特許第5798603号(P5798603)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5798603筐体内に光ファイバを具備する機器、支持部材、及び支持方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798603
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】筐体内に光ファイバを具備する機器、支持部材、及び支持方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20151001BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   G02B6/46
   G02B6/42
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-197393(P2013-197393)
(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公開番号】特開2015-64448(P2015-64448A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2014年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西村 顕人
(72)【発明者】
【氏名】古原 憲司
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−149453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/46
G02B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ接続用のポートが設けられた筐体と、
前記筐体内に配設される光モジュールを搭載した基板と、
前記ポートと前記光モジュールとの間を光学的に結ぶ光ファイバと、
前記筐体内に風を導入する導入口と、
前記筐体内において前記光ファイバを支持する支持部材と、
が設けられており、
前記ポートは、前記筐体の側壁に設けられており、
前記支持部材は、
前記風のうち、前記光ファイバに向かって流れる風を、当該光ファイバの風上側において遮る遮断壁と、
前記ポートの近傍において前記光ファイバを支持する支持面であって、前記筐体の底板からの高さが前記ポートと等しい当該支持面を有し、前記光モジュールよりも高い位置において前記光ファイバを支持する第一の支持部と、
前記第一の支持部と前記光モジュールとの間に設けられており、曲面を構成している第二の支持部と、を有していることを特徴とする、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【請求項2】
前記支持部材は、筒状構造を有しており、筒内に配線された前記光ファイバを支持し、前記遮断壁が前記筒状構造の一部によって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【請求項3】
前記第一の支持部における底面および前記光モジュールの側には、前記導入口から導入される前記風を所望の方向に整流する整流板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【請求項4】
前記第二の支持部は、前記整流板であることを特徴とする請求項3に記載の、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【請求項5】
前記基板には、前記風による放熱を必要とする素子が搭載されており、
前記支持部材は、当該支持部材と前記基板との間に前記素子を配設した位置にあり、且つ、当該素子に対向する対向領域が、当該対向領域に隣接している領域よりも前記基板に近づく方向に突出していることを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【請求項6】
前記支持部材に、前記光ファイバを着脱可能に固定する固定部材が、更に設けられていることを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【請求項7】
前記導入口には、前記風を送るファンが設けられていることを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【請求項8】
光ファイバ接続用のポートが側壁に設けられた筐体と、前記筐体内に配設される光モジュールを搭載した基板とを備えた機器において、前記ポートと前記光モジュールとの間を光学的に結ぶ光ファイバを支持する支持部材であって、
前記筐体内に導入された風のうち、前記光ファイバに向かって流れる風を、当該光ファイバの風上側において遮る遮断壁と、
前記ポートの近傍において前記光ファイバを支持する支持面であって、前記筐体の底板からの高さが前記ポートと等しい当該支持面を有し、前記光モジュールよりも高い位置において前記光ファイバを支持する第一の支持部と、
前記第一の支持部と前記光モジュールとの間に設けられており、曲面を構成している第二の支持部と、を有していることを特徴とする支持部材。
【請求項9】
光ファイバ接続用のポートが側壁に設けられた筐体と、前記筐体内に配設される光モジュールを搭載した基板とを備えた機器において、前記ポートと前記光モジュールとの間を光学的に結ぶ光ファイバを支持する支持方法であって、
前記筐体内に導入された風のうち、前記光ファイバに向かって流れる風を、当該光ファイバの風上側において遮る遮断壁と、
前記ポートの近傍において前記光ファイバを支持する支持面であって、前記筐体の底板からの高さが前記ポートと等しい当該支持面を有し、前記光モジュールよりも高い位置において前記光ファイバを支持する第一の支持部と、
前記第一の支持部と前記光モジュールとの間に設けられており、曲面を構成している第二の支持部と、を有している支持部材を用いて前記光ファイバを支持することを特徴とする支持方法。
【請求項10】
光ファイバ接続用のポートが設けられた筐体と、
前記筐体内に配設される光モジュールを搭載した基板と、
前記ポートと前記光モジュールとの間を光学的に結ぶ光ファイバと、
前記筐体内に風を導入する導入口と、
前記筐体内において前記光ファイバを支持する支持部材と、
が設けられており、
前記支持部材は、前記風のうち、前記光ファイバに向かって流れる風を、当該光ファイバの風上側において遮る遮断壁を有しており、
前記基板には、前記風による放熱を必要とする素子が搭載されており、
前記支持部材は、当該支持部材と前記基板との間に前記素子を配設した位置にあり、且つ、当該素子に対向する対向領域が、当該対向領域に隣接している領域よりも前記基板に近づく方向に突出していることを特徴とする、筐体内に光ファイバを具備する機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品と当該光学部品に接続する光ファイバとを筐体内に具備した機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、装置内に光ファイバを配線して、装置内に実装された光素子や光回路、光学装置等と光学的に接続する手法が知られている。
【0003】
特許文献1は、光信号と電気信号をリンクさせて処理を行う光電気複合装置において、電磁遮蔽層を備えたフレキシブルなシート基板に配線保持された光ファイバによって、当該装置内に搭載された光学部品同士を光学的に接続している構成を開示している。特許文献1では、光ファイバは、プラスチックからなるシート材とラミネート材との間に挟まれ、任意の形状に配線保持されている。
【0004】
ところで、上述のように一つの装置内に複数の光学部品を搭載しているタイプの機器や、光学部品に加えて電気部品も搭載しているタイプの機器では、これらの部品の放熱をおこなう放熱(冷却)機構も併せて搭載している。例えば、光学部品が搭載された筐体内に風を送るタイプの放熱機構が知られており、比較的強い風が筐体内を流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−258067号公報(2002年9月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数本の光ファイバを装置内で配線する場合、配線作業中に光ファイバの配線経路を替えることがある。例えば、配線した結果、特定の光ファイバに不都合な張力がかかってしまうことがあり、この場合に特定の光ファイバあるいは他の光ファイバの配線経路を替えることがある。しかしながら、上述の特許文献1ではシート材とラミネート材とに光ファイバが挟まれたシート基板を用いている、配線経路を替える(再配線する)場合には、シート配線板ごと変更しなければならず作業効率が低い。
【0007】
仮に、再配線を容易にするべく上述の特許文献1のシート配線板のシート材またはラミネート材を外したならば、光ファイバが剥き出しになるため再配線は容易である。しかしながら、光ファイバを装置内で剥き出しの状態で配線した場合、上述のような放熱用の風によって、光ファイバのばたつきあるいは風圧による不都合な変形を生じて光ファイバの特性を劣化させる虞がある。
【0008】
そこで、本願発明者らは、光ファイバを自由に配線する態様であっても光ファイバの特性を維持することができる配線機構を検討して、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、筐体内において光ファイバが風の影響を受けることなく配線された機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る機器は、前記の課題を解決するために、
光ファイバ接続用のポートが設けられた筐体と、
前記筐体内に配設される光モジュールを搭載した基板と、
前記ポートと前記光モジュールとの間を光学的に結ぶ光ファイバと、
前記筐体内に風を導入する導入口と、
前記筐体内において前記光ファイバを支持する支持部材と、
が設けられており、
前記支持部材は、前記風のうち、前記光ファイバに向かって流れる風を、当該光ファイバの風上側において遮る遮断壁を有していることを特徴としている。
【0011】
前記構成によれば、光ファイバに向かって流れる風を遮断壁が遮断するため、従来構成のように光ファイバをシート材とラミネート材とによって挟んで支持する必要がない。また、風によるばたつきや、風圧による変形も生じない。
【0012】
よって、本発明によれば、筐体内において、風の影響を受けることなく、且つ、再配線が容易な状態で光ファイバを配線した機器を提供することができる。
【0013】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記ポートは、前記筐体の側壁に設けられており、
前記支持部材は、前記ポートの近傍において光ファイバを支持する支持面であって、前記筐体の底板からの高さが前記ポートと等しい当該支持面を有していることが好ましい。
【0014】
前記構成によれば、支持部材の支持面がポート近傍においてポートと同じ高さに設けられているため、筐体内においてポートから延びる光ファイバは、筐体の底板からの高さを大きく変えることなく支持面によって支持される。これにより、光ファイバは不都合に曲がらず、ポートとの接続箇所に不都合な力が及んで接続不良を引き起こすことがない。
【0015】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記支持部材は、
前記光モジュールよりも高い位置において前記光ファイバを支持する第一の支持部と、
前記第一の支持部と前記光モジュールとの間に設けられており、曲面を構成している第二の支持部と、
を有していることが好ましい。
【0016】
前記構成によれば、第二の支持部が曲面を構成していることから、光ファイバは当該曲面に沿って湾曲して光モジュールまで導かれる。これにより、光ファイバは第一の支持部から光モジュールまでの領域において不都合に折れ曲ることなく支持される。
【0017】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記支持部材は、筒状構造を有しており、筒内に配線された前記光ファイバを支持し、前記遮断壁が前記筒状構造の一部によって構成されていることが好ましい。
【0018】
前記構成によれば、光ファイバは支持部材の筒内に挿通されることによって支持されることから前記風の影響を受けることなく筐体内において配線される。
【0019】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記第一の支持部における前記光モジュールの側には、前記導入口から導入される前記風を整流する整流板が設けられていることが好ましい。
【0020】
前記構成によれば、例えば筐体内の放熱したい部材に向けて前記風を効果的に送ることができる。
【0021】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記第二の支持部は、前記整流板としての機能を有してもよい。
【0022】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記基板には、前記風による放熱を必要とする素子が搭載しており、
前記支持部材は、当該支持部材と前記基板との間に前記素子を配設した位置にあり、且つ、当該素子に対向する対向領域が、当該対向領域に隣接している領域よりも前記基板に近づく方向に突出していることが好ましい。
【0023】
前記構成によれば、風による放熱を必要とする装置の上方では、支持部材が素子に近づいており、これにより風の流路が狭く構成されている。
【0024】
そのため、当該素子の上方において風の流速を高めることができ、ベンチュリ効果によって当該素子の効率的な放熱を実現することができる。
【0025】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記支持部材に、前記光ファイバを着脱可能に固定する固定部材が、更に設けられていることが好ましい。
【0026】
前記構成によれば、固定部材によって、支持部材から光ファイバが外れるという事態を回避することができる。
【0027】
また本発明に係る機器は、前記の構成に加えて、
前記導入口には、前記風を送るファンが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、筐体内において光ファイバが風の影響を受けることなく配線された機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態1に係る、光ファイバを具備する機器の構成を示す斜視面である。
図2図1に示す切断線A−A´における機器の矢視断面図である。
図3図1に示す切断線B−B´における機器装置の矢視断面図である。
図4】本発明の実施形態1の変形例1に係る光ファイバ配線部材を搭載した機器の構成を示す斜視面である。
図5】本発明の実施形態1の変形例2に係る光ファイバ配線部材を搭載した機器の構成を示す斜視面である。
図6】本発明の実施形態2に係る光ファイバ配線部材を搭載した機器の構成を示す上面面である。
図7図6に示す切断線C−C´における機器の矢視断面図である。
図8図6に示す機器に具備される光ファイバ配線部材の部分斜視図である。
図9図6に示す機器に具備される光ファイバ配線部材の一部分の構成を示す上面図である。
図10】本発明の実施形態2の変形例として示す機器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔実施形態1〕
本発明に係る、筐体内に光ファイバを具備する機器の一実施形態について、図1から図3に基づいて説明する。本実施形態1では、筐体内に、光ファイバを用いて光信号を送受信する光モジュールを搭載するとともに、電気信号を処理する電子部品も搭載されている機器を例に挙げるが、電子部品は必須構成ではない。
【0031】
図1は、本実施形態1における機器の上面斜視図である。本実施形態1における機器1は、筐体2と、光モジュール3および電子部品4が搭載された基板5と、光ファイバ6と、冷却ファン7と、光ファイバ配線部材8(支持部材)とを具備している。本実施形態1における機器1は、スーパーコンピュータのラックに収容されるノードとして構成することができる。以下に、各構成について詳述する。
【0032】
<筐体2>
筐体2は、機器1の外装体である。筐体2は、ボトム部21(底板)と、ボトム部21の周囲を取り囲むように配設されたフロント部22(側壁)およびサイド部23,24,25と、ボトム部21に対向するカバー部(不図示)とを有している。
【0033】
ボトム部21は、その上面が、筐体2内部の底面を構成しており、当該底面の一部分に基板5を実装している。
【0034】
フロント部22は、対向配置したサイド部23,25のそれぞれに固定されており、上述のノードのフロントパネルとして構成される。フロント部22には、複数個のポート220が設けられている。ポート220は、筐体2内に設けられる光ファイバ6と、機器1外部に配線される光ファイバ(不図示)とを接続する光ファイバ接続用のポートである。また、フロント部22には、筐体2の内部空間と筐体2外部とに連通する貫通孔22aが設けられており、後述する冷却ファン7の風が筐体2の内部空間を通過して、当該貫通孔22aから外部に排出される。
【0035】
筐体2は、筐体2内に搭載されている電子部品等から発生する電磁波が外部に漏れないよう、また、電子部品に影響を及ぼす電磁波が筐体2の外部から侵入しないよう、電磁波を遮断する材質によって構成されてることが好ましい。
【0036】
<光モジュール3および電子部品4が搭載された基板5>
基板5は、筐体2によって形成される内部空間のボトム部21の上面に実装されている。内部空間側に面している基板5の上面には、光モジュール3および電子部品4が搭載されている。
【0037】
光モジュール3は、光ファイバ6によって筐体2のポート220と光学的に接続しており、光ファイバ6を介して、ポート220との間で光信号を送受信をおこなうモジュールである。光モジュール3は、例えば、光素子、光回路または光学装置といった光信号に基づいて処理(動作)をおこなう。
【0038】
電子部品4は、電気信号を処理する構成であり、例えばCPUなどの装置である。なお、本実施形態1では、図1に示すように基板5上に大小様々な複数の電子部品4が搭載されているが、その個数、種類については特に制限はない。また、電子部品4には、例えばその上面や側面に冷却フィン(不図示)が設けられていてもよい。電子部品4は、動作の過程で熱を発し、内部および外装が熱を帯びることがあり、温度上昇による誤動作や故障が起こるため、放熱機構が具備されていることがある。放熱機構は様々な種類があり熱伝導性を利用したものや、冷却フィンなどが知られている。また、電子部品4には電気信号を送受信する手段が設けられているが、これは本発明の本質ではないため、説明を省略する。光モジュール3にも同様の放熱機構が具備されていてもよい。
【0039】
光モジュール3および電子部品4は基板5上にて互いに離間して配設されている。これは、後述する冷却ファン7から送られる風をその離間部分に通して、光モジュール3および電子部品4を冷却しつつ、筐体2内全体に風を通すためである。
【0040】
なお、本実施形態1では、一つの基板5に光モジュール3および電子部品4が共に搭載されているが、光モジュール3を搭載した光基板、および、電子部品4を搭載した電子基板とに分かれていてもよい。
【0041】
<光ファイバ6>
光ファイバ6は、コアと、当該コアを取り囲むクラッドと、当該クラッドを取り囲む外装体を有している。ここで、クラッドは、一層であってもよいし、多層であってもよい(すなわち、光ファイバ6は、いわゆるシングルクラッドファイバであってもよいし、マルチクラッドファイバであってもよい)。
【0042】
光ファイバ6のコアおよびクラッドの材質としては、例えば石英系ガラス(シリカガラス)等のガラスが好ましく、フッ素樹脂等のプラスチックも使用可能である。外装の材質としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ブタジエンアクリレート等の紫外線(UV)硬化樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂が好ましい。光ファイバ6の外径は、例えば外装の外径として0.25mm、0.4mm、0.5mm、0.9mm等が例示される。
【0043】
光ファイバ6は、筐体2の内部空間において後述する光ファイバ配線部材8に支持されて配線され、その一端を光モジュール3に接続し、他端を筐体2のフロント部22のポート220に当該内部空間側から接続している。
【0044】
本実施形態1では、図1に示すように、筐体2のフロント部22には複数個のポート220が設けられており、その各々に光ファイバ6が接続されている。なお、図1に図示したポート220および光ファイバ6の設置数は一例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、また、全てのポート220に光ファイバ6が接続されている必要はない。
【0045】
<冷却ファン7>
冷却ファン7は、筐体2におけるフロント部22に対向するサイド部24に設けられており、導入口70からフロント部22に向かって風を送る。
【0046】
冷却ファン7の風は、筐体2内において光モジュール3と電子部品4との間を縫うように進み、その間に光モジュール3および電子部品4の熱を奪って、フロント部22の貫通孔22aから機器1外部に排出される。これにより、光モジュール3および電子部品4、並びに筐体2の過度の温度上昇を防ぐことができる。
【0047】
冷却ファン7は、図1では五つ設けられているが、その数に制限はない。また、筐体2の内部空間における冷却ファン7の配設位置も、図1の位置に限定されるものではない。
【0048】
また、本発明は、冷却ファンを必ずしも筐体内に搭載する必要はなく、例えば、筐体には風を外部から内部空間に導入する導入口だけが設けられていてもよい。その場合には、外部に冷却ファンを配置して、その風を導入口から筐体の内部空間に送り込むように構成すればよい。あるいは、自然風であってもよく、自然風を導入口から筐体の内部空間に送る機構を採用してもよい。
【0049】
冷却ファン7から筐体2の内部空間に送られる風の速度には、特に制限はない。しかしながら、上述したように放熱を効果的におこなうためには、比較的強い(風速が高い)風を送り込むことが好ましい。
【0050】
そのため、筐体2の内部空間で仮に光ファイバ6を剥き出しの状態で配線すると、冷却ファン7の風によって光ファイバ6がばたついて、光ファイバ6自体であったり、ばたついた光ファイバ6が接触した先の部材であったりに変形や性能の不具合が生じる虞がある。そこで、本実施形態1では、光ファイバ配線部材8を具備することにより、これらの問題を回避することができる。以下、光ファイバ配線部材8について説明する。
【0051】
<光ファイバ配線部材8>
光ファイバ配線部材8は、ポート220と光モジュール3とを結ぶ経路のうちの少なくとも一部に在って、光ファイバ6を支持して配線する部材である。
【0052】
そして、特徴としては、光ファイバ配線部材8は、筐体2の内部空間において冷却ファン7の風が流れない空間を形成し、その空間に光ファイバ6を配線する点にある。換言すれば、光ファイバ配線部材8は、筐体2の内部空間を、冷却ファン7の風が流れない空間と、光モジュール3および電子部品4が在り冷却ファン7の風が流れる空間とに分離する空間分離手段として機能し、且つ、冷却ファン7の風が流れない空間に光ファイバを配線するべく光ファイバを支持する光ファイバ支持手段として機能する。つまり、冷却ファン7の風が流れない空間は、配線空間である。
【0053】
具体的には、光ファイバ配線部材8は、第一の支持部81と、第二の支持部82と、遮断壁83とを有している。
【0054】
第一の支持部81は、筐体2の底面に沿って平行方向に光ファイバ6を配線してこれを支持する。第一の支持部81は、光モジュール3よりも高い位置、すなわち光モジュール3よりもカバー部に近い位置に在る。
【0055】
また、第一の支持部81は、概ね同じ方向に配線される光ファイバ6同士を集束して纏めて配線している。具体的には、第一の支持部81は、図1に示すように複数の光ファイバ6を集束させる集束領域81aを有している。集束領域81aは、ポート220近傍においてガイド部81bにガイドされて互いに離間して配されている複数の光ファイバ6がポート220から離れる方向に沿って配線される領域においてこれら光ファイバ6を一つに纏めている。
【0056】
このような集束領域81aを具備することにより、筐体2内において複数の光ファイバ6が複雑に交わって配線されることを防ぐことができ、配線変更にもスムーズに対処することができる。本実施形態1では、集束領域81aは、図1に示すように、電子部品4と、筐体2のサイド部25との間の狭間隙に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子部品4と別の電子部品4との間の狭間隙に設けられていてもよい。
【0057】
第一の支持部81は、集束領域81aにおいて集束させた複数の光ファイバ6を、集束領域81aから光モジュール3までの配線経路の間において、集束を解消して各光ファイバ6がポート220群の配列方向に沿って平行に配線させている。本実施形態1では、サイド部25付近に集束領域81aが設けられており、光ファイバ6群は集束領域81aから二手に分かれて、ポート220群の配列方向に沿って平行に、一方のサイド部23と、他方のサイド部25とへ、それぞれ導かれる。なお、どの光ファイバ6が一方のサイド部23へ導かれ、どのファイバが他方のサイド部25へ導かれるかは、接続する光モジュール3の配設位置や、配線の関係で適宜決定すればよい。
【0058】
図2は、図1に示す切断線A−A´における機器1の矢視断面図であり、上述のポート220群の配列方向に沿って平行になって配線されている光ファイバ6を支持している領域における断面図である。図2に示すように、第一の支持部81のうち、上述のポート220群の配列方向に沿って平行になって配線されている光ファイバ6を支持している領域が、光モジュール3と重畳している位置に在る。
【0059】
ここで、図2に基づいて、第一の支持部81の配設位置について詳述する。
【0060】
第一の支持部81は、図2に示すように、筐体2の底面(基板5の上面)に平行に延在している支持面を有している。この支持面は、筐体2のカバー部26に対向しており、また、光ファイバ6に対向している。支持面は、少なくとも一部において光ファイバ6と接触していてよい。
【0061】
ここで、筐体2の底面(基板5の上面)に対して垂直方向であって且つ当該底面からカバー部26に向かう方向に沿った当該底面からの離間距離として規定される当該底面からの高さに関して、第一の支持部81は、ポート220とほぼ同じ高さに前記支持面を有している。具体的には、ポート220は、フロント部22における、当該底面からカバー部26までの高さの半分の高さの位置に配設されている。そして、第一の支持部81の支持面は、ポート220に接続されて水平方向に延伸する光ファイバ6の外面における底面側の部分に接触して支持できるように、ポート220との高さを合わせている。
【0062】
これにより、ポート220から水平方向に延伸する光ファイバ6が、上下方向に過度に屈曲しないように、水平状態を保ったままで支持される。また、光ファイバ6が過度に屈曲することに伴って想定されるポート220との接続不良を回避することができる。
【0063】
なお、上述した第一の支持部81の支持面、およびポート220の高さについて、高さが等しいとは、完全に等しい高さでなくとも、上述した効果を奏する範囲で両者の間に高さに差がある態様も含む。
【0064】
第二の支持部82は、筐体2の底面に対して垂直方向に光ファイバ6を配線して支持する。第二の支持部82は、図2に示すように、第一の支持部81と光モジュール3との間の光ファイバ配線経路に設けられており、第一の支持部81と光モジュール3との高低差を解消するために第一の支持部81の支持面に連なった曲面を有している。本実施形態1では、図1および図2に示すように、第二の支持部82は、第一の支持部81における光モジュール3の上方に在る領域を挟んで、フロント部22に隣接する二つのサイド部23,25に近接している端部にそれぞれ設けられている。各第二の支持部82の曲面は、それぞれ近接しているサイド部23,25に向かって凸となっている。
【0065】
第二の支持部82が曲面であることによって、光ファイバ6に不都合な曲げや折れを生じさせずに、第一の支持部81の位置から光モジュール3の位置まで光ファイバ6を良好に下ろすことができる。曲面のRは、光ファイバ6の種類によって適宜設定すればよい。
【0066】
遮断壁83は、冷却ファン7から送られる風の進行方向に対して垂直に設けられている。具体的には、遮断壁83は、第二の支持部82に隣接している部分を除く第一の支持部81の支持面の端部と、図2に示すカバー部26との間隙に配設され、遮断壁83は、筐体2の底面に対して垂直方向に延在する面を有している。また、遮断壁83は、第一の支持部81の支持面に隣接している部分を除く第二の支持部82の曲面の端部と、曲面が対向しているサイド部23,25との間の間隙にも配設され、筐体2の底面に対して垂直方向に延在する面を有している。
【0067】
また、図2に示すように、対向配置しているサイド部23とサイド部25との間を延伸している第一の支持部81の端辺に設けられている遮断壁83は、第一の支持部8と筐体2のカバー部との間隙を完全に封じていることが好ましい。
【0068】
図3は、図1に示す切断線B−B´における機器1の矢視断面図である。冷却ファン7の風は、フロント部22に対向するサイド部24側から、図3に示す矢印の方向に、筐体2の底面に沿ってフロント部22へと流れる。そのため、図8に示すように、第一の支持部81の支持面(に支持されている光ファイバ6)よりもサイド部24側、すなわち風上側に遮断壁83を配設することにより、当該支持面に支持されている光ファイバ6が風に曝されないという効果を奏する。これは、図2に示した第二の支持部82の曲面においても同様で、曲面(に支持されている光ファイバ6)よりもサイド部24側すなわち風上側に遮断壁83が配設されていることにより、曲面に支持されている光ファイバ6が風に曝されないという効果を奏する。
【0069】
また、本実施形態1では、図1に示すように、遮断壁83が、光ファイバ6よりも風下側にも更に設けられている。例えば、第一の支持部81の集束領域81aの端部において風の進行方向に沿って延在した面を有する遮断壁83が設けられている。これにより、光モジュール3または電子部品4、あるいは筐体2の内側等に当たって風向きが上述した方向から変化した風も遮断壁83が遮断して光ファイバ6がその風に曝されることを防ぐことができ、より一層効果的である。
【0070】
本実施形態1では、第一の支持部81と、第二の支持部82と、遮断壁83と、筐体2のフロント部22と、カバー部26(図2)とによって、冷却ファン7の風による影響を受けない空間を形成している。すなわち、光ファイバ配線部材8は、筐体2内に、風の影響を受けずに光ファイバ6を自由に配線することができる配線空間を形成することができる。
【0071】
一方、冷却ファン7の風は、光モジュール3および電子部品4から熱を奪いながら、光ファイバ配線部材8の下側を流れて、フロント部22の貫通孔22aから機器1外部に排出される。
【0072】
光ファイバ配線部材8は、図示しない固定手段を用いて筐体2の内側に固定されている。なお、筐体2ではなく、光モジュール3あるいは電子部品4に光ファイバ配線部材8を固定してもよい。
【0073】
なお、本実施形態では、第一の支持部81の支持面の高さは、ポート220近傍から光モジュール3近傍に至るまで等しいが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一の支持部81の支持面のうち、ポート220近傍の領域について、その高さがポート220の高さと等しければよい。つまり、第一の支持部81の支持面のうちの他の領域においては、ポート220の高さよりも低くてもよく、光モジュール3の上面よりも低くてもよい。なぜなら、本発明の本質は、上述のように、配線の自由度をもたらし、且つ、風の影響を受けない配線空間を筐体内に確保することができる光ファイバ支持手段としての光ファイバ配線部材を、機器が具備することにあるからである。この本質からすれば、光ファイバ配線部材が、ポートから光モジュールまでの光ファイバ配線経路の途中において、光ファイバを光モジュールの上面よりも低い位置において支持する構成であっても配線空間を筐体内にて確保する態様も有り得る。
【0074】
〔変形例1〕
図4は、本実施形態1の第1変形例を示しており、図1に対応している。
【0075】
本変形例1と上述の実施形態1との主な相違点は、実施形態1の光ファイバ配線部材8は、全体的な形状が図1に示すように溝状であるのに対して、本変形例1の光ファイバ配線部材8´は、全体的な形状が図4に示すように筒状構造である点で異なる。なお、図4では、光ファイバ6群のうちの一部のみを図示している。
【0076】
本変形例1のように、光ファイバ配線部材8´が筒状構造を有している場合は、その側部および上部が、実施形態1における遮断壁83と同等の機能をもつ。光ファイバ6は、光ファイバ配線部材8´の筒内に挿通されて支持される。
【0077】
なお、図4の構成とした場合であっても、カバー部26は筐体2の上面部として配設する。
【0078】
〔変形例2〕
図5は、本実施形態1の第2変形例を示しており、図1に対応している。なお、図5では、光ファイバ6群のうちの一部を図示している。
【0079】
本変形例2と上述の実施形態1との相違点は、光ファイバ配線部材8の形状と、光ファイバ固定手段の有無にある。
【0080】
具体的には、実施形態1の光ファイバ配線部材8は、図1に示したように、集束領域81aが、対向するサイド部23とサイド部25との間に一箇所設けられている。これに対して、本変形例2では、図5に示すように、集束領域81a´は、サイド部23近傍とサイド部25近傍とにそれぞれ設けられている。
【0081】
本変形例2の光ファイバ配線部材8´は、第一の支持部81´と、第二の支持部82´と、遮断壁83とを有している。
【0082】
第一の支持部81´は、各ポート220に接続されている光ファイバ6をフロント部22が固定されている一方のサイド部23あるいは他方のサイド部25に向けて配線し、更に、サイド部23,25に沿ってポート220から離れる方向に配線する支持面を有している。光ファイバ6群は、サイド部23,25に沿ってポート220から離れる方向に配線されることから、この領域に集束領域81a´が設けられている。
【0083】
第二の支持部82´は、第一の支持部81´と光モジュール3との間の配線経路に配置されており、第一の支持部81´と光モジュール3との高低差を解消するために第一の支持部81´の支持面に連なった傾斜面を有している。
【0084】
第一の支持部81´および第二の支持部82´には、上述の実施形態1と同様に遮断壁83が設けられており、支持面および傾斜面によって支持され配線されている光ファイバ6が風に曝されることを防ぐことができる。
【0085】
更に本変形例2では、支持面および傾斜面によって支持され配線されている光ファイバ6を、当該支持面あるいは傾斜面に固定するための固定バンド9(固定部材)が、配線経路の途中の複数箇所に設けられている。固定バンド9は、着脱可能で、第一の支持部81´または第二の支持部82´と、光ファイバ6とを纏めて結束することによって、光ファイバ6が第一の支持部81´の支持面あるいは第二の支持部82´の傾斜面から浮き上がって冷却ファン7の風が当たる事態を回避することができる。固定バンド9の具体例として、結束バンドのような構成を採用することができる。なお、固定バンド9以外であっても、上述した効果を奏する部材であれば、その態様はバンドに限らない。
【0086】
なお、図5の構成とした場合であっても、図2に示したカバー部26は筐体2の上面部として配設する。
【0087】
〔実施形態2〕
以下、本発明の他の実施形態について図6から図9を参照して説明する。なお、本実施形態では、前記実施形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0088】
図6は、本実施形態2の機器の上面図である。説明の便宜上、図6には筐体2のカバー部は図示していない。また、図7は、図6に示す切断線C−C´における機器1の矢視断面図である。なお、図7には、説明の便宜上、フロント部22およびポート220を図示している。また、図8は、図6の一部分の背面斜視図である。また、図9は、図6の一部分の断面図である。
【0089】
本実施形態2と上述の実施形態1との相違点は、光ファイバ配線部材8の構造と、風の整流をおこなう整流板10の有無とにある。
【0090】
具体的には、本実施形態2の機器1は、図6に示す状態において光ファイバ配線部材8´´の第一の支持部81´´が筐体2全体に設けられている。すなわち、第一の支持部81´´は、筐体2全体を上層と下層とに分離している。第一の支持部81´´よりもカバー部側では、ポート220に接続された光ファイバ6が、接続先である光モジュール3の位置の近傍まで配線されている。一方、第一の支持部81´´よりもボトム部21側には、冷却ファン7と、光モジュール3と、電子部品4と、基板5とが配設されている。本実施形態2では、上述の実施形態1の遮断壁83の機能を、第一の支持部81´´自体が担っている。
【0091】
また、本実施形態2でも、実施形態1と同様に、第一の支持部81´´と光モジュール3との高低差を解消するために、第一の支持部81´´に配線されている光ファイバ6を下ろす第二の支持部82´が設けられている。
【0092】
ここで図7および図8に示すように、本実施形態2では、第二の支持部82´は、第一の支持部81´´の領域内に設けた穴と連通する筒型の形状を有している。図7に示すように、筒型の第二の支持部82´の内側の面は、実施形態1の第二の支持部82と同様に曲面を有して構成されている。
【0093】
更に本実施形態2の光ファイバ配線部材8には、第一の支持部81´´における基板5と対向する側の面に、基板5側に向かって突出した整流板10が設けられている。整流板10は、冷却ファン7からの風を整流する。例えば、図8に示すように風の通路を規定しており、これは、冷却ファン7からの風を冷却対象物に集中させたい場合に有効である。
【0094】
なお、筒型の第二の支持部82´も、整流機能を有していると換言することができる。そこで、図9の(a)および(b)に示すように、筒型の第二の支持部82´の断面が流線形であるような形状の第二の支持部82´を配設してもよい。図9の(a)および(b)には、図中の矢印方向に冷却ファン7からの風が流れているものとする。
【0095】
また、図6および図8に示す整流板10の代替物として流線形を有する板を設けてもよい。
【0096】
〔実施形態2の変形例〕
図10は、本実施形態2の変形例を示す断面図である。
【0097】
本変形例の特徴は、冷却ファン7の風によって冷却する対象物の上方において、光ファイバ配線部材8の第一の支持部81´´が、当該対象物に向けて凸となるように湾曲させた構造となっている点にある。すなわち、第一の支持部81´´における当該対象物に対向する対向領域が、当該対象物に向けて凸となるように湾曲させた構造となっている。
【0098】
具体的には、図10では、光ファイバ配線部材8の第一の支持部81´´が、光モジュール3の上方において、図中に破線で囲んで示すように、光モジュール3に向かって凸となっている。
【0099】
このように第一の支持部81´´を冷却対象物に向けて凸とさせることにより、冷却ファン7の風の流速が当該冷却対象物の上方において早くなり、ベンチュリ効果をもたらして、当該冷却対象物の効率的な冷却を実現することができる。
【0100】
本発明は上述した各実施形態および各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態および変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、筐体内に光ファイバを搭載したあらゆる機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 機器
2 筐体
3 光モジュール
4 電子部品
5 基板
6 光ファイバ
7 冷却ファン
8、8´ 光ファイバ配線部材(支持部材)
9 固定バンド(固定部材)
10 整流板
21 ボトム部(底板)
22 フロント部(側壁)
22a 貫通孔
23,24,25 サイド部
26 カバー部
70 導入口
81、81´、81´´ 第一の支持部
81a、81a´ 集束領域
81b ガイド部
82、82´ 第二の支持部
83 遮断壁
220 ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10