特許第5798692号(P5798692)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5798692皺葉狗尾草を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798692
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】皺葉狗尾草を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 1/00 20060101AFI20151001BHJP
   A01G 7/06 20060101ALI20151001BHJP
   A01C 1/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   A01G1/00 301C
   A01G7/06 A
   A01C1/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-533761(P2014-533761)
(86)(22)【出願日】2012年10月17日
(65)【公表番号】特表2014-529299(P2014-529299A)
(43)【公表日】2014年11月6日
(86)【国際出願番号】CN2012083061
(87)【国際公開番号】WO2014036779
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2013年11月27日
(31)【優先権主張番号】201210333138.4
(32)【優先日】2012年9月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513299812
【氏名又は名称】中国科学院華南植物園
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】任 海
(72)【発明者】
【氏名】袁 蓮蓮
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲チャン▼媚
(72)【発明者】
【氏名】陸 宏芳
【審査官】 上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−092918(JP,A)
【文献】 特開2000−139113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 1/00
A01C 1/00 − 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皺葉狗尾草(Setaria plicata(Lamk.)T. Cooke)の種子の発芽率・生存率向上方法において、
皺葉狗尾草の種子を白千層(Melaleuca leucadendra Linn)の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸し、播種して培養し、発芽させて成長させる、
ことを特徴とする皺葉狗尾草の種子の発芽率・生存率向上方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記の白千層の葉身の葉浸出液は、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して得られる、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、
皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸した後、皺葉狗尾草の種子1000g毎に10〜12gの腐植酸を混合し、播種して培養し、発芽させて成長させる、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
皺葉狗尾草を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法において、
皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸し、8〜12g/mの種子密度で住宅地における各種の高木緑化林下の土壌に撒播し、種子の発芽期間中、土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させる工程を含む、
ことを特徴とする、皺葉狗尾草を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記の白千層の葉身の葉浸出液は、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して得られる、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法において、
皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸した後、皺葉狗尾草の種子1000g毎に10〜12gの腐植酸を混合し、その後8〜12g/mの種子密度で住宅地における各種の高木緑化林下の土壌に撒播し、種子の発芽期間中、土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させる、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市や町の住宅地の緑化作りにおける耐陰性芝生の植え付け方法に関し、具体的には、耐陰性皺葉狗尾草(Setaria plicata(Lamk.)T. Cooke)を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
林下の緑地は、都市や町における住宅地の緑化によく見られる緑地形態であり、塵埃の付着、空気の浄化、二酸化炭素の固定および酸素の放出、景観効果の向上などにおいて重要な役割を果たす。しかし、住宅地の林下緑地において耐陰性草本層は多く植えられておらず、緑地林下で使用する草の種類も比較的少ないため、多くの高木および低木の下は雑草が生えてくるか裸状態になっている。特に住宅地の公共緑地においては、林下の耐陰環境における草本植物の植え付けコストが高く、成長が遅く、かつ蚊やハエが繁殖しやすい。最も主要な原因として、これらのエリアに程度の異なる遮光が存在することが挙げられ、一般的な好光性芝生用草の種子が生存することは難しく、このような林下緑地では一般的に品質が悪い。このため、住宅地の林下層に耐陰性緑地をつくる植え付け技術は非常に重要となっている。
【0003】
皺葉狗尾草(Setaria plicata(Lamk.)T. Cooke)は、イネ科(Gramineae)の植物であり、馬草、爛衣草とも言う。多年生草本であり、高さは30〜50cmである。茎はまっすぐであり、基部が広くなることがある。葉身は、楕円形から矩円形まであり、強い皺を有し、長さは7〜20cm、幅は1〜3cmあり、両端は次第に尖り、両面の脈を乳突形状のまばらで長い毛が覆う。円台形の花序は、尖ってタワー形状を呈し、30cmと長い。頴果を有し、小穂は、楕円形で、長さは約3mmであり、短くて尖り、短い小枝に密に配列している。穂は9〜10月に出る。主にインド、マレーシア、中国の長江領域より南の各省や地域に分布する。主に山坂の林下、溝や谷の陰湿箇所または道端の雑草地で成長する。果実は食用でき、薬用として主に解毒、殺虫、駆風に用いられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の目的は、皺葉狗尾草の種子の発芽率・生存率を向上させることが可能な方法を提供することである。
【0005】
皺葉狗尾草(コササキビ)(Setaria plicata(Lamk.)T. Cooke)の種子の発芽率・生存率向上方法において、皺葉狗尾草の種子を白千層(Melaleuca leucadendra Linn)の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸し、播種して培養し、発芽させて成長させることを特徴とする。
【0006】
前記の白千層の葉身の葉浸出液は、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して得ることが好ましい。
【0007】
さらに、皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸した後、皺葉狗尾草の種子1000g毎に10〜12gの腐植酸を混合し、播種して培養し、発芽させて成長させることが好ましい。
【0008】
本発明の第二の目的は、皺葉狗尾草を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法を提供し、皺葉狗尾草の種子の発芽率・生存率を特殊な処理で高め、住宅地における高木下の緑地を皺葉狗尾草で迅速かつ効果的に緑化・浄化することである。
【0009】
皺葉狗尾草を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法において、皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸し、8〜12g/mの種子密度で住宅地における各種の高木緑化林下の土壌に撒播し、種子の発芽期間中、土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させる工程を含むことを特徴とする。
【0010】
前記の白千層の葉身の葉浸出液は、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して得ることが好ましい。
【0011】
さらに、皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸した後、皺葉狗尾草の種子1000g毎に10〜12gの腐植酸を混合し、その後8〜12g/mの種子密度で住宅地における各種の高木緑化林下の土壌に撒播し、種子の発芽期間中、土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させることが好ましい。
【0012】
播種前に、播種用土壌にある雑草を除去し、土壌が比較的痩せている場合は、まず有機肥料を基肥として施肥することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の、皺葉狗尾草を利用した、住宅地における高木下の緑地の緑化・浄化方法は、播種地の土壌の遮光率が20〜90%である場合にいずれも効果的に実施できる。
【0014】
本発明において、皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液で処理すると、種子の発芽率は86%以上、生存率は60%以上に達する。一方、白千層の葉身の葉浸出液で処理しない皺葉狗尾草の種子の場合は、種子の発芽率は52%以上でしかなく、生存率は10%より低い。これから分かるように、皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液で処理することによって、皺葉狗尾草の種子の発芽率と生存率とを効果的に向上させることができ、播種する種子を節約し、コストを低減することができる。
【0015】
さらに皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5〜8分間浸した後、皺葉狗尾草の種子1000g毎に10〜12gの腐植酸を混合し、播種して培養し、発芽させることで、種子の発芽率は95%以上、最高で99%に達し、生存率は90%以上に達する。白千層の葉身の葉浸出液と腐植酸とを組み合わせて処理することによって、皺葉狗尾草の種子の発芽率と生存率とをさらに向上させることができ、より一層播種する種子を節約し、さらにコストを低減することができる。
【0016】
本発明は、極めて強い耐陰力がありながら冷季型と暖季型とを兼ねる草である郷土植物の皺葉狗尾草を、住宅地の緑地高木林下の緑地に植え付けるための草として選択する。極めて強い耐陰性を有し、かつ植え付けやすく、管理が少なくて済み、成長が速く、地表を覆うのが速くて、緻密な芝生を、比較的短時間で形成できるといった特徴を利用する。皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液で処理することで、皺葉狗尾草の種子の発芽率と生存率とが向上し、発芽率は86%以上、生存率は60%以上に達する。次に、住宅地における各種の高木緑化林下の土壌に撒播する。種子の発芽期間中、土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させる。種子が発芽した後は、栽培管理を必要とせず、通常1週間ほどで高さ10cmの緻密な草本層を形成でき、切り整える必要はない。皺葉狗尾草は、郷土植物であり、その果実は食用でき(中毒性はない)、生物による侵入はない。根系が発達し、強い水土保持力を有する。基本的に施肥する必要はなく、しかも病虫害の発生が極めて少ない。したがって、植え付けや管理のコストはいずれも低い。最も重要なのは、蚊やハエを駆除する機能も有し、揃っていて景観が美しいことである。すなわち、緑化と浄化の二重機能を有する。一部踏み付けにも耐えることができ、住宅地での使用に非常に好適であり、高架下の緑化・浄化にも用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の実施例は、本発明に対する更なる説明であり、本発明に対する限定ではない。
【0018】
比較例1
皺葉狗尾草の種子を10g/mの密度で華南植物園の高木林下の土壌(遮光率は35%であった)に撒播した。播種前に、土壌にあった雑草を除去した。種子の発芽期間中(通常は播種後3日間)、水やりによって土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させた。種子の発芽率と生存率とを統計したところ、種子の発芽率は52%、生存率は10%であった。
【0019】
比較例2
皺葉狗尾草の種子について、1000gの種子毎に10gの腐植酸を混合し、その後10g/mの密度で華南植物園の高木林下の土壌(遮光率は35%であった)に撒播した。播種前に、土壌にあった雑草を除去した。種子の発芽期間中(通常は播種後3日間)、水やりによって土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させた。種子の発芽率と生存率とを統計したところ、種子の発芽率は65%、生存率は50%であった。
【0020】
実施例1
枯れ落ちた白千層(Melaleuca leucadendra Linn)の葉身を集め、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して白千層の葉身の葉浸出液を得た。皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5分間浸し、その後10g/mの密度で華南植物園の高木林下の土壌(遮光率は40%であった)に撒播した。播種前に、土壌にあった雑草を除去した。種子の発芽期間中(通常は播種後3日間)、水やりによって土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させた。種子の発芽率と生存率とを統計したところ、種子の発芽率は86%、生存率は60%であった。皺葉狗尾草の種子が発芽した後は、栽培管理を必要とせず、1週間後に高さ10cm近くの緻密な草本層が形成され、切り整える必要はなかった。2週間後に20〜30cmの高さまで達した。1年間に及ぶ観察の結果、前記の草本層は、サンプル地において良好に成長し、景観が美しく、かつ蚊やその他の虫類はなかった。
【0021】
実施例2
枯れ落ちた白千層(Melaleuca leucadendra Linn)の葉身を集め、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して白千層の葉身の葉浸出液を得た。皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に8分間浸し、その後12g/mの密度で華南植物園の高木林下の土壌(遮光率は40%であった)に撒播した。播種前に、土壌にあった雑草を除去した。種子の発芽期間中(通常は播種後3日間)、水やりによって土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させた。種子の発芽率と生存率とを統計したところ、種子の発芽率は87%、生存率は62%であった。皺葉狗尾草の種子が発芽した後は、栽培管理を必要とせず、1週間後に高さ10cm近くの緻密な草本層が形成され、切り整える必要はなかった。2週間後に20〜30cmの高さまで達した。1年間に及ぶ観察の結果、前記の草本層は、サンプル地において良好に成長し、景観が美しく、かつ蚊やその他の虫類はなかった。
【0022】
実施例3
枯れ落ちた白千層(Melaleuca leucadendra Linn)の葉身を集め、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して白千層の葉身の葉浸出液を得た。皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に8分間浸し、1000gの種子毎に10gの腐植酸を混合し、その後10g/mの密度で華南植物園の高木林下の土壌(遮光率は40%であった)に撒播した。播種前に、土壌にあった雑草を除去した。種子の発芽期間中(通常は播種後3日間)、水やりによって土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させた。種子の発芽率と生存率とを統計したところ、種子の発芽率は95%、生存率は90%であった。皺葉狗尾草の種子が発芽した後は、栽培管理を必要とせず、1週間後に高さ10cm近くの緻密な草本層が形成され、切り整える必要はなかった。2週間後に20〜30cmの高さまで達した。1年間に及ぶ観察の結果、前記の草本層は、サンプル地において良好に成長し、景観が美しく、かつ蚊やその他の虫類はなかった。
【0023】
実施例4
枯れ落ちた白千層(Melaleuca leucadendra Linn)の葉身を集め、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して白千層の葉身の葉浸出液を得た。皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5分間浸し、1000gの種子毎に12gの腐植酸を混合し、その後8g/mの密度で華南植物園の高木林下の土壌(遮光率は40%であった)に撒播した。播種前に、土壌にあった雑草を除去した。種子の発芽期間中(通常は播種後3日間)、水やりによって土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させた。種子の発芽率と生存率とを統計したところ、種子の発芽率は99%、生存率は91%であった。皺葉狗尾草の種子が発芽した後は、栽培管理を必要とせず、1週間後に高さ10cm近くの緻密な草本層が形成され、切り整える必要はなかった。2週間後に20〜30cmの高さまで達した。1年間に及ぶ観察の結果、前記の草本層は、サンプル地において良好に成長し、景観が美しく、かつ蚊やその他の虫類はなかった。
【0024】
実施例5
場所:中国科学院華南植物園客座マンション傍のガジュマル、白千層、サルスベリ林の下、遮光率:30〜50%。
【0025】
まず実験を行なうサンプル地を整地し、土壌にあった雑草を除去し、1kg/10mの有機肥料を基肥として施肥した。
【0026】
枯れ落ちた白千層(Melaleuca leucadendra Linn)の葉身を集め、枯れ落ちた白千層の葉身を1000gにつき3kgの水に入れ、10分間沸騰させ、ろ過して白千層の葉身の葉浸出液を得た。皺葉狗尾草の種子を白千層の葉身の葉浸出液に5分間浸し、1000gの種子毎に10gの腐植酸を混合し、その後12g/mの密度でサンプル地の土壌に撒播した。種子の発芽期間中(通常は播種後3日間)、水やりによって土壌の水分含有量が25〜30%となるように制御し、種子を発芽させて成長させた。種子の発芽率と生存率とを統計したところ、種子の発芽率は99%、生存率は92%であった。皺葉狗尾草の種子が発芽した後は、栽培管理を必要とせず、1週間後に高さ10cm近くの緻密な草本層が形成され、切り整える必要はなかった。2週間後に20〜30cmの高さまで達した。1年間に及ぶ観察の結果、前記の草本層は、サンプル地において良好に成長し、景観が美しく、かつ蚊やその他の虫類はなかった。