(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100は、
図1および
図2に示されるように、主に、ケイ素粒子110、鱗片状黒鉛粒子120および非黒鉛質炭素(図示せず)から構成される。
【0018】
ケイ素粒子110は、複数の鱗片状黒鉛粒子120に挟み込まれると共に、ケイ素黒鉛複合粒子100の最外層の鱗片状黒鉛粒子120の外表面に付着する(
図1および
図2参照)。このケイ素粒子110は、粒子径ができるだけ小さい方が好ましい。リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化によって生じる応力を分散することができるからである。具体的には、体積分率50%時の粒子径(すなわちメジアン径)が2μm以下であることが好ましい。このケイ素粒子110の酸素含有量は、放電容量を十分に確保することができるという観点から、できるだけ少ない方が好ましい。具体的には、ケイ素粒子110中の酸素含有量は20質量%以下であることが好ましい。このケイ素粒子110として、シリコンウエハ製造時に発生する切削屑や研削屑を利用してもよい。
【0019】
鱗片状黒鉛粒子120は、層状に配列しており、上述の通り、ケイ素粒子110を挟み込む(
図1および
図2参照)。この鱗片状黒鉛粒子120は、天然黒鉛粒子、人造黒鉛粒子、キッシュ黒鉛粒子のいずれでもよいが、経済性および放電容量確保の観点から天然黒鉛粒子であることが好ましい。鱗片状黒鉛粒子120として、上述の黒鉛粒子の混合物が用いられてもかまわない。鱗片状黒鉛粒子120を予め高温で熱処理したものを鱗片状黒鉛粒子として使用しても差し支えない。鱗片状黒鉛粒子120の体積分率50%時の粒子径(すなわちメジアン径)は5μm以上30μm以下であることが好ましい。また、この鱗片状黒鉛粒子120は、アスペクト比が3以上50以下であることが好ましい。本発明の実施の形態において、鱗片状黒鉛粒子120は、ケイ素粒子110を挟み込むに当たり、柔軟性に富み、高結晶であり、しかも易変形性を有することが好ましい。このため、本発明の実施の形態において使用される鱗片状黒鉛粒子120の六角網平面間隔d002は0.3354nm以上0.3370nm以下の範囲内であることが好ましく、ペレット密度が1.80g/cm
3以上2.00g/cm
3以下であることが好ましい。
【0020】
非黒鉛質炭素は、ケイ素粒子110を鱗片状黒鉛粒子120に付着される。非黒鉛質炭素は、非晶質炭素および乱層構造炭素の少なくともいずれかである。なお、ここで「非晶質炭素」とは、短距離秩序(数原子〜十数個原子オーダー)を有しても、長距離秩序(数百〜数千個の原子オーダー)を有さない炭素をいう。ここで「乱層構造炭素」とは、六角網平面方向に平行な乱層構造を有するが、三次元方向には結晶学的規則性が見られない炭素原子からなる炭素をいう。X線回折図形では101面、103面に対応するhkl回折線は現れない。ただし、本発明の実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100は、基材である黒鉛の回折線が強いため、X線回折によって乱層構造炭素の存在を確認することが難しい。このため、乱層構造炭素は、透過型電子顕微鏡(TEM)等で確認されることが好ましい。
【0021】
この乱層構造炭素は、非黒鉛質炭素の原料を焼成することによって得られる。本発明の実施の形態において、非黒鉛質炭素の原料は、固体の非黒鉛質炭素の原料であって、例えば、石油系ピッチ粉末、石炭系ピッチ粉末、熱可塑性樹脂粉末等の有機化合物である。非黒鉛質炭素の原料は、上述の粉末の混合物であってもよい。これらの中でも、ピッチ粉末が特に好ましい。ピッチ粉末は、昇温過程で溶融すると共に炭化され、その結果、ケイ素粒子110を鱗片状黒鉛粒子120に好適に固定化することができるからである。ピッチ粉末は、低温焼成されても不可逆容量が小さいという観点から好ましい。焼成における熱処理条件の一例として、熱処理温度を800℃から1200℃の範囲内とすることが挙げられる。この熱処理時間は、熱処理温度および有機化合物の特性等を加味して適宜決定され、典型的には1時間程度である。熱処理時の雰囲気は非酸化雰囲気(不活性ガス雰囲気、真空雰囲気)であることが好ましく、経済的観点から窒素雰囲気が好ましい。非晶質炭素は、例えば、真空蒸着法やプラズマCVD法等の気相法により形成することができる。
【0022】
そして、本発明の実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100において、上述のケイ素粒子110、鱗片状黒鉛粒子120および非黒鉛質炭素の質量比は、1〜25:97〜60:2〜15であることが好ましく、1〜8:97〜77:2〜15であることがより好ましい。ケイ素黒鉛複合粒子100をこの組成とすることにより、ケイ素黒鉛複合粒子100の最外層の鱗片状黒鉛粒子120の外表面にケイ素粒子110を強固に固定化することができると共に、電極作製時において放電容量、充放電効率および充放電サイクル特性を好適化することができるからである。
【0023】
本発明の実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100の体積分率50%時の粒子径(すなわちメジアン径)は10μm以上35μm以下であることが好ましい。粒子径がこの範囲であると、電極作製時において充放電効率および充放電サイクル特性を好適化することができるからである。
【0024】
本実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100のアスペクト比、すなわち、鱗片状黒鉛粒子120の積層方向の長さ(
図1の「H」に相当)に対する長軸長さ(
図1の「W」に相当)の比は1.5以上10以下の範囲内であることが好ましく、3以上10以下の範囲内であることがより好ましく、3以上8以下の範囲内であることがさらに好ましく、3以上6以下の範囲内であることがさらに好ましく、3以上5以下の範囲内であることが特に好ましい。アスペクト比がこの範囲であると、充放電サイクル特性を好適化することができると共に、容易に電極を作製することができるからである。
【0025】
本実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100から電極密度1.70±0.02g/cm
3の電極を作製したとき(
図3参照)、その電極200のX線回折像おいて「(004)面に帰属されるピークの強度I(004)」に対する「(110)面に帰属されるピークの強度I(110)」の比が0.0300以下であることが好ましく、0.0200以下であることがより好ましく、0.0150以下であることがさらに好ましく、0.0100以下であることが特に好ましい。このケイ素黒鉛複合粒子100がこの条件を満たすことができれば、電極内における鱗片状黒鉛粒子120の配向度が良好となり、上述の効果をより効率的に享受することができるからである。なお、
図3中、符号210は活物質層を示し、符号220は集電体を示す。
【0026】
<ケイ素黒鉛複合粒子の製造>
本発明の実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100は、以下に示すいずれかの製造方法により製造される。
【0027】
(1)第1の製造方法
第1の製造方法では、一次複合粒子調製工程、混合粉末調製工程および加熱工程を経てケイ素黒鉛複合粒子100が製造される。
【0028】
一次複合粒子調製工程では、メカノケミカル(登録商標)処理、メカノフュージョン(登録商標)処理等の処理により、ケイ素粒子110および鱗片状黒鉛粒子120の混合粒子に圧縮力およびせん断力が付与されて一次複合粒子が調製される。なお、このとき、ケイ素粒子110および鱗片状黒鉛粒子120の混合粒子がメカノケミカルシステム、メカノフュージョンシステムに投入されてもよいし、ケイ素粒子110および鱗片状黒鉛粒子120それぞれを順にメカノケミカルシステム、メカノフュージョンシステムに投入した後に、両粒子を混合しながらメカノケミカル(登録商標)処理、メカノフュージョン(登録商標)処理等の処理を行ってもよい。なお、一次複合粒子では、ケイ素粒子110が弱い力で鱗片状黒鉛粒子120の表面に付着している。
【0029】
混合粉末調製工程では、一次複合粒子と固体の非黒鉛質炭素原料とが固相混合されて混合粉末が調製される。
【0030】
混合粉末調製工程において一次複合粒子と固体の非黒鉛質炭素原料とを混合する方法としては、粒子を破壊せずに均一に混合することができる方法であれば、特に限定されない。例えば、通常の混合機を用いる方法がある。混合機としては、例えば、回転容器型混合機、固定容器型混合機、気流型混合機、高速流動型混合機などが挙げられる。回転容器型混合機としては、例えば、Vブレンダーが挙げられる。
【0031】
加熱工程では、非酸化雰囲気下(不活性ガス雰囲気下、真空雰囲気下等)で混合粉末が800℃以上1200℃以下の温度で加熱処理される。この結果、一次複合粒子に非黒鉛質炭素原料が溶融付着され、さらに非黒鉛質炭素原料が非黒鉛質炭素に変換され、目的のケイ素黒鉛複合粒子100が得られる。加熱温度を1200℃以下とすることにより、炭化ケイ素(SiC)の生成量を抑制することができるため、放電容量に優れた電極を形成することができる。加熱温度を800℃以上とすることにより、充放電効率に優れた電極を形成することができる。このように、加熱温度が上記範囲であると、放電容量および充放電効率のバランスに優れた電極を形成することができる。
【0032】
(2)第2の製造方法
第2の製造方法では、中間体複合粒子調製工程および加熱工程を経てケイ素黒鉛複合粒子100が製造される。
【0033】
中間体複合粒子調製工程では、メカノケミカル(登録商標)処理、メカノフュージョン(登録商標)処理等の処理により、ケイ素粒子110、鱗片状黒鉛粒子120および固体の非黒鉛質炭素原料の混合物に、非黒鉛質炭素原料の軟化点以上の温度で圧縮力およびせん断力が付与されて中間体複合粒子が調製される。このとき、圧縮力が作用する状況下で、溶融した非黒鉛質炭素原料が接着剤の役割を果たして鱗片黒鉛粒子とケイ素粒子の積層数を増加させる。なお、このとき、ケイ素粒子110、鱗片状黒鉛粒子120および固体の非黒鉛質炭素原料の混合物がメカノケミカルシステム、メカノフュージョンシステムに投入されてもよいし、ケイ素粒子110、鱗片状黒鉛粒子120および固体の非黒鉛質炭素原料それぞれを順にメカノケミカルシステム、メカノフュージョンシステムに投入した後に、それら粒子を混合しながらメカノケミカル(登録商標)処理、メカノフュージョン(登録商標)処理等の処理を行ってもよい。
【0034】
加熱工程では、非酸化雰囲気下(不活性ガス雰囲気下、真空雰囲気下等)で混合物が800℃以上1200℃以下の温度で加熱処理される。この結果、非黒鉛質炭素原料が非黒鉛質炭素に変換され、目的のケイ素黒鉛複合粒子100が得られる。加熱温度を1200℃以下とすることにより、炭化ケイ素(SiC)の生成量を抑制することができるため、放電容量に優れた電極を形成することができる。加熱温度を800℃以上とすることにより、充放電効率に優れた電極を形成することができる。このように、加熱温度が上記範囲であると、放電容量および充放電効率のバランスに優れた電極を形成することができる。
【0035】
<ケイ素黒鉛複合粒子の特徴>
本発明の実施の形態に係るケイ素黒鉛複合粒子100は、非水電解質二次電池の電極活物質として使用されると、その充放電サイクル特性をさらに向上させることができる。
【0036】
<実施例および比較例>
以下、実施例および比較例を示して、本発明について詳述する。
【実施例1】
【0037】
<ケイ素黒鉛複合粒子の製造>
(1)一次複合粒子の調製
先ず、鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)とケイ素粉末(平均粒径:0.5μm)との質量比が95.7:1.9となるように、鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを、ローターとインナーピースとの隙間を5mmとした循環型メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン株式会社製AMS−30F)に投入した後、その混合粉末を周速20m/sで15分間、メカノケミカル処理して、一次複合粒子を調製した。
【0038】
鱗片状天然黒鉛粉末の平均粒子径は、下記「<ケイ素黒鉛複合粒子の特性評価>(1)粒子径の測定」に記載の方法と同様の方法により求めることができる。
【0039】
また、鱗片状天然黒鉛粉末のペレット密度は、次の方法により求められる。
1.00gの鱗片状天然黒鉛粉末を直径15mmの金型に充填し、その金型を一軸プレス機で加圧力8.7kNで5秒間加圧した後、その加圧力を0.15kNまで弱めてそのときの変位を読み取る。加圧速度は10mm/秒とする。また、鱗片状天然黒鉛粉末を上記金型に充填せずに、その金型を同一軸プレス機で加圧力8.7kNまで加圧した後、その加圧力を0.15kNまで弱めてそのときの変位を求める。この変位をリファレンスとする。そして、鱗片状天然黒鉛粉末の充填時の変位とリファレンス変位との差を試料厚みとして求め、この厚みから圧縮密度すなわちペレット密度を計算する。
【0040】
(2)混合粉末の調製
次いで、一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末(軟化点86℃、平均粒径20μm、1000℃加熱後の残炭率50%)との質量比が97.6:4.8となるように、一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末とを容器回転V型混合機(Vブレンダー)に投入して混合粉末を調製した。
【0041】
(3)石炭系ピッチ粉末の加熱処理
続いて、混合粉末を黒鉛るつぼに投入した後、その混合粉末を窒素気流中、1000℃の温度で1時間加熱し、石炭系ピッチ粉末を溶融させて一次複合粒子に付着させ、さらに非黒鉛質炭素に変換させた。
【0042】
(4)解砕処理
最後に、加熱処理後の混合粉末を、その98質量%以上が目開き75μmの篩を通過するまで解砕して目的のケイ素黒鉛複合粒子を得た。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、95.7:1.9:2.4であった(表1参照)。
【0043】
<ケイ素黒鉛複合粒子の特性評価>
(1)粒子径の測定
レーザー回折/散乱式粒度分布計(株式会社堀場製作所製LA−910)を用いて光散乱回折法によりケイ素黒鉛複合粒子の体積基準の粒度分布を測定した。その後、得られた粒度分布を用いて体積分率50%時の粒子径(メジアン径)を求めた。その結果、同粒子径は、25μmであった(表1参照)。
【0044】
(2)電池特性評価
(2−1)電極作製
上述のケイ素黒鉛複合粒子にCMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)粉末と、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)の水性分散液と、水とを配合して電極合剤スラリーを得た。ここで、CMC及びSBRは結着剤である。ケイ素黒鉛複合粒子、CMCおよびSBRの配合比は、質量比で98.0:1.0:1.0であった。そして、この電極合剤スラリーを、厚み17μmの銅箔(集電体)上にドクターブレード法により塗布した(塗布量は10〜11mg/cm
2であった)。塗布液を乾燥させて塗膜を得た後、その塗膜を直径13mmのディスク状に打ち抜いた。そして、そのディスクをプレス成形機により加圧して、1.70±0.02g/cm
3の電極密度を有する電極を作製した。なお、得られた電極の電極密度は、マイクロメータにより厚みを測定して体積を算出すると共に、そのディスク(銅箔を除いた部分)の質量を計測することにより得られる。
【0045】
(2−2)電池作製
ポリオレフィン製セパレーターの両側に上述の電極と対極のLi金属箔とを配置して電極組立体を作製した。そして、その電極組立体の内部に電解液を注入してセルサイズ2016のコイン型非水試験セルを作製した。なお、電解液の組成は、エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC):ジメチルカーボネート(DMC):ビニレンカーボネート(VC):フルオロエチレンカーボネート(FEC):LiPF
6=23:4:48:1:8:16(質量比)とした。
【0046】
(2−3)放電容量、充放電効率および充放電サイクルの評価
この非水試験セルにおいて、先ず、0.33mAの電流値で、対極に対して電位差0(ゼロ)Vになるまで定電流ドープ(電極へのリチウムイオンの挿入、リチウムイオン二次電池の充電に相当)を行った後、さらに0Vを保持したまま、5μAになるまで定電圧で対極に対してドープを続け、ドープ容量を測定した。次に、0.33mAの定電流で、電位差1.5Vになるまで脱ドープ(電極からのリチウムイオンの離脱、リチウムイオン二次電池の放電に相当)を行い、脱ドープ容量を測定した。このときのドープ容量、脱ドープ容量は、この電極をリチウムイオン二次電池の負極として用いた時の充電容量、放電容量に相当するので、これを充電容量、放電容量とした。本実施例に係る非水試験セルの放電容量は、405mAh/gであった(表1参照)。脱ドープ容量/ドープ容量の比は、リチウムイオン二次電池の放電容量/充電容量の比に相当するので、この比を充放電効率とした。本実施例に係る非水試験セルの充放電効率は、92.0%であった(表1参照)。
【0047】
サイクル特性の測定は、上記と同様に構成されたコイン型の非水試験セルを用いて行った。この試験セルにおいて、2サイクル目以降、1.33mAの定電流で、対極に対して電位差5mVになるまでドープした後(充電に相当)、さらに5mVを保持したまま、50μAになるまで定電圧でドープを続けた。次に、1.33mAの定電流で、電位差1.5Vになるまで脱ドープを行って(放電に相当)、脱ドープ容量を測定した。このときの脱ドープ容量を放電容量とした。
【0048】
上述と同一条件でドープと脱ドープとを31回繰り返し、「2サイクル目の脱ドープ時の放電容量」に対する「31サイクル目の脱ドープ時の放電容量」の比率(容量維持率)によりサイクル特性を評価した。なお、この容量維持率が90%以上であれば、実用電池として良好であると見なすことができる。なお、本実施例に係る非水試験セルの容量維持率は、96.8%であった(表1参照)。
【0049】
(3)アスペクト比の測定
上記「(2−1)電極作製」で作製した加圧前のディスク状電極を樹脂に埋め込んだ後、その樹脂を切断し、切断面を研磨した。その切断面(電極断面)を光学顕微鏡で観察して、ケイ素黒鉛複合粒子50個の寸法を計測し、各ケイ素黒鉛複合粒子につきアスペクト比(鱗片状天然黒鉛粒子の積層方向の長さに対する長軸長さの比)を算出する。そして、その50個のケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比を平均して、ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比とする。なお、本実施例に係るケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、5.2であった。
【0050】
(4)ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度の測定
ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、反射回折式の粉末X線回折法を利用して求められる。具体的には、上記「(2−1)電極作製」で作製した加圧後のディスク状電極を無反射板に両面テープで固定すると共に、リガク製RINT−1200Vを用いて、銅(Cu)をターゲットとし、管電圧40kV、管電流30mAでCuKα線をディスク状電極に照射して測定する。その後、ピーク分離し、CuKα1線による粉末X線回折スペクトルを得る。2θが52〜57°の範囲内にある(004)面の回折ピークと、2θが75〜80°の範囲内にある(110)面の回折ピークの各々の強度を求める。そして、(110)面の回折ピーク強度を(004)面の回折ピーク強度で除してケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度を算出する。本実施例に係るケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0075であった(表1参照)。なお、この配向度が小さい程、ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向性が高くなる。
【実施例2】
【0051】
「(1)一次複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末との質量比が86.6:4.3となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを混ぜ合わせ、「(2)混合粉末の調製」において一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末との質量比が90.9:18.2となるように一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末とを混ぜ合わせた以外は、実施例1と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、86.6:4.3:9.1であった(表1参照)。
【0052】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、29μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、4.4であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0095であった。非水試験セルの放電容量は462mAh/gであり、充放電効率は90.6%であり、容量維持率は94.9%であった(表1参照)。
【実施例3】
【0053】
「(1)一次複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末との質量比が82.8:4.2となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを混ぜ合わせ、「(2)混合粉末の調製」において一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末との質量比が87.0:26.0となるように一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末とを混ぜ合わせた以外は、実施例1と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、82.8:4.2:13.0であった(表1参照)。
【0054】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、30μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、3.8であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0120であった。非水試験セルの放電容量は458mAh/gであり、充放電効率は90.1%であり、容量維持率は95.0%であった(表1参照)。
【実施例4】
【0055】
「(1)一次複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末との質量比が84.0:6.7となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを混ぜ合わせ、「(2)混合粉末の調製」において一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末との質量比が90.7:18.6となるように一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末とを混ぜ合わせた以外は、実施例1と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、84.0:6.7:9.3であった(表1参照)。
【0056】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、29μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、4.3であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0091であった。非水試験セルの放電容量は525mAh/gであり、充放電効率は90.4%であり、容量維持率は93.1%であった(表1参照)。
【実施例5】
【0057】
「(1)一次複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末との質量比が83.3:7.5となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを混ぜ合わせ、「(2)混合粉末の調製」において一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末との質量比が90.8:18.4となるように一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末とを混ぜ合わせた以外は、実施例1と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、83.3:7.5:9.2であった(表1参照)。
【0058】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、28μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、4.3であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0087であった。非水試験セルの放電容量は548mAh/gであり、充放電効率は90.2%であり、容量維持率は92.0%であった(表1参照)。
【実施例6】
【0059】
「(1)一次複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末との質量比が82.6:8.3となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを混ぜ合わせ、「(2)混合粉末の調製」において一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末との質量比が90.9:18.2となるように一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末とを混ぜ合わせた以外は、実施例1と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、82.6:8.3:9.1であった(表1参照)。
【0060】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、28μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、4.2であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0088であった。非水試験セルの放電容量は564mAh/gであり、充放電効率は89.7%であり、容量維持率は88.1%であった(表1参照)。
【0061】
(比較例1)
「(1)一次複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末との質量比が95.3:4.7となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを混ぜ合わせ、「(2)混合粉末の調製」、「(3)石炭系ピッチ粉末の加熱処理」および「(4)解砕処理」を行わなかった以外は、実施例1と同様にして対照粉末(すなわち一次複合粒子)を得、実施例1と同様にして対照粉末の特性評価を行った。なお、この対照粉末における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、95.3:4.7:0.0であった(表1参照)。
【0062】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、25μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、5.4であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0070であった。非水試験セルの放電容量は470mAh/gであり、充放電効率は90.0%であり、容量維持率は84.0%であった(表1参照)。
【0063】
(比較例2)
鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)、ケイ素粉末(平均粒径:0.5μm)および石炭系ピッチ粉末(軟化点86℃、平均粒径20μm、1000℃加熱後の残炭率50%)の質量比が86.6:4.3:18.2となるように鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および石炭系ピッチ粉末をテトラヒドロフランに加えてよく混合し、分散液を調製した。この分散液を乾燥させて乾燥粉末を得、その乾燥粉末を黒鉛るつぼに投入した後、その乾燥粉末を窒素気流中、450℃の温度で1時間、加熱した。この乾燥粉末は加熱後、凝集して塊となる。そして、この加熱後の乾燥凝集塊をその98質量%以上が目開き75μmの篩を通過するまでコーヒーミルで粉砕した後、その粉砕物を、ローターとインナーピースとの隙間を5mmとした循環型メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン株式会社製AMS−30F)に投入し、その粉砕物を周速20m/sで30分間、メカノケミカル処理した。その後、メカノケミカル処理済みの粉砕物を黒鉛るつぼに投入し、窒素気流中、1000℃で1時間、その粉砕物を加熱して目的の対照粉末を得た。なお、この対照粉末における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、86.6:4.3:9.1であった(表1参照)。
【0064】
そして、実施例1と同様にして対照粉末の特性評価を行ったところ、対照粉末の体積分率50%時の粒子径は、33μmであった。対照粉末のアスペクト比は、2.7であった。対照粉末中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0320であった。なお、この配向度から、対照粉末の鱗片状天然黒鉛粒子は、同一方向に配向しておらずランダムな方向に向いていることが明らかとなった。非水試験セルの放電容量は458mAh/gであり、充放電効率は89.3%であり、容量維持率は89.2%であった(表1参照)。
【0065】
この比較例では、上述の通り、鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および石炭系ピッチがテトラヒドロフランを溶媒として液相で混合される。その結果、ケイ素粒子の分散が不十分となると共に、鱗片状天然黒鉛粒子がランダムな方向を向いたまま造粒される。また、この比較例では、ケイ素粒子および鱗片状天然黒鉛粒子に石炭系ピッチを被覆させてから加熱しており、柔軟な黒鉛が硬く変形しにくくなった状態で、その粉砕物にメカノケミカル処理により圧縮力・せん断力を付与している。このため、ケイ素粒子を鱗片状天然黒鉛粒子で十分に挟み込むことができず、鱗片状天然黒鉛粒子がランダムな方向を向いたままとなる。したがって、本比較例に係る非水試験セルの充放電サイクル特性が、実施例に係る非水試験セルの充放電サイクル特性よりも劣ったものと推察される。
【0066】
(比較例3)
「(1)一次複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末との質量比が86.6:4.3となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末とを混ぜ合わせた以外は、実施例1と同様にして一次複合粒子を調製した。次いで、一次複合粒子と石炭系ピッチ粉末(軟化点86℃、平均粒径20μm、1000℃加熱後の残炭率50%)との質量比が90.9:18.2となるように一次複合粒子および石炭系ピッチ粉末をテトラヒドロフランに加えてよく混合し、分散液を調製した。続いて、この分散液を乾燥させて乾燥粉末を得、その乾燥粉末を黒鉛るつぼに投入した後、その乾燥粉末を窒素気流中、1000℃の温度で1時間、加熱した。そして、この加熱後の乾燥粉体を、その98質量%以上が目開き75μmの篩を通過するまで解砕して目的の対照粉末を得た。なお、この対照粉末における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、86.6:4.3:9.1であった(表1参照)。
【0067】
そして、実施例1と同様にして対照粉末の特性評価を行ったところ、対照粉末の体積分率50%時の粒子径は、35μmであった。対照粉末のアスペクト比は、2.3であった。対照粉末中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0350であった。なお、この配向度から、対照粉末の鱗片状天然黒鉛粒子は、同一方向に配向しておらずランダムな方向に向いていることが明らかとなった。非水試験セルの放電容量は463mAh/gであり、充放電効率は90.5%であり、容量維持率は88.1%であった(表1参照)。
【0068】
【表1】
【実施例7】
【0069】
<ケイ素黒鉛複合粒子の製造>
(1)中間体複合粒子の調製
先ず、鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)とケイ素粉末(平均粒径:0.5μm)と石炭系ピッチ粉末(軟化点86℃、平均粒径20μm、1000℃加熱後の残炭率50%)の質量比が88.6:4.4:14.0となるように、鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末を、ローターとインナーピースとの隙間を5mmとした循環型メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン株式会社製AMS−30F)に投入した後、温度を95℃〜130℃に調整しながら、その混合粉末を回転数2600rpmで15分間、メカノケミカル処理して、中間体複合粒子を調製した。
【0070】
(2)石炭系ピッチ粉末の加熱処理
次いで、中間体複合粒子を黒鉛るつぼに投入した後、その中間体複合粒子を窒素気流中、1000℃の温度で1時間加熱し、石炭系ピッチ粉末を非黒鉛質炭素に変換させた。
【0071】
(3)解砕処理
最後に、加熱処理後の中間体複合粒子を、その98質量%以上が目開き75μmの篩を通過するまで解砕して目的のケイ素黒鉛複合粒子を得た。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、88.6:4.4:7.0であった(表2参照)。
【0072】
<ケイ素黒鉛複合粒子の特性評価>
実施例1と同様にして、得られたケイ素黒鉛複合粒子につき(1)粒子径の測定、(2)電池特性評価、(3)アスペクト比の測定、(4)ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度の測定を行った。その結果、ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、34μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、3.5であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0061であった。非水試験セルの放電容量は481mAh/gであり、充放電効率は92.1%であり、容量維持率は97.0%であった(表2参照)。
【実施例8】
【0073】
「(1)中間体複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末の質量比が78.3:12.5:18.4となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末を循環型メカノフュージョンシステムに投入した以外は、実施例7と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、78.3:12.5:9.2であった(表2参照)。
【0074】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、37μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、2.7であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0093であった。非水試験セルの放電容量は695mAh/gであり、充放電効率は90.7%であり、容量維持率は92.2%であった(表2参照)。
【実施例9】
【0075】
「(1)中間体複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)を鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:15μm、d002:0.3356nm、ペレット密度:1.89g/cm
3)に代えた以外は、実施例7と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、88.6:4.4:7.0であった(表2参照)。
【0076】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、25μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、2.5であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0070であった。非水試験セルの放電容量は482mAh/gであり、充放電効率は91.0%であり、容量維持率は96.5%であった(表2参照)。
【実施例10】
【0077】
「(1)中間体複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)を鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:15μm、d002:0.3356nm、ペレット密度:1.89g/cm
3)に代えた上で、鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末の質量比が78.3:12.5:18.4となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末を循環型メカノフュージョンシステムに投入した以外は、実施例7と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、78.3:12.5:9.2であった(表2参照)。
【0078】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、29μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、2.5であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0060であった。非水試験セルの放電容量は685mAh/gであり、充放電効率は90.5%であり、容量維持率は91.5%であった(表2参照)。
【実施例11】
【0079】
「(1)中間体複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)を鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:15μm、d002:0.3356nm、ペレット密度:1.89g/cm
3)に代え、鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末の質量比が73.2:17.6:18.4となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末を循環型メカノフュージョンシステムに投入した以外は、実施例7と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、73.2:17.6:9.2であった(表2参照)。
【0080】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、29μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、2.8であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0078であった。非水試験セルの放電容量は799mAh/gであり、充放電効率は90.1%であり、容量維持率は89.5%であった(表2参照)。
【実施例12】
【0081】
「(1)中間体複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)を鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:10μm、d002:0.3357nm、ペレット密度:1.82g/cm
3)に代え、鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末の質量比が88.6:4.4:14.0となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末を循環型メカノフュージョンシステムに投入した以外は、実施例7と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、88.6:4.4:7.0であった(表2参照)。
【0082】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、19μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、2.2であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0075であった。非水試験セルの放電容量は480mAh/gであり、充放電効率は90.0%であり、容量維持率は95.0%であった(表2参照)。
【実施例13】
【0083】
「(1)中間体複合粒子の調製」において鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:23μm、d002:0.3355nm、ペレット密度:1.91g/cm
3)を鱗片状天然黒鉛粉末(株式会社中越黒鉛工業所製、平均粒径:10μm、d002:0.3357nm、ペレット密度:1.82g/cm
3)に代え、鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末の質量比が74.5:12.5:26.0となるように鱗片状天然黒鉛粉末とケイ素粉末と石炭系ピッチ粉末を循環型メカノフュージョンシステムに投入した以外は、実施例7と同様にして目的のケイ素黒鉛複合粒子を得、実施例1と同様にしてケイ素黒鉛複合粒子の特性評価を行った。なお、このケイ素黒鉛複合粒子における鱗片状天然黒鉛粉末、ケイ素粉末および非黒鉛質炭素の質量比は、74.5:12.5:13.0であった(表2参照)。
【0084】
ケイ素黒鉛複合粒子の体積分率50%時の粒子径は、23μmであった。ケイ素黒鉛複合粒子のアスペクト比は、1.5であった。ケイ素黒鉛複合粒子中の鱗片状天然黒鉛粒子の配向度は、0.0210であった。非水試験セルの放電容量は664mAh/gであり、充放電効率は89.5%であり、容量維持率は90.0%であった(表2参照)。
【0085】
【表2】
【0086】
上述の結果より、本発明の実施例に係るケイ素黒鉛複合粒子は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として使用されると、そのリチウムイオン二次電池の充放電サイクル特性を有効に改善することが明らかとなった。