【実施例】
【0015】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1または
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤12を着脱可能に保持する本体枠としての中枠13が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤12の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置14が着脱可能に配設されている。また、前記中枠13の前面側には、前記遊技盤12を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透明部材30で前後に開口する窓口15aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠(機前面側を構成する前面部材)15が開閉可能に組み付けられる。前枠15の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球受け皿16および下球受け皿17が上下に離間して前枠15と一体的に開閉可能に設けられている。また前枠15には、下球受け皿17の側方に、前記中枠13に配設された打球発射装置18を作動する操作ハンドル19が設けられ、該操作ハンドル19の回動操作によって打球発射装置18が作動されて、前記上球受け皿16に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤12に向けて発射されるようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置14としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
【0016】
(外枠11および中枠13について)
前記外枠11は、4つの枠部材を相互に組み付けることで縦長の矩形枠体として構成されるものであって、該外枠11に対して前記中枠13は、後述する中第1側枠部23側が、ヒンジ機構20を介して開閉および着脱自在に支持され、外枠11に対して中枠13を閉成することで、該外枠11の内側に中枠13が収容されるよう構成される。
図2に示すように、前記中枠13は、上縁をなす中上枠部21と、下縁をなし、下部スピーカ27、打球発射装置18、各種制御装置(図示せず)等を設置する設置部として機能する中下枠部22と、左縁(一方の側縁)をなす中第1側枠部23と、右縁(他方の側縁)をなす中第2側枠部24とから構成されて、これら上下左右の枠部21,22,23,24を組み付けた際に、全体が外枠11の開口領域に整合する大きさに形成される。そして、外枠11に対して中枠13は、中第1側枠部23がヒンジ機構20を介して回動自在に支持され、外枠11に対して中枠13を中第1側枠部23側を中心として回動して閉成することで、外枠11の内側に中枠13が収容されるよう構成される。中枠13の中第2側枠部24には施錠装置(図示せず)が設けられ、外枠11に対して中枠13を閉成した状態で、該施錠装置により中第2側枠部24が外枠11に対して施錠されるようになっている。また、中枠13には、上下左右の枠部21,22,23,24を組み付けることで前後に開口する遊技盤保持部25が画成され、該遊技盤保持部25に遊技盤12が着脱自在にセット保持される。実施例では、上下の枠部21,22が合成樹脂材で成形されると共に、左右の側枠部23,24はアルミ等の金属材により成形されて、中枠13全体としての剛性を確保しつつ軽量化が図られている。
【0017】
(遊技盤12について)
前記遊技盤12は、合板等の木製板部材の表面にセル板を配設したもの、あるいはアクリル板等の透明な合成樹脂材等からなる平板状の板部材で構成される。遊技盤12の前面には、案内レール26によって遊技領域12aが画成され、前記中枠13に配設された打球発射装置18から発射されたパチンコ球が遊技領域12a内に打ち出され、該遊技領域12a内をパチンコ球が流下して遊技が行なわれる。また遊技盤12の前面には、
図1,
図2では図示省略してあるが、遊技領域12a内に枠状装飾部材、パチンコ球が入賞可能な始動入賞装置、特別入賞装置、普通入賞装置等の各種入賞装置および多数本の遊技釘や風車等の各種遊技部品が配設されている。遊技盤12の裏側には、図柄表示装置14、可動演出装置および発光装置等の各種の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された設置部材(図示せず)が配設される。そして、設置部材に形成された前後に開口する開口部および枠状装飾部材に形成した窓口を介して図柄表示装置14の表示部を前面側から視認し得るよう構成されている。
【0018】
前記始動入賞装置には、遊技領域12aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口が設けられ、該始動入賞口へ入賞したパチンコ球が始動入賞センサ(図示せず)で検出されることで、図柄表示装置14の表示部で図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿16,17に払い出される。また、前記特別入賞装置は、入賞口が開閉扉で常には閉鎖されており、前記図柄表示装置14での図柄変動の結果、図柄表示装置14に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉が開放するよう作動制御されて、入賞口への入賞により多数の賞球を獲得し得る機会が遊技者に与えられるようになっている。
【0019】
(前枠15について)
前記前枠15は、
図2に示す如く、全体が合成樹脂により前記中枠13の外形サイズに成形され、前記遊技盤12の遊技領域12aを前側から視認し得る前記窓口(可視部)15aを開設した本体部28と、該本体部28の裏側に配設された金属製のベース部材29とを備え、該ベース部材29の裏側に保持した透明部材30(
図3,
図4参照)によって遊技盤12の遊技領域12aを透視可能に保護するよう構成される。本体部28は、上縁をなす前上枠部28aと、下縁をなす前下枠部28bと、左縁(一方の側縁)をなす前第1側枠部28cと、右縁(他方の側縁)をなす前第2側枠部28dが一体的に成形され、前下枠部28bの前面に前記上下の球受け皿16,17が設けられている。そして、中枠13に対して前枠15は、前第1側枠部28cがヒンジ機構74を介して回動自在に支持され、中枠13に対して前枠15を前第1側枠部28c側を中心として回動して閉成することで、中枠13の前側が前枠15で覆われる。また、中枠13に対して前枠15を閉成した状態で、前記施錠装置を利用して前第2側枠部28dが中枠13に対して施錠されるようになっている。なお、実施例では前枠15に上下の球受け皿16,17を一体的に設けるようにしたが、下球受け皿17を中枠13に対して開閉自在に配設する構成を採用し得る。
【0020】
前記前枠15の前上枠部28aに、後述するスピーカユニット33,34および第1照明装置31が配設されると共に、左右の側枠部28c,28dに、第2照明装置32が夫々配設されている(
図1参照)。第1照明装置31は、前上枠部28aに着脱自在に配設された光透過性の第1装飾カバー72(後述)で覆われると共に、各第2照明装置32は、対応する側枠部28c,28dに着脱自在に配設された光透過性の第2装飾カバー73で覆われている。そして、第1装飾カバー72と、左右の第2装飾カバー73,73と前下枠部28bの上縁とによって、前記窓口15aが画成される。
【0021】
(前上枠部28aについて)
前記第1照明装置31は、
図1,
図5,
図6に示す如く、前上枠部28aの中央部に設けられ、該第1照明装置31を挟む左右両側の前上枠部28a(窓口15aの外側であって本体部28の上側角隅部)に、後述するスピーカ設置部62,63が設けられ、該スピーカ設置部62,63にスピーカユニット33,34が着脱自在に取り付けられるよう構成される。実施例では、後述するように、スピーカ設置部62,63に対してスピーカユニット33,34を回転変位することで着脱し得るようになっている。なお、スピーカ設置部62,63の構成を説明する前に、該スピーカ設置部62,63に取り付けられるスピーカユニット33,34の構成について説明する。
【0022】
(スピーカユニット33,34について)
前記前枠15の各スピーカ設置部62,63に取り付けられる左右のスピーカユニット33,34の構成は基本的には左右対称であるので、右側のスピーカ設置部63に取り付けられる右側のスピーカユニット34の構成について説明し、左側のスピーカユニット33の同一部品および部位には同じ符号を付して詳細説明は省略する。なお、左右のスピーカユニット33,34を区別する場合は、左側のスピーカユニット33を第1スピーカユニット33と指称すると共に、右側のスピーカユニット34を第2スピーカユニット34と指称するものとする。また、左右のスピーカ設置部62,63についても、区別する場合は左側のスピーカ設置部62を第1スピーカ設置部62と指称すると共に、右側のスピーカ設置部63を第2スピーカ設置部63と指称するものとする。
【0023】
図9および
図10に示す如く、前記第2スピーカユニット34は、出力部35aから音を出力するスピーカ35と、出力部35aを前側に向けた姿勢で前記スピーカ35が収容される収容空間S1が画成されるケース36と、該ケース36の収容空間S1に収容され、複数の発光手段としてのLED37a,37bを実装した発光基板38と、前記ケース36に形成されて収容空間S1を前方へ開口する放音口43aと、前記ケース36に設けられ、前記前枠15の第2スピーカ設置部63に着脱自在なケース取着部(取着部)39とを基本的に備える。そして、第2スピーカユニット34は、
図3,
図4,
図17等に示す如く、前記前枠15の前側にケース36の放音口43aが臨む状態で、前記ケース取着部39を介して第2スピーカ設置部63に着脱自在に取り付けられる。
【0024】
前記スピーカ35は、
図9に示す如く、四角形状に形成された取付板35bの中央に円形の出力部35aが設けられると共に、該取付板35bの前面に、出力部35aを囲むように環状に区画壁35cが立設されている。また、取付板35bの4つの角部の夫々に、後述する取付部材47に対する固定用の通孔35dが、前後方向に貫通して形成されている。
【0025】
(ケース36の前カバー体40について)
前記ケース36は、光透過性の前カバー体40と、同じく光透過性の後カバー体41とを前後の関係で組み付けることで構成されて、前カバー体40と後カバー体41との間に前記収容空間S1が画成される。前カバー体40は、
図3,
図4,
図8,
図17に示す如く、収容空間S1に収容されたスピーカ35の前側を覆うよう配置されたものであって、後端側においてスピーカ35の外形より大きく開口するよう形成され、該スピーカ35の前端を囲繞する筒状の外壁42と、該外壁42の内側に設けられ、後端から前端に向かうにつれて外壁42との離間間隔が漸次小さくなって該外壁42の前端に接続する筒状の内壁43とを備える。そして、前カバー体40の内壁43によって、前記放音口43aが画成される。この放音口43aは、スピーカ35の出力部35aの前側において前方に向かうにつれて拡開するよう延在すると共に前後で開口し、前端の開口寸法が出力部35aより大きく設定されている。実施例では、内壁43を内側に向けて凸となるように湾曲形成することで、前方に向かうにつれて拡開する略ホーン形の放音口43aを画成している。
【0026】
前記前カバー体40の外壁42および内壁43に光拡散処理が施され、後述する第1LED37aから照射された光を両壁42,43によって拡散して、スピーカ35の周囲を光によって効果的に装飾し得るよう構成される。また
図10に示す如く、外壁42の内側に、ネジ孔42aを形成したが固定ボス42bが周方向に離間して複数設けられると共に、該外壁42の後端には、周方向の一部(実施例では下側)に後方に突出する位置決め部42cが形成されている。更に、前カバー体40の外周には、前記第1装飾カバー72の後述するスピーカ用開口部72aの内周面との当接部に沿って弾性変形可能な材料(実施例ではゴム)からなるパッキン44が被覆されており、前カバー体40と第1装飾カバー72との間の密封性を確保するよう構成してある。
【0027】
(ケース36の後カバー体41について)
前記後カバー体41は、
図9に示す如く、前側に開口すると共に後側に向かうにつれて径が小さくなる略半紡錘形状に形成されると共に、該後カバー体41の前部には、径方向外方に延出するフランジ45が設けられている。このフランジ45には、前記前カバー体40の各固定ボス42bのネジ孔42aと対応する位置に通孔45aが形成されており、該通孔45aに後側から挿通したネジ(図示せず)を対応する固定ボス42bのネジ孔42aに螺挿することで、両カバー体40,41が固定されるようになっている。なお、両カバー体40,41は、前記スピーカ35および発光基板38が取り付けられる後述する取付部材47を挟持した状態でネジ止め固定される。また、前記フランジ45には、取付部材47に対する位置決め用の位置決め凹部45bが周方向に離間して複数(実施例では2つ)形成してある。
【0028】
前記後カバー体41には光拡散処理が施されており、後述する第2LED37bから照射された光を拡散して、スピーカ35の周囲を光によって効果的に装飾し得るよう構成される。なお、前記前カバー体40および後カバー体41に施される光拡散処理については、両カバー体40,41で同一種の光拡散処理を施すものであっても、異なる光拡散処理を施すものであってもよく、両カバー体40,41で異なる光拡散処理を施した場合は、各カバー体40,41での明輝の態様が異なることによってより興趣の高い発光演出を行ない得る。
【0029】
前記後カバー体41には、前記収容空間S1を外部に開放する音響用開口部(開口部)41aが複数開設されている。この音響用開口部41aは、
図3,
図4に示す如く、第2スピーカユニット34を前枠15の対応する第2スピーカ設置部63に取り付けた状態で、前記前上枠部28aと第1装飾カバー72とにより画成される音響空間S2に連通する位置に設けられる。実施例では、前記音響用開口部41aは後カバー体41の上部側に偏った位置に開設されている。より具体的には、後カバー体41に設けた後述する第1係合片58aと第2係合片58bとの間の壁部分に、周方向に離間して複数の音響用開口部41aが開設されている。また、隣り合う音響用開口部41a,41aを区画している画壁46は、
図5,
図6,
図3,
図4等に示す如く、前後方向の中間が屈曲するよう形成されて、音響用開口部41aを形成することでの強度低下を抑制するよう構成してある。なお、前記画壁46における屈曲部46aより後側に画成される段差部は、第2スピーカユニット34の外側を引き回される配線(図示せず)の逃し部として機能するようになっている。
【0030】
(取付部材47について)
前記前カバー体40と後カバー体41とで挟持される取付部材47は、
図9,
図10に示す如く、リング状に形成された光透過性のリング体であって、該取付部材47の中心通孔47aの内径は、前記スピーカ35の出力部35aの直径より大きく設定される。また、取付部材47の後面には、後方に突出すると共にネジ孔48aが形成されたスピーカ取着部48が周方向に離間して複数(実施例では4つ)形成される。更に、取付部材47の後面には、前記スピーカ35の取付板35bにおける4辺に対応する位置の夫々にスピーカ用位置決め突起49が突設されている。そして、前記スピーカ35の出力部35aを取付部材47の中心通孔47aに臨ませると共に前記取付板35bの各辺にスピーカ用位置決め突起49を当接した状態で、該取付板35bに設けた前記通孔35dに挿通したネジ(図示せず)をスピーカ取着部48のネジ孔48aに螺挿することで、スピーカ35は取付部材47の後側に取り付けられる。また、取付部材47に後側にスピーカ35を取り付けた状態で、取付板35bに突設した前記区画壁35cの前端が取付部材47の中心通孔47aより外側の裏面に当接し(
図8参照)、該取付部材47を境として出力部35aの前側と後側とが仕切られるようになっている。
【0031】
前記取付部材47の前面には、
図9に示す如く、前方に突出すると共にネジ孔50aが形成された基板取着部50が周方向に離間して複数(実施例では2つ)形成されると共に、周方向に隣り合う基板取着部50,50の間に基板用位置決め突起51が夫々前方に向けて突設されている。そして、取付部材47の前側に、後述するように基板取着部50および基板用位置決め突起51を介して前記発光基板38が取り付けられるようになっている。なお、取付部材47における中心通孔47aの内径は、
図8に示す如く、前カバー体40の内壁43における後端側の内径より大きく設定されている。
【0032】
前記取付部材47の外周面に、
図9に示す如く、前記前カバー体40の位置決め部42cが嵌合する位置決め用切欠部47bが形成されている。また、取付部材47の後面に、前記後カバー体41の位置決め凹部45bに嵌合する位置決め突部47cが周方向に離間して形成されている(
図10参照)。そして、取付部材47に対して前カバー体40は、位置決め部42cを位置決め用切欠部47bに嵌合することで位置めされると共に、取付部材47に対して後カバー体41は、位置決め凹部45bに位置決め突部47cを嵌合することで位置決めされるようになっている。
【0033】
(発光基板38について)
前記発光基板38は、前記スピーカ35の出力部35aの外形寸法以上の内径に設定されたリング体52,53が2つ連結されたフレキシブル基板を、両リング体52,53の中心通孔(通孔)52a,53aを前後方向に整列した状態で両リング体52,53が前後に重なるように折り畳んで構成される。そして、
図9または
図10に示す如く、前側に位置する第1リング体52の前面に第1LED37aが周方向に離間して複数実装されると共に、後側に位置する第2リング体53の後面に第2LED37bが周方向に離間して複数実装されている。また、前記第2リング体53からフレキシブル配線55が導出し、該フレキシブル配線55が、後カバー体41に配設された後述する中継基板61に接続され、該フレキシブル配線55および中継基板61を介して接続する統括制御装置(図示せず)によって、第1LED37aと第2LED37bとが個別に制御されるよう構成してある。
【0034】
実施例では、前側の第1リング体52と後側の第2リング体53とは、合成樹脂等の絶縁材料によりリング状に形成された絶縁板54を挟んで重ねられ、両リング体52,53の対向面に露出する回路同士が接触するのを絶縁板54で防止するよう構成される。なお、絶縁板54に形成された中心通孔54aの内径は、リング体52,53(発光基板38)の中心通孔52a,53aの内径と略同じに設定されると共に、該絶縁板54の外径もリング体52,53(発光基板38)の外径と略同じに設定してある。
【0035】
前記発光基板38(リング体52,53)の内周には、前記取付部材47に設けた基板取着部50および基板用位置決め突起51と対応する位置の夫々に、ネジ用凹部52b,53bおよび位置決め用凹部52c,53cが形成されている。また、前記絶縁板54に、発光基板38(リング体52,53)に設けたネジ用凹部52b,53bおよび位置決め用凹部52c,53cと対応する位置に、ネジ用凹部54bおよび位置決め用凹部54cが夫々形成されている。なお、発光基板38(リング体52,53)のネジ用凹部52b,53bおよび絶縁板54のネジ用凹部54bは、ネジにおける軸部の挿通は許容するが、頭部の挿通は許容しない寸法で前後に開放している。そして、前記取付部材47の基板用位置決め突起51を発光基板38および絶縁板54の位置決め用凹部52c,53c,54cに嵌合した状態で、発光基板38および絶縁板54のネジ用凹部52b,53b,54bに前側から挿通したネジを基板取着部50のネジ孔50aに螺挿することで、絶縁板54を挟持した発光基板38が取付部材47に位置決め固定される。なお、取付部材47に設けた一方の基板用位置決め突起51と他方の基板用位置決め突起51の形状が異なるように設定されると共に、各基板用位置決め突起51の形状に合わせて発光基板38および絶縁板54における位置決め用凹部52c,53c,54cの形状が設定されて、取付部材47に対して発光基板38は適正な位置でのみ取り付け可能に構成してある。
【0036】
前記発光基板38が前側に取り付けられると共に前記スピーカ35が後側に取り付けられた取付部材47は、スピーカ35が後カバー体41の内部に収容されると共に、該後カバー体41と前カバー体40とで前後から挟持された状態でケース36に取り付けられる。そして、取付部材47が後カバー体41と前カバー体40とにより挟持された取付け状態で、
図8に示す如く、前記発光基板38は、前カバー体40における外壁42と内壁43との間の空間(収容空間S1を構成する空間)に収容されるようになっている。すなわち、前記発光基板38は、前記スピーカ35の出力部35aより前側において、該発光基板38(リング体52,53)の中心通孔52a,53aを出力部35aと前後方向に整列し、該出力部35aと発光基板38自体が前後に重ならない状態で前記ケース36の収容空間S1に収容されて、出力部35aから出力される音の量や質を低下させることがないよう構成してある。また、外壁42と内壁43との間の空間に収容された発光基板38では、該発光基板38の前面(第1リング体52の前面)に実装した第1LED37aからの光が前カバー体40に向けて照射されると共に、該発光基板38の後面(第2リング体53の後面)に実装した第2LED37bからの光が取付部材47を介して後カバー体41に向けて照射されるようになっている。
【0037】
前記前カバー体40における内壁43の後端開口とスピーカ35の出力部35aとの間には、多数の通孔が開設された保護部材56が、内壁43の後端と取付部材47とで挟持された状態で配設される。すなわち、
図7に示す如く、スピーカ35の出力部35aの前側は、保護部材56で保護されている。
【0038】
(ケース取着部39について)
前記後カバー体41に設けられた前記ケース取着部39は、該後カバー体41の後端下部に設けられた複数の第1ネジ固定部(ネジ固定部)57と、後カバー体41の外周面に設けられた係合部58とから基本的に構成される。すなわち、
図10に示す如く、後カバー体41の後端下部に、前記中継基板61を収容可能な基板設置部60を画成する壁部59が外方に向けて突設されており、この壁部59の複数箇所(実施例では4箇所)に、ネジ孔57aが形成された前記第1ネジ固定部57が、壁部59の突出端より更に外方に突出して設けられている。また、壁部59で画成される前記基板設置部60には、前記発光基板38から導出するフレキシブル配線55およびスピーカ35から導出する配線(図示せず)が接続される中継基板61が着脱自在に取り付けられるよう構成してある(
図8参照)。そして、該中継基板61が、前記遊技盤12の裏側に配設された統括制御装置に接続されて、該統括制御装置の制御下に前記第1LED37a,第2LED37bおよびスピーカ35が制御されるようになっている。
【0039】
前記係合部58は、
図7において放音口43aを挟んで左側に位置する第1係合片58aおよび右側に位置する第2係合片58bを備え、両係合片58a,58bが、前記前枠15の第2スピーカ設置部63に設けた被係合部69,70(後述)に係脱自在に係合することで、第2スピーカユニット34が第2スピーカ設置部63に位置決め保持されるよう構成される(
図16,
図17参照)。また、第1係合片58aおよび第2係合片58bは、何れも板状で前側から後側に向かうにつれて上側に変位するよう斜めに設けられている。そして、右側の第2スピーカユニット34においては、対応する第2スピーカ設置部63に対して該第2スピーカユニット34を時計方向に回転することで、両係合片58a,58bが被係合部69,70に係合して位置決めされると共に、反時計方向に回転することで被係合部69,70に対する両係合片58a,58bの係合が解除されるよう構成してある。また、前記第1係合片58aおよび第2係合片58bを傾斜して形成したことで、係合片58a,58bと被係合部69,70とが係合した状態で、第2スピーカユニット34は、前記放音口43aが前記前枠15における窓口15aの正面中央側に向けて斜めに向く姿勢となるよう構成される(
図1参照)。すなわち、右側の第2スピーカユニット34を対応する右側の第2スピーカ設置部63に取り付けた状態で、当該第2スピーカユニット34は、放音口43aが前側に向けて左斜め下向きとなる姿勢となるよう設定される。
【0040】
なお、実施例では、左側の第1スピーカユニット33は、後述するように対応する第1スピーカ設置部62に対して反時計方向に回転することで、両係合片58a,58bが被係合部69,70に係合して位置決めされると共に、時計方向に回転することで被係合部69,70に対する両係合片58a,58bの係合が解除されるよう構成してある。また、左側の第1スピーカユニット33を対応する左側の第1スピーカ設置部62に取り付けた状態で、当該第1スピーカユニット33は、放音口43aが前側に向けて右斜め下向きとなる姿勢となるよう設定される。
【0041】
(スピーカ設置部62,63について)
前記前枠15に設けた左右のスピーカ設置部62,63の構成は基本的には左右対称であるので、右側の第2スピーカ設置部63の構成について説明し、左側の第1スピーカ設置部62の同一部位には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
【0042】
前記第2スピーカ設置部63は、
図3,
図4,
図12等に示す如く、前方に開口すると共に後側に向けて略半球状に凹むように形成された収容部64が設けられ、該収容部64に前記第2スピーカユニット34の後半部が収容された状態で着脱自在に取り付けられるようになっている。第2スピーカ設置部63における収容部64の後側を画成する後壁65に、前記第2スピーカユニット34の基板設置部60を後側に露出する開口部65a(
図13参照)が設けられると共に、該開口部65aの周囲に、前後方向に貫通する通孔66aが形成された第2ネジ固定部66が、前記後カバー体41に設けた第1ネジ固定部57と対応する数でかつ対応する間隔で設けられている。また、第2スピーカ設置部63における収容部64の外周囲を画成する周壁68には、周方向に離間して後カバー体41に設けた第1係合片58aおよび第2係合片58bに対応する位置に被係合部69,70が設けられ、第2スピーカユニット34は、被係合部69,70に係合片58a,58bが係合した状態で第2ネジ固定部66にネジ止め固定されるよう構成される。
【0043】
前記第2スピーカ設置部63の後部には、左側(第1照明装置31側)に開口する配線用切欠部75(
図13参照)が形成され、前記第2スピーカユニット34に配設した中継基板61から導出する配線(図示せず)が配線用切欠部75を介して後方に延出することなく第1照明装置31の発光基板(図示せず)に接続されるようになっている。なお、第1スピーカ設置部62の後部には、
図15に示す如く、配線用切欠部75が左側および右側に開口するように形成され、右側の配線用切欠部75は、第1スピーカユニット33に配設した中継基板61と第1照明装置31の発光基板とを接続する配線を後方に延出させることなく引き回すのを許容するべく機能する。また、第1スピーカ設置部62における左側の配線用切欠部75は、中継基板61から導出して図示しない統括制御装置に接続するための配線を、後方に延出させることなく引き回すのを許容するべく機能する。なお、
図13,
図15において符号76は、中継基板61と発光基板とを接続する配線を保持する配線フックである。
【0044】
(第2ネジ固定部66について)
前記第2ネジ固定部66には、
図11(a),(b)に示す如く、前記通孔66aを囲うように略U字状のガイド壁71が後壁65に突設され、該ガイド壁71によって前方(第2スピーカユニット34のケース36側)に向けて開放する弧状溝71aが形成される。また、ガイド壁71によって画成される弧状溝71aは、第2スピーカ設置部63に対して第2スピーカユニット34を着脱する際の回転方向の一方に向けて開口し、該開口を介して第2スピーカユニット34に設けた第1ネジ固定部57の突出端が弧状溝71aに対して周方向に出入りし得るよう構成される。また、第2スピーカ設置部63における全ての第2ネジ固定部66に設けた弧状溝71aの周方向の開口は、第2スピーカユニット34の回転方向で同じ向きに開放している。実施例のパチンコ機10では、右側の第2スピーカ設置部63の第2ネジ固定部66においては、通孔66aに対して反時計方向の前側に向けて弧状溝71aの開口が開放する。そして、当該右側の第2スピーカ設置部63に対して右側の第2スピーカユニット34の各第1ネジ固定部57を対応する第2ネジ固定部66の弧状溝71aに挿入して該第2スピーカユニット34を時計方向に回転することで、第1ネジ固定部57が弧状溝71a(ガイド壁71)に沿って移動し、該第1ネジ固定部57が弧状溝71aを画成するガイド壁71の閉塞端(端縁)に当接して移動が規制された位置(係合位置)で、第1ネジ固定部57のネジ孔57aが、第2ネジ固定部66の通孔66aの前側に整列するように位置決めされる。前記ガイド壁71の閉塞端は、円筒状に形成されている第1ネジ固定部57の外周面に所要領域に亘って当接可能な弧状に形成されており、第2スピーカユニット34の係合位置において、第1ネジ固定部57は第2スピーカユニット34の回転方向のみでなく軸方向と交差する径方向の移動がガイド壁71によって規制されるようになっている。
【0045】
なお、実施例では、左側の第1スピーカ設置部62の第2ネジ固定部66の弧状溝71aの開口は、通孔66aに対して時計方向の前側に向けて開放するよう設定される。そして、当該左側の第1スピーカ設置部62に対して対応する第1スピーカユニット33の各第1ネジ固定部57を対応する第2ネジ固定部66の弧状溝71aに挿入して該第1スピーカユニット33を反時計方向に回転することで、第1ネジ固定部57が弧状溝71a(ガイド壁71)に沿って移動し、該第1ネジ固定部57が弧状溝71aを画成するガイド壁71の閉塞端(端縁)に当接して移動が規制された位置(係合位置)で、第1ネジ固定部57のネジ孔57aが、第2ネジ固定部66の通孔66aの前側に整列するように位置決めされるよう構成してある。
【0046】
(被係合部69,70について)
前記第2スピーカ設置部63に設けた被係合部69,70は、前記収容部64を挟んで略対向する位置に設けられた第1の被係合部69および第2の被係合部70から構成される。収容部64の左側(左側の第1スピーカ設置部62では右側(
図14参照))に設けられる第1の被係合部69は、
図12(b)に示す如く、前記周壁68から内側(収容部64側)に突出する第1被係合突部69aと、該第1被係合突部69aから前側に所定間隔離間すると共に上側に偏倚した位置で周壁68から内側に突出する第2被係合突部69bとからなり、前後方向における両被係合突部69a,69bの間に第1隙間69cを画成している。これに対し、収容部64の右側(左側の第1スピーカ設置部62では左側(
図14参照))に設けられる第2の被係合部70は、
図12(c)に示す如く、前記周壁68の前端部に後側に向けて凹む切欠部70aが形成されると共に、該切欠部70aの前端面より前側に所定間隔離間すると共に下側に偏倚した位置で周壁68から内側に突出する第3被係合突部70bとからなり、切欠部70aの前面と第3被係合突部70bとの間に第2隙間70cを画成している。
【0047】
前記第1隙間69cおよび第2隙間70cの前後寸法は、前記後カバー体41に設けた第1係合片58aおよび第2係合片58bの厚み寸法に対応するよう設定される。そして、右側の第2スピーカ設置部63に対して右側の第2スピーカユニット34は、第1係合片58aを第1隙間69cの下側に臨ませると共に、第2係合片58bを第2隙間70cの上側に臨ませた状態で、該第2スピーカユニット34を時計方向に回転することで、第1係合片58aが第1隙間69cに嵌合して第1の被係合部69(第1被係合突部69aおよび第2被係合突部69b)に係合すると共に、第2係合片58bが第2隙間70cに嵌合して第2の被係合部70(切欠部70aの前面および第3被係合突部70b)に係合して、当該第2スピーカユニット34が位置決めされるようになっている。また、第1および第2係合片58a,58bが対応する被係合部69,70に係合した係合位置において、前述したように第1ネジ固定部57のネジ孔57aが、第2ネジ固定部66の通孔66aの前側に整列するようになっている。そして、第2スピーカユニット34を反時計方向に回転することで、第1係合片58aと第1の被係合部69との係合が解除されると共に、第2係合片58bと第2の被係合部70との係合が解除されるよう構成される。また、第1および第2係合片58a,58bが対応する隙間69c,70cに嵌合していない状態で、第1係合片58aが第1被係合突部69aの前面に当接すると共に、第2係合片58bが切欠部70aの前面に当接している係合解除位置において、前記第1ネジ固定部57が対応する弧状溝71aにおける開口側に偏倚した位置に挿入されるように設定されている。
【0048】
なお、左側の第1スピーカ設置部62に対する第1スピーカユニット33の着脱に際しての回転方向は右側の第2スピーカ設置部63に対する第2スピーカユニット34の回転方向とは逆であって、第1スピーカ設置部62に対して第1スピーカユニット33を反時計方向に回転することで、第1係合片58aと第1の被係合部69とが係合すると共に、第2係合片58bと第2の被係合部70とが係合する。また、第1スピーカユニット33を時計方向に回転することで、第1係合片58aと第1の被係合部69との係合が解除されると共に、第2係合片58bと第2の被係合部70との係合が解除されるようになっている。
【0049】
(第1装飾カバー72について)
前記第1装飾カバー72は、
図5,
図6に示す如く、前記前枠15の前上枠部28aの前側全体を覆い得る横長で後方に開口する箱状に形成されており、該第1装飾カバー72を前上枠部28aに前側から取り付けることで、前記第1照明装置31および左右のスピーカ設置部62,63に取り付けられているスピーカユニット33,34を前側から覆い得るよう構成される。前記第1装飾カバー72における各スピーカ設置部62,63の前側に臨む部位に、該スピーカ設置部62,63に取り付けられているスピーカユニット33,34の放音口43aを前側に臨ませるスピーカ用開口部(前面開口部)72aが夫々開設されている(
図3,
図4,
図17参照)。このスピーカ用開口部72aは、スピーカ設置部62,63に取り付けられて、前記窓口15aの正面中央を向く傾斜姿勢となっているスピーカユニット33,34の前カバー体40の外周面に当接するよう三次元形状に形成されている。また、スピーカ用開口部72aの内周面が、前記前カバー体40に被覆した前記パッキン44に当接してシールされ、これによって第1装飾カバー72と前上枠部28aとの間に画成した音響空間S2を密閉するよう構成してある。なお、第1装飾カバー72で覆われたスピーカユニット33,34は、音響空間S2に臨んでいる前カバー体40の一部および後カバー体41の一部が、光透過性の第1装飾カバー72を透して外側から視認し得るよう構成される。
【0050】
前記音響空間S2は、
図3,
図4に示す如く、前記前上枠部28aの前側に第1装飾カバー72を取り付けることで、両部材28a,72により内部画成される空間であって、前記スピーカ設置部62,63に取り付けたスピーカユニット33,34の前記音響用開口部41aが該音響空間S2に臨むようになっている。また、音響空間S2は、スピーカ設置部62,63に取り付けたスピーカユニット33,34の前記後カバー体41に開設した音響用開口部41aが臨む上側の空間部分が、下側の空間部分より広くなるよう設定されている。
【0051】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0052】
(スピーカ設置部62,63に対するスピーカユニット33,34の着脱について)
先ず、前記前枠15のスピーカ設置部62,63に対するスピーカユニット33,34の取り付けについて、右側の第2スピーカ設置部63に対応する第2スピーカユニット34を取り付ける場合で説明する。前記第2スピーカユニット34の後部側を第2スピーカ設置部63の収容部64に前側から臨ませて、該第2スピーカユニット34の第1係合片58aを、前記第1の被係合部69における第1隙間69cの下側において第1被係合突部69aの前面に当接すると共に、該第2スピーカユニット34の第2係合片58bを前記第2の被係合部70における第2隙間70cの上側において切欠部70aの前面に当接させる。第1係合片58aおよび第2係合片58bが対応する第1隙間69cおよび第2隙間70cに嵌合していない係合解除位置では、第2スピーカユニット34における各第1ネジ固定部57が第2スピーカ設置部63の対応する第2ネジ固定部66に設けた弧状溝71aの開口側に偏倚した位置に夫々挿入される。この状態で、第2スピーカユニット34を時計方向に回転すると、第1係合片58aが第1隙間69cに嵌合して第1の被係合部69(第1被係合突部69aおよび第2被係合突部69b)に係合すると共に、第2係合片58bが第2隙間70cに嵌合して第2の被係合部70(切欠部70aの前面および第3被係合突部70b)に係合する。また、各第1ネジ固定部57が対応する弧状溝71aの閉塞端(弧状溝71aを画成するガイド壁71)に夫々当接することで第2スピーカユニット34の回転が規制された係合位置において、各第1ネジ固定部57のネジ孔57aが、対応する第2ネジ固定部66の通孔66aの前側に夫々整列する。そして、各第2ネジ固定部66の通孔66aに後側から挿通したネジを対応する第1ネジ固定部57のネジ孔57aに夫々螺挿することで、第2スピーカ設置部63に対して第2スピーカユニット34が位置決め固定される(
図16,
図17参照)。
【0053】
また、前記ネジを弛み外して第1ネジ固定部57と第2ネジ固定部66との固定を解除したもとで、第2スピーカユニット34を反時計方向に回転させれば、第1係合片58aと第1の被係合部69および第2係合片58bと第2の被係合部70との係合が夫々解除され、該第2スピーカユニット34を第2スピーカ設置部63から取り外すことができる。なお、右側の第1スピーカ設置部62に対する対応する第1スピーカユニット33の着脱は、該第2スピーカユニット34の場合とは回転方向が逆であるだけで、第1スピーカユニット33の正逆回転によって第1スピーカ設置部62に対して同様に着脱し得る。
【0054】
すなわち、前記前枠15に設けたスピーカ設置部62,63に対して、前記スピーカ35およびLED37a,37bを収容したスピーカユニット33,34を回転変位するだけで簡単に着脱することができ、着脱に要する時間を短縮し得る。また、スピーカ設置部62,63に取り付けられたスピーカユニット33,34は、該ユニット33,34の後部に設けた前記第1ネジ固定部57がスピーカ設置部62,63の第2ネジ固定部66にネジ止めされるだけでなく、第1ネジ固定部57より前側に離間した位置のケース外周に設けた係合部58(第1係合片58a,第2係合片58b)が、スピーカ設置部62,63の被係合部69,70に係合して確実に位置決め固定されているので、該スピーカユニット33,34にガタ付きが発生するのは抑制され、前記スピーカ35から出力される音質低下を防止することができる。更に、スピーカユニット33,34の第1ネジ固定部57は、スピーカ設置部62,63の第2ネジ固定部66にネジ止め固定されているだけでなく、該第1ネジ固定部57の外周が弧状溝71aを画成するガイド壁71に当接することで軸方向と交差する方向への移動も規制されているので、スピーカユニット33,34の確実な位置決めおよびガタ付き防止を図り得る。
【0055】
前記左右のスピーカ設置部62,63にスピーカユニット33,34を取り付けたもとで、前記第1装飾カバー72を前枠15の前上枠部28aに前側から取り付けることで、各スピーカユニット33,34は、第1装飾カバー72の対応するスピーカ用開口部72aから放音口43aが前側(外側)に臨む状態で、該スピーカユニット33,34の大部分が前記音響空間S2に収容される(
図3,
図4参照)。また、第1装飾カバー72におけるスピーカ用開口部72aの内周面が、スピーカユニット33,34の外周に設けた前記パッキン44に当接してシールされるので、前記音響空間S2は密閉される。
【0056】
前記中枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル19を遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置18から発射されたパチンコ球が前記遊技盤12の遊技領域12a内に打ち出される。遊技領域12aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置に入賞することを契機として、前記図柄表示装置14での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置14の表示部に所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、図柄表示装置14に表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤12に設けられた特別入賞装置が開放されると共に、図柄表示装置14において大当り演出が行なわれる。また、パチンコ機10では、図柄表示装置14での演出や各種遊技状態に応じて、前記下部スピーカ27や前枠15の前上枠部28aに設けたスピーカユニット33,34の各スピーカ35から各種効果音が出力されたり、前枠15に配設した各照明装置31,32およびスピーカユニット33,34の前記LED37a,37bが点灯・点滅するよう制御されることで、遊技の臨場感や興趣が高められる。
【0057】
(スピーカ35の作用について)
前記前枠15の窓口15aより上側の左右角隅部に配設されている各スピーカユニット33,34は、
図1に示す如く、前記放音口43aが窓口15aの正面中央を向いているから、前記スピーカ35の出力部35aから出力された音は、遊技を行なっている遊技者の頭部近傍に向けて放出され、前記図柄表示装置14の表示部を注視している遊技者に対して効果音を効果的に聞かせることができ、演出効果を向上し得る。なお、スピーカユニット33,34に設けた第1係合片58aおよび第2係合片58bを、前側から後側に向かうにつれて上側に偏倚するように形成し、該第1係合片58aおよび第2係合片58bとスピーカ設置部62,63に設けた被係合部69,70との係合作用によって、スピーカユニット33,34を、放音口43aが窓口15aの正面中央に向けられた姿勢に簡単に位置決めすることができる。また、スピーカユニット33,34をスピーカ設置部62,63に取り付けるためのケース取着部39を、
図6に示す如く、該ユニット33,34を構成する後カバー体41の後部に設けたので、スピーカユニット33,34に収容したスピーカ35の出力部35aをできる限り前方に位置させることができ、音響効果を向上し得る。
【0058】
また、前記スピーカユニット33,34では、
図3,
図4等に示す如く、前記スピーカ35の出力部35aの前側に発光基板38が臨まないので、発光基板38によってスピーカ35の音量や音質が低下することはない。なお、スピーカ35の出力部35aの前側は、
図7に示す如く、多数の通孔が開設された保護部材56で覆われているので、音量や音質を低下させることなくスピーカ35に対する悪戯を防止することができる。更に、スピーカユニット33,34におけるスピーカ35が収容される収容空間S1を、前枠15と第1装飾カバー72とで画成された前記音響空間S2に連通するよう構成してあるので、該音響空間S2によってスピーカ35の背面側の空間容積を大きくすることができ、小型のスピーカユニット33,34を用いて音質のよい効果音を出すことができる。また、スピーカユニット33,34を小型化し得るので、該ユニット33,34を取り付けるためのスピーカ設置部62,63を設ける領域を小さくすることができ、前枠15側の設計の自由度を向上し得る。更に、スピーカユニット33,34を小型化し得るので、該ユニット33,34の取り扱いが容易となる。
【0059】
前記スピーカユニット33,34の音響用開口部41aは、
図3,
図4に示す如く、音響空間S2における広い空間部分が確保されている部位に開口しているので、収容空間S1と音響空間S2との間での空気流動の円滑化を図ることができ、音質を向上し得る。また、音響用開口部41aは、音響空間S2における広い空間部分に臨む位置において複数開設したので、ケース自体の強度を確保しつつ音響用開口部41aの総開口面積を大きくして、収容空間S1と音響空間S2との間での空気流動の円滑化を図って音質を向上し得る。更に、前記スピーカ35の放音口43aを外側に臨ませるための第1装飾カバー72におけるスピーカ用開口部72aの内周面と、スピーカユニット33,34のケース36の外周面との間はパッキン44でシールされているから、前記音響空間S2からの音漏れを防止して音質低下を抑制し得る。更にまた、前記スピーカ35の前面に設けた区画壁35cの前端を取付部材47における中心通孔47aの外側の裏面に当接し(
図8参照)、出力部35aの前面側と背面側とを該区画壁35cによって確実に仕切るようにしたので、出力部35aから前面側に出る音が背面側に出る音によって打ち消されて音質が劣化したり音量が小さくなるのを防止することができる。
【0060】
ここで、近年のパチンコ機10では、遊技盤12や図柄表示装置14の大型化に伴い、前枠15における窓口15aの開口面積が大きくなり、該窓口15aの上側や左右横側の枠部28a,28b,28c,28dに大きな遊技部品を配設するための設置スペースを確保するのが困難となっている。しかしながら、前枠15の角隅部は、他の部位に比較して広い設置スペースを確保することができ、本実施例のパチンコ機10では、前枠15の角隅部にスピーカユニット33,34を取り付ける構成を採用することで、大きな音響空間S2を確保することができ、より音質を向上することができる。
【0061】
(LED37a,37bの作用について)
前記スピーカユニット33,34において、前記発光基板38に実装した第1LED37aを発光すると、該光は光透過性を有する前カバー体40に向けて照射され、前カバー体40が明輝する。また、発光基板38に実装した第2LED37bを発光すると、該光は光透過性を有する後カバー体41に向けて照射され、後カバー体41が明輝する。前記第1装飾カバー72で覆われているスピーカユニット33,34は、前カバー体40における音響空間S2に臨んでいる部分および該音響空間S2に臨んでいる後カバー体41を外側から視認し得るよう構成してあるので、スピーカ35の出力部35aを挟んで前後に位置するカバー体40,41が何れも明輝するのを遊技者が見ることができ、スピーカ35による音響効果と併せて光による装飾効果により遊技演出の興趣を向上し得る。また、前カバー体40における外壁42と内壁43および後カバー体41には、何れも光拡散処理が施されているから、第1LED37aおよび第2LED37bから照射された光を拡散して両カバー体40,41の全体を明輝することができ、光装飾効果をより向上し得る。すなわち、実施例のパチンコ機10では、スピーカユニット33,34の前側部分のみでなく、該ユニット33,34の全体を効果的に光で装飾することができる。
【0062】
前記発光基板38をリング状に形成し、その中心通孔52a,53aに前記スピーカ35の出力部35aが臨むようにしたので、該出力部35aの周囲にLED37a,37bを効果的に配置することができ、出力部35aの周りを効果的に光で装飾し得る。また、発光基板38は、
図8に示す如く、前記出力部35aの前側に重なっていないので、該出力部35aから出力される音に影響を与えることはなく、スピーカ35の音量や音質を低下することなく前記LED37a,37bでスピーカユニット33,34を光で装飾して演出効果を高めることができる。更に、発光基板38は、前記前カバー体40における外壁42の内側に略ホーン形の放音口43aを画成するために形成された内壁43と外壁42との間に画成される空間に収容している。すなわち、音響効率を向上するための略ホーン形の放音口43aを形成することで画成される空間を、発光基板38の収容部として利用することで、空間の有効利用が図られている。
【0063】
ここで、実施例の発光基板38を、2つのリング体52,53を接続したフレキシブル基板で構成したので、両リング体52,53に実装した前側に光を照射する第1LED37aと後側に光を照射する第2LED37bとに対して共通の電源線および信号線を接続して対応することができ、配線数を低減し得ると共に薄形化を図り得る。また、両リング体52,53は、前記絶縁板54を挟んで折り畳まれているので、両リング体52,53の対向面に露出する回路同士が接触することはない。更に、両リング体52,53の対向面を絶縁板54の厚み分だけ離すことで、両リング体52,53を折り畳んだ状態で両リング体52,53を接続している接続部が必要以上に折り曲げられるのを防止することができ、該接続部での断線等を防ぎ得る。
【0064】
(別実施例)
図18は、別実施例のスピーカユニット77を示すものであって、基本的な構成は前述した実施例と同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0065】
図18に示す如く、スピーカユニット77を構成する発光基板38は、前保持部材78と後保持部材79とにより挟持された状態で、前記後カバー体41に収容したスピーカ35の前側に臨むように取り付けられるよう構成される。前保持部材78は、発光基板38(リング体52,53)と外径が略同一に設定されたリング板であって、該前保持部材78の中心通孔78aは、発光基板38(リング体52,53)の中心通孔52a,53aより僅かに小さく設定される。この前保持部材78には、中心通孔78aに沿って環状に形成されて後方に向けて所定長さ延出する位置決め延部78eが形成され、該位置決め延部78eを発光基板38および絶縁板54の中心通孔52a,53a,54aに嵌合することで、発光基板38と前保持部材78とが位置決めされるようになっている。
【0066】
前記前保持部材78の前面には、発光基板38の前面に実装した各第1LED37aと対応する位置に、前方に向けて突出する突部78bが設けられている。また、前保持部材78には、各突部78bに対応する位置に前後に貫通する第1貫通孔78cが形成されており、前保持部材78の位置決め延部78eを発光基板38および絶縁板54の中心通孔52a,53a,54aに嵌合すると共に、前保持部材78を発光基板38の前面(第1リング体52の前面)に当接した状態で、前記各第1LED37aが対応する第1貫通孔78cに収容されるよう構成してある。
【0067】
前記後保持部材79は、発光基板38(リング体52,53)と内径および外径が略同一に設定されたリング板であって、該後保持部材79の中心通孔79aが発光基板38(リング体52,53)の中心通孔52a,53aに整合し得るようになっている。また、後保持部材79には、発光基板38の後面に実装した各第2LED37bと対応する位置に、前後に貫通する第2貫通孔79bが形成されると共に、該後保持部材79の後面に、中心通孔79aを囲うように環状に位置決め壁79cが後方に向けて突設されている。そして、前保持部材78と発光基板38および後保持部材79を、各中心通孔78a,52a,53a,79aが整合するように前後に重ね合わせた状態で、これら部材78,38,79が前記後カバー体41にネジ止め固定される。なお、前保持部材78と発光基板38および後保持部材79を後カバー体41に固定した状態で、スピーカ35の出力部35aが後保持部材79における位置決め壁79cの内側に臨むと共に、該位置決め壁79cの後端が出力部35aの外側のスピーカ前面に当接して出力部35aの前面側と背面側とが位置決め壁79cによって仕切られるようになっている。
【0068】
前記前保持部材78の前側に、前記第1LED37aから照射される光を拡散する機能を有する光透過性の光拡散部材80が配設されている。この光拡散部材80は、前後の関係で重ねられる第1拡散部品81と第2拡散部品82とから構成され、両拡散部品81,82(光拡散部材80)は、前記ケース36の内部に取り付けた状態で、前記前カバー体40における外壁42と内壁43との間の空間に収容される。そして、前記第1LED37aから前カバー体40に向けて照射される光を、両拡散部品81,82によって拡散することで、前カバー体40の広範囲を効果的に光で装飾し得るよう構成される。
【0069】
前記光拡散部材80において後側に位置する前記第1拡散部品81は、全体としてリング状に形成された部品であって、前記前保持部材78における各第1貫通孔78cに対応する部位にレンズ部(光拡散部)81aを備えている。また、レンズ部81aは、第1拡散部品81の後面より後方に突出する部分を有し、この後突出部81bを第1貫通孔78cに前側から嵌挿することで、第1拡散部品81(レンズ部81a)を第1LED37aの前側に正確に臨ませると共に、前保持部材78(発光基板38)に対する第1拡散部品81の周方向の位置決めを行なうよう構成される。なお、後突出部81bを第1貫通孔78cの前側部分に嵌挿した状態で、該後突出部81bが第1貫通孔78cの後側部分に収容されている第1LED37aに接触しないよう設定されている。また、第1拡散部品81の中心通孔81cは、前保持部材78の中心通孔78aより大きく設定される。
【0070】
前記光拡散部材80において前側に位置する第2拡散部品82は、全体としてリング状に形成された部品であって、前記第1拡散部品81におけるレンズ部81aの前側に臨む部位に、後側(レンズ部81a)が開口するU字状に形成された拡散部(光拡散部)82aを備えている。また、第2拡散部品82における外側の後端(実施例では拡散部82aの外側の後端)に、後方に向けて突出する位置決め突起82bが周方向に離間して複数設けられると共に、前記前保持部材78の外周部には、該位置決め突起82bが嵌合可能な切欠部78dが複数形成されている。すなわち、第2拡散部品82は、各位置決め突起82bを前保持部材78の対応する切欠部78dに嵌合することで、周方向の位置決めがなされるようになっている。なお、第2拡散部品82の中心通孔82cは、前保持部材78の中心通孔78aより大きく設定される。
【0071】
別実施例の前カバー体40には、
図18に示す如く、前記外壁42の内面に、前記第2拡散部品82における拡散部82aに前側から当接し、該第2拡散部品82と共に第1拡散部品81の前方移動を規制する位置決め部83が周方向に離間して複数設けられている。すなわち、別実施例のスピーカユニット77では、前記前保持部材78、発光基板38および後保持部材79を重ねて後カバー体41の前側にネジ止め固定し、前保持部材78の前側に光拡散部材80を重ねた状態で、後カバー体41の前側に前カバー体40をネジ止め固定することで、前記位置決め部83と前保持部材78とに光拡散部材80が挟持されて、該光拡散部材80の前後移動が規制されるよう構成してある。
【0072】
前記別実施例のスピーカユニット77を採用したパチンコ機10によれば、前記実施例と同等の作用効果を奏する。また、前記発光基板38の前側に光拡散部材80を配設してあるので、前記第1LED37aから前側に向けて照射された光は、該光拡散部材80によって効率的に拡散され、前記前カバー体40の広範囲を効果的に明輝することができる。しかも、光拡散部材80を、2つの拡散部品81,82を前後に重ねて構成したから、第1LED37aからの光をより広範囲に拡散することができる。
【0073】
前記後カバー体41に対してネジ止め固定された前保持部材78の前記第1LED37aが収容されている第1貫通孔78cに、第1拡散部品81のレンズ部81aが嵌挿されると共に、該前保持部材78に形成した切欠部78dに第2拡散部品82の位置決め突起82bが嵌合されて、前保持部材78に対して両拡散部品81,82は周方向に位置決めされている。また、両拡散部品81,82は、前記後カバー体41にネジ止めされた前カバー体40の位置決め部83と前保持部材78とで前後に挟持されており、両拡散部品81,82のレンズ部81aおよび拡散部82aを第1LED37aに対して適正位置に保持することができる。すなわち、第1LED37aと両拡散部品81,82における光拡散部として機能するレンズ部81aおよび拡散部82aとの関係を維持して効果的な光装飾効果を図ることができる。
【0074】
また別実施例では、前記後保持部材79に設けた位置決め壁79cの内側にスピーカ35の出力部35aが臨むと共に、該位置決め壁79cの後端を出力部35aの外側のスピーカ前面に当接するよう構成し、該出力部35aの前面側と背面側とを位置決め壁79cによって仕切っている。従って、出力部35aから前面側に出る音が背面側に出る音によって打ち消されて音質が劣化したり音量が小さくなるのを防止することができる。
【0075】
(変更例)
本願は前述した実施例や別実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、発光基板の前後面にLEDを実装して前カバー体および後カバー体に向けて光を照射するよう構成したが、発光基板の前面にのみLEDが配設されたものであってもよい。
(2) 実施例では、発光基板を、2つのリング体を連結したフレキシブル基板で構成した場合で説明したが、硬質の基板を用いてもよい。また、硬質の基板を用いる場合において、一枚の基板でケースの前側部分のみを照明する構成、および二枚の基板でケースの前後両側を照明する構成を採用可能である。
(3) 実施例では、スピーカユニットに内部画成した収容空間を、ケースに開設した音響用開口部を介して前枠と第1装飾カバーとにより画成された音響空間に連通するよう構成したが、ケースに音響用開口部を開設しない構成を採用し得る。
(4) 実施例では、スピーカ設置部に対してスピーカユニットを回転変位して着脱する構成の場合で説明したが、前後方向に挿脱し、挿入状態でネジ止め固定する構成、挿入方向に対して交差する方向にスライドしてネジ止め固定する構成等、各種の構成を採用し得る。
(5) 実施例では、スピーカ設置部に対してスピーカユニットをネジ止め固定すると共に係合部と被係合部とを係合して位置決め固定するよう構成したが、ネジ止め固定のみの構成であってもよい。
(6) 実施例では、前カバー体を構成する外壁と内壁との間に画成される空間(収容空間の一部)に発光基板を収容するよう構成したが、ケースに内部画成された収容空間内であれば、発光基板の収容位置は前カバー体側に限定されるものではなく、後カバー体側であってもよい。
(7) 実施例では、スピーカの出力部より前側に発光基板を配設したが、該出力部と前後に重ならない位置であれば、出力部の後側に発光基板を配設する構成を採用し得る。
(8) 実施例では、前枠と、該前枠に取り付けられる第1装飾カバーとで音響空間を画成する構成で説明したが、前枠に一体的に第1装飾カバーを設けた構成であってもよい。
(9) 実施例では、前カバー体の内壁を内側に向けて凸となるように湾曲形成することで、前方に向かうにつれて拡開する放音口を画成しているが、内壁を外側に向けて凸となるように湾曲形成することで、前方に向かうにつれて拡開する放音口を画成する構成を採用し得る。
(10) 実施例では、前枠における上側の角隅部にスピーカユニットを取り付けた場合で説明したが、該スピーカユニットを取り付ける位置(スピーカ設置部を設ける位置)はこれに限られるものでなく、例えば前枠の上部中央や側部に設けるものであってもよい。そして、前枠に対するスピーカユニットの取り付け位置に応じて、該スピーカユニットの放音口の向きを設定すればよい。
(11) 実施例では、発光基板をリング状に形成したが、該発光基板の形状はリング状に限定されるものではなく、複数に分割された発光基板を、スピーカの出力部の前側に重ならないように配置する構成を採用し得る。
(12) 実施例では、スピーカ設置部に取り付けるための取着部を後カバー体に設けたが、前カバー体に設ける構成を採用し得る。また、後カバー体にネジ止め用の第1ネジ固定部を設けると共に、前カバー体に係合部を設け、スピーカ設置部には対応する位置に第2ネジ固定部および被係合部を設ければよい。
(13) 別実施例では、光拡散部材を前後に重ねた2つの拡散部品で構成したが、1つの拡散部品のみで構成したものであってもよい。
(14) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。