(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアクセスポートにおいて、前記凹状の識別特徴部が彫られた特徴部を含み、前記アクセスポート本体の他の部分に対して相対的にX線透過性が高い、アクセスポート。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】[0002]
図1Aは、本開示によるアクセスポートの一実施形態の斜視図である。[0003]
図1Bは、
図1Aに示されるアクセスポートの概略側面断面図である。
【
図2】[0004]本開示によるアクセスポートの一実施形態の斜視図である。
【
図3】[0005]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図4】[0006]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図5】[0007]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図6】[0008]
図6Aは、本開示によるアクセスポートの斜視図である。[0009]
図6Bは、
図6Aに示されるアクセスポートの側面図である。
【
図7】[0010]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図8】[0011]本開示によるアクセスポートを形成するためのキャップの簡略化された斜視図である。
【
図9】[0012]本開示によるアクセスポートを形成するためのキャップの簡略化された斜視図である。
【
図10】[0013]本開示によるアクセスポートを形成するためのキャップの簡略化された斜視図である。
【
図11】[0014]本開示によるアクセスポートを形成するためのキャップの簡略化された斜視図である。
【
図12】[0015]本開示によるアクセスポートを形成するためのキャップの簡略化された斜視図である。
【
図13】[0016]本開示によるアクセスポートを形成するためのキャップの簡略化された斜視図である。
【
図14】[0017]本開示によるアクセスポートを形成するためのキャップの簡略化された斜視図である。
【
図15】[0018]
図15Aは、本開示によるアクセスポートの一実施形態の斜視図である。[0019]
図15Bは、
図15Aに示されるアクセスポートの上面図である。
【
図16】[0020]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図17】[0021]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図18】[0022]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図19】[0023]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図20】[0024]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図21】[0025]本開示によるアクセスポートの斜視図である。
【
図22】[0026]本開示によるアクセスポートの別の実施形態の斜視図である。
【
図23】[0027]
図22に示される、組み立てられたアクセスポートの上面図である。
【
図24】[0028]
図22および
図23に示されるアクセスポートの横断面の簡略化された図である。
【
図25】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図26】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図27】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図28】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図29】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図30】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図31】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図32】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図33】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図34】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図35】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図36】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図37】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図38】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図39】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図40】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図41】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図42】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図43】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図44】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図45】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図46】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図47】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図48】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図49】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図50】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図51】[0029]アクセスポートの追加の実施形態の斜視図である。
【
図52】[0030]一実施形態によるアクセスポートの底面斜視図である。
【
図54A】[0033]
図52に示されるアクセスポートの、アクセスポートの上から見たときのX線画像である。
【
図54B】[0034]
図52に示されるアクセスポートの、約20度の角度で見たときのX線画像である。
【
図54C】[0035]
図52に示されるアクセスポートの、約50度の角度で見たときのX線画像である。
【
図55】[0036]
図52に示されるアクセスポートの断面図である。
【
図56】[0037]
図56Aは、アクセスポート表面上に彫られた(engraved)特徴部(feature)の例示的な実施形態の断面図である。[0037]
図56Bは、アクセスポート表面上に彫られた特徴部の例示的な実施形態の断面図である。
【
図57A】[0038]一実施形態によるアクセスポートの上面斜視図である。
【
図58A】[0041]アクセスポートの別の実施形態の上面斜視図である。
【
図60】[0046]
図60Aは、アクセスポートの追加の実施形態の底面斜視図である。[0047]
図60Bは、
図60Aに示されるアクセスポートの底面図である。
【
図61】[0048]
図61Aは、アクセスポートの追加の実施形態の底面斜視図である。[0049]
図61Bは、
図61Aに示されるアクセスポートの底面図である。
【
図62A】[0050]アクセスポートの追加の実施形態の底面図である。
【
図63A】[0053]アクセスポートの別の実施形態の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
[0056]本開示は、一般に経皮的
連絡(以下、「アクセス」という。)に関し、より詳細には、経皮的アクセスに関連した方法およびデバイスに関する。一般に、本開示は、皮下埋め込み用のアクセスポートに関する。一実施形態では、アクセスポートは、医師または他の医療関係者が患者の身体の内部に対する長期にわたる経皮的アクセスを得ることを可能にすることができる。経皮的アクセス用アクセスポートを用いると、患者の皮膚から、および外部環境からの、(患者の身体の内部に広がる)流体接続を阻害することによって感染の機会を減少させることができる。このようなアクセスデバイスは、皮膚を穿刺するための針を必要とすることなく、患者の内部へのアクセスを可能にする。さらに、カテーテルまたは弁などの内部構成部品は、外科手技を実施せずに交換することができる。本開示の特徴または態様は、患者に皮下アクセスするためのこのようなあらゆるアクセスポートに適用することができるが、これらに限定されない。このようなアクセスポートは、たとえば(針を含む注射器などを介して)手で注入されることもできるし、機械的補助(たとえば、いわゆる自動注入可能ポート(power injectable port))によって注入されて加圧されることもできる。
【0004】
[0057]自動注入可能ポートは、他のプロセスの中でも、たとえばコンピュータ断層撮影(「CT」)スキャンプロセスにおいて用いることができる。より具体的には、いわゆる「自動注入器」システムは、末梢に挿入された静脈(IV)ラインに造影剤を注入するために用いることができる。たとえば、このような自動注入器または注入システムは、Medrad, Inc.(Schering AG、Germanyの子会社)から市販されており、STELLANT(登録商標)で販売されている。輸液処置は、多くの場合、造影剤の所望の流量に関して限定されるので、このような自動注入システムは一般に、所望の流量を選択することによって制御可能である。
【0005】
[0058]より具体的には、本開示は、アクセスポートを識別するための、少なくとも1つの知覚可能または識別可能な特徴部を有するアクセスポートに関し、この識別可能な特徴部は、アクセスポートが患者の中に埋め込まれた後に知覚可能である。たとえば、本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの、またはおそらく複数の、識別可能な特徴部(複数可)は、アクセスポートに関連する情報(たとえば、製造業者の型式またはデザイン)と相関関係にある。したがって、特定の型式のアクセスポートからの識別可能な特徴部は、異なる型式またはデザインの別のアクセスポートの他の識別可能な特徴部のすべてではないがその大部分に関して一意とすることができる。もちろん、本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの識別可能な特徴部は、さらに、ポートのタイプ、カテーテルのタイプ、製造日、材料ロット、部品番号などの、対象となるいずれかの情報と相関関係を有することができる。一例では、アクセスポートの少なくとも1つの識別可能な特徴部は、自動注入可能であるアクセスポートと相関関係を有することができる。このようにして、アクセスポートの少なくとも1つの識別可能な特徴部が観察されるかまたは別の方法で決定されると、アクセスポートのこのような少なくとも1つの特徴部の相関関係を達成することができ、アクセスポートに関連する情報を得ることができる。
【0006】
[0059]一実施形態では、少なくとも1つの特徴部は、触診(すなわち、触ることによって診察すること)によって、他の物理的相互作用によって、または目視観察によって知覚することができる。したがって、対象となる人は、アクセスポートの少なくとも1つの識別する特徴を知覚するために皮膚を通してアクセスポートに触れるかまたは感じることができる。別の実施形態では、少なくとも1つの識別可能な特徴部は、X線撮像法または超音波撮像法を介して知覚されることができる。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの識別可能な特徴部は、磁気エネルギー、光エネルギー、または電波エネルギーのアクセスポートとの相互作用または通信を通して知覚されることができる。
【0007】
[0060]少なくとも1つの特徴部が触診、他の物理的相互作用、または目視観察を通して知覚できる実施形態について考えると、本開示によって企図されるアクセスポートの外形(topography)または外面特徴部は知覚するように構成される。たとえば、
図1Aおよび
図1Bを参照すると、本開示によって企図される例示的なアクセスポート10が示されている。
図1Aおよび
図1Bはそれぞれ、経皮的または別の方法による患者の身体への内部アクセスを可能にするためのアクセスポート10の斜視図および概略側面断面図を示す。アクセスポート10は、キャップ14および基部16によって画定されたハウジングまたは本体20を含む。キャップ14および基部16は、当技術分野で知られているように、それらの間に隔膜18を捕捉するように構成されることができる。
図1Aに示されるように、キャップ14および基部16は、噛み合いライン(mating line)15に沿って互いに噛み合い係合することができる。キャップ14および基部16は、ねじなどの機械的締結具または他の締結デバイスを介して互いに固着または固定されてもよいし、互いに接着剤で固定されてもよいし、または当技術分野で知られているように互いに固定されてもよい。さらに、キャップ14、基部16、および隔膜18は、集団として、吐出ステム(outlet stem)31の内腔29と流体連通する空洞36を画定することができる。
【0008】
[0061]患者7内の皮下に空洞36を配置するために、
図1Bに示されるように、本体20は患者7に埋め込まれることができる。また、縫合開口(suture aperture)66(
図1A)は、必要に応じて、患者7内でアクセスポート10を固定するために使用されることができる。本体20が患者7に埋め込まれた後で、隔膜18の上面は、患者7の皮膚6の表面と実質的に面一であることができ、患者の皮膚の外側から空洞36への経皮的通路を作成するために繰り返し穴を開けることができる。吐出ステム31は、空洞36から吐出ステム31を通って患者7の内部への流体−連通通路を作成することができる。カテーテルは、空洞36との流体連通のための、および空洞36からの流体を、空洞36から離れた患者7内の所望の場所に移送するための、吐出ステム31に結合されることができる。
【0009】
[0062]アクセスポート10の本体20は、ポリスルホン、チタンなどの生体適合性材料または当技術分野で知られている他の任意の適切な生体適合性材料を含むことができる。したがって、本体20は、生体適合性プラスチック材料から形成されることができる。必要に応じて、本体20は、縫合または針による貫通のための貫通可能な材料を含むことができる。別の実施形態では、以下でさらに説明するように、本体20は、必要に応じて、たとえば金属などの貫通不可能な材料を含むことができる。本体20は、凹状の底部を含むことができ、または別の実施形態では、平坦な底部を含むことができるが、これらに限定されない。
【0010】
[0063]本開示によれば、アクセスポート10は、少なくとも1つの識別可能な特徴部を示す本体20を備えることができる。より具体的には、
図1Aに示されるように、本体20は、部分的に略ピラミッド形の形状(すなわち、錐台とも呼ばれる、共通の頂点に向かって延びる多角形の各辺に対する表面を有する多角形の基部)を示すことができる。一般に、アクセスポート10の本体20は、基準面11に位置決めされる略四辺形形状の基部と基準面9に位置決めされる略四辺形形状の上側基部との間に延びる部分的にピラミッド形の形状を示すことができる。分かりやすくするために、基準面9および11は
図2〜
図21に示されていない。しかし、本明細書では、
図2〜
図21に関する面9または11への言及は、
図1Aおよび
図1Bに示される基準面9および11に類似した対応する基準面を指す。
【0011】
[0064]
図1Aに示されるように、アクセスポート10の外面は、丸角部(radius)32によって互いに接続される4つの実質的に平面状の側面50によって実質的に画定される。加えて、アクセスポート10の上側外形部(upper topography)61は、面取り部46Aおよび46Bと組み合わせた上面60によって画定され、隔膜18の上面によってさらに画定されることができる。さらに説明すると、上側外形部61の外周は、サイド領域54によって形成され、かつサイド領域54に隣接する丸いコーナー領域30を有する略四辺形の外面として説明することができる。このような構成は、触診によって知覚され得る少なくとも1つの特徴部を有するアクセスポートを提供することができる。
【0012】
[0065]
図1Aに示されるように、アクセスポート10の外形に対する多くの変形があることは理解されよう。たとえば、アクセスポート10の本体20は部分的にピラミッド形の形状または錐台として説明されることができるが、本開示はそのように限定されない。むしろ、側面50の1つまたは複数は、他の任意の側面50と無関係に、所望されるように向けることができる。したがって、たとえば、面50の1つは実質的に垂直とすることができるが、残りの面50はそれぞれの選択された角度に向けることができる。そのうえ、
図1Aは例示に過ぎず、
図1Aに示される寸法および形状は実質的に変化し得るが依然として本開示に包含されることを理解されたい。
【0013】
[0066]
図2は、本開示によるアクセスポート10の別の実施形態の斜視図を示す。
図2に示されるように、アクセスポート10の外面は、(
図1Aおよび
図1Bに示されるように基準面9に位置決めされる)略平行四辺形の形状の上面まで略ピラミッド状に延びる、(
図1Aおよび
図1Bに示されるように基準面11に位置決めされる)略平行四辺形の形状の基部によって実質的に画定される。
図2に示されるように、丸角部42は、
図1Aに示される丸角部32より大きくてもよい。そのうえ、
図2に示されるアクセスポート10の上側外形部61は、
図1Aに示される丸いコーナー領域30より大きい丸いコーナー領域40を含むことができる。したがって、
図2は、
図1Aおよび
図1Bに示されるアクセスポート10とはっきりと区別できるアクセスポート10の例示的な実施形態を示す。たとえば、本開示によって企図されるアクセスポートの1つの外面と本開示によって企図される異なるアクセスポートの別の外面との差異は、触診によって決定することができる。
【0014】
[0067]別の実施形態において、本開示によって企図される別の態様では、アクセスポートの少なくとも1つの特徴部を知覚するためのテンプレートを用いることができる。たとえば、相補的な形状のテンプレートは、アクセスポートがテンプレートの形状に一致するかまたは実質的に対応するかどうかを決定するように、本開示によって企図されるアクセスポートの上に位置決めされ、かつこれに当接することができる。このようなプロセスは、本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの特徴部を確実に示すかまたは知覚することができる。もちろん、アクセスポートのさまざまな型式に対応する複数のテンプレートは、その少なくとも1つの特徴部を知覚するように、未知のアクセスポートと順次係合することができる。このようなプロセスによって、本開示によって企図されるアクセスポートの(たとえば、型式または製造業者の)識別が可能になり得る。
【0015】
[0068]本開示によって企図される別の態様では、アクセスポートの上側外形部は、アクセスポートを識別するための少なくとも1つの特徴部を含むことができる。たとえば、
図3に示されるように、アクセスポート10の上面60は非平面であってもよい。より具体的には、上面60は、隔膜18に向かって径方向内側に延びるにつれて、テーパ状とすることもできるし、円弧状に下方に(すなわち、
図1Aおよび
図1Bに示されるように基準面11に向かって)延びることもできる。それ以外の場合、アクセスポート10は、
図3に示されるように、
図1Aおよび
図1Bを参照して上記に説明したように実質的に構成されることができる。したがって、上面60は、本開示によって企図されるアクセスポートの識別のための少なくとも1つの知覚可能な特徴部の例示的な一例である。
【0016】
[0069]本開示によって企図されるアクセスポートのさらに別の実施形態では、丸いコーナー領域30の間に延びるサイド領域54は、少なくとも1つの知覚可能な特徴部を示すことができる。たとえば、
図4に示されるように、アクセスポート10は、隣接する丸いコーナー領域30の間に円弧状に延びる1つまたは複数のサイド領域54を含むことができる。それ以外の場合は、アクセスポート10は、
図4に示されるように、
図1Aおよび
図1Bを参照して上記に説明したように実質的に構成されることができる。サイド領域54は、互いに関して合同であるかまたは対称的とすることができ、または別の実施形態では、互いに関して異なるように構成されることができるが、これらに限定されない。
【0017】
[0070]
図5は、本開示によって企図されるアクセスポートのさらなる例示的な実施形態を示す。より具体的には、アクセスポート10は、
図5に示されるように、隣接する丸いコーナー領域30の間に凹領域72を形成するサイド領域54を含む。言い換えれば、上側外形部61は、隔膜18の周囲のまわりにほぼ位置決めされた、凹領域72と凸領域70を交互に含むことができる。それ以外の場合は、アクセスポート10は、
図5に示されるように、
図1Aおよび
図1Bを参照して上記に説明したように実質的に構成されることができる。このような構成は、少なくとも1つの識別可能な特徴部を有するアクセスポートを提供することができる。
【0018】
[0071]本開示によって企図されるアクセスポートの他の実施形態では、
図6Aおよび
図6Bはそれぞれ、
図5を参照して説明するようにほぼ構成されるが細長い本体20Eを有するアクセスポート10の斜視図および側面図を示す。より具体的には、アクセスポート10の細長い本体20Eは、
図6Aおよび
図6Bに示されるように、上側外形部61からほぼ下方に(すなわち、
図1Aおよび
図1Bに示される基準面11に向かって)延び、かつ他の側面50と異なる傾斜(たとえば、隔膜18の上面に垂直な垂直軸に対する角度)を有する側面50Eを含む。それ以外の場合は、アクセスポート10は、
図6に示されるように、
図1Aおよび
図1Bを参照して上記に説明したように実質的に構成されることができる。このような構成は、細長いサイド部分を有するアクセスポート10の細長い本体20Eを提供することができる。
【0019】
[0072]もちろん、本開示によるアクセスポートの1つまたは複数の側面は、所望されるような選択された形状を示す本体を形成するように構成されることができる。本開示によって企図されるアクセスポートの細長い本体部分は、上記で説明したような他の特徴部と組み合わせるか、または別の実施形態では単独で設ける、本開示によるアクセスポートの識別のための少なくとも1つの知覚可能な特徴部を形成することができる。
【0020】
[0073]
図7は、本開示に包含されるアクセスポートの他の実施形態を示す。特に、
図7に示されるように、アクセスポート10は、上側本体部分20aと下側本体部分20bとを含むことができる。そのうえ、上側本体部分20aおよび下側本体部分20bのそれぞれは、部分的にピラミッド形の形状(すなわち、錐台)を示すことができ、本体部分20aおよび20bは互いに対して垂直に積み重ねられる。したがって、上側本体部分20aは、アクセスポート10の周囲に沿って延びる張り出しリム特徴部76を形成することができる。さらに説明すると、下側本体部分20bは、側面50bおよび丸いコーナー領域30bによって実質的に画定された外面を有することができ、上側本体部分20aは、側面50a、丸いコーナー領域30a、および上側外形部61によって実質的に画定された外面を有することができる。張り出しリム特徴部76が触診を介した知覚のための大きさおよび構成にされ得ることは理解されよう。このような構成は、有益な物質または薬剤の送達に適したアクセスポートを提供することができ、このアクセスポートは、埋め込み後に(たとえば、型式番号、製造業者などによって)識別可能である。
【0021】
[0074]本開示は事実上四辺形ではない外面の幾何学的形状を有するアクセスポートを企図することを理解されたい。むしろ、本開示は、アクセスポートが、略円筒状、略円錐形、略楕円形、略卵形である外面またはそれ以外の場合は事実上円弧状である外面を有することができることを企図する。具体的には、本開示は、実質的に丸いまたは円弧状の外面を有するアクセスポートが、埋め込み後のアクセスポートの識別のために構成される少なくとも1つの特徴部を含み得ることを企図する。たとえば、
図8に示されるように、実質的に円錐形である外面78を示すキャップ14を示す。キャップ14は、
図1〜
図7を参照して概略的に説明したようなアクセスポート10を形成するために、上記に説明したような隔膜(図示せず)を捕捉するのに適した基部(図示せず)に組み付けられることができる。
【0022】
[0075]本開示はさらに、少なくとも1つの、凸部、凸領域、凹部、凹領域、起伏、または異なる高さの隣接する特徴部が、本開示によって企図されるアクセスポートを識別するための特徴部を備えることができることを企図する。より具体的には、上側外形部61Cは、
図8に示されるように、複数の凸部80を含むことができる。凸部80はキャップ14の下側部分まで変化する、部分的に球状の上面を示すことができる。さらに詳細には、凸部80は、所望されるように隔膜(図示せず)の周囲のまわりに周方向に離隔されることができる。一実施形態では、複数の凸部80は、隔膜(図示せず)の周囲のまわりに、対称的に、周方向に離隔されることができる。より一般的には、少なくとも1つの凸部80は、アクセスポートの少なくとも1つの識別可能な特徴部を形成するための大きさ、構成、および位置とされることができる。もちろん、少なくとも1つの凸部80は、アクセスポートが埋め込まれる患者の快適さを促進するための構造とされることができる。理解され得るように、少なくとも1つの凸部80または複数の凸部80は、本開示によって企図されるアクセスポート(図示せず)の上側外形部61Cに含まれることができる。
【0023】
[0076]
図9は、本開示によって企図されるアクセスポートの患者内への埋め込み後にそれを形成および識別するための少なくとも1つの凸部80Eを含むキャップ14の別の実施形態を示す。凸部80Eは、回転中心のまわりに周方向に延びることができる。したがって、凸部80Eは、丸い端部83の間に周方向に延びる本体87部分を示すことができる。さらに、キャップ14は、回転軸に関して実質的に対称的である外面78を有することができる。より一般的には、本体20は、キャップ14の下側外延部(extent)71に位置決めされた略円形、略楕円形、または略卵形の基部から、基部の断面より小さく、かつキャップ14の(凸部80Eを考慮しない)上側外延部73に位置決めされる、上部の、略円形、略楕円形、または略卵形の断面まで延びることができる。加えて、側面51は、
図9に示されるように、基部とキャップ14の上側外形部61の間に円弧状に延びる。側面51は、略テーパ状または円錐状に延びることができ、丸角部または他の円弧状の形状を示すことができ、またはそれ以外の場合にアクセスポートの基部の断面からその上側外形部61Cに近接した断面まで変化することができる。
【0024】
[0077]さらに、
図10は、周方向に延びる凸部80Eと周方向に延びる凹部82とを交互に備えるその上側外形部61Cを有する本開示によって企図されるアクセスポートを形成するためのキャップ14の一実施形態を示し、周方向に延びる凸部80Eは、周方向に延びる凹部80Eより周方向に大きい。本開示によって企図されるアクセスポートの別の実施形態では、
図11は、周方向に延びる凸部80Eと周方向に延びる凹部82とを交互に備えるその上側外形部61Cを有するキャップ14の斜視図を示し、周方向に延びる凸部80Eおよび周方向に延びる凹部82は、(円周の)大きさまたは広がりに関して実質的に等しい。本開示によって企図されるアクセスポートを形成するためのキャップ14のさらなる別の実施形態では、
図12は、周方向に交互になるように配された、周方向に延びる3つの凸部80Eと周方向に延びる3つの凹部82とを備えるその上側外形部61Cを有するキャップ14の斜視図を示し、周方向に延びる凸部80Eおよび周方向に延びる凹部82は(円周の)大きさに関して実質的に等しい。
【0025】
[0078]
図13は、周方向に延びる凸部80Tと周方向に延びる凹部82Tとを含む上側外形部61Cを含む本開示によって企図されるアクセスポートを形成するためのキャップ14のさらなる実施形態の斜視図を示し、遷移領域81は、周方向に延びる凸部80Tと周方向に延びる凹部82Tの間に設けられる。このような遷移領域81は、
図13に示されるように、周方向に延びる凸部80Tと周方向に延びる凹部82Tの間でテーパ状になるかまたはほぼ滑らかに遷移することができる。また、
図14は、本開示によって企図されるアクセスポートを形成するためのキャップ14のさらなる実施形態の斜視図を示し、キャップ14は凸部領域96と凹領域98とを含む上側外形部61Cを含み、凸部領域96と凹領域98は、上側外形部61Cを備える起伏する外形部を形成するように、互いの間で遷移し、周方向に交互に設けられる。このような起伏する外形部は、
図14に示されるように、周方向に隣接する凸部領域96と凹領域98の間でほぼ滑らかに遷移する。
【0026】
[0079]本開示によって企図されるアクセスポートの他の実施形態では、
図15Aおよび
図15Bはそれぞれ、
図5を参照して説明するようにほぼ構成されるが少なくとも1つの非平面状の側面を含むことができるアクセスポート10の斜視図および上面図を示す。別の実施形態では、
図15に示されるアクセスポート10は、
図1〜
図4、
図6〜
図7、または以下で説明する任意の実施形態に示すように構成されることができるが、これらに限定されない。より具体的には、アクセスポート10の細長い本体20は、
図15Aおよび
図15Bに示されるように、(
図15Bに示されるように)円弧状に延びる3つの側面50Rを含む。このような構成は、埋め込みの後に識別可能であるアクセスポート10を提供することができる。本開示によって企図されるアクセスポートのさらに別の実施形態では、
図16は、アクセスポート10の側面50の間に形成された丸角部32の一部分を切り取った側壁100を含むアクセスポート10の斜視図を示す。このようなアクセスポート10は3つの縫合開口66を含むことができ、縫合開口66は、単独で設けるか、または少なくとも1つの他の特徴部と組み合わせて設けることができ、本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの識別可能な特徴部を備えることにも留意されたい。加えて、
図16に示されるように、吐出ステム31は、側壁100から延びることができる。
【0027】
[0080]本開示によって企図されるアクセスポートの他の実施形態では、
図17は、キャップ14および基部16が噛み合いライン15に沿って互いに組み付けられると、キャップ14と基部16がアクセスポート10の周囲の少なくとも一部分のまわりに延びるフランジ特徴部またはリップ特徴部102を形成するアクセスポート10の斜視図を示す。
図17に示されるように、リップ特徴部102は、キャップ14と基部16の間の噛み合いライン15に隣接して、アクセスポート10の周囲のまわりに実質的に延びる。このような特徴部は、本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの識別可能な特徴部を備えることができる。したがって、キャップ14と基部16の間の周縁不連続部がキャップ14と基部16の間の噛み合いライン15にほぼ沿って形成されることは理解されよう。
図7に示されるアクセスポートの実施形態では、張り出しリム特徴部76が周縁不連続部を備えることができ、または
図17に示されるアクセスポートの実施形態では、リップ特徴部102が周縁不連続部を備えることができる。
【0028】
[0081]本開示によって企図されるアクセスポートの他の実施形態では、
図18は、少なくとも1つの側面50の少なくとも一部分が凹状であるアクセスポート10の斜視図を示す。
図18に示されるように、側面50の凹状領域106は凹状である。凹面(すなわち、凹状領域106)は、本明細書で示される実施形態のいずれかのアクセスポートの側面の少なくとも一部分の上に示されることができるが、これらに限定されない。したがって、凹状であるその少なくとも一部分を有する本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの側面50は、本開示によって企図されるアクセスポートの識別のための少なくとも1つの知覚可能な特徴部の例示的な一例である。
【0029】
[0082]本開示によって企図されるアクセスポートの他の実施形態では、
図18は、少なくとも1つの側面50の少なくとも一部分が凹状であるアクセスポート10の斜視図を示す。
図18に示されるように、側面50の領域106は凹状である。凹面は、本明細書で示される実施形態のいずれかのアクセスポートの側面の少なくとも一部分の上に示されることができるが、これらに限定されない。したがって、凹状であるその少なくとも一部分を有する本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの側面50は、本開示によって企図されるアクセスポートの識別のための少なくとも1つの知覚可能な特徴部の例示的な一例である。
【0030】
[0083]本開示によって企図されるアクセスポートの他の実施形態では、
図19は、概して
図6Aおよび
図6Bを参照して説明するように構成されるアクセスポート10の斜視図を示す。より具体的には、細長い本体20ERは、
図19に示されるように、アクセスポート10の上側外形部61から下方に(すなわち、
図1Aおよび
図1Bに示される基準面11に向かって)円弧状に延びる側面50ERを含む。このような構成は、細長いサイド部分を有するアクセスポート10の細長い本体20Eを提供することができる。
【0031】
[0084]本開示によって企図されるアクセスポートの上述の種々の実施形態から、多数の変形、追加、またはさまざまな特徴部が本開示に包含され得ることは理解されたい。したがって、本開示は、いくつかの上述の例示的な実施形態に限定されない。
【0032】
[0085]たとえば、本開示によって企図されるアクセスポート10の上面図を示す
図20に示されるように、アクセスポート10は、側面50の間の丸角部32を少なくとも部分的に切り取る側壁100と、側壁100から延びる吐出ステム31と、凹状領域106および円弧状表面50Rの少なくとも一方とを含むことができる。さらに、
図20に示されるように、縫合開口66は、皮下埋め込みの後でアクセスポート10を識別するように位置決めされることができる。
【0033】
[0086]加えて、本開示は、事実上多角形である外面の幾何学的形状を有するアクセスポートを企図する。具体的には、本開示は、本開示によって企図されるアクセスポートが略三角形の外面を示すことができることを企図する。したがって、
図21に示されるように、本体20は、略ピラミッド形またはテーパ状の形状(すなわち、共通の頂点に向かって延びる多角形の各辺に対する表面を有する多角形の基部)を示すことができる。一般に、アクセスポート10の本体20Tは、略三角形の形状の基部と比較的小さな略三角形の形状の上側基部の間に延びることができる。したがって、アクセスポート10の外面は、3つの側面(たとえば、50、50R、102、50E)の間に延びる丸角部32を有するそれらの側面によって実質的に画定されることができる。加えて、アクセスポート10の上側外形部61は、サイド領域54および丸いコーナー領域30と組み合わせた上面60によって画定されることができる。このような構成は、触診によって知覚され得る少なくとも1つの特徴部を有するアクセスポートを提供することができる。
【0034】
[0087]
図22および
図23は、略三角形の外面の幾何学的形状を含むアクセスポートの別の実施形態の斜視図および上面図を示す。より具体的には、
図22および
図23に示されるように、(集団としてハウジングを形成する)キャップ14および基部16は、隔膜118を捕捉してアクセスポート10を形成することができる。さらに、吐出ステム31は、基部16内に形成された出口凹部93内に位置決めされかつこれに封止され得るステム基部を含むことができる。吐出ステム31は、アクセスポート10内に形成された空洞と流体連通することができる。任意選択で、縫合プラグ(suture plug)89は、基部16に形成された縫合空洞(suture cavity)91内に位置決めされることができる。縫合プラグ89は、アクセスポート10(すなわち、基部16)を患者に結合する縫合の間にいくらかの弾性を付与することができる柔軟な材料(たとえば、シリコン、ゴムなど)を含むことができる。さらに詳細には、アクセスポート10のサイド周辺部(side periphery)95(たとえば、1つまたは複数の側壁)は、略三角形とすることができる。したがって、キャップ14および基部16は、集団として、アクセスポート10の略三角形のハウジングまたは本体を形成することができる。また、本開示は、サイド周辺部95がキャップ14の上面161と基部16の下面151の間で(たとえば、テーパ状にするかまたは円弧状に変形することによって)断面の大きさを増加または減少させることができることを企図する。
図22および
図23に示されるように、アクセスポート10の(基部16の下面151と実質的に平行な選択された面に設けられた)横断面は、基部16の下面151に近接するほど大きくすることができ、キャップ14の上面161に近接するほど相対的に小さくすることができる。
【0035】
[0088]加えて、
図24は、アクセスポート10の横断面の簡略化された図を示す。
図24に示されるように、アクセスポート10のサイド周辺部95は、関連する頂点領域101の間に延びる3つのサイド領域103を画定することができる。加えて、一実施形態では、
図24に示されるように、サイド周辺部95は、実質的に等辺の略三角形の形状を画定することができる。当業者が理解するように、サイド領域103は、関連する頂点領域101の間に円弧状に延びることができる。したがって、サイド領域103は、略三角形の形状の「サイド」を形成することができる。さらに、頂点領域101は丸いが、このような頂点領域101は隣接するサイド領域103の間に交差部を形成することが理解されよう。したがって、「略三角形」という語句は、本明細書では、隣接するサイドが交差する、一般に3つのサイドを持つ任意の外形を包含するが、これらに限定されないことは当業者には理解されよう。たとえば、「略三角形」という語句は、3つのサイドを持つ多角形、円弧三角形(circular triangle)、等辺三角形などを包含するが、これらに限定されない。
【0036】
[0089]本開示はまた、本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの特徴部は視覚的にまたは触診によって観察することができず、むしろ、別の方法で観察できることを企図する。たとえば、本開示は、アクセスポートの少なくとも1つの特徴部はX線または超音波などの撮像技術との相互作用によって観察できることを企図する。たとえば、一実施形態では、金属の特徴部(たとえば、プレートまたは他の金属の外形)は本開示によって企図されるアクセスポートによって含まれることができる。理解され得るように、このような金属の特徴部は、アクセスポートを通過するX線エネルギーにX線感光フィルムを曝露するのと同時にX線エネルギーへのアクセスポートの曝露によって生成されるX線上に表されることができる。さらに、本開示は、アクセスポートの金属の特徴部の大きさ、形状、または大きさと形状の両方はアクセスポートの識別を向上させるように構成されることができることを企図する。たとえば、金属の特徴部が金属プレートを備えると仮定すると、大きさ、形状、またはその両方はアクセスポートの識別のために選択的に調整されることができる。同様に、本開示によって企図されるアクセスポートの特徴部は、超音波相互作用を介した検出のために調整されることができる。このような特徴部は、外面の形状に関する特徴部を備えることができる。別の実施形態では、このような特徴部は、超音波撮像によって識別され得る境界表面を形成する2つ以上の材料を含む複合構造を備えることができる。
【0037】
[0090]本開示によって企図される撮像技術による相互作用によって観察可能な特徴部の例示的な一実施形態が、
図52、
図53A、および
図53Bに示されている。
図52は、アクセスポート10の底面斜視図を表す。
図53Aはアクセスポート10の上面図を示し、
図53Bはアクセスポートの底面図を示す。
図52、
図53A、および
図53Bのアクセスポート10は、いくつかの点で、協働して本体を画定するキャップ14と基部16とを含む、
図22および
図23に示されるアクセスポート10に類似している。しかし、例示的な本実施形態では、
図52および
図53に示されるように、基部16の下面151は識別特徴部200を含む。この識別特徴部200は、示されている「CT」などの1つまたは複数の英数字とすることができることが企図されている。加えて、本開示は、1つまたは複数の記号、パターン、文字、デザイン、それらの組合せなどの他のマーキングの使用を企図する。識別特徴部200は、アクセスポートのさまざまな特徴の1つまたは複数の具体的な識別用に識別特徴部を調整するために任意の大きさ、形状、またはこの両方とすることができる。具体的には、一実施形態では、識別特徴部200は、埋め込まれたアクセスポートの自動注入可能性に関する情報を医師に知らせることができる。本実施形態では、識別特徴部200は凹状の特徴部として画定されるが、一方、他の実施形態では、以下で説明するように、識別特徴部は他の方法で画定されることができることに留意されたい。
【0038】
[0091]上述のように、
図53Aは、アクセスポート10の上面図を表す。識別特徴部200は、撮像技術の介在なしに、キャップ14の上面161を介して、または隔膜118を介して観察できないことに留意されたい。
図53Bで分かるように、識別特徴部200の英数字「CT」は、基部16の下面151に左右反転されて彫られる(engraved)。「CT」は左右逆転されて彫られ、その結果、X線撮像などの撮像技術が、皮下に埋め込まれたアクセスポートを識別するために使用されるとき、「CT」は適切な向きで視認できる。左右反転された所望の識別特徴部をアクセスポートの底面に彫ることによって、医師は、アクセスポートが患者の身体内にある間に裏返しになっているまたは別の方法で向きが誤っているかどうかなど、埋め込み後のポートに問題があるかどうかを判断することができる。したがって、識別特徴部がX線画像で左右反転されてまたは斜めに表示される場合、医師は、アクセスポートを使用するとする前に問題を正すことができる。
【0039】
[0092]ポートの一部分のみが金属材料たとえば金属プレートを含むアクセスポートでも有用であるが、一実施形態では、彫刻技術は、チタン、ステンレス鋼などの固体金属または典型的には放射線不透過性、すなわち十分な厚さにおいてX線に対して非透過である他の材料から構成されるアクセスポートによく適している。
図54A〜
図54Cは、患者への埋め込み後のX線撮像によって分かるように、チタンまたは他の金属材料を含む
図52のアクセスポート10の代表的な画像である。アクセスポート10は、
図52および53Bに示される識別特徴部200を含む。アクセスポート10の相対的な厚さが原因で、流体空洞である空洞36の空洞周辺部36Aを囲む基部16およびキャップ14の材料は、X線に対して実質的に非透過であり、したがって
図54AのX線画像では比較的暗く見える。しかし、空洞周辺部36A内のアクセスポート10の材料は、キャップ14および基部16の材料を通した場合よりも、(
図55で示されるように)空洞基部220を通した場合の方が相対的に薄い。したがって、識別特徴部200の作製時に材料をさらに薄くすることによって、識別特徴部は、X線撮像下で空洞基部の周囲材料よりX線撮影で相対的に透過性が高く見えるようにすることができる。
図54Aの識別特徴部200は適切な向きに視認でき、これはアクセスポートが裏返しになっていないことを示すことに留意されたい。
【0040】
[0093]
図54Bおよび
図54Cは、アクセスポート10の識別特徴部200のさらなる代表的なX線画像であり、アクセスポートはそれぞれ約20度および50度の角度で傾いている。したがって、識別特徴部200はまた、埋め込み後のアクセスポート10の相対的な向きを決定するのにも有用である。
【0041】
[0094]
図55は、
図52のアクセスポート10の、線55−55に沿った断面図を示す。この例示的な実施形態では、識別特徴部200は、隔膜118および空洞36の下に配置される。
図56Aおよび
図56Bはさらに、凹状の識別特徴部200の潜在的な切断プロファイル(cut profile)の拡大断面図を示す。
図56Aは、基部16の下面151上に彫られ、かつ審美目的および製造しやすくする目的で使用される丸い彫刻プロファイル(engraving profile)201を示す。しかし、撮像技術下で相対的により明確なコントラストを得るために、
図56Bに示されるように、鋭角的な彫刻プロファイル202を使用することができる。断面が凹状のさまざまなプロファイルを用いることができることに留意されたい。本開示はさらに、本明細書では彫刻について説明しているが、ミリング、機械加工、化学エッチングまたはレーザエッチング、成形、スタンピングなど、識別特徴部をマーキングする他の方法を使用することができることを企図する。
【0042】
[0095]使用する切断プロファイルに関係なく、一般に、彫りの深さXが大きいほど、優れたコントラストが達成される。しかし、最適な彫刻プロファイルXは、空洞基部220全体の厚さによって決まる。空洞基部220は、
図55に示されるように、空洞36の真下にある基部の部分である。たとえば、チタンを含むアクセスポートの一実施形態では、空洞基部220の全厚が約0.508mm(0.020”)の場合、その一実施形態では、識別特徴部200を約0.2286mm(0.009”)から約(0.2794mm)0.011”の間の深さX(
図56A、
図56B)に彫ることによって、X線撮像の目的に十分なコントラストを得ることができる。空洞基部220の全厚が約0.762mm(0.030”)である、チタンを含むアクセスポートの別の例示的な実施形態では、識別特徴部200を約0.381mm(0.015”)から約0.5334mm(0.021”)の間の深さXに彫ることによって、十分なコントラストを得ることができる。彫られた識別特徴部の深さは製品の安全性要件に適合するために実質的に変化するが、依然として、本開示によって企図される範囲に収まることができることは当業者には理解されよう。加えて、識別特徴部の深さXは、アクセスポート上の特徴部の位置、撮像技術によって貫通されるべき材料の厚さ、アクセスポートに含まれる材料のタイプなどによって変化することができる。
【0043】
[0096]また、本開示によって、金属または他の放射線不透過性のアクセスポートでの識別特徴部の使用は、たとえば
図57A〜
図58Cに示されるようなアクセスポートなど、さまざまな考えられ得る構成を有するアクセスポートに適用できることも企図される。
図57A〜
図57Cは、アクセスポート10が基部または本体116の下面251上に識別特徴部200を含む一実施形態を示す。
図57A〜
図57Cのアクセスポート10は、隔膜118を基部または本体116に封止する止め輪230を空洞36の上に含む。一実施形態では、止め輪230は、基部または本体116に圧力嵌めされて、隔膜118を所定の位置に保持する。
図58A〜
図58Cは、アクセスポート10が空洞基部220上に識別特徴部200を含み、かつこの空洞基部がキャップ114の下面252を嵌合してこれと面一であって本体を画定するさらに別の実施形態を示す。特定の実施形態では、空洞基部220はキャップ114に圧力嵌めされるが、他の嵌合構成を用いることもできる。
【0044】
[0097]本開示によって企図される別の実施形態では、
図59Aおよび
図59Bは、識別特徴部200の場所も変化できることを示す。識別特徴部200を空洞36の下に置くだけでなく、吐出ステム31の下および隔膜プラグ89の間、すなわちアクセスポートの底面の外周に近接する部分など、アクセスポート10の別の部分の下に識別特徴部を置くことが可能である。識別特徴部200の上のアクセスポート構造の全厚は、この場所では、空洞36の下で彫られた場合よりも厚いが、場所を変化させると、相対的により深い彫刻が可能になり、これによって、空洞基部220が薄くなり過ぎるというリスクなしでコントラストが増加する。加えて、一実施形態では、彫刻が垂直に位置合わせされるように底面と上面の両方を彫ることによって識別特徴部を複合して(compositely)画定することが可能である。これによって、識別特徴部を通る比較的大きなX線透過率を提供するために、残りの材料の厚さを実質的に減少させることができる。
【0045】
[0098]加えて、本開示は、アクセスポートの自動注入可能性または他の態様もしくは特徴を示すのに好ましい識別特徴部の任意の種類または組合せを有するアクセスポートを企図する。具体的には、
図60A〜
図61Bは、例示的な諸実施形態によるさまざまなタイプの識別特徴部200を示す。
図60A〜
図60Bは、記号を用いた識別特徴部200を示す。
図61A〜
図61Bは、識別特徴部200の組合せ、すなわち英数字を用いた識別特徴部200Aおよびパターンを用いた識別特徴部200Bを含むアクセスポート10の例示的な実施形態を示す。パターンを用いた識別特徴部または記号を用いた識別特徴部は、ポートの向きを示すのを補助するために、または他の任意の所望の理由に使用することもできる。さまざまなアクセスポート構成で、他の記号、パターン、マーク、および英数字を単独でも互いを任意に組み合わせても使用できることは、本開示によって理解されよう。
【0046】
[0099]追加の諸実施形態では、識別特徴部は、アクセスポート10の空洞36の内側の底面36Bの内部に画定することもできるし、底面251上に設けられた識別特徴部200に加えて画定することもできる。別の実施形態では、識別特徴部の「ポジの」レリーフ画像を画定するように、所望の機構の形状自体を除去する代わりに、所望の放射線不透過性の英数字、記号、パターンなどの特徴付ける縁端部(defining edge)を囲む材料を除去することができる。このようなポジのレリーフ識別特徴部は、たとえば、アクセスポート本体の下面に、または空洞の内側の底面に画定することができる。
【0047】
[00100]本開示によって企図される種々のタイプの記号、パターン、マーク、および英数字に加えて、
図62A〜
図63Cは、X線または他の適切な撮像技術を介して観察可能なアクセスポート上の特徴部を識別する追加の例示的な諸実施形態を開示する。具体的には、本開示は、アクセスポート10の一部分が空洞化された、外殻が外された空洞(shelled−out cavity)204の使用を企図する。この結果、外殻が外された空洞204は、基部または本体116の下面251または、
図151に示される基部16の下面151および
図58A〜
図58Cに示されるキャップ114の下面252を含む、本明細書で説明する他の実施形態の対応するポート下面から内部へ延びる。これは、アクセスポート10の空洞周辺部36Aまたは外側面250を損なうことなく、空洞36を囲む材料を除去することによって実施される。
図62Bに示されるように、リブ240は、アクセスポート10の残りの「外殻を被った」フレームを支持するために残すことができる。このような空洞204を画定することによって、X線撮像を介して識別できるアクセスポート10のX線不透過性の相対的差異がもたらされる。したがって、空洞204は、パターンを画定するように、またはアクセスポート10の態様または特徴の識別用の印を形成するように配することができる。他の実施形態では、空洞は、アクセスポートの上面および側面を含むアクセスポートの他の面から延びるように画定されることができることに留意されたい。
【0048】
[00101]本開示によって企図されるさらなる態様では、本開示によって企図されるアクセスポートに情報が含まれる通信技術を利用できることが企図されている。一般に、通信デバイス(たとえば、ラジオビーコン、発光素子、超音波を発生する振動子など)は、本開示によって企図されるアクセスポートに内蔵されるかまたは別の方法で固定されることができる。このような通信デバイスは、所与の刺激に応答して情報を伝送するように構成されることができる。より具体的には、本開示は、本開示によって企図されるアクセスポートが要求信号(たとえば、音、衝撃または加速、光、電波など)を受けることができることを企図する。このような要求信号は、通信デバイスに、そこから音、光、電波を介して、または当技術分野で知られている別の方法で情報を伝送させることができる。このような情報は、本開示によって企図されるアクセスポートを識別するために用いることができる。
【0049】
[00102]例示的な一例では、無線周波数識別技術は本開示によって企図されるアクセスポートの識別のために用いることができることが企図されている。特に、いわゆるアクティブRFIDタグは、内蔵電池によって電力を供給され、典型的には読み取り/書き込みデバイスである。現在、適切な低電力回路に結合された適切なセルは、動作温度および読み取り/書き込みサイクルおよび使用法に応じて、10年以上にわたる機能を保証することができる。いわゆるパッシブRFIDタグは、別個の外部電源がなくても動作し、リーダから生成された動作電力を得る。パッシブRFIDタグは、典型的には、変更できない一意のデータセット(通常32〜128ビット)でプログラムされる。読み取り専用タグは、選択した製品固有の情報を含むことができるリニアバーコードに相当する識別子として動作することができる。したがって、パッシブRFIDタグは、アクティブRFIDタグよりもはるかに軽く、安価であり、事実上無限の稼動寿命を提供することができる。その代償として、パッシブRFIDタグは、アクティブタグより狭い読み取り範囲を有し、より高性能なリーダを必要とする。
【0050】
[00103]RFID手法の1つの利点は、この技術が非接触式で照準線が不要という性質を持つことである。タグは、雪、霧、氷、塗料、固まった汚れなどのさまざまな物質、および他の光学的読み取り技術の効果が弱い場合がある、他の視覚的かつ環境的に困難な条件を通して、読み取られることができる。RFIDタグは、高速で困難な状況において、ほとんどの場合は約100ミリ秒未満で応答して、読み取られることもできる。
【0051】
[00104]本開示によって企図される態様を説明する目的で特定の代表的な実施形態および詳細を示してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される本開示によって企図される範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される方法および装置の種々の変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。たとえば、他のアクセスポートの大きさおよび形状を用いることができる。また、本開示によって企図されるアクセスポートの少なくとも1つの識別可能な特徴を形成するために、種々の他の実施形態および構造を用いることができる。特に、
図25〜
図51は、アクセスポート10のいくつかの追加の例示的な実施形態を示す。これらの図から明らかなように、アクセスポート10は任意の数の形状および大きさで形成することができ、その結果、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で記載および図示された実施形態のいずれかに対する任意の数の修正および変更が可能である。