませて、該遊技盤12の左側端部を前記段部16aと前固定突部28,28との間に差し込んだ状態で、遊技盤12の右側端部を押し込んで該遊技盤12の左側端部を中心に回動させて遊技盤12の全体を遊技盤保持部27に臨ませ、該遊技盤12の右端部の裏面を後固定突部29に当接させる。そして、前記固定部材30,30で遊技盤12の右側上下端部を前面に当接して後固定突部29との間で挟持することで、遊技盤12の中枠13の遊技盤保持部27内に組み付けられる。中枠13に組み付けられる遊技盤12は、下端縁が前記中下枠部15の上端縁で支持されると共に、4隅部が段部16aと前固定突部28および後固定突部29と固定部材30とで前後から挟持された状態で位置決め固定される。このように、実施例に係る遊技盤12は、中枠13と同様に、左側端部が回転中心となるよう構成される。なお、以下の説明において、パチンコ機10(遊技盤12)における左側を枢支端側と称し、右側を開放端側と称することもある。
【0020】
なお、前記遊技盤12の左側端部を段部16aと前固定突部28とで支持する構成に代えて、前記中枠13における中第1側枠部16の内側の上下に離間する位置に、前記遊技盤12の左側端部を着脱可能に保持する回転保持具を回転自在に配設し、遊技盤12の左側端部を回転保持具で保持した状態で、遊技盤12を左側端部(回転保持具)を中心に回動させて前記遊技盤保持部27に臨ませる構成を採用し得る。この回転保持具を用いる構成では、該回転保持具によって遊技盤12の左側端部が保持された状態で、該遊技盤12の右側端部が後固定突部29と固定部材30とで前後から挟持された状態で位置決め固定される。
【0021】
前記中枠13の中下枠部15の上面には、
図4に示す如く、上方に延出する規制壁部15bが左右方向に延在するよう立設される。該規制壁部15bは、その前面を前記段部16aおよび後固定突部29の前面と略一致する位置に設けられ、前記遊技盤保持部27にセットされる遊技盤12は、該規制壁部15bの前側に位置する中下枠部15の上面に載置されるようになっている。また中下枠部15の裏側には、後述する電源制御装置36、払出し制御装置37、発射制御装置38およびインターフェース基板43を取り付けるための基体になると共に、中下枠部15との間に各種通路を画成する第1取付ベース(取着部)31が配設される。
【0022】
前記パチンコ機10には、前記中枠13の裏側上部(図柄表示装置18の上側)に位置して、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク32が左右方向に延在するよう設けられている(
図2参照)。また、中枠13における中下枠部15の裏側(図柄表示装置18の下側)には、前記第1取付ベース31と中下枠部15との間に画成された通路を介して上下の球受け皿20,21に連通する球通出案内部材(他の部材)33(
図10,
図11,
図25,
図33等参照)が設けられている。実施例のパチンコ機10では、球通出案内部材33は、前記第1取付ベース31の左端部に着脱自在に配設されている。またパチンコ機10は、球タンク32と球通出案内部材33とが、
図2に示す如く、球タンク32の左側の端部と球通出案内部材33との間に架設された球通路ユニット34を介して連通接続されており、該球通路ユニット34に配設された球払出し装置35の駆動により球タンク32に供給されたパチンコ球を上下の球受け皿20,21へ給出し得るよう構成されている。また実施例のパチンコ機10では、前記球通路ユニット34は中枠13に対して上下方向の軸線回りに回動自在に支持され、球タンク32に設けた上位置決め部32aおよび球通出案内部材33に設けた下位置決め部33aによって、球通路ユニット34は球タンク32と球通出案内部材33とに連通した状態に位置決め保持されるよう構成される。なお、球通出案内部材33は、第1取付ベース31に取り付けられた後述する第2取付ベース70の左方に位置すると共に、該球通出案内部材33には、下位置決め部33aの左側に隣接して、球通路ユニット34から排出されるパチンコ球を機外に排出する球抜き通路部33b(
図25参照)が設けられている。
【0023】
図2に示すように、前記中枠13(パチンコ機10)における中下枠部15の裏側には、パチンコ機10の電源制御を行なう電源制御装置(電気装置)36、球通路ユニット34に配設した球払出し装置35を駆動制御する払出し制御装置37、中枠13に設置された打球発射装置22を駆動制御する発射制御装置38等の各種制御装置(電気部品)が配設されている。電源制御装置36、払出し制御装置37、発射制御装置38は、遊技盤12の裏側に配設される主制御装置39に後述するドッキングコネクタ52を介して配線接続され、この主制御装置39からの制御信号に基づいて所定の制御が実行される。前記中枠13に配設される各種制御装置36,37,38は、対応する電源基板36a、払出し制御基板(第2基板)37a、発射制御基板38aを箱状の基板ケース40,41,42に収容した状態でユニット化され、該基板ケース40,41,42が中下枠部15の裏側の所定位置に取り付けられる。また、中下枠部15の裏側には、前記球通路ユニット34の下方に、球貸し機等の外部装置に接続されるインターフェース基板43が配設されている。このインターフェース基板43は、後述するように複数のコネクタ43a,43b,43cを備え、該コネクタ43a,43b,43cを介して接続された払出し制御装置37やその他の制御装置と外部装置との間の信号の授受を中継するよう構成される。このインターフェース基板43も、後述するように基板ケース94に収容した状態でユニット化され、該基板ケース94が中下枠部15の裏側に取り付けられる。
【0024】
(遊技盤12について)
前記遊技盤12は、合板等の木製板部材の表面にセル板を配設したもの、あるいはアクリル板等の透明な合成樹脂材等からなる平板状の板部材で構成される。遊技盤12の前面には、案内レール44によって遊技領域12aが画成され(
図1,
図3参照)、前記中枠13に配設された打球発射装置22から発射されたパチンコ球が遊技領域12a内に打ち出され、該遊技領域12a内をパチンコ球が流下して遊技が行なわれる。また遊技盤12の前面には、図示しないが、遊技領域12a内に枠状装飾部材、パチンコ球が入賞可能な始動入賞装置、特別入賞装置、普通入賞装置等の各種入賞装置および多数本の遊技釘や風車等の各種遊技部品が配設されている。遊技盤12の裏側には、図柄表示装置18、可動演出装置および発光装置等の各種の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された設置部材45が配設される。そして、設置部材45に形成された前後に開口する開口部および枠状装飾部材に形成した窓口を介して図柄表示装置18の表示部を前面側から視認し得るよう構成されている。
【0025】
前記始動入賞装置には、遊技領域12aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口が設けられると共に、該始動入賞口へ入賞したパチンコ球を検出する始動入賞センサ(図示せず)が設けられる。始動入賞センサは、後述する主制御装置39に配線接続されており、始動入賞検出センサがパチンコ球を検出すると検出信号を主制御装置39に出力し、主制御装置39は、後述する払出し制御装置37に制御信号を出力し、該払出し制御装置37の制御下に球払出し装置35(後述)に予め設定された数(実施例では5個)の賞球を払い出させるようになっている。また、始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出を契機として主制御装置39から後述する統括制御装置47に制御信号が出力され、該統括制御装置47の制御下に演出表示制御装置46(後述)が制御されて前記図柄表示装置18の表示部で図柄変動が開始されるようになっている。また、前記特別入賞装置には、遊技領域12aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口、該特別入賞口を常には閉鎖する開閉可能な開閉扉および特別入賞口へ入賞したパチンコ球を検出する特別入賞センサ(図示せず)が設けられる。特別入賞装置は、前記図柄表示装置18での図柄変動の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉が開放するよう作動制御されて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。なお、特別入賞センサは、主制御装置39に配線接続されており、特別入賞検出センサがパチンコ球を検出すると検出信号を主制御装置39に出力し、主制御装置39は、払出し制御装置37に制御信号を出力し、該払出し制御装置37の制御下に球払出し装置35に予め設定された数(実施例では15個)の賞球を払い出させるようになっている。
【0026】
前記設置部材45に着脱可能に配設される図柄表示装置18の裏面には、
図2および
図5に示す如く、該図柄表示装置18における液晶パネルの表示を制御する演出表示制御装置46と、該演出表示制御装置46を制御すると共に、パチンコ機10を発光演出する発光装置を発光制御したり、スピーカ26の効果音出力制御を行なう等、パチンコ機10の演出全体を制御する統括制御装置47が、左右に並んで配設されている。また設置部材45には、図柄表示装置18の下側に、パチンコ機10の遊技全般および賞球の払出しを司る主制御装置39が配設され、該主制御装置39に統括制御装置47が配線接続されている。この主制御装置39は、前記中枠13の遊技盤保持部27に遊技盤12をセットした状態で、前記第1取付ベース31の上方に臨むようになっている(
図4,
図15参照)。
【0027】
前記遊技盤12に配設された発光装置や前記演出表示制御装置46が統括制御装置47に配線接続されると共に、該統括制御装置47が前記主制御装置39に配線接続され、該主制御装置39から導出する配線(図示せず)が、前記設置部材45に配設された中継基板48に電気的に接続される。また統括制御装置47からは、主制御装置39に接続する配線とは別の配線(図示せず)が導出し、該別の配線が中継基板48に接続されている。なお、配線としては、発光装置や制御装置39,46,47等に電源を供給する電源線および制御信号を送信する信号線がある。また、前記演出表示制御装置46、統括制御装置47、主制御装置39は、対応する演出表示制御基板46a、統括制御基板47a、主制御基板39aを箱状の基板ケース49,50,51に収容した状態でユニット化され、該基板ケース49,50,51が遊技盤12の裏側の所定位置に取り付けられる。実施例では、前記演出表示制御装置46、統括制御装置47、主制御装置39も電気部品として扱われる。
【0028】
前記パチンコ機10では、主制御装置39から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、前記統括制御装置47が演出表示制御装置46に制御信号(制御コマンド)を出力し、該演出表示制御装置46は入力された制御信号に基づいて図柄表示装置18を制御して所定の演出表示させる。またパチンコ機10は、主制御装置39から前記払出し制御装置37に出力された制御信号に基づき、該払出し制御装置37が球払出し装置35を制御して所定数の賞球が払い出されるようになっている。なお、パチンコ機10では、統括制御装置47の制御信号に基づいて、各発光装置を発光させ、スピーカ26から効果音を出力するようになっている。前記主制御基板39a、統括制御基板47a、演出表示制御基板46a、払出し制御基板37a等の制御基板は、基本的には遊技に関する制御プログラムを記憶するROM、遊技に関する各種情報を記憶するRAMおよびROMに記憶されている制御プログラムを実行するCPUを備えている。
【0029】
(ドッキングコネクタ52について)
前記パチンコ機10では、遊技盤12に配設された主制御装置39(電気部品)と、前記中枠13に配設された各種制御装置36,37,38(電気部品)とを電気的に接続する手段として、中枠13に対して遊技盤12を組み付けることで電気的に接続するドッキングコネクタ52を採用している。ドッキングコネクタ52は、中枠13側に設けられ、該中枠13に配設された各種制御装置36,37,38(具体的には制御基板36a,37a,38a)や前枠19に配設したスピーカ26や発光装置等の電気部品に接続される第1コネクタ53と、遊技盤12側に設けられ、該遊技盤12に配設された主制御装置39および統括制御装置47(具体的には主制御基板39aおよび統括制御基板47a)に接続する第2コネクタ54とを備え、中枠13に対して遊技盤12を組み付けることによって、第1コネクタ53が第2コネクタ54に嵌合して接続するよう構成される(
図13,
図14参照)。なお、実施例では主制御装置39に接続する第2コネクタ54が2つで、統括制御装置47に接続する第2コネクタ54が1つであり、主制御装置39に接続する2つの第2コネクタ54は、払出し制御装置37および発射制御装置38に接続するために用いられ、統括制御装置47に接続する第2コネクタ54は、前記前枠19に配設されたスピーカ26や各種発光装置に接続するために用いられる。実施例では、第1コネクタ53が雄型コネクタで、第2コネクタ54が雌型コネクタとなっている。
【0030】
(保護部材55について)
図6,
図10〜
図13に示すように、前記中枠13の中第2側枠部(他側部)17の内側に、透明な保護部材55が配設され、該保護部材55に、第1コネクタ53が上下方向に離間して複数配設されている。保護部材55は、前方に開口する後カバー56と、該後カバー56の前側開口を閉じるように後カバー56に組み付けられる前カバー57とから基本的に構成される。後カバー56は、
図9に示す如く、前方に開口する箱状の保護部58と、該保護部58の下端縁から前方に所定長さで延出する第1下部延出部59と、保護部58における右側(中第2側枠部17側)の側端縁から前方に延出する側部延出部60とを備え、側部延出部60の下端縁は第1下部延出部59に接続されている。また、第1下部延出部59の前縁に、下方に向けて延出する第1取付延部59aが設けられ、該第1取付延部59aが前記中下枠部15にネジ止め固定されるようになっている。なお、保護部58の後側下部に、後述する第2取付ベース70を第1取付ベース31に固定するために機能するベース用第1被固定部61が設けられている。
【0031】
前記前カバー57は、
図8に示す如く、前記後カバー56における保護部58の前側開口を閉成する取付部62と、該取付部62の下端縁から前方に延出する第2下部延出部(下部延出部)63とを備え、該前カバー57を保護部58の前側に組み付けることで、取付部62と保護部58との間に収容室S1を画成するようになっている(
図13,
図14参照)。また、前カバー57の第2下部延出部63が、後カバー56の第1下部延出部59の上側に離間して位置決めされ、両延出部59,63の間に、前記収容室S1に連通する下部収容室S2が画成される。更に、第2下部延出部63の前縁に、下方に向けて延出する第2取付延部63aが設けられ、該第2取付延部63aが前記中下枠部15にネジ止め固定されるようになっている。なお、第2取付延部63aは、
図7(b)に示す如く、前記後カバー56における第1取付延部59aの前側に離間して位置し、両取付延部59a,63a間に画成された下方に開口する嵌凹部64に、中下枠部15の上面に突設された嵌合凸部15a(
図16,
図17参照)が嵌合した状態で、保護部材55が中下枠部15に固定されるよう構成してある。また、保護部材55には、下部収容室S2内に中継基板65が配設され(
図14参照)、該中継基板65に設けたコネクタが第1コネクタ53に配線接続されるようになっている。
【0032】
前記前カバー57の取付部62には、
図8に示す如く、前後方向に開口するコネクタ用開口部62aが、上下方向に離間して複数(第1コネクタ53と同数)形成される。なお、実施例では最上部のコネクタ用開口部62aは上方にも開口しているが、該上方開口は、前カバー57を後カバー56に組み付けた状態では、後カバー56の保護部58の上壁によって覆われるようになっている。また取付部62には、各コネクタ用開口部62aを挟む左右両側にネジ孔62b,62bが形成されており、該ネジ孔62bに前側から螺挿されるネジ66(
図13参照)によって第1コネクタ53が取付部62に取り付けられるよう構成されている。
【0033】
(第1コネクタ53について)
前記第1コネクタ53は、
図6,
図7,
図13に示す如く、前記取付部62に対してネジ止め固定される板状の固定部53aと、該固定部53aから前方に向けて突出する接続部53bとを備え、該接続部53bに設けた接触子(図示せず)に接続した配線67が固定部53aから後方に延出している。固定部53aには、前後方向に貫通する通孔53cが接続部53bを挟む左右両側に夫々形成されており、前記取付部62における各コネクタ用開口部62aと対応する前面に固定部53aの裏面を当接したもとで、各通孔53cに配設した後述のフローティング部材68のスリーブ68aに前側から挿通したネジ66を対応するネジ孔62bに螺挿することで、第1コネクタ53が取付部62の前側に取り付けられる。また、第1コネクタ53の後端から導出する配線67は、コネクタ用開口部62aから収容室S1に引き込まれて保護されるようになっている。
【0034】
前記第1コネクタ53は、取付部62に対してフローティング構造によって第2コネクタ54との接続方向と略直角な面内で上下・左右に移動可能に取り付けられている。実施例では、第1コネクタ53の固定部53aに形成した通孔53cに配設したフローティング部材68によって、第1コネクタ53の自由移動が許容されるように構成してある。このフローティング部材68は、
図13に示す如く、通孔53cの内径より小さい外径に形成されたスリーブ68aと、該スリーブ68aの軸方向両端に設けられ、通孔53cの内径より大きい外径の鍔部68bとから構成され、スリーブ68aを通孔53cに挿通した状態で、両鍔部68bが固定部53aの前後両側に臨む状態で取り付けられている。すなわち、固定部53aとフローティング部材68とは、スリーブ68aの外径と通孔53cの内径との寸法差の分だけ、相対的に径方向(第2コネクタ54との接続方向と略直角な面に沿う方向)に自由に移動可能に構成される。そして、フローティング部材68のスリーブ68aに前側から挿通した前記ネジ66を対応するネジ孔62bに螺挿することで、第1コネクタ53はフローティング部材68を介して取付部62に上下および左右方向に移動自在に取り付けられる。また、両鍔部68b,68bの対向面間の離間長さは、固定部53aの前後厚みより大きく設定されており、ネジ66をネジ孔62bに螺挿してフローティング部材68が取付部62に固定された状態で、該フローティング部材68(スリーブ68a)に対して第1コネクタ53の自由移動が規制されないようになっている。
【0035】
前記保護部材55における第2下部延出部63および側部延出部60は、
図6に示す如く、何れも取付部62に取り付けた第1コネクタ53の接続部53bより前方に延出するよう設定され、後述するように第1コネクタ53に第2コネクタ54を接続した状態で、該第2下部延出部63および側部延出部60が第2コネクタ54が取り付けられる設置部材45の対応する下部および右側部(他側部)を囲うよう構成してある(
図13,
図14参照)。
【0036】
(側部延出部60について)
前記側部延出部60は、
図6,
図7に示す如く、前記保護部58の上端縁より上方に所定長さで延出する寸法に設定されると共に、該側部延出部60には、前側に向かうにつれて中枠13の中第1側枠部(一側部)16から離間する傾斜部60aが形成されている。すなわち、側部延出部60の傾斜部60aは、
図13に示す如く、第1コネクタ53の取付部62から前方に離間するにつれて第1コネクタ53から離れるように変位し、該第1コネクタ53に対して第2コネクタ54を前側から接続するに際し、該第2コネクタ54や設置部材45が側部延出部60に干渉するのを防ぐよう構成される。また、側部延出部60には、傾斜部60aの前側に、前記中第1側枠部16と平行な取付板部60bが連設され、該取付板部60bを中第2側枠部17の内面に当接した状態でネジ止めするようになっている。実施例では、取付板部60bを中第2側枠部17にネジ止めすると共に、前記第1下部延出部59および第2下部延出部63を中下枠部15に夫々ネジ止めすることで、保護部材55が中枠13に位置決め固定される。なお、側部延出部60の取付板部60b、第1下部延出部59および第2下部延出部63を介して中枠13に保護部材55を位置決め固定した状態で、前記保護部58および側部延出部60の傾斜部60aは中第2側枠部17の後端より後方に位置するよう構成される。また、前記保護部58における側部延出部60に連なる外側面は、
図13に示す如く、前側から後側に向かうにつれて中第2側枠部17から離間するよう傾斜している。すなわち、側部延出部60の傾斜部60aと保護部58の外側面とは前側から後側に向かうにつれて中第2側枠部17から離間するように一連で傾斜し、前記外枠11に対して中枠13を開閉する際に、中第2側枠部17の後端より後方に位置する保護部58や側部延出部60の傾斜部60aが外枠11(外第2側枠部11d)に干渉するのを回避するよう構成してある。
【0037】
前記側部延出部60における第1コネクタ53側を向く内側面に、
図6,
図7に示す如く、内側に向けて突出する第1規制部60cが上下に離間して設けられ、第1コネクタ53と第2コネクタ54とを接続した状態で、両第1規制部60c,60cの間に前記設置部材45に設けた後述する第2規制部45bが臨むようになっている(
図13参照)。なお、実施例では、下側の第1規制部60cが最下段の第1コネクタ53の側方に位置すると共に、上側の第1規制部60cが最上段の第1コネクタ53より上方に位置するよう設定される。また、各規制部60cにおける中第2側枠部17を向く外側面には、前後方向に延在する補強リブ60dが設けられている(
図9参照)。
【0038】
(引出口58aについて)
前記保護部58における中枠13の中第1側枠部16を向く左側壁(側壁)に引出口58aが形成され、前記収容室S1内の配線67が引出口58aから左方に向けて引き出されるようになっている(
図11参照)。そして、収容室S1から引き出された配線67は、後述する配線ケース69の内部を引き回されて対応する制御装置36,37,38やスピーカ26や発光装置等の電気部品に接続される。
【0039】
(第2コネクタ54について)
図5に示す如く、前記設置部材(取着部材)45の右下角部に基板取着部45aが設けられ、該基板取着部45aに配設した前記中継基板48に、設置部材45(遊技盤12)に配設された前記主制御装置39および統括制御装置47が配線を介して接続されている。また中継基板48に、前記保護部材55に配設した第1コネクタ53と対応する数の第2コネクタ54が、上下方向に離間して配設されている。各第2コネクタ54は、第1コネクタ53との接続部54aを後方に突出する状態で中継基板48に配設されている。
【0040】
前記設置部材45における基板取着部45aに対応する右外側面に、外側方に突出する第2規制部45bが設けられており、第1コネクタ53に第2コネクタ54を接続した状態で、第2規制部45bが前記保護部材55に設けた前記第1規制部60c,60cの間に臨むよう構成される。すなわち、第1コネクタ53と第2コネクタ54との接続部の側方を覆う側部延出部60の内側において、第1規制部60cと第2規制部45bとによって空間がラビリンス状に形成されて、保護部材55の上下方向からの両コネクタ53,54の接続部に対するアクセスを困難とするようになっている。
【0041】
(空間部S3について)
前記中枠13における中下枠部15の裏側に配設した前記第1取付ベース31には、前記球通出案内部材33の配設位置より右側に装置取着面部31aが設けられ、該装置取着面部31aに、前記電源制御装置36が取り付けられる(
図15,
図17参照)。装置取着面部31aは、第1取付ベース31の上端から所定高さ低い位置から下側に設けられ、該装置取着面部31aに取り付けられた電源制御装置36の基板ケース40の上面は、
図15に示す如く、第1取付ベース31の上端から所定高さだけ低い位置に臨むよう構成される。これにより、装置取着面部31aに取り付けられた電源制御装置36と、中枠13の遊技盤保持部27にセットされた遊技盤12の後方に突出する主制御装置(電気部品)39および設置部材45との間に、後方に開口する空間部S3が電源制御装置36に沿って左右方向(横方向)に延在するように画成される。なお、第1取付ベース31には、装置取着面部31aの上側で空間部S3に臨む位置に、上下および左右方向に離間して後方に延出する係止フック31bが複数設けられており(
図17参照)、これら複数の係止フック31bによって配線ケース69を空間部S3に収容した状態で保持するよう構成される。
【0042】
(配線ケース69について)
前記配線ケース69は、
図16および
図17に示す如く、前面側に開口する樋状に形成された本体部69aと、該本体部69aにおける右端部に連設されて後面側に開口する樋状の導入部69bとを備え、本体部69aおよび導入部69bの内部に配線通路S4を画成している。そして、配線ケース69は、本体部69aの前側開口を前側に向けた姿勢で前記空間部S3に収容した際に、
図11,
図15に示す如く、前記係止フック31bが本体部69aの後面に係止することで位置決め保持され、該空間部S3は配線ケース69で埋められるよう構成される。前記導入部69bは、
図11に示す如く、係止フック31bで係止された本体部69aに対して後方に所定長さだけ変位して本体部69aに連設されており、該導入部69bの右端側(横方向の一端側)に開口する配線入口69cが、中下枠部15に配線ケース69を取り付けた状態で、前記保護部材55に形成されて中下枠部15の後方に変位した位置で開口する前記引出口58aに接続するよう構成される。そして、保護部材55の引出口58aから引き出された配線67は、導入部69bの配線入口69cを介して配線通路S4に引き込まれて該配線通路S4を左方に引き回されるよう構成される。また、本体部69aの左端側(横方向の他端側)に開口する配線出口69dは、前記電源制御装置36の左端上方に位置し、配線通路S4を引き回された配線67は、該配線出口69dから電源制御装置36の左端側に引き出されて対応する電気部品に接続されるようになっている。
【0043】
前記導入部69bの右端は、前記保護部材55における保護部58の左側壁に当接し、保護部58と導入部69bとの間に隙間が生じないようになっている。また、本体部69aにおける上下面には、各係止フック31bと対応する位置に、該係止フック31bの厚みと略同じ深さの凹溝69eが前後方向に延在するよう形成され、係止フック31bが凹溝69e内に臨むことで、配線ケース69の上下面から係止フック31bが突出しないよう構成される。これにより、配線ケース69の上面に対して、前記主制御装置39や設置部材45の下面を近接すると共に、該配線ケース69の下面に対して、前記電源制御装置36の上面を近接し得るようにして、配線ケース69と主制御装置39、設置部材45および電源制御装置36との間に大きな隙間が生じないようにしている。
【0044】
ここで、「配線ケース69で空間部S3を埋める」とは、空間部S3内に配線ケース69が充満して空間が完全に埋まる状態に限らず、空間部S3の一部を埋めるように配線ケース69を収容する構成を含むものである。そして、配線ケース69により、前記遊技盤12の裏側に配設した主制御装置39および設置部材45と第1取付ベース31の装置取着面部31aに配設した電源制御装置36との間に画成される空間部S3に対して、不正基板等の異物の取り付けを困難としている。なお、配線ケース69の本体部69aにおける前面開口は、前記第1取付ベース31で塞がれると共に、前記導入部69bの後面開口は、後述する第2取付ベース70に設けた蓋部73によって塞がれており、前記配線通路S4を引き回されている配線67に対する外部からのアクセスを困難としている。
【0045】
(第2取付ベース70について)
前記第1取付ベース31には、前記電源制御装置36の後側に、第2取付ベース(取付ベース,第1構成部品)70が着脱自在に配設され、該第2取付ベース70の裏面に、前記払出し制御装置37と発射制御装置(第2構成部品)38とが左右方向に並んだ状態で着脱自在に取り付けられるよう構成される(
図10,
図11参照)。第2取付ベース70を介して第1取付ベース31に取り付けられた発射制御装置(制御装置)38は、前記配線ケース69における所定領域の後側に臨んで、第2取付ベース70を介して配線ケース69の後面側を覆っている。なお、発射制御装置38は、前記配線ケース69における配線出口69dに対応する後側に位置し、該発射制御装置38によって配線出口69dの後側が覆われるようになっている。
【0046】
前記第2取付ベース70は、
図16,
図17に示す如く、平板状の設置板(取付部,設置面)71の外周縁に壁部72を後方に突出して全体として後方に開口する箱状に形成されたものであって、設置板71には、右側に払出し制御装置37の大きさに対応する第1設置面部71aが設けられると共に、該第1設置面部71aより左側に発射制御装置38の大きさに対応する第2設置面部71bが設けられている。実施例では、払出し制御装置37に対して発射制御装置38の外形寸法は小さく、第2設置面部71bも第1設置面部71aより小さく設定されると共に、該第2設置面部71bは第1設置面部71aの上部側に隣接して設けられている。また第1設置面部71aと第2設置面部71bとの間に、後述するロック手段88が取り付けられる第3設置面部71cが設けられている。なお、第1設置面部71aを挟んで上下に位置する壁部72,72は、該第1設置面部71aに取り付けた払出し制御装置37の上下方向の移動を規制するべく機能すると共に、第2設置面部71bを挟んで上下に位置する壁部72,72は、該第2設置面部71bに取り付けた発射制御装置38の上下方向の移動を規制するべく機能するようになっている。また、上側の壁部72には、前記配線ケース69の導入部69bに対応する位置に蓋部73が設けられており、第2取付ベース70を第1取付ベース31に取り付けることで、該蓋部73によって導入部69bの後面開口が塞がれるように構成してある。なお、蓋部73は、第2取付ベース70とは別体で構成し、配線ケース69に対して着脱自在に取り付ける構成を採用し得る。
【0047】
前記第2取付ベース70の下面に、
図18に示す如く、左右方向に離間してベース用係合片70aが下方に向けて突設されると共に、該第2取付ベース70の上面右端部にベース用第1固定部74が設けられている。このベース用第1固定部74には、左右方向が長手となる長孔74aが前後方向に貫通するように形成されて、該長孔74aに回転式の固定具75が回転自在に支持されている。また、第2取付ベース70の第2設置面部71bには、
図19,
図20に示す如く、前側(中下枠部15側)に凹む凹部76が設けられ、該凹部76の前部にベース用第2固定部77が設けられている。このベース用第2固定部77には、左右方向が長手となる長孔77aが前後方向に貫通するように形成されて、該長孔77aに回転式の固定具(固定手段)75が回転自在に支持されている。なお、凹部76の深さ寸法は、第2設置面部71bに前記発射制御装置38を取り付けた状態で、ベース用第2固定部77に支持している固定具75におけるベース用第2固定部77の後側に臨む操作部75bが発射制御装置38と干渉しない値に設定される(
図32参照)。
【0048】
(中下枠部15における第2取付ベース70の取付構造について)
前記第1取付ベース31には、
図11,
図17に示す如く、前記装置取着面部31aに取り付けた前記電源装置装置36の下側を後方に向けて延出する張出し部78が設けられ、該張出し部78の後面に、前記第2取付ベース70のベース用係合片70a,70aと対応する左右に離間する位置に、上方に差込み口79aを開口した差込み受部79が夫々設けられている。また、第1取付ベース31には、第2取付ベース70のベース用第2固定部77に対応する位置(装置取着面部31aの左側の位置)に、ベース用第2被固定部80が設けられている。なお、第2取付ベース70のベース用第1固定部74に対応するベース用第1被固定部61は、前述したように前記ドッキングコネクタ52の保護部材55に設けられている。ベース用第1被固定部61およびベース用第2被固定部80には、上下方向が長手となる長孔61a,80aが前後方向に貫通するように形成されている。すなわち、ベース用第1被固定部61およびベース用第2被固定部80の長孔61a,80aと、ベース用第1固定部74およびベース用第2固定部77の長孔74a,77aとは、長手が直交するになっている。そして、ベース用第1被固定部61およびベース用第2被固定部80の長孔61a,80aには、前記固定具75,75の係合突部75d,75d(後述)が、その長手を長孔61a,80aの長手に揃えた状態での挿脱が許容されるようになっている。前記ベース用第1被固定部61は、ドッキングコネクタ52の保護部材55に設けるのに代えて、中下枠部15に設けたものであってもよい。
【0049】
前記第2取付ベース70は、各ベース用係合片70aを第1取付ベース31(中下枠部15)の対応する差込み受部79の差込み口79aに上方から差し込むと共に、ベース用第1固定部74およびベース用第2固定部77を対応するベース用第1被固定部61およびベース用第2被固定部80の後側に整列させた状態で、各固定部74,77と被固定部61,80とを固定具75,75によって固定することで、該第2取付ベース70は第1取付ベース31に取り付けられている電源制御装置36の後側全体を覆う状態で位置め固定される(
図15参照)。
【0050】
(固定具75について)
前記ベース用第1固定部74およびベース用第2固定部77に支持される固定具75,75は同一構成のものであって、該固定具75は、前記各固定部74,77および各被固定部61,80に形成した長孔74a,77a,61a,80aに挿通不能な円板部75aと、該円板部75aの後面側に形成されて作業者が摘み操作可能な操作部75bと、円板部75aの前面側に形成されて、前記長孔74a,77a,61a,80aに挿脱可能な支持部75cと、該支持部75cの前端に形成されて長孔74a,77a,61a,80aに対して長手を揃えた状態でのみ挿脱可能な略矩形状の係合突部75dとから構成されている。なお、前記操作部75bは、作業者が摘み易いように長手と短手を有する略矩形状に形成されている。
【0051】
前記固定具75による固定部74,77と被固定部61,80との固定構造は同じであるので、ベース用第2固定部77とベース用第2被固定部80との固定構造について説明する。すなわち、ベース用第2固定部77に対して係合突部75dの長手を長孔77aの長手に揃えた姿勢で該長孔77aに係合突部75dおよび支持部75cを後側から挿入し、係合突部75dがベース用第2固定部77の前側に臨んだ状態で、固定具75を略90°回転して係合突部75dの長手が長孔77aの短手に揃う姿勢とすることで、係合突部75dがベース用第2固定部77(長孔77aの縁部)に係合して該固定具75はベース用第2固定部77に対して抜け止め状態で回転自在に支持される。ベース用第2固定部77に支持された固定具75は、前記係合突部75dの長手がベース用第2被固定部80の長孔80aの長手に揃って該長孔80aに挿脱可能な解除位置になっている。すなわち、この状態で係合突部75dをベース用第2被固定部80の長孔80aに後側から挿入し、係合突部75dがベース用第2被固定部80の前側に臨んだ状態で、固定具75を略90°回転して係合突部75dの長手がベース用第2被固定部80における長孔80aの短手に揃う姿勢である固定位置とすることで、係合突部75dがベース用第2被固定部80(長孔80aの縁部)に係合してベース用第2固定部77はベース用第2被固定部80に固定される。そして、前記固定具75を略90°回転操作して解除位置に変位させることで、係合突部75dとベース用第2被固定部80との係合が解除されるようになっている。
【0052】
前記固定具75の操作部75bは、前記固定位置では
図20(a)に示すように長手が左右方向を向く姿勢になると共に、前記解除位置では
図20(b)に示すように長手が上下方向を向く姿勢になるよう構成される。
【0053】
前記第2取付ベース70に着脱自在に取り付けられる前記払出し制御装置(第1制御装置)37は、払出し制御基板(第1制御基板,第2基板)37aを基板ケース(第1基板ケース)41に収納して構成されたものであって、該払出し制御装置37の基板ケース41については、以後、払出し基板ケースと指称する場合もある。また、第2取付ベース70に着脱自在に取り付けられる前記発射制御装置(第2制御装置,第2構成部品)38は、発射制御基板(第2制御基板)38aを基板ケース(第2基板ケース)42に収納して構成されたものであって、該発射制御装置38の基板ケース42については、以後、発射基板ケースと指称する場合もある。
【0054】
(払出し基板ケース41について)
図18,
図19に示す如く、前記払出し基板ケース41における右側部(発射制御装置38と対向する側部とは反対の側部)に、外側方に突出する払出し用係合突部41aが設けられると共に、払出し基板ケース41の左側部(発射制御装置38と対向する側部)には、外側方に突出する第1ロック部(第1係合部)41bが設けられている。なお、実施例では、第1ロック部41bは上下方向に離間する2箇所に設けてある。これに対し、前記第2取付ベース70における第1設置面部71aには、払出し用係合突部41aに対応する位置に、左側に差込み口81aを開口した差込み受突部81が設けられると共に、該差込み受突部81から左方に離間して係止フック82が設けられている。そして、第1設置面部71aに対して払出し基板ケース41(払出し制御装置37)は、その前面を第1設置面部71aに対向させた姿勢で、払出し用係合突部41aが差込み受突部81の差込み口81aに挿入されると共に、係止フック82が払出し基板ケース41における第1ロック部41b,41bの形成位置の間の後面左端に係止した状態で位置決め保持される。また、第1設置面部71aに払出し基板ケース41を取り付けた状態で、前記第1ロック部41b,41bは、発射制御装置38側に向けて延出して前記第3設置面部71cに臨むよう構成される(
図22参照)。
【0055】
前記払出し制御基板37aには、インターフェース基板43の後述する第2のコネクタ43bに接続する第3のコネクタ37bが、左端部側(インターフェース基板43の設置側)において後方に接続口を向けた状態で突設されている。また払出し基板ケース41には、第3のコネクタ37bの対応する位置に通孔が形成され、該通孔から第3のコネクタ37bがケース外部に露出するよう構成される。そして、払出し基板ケース41から露出した第3のコネクタ37bに、第2のコネクタ43bに接続する第2の配線100(後述)がコネクタ接続されるようになっている。
【0056】
(発射基板ケース42について)
図18,
図19に示す如く、前記発射基板ケース42における第2設置面部71bと対向する前面には、発射用係合部(係合部)83が複数箇所に設けられている。実施例では、発射用係合部83は、上下方向および左右方向に離間する4箇所に設けてある。この発射用係合部83は、
図20に示す如く、発射基板ケース42の前面から突出して左右方向(発射制御装置38の第2取付ベース70に対するスライド方向)に延在する基部83aと、該基部83aの突出端から第2設置面部71bと平行に延出する係合片83bとから構成される。実施例では、上側に位置する2つの発射用係合部83では係合片83bが上方に向けて延出し、下側に位置する2つの発射用係合部83では係合片83bが下方に向けて延出している。これに対し、前記第2取付ベース70における第2設置面部71bには、各発射用係合部83に対応する位置に、前後方向に貫通する発射用貫通孔84および該発射用貫通孔84における前記第3設置面部71cに近接する側に設けた発射用被係合部(被係合部)85が夫々設けられている。発射用貫通孔84は、発射用係合部83を挿脱可能な挿脱用孔部84aと、該挿脱用孔部84aの右端に接続して発射用係合部83における基部83aの左右方向の移動は許容するが係合片83bの前後方向の挿脱は規制する移動用孔部84bとから構成される。なお、該移動用孔部84bは、前記発射用被係合部85が発射用貫通孔84内に張り出すように形成されることで画成される。そして、第2設置面部71bに対して発射基板ケース42(発射制御装置38)は、その前面を第2設置面部71bに対向させた姿勢で、発射用係合部83を発射用貫通孔84の挿脱用孔部84aに後側から挿通した状態で、該発射基板ケース42を右方(第3設置面部71c側)へスライドすることで、該発射用係合部83の係合片83bが発射用被係合部85に係合した状態で位置決め保持される。なお、第2設置面部71bに取り付けた発射基板ケース42の裏面(第2取付ベース70から離間する側の外面)は、前記1設置面部71aに取り付けられた前記払出し基板ケース41の裏面と略面一となるよう設定してある。
【0057】
前記発射基板ケース42の右側部(払出し制御装置37側に臨む側部)に、
図18,
図23に示す如く、外側方に突出る第2ロック部(第2係合部)86が設けられている。この第2ロック部86は、第2設置面部71bに発射基板ケース42を取り付けた状態で、前記払出し制御装置37側に向けて延出して前記第3設置面部71cに臨み、該第3設置面部71cにおいて前記第1ロック部41bと上下方向(ロック手段88のスライド方向)に並んで位置するよう構成される(
図24参照)。また第2ロック部86は、発射基板ケース42の右側部から第2設置面部71bと平行に延出する延出部86aと、該延出部86aの延出端から後方に向けて突出する係合突部86bとを備え、該係合突部86bがロック手段88の後述する第2被ロック部88fに係脱可能に係合するよう構成される。
【0058】
前記発射制御基板38aには、前記打球発射装置22に接続する第4のコネクタ38bが、下端部側において後方に接続口を向けた状態で突設されている。また発射基板ケース42には、第4のコネクタ38bの対応する位置に通孔が形成され、該通孔から第4のコネクタ38bがケース外部に露出するよう構成される。そして、発射基板ケース42から露出した第4のコネクタ38bに、打球発射装置22に接続する配線(図示せず)がコネクタ接続されるようになっている。
【0059】
前記発射基板ケース42を、前記発射用係合部83が第2取付ベース70に設けた発射用被係合部85に係止された第2設置面部71bに対する取り付け状態で、
図32に示す如く、前記ベース用第2固定部77に支持されている固定具75における操作部75bの後側は発射基板ケース42で覆われ、該操作部75bへの後側からのアクセスを困難にしている。なお、操作部75bは、長手が左右方向を向く固定位置(
図20(a)参照)および長手が上下方向を向く解除位置(
図20(b)参照)の何れの状態においても、発射基板ケース42で後側が覆われるようになっている。
【0060】
また、前記発射基板ケース42を第2設置面部71bに重ねて取り付けた状態で、前記凹部76における後側(発射制御装置38側)の開口は、前記操作部75bへのアクセスを困難とし得る状態で発射基板ケース42で塞がれるよう構成してある。実施例では、第2設置面部71bに対して発射基板ケース42をスライドすることで前記発射用係合部83と発射用被係合部85とが係止される構成となっており、発射用係合部83と発射用被係合部85とが係止した状態では、発射基板ケース42の左端が凹部76の左端より右側に位置し、該凹部76の後側の開口は完全には塞がれていない。但し、発射基板ケース42の左端と凹部76の左端との間の凹部76の開口部分の幅は、手指が入り込むのを阻止し得る寸法に設定されて、該開口部分からの操作部75bへのアクセスを困難としている。なお、凹部76の位置を変更することで、第2設置面部71bに取り付けられた発射基板ケース42によって凹部76の後側の開口を完全に覆うようにしてもよい。
【0061】
(発射基板ケース42の規制手段87について)
前記発射基板ケース42の前面には、前記固定具75の固定位置では該発射基板ケース42(発射制御装置38)を第2設置面部71b(第2取付ベース70)に取り付け可能とし、前記固定具75の解除位置では該発射基板ケース42を第2設置面部71bに取り付けを困難とする規制手段87が設けられている。この規制手段87は、
図32に示す如く、発射基板ケース42を第2設置面部71bに取り付けた状態で、第2取付ベース70のベース用第2固定部77と対向する位置に設けられている。また規制手段87は、
図20に示す如く、前側に突出し、上下方向(固定位置の操作部75bの短手方向)に離間する一対の規制片87a,87aで構成され、両規制片87a,87aは左右方向(第2設置面部71bに対する発射基板ケース42のスライド方向)に所要長さで延在している。両規制片87a,87aの離間寸法は、前記固定具75の操作部75bにおける短手方向の長さより大きく、かつ長手方向の長さより小さく設定される。そして、規制手段87は、
図20(a),
図21(a)に示す如く、前記操作部75b,75bの長手が左右方向を向く固定具75の固定位置では、該操作部75bが両規制片87a,87aの間に収容されて、発射基板ケース42の前面が第2設置面部71bに当接する位置、すなわち前記発射用係合部83が発射用貫通孔84に挿通されて該発射用係合部83が発射用被係合部85に係合可能な位置に臨むのを許容するよう構成される。これに対し、規制手段87は、
図20(b),
図21(b)に示す如く、前記操作部75bの長手が上下方向を向く固定具75の解除位置では、該操作部75bの後端(突出端)に両規制片87a,87aが当接して、発射基板ケース42の前面が第2設置面部71bに当接する位置、すなわち前記発射用係合部83が発射用貫通孔84に挿通されて該発射用係合部83が発射用被係合部85に係合可能な位置に臨むのが規制されるようになっている。なお、発射基板ケース42の前面に設けられる発射用係合部83と規制手段87との位置関係は、発射用係合部83を第2取付ベース70の発射用貫通孔84における挿脱用孔部84aの後側に臨む状態で、規制手段87がベース用第2固定部77に支持されている固定具75における操作部75bの後方に臨むよう設定される。すなわち、発射基板ケース42を左右方向に移動して規制手段87が操作部75bの後方に臨まない位置では、発射用係合部83が第2設置面部71bや発射用被係合部85に当接して発射用係合部83を挿脱用孔部84aに後側から挿入し得ないようになっている。
【0062】
なお、前記操作部75bが両規制片87a,87aの間に収容された状態で、該操作部75bの回転を規制し、固定具75が解除位置に変位するのを防止し得るよう構成される。また、規制手段87(規制片87a,87a)は、前記発射用係合部83を発射用貫通孔84の挿脱用孔部84aに挿通した位置および発射用係合部83が発射用被係合部85に係止された位置の何れの位置においても、前記第2設置面部71bに設けた凹部76内に位置するよう設定されて、第2設置面部71bに対して発射基板ケース42をスライドして発射用係合部83と発射用被係合部85とを係脱する移動を阻害しないよう構成される。
【0063】
(ロック手段88について)
前記第2取付ベース70の第3設置面部71cに、前記払出し制御装置37および発射制御装置38を第2取付ベース70に対するロック状態およびロック解除状態とし得るロック手段88がスライド可能に配設されている。このロック手段88は、
図24に示す如く、上下方向(払出し制御装置37および発射制御装置38の並び方向と交差する方向)に長手が延在する上下方向に長い部材であって、前後方向に貫通して上下方向に所要長さで延在するガイド孔88aが、上下方向に離間して複数(実施例では2つ)形成されている。そして、第3設置面部71cに突設されたガイド突部89が各ガイド孔88aに摺動自在に挿通された状態で、各ガイド突部89に後側から螺挿されたフランジ付きネジ(図示せず)によって、当該ロック手段88は第3設置面部71c(設置板71の後面)に対して上下方向にスライド自在に支持される。またロック手段88は、払出し制御装置37および発射制御装置38を第2取付ベース70に対してロック状態とするロック位置と、ロック解除状態とするロック解除位置とに後述する保持手段90によって保持されるようになっている。なお、ロック手段88の後面には、後方に突出する操作突起88bが設けられ、該操作突起88bを摘んでロック手段88を容易にスライド操作し得るよう構成してある。
【0064】
前記ロック手段88には、
図24に示す如く、前記払出し基板ケース41に形成した前記第1ロック部41b,41bの離間長さと同じ長さで上下方向に離間する2箇所に、上下方向および右方(払出し制御装置37側)に開口する第1通過口88cが夫々形成されている。各第1通過口88cは、第1ロック部41bの前後方向の移動を許容する寸法で開口している。またロック手段88には、各第1通過口88cの上側(ロック手段88のスライド方向の一端側)に、下側および右側に開口する凹みが形成され、該凹みの後側を覆うように第1被ロック部(第1被係合部)88dが形成されている。ロック手段88のロック解除位置において各第1通過口88cは、払出し基板ケース41の前記払し用係合突部41aを第2取付ベース70の差込み受突部81の差込み口81aに差し込んだ状態で、払出し基板ケース41の左端部側を第1設置面部71aに対して前後に移動して前記係止フック82に係脱する際に、第1ロック部41bの通過を許容する位置(
図22(b),
図24(b)参照)に臨むよう設定される。そして、第1設置面部71aに払出し基板ケース41を取り付けた状態で、ロック手段88をロック解除位置からロック位置にスライドすることで、前記第1被ロック部88dが対応する第1ロック部41bの後側に臨んで係合し(
図22(a),
図24(a)参照)、該第1ロック部41bの後方への移動を規制することで、払出し制御装置37の第1設置面部71aからの取り外しを困難とするよう構成される。
【0065】
前記ロック手段88には、前記発射基板ケース42における第2ロック部86と対応する位置に、前側および左側(発射基板ケース42側)に開口する第2通過口88eが形成されている。またロック手段88には、第2通過口88eの上側(ロック手段88のスライド方向の一端側)に、下側に開口する凹みが形成され、該凹みの左側を略覆うように第2被ロック部(第2被係合部)88fが形成されている。なお、第2被ロック部88fの前端と第3設置面部71cとの間には、第2ロック部86における延出部86aの通過を許容する隙間が形成されている。ロック手段88のロック解除位置において第2通過口88eは、発射基板ケース42の前記発射用係合部83を第2取付ベース70の発射用貫通孔84に挿通した状態で、発射基板ケース42を第2設置面部71bに対して左右方向にスライドして発射用係合部83を前記発射用被合部85に係脱する際に、第2ロック部86の通過を許容する位置(
図23(b),
図24(b)参照)に臨むよう設定される。そして、第2設置面部71bに発射基板ケース42を取り付けた状態で、ロック手段88をロック解除位置からロック位置にスライドすることで、前記第2被ロック部88fが第2ロック部86における係合突部86bの左側に臨んで係合し(
図23(a),
図24(a)参照)、該第2ロック部86の左方への移動を規制することで、発射制御装置38の第2設置面部71bからの取り外しを困難とするよう構成される。
【0066】
実施例のロック手段88は、ロック解除位置において前記第1被ロック部88dおよび第2被ロック部88fの両方が、対応する第1ロック部41bおよび第2ロック部86に対する係合を解除する位置に臨んで、第1設置面部71aに対する払出し制御装置37の着脱および第2設置面部71bに対する発射制御装置38の着脱を許容するよう構成される。また、ロック手段88は、ロック位置において第1被ロック部88dおよび第2被ロック部88fの両方が、対応する第1ロック部41bおよび第2ロック部86に対する係合位置に臨んで、第1設置面部71aに対する払出し制御装置37の着脱および第2設置面部71bに対する発射制御装置38の着脱を規制するよう構成される。
【0067】
(ロック手段88の保持手段90について)
前記第2取付ベース70およびロック手段88には、該ロック手段88をロック位置およびロック解除位置に保持可能な保持手段90が設けられている。この保持手段90は、ロック手段88に設けられた係合爪91と、第2取付ベース70に設けられた被係合保持部92とから構成される。係合爪91は、
図19に示す如く、ロック手段88の下部側において前後方向に弾性変形可能に設けられ、該係合爪91は下端(長手方向の一端)に後方に向けて突出する爪部91aを備えている。前記被係合保持部92は、第2取付ベース70の第3設置面部71cに対応する下側の壁部72の後端から上側に延出する保持板92aと、該保持板92aに前後方向に貫通するよう形成された第1係合保持孔92bおよび第2係合保持孔92cとを備え、両係合保持孔92b,92cは上下方向に離間している。また保持板92aは、第3設置面部71cに取り付けられているロック手段88における前記係合爪91の形成位置の後側に臨むよう構成される。そして、ロック手段88のロック位置では、保持板92aの下側に位置する第1係合保持孔92bに係合爪91の爪部91aが係合してロック手段88はロック位置に保持され、ロック手段88のロック解除位置では、保持板92aの上側に位置する第2係合保持孔92cに係合爪91の爪部91aが係合してロック手段88はロック位置に保持される。
【0068】
(インターフェース基板用のケース取付部93について)
前記第1取付ベース31の裏側には、
図25,
図33に示す如く、前記球通路ユニット34に連通する前記球通出案内部材33の下方に離間して、前記インターフェース基板用のケース取付部93が設けられている。このケース取付部93は、後方を向く平な設置面93aの左端部に、右側に差込み口を開口した差込み受部分93bが突設されると共に、該設置面93aの右端部には係合凹部93cが設けられている。またケース取付部93の上面左端に、弾性変形可能な係止フック93dが設けられている。そして、差込み受部分93b、係合凹部93cおよび係止フック93dを介して、インターフェース基板43を収納した基板ケース94がケース取付部93に着脱自在に取り付けられるよう構成される。また、ケース取付部93と球通出案内部材33とが上下に離間して設けられていることで、ケース取付部93と球通出案内部材33との間には隙間が存在している。
【0069】
(インターフェース基板ケース94について)
前記インターフェース基板(第1基板)43は、
図26に示す如く、ベース部材95と、該ベース部材95に着脱自在に取り付けられるカバー部材96とからなる前記基板ケース94に収納されてユニット化されている。なお、インターフェース基板43の基板ケース94については、以後、インターフェース基板ケースと指称する場合もある。
【0070】
(ベース部材95について)
前記ベース部材95は、
図27,
図28に示す如く、矩形板状の基板固定部95aの外周縁から後方に壁部95bを突出した後側に開口する箱状に形成されたものであって、該基板固定部95aに、インターフェース基板43がネジ止め固定される(
図30参照)。ベース部材95における左側の壁部95bに、前記ケース取付部93に設けた差込み受部分93bの差込み口に挿脱可能な係合突部95cが突設されると共に、右側の壁部には、前記ケース取付部93の係合凹部93cに係脱自在に係合する弾性変形可能な係合フック95dが設けられている。またベース部材95の前面左上部に、前記ケース取付部93の係止フック93dが係脱自在に係合する係合突起95eが設けられている。すなわち、インターフェース基板ケース94は、
図33に示す如く、基板固定部95aの前面をケース取付部93の設置面93aに対向した姿勢において、係合突部95c、係合フック95dおよび係合突起95eが、ケース取付部93に設けた差込み受部分93b、係合凹部93cおよび係止フック93dに夫々係合することで、ケース取付部93に取り付けられる。
【0071】
前記ベース部材95は、ケース取付部93に取り付けた状態で、該ケース取付部93の設置面93aより上方に延出する寸法に設定され、ケース取付部93と前記球通出案内部材33との間の隙間の後側を略塞ぐよう構成される。また、前記基板固定部95aにおけるケース取付部93から上方に延出する部分の前面に、
図33に示す如く、前方に向けて突出する不正防止突部97が設けられ、インターフェース基板ケース94をケース取付部93に取り付けた状態で、該ケース取付部93と前記球通出案内部材33との間の隙間を埋めるよう構成される。更に、ベース部材95の上側の壁部95bには、前記インターフェース基板43に設けた後述する第1のコネクタ43aの上方に臨む位置に、上方に突出するベース側不正防止壁(第2不正防止部)98が設けられている。このベース側不正防止壁98は、
図26,
図27,
図28に示す如く、該ベース部材95の左端から右方に離間する位置から前方に延在する前後壁部98aと、該前後壁部98aの前端に連設されてベース部材95の左端まで延在する左右壁部98bとを備え、該ベース側不正防止壁98は、インターフェース基板ケース94をケース取付部93に取り付けた状態で、該ケース取付部93と前記球通出案内部材33との間の隙間を埋めるよう構成される。またベース側不正防止壁98は、ケース取付部93と球通出案内部材33との間の隙間の後側を塞ぐように位置し、後側から隙間へ不正基板等の異物を挿入するのを防止するようになっている(
図33参照)。
【0072】
実施例では、前記不正防止突部97およびベース側不正防止壁98は、ベース部材95の左側に偏った位置に設けられ、インターフェース基板ケース94をケース取付部93に取り付けた状態で、該ケース取付部93と球通出案内部材33に設けた前記球抜き通路部33bとの間の隙間を埋めるよう構成されている(
図33参照)。これは、不正者が狙い易い前記中枠13の外側に近接する位置の球抜き通路部33bとケース取付部93との隙間を埋めて不正基板等の異物挿入を防止するようにしたものであって、ケース取付部93と前記球通出案内部材33との隙間の全体を埋めるように不正防止突部97およびベース側不正防止壁98をベース部材95の左右方向の全長に亘って設けてもよい。
【0073】
なお、「不正防止突部97やベース側不正防止壁で隙間を埋める」とは、隙間内に不正防止突部97やベース側不正防止壁98が充満して隙間が完全に埋まる状態に限らず、隙間の一部を埋めるように不正防止突部97やベース側不正防止壁98が隙間内に存在する構成を含むものである。そして、不正防止突部97やベース側不正防止壁98の存在によって、ケース取付部93と球通出案内部材33との間に画成される隙間に対して、不正基板等の異物の取り付けを困難としている。
【0074】
(インターフェース基板43について)
図28,
図29に示す如く、前記インターフェース基板43の後面には、左端部側に偏った位置に第1のコネクタ(第1の接続部)43aが後方に向けて突設されており、該第1のコネクタ43aに、外部装置に接続する第1の配線99の配線側コネクタ99aが接続される。またインターフェース基板43の後面には、第1のコネクタ43aの右方に離間する位置に、接続口を後方に向けた複数の第2のコネクタ(第2の接続部)43bが突設され、各第2のコネクタ43bに、前記払出し制御基板37aに設けた第3のコネクタ(第3の接続部)37bに接続する第2の配線100の配線側コネクタ100aが接続されている。なお、インターフェース基板43の後面には、右端部に、接続口を右方に向けた他のコネクタ(他の接続部)43cが設けられ、該他のコネクタ43cには、パチンコ機10に設けた他の基板(図示せず)に接続する他の配線101の配線側コネクタ101aが接続されている。
【0075】
(カバー部材96について)
前記インターフェース基板ケース94のカバー部材96は、
図27,
図28,
図30に示す如く、各第2のコネクタ43bに第2の配線100の配線側コネクタ100aを接続した状態で、前記ベース部材95に対して着脱可能に取り付けられるよう構成され、該カバー部材96によって第2のコネクタ43bに接続した第2の配線100の配線側コネクタ100aの後方(第2のコネクタ43bに対する抜き出し方向前側)を覆うよう構成されている。このカバー部材96は、
図26(b),
図29に示す如く、インターフェース基板43に設けた第1のコネクタ43aの後側を覆わない寸法に設定されて、ベース部材95にカバー部材96を取り付けた状態で、第1のコネクタ43aが後方に露出するよう構成される。またカバー部材96には、前記第1のコネクタ43aの上側、下側および左側の周囲(第1のコネクタ43aに接続した第1の配線99の配線側コネクタ99aの第1のコネクタ43aに対する抜き出し方向と交差する周囲)を略隙間なく囲うカバー側不正防止壁(第1不正防止部)102が設けられている。前記第1のコネクタ43aは、外部装置と接続されるために大型のコネクタが採用され、該第1のコネクタ43aでは、配線側コネクタ99aとの接続部位103に収納されている複数の接触子105が該接続部位103の前面(インターフェース基板43と対向する面)から突出して該基板43に接続されている。そして、前記カバー側不正防止壁102は、第1のコネクタ43aにおける接続部位103から基板側に突出する接触子105の周囲を囲っている(
図34参照)。
【0076】
また前記カバー部材96は、
図27(b),
図30,
図31,
図35に示す如く、前記ベース部材95に取り付けた状態で、前記カバー側不正防止壁102がベース部材95の壁部95bの内側に収容されるよう構成される。これにより、前記第1のコネクタ43aの前記接触子105の周囲は2重に囲われ、該接触子105に対する外部からのアクセスを確実に防止し得るようになっている。また、前記カバー部材96には、
図27,
図30に示す如く、右方(第2の配線100が接続される払出し制御基板37aの配置側)に開口する配線開口96aが設けられ、前記第2のコネクタ43bに接続された第2の配線100は、該配線開口96aからインターフェース基板ケース94の外方に引き出されるよう構成される。この第2の配線100は、後述する後部カバー部材104の内部を引き回されて、前記第3のコネクタ37bに接続されるよう構成される。
【0077】
(後部カバー部材104について)
前記カバー部材96の後面には、後部カバー部材(第2のカバー部材)104を回動自在に支持する枢支部96bが設けられている。この後部カバー部材104は、
図18に示す如く、左端部に、上下方向に延在する軸部104aが設けられ、該軸部104aを前記枢支部96bに支持した状態で、右端部側が前後方向に回動するよう構成される。後部カバー部材104は、前記払出し制御装置37の第3のコネクタ37bおよび前記発射制御装置38の第4のコネクタ38bの後方を覆い得る寸法に設定されており(
図12参照)、該後部カバー部材104は、払出し基板ケース41から露出する第3のコネクタ37bの後側(第3のコネクタ37bに接続した第2の配線100の第3のコネクタ37bに対する抜き出し方向前側)および発射基板ケース42から露出する第4のコネクタ38bの後側(第4のコネクタ38bに接続した配線の第4のコネクタ38bに対する抜き出し方向前側)を覆うカバー位置および該第3のコネクタ37bおよび第4のコネクタ38bを露出する開放位置の間を回動するよう構成される。なお、前記インターフェース基板43に配設した他のコネクタ43cは、カバー位置の後部カバー部材104で覆われると共に、該カバー位置の後部カバー部材104の内側で、前記カバー部材96の配線開口96aが開口するようになっている。
【0078】
前記後部カバー部材104は、前記カバー位置において、該後部カバー部材104の裏面(第2取付ベース70から離間する側の外面)が、前記第2取付ベース70に取り付けられている払出し基板ケース41および発射基板ケース42の裏面と略面一となるよう設定される(
図31,
図32参照)。また、後部カバー部材104に位置決め孔104bが形成されると共に、前記第2取付ベース70における第2設置面部71bより下側に、位置決め孔104bに挿脱自在に係合する位置決め突部106が後方に向けて突設されている。そして、後部カバー部材104を開放位置からカバー位置に向けて回動した際に、位置決め突部106が位置決め孔104bに突入係合することで、
図12に示す如く、該後部カバー部材104がカバー位置に保持されるよう構成される。なお、位置決め孔104bから位置決め突部106を抜き外すことで、該後部カバー部材104の開放位置への回動は許容される。
【0079】
前記後部カバー部材104は、透明な合成樹脂材で形成され、第3のコネクタ37bおよび第4のコネクタ38bを覆うカバー位置において、外側から各コネクタ37b,38bの状況を確認し得るよう構成される。なお、実施例では、前記払出し基板ケース41と発射基板ケース42との間に、後部カバー部材104で塞がれない部分が存在するが、後部カバー部材104を、両基板ケース41,42間の空間を全て覆い得る形状とする構成を採用し得る。
【0080】
(放電機能について)
前記電源基板36aは、外部電源から供給された所定電圧(AC24V)の電源を、該電源基板36aに電気的に接続される各種制御基板37a,38a,39a,46a,47aに必要な電圧に変換して供給するよう構成される。前記遊技盤12に配設された各種制御基板39a,46a,47aは、前記ドッキングコネクタ52を介して電源基板36aに接続されるのに対し、前記中枠13に配設された各種制御基板37a,38aは、電源基板36aに配線を介して直接接続される。なお、遊技盤12に配設された主制御基板39aはドッキングコネクタ52に直接配線接続されるのに対し、前記演出表示制御基板46aおよび統括制御基板47aは、基本的には主制御基板39aを介してドッキングコネクタ52に電気的に接続されている。そして、各種制御基板37a,38a,39a,46a,47aに供給された電源が、該制御基板37a,38a,39a,46a,47aを作動させるための電源、および該制御基板37a,38a,39a,46a,47aで制御される図柄表示装置18、ランプやスピーカ、その他モータやソレノイド等の各種電気部品を作動させるための電源として使用される。なお、実施例では、前記前枠19に配設したスピーカ26および発光装置と統括制御基板47aとは、前述したように主制御基板39aを介することなくドッキングコネクタ52によって直接接続されている。
【0081】
前記電源基板36aには、
図35に示す如く、電源スイッチ107が配設され、該スイッチ107のON−OFF操作によって、電源の入・切が行なわれる。また電源基板36aには、少なくとも前記主制御基板39aおよび払出し制御基板37aに配設されているRAMにバックアップ用電源を供給するための第1コンデンサ108(例えば電気二重層式が好適に用いられるが、その他の型式も採用可能である)が配設されている。そして、閉店時における通常の電源OFF時や停電時、あるいは瞬停時等の電源断状態によって、電源基板36aに外部電源から電源が供給されなくなったときには、主制御基板39aおよび払出し制御基板37aのRAMに対して、該第1コンデンサ108からバックアップ用電源を供給してRAMのバックアップを行ない、該RAMに記憶されている情報を所定の時間(バックアップ時間)だけ保持し得るよう構成される。また電源基板36aには、電源基板36aに供給された電源電圧の安定化や電力の変換のための電源回路114および該電源回路114に接続する第2コンデンサ(蓄電手段)115が設けられている。この第2コンデンサ115は、バックアップ用電源を供給するための前記第1コンデンサ108に比べて大量容のものが用いられている。そして、電源回路114で電圧が安定化等の各種処理が施された電源が、各種制御基板37a,38a,39a,46a,47aに前記ドッキングコネクタ52を介して供給されたり、またはドッキングコネクタ52を介することなく直接供給される。なお、電源回路114としては、例えば整流回路、平滑回路、変圧回路、電力変換回路、ノイズ除去回路等があるが、これらの回路に限定されるものではない。
【0082】
前記電源基板36aには、外部電源から所定電圧(交流24V)の電源が供給されているか否かを監視する通電監視回路(電源監視手段)113が設けられ、外部電源からの電源の供給が停止したときに、該通電監視回路113から後述する判定回路111に通電断信号を出力するよう構成されている。通電監視回路113は、フォトモスリレー等の光センサを用いた非接触式回路が好適に用いられる。
【0083】
また、前記電源基板36aには、電源断を監視する電源断信号回路109が設けられ、外部電源から供給される電源(以下、監視電源という場合もある)の電圧が一定電圧(以下、電源断検知電圧という場合もある)以下になったときに、該電源断信号回路109から前記主制御基板39aおよび払出し制御基板37aに対して、通常の制御から電源断制御に切換えるための電源断信号を出力するよう設定されている。そして、主制御基板39aおよび払出し制御基板37aは、電源断信号を受け取ると、バックアップに必要な処理(電源断処理)を実行するようになっている。この電源断処理としては、例えば、バックアップデータとしてレジスタ、スタックポインタをRAMに記憶させる処理、バックアップフラグを設定(復電時には、このフラグを基にバックアップデータに異常がないかの確認を行なう)する処理、RAMに対してのアクセスを禁止する処理等がある。そして、電源断処理終了後、主制御基板39aおよび払出し制御基板37aは、CPUの停止できる状態(CPUの電源停止待機状態)で待機する(プログラムがループしている状態でCPUへの電源の供給が途絶えるのを待っている)。なお、前記復電とは、電源スイッチ107をOFFからONに切換えたときや停電後、あるいは瞬停時に電圧が正規の電圧に達したことを意味する。前記電源断信号は、電源断時において、パチンコ機10(主制御基板39aおよび払出し制御基板37a)が正常に停止するための処理(停止処理)を行なう契機となる停止処理信号であり、実施例では電源断を監視する電源断信号回路109が、パチンコ機10を停止処理させる停止処理信号を出力する停止処理信号出力手段としても機能する。
【0084】
前記電源基板36aには、リセット信号回路110が配設されており、前記電源スイッチ107をONからOFFに切換えることで前記電源断信号回路109から電源断信号が出力された後に、該リセット信号回路110から前記主制御基板39a、統括制御基板47a、演出表示制御基板46a、払出し制御基板37aに対してリセット信号を出力(ON)するよう設定されている。そして、各制御基板39a,47a,46a,37aは、リセット信号の入力を契機として各CPUの動作を停止する処理を実行するようになっている。すなわち、前記リセット信号は、電源断時において、パチンコ機10(各制御基板39a,47a,46a,37aが備えるCPU)が正常に停止するための処理(停止処理)を行なう契機となる停止処理信号であり、実施例ではリセット信号を出力するリセット信号回路110が、パチンコ機10を停止処理させる停止処理信号を出力する停止処理信号出力手段として機能する。なお、電源断信号が出力された後に出力されるリセット信号は、電源断信号が出力されてから、該電源断信号により開始される主制御基板39aおよび払出し制御基板37aのバックアップ処理に必要な時間を経過後に出力(ON)され、所定時間後にOFFされるよう設定してある。
【0085】
ここで、前記リセット信号回路110は、停電から復帰する時および電圧が電源断検知電圧より一瞬低下した後に正常に復帰する瞬停時、および前記電源スイッチ107をOFFからONに切換えたときに、前記主制御基板39a、統括制御基板47a、演出表示制御基板46a、払出し制御基板37aに対して、各CPUを初期状態から作動させる(CPUのセキュリティチェックやCPUの初期設定を行ない、プログラムを0000番地からスタートさせる)ためのリセット解除信号を出力(ON)するよう設定されている。
【0086】
前記電源基板36aには、前記通電監視回路113およびリセット信号回路110に接続する判定回路(判定手段)111が設けられると共に、前記第2コンデンサ115に蓄えられている電気を放電可能な放電回路(放電手段)112が設けられている。前記判定回路111は、通電監視回路113から通電断信号が出力(ON)された条件、およびリセット信号回路110からリセット信号が出力(ON)された条件の両方が満たされたときに、前記第2コンデンサ115と放電回路112とを電気的に接続し(回路の閉成)、第2コンデンサ115に蓄えられている電気を放電回路112を介して放電し得るよう構成される。また、判定回路111は、通電監視回路113から通電断信号が出力(ON)された条件、およびリセット信号回路110からリセット信号が出力(ON)された条件の何れか一方でも満たされていないときには、第2コンデンサ115と放電回路112との電気的な接続を遮断(回路の開放)するよう構成される。実施例の判定回路111は、前記リセット信号回路110からのリセット信号の出力の有無を実質的に監視しており、該判定回路111がリセット信号回路(停止処理信号出力手段)110からリセット信号(停止処理信号)が出力されたか否かを監視する停止処理信号監視手段としても機能する。
【0087】
前記第2コンデンサ115、放電回路112および判定回路111等に関する具体的な構成を
図36を参照して説明すれば、通電監視回路113の入力側(一次側)に外部電源(24V)が接続すると共に、該通電監視回路113の出力側(二次側)が判定回路111の一方の入力端子に接続される。この判定回路111の他方の入力端子に、前記リセット信号回路110が接続されると共に、該判定回路111の出力端子が、放電回路112に接続されている。実施例の放電回路112は、抵抗器112aと、回路の接続・遮断を行なう切替え手段としての電界効果トランジスタ(FET)112bとから構成され、該電界効果トランジスタ(FET)112bに前記判定回路111の出力端子が接続されている。電界効果トランジスタ(FET)112bは、常には回路を開放(オフ)するよう設定されている。また判定回路111としては、例えばシュミットトリガインバータが用いられ、通電監視回路113およびリセット信号回路110から通電断信号およびリセット信号が判定回路111に入力されることで、該判定回路111からトリガとなる放電信号を電界効果トランジスタ114に出力し、これによって電界効果トランジスタ114が回路を閉成(オン)して第2コンデンサ115と放電回路112とが電気的に接続するよう構成される。
【0088】
なお、前記放電回路112は、第2コンデンサ115から供給される電気を抵抗器112aで熱として消費するよう構成されており、該抵抗器112aの抵抗値としては、第2コンデンサ115に蓄えられている電気を約1秒程度で消費し得る値に設定される。
【0089】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0090】
前記外枠11に対して中枠13は、外枠11の外第1側枠部11cおよび中枠13の中第1側枠部16がヒンジ機構24を介して連結された状態で、中第1側枠部16側を中心として中第2側枠部17側を外枠11に対して近接・離間するよう回動することで開閉される。そして、中枠13は、中第2側枠部17に配設されている施錠装置25によって外枠11に対して閉成状態に保持される。中枠13の中第2側枠部17には、
図6に示す如く、前記ドッキングコネクタ52における第1コネクタ53が配設された保護部材55が取り付けられている。この保護部材55は、
図13,
図14に示す如く、第1コネクタ53の後部を覆うと共に、該第1コネクタ53の後端から導出する配線67を収容して保護しており、第1コネクタ53および配線67に対する不正行為を防ぐことができる。また、保護部材55は透明であるので、第1コネクタ53や配線67に対する不正基板の接続の有無を保護部材55を取り外すことなく確認することが可能である。
【0091】
ここで、前記保護部材55における前記保護部58および側部延出部60の傾斜部60aは、
図13に示す如く、前記中枠13の中第2側枠部17の後端より後方に突出しており、外枠11に対して中枠13を、保護部材55の配設側とは反対の中第1側枠部16側(枢支端側)を中心として回動する際には、保護部材55の保護部58や傾斜部60aが外枠11の外第2側枠部11dに干渉するおそれがある。しかしながら、実施例の保護部材55は、保護部58の外側面および傾斜部60aが前側から後側に向かうにつれて中枠13の内側に傾斜しているから、該保護部58や傾斜部60aが外第2側枠部11dと干渉することなく中枠13を開閉し得る。
【0092】
前記外枠11に組み付けられた中枠13に対して、前記前枠19の左側枠部がヒンジ機構を介して回動自在に取り付ける。そして、前記外枠11に組み付けられた中枠13に前記遊技盤12を組み付ける際には、中枠13に対して前枠19を開放した状態(
図3参照)で、前記遊技盤保持部27に対して前側から斜めに遊技盤12を臨ませて、該遊技盤12の左側端部を前記中第1側枠部16の段部16aと前固定突部28との間に差し込んだ状態で、遊技盤12の右側端部(開放端部)を押し込んで遊技盤12の左側端部(枢支端部)を中心に回動させて遊技盤12の全体を遊技盤保持部27に臨ませた状態で、前記固定部材30,30で遊技盤12の右側上下端部を前側から支持することで組み付けられる。また、中枠13に対して遊技盤12を回動して組み付けることで、
図13,
図14に示す如く、前記ドッキングコネクタ52の第1コネクタ53と第2コネクタ54とが接続し、遊技盤12側の電気部品と中枠13側および前枠19側の電気部品とが電気的に接続される。第1コネクタ53および第2コネクタ54は、遊技盤12の組み付け時の回動中心(枢支端部)から離間する側に配設されて、両コネクタ53,54の接続時の相対的な傾斜は小さくなっている。また、第1コネクタ53は、前記保護部材55に対してフローティング部材68を介して第2コネクタ54との接続方向と略直角な面内で上下・左右に移動可能に取り付けられているので、第1コネクタ53および第2コネクタ54を破損することなく確実に接続することができる。
【0093】
前記保護部材55において両コネクタ53,54の外側方に臨んで該コネクタ53,54の接続部を保護する側部延出部60には、
図13に示す如く、前側に向かうにつれてコネクタ53,54から離間する傾斜部60aが形成してある。従って、中枠13に対して遊技盤12を回動して組み付けるに際し、第2コネクタ54が設けられている前記設置部材45の外側部が保護部材55と干渉することなく中枠13に対する遊技盤12の組み付け作業を円滑に行ない得る。また、前記中枠13に遊技盤12を組み付けた状態では、前記保護部材55における第2下部延出部63および側部延出部60で第2コネクタ54が配設されている前記設置部材45の右下角部がL字状に囲まれる。これにより、第1コネクタ53と第2コネクタ54との接続部に対する外部からのアクセスを防ぐことができる。更に、前記側部延出部60における上下に離間する第1規制部60c,60cの間に、設置部材45に設けた前記第2規制部45bが臨んで、上下方向において所謂ラビリンス構造となるので、側部延出部60の上側や下側からの両コネクタ53,54の接続部に対するアクセスを困難として不正行為を確実に防ぐことができる。
【0094】
前記保護部材55の収容室S1から引出口58aを介して引き出された配線67は、
図11に示す如く、前記中下枠部15に配設されている前記配線ケース69の内部を引き回されて、該配線ケース69の左端で開口する配線出口69dから外部に引き出されて、対応する電気部品に接続される。保護部材55の引出口58aは、該保護部材55が配設される中第2側枠部17から離間する側に開設されて、該引出口58aから引き出された配線67は中第1側枠部16側に向けて引き回される。すなわち、配線67等に対する不正行為を行なうために狙われ易い中枠13の中第2側枠部17と外枠11の外第2側枠部11dとの間に生ずる隙間から離間する方向に配線67を引き回すよう構成しているので、該隙間からの配線67に対するアクセスを困難として不正行為を防ぐことができる。
【0095】
(配線ケース69の作用について)
前記中枠13に遊技盤12を組み付けた状態で、該遊技盤12の設置部材45に配設されて後方に突出する前記主制御装置39と、前記第1取付ベース31に取り付けた前記電源制御装置36との間に画成されている空間部S3に配設された配線ケース69内に、前記ドッキングコネクタ52に接続する配線67を引き回すようにしたので、該配線67に対して不正基板を接続する不正行為を防止することができる。また、不正基板が設置される可能性のある前記空間部S3を配線ケース69で埋めているので、仮に不正基板が配線67に接続されたとしても、該不正基板を隠すように設置する空間部S3がなく、不正基板の発見は容易となる。
【0096】
ここで、前記配線ケース69は、後方に開口する樋状の導入部69bと、該導入部69bに連設されて前方に開口する樋状の本体部69aとから構成されており、配線ケース69の内部に配線67を引き回す作業は、筒状に形成したタイプに比較して容易であり、引き回し作業を短時間で完了し得る。
【0097】
前記配線ケース69における導入部69bの後側開口は、前記第1取付ベース31に取り付けられた第2取付ベース70に設けられている蓋部73によって塞がれている。また、配線ケース69における本体部69aの配線出口69d側の所定領域の後面側は、
図4,
図15に示す如く、第2取付ベース70および該第2取付ベース70に取り付けた前記発射制御装置38で覆われている。すなわち、配線ケース69に対する後側からのアクセスを第2取付ベース70や発射制御装置38により規制し得るよう構成されており、該配線67に対する不正行為をより確実に防止し得る。また、配線ケース69に対するアクセスを規制する部品として、パチンコ機10に必要な発射制御装置38や該発射制御装置38を取り付けるための第2取付ベース70を利用しているので、アクセスを規制するための専用の部品を設ける必要はなく、構成を簡略化し得ると共に部品点数が増加することもない。
【0098】
(ロック手段88の作用について)
前記第2取付ベース70に対して前記払出し制御装置37は、
図10に示す如く、前記払出し用係合突部41aを第1設置面部71aに設けた差込み受突部81の差込み口81aに挿入係合した状態で、該第1設置面部71aに設けた係止フック82によって係止されている。また、第2取付ベース70に対して前記発射制御装置38は、前記発射用係合部83を第2設置面部71bに設けた発射用被係合部85に係合した状態で係止されている。これら払出し制御装置37および発射制御装置38は、第2取付ベース70の第3設置面部71cに取り付けた1つのロック手段88によってロック状態に保持されている。すなわち、払出し制御装置37および発射制御装置38は、払出し用係合突部41a、係止フック82、発射用係合部83、発射用被係合部85等の係止手段のみでなく、ロック手段88で第2取付ベース70に係止保持されているので、運搬時等に発生する振動や衝撃等によって両制御装置37,38が第2取付ベース70から脱落するのを確実に防止し得る。
【0099】
前記ロック手段88のロック位置では、
図22(a),
図23(a),
図24(a)に示す如く、払出し制御装置37の第1ロック部41bおよび発射制御装置38の第2ロック部86は、ロック手段88に設けた対応する第1被ロック部88dおよび第2被ロック部88fに係合して、払出し制御装置37における払出し用係合突部41aの差込み受突部81に対する係合を解除する動作および発射制御装置38における発射用係合部83の発射用被係合部85に対する係合を解除する動作を阻止している。そして、
図22(b),
図23(b),
図24(b)に示す如く、ロック手段88をロック位置からロック解除位置にスライドすることで、前記第1ロック部41bに対する第1被ロック部88dの係合が解除されると共に、第2ロック部86に対する第2被ロック部88fの係合が解除される。これにより、第2取付ベース70に対する払出し制御装置37および発射制御装置38の取り外しが可能になると共に、第2取付ベース70に対する払出し制御装置37および発射制御装置38の取り付けも可能となる。
【0100】
すなわち、前記第2取付ベース70に並んで取り付けられる払出し制御装置37および発射制御装置38は、1つのロック手段88をロック位置とロック解除位置との間をスライドするだけでロックしたりロック解除することができる。これにより、払出し制御装置37および発射制御装置38をロックしたりロック解除する手段を個々に設ける場合に比べ、部品点数が増加するのを抑えると共に小スペース化を図り得る。また、ロック手段88をロック解除位置に臨ませることで、両制御装置37,38を同時にロック解除状態にし得るので、両制御装置37,38の交換時等の作業性が向上する。更に、払出し制御装置37の第1ロック部41bおよび発射制御装置38の第2ロック部86は、
図24に示す如く、第2取付ベース70に両制御装置37,38を取り付けた状態でロック手段88のスライド方向に並ぶようにしたので、幅寸法の小さなロック手段88によって両ロック部41b,86に対して被ロック部88d,88fを係脱することができる。すなわち、2つの制御装置37,38を近接して取り付けることができ、省スペース化を図り得る。
【0101】
前記ロック手段88は、ロック位置では該ロック手段88に設けた前記係合爪91が前記第2取付ベース70に設けた保持板92aの第1係合保持孔92bに係合してロック位置に保持され、またロック解除位置では係合爪91が保持板92aの第2係合保持孔92cに係合してロック解除位置に保持される。すなわち、ロック位置に移動したロック手段88が不用意に移動してロックが解除されてしまうのを防止し得ると共に、払出し制御装置37や発射制御装置38の交換作業等に際し、ロック手段88を手指等でロック解除位置に保持しておく必要はなく、交換作業は容易となる。
【0102】
(規制手段87の作用について)
前記第1取付ベース31のベース用第2被固定部80と第2取付ベース70のベース用第2固定部77とを固定する前記固定具75は、
図20(a),
図21(a)に示す如く、固定位置では前記操作部75bが長手を左右方向に向けた姿勢となっている。この状態では、前記発射制御装置38の前面に設けた前記規制手段87の両規制片87a,87aが操作部75bの後端に当接することなく、該発射制御装置38の前面を第2取付ベース70の第2設置面部71bに当接する位置に臨ませることができる。すなわち、前記発射用係合部83を発射用貫通孔84の挿脱用孔部84aに後側から挿入することが許容され、該係合部83が発射用被係合部85に係合するように発射制御装置38を第2設置面部71bに対してスライドすることが可能となる。
【0103】
これに対し、
図20(b),
図21(b)に示す如く、前記操作部75bの長手が上下方向を向く固定具75の解除位置では、前記規制手段87の両規制片87a,87aが該操作部75bの後端に当接して、前記発射用係合部83を発射用貫通孔84の挿脱用孔部84aに挿入することができず、該係合部83を発射用被係合部85に係合可能な位置に臨ませるのは規制される。すなわち、前記第2取付ベース70に発射制御装置38を重ねて取り付ける構成において、前側に位置する第2取付ベース70が固定具75によって第1取付ベース31に正しく固定されていない限り、該第2取付ベース70に対して発射制御装置38を取り付けることが困難となっている。これにより、第2取付ベース70を第1取付ベース31に固定するための部分(ベース用第2固定部77)の後側に重なるように発射制御装置38を配設することで省スペース化を図って機裏側のスペースの有効利用を図る構成を採用しても、第2取付べース70が不完全な取り付け状態のまま発射制御装置38が取り付けられるのを防止し得る。また、第2取付ベース70が不完全な取り付け状態のまま発射制御装置38が取り付けられるのを防止する規制構造は、回転することで姿勢が変化する操作部75bを備えた固定具75を採用すると共に、発射制御装置38の前面(固定具75と対向する面)に規制片87a,87aを設けるだけの構成であるので、第2取付ベース70が不完全な取り付け状態のままとなるのを簡単な構成で防止し得る。
【0104】
前記固定具75が適正な固定位置になっている場合は、
図21(a),
図32に示す如く、第2取付ベース70に取り付けた発射制御装置38の両規制片87a,87aの間に固定具75の操作部75bが収容されて、該操作部75bの回転は規制片87a,87aによって規制される。従って、運搬時等に発生する振動や衝撃等によって固定具75が解除位置に変位するのを確実に防止し得る。また、前述したように、発射制御装置38は、発射用係合部83と発射用被係合部85との係合のみでなく、前記ロック手段88によって第2取付ベース70に対してロック状態に保持されるものであるから、発射制御装置38の位置がズレて両規制片87a,87aによる操作部75bの回転規制が解除されてしまうこともない。
【0105】
前記発射制御装置38を第2取付ベース70の第2設置面部71bに取り付けた状態では、
図32に示す如く、前記ベース用第2固定部77に支持されている固定具75における操作部75bの後側は、発射制御装置38で覆われており、該操作部75bへの後側からのアクセスを困難にしている。このように、操作部75bに簡単にアクセスできないことで、固定具75が不正に操作されて第2取付ベース70が短時間で取り外されてしまうのを抑制することができる。また、発射制御装置38を利用して固定具75が不正に操作されるのを抑制し得るから、不正アクセスを抑制するための専用の部材を設ける必要はなく、構造を簡単にし得ると共に部品点数が増加することもない。
【0106】
実施例では、前記発射制御装置38を第2取付ベース70の第2設置面部71bに取り付けた状態において、
図10に示す如く、発射制御装置38の左端部と前記凹部76の左端部との間に隙間が画成され、該隙間を介して固定具75の存在を確認することができる。すなわち、第2取付ベース70のベース用第2固定部77に固定具75自体が支持されていないことを、発射制御装置38を取り付けた状態で確認することができる。また、発射制御装置38の左端部と凹部76の左端部との間の隙間は、手指を差し込み得ない寸法に設定されているから、該固定具75が簡単に不正操作されるのを防止し得る。しかも、発射制御装置38が第2取付ベース70に取り付けられている状態では、前述したように前記規制片87a,87aによって操作部75bの回転は規制されているから、前記隙間から差し込んだ工具やピアノ線等の部材で操作部75bが回転されるのを確実に阻止し得る。
【0107】
(インターフェース基板43に対する不正アクセス防止に関する作用について)
前記払出し制御装置37と外部装置との信号の授受を中継する前記インターフェース基板43は、前記インターフェース基板ケース94に収容されている。そして、該インターフェース基板43に設けた第2のコネクタ43bにコネクタ接続された第2の配線100は、該基板ケース94に設けた配線開口96aを介してケース外に引き出されて、該第2の配線100が前記払出し制御装置37の第3のコネクタ37bに接続されている。インターフェース基板ケース94を構成するカバー部材96は、各第2のコネクタ43bの後側(第2のコネクタ43bに接続した第2の配線100の第2のコネクタ43bに対する抜き出し方向前側)を覆っており、該第2のコネクタ43bから第2の配線100の配線側コネクタ100aを簡単に抜き外すことはできず、第2のコネクタ43bに対する外部からの不正なアクセスを、カバー部材96によって効果的に防ぐことができる。
【0108】
前記インターフェース基板43に設けた第1のコネクタ43aは、外部装置に接続する第1の配線99とコネクタ接続するために、ケース外に露出しているが、
図29,
図30,
図34に示す如く、前記カバー部材96に該第1のコネクタ43aの周囲を覆う前記カバー側不正防止壁102が設けられているので、該カバー側不正防止壁102によって第1のコネクタ43aに対する外部からの不正アクセスを抑制することができる。より具体的には、第1のコネクタ43aにおける第1の配線99の配線側コネクタ99aとの接続部位103から基板側に突出する接触子105の周囲が、前記カバー側不正防止壁102で囲われており、外部から接触子に直接アクセスするのを困難としている。更に、実施例のインターフェース基板ケース94では、前記ベース部材95にカバー部材96を組み付けた状態では、
図27(b),
図30,
図31,
図35に示す如く、カバー側不正防止壁102の外側がベース部材95の壁部95bで囲われているので、前記接触子105に対する外部からのアクセスを壁部95bおよびカバー側不正防止壁102で確実に防ぐことができる。
【0109】
また、前記インターフェース基板ケース94を前記第1取付ベース31のケース取付部93に取り付けた状態で、前記ベース部材95に設けた不正防止突部97およびベース側不正防止壁98が、
図33に示す如く、ケース取付部93と前記球通出案内部材33の球抜き通路部33bとの間の隙間を埋めるよう位置する。更に、インターフェース基板ケース94から露出している前記第1のコネクタ43aの周囲を囲う前記カバー側不正防止壁102によっても、ケース取付部93の周囲に存在する他の部材との隙間が埋められている。このように、インターフェース基板43が配設される周囲に存在する隙間を、不正防止突部97、ベース側不正防止壁98およびカバー側不正防止壁102により埋めているので、不正基板が隙間に設置されるのを防止することができる。また、仮に不正基板が第1のコネクタ43aに接続されたとしても、該不正基板を隠すように設置する隙間がなく、不正基板の発見は容易となる。
【0110】
前記第2取付ベース70に取り付けた払出し制御装置37における発射制御装置38との間でケース外に露出する前記第3のコネクタ37bおよび発射制御装置38の下側でケース外に露出する前記第4のコネクタ38bの後側は、
図4、
図12等に示す如く、前記インターフェース基板ケース94に枢支された前記後部カバー部材104で覆われている。すなわち、第3のコネクタ37bおよび第4のコネクタ38bは、当該コネクタ37b,38bに接続した配線100のコネクタ37b,38bに対する抜き出し方向前側が後部カバー部材104で覆われているので、該コネクタ37b,38bから配線100を簡単に抜き外すのは困難であり、該コネクタ37b,38bに対する外部からの不正なアクセスを効果的に防止することができる。また、後部カバー部材104の枢支部96bをインターフェース基板ケース94に設けたので、第1取付ベース31に後部カバー部材104の枢支部を別途設ける必要はなく、第1取付ベース31の構成を簡略化し得る。
【0111】
前記インターフェース基板ケース94から第2の配線100をケース外に引き出す配線開口96aは、カバー位置の前記後部カバー部材104の内部で開口しているので、該配線開口96aから引き出されて前記第3のコネクタ37bに接続する第2の配線100に対する外部からの不正アクセスを、後部カバー部材104で効果的に防止することができる。また、前記カバー位置に位置決めされた後部カバー部材104の裏面は、
図31,
図32に示す如く、前記第2取付ベース70に取り付けられている払出し制御装置37(払出し基板ケース41)および発射制御装置38(発射基板ケース42)の裏面と略面一となっている。すなわち、前記中枠13において各種制御装置37,38が配設される中下枠部15の裏側は、各制御装置37,38および後部カバー部材104によって凹部が画成されるのが極力抑えられており、不正基板が凹部へ設置されるのを抑制し得ると共に、不正基板が中下枠部15の裏側に設置されても該不正基板の発見が容易となる。
【0112】
(放電機能の作用について)
前記パチンコ機10では、外部電源から電源基板36aに供給される電源は、前記電源回路114によって電圧の安定化等の各種の処理が施された後に、前記各種制御基板37a,39a,46a,47aに、前記ドッキングコネクタ52を介して直接供給されたり、またはドッキングコネクタ52を介することなく直接供給される。そして、各制御基板37a,39a,46a,47aでは、供給された電源が、該制御基板37a,38a,39a,46a,47aを作動させるための電源、および該制御基板37a,38a,39a,46a,47aで制御される図柄表示装置18、ランプやスピーカ、その他モータやソレノイド等の各種電気部品を作動させるための電源として使用される。
【0113】
前記パチンコ機10において遊技盤12を交換する際には、前記電源基板36aに設けられている電源スイッチ107をONからOFFに切換える。電源スイッチ107のOFFにより、外部電源からの電源供給が停止すると、前記通電監視回路113から判定回路111に対して通電断信号が出力されると共に、前記電源断信号回路109から主制御基板39aおよび払出し制御基板37aに対して電源断信号が出力される。主制御基板39aおよび払出し制御基板37aは、電源断信号の入力を契機として、バックアップに必要な処理を実行する。このとき、前記リセット信号回路110からはリセット信号は出力されておらず、前記判定回路111は、通電監視回路113から通電断信号が出力(ON)された条件、およびリセット信号回路110からリセット信号が出力(ON)された条件の何れも満たされている肯定判定を行なっておらず、前記第2コンデンサ115と放電回路112とは電気的な接続が遮断(電界効果トランジスタ112bのオフ)されている。なお、主制御基板39aおよび払出し制御基板37aでのバックアップ処理に際しては、前記第1コンデンサ108に蓄えられている電気が各制御基板39a,37aに供給されて、該制御基板39a,37aでのバックアップ処理が正常に行なわれる。
【0114】
更に、前記電源断信号回路109から電源断信号が出力された後であって、前記主制御基板39aおよび払出し制御基板37aのバックアップ処理に必要な時間を経過後に、前記リセット信号回路110から主制御基板39a、統括制御基板47a、演出表示制御基板46a、払出し制御基板37aに対してリセット信号が出力される。そして、各制御基板39a,47a,46a,37aは、リセット信号の入力を契機として各CPUの動作を停止する処理を実行する。
【0115】
前記リセット信号回路110からリセット信号が出力されると、前記判定回路111が肯定判定し、前記電界効果トランジスタ114にトリガとなる放電信号を出力することで該トランジスタ114がオンして前記第2コンデンサ115と放電回路112とが電気的に接続される。これにより、第2コンデンサ115に蓄えられている電気が放電回路112を介して放電される。第2コンデンサ115に蓄えられている電気の放電は、放電回路112によって短時間(約1秒)で完了する。
【0116】
これに対し、前記中枠13から前記遊技盤12を取り外す具体的作業は、前記電源スイッチ107をOFFに切換えた後、前記固定部材30,30による中枠13に対する遊技盤12の固定を解除する。そして、遊技盤12を、左端部を中心として右端部を前側に向けて回動することで、前記ドッキングコネクタ52の第1コネクタ53と第2コネクタ54との接続が解除される。これにより、中枠13に配設されている前記電源基板36aと、遊技盤12側に配設されている各種制御装置39,46,47を含む各種電気部品との電気的な接続が解除される。
【0117】
実施例のパチンコ機10では、遊技盤12側の電気部品と中枠13側の電気部品とを、中枠13に対する遊技盤12の組み付けによって電気的に接続するドッキングコネクタ52を用いているので、遊技盤12側の電気部品と中枠13側の電源基板36aとの電気的な切り離し作業は極めて短時間で完了する。このように、遊技盤12側の電気部品と中枠13側の電源基板36aとの電気的な切り離し作業が極めて短時間で完了する構成を採用した場合であっても、実施例のパチンコ機10は、前記第2コンデンサ115に蓄えられている電気を前記放電回路112により短時間で放電し得るので、新たな遊技盤12を中枠13に取り付ける際に、第2コンデンサ115から遊技盤12側の電気部品に電気が供給されることはない。従って、遊技盤12の交換作業に際して第2コンデンサ115に蓄えられている電気が一気に流れてスパークが発生し、コネクタ等の電気部品が損傷する事態を防止することができる。また、第2コンデンサ115に蓄えられている電気が自然放電するまで遊技盤12の組み付け作業を待機する必要もなく、電気部品を損傷することなく遊技盤12の交換作業を短時間で行ない得る。
【0118】
実施例のパチンコ機10では、前記電源基板36aに、通電監視回路113、リセット信号回路110、判定回路111および放電回路112を配設したので、既存の電源基板と交換するだけで放電機能を有するパチンコ機10に変更することができる。また、通電監視回路113として非接触式回路を採用したので、振動や衝撃等によって誤作動することがなく、第2コンデンサ115に蓄えられている電気を不用意に放電してしまうのを防止し得る。また、機械的なリレー等に比べて故障の発生を抑制し得る。
【0119】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、保護部材から引き出した配線を配線ケースの内部に引き回すよう構成したが、保護部材から引き出した配線を適宜の空間部に引き回して対応する電気部品に接続するものであってもよい。
(2) 実施例では、電源制御装置、払出し制御装置、発射制御装置およびインターフェース基板(基板ケースに収納された状態の基板)を、中枠の中下枠部に対して第1取付ベースや第2取付ベースを介して取り付けるよう構成したが、中下枠部に各装置や基板の取着部を設け、該取着部に直接装置や基板を取り付ける構成を採用し得る。
(3) 実施例では、遊技盤側の電気部品と中枠側の電気部品とを、中枠に対する遊技盤の組み付けによって電気的に接続するドッキングコネクタを用いた場合で説明したが、中枠に対する遊技盤の組み付けによらず、各電気部品に接続する配線を中継基板や公知のコネクタを用いて電気的に接続する構成であってもよい。
(4) 実施例では、配線ケースを、後側に開口する導入部と前側に開口する本体部とから構成したが、前側に開口する本体部のみから配線ケースを構成したものであってもよい。
(5) 実施例では、配線ケースの後側の一部を発射制御装置で覆うようにしたが、該発射制御装置と並んで配設される払出し制御装置で配線ケースの後側を覆うようにしてもよい。また、配線ケースの後側を覆う制御装置は、発射制御装置や払出し制御装置に限定されるものではない。
(6) 実施例では、通電断信号の出力とリセット信号の出力とのAND条件で、第2コンデンサに蓄えられている電気を放電回路で強制的に放電するよう構成したが、リセット信号に代えて電源断信号回路から出力される電源断信号を用いることができる。すなわち、通電断信号の出力と電源断信号の出力とのAND条件で、第2コンデンサに蓄えられている電気を放電回路で強制的に放電するようにしてもよい。また、通電断信号の出力のみによって第2コンデンサに蓄えられている電気を放電回路で強制的に放電する構成を採用し得る。
(7) 実施例では、判定回路を、リセット信号回路(停止処理信号出力手段)からリセット信号(停止処理信号)が出力されたか否かを監視する停止処理信号監視手段と兼用するよう構成したが、判定回路とは別に、リセット信号回路(停止処理信号出力手段)からリセット信号(停止処理信号)が出力されたか否かを監視する停止処理信号監視手段を設ける構成を採用し得る。
(8) 実施例では、通電監視回路(電源監視手段)として非接触式回路を用いたが、電源断状態を検出可能なものであれば、接触式回路、その他公知の各種形態の手段を採用することができる。
(9) 実施例では、電界効果トランジスタを用いて第2コンデンサ(蓄電手段)と放電回路とを電気的に接続したり接続を遮断するよう構成したが、接続状態を切替える手段としては電界効果トランジスタに限定されるものでなく、常には第2コンデンサ(蓄電手段)と放電回路との電気的な接続を遮断し、判定回路(判定手段)が肯定判定したときに第2コンデンサ(蓄電手段)と放電回路とを電気的に接続し得るものであれば、公知の各種形態の手段を採用し得る。
(10) 実施例では、抵抗器と電界効果トランジスタとから放電手段を構成したが、放電手段の構成はこれに限定されるものではなく、常には第2コンデンサ(蓄電手段)との電気的な接続が遮断され、判定回路(判定手段)での肯定判定によって第2コンデンサ(蓄電手段)と電気的に接続されて、該第2コンデンサ(蓄電手段)に蓄えられている電気を消費し得るものであればよい。例えば、抵抗器に代えて、第2コンデンサ(蓄電手段)に蓄えられている電気を光に変換して消費するランプ(発光手段)等を採用可能である。
(11) 実施例では、中枠に配設した電源基板と、遊技盤側に配設した電気部品とを、中枠に対する遊技盤の組み付けによって電気的に接続するドッキングコネクタを用いた場合で説明したが、中枠に対する遊技盤の組み付けによらず、個々の電気部品と電源基板とを個別に配線やコネクタを用いて接続する構成であってもよい。
(12) 電源基板に配設される電源回路は、1つであっても複数であってもよく、複数の電源回路を設けた場合は、各電源回路に接続する複数の第2コンデンサが放電回路に接続されていればよい。
(13) 実施例では、ロック手段でロック状態とロック解除状態とにする制御装置として払出し制御装置および発射制御装置を挙げたが、他の制御装置であってもよい。
(14) 実施例では、第2取付ベースに対して左右方向に並べた制御装置を1つのロック手段でロック状態とロック解除状態とにする場合で説明したが、制御装置の並び方向は上下方向、あるいは斜め方向であってもよい。
(15) 実施例では、第2取付ベースに対する払出し制御装置(第1制御装置)および発射制御装置(第2制御装置)の係止構造を異ならせた場合で説明したが、同一の係止構造を採用したものであってもよく、またはその他公知の各種係止構造を採用し得る。そして、係止構造(前後動により係脱する係止構造やスライドにより係脱する係止構造)の形態に応じて、制御装置に設ける係合部とロック手段に設ける被係合部との形態を設定すればよい。
(16) 実施例では、ロック手段のロック解除位置で両方の制御装置をロック解除状態とするよう構成したが、第1制御装置に対応する第1ロック解除位置および第2制御装置に対応する第2ロック解除位置を夫々設定し、各制御装置を個別にロック解除状態とし得る構成であってもよい。また、更に両方の制御装置を同時にロック解除状態とする第3ロック解除位置を設定してもよい。
(17) 実施例では、払出し制御装置(第1制御装置)の第1ロック部(第1係合部)と発射制御装置(第2制御装置)の第2ロック部(第2係合部)とを、ロック手段のスライド方向に並ぶように構成したが、両ロック部がロック手段のスライド方向に並んでいない構成であってもよい。例えば、第1ロック部と第2ロック部とがロック手段を挟んで対向する構成や、両ロック部が対向することなく前記スライド方向にずれている構成であってもよい。
(18) 実施例では、第1基板をインターフェース基板とし、第2基板を払出し制御基板とした場合で説明したが、第1基板および第2基板としては、両基板に設けた接続部同士を配線で接続する必要のある基板であればよい。
(19) 後部カバー部材の形状は、実施例の形状に限定されるものでなく、インターフェース基板の周囲に配置された制御装置のケース外に露出するコネクタの露出領域に応じて、該露出領域の後側を覆い得る形状に設定すればよい。
(20) 実施例では、第2取付ベースを第1取付ベースに固定する複数の固定部のうちの1つを制御装置(発射制御装置)に重なる位置に設けたが、全ての固定部を対応する制御装置(払出し制御装置や発射制御装置)に重なる位置に設けて、全ての制御装置に実施例と同様な規制手段による規制構造を採用することができる。
(21) 実施例では、固定手段として回転式の固定具を挙げたが、スライドして固定位置および解除位置に変位可能な形態のものであってもよく、固定位置と解除位置とで操作部の位置や姿勢が変化するものであればよい。
(22) 実施例では、規制手段を一対の規制片で構成した場合で説明したが、該規制手段の形態はこれに限られるものではなく、固定手段の固定位置と解除位置との変位形態や操作部の位置や姿勢の変化に応じ、固定手段の固定位置で操作部に当接し、解除位置で操作部に当接しない形態であればよい。
(23) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。